JPH0527046U - 円筒物蒸着装置 - Google Patents

円筒物蒸着装置

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JPH0527046U JP6713191U JP6713191U JPH0527046U JP H0527046 U JPH0527046 U JP H0527046U JP 6713191 U JP6713191 U JP 6713191U JP 6713191 U JP6713191 U JP 6713191U JP H0527046 U JPH0527046 U JP H0527046U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長尺円筒物の端部に対して真空蒸着による被
膜形成を行う円筒物蒸着装置において、装置製作費を低
減させ、蒸着時における信頼性および作業性を向上させ
る。 【構成】 円筒状をなす内部可動ハウジング11に円筒
物2を同軸に挿通し、円筒物2の一端を真空容器22内
に突出させた状態で外部可動ハウジング16を前記軸線
沿いに真空容器22内に挿入した後、円筒物回転装置1
0を用いて円筒物2をその軸線を中心に回転させ、電圧
印加装置41を用いて円筒物2に電圧を印加するととも
に、真空容器22内を排気し、更に蒸着物発生装置26
およびヒーター25を作動させて真空蒸着を行う。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、石油採掘用パイプのネジ部分を始めとする各種長尺円筒物の端部に 対し、イオンプレーティングもしくはプラズマCVD等の方法を用いて真空蒸着 による被膜形成を行う円筒物蒸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
石油採掘用パイプのネジ部分を始めとする各種長尺円筒物の端部に対しては、 真空蒸着による被膜形成を行う場合がある。この場合、前記端部のみに真空蒸着 を行う装置として、従来より例えば下記のようなものが考案されている。
【0003】 図4は、この装置の一例を模式的に示す図である。真空容器1内において、長 尺円筒状をなす円筒物2は環状の回転軸受3により外周側から支持され、モータ ー4を駆動源として軸線を中心に回転可能となっている。更に、円筒物2には電 圧印加装置(図示せず)が接続されている。一方、真空容器1内にはヒーター( 図示せず)が設けられているとともに、円筒物2一端の直下には、被膜形成用の 蒸着物を発生させるとともにイオン化させる蒸着物発生装置5が設置されている 。ここで、この蒸着物発生装置5は前記軸線に沿って円筒物2他端の直下(図中 A)まで移動可能とされている。被膜形成の方法として、本図ではイオンプレー ティングの場合を示すが、プラズマCVDでも可能である。更に、真空容器1内 の空気は、排気口6から排気設備(図示せず)により排気される。
【0004】 図4の装置においては、回転軸受3内に円筒物を設置し、真空容器1内を排気 した後、モーター4を回転させると、モーター4の回転が減速装置7を経て円筒 物2に伝達され、円筒物2が軸線を中心に回転する。そして、この状態で前記電 圧印加装置により円筒物2に電圧を印加し、前記ヒーターにより円筒物2を加熱 しつつ蒸着物発生装置5を作動させると、イオン化した蒸着材料が円筒物2の端 部に引き寄せられ、この端部上に前記蒸着材料の被膜が形成される。更に、円筒 物2一端の蒸着作業終了後、蒸着物発生装置5を前記軸線に沿って円筒物2他端 の直下まで移動させて再度上記蒸着作業を行うことにより、円筒物1の両端部が 蒸着される。また、蒸着物発生装置5を移動させつつ蒸着作業を行うことにより 、前記端部における蒸着範囲を任意に拡大可能である。
【0005】 図5は、この装置の他の例を示す図である。真空容器1は蒸着を行う円筒物2 の少なくとも2倍以上の全長を有し、その上部には、その長手方向に沿ってレー ル8が設置され、レール8上には、モーター(図示せず)その他を駆動源として レール8上を走行する移動車9が配置されている。また、移動車9からは環状の 回転軸受3が釣り下げられ、回転軸受3内には円筒物2が挿通され、その軸線が レール8の軸線に平行となった状態で回転軸受3により外周側から支持されてい る。その結果、円筒物2は移動車9から釣り下げられた状態で、レール8沿いに 移動可能となっている。更に、円筒物2は、モーター4を駆動源とし、円筒物2 の移動と同調してレール8沿いに移動する円筒物回転装置10により、移動中も 自らの軸線を中心に回転可能である。また、円筒物2には電圧印加装置(図示せ ず)が接続されている。
【0006】 一方、真空容器1内にはヒーター(図示せず)が設けられているとともに、真 空容器1の長手方向中央下部には、図4の場合と同様の蒸着物発生装置5が固定 されている。なお、真空容器1内の空気は、排気口6から排気設備(図示せず) により排気される。
【0007】 図5の装置においては、円筒物2の一端が蒸着物発生装置5上に位置するよう 真空容器1内に円筒物2を設置後、真空容器1内を排気し、モーター4を回転さ せると、モーター4の回転が円筒物回転装置10を経て円筒物2に伝達され、円 筒物2が軸線を中心に回転する。そして、この状態で前記電圧印加装置により円 筒物2に電圧を印加し、前記ヒーターにより円筒物2を加熱しつつ蒸着物発生装 置5を作動させると、イオン化した蒸着材料が円筒物2の一端に引き寄せられ、 円筒物2の一端上に前記蒸着材料の被膜が形成される。また、円筒物2の一端に 対する蒸着作業終了後、円筒物2の他端が蒸着物発生装置5上に位置するまで円 筒物2をレール8沿いに移動させて再度上記蒸着作業を行うことにより、円筒物 2の両端部が蒸着される。なお、円筒物2を移動させつつ蒸着作業を行うことに より、各端部における蒸着範囲を任意に拡大可能である。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の円筒物蒸着装置においては、円筒物2全体を真空容 器1内に収納する必要があった。そのため、真空容器1および前記排気装置が大 型化し、設備費増大の原因となる他、前記蒸着装置に対する円筒物2の着脱も大 がかりとならざるを得なかった。更に、蒸着物発生装置5または円筒物2の移動 機構や円筒物回転装置10あるいは回転軸受3等が真空容器1内に位置するため 、蒸着装置の構造が複雑化する他、故障の発生率が上昇するという問題もあった 。
【0009】 また、蒸着作業中、回転軸受3や円筒物回転装置10は前記ヒーターにより加 熱されるが、この場合、軸受等の熱変形や熱膨張に伴い円筒物2の保持に支障が 生じたり、潤滑油が使用できないことに伴い可動部の焼き付きや動作不良が生じ たりする他、高温下において、これら設備を構成する部材から発生するガスが前 記被膜へと混入する可能性があるため、これら装置については、耐熱に対する特 別の配慮が必要であった。
【0010】 一方、蒸着が行われる円筒物2には通常市販品を用いているが、この場合、円 筒物2の製造および流通の過程でその表面が汚れていると、この汚れが真空蒸着 作業中不純ガスとなって前記被膜に混入し、硬度や密着力を始めとする前記被膜 の物性を大幅に低下させる場合がある。そこで、真空蒸着を行う前に、予め円筒 物2を洗浄しておく必要があるが、上記従来の円筒物蒸着装置においては、円筒 物2全体が真空容器1内に収納されるため、円筒物2の洗浄に際しては、円筒物 2全体を洗浄しなければならず、作業効率が低下するという問題があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本考案は、上記事情に鑑みてなされたもので、 真空容器内で円筒物に電圧を印加して、この円筒物の端部に真空蒸着による被 膜形成を行う円筒物蒸着装置において、
【0012】 円筒状をなす第一の部材と、前記第一の部材を、前記第一の部材の外周側から その軸線を中心に回転可能に支持する第二の部材と、
【0013】 前記第二の部材の一端側に隣接し、前記第二の部材の一端が前記軸線方向から 挿入され、しかも、その挿入量が相対的に可変とされる真空容器と、前記真空容 器内に設置される蒸着物発生装置と、
【0014】 前記円筒物をその軸線を中心に回転させる回転装置および前記円筒物に電圧を 印加する電圧印加装置とを具備し、
【0015】 前記円筒物が前記第一の部材に同軸に挿通され、前記真空容器内に突出した状 態で前記第一の部材に固定され、しかも、前記円筒物、前記第一の部材、前記第 二の部材および前記真空容器間がそれぞれ密封されているとともに、前記真空容 器と前記円筒物が電気的に絶縁されていることを特徴とする円筒物蒸着装置であ る。
【0016】
【作用】
本考案の円筒物蒸着装置においては、円筒物の端部のみを真空容器に挿入すれ ばよいため、真空容器および排気装置の小型化が可能となり、設備費が低減する 。また、蒸着作業中、軸受、シール部、および回転装置等がヒーターから隔離さ れているため、これらの故障が減少する他、被膜に対する不純ガスの混入も起こ りにくく、作業時における信頼性が向上する。しかも、各部品を特殊な設計とす る必要がないので、一般標準品の使用が可能となり、製作費が低減する。
【0017】 一方、蒸着作業前に円筒物の洗浄を行う場合には、前記真空容器に挿入された 部分(円筒物がパイプ状をなす場合にはその内周も含む)のみを洗浄すればよい ため、洗浄作業における作業効率が大幅に向上する。
【0018】 更に、蒸着装置に対する円筒物の着脱を前記真空容器外で行うことが可能であ るため、着脱作業が容易となる。
【0019】
【実施例】
以下、図面に基づき、本考案の実施例について更に詳しく説明する。 本考案の円筒物蒸着装置およびこの装置に対する円筒物の装着状況を図1に示 す。図1において、符号11は円筒状をなす内部可動ハウジング(第一の部材) で、その中心孔11aの内周面にはその周方向に沿って凹部11bが形成され、 凹部11b内には真空シール12がはめ込まれている。本実施例の場合、真空シ ール12としてはO−リングが使用されている。
【0020】 また、円筒物2は内部可動ハウジング11に中心孔11aと同軸に挿通され、 その結果、円筒物2の一端が内部可動ハウジング11の端面から所定の長さだけ 突出する。この場合、真空シール12の内周側に位置する円筒物2の外周面には 、機械加工等の方法により、外周面が平滑とされた真空シール部13が形成され 、その結果、真空シール部13の外周は真空シール12で完全にシーリングされ ている。そして、円筒物2は、このシーリングにより内部可動ハウジング11に 固定される。なお、この真空シール部13は、円筒物2の他端側の同位置にも同 様に形成される。
【0021】 更に、内部可動ハウジング11の外周には環状をなす回転軸受14の内輪が固 定金具15により固定され、回転軸受14の外輪は固定金具15aにより円筒状 をなす外部可動ハウジング(第二の部材)16に固定されている。その結果、内 部可動ハウジング11は、外部可動ハウジング16に支持された状態で、その軸 線を中心に回転可能となっている。なお、内部可動ハウジング11と外部可動ハ ウジング16間は、回転シール17によりシーリングされている。ここで、回転 シール17としては、磁気シール、オイルシール、もしくはリップシール等が用 いられる。また、内部可動ハウジング11内には流路18が形成され、流路18 内を冷却水19が循環している。
【0022】 そして、外部可動ハウジング16の外周は滑り軸受20を介して固定ハウジン グ21に前記軸線方向に移動可能に支持され、固定ハウジング21は真空容器2 2の一端面に開口する挿入用ハウジング23に、前記軸線方向に沿って挿入され ている。その結果、内部可動ハウジング11および外部可動ハウジング16は、 固定ハウジング21に支持された状態で、真空容器22内を前記軸線方向に移動 可能となっている。なお、固定ハウジング21と挿入用ハウジング23との間に は、絶縁部24が形成されている。
【0023】 一方、真空容器22内には、前記軸線を挟んで上下にそれぞれヒーター25と イオンプレーティング用の蒸着物発生装置26が設置されている。この蒸着物発 生装置26は、前記軸線の直下に設置された直流放電プローブ27と、その下部 に設置された坩堝28および坩堝28内の蒸着材料29を加熱する電子銃30と 、真空容器22内に反応ガスを導入するガス導入ノズル31および直流放電プロ ーブ27に給電する直流放電プローブ電源用31とからなっている。なお、直流 放電プローブ27と直流放電プローブ用電源32間を連結する電線33は、絶縁 部24aにより絶縁されている。なお、符号34は真空容器22内を排気するた めの排気口で、更に、排気口34は排気装置(図示せず)に接続されている。
【0024】 また、真空容器22内において、外部可動ハウジング16を最も真空容器22 内に挿入した場合の各可動ハウジング11,16先端の到達位置と、蒸着物発生 装置26およびヒーター25との間には、前記軸線に対し垂直な隔壁35が形成 され、しかも、隔壁35と、前記軸線との交点の周囲には、この交点を中心とし て円形状に開口する開口部35aが形成されている。その結果、内部可動ハウジ ング11に円筒物2を装着した場合には、内部可動ハウジング11の端面から突 出した円筒物2の端部のみが開口部35aを介して蒸着物発生装置26およびヒ ーター25との間に突出する。
【0025】 他方、外部可動ハウジング16の他端には外周方向に向けフランジ部16aが 形成され、フランジ部16aの真空容器22側端面と固定ハウジング21のフラ ンジ部16a側端面との間は伸縮シール36でシーリングされている。この伸縮 シール36は前記軸線方向に伸縮可能なため、真空容器22内における外部可動 ハウジング16の移動にかかわらず、外部可動ハウジング16と固定ハウジング 21とは常時シーリングされる。
【0026】 また、フランジ部16aの後方には、円筒物2の全長に合わせた長さの台車3 7が、その長手方向を前記軸線と一致させた状態で前記軸線に沿って移動可能に 配置され、その先端は絶縁部24bを介して外部可動ハウジング16の後端に固 定されている。
【0027】 そして、台車37の後端部には、蒸着装置に円筒物2を装着した場合、円筒物 2の一端が搭載される支持台38が形成されている。ここで、支持台38の位置 は、円筒物2の他端側に形成された真空シール部13をその外周面から支持する 位置とされ、また、支持台38上には、真空シール部13を支持した場合、円筒 物2が前記軸線と同軸に回転可能となるよう回転軸受39が設けられている。ま た、符号15は回転軸受39のローラーである。なお、回転軸受39の例として は、図2に示すようにローラー39aを3箇所に配置しその中央に真空シール部 13を搭載するものがある。この場合、上部のローラー39aは容易に取り外し 可能とされ、円筒物2の搭載を容易としている。
【0028】 更に、台車37上には、円筒物回転装置10が形成されている。この円筒物回 転装置10は、台車37上に設置されたモーター4と、前記軸線を中心に回転す る歯車40と、モーター4の回転を減速して歯車40に伝達する減速歯車40a とから構成され、しかも、歯車40は、円筒物2を台車37に搭載した場合、円 筒物2の外周面に対し着脱可能とされている。ここで、支持台38と回転軸受3 9およびモーター4と減速歯車40aとの間には、それぞれ絶縁部24c,24 dが形成されている。
【0029】 すなわち、本実施例の円筒物蒸着装置においては、上記各可動ハウジング11 ,16、ならびに支持台38および円筒物回転装置10の各部材はいずれも台車 37上に設置され、更に、円筒物2は専らこれら各部材により支持されている。 そのため、円筒物回転装置10を作動させつつ、台車37を前記軸線方向に移動 させることにより、円筒物2の前記軸線を中心とした回転運動および前記軸線方 向への移動が可能となっている。
【0030】 なお、符号41は電圧印加装置である。これは、円筒物用電源42と、それに 接続された電圧印加部43とからなり、台車37に円筒物2を搭載した場合、円 筒物2の外周面と電圧印加部43とを接触させ、円筒物用電源42の負電圧を、 円筒物2に印加するものである。この電圧印加装置41においては、電圧印加部 43が円筒物2の回転および軸線方向への運動の有無に拘らずその外周面と接触 可能なため、円筒物2への負電圧の印加が、常時可能となっている。
【0031】 また、図1に示すように、円筒物2が中空部44を有するパイプ状をなしてい る場合には、排気時および蒸着時における中空部44からの空気の流入を防止す るため、蓋状の真空シール部材45を用い、円筒物2の他端を予め被覆した後、 真空蒸着を行う。ここで、円筒物2の端面は、真空シール部材45によるシーリ ングを確実なものとするため、機械加工等の手段を用いて平滑にしておく必要が ある。
【0032】 次に、本実施例における真空蒸着の手順について述べる。 (1) 図1のように、円筒物蒸着装置に円筒物2を装着した状態において、台 車37を前記軸線方向に移動し、真空蒸着による被覆を行う範囲が真空蒸着の際 生じる蒸着流の発生範囲(図1中矢印xで示した範囲)と重なるまで円筒物2の 一端を真空容器22の隔壁35から突出させる。
【0033】 (2) 円筒物回転装置10を作動させて円筒物2を前記軸線を中心に回転させ 、前記排気装置を作動させて真空容器22内を真空状態とする。
【0034】 (3) 真空容器22内にガス導入ノズル31より反応ガスを導入して真空容器 22内を所定濃度内に保持し、坩堝28内の蒸着材料29を電子銃30により溶 解、イオン化させるとともに、イオン化した蒸着材料29と反応ガスとを直流放 電プローブ用電源32により直流電圧が印加される直流放電プローブ27により 正イオン化する。
【0035】 (4) この正イオンを、ヒーター25により加熱され、しかも円筒物用電源4 2により負電圧が印加された円筒物2に引き寄せることにより、真空蒸着による 被膜が形成される。
【0036】 なお、本実施例においては、イオンプレーティングによる真空蒸着を行ったが 、真空蒸着法として、イオンプレーティングの代わりにプラズマCVDを用いる こともできる。この場合には、真空容器22内の直流放電プローブ27、坩堝2 8、電子銃30、および直流放電プローブ用電源32は必要ない。
【0037】 プラズマCVDを用いた真空蒸着の手順について以下に述べる。 (a) 上記(1)の状態で真空容器22を排気した後、ガス導入ノズル31か ら真空容器22内にキャリアガスを含む原料ガス導入して真空容器22内を所定 濃度内に保持する。
【0038】 (b) 円筒物用電源42により円筒物2に直流電圧を印加し、真空容器22と の間にグロー放電を起させ、キャリアガスを含む原料ガスをプラズマ化させる。
【0039】 (c) このプラズマ中の正イオンを、ヒーター25により加熱され、しかも円 筒物用電源42により負電圧が印加された円筒物2に引き寄せることにより、真 空蒸着による被膜を形成させる。
【0040】 上記いずれの方法においても、円筒物2の一端の被覆終了後、、円筒物2を真 空容器22から引き抜き、台車37上の円筒物2を逆向きとして、円筒物2他端 の被覆を行うことにより、円筒部2の両端を短時間かつ容易に被覆することがで きる。また、各可動ハウジング11,16および固定ハウジング21と、円筒物 2の先端とは隔壁35により遮断されているので、蒸着中蒸着材料の蒸気が各可 動ハウジング11,16および固定ハウジング21等にかかったり、各可動ハウ ジング11,16および固定ハウジング21がヒーター25により過剰に加熱さ れることはない。
【0041】 なお、上記の通り、本実施例においては、真空容器22内における円筒物2の 位置調整等に際し、円筒物2を搭載した台車37を真空容器22に対して移動さ せる方法が採られているが、必要に応じ、円筒物2を固定し、真空容器22を円 筒物2の軸線方向に移動させる形式としてもよい。
【0042】 また、外部可動ハウジング16と固定ハウジング21間のシーリング方法とし て、図3に示すように、固定ハウジング21を前記挿入方向後方に延長するとと もに、フランジ部16aを廃し、この延長部分の内周と外部可動ハウジング16 の外周との間に、周方向にリップシール46を配置して両者間をシーリングする こともできる。
【0043】 更に、円筒物2として市販品を用いた場合、そのままの状態では表面粗さが粗 く、真空シールが不可能となることがある。この場合、機械加工を行う必要があ るが、上記の通り、本考案においては、真空シール部13と、円筒物2の両端の みを加工すればよいので、機械加工範囲が極めて少なくて済むという利点がある 。
【0044】
【考案の効果】
以上説明した通り、本考案の円筒物蒸着装置においては、円筒物の端部のみを 真空容器に挿入すればよいため、真空容器および排気装置の小型化が可能となり 、設備費が低減した。また、蒸着作業中、軸受、シール部、および回転装置等が ヒーターから隔離されているため、これらの故障が減少する他、被膜に対する不 純ガスの混入も起こりにくく、作業時における信頼性が向上した。しかも、各部 品を特殊な設計とする必要がないので、一般標準品の使用が可能となり、製作費 が低減した。
【0045】 一方、蒸着作業前に円筒物の洗浄を行う場合には、前記真空容器に挿入された 部分(円筒物がパイプ状をなす場合にはその内周も含む)のみを洗浄すればよい ため、洗浄作業における作業効率が大幅に向上した。
【0046】 更に、円筒物蒸着装置に対する円筒物の着脱を前記真空容器外で行うことが可 能であるため、着脱作業が容易となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一実施例を示す円筒物蒸着装置の断
面図である。
【図2】本考案の支持台におけるローラーの配置の例を
示すII−II線に沿った断面図である。
【図3】本考案における外部可動ハウジングと固定ハウ
ジング間のシーリング方法の例を示す断面図である。
【図4】従来の円筒物蒸着装置の例を示す模式図であ
る。
【図5】従来の円筒物蒸着装置の例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1、22 真空容器 2 円筒物 3,14,39 回転軸受 4 モーター 5,26 蒸着物発生装置 6,34 排気口 7 減速装置 8 レール 9 移動車 10 円筒物回転装置 11 内部可動ハウジング(第一の部材) 11a 中心孔 11b 凹部 12 真空シール 13 真空シール部 15,15a 固定金具 16 外部可動ハウジング(第二の部材) 16a フランジ部 17 回転シール 18 流路 19 冷却水 20 滑り軸受 21 固定ハウジング 23 挿入用ハウジング 24,24a,24b,24c,24d 絶縁部 25 ヒーター 27 直流放電プローブ 28 坩堝 29 蒸着材料 30 電子銃 31 ガス導入ノズル 32 直流放電プローブ用電源 33 電線 35 隔壁 35a 開口部 36 伸縮シール 37 台車 38 支持台 39a ローラー 40 歯車 40a 減速歯車 41 電圧印加装置 42 円筒物用電源 43 電圧印加部 44 中空部 45 真空シール部材 46 リップシール A 蒸着物発生装置の移動位置 x イオンプレーティングを用いた真空蒸着における蒸
着流の形成範囲

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内で円筒物に電圧を印加し
    て、この円筒物の端部に真空蒸着による被膜形成を行う
    円筒物蒸着装置において、 円筒状をなす第一の部材と、前記第一の部材を、前記第
    一の部材の外周側からその軸線を中心に回転可能に支持
    する第二の部材と、 前記第二の部材の一端側に形成され、前記第二の部材の
    一端が前記軸線方向から挿入され、しかも、その挿入量
    が相対的に可変とされる真空容器と、前記真空容器内に
    設置された蒸着物発生装置と、 前記円筒物をその軸線を中心に回転させる回転装置およ
    び前記円筒物に電圧を印加する電圧印加装置とを具備
    し、 前記円筒物が前記第一の部材に同軸に挿通され、前記真
    空容器内に突出した状態で前記第一の部材に固定され、
    しかも、前記円筒物、前記第一の部材、前記第二の部材
    および前記真空容器間がそれぞれ密封されるとともに、
    前記真空容器と前記円筒物が電気的に絶縁されているこ
    とを特徴とする円筒物蒸着装置。
  2. 【請求項2】 上記真空蒸着の方法として、イオンプレ
    ーティングもしくはプラズマCVDのいずれかを用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の円筒物蒸着装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013052546A1 (en) * 2011-10-03 2013-04-11 Exxonmobil Research And Engineering Company Methods for coating tubular devices used in oil and gas drilling, completions and production operations

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