JP2546078Y2 - 円筒物蒸着装置 - Google Patents

円筒物蒸着装置

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JP2546078Y2
JP2546078Y2 JP6713191U JP6713191U JP2546078Y2 JP 2546078 Y2 JP2546078 Y2 JP 2546078Y2 JP 6713191 U JP6713191 U JP 6713191U JP 6713191 U JP6713191 U JP 6713191U JP 2546078 Y2 JP2546078 Y2 JP 2546078Y2
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清 根橋
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、石油採掘用パイプのネ
ジ部分を始めとする各種長尺円筒物の端部に対し、イオ
ンプレーティングもしくはプラズマCVD等の方法を用
いて真空蒸着による被膜形成を行う円筒物蒸着装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】石油採掘用パイプのネジ部分を始めとす
る各種長尺円筒物の端部に対しては、真空蒸着による被
膜形成を行う場合がある。この場合、前記端部のみに真
空蒸着を行う装置として、従来より例えば下記のような
ものが考案されている。
【0003】図4は、この装置の一例を模式的に示す図
である。真空容器1内において、長尺円筒状をなす円筒
物2は環状の回転軸受3により外周側から支持され、モ
ーター4を駆動源として軸線を中心に回転可能となって
いる。更に、円筒物2には電圧印加装置(図示せず)が
接続されている。一方、真空容器1内にはヒーター(図
示せず)が設けられているとともに、円筒物2一端の直
下には、被膜形成用の蒸着物を発生させるとともにイオ
ン化させる蒸着物発生装置5が設置されている。ここ
で、この蒸着物発生装置5は前記軸線に沿って円筒物2
他端の直下(図中A)まで移動可能とされている。被膜
形成の方法として、本図ではイオンプレーティングの場
合を示すが、プラズマCVDでも可能である。更に、真
空容器1内の空気は、排気口6から排気設備(図示せ
ず)により排気される。
【0004】図4の装置においては、回転軸受3内に円
筒物を設置し、真空容器1内を排気した後、モーター4
を回転させると、モーター4の回転が減速装置7を経て
円筒物2に伝達され、円筒物2が軸線を中心に回転す
る。そして、この状態で前記電圧印加装置により円筒物
2に電圧を印加し、前記ヒーターにより円筒物2を加熱
しつつ蒸着物発生装置5を作動させると、イオン化した
蒸着材料が円筒物2の端部に引き寄せられ、この端部上
に前記蒸着材料の被膜が形成される。更に、円筒物2一
端の蒸着作業終了後、蒸着物発生装置5を前記軸線に沿
って円筒物2他端の直下まで移動させて再度上記蒸着作
業を行うことにより、円筒物1の両端部が蒸着される。
また、蒸着物発生装置5を移動させつつ蒸着作業を行う
ことにより、前記端部における蒸着範囲を任意に拡大可
能である。
【0005】図5は、この装置の他の例を示す図であ
る。真空容器1は蒸着を行う円筒物2の少なくとも2倍
以上の全長を有し、その上部には、その長手方向に沿っ
てレール8が設置され、レール8上には、モーター(図
示せず)その他を駆動源としてレール8上を走行する移
動車9が配置されている。また、移動車9からは環状の
回転軸受3が釣り下げられ、回転軸受3内には円筒物2
が挿通され、その軸線がレール8の軸線に平行となった
状態で回転軸受3により外周側から支持されている。そ
の結果、円筒物2は移動車9から釣り下げられた状態
で、レール8沿いに移動可能となっている。更に、円筒
物2は、モーター4を駆動源とし、円筒物2の移動と同
調してレール8沿いに移動する円筒物回転装置10によ
り、移動中も自らの軸線を中心に回転可能である。ま
た、円筒物2には電圧印加装置(図示せず)が接続され
ている。
【0006】一方、真空容器1内にはヒーター(図示せ
ず)が設けられているとともに、真空容器1の長手方向
中央下部には、図4の場合と同様の蒸着物発生装置5が
固定されている。なお、真空容器1内の空気は、排気口
6から排気設備(図示せず)により排気される。
【0007】図5の装置においては、円筒物2の一端が
蒸着物発生装置5上に位置するよう真空容器1内に円筒
物2を設置後、真空容器1内を排気し、モーター4を回
転させると、モーター4の回転が円筒物回転装置10を
経て円筒物2に伝達され、円筒物2が軸線を中心に回転
する。そして、この状態で前記電圧印加装置により円筒
物2に電圧を印加し、前記ヒーターにより円筒物2を加
熱しつつ蒸着物発生装置5を作動させると、イオン化し
た蒸着材料が円筒物2の一端に引き寄せられ、円筒物2
の一端上に前記蒸着材料の被膜が形成される。また、円
筒物2の一端に対する蒸着作業終了後、円筒物2の他端
が蒸着物発生装置5上に位置するまで円筒物2をレール
8沿いに移動させて再度上記蒸着作業を行うことによ
り、円筒物2の両端部が蒸着される。なお、円筒物2を
移動させつつ蒸着作業を行うことにより、各端部におけ
る蒸着範囲を任意に拡大可能である。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の円筒物蒸着装置においては、円筒物2全体を真空容
器1内に収納する必要があった。そのため、真空容器1
および前記排気装置が大型化し、設備費増大の原因とな
る他、前記蒸着装置に対する円筒物2の着脱も大がかり
とならざるを得なかった。更に、蒸着物発生装置5また
は円筒物2の移動機構や円筒物回転装置10あるいは回
転軸受3等が真空容器1内に位置するため、蒸着装置の
構造が複雑化する他、故障の発生率が上昇するという問
題もあった。
【0009】また、蒸着作業中、回転軸受3や円筒物回
転装置10は前記ヒーターにより加熱されるが、この場
合、軸受等の熱変形や熱膨張に伴い円筒物2の保持に支
障が生じたり、潤滑油が使用できないことに伴い可動部
の焼き付きや動作不良が生じたりする他、高温下におい
て、これら設備を構成する部材から発生するガスが前記
被膜へと混入する可能性があるため、これら装置につい
ては、耐熱に対する特別の配慮が必要であった。
【0010】一方、蒸着が行われる円筒物2には通常市
販品を用いているが、この場合、円筒物2の製造および
流通の過程でその表面が汚れていると、この汚れが真空
蒸着作業中不純ガスとなって前記被膜に混入し、硬度や
密着力を始めとする前記被膜の物性を大幅に低下させる
場合がある。そこで、真空蒸着を行う前に、予め円筒物
2を洗浄しておく必要があるが、上記従来の円筒物蒸着
装置においては、円筒物2全体が真空容器1内に収納さ
れるため、円筒物2の洗浄に際しては、円筒物2全体を
洗浄しなければならず、作業効率が低下するという問題
があった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本考案は、上記事情に鑑
みてなされたもので、真空容器内で円筒物に電圧を印加
して、この円筒物の端部に真空蒸着による被膜形成を行
う円筒物蒸着装置において、
【0012】円筒状をなす第一の部材と、前記第一の部
材を、前記第一の部材の外周側からその軸線を中心に回
転可能に支持する第二の部材と、
【0013】前記第二の部材の一端側に隣接し、前記第
二の部材の一端が前記軸線方向から挿入され、しかも、
その挿入量が相対的に可変とされる真空容器と、前記真
空容器内に設置される蒸着物発生装置と、
【0014】前記円筒物をその軸線を中心に回転させる
回転装置および前記円筒物に電圧を印加する電圧印加装
置とを具備し、
【0015】前記円筒物が前記第一の部材に同軸に挿通
され、前記真空容器内に突出した状態で前記第一の部材
に固定され、しかも、前記円筒物、前記第一の部材、前
記第二の部材および前記真空容器間がそれぞれ密封され
ているとともに、前記真空容器と前記円筒物が電気的に
絶縁されていることを特徴とする円筒物蒸着装置であ
る。
【0016】
【作用】本考案の円筒物蒸着装置においては、円筒物の
端部のみを真空容器に挿入すればよいため、真空容器お
よび排気装置の小型化が可能となり、設備費が低減す
る。また、蒸着作業中、軸受、シール部、および回転装
置等がヒーターから隔離されているため、これらの故障
が減少する他、被膜に対する不純ガスの混入も起こりに
くく、作業時における信頼性が向上する。しかも、各部
品を特殊な設計とする必要がないので、一般標準品の使
用が可能となり、製作費が低減する。
【0017】一方、蒸着作業前に円筒物の洗浄を行う場
合には、前記真空容器に挿入された部分(円筒物がパイ
プ状をなす場合にはその内周も含む)のみを洗浄すれば
よいため、洗浄作業における作業効率が大幅に向上す
る。
【0018】更に、蒸着装置に対する円筒物の着脱を前
記真空容器外で行うことが可能であるため、着脱作業が
容易となる。
【0019】
【実施例】以下、図面に基づき、本考案の実施例につい
て更に詳しく説明する。本考案の円筒物蒸着装置および
この装置に対する円筒物の装着状況を図1に示す。図1
において、符号11は円筒状をなす内部可動ハウジング
(第一の部材)で、その中心孔11aの内周面にはその
周方向に沿って凹部11bが形成され、凹部11b内に
は真空シール12がはめ込まれている。本実施例の場
合、真空シール12としてはO−リングが使用されてい
る。
【0020】また、円筒物2は内部可動ハウジング11
に中心孔11aと同軸に挿通され、その結果、円筒物2
の一端が内部可動ハウジング11の端面から所定の長さ
だけ突出する。この場合、真空シール12の内周側に位
置する円筒物2の外周面には、機械加工等の方法によ
り、外周面が平滑とされた真空シール部13が形成さ
れ、その結果、真空シール部13の外周は真空シール1
2で完全にシーリングされている。そして、円筒物2
は、このシーリングにより内部可動ハウジング11に固
定される。なお、この真空シール部13は、円筒物2の
他端側の同位置にも同様に形成される。
【0021】更に、内部可動ハウジング11の外周には
環状をなす回転軸受14の内輪が固定金具15により固
定され、回転軸受14の外輪は固定金具15aにより円
筒状をなす外部可動ハウジング(第二の部材)16に固
定されている。その結果、内部可動ハウジング11は、
外部可動ハウジング16に支持された状態で、その軸線
を中心に回転可能となっている。なお、内部可動ハウジ
ング11と外部可動ハウジング16間は、回転シール1
7によりシーリングされている。ここで、回転シール1
7としては、磁気シール、オイルシール、もしくはリッ
プシール等が用いられる。また、内部可動ハウジング1
1内には流路18が形成され、流路18内を冷却水19
が循環している。
【0022】そして、外部可動ハウジング16の外周は
滑り軸受20を介して固定ハウジング21に前記軸線方
向に移動可能に支持され、固定ハウジング21は真空容
器22の一端面に開口する挿入用ハウジング23に、前
記軸線方向に沿って挿入されている。その結果、内部可
動ハウジング11および外部可動ハウジング16は、固
定ハウジング21に支持された状態で、真空容器22内
を前記軸線方向に移動可能となっている。なお、固定ハ
ウジング21と挿入用ハウジング23との間には、絶縁
部24が形成されている。
【0023】一方、真空容器22内には、前記軸線を挟
んで上下にそれぞれヒーター25とイオンプレーティン
グ用の蒸着物発生装置26が設置されている。この蒸着
物発生装置26は、前記軸線の直下に設置された直流放
電プローブ27と、その下部に設置された坩堝28およ
び坩堝28内の蒸着材料29を加熱する電子銃30と、
真空容器22内に反応ガスを導入するガス導入ノズル3
1および直流放電プローブ27に給電する直流放電プロ
ーブ電源用31とからなっている。なお、直流放電プロ
ーブ27と直流放電プローブ用電源32間を連結する電
線33は、絶縁部24aにより絶縁されている。なお、
符号34は真空容器22内を排気するための排気口で、
更に、排気口34は排気装置(図示せず)に接続されて
いる。
【0024】また、真空容器22内において、外部可動
ハウジング16を最も真空容器22内に挿入した場合の
各可動ハウジング11,16先端の到達位置と、蒸着物
発生装置26およびヒーター25との間には、前記軸線
に対し垂直な隔壁35が形成され、しかも、隔壁35
と、前記軸線との交点の周囲には、この交点を中心とし
て円形状に開口する開口部35aが形成されている。そ
の結果、内部可動ハウジング11に円筒物2を装着した
場合には、内部可動ハウジング11の端面から突出した
円筒物2の端部のみが開口部35aを介して蒸着物発生
装置26およびヒーター25との間に突出する。
【0025】他方、外部可動ハウジング16の他端には
外周方向に向けフランジ部16aが形成され、フランジ
部16aの真空容器22側端面と固定ハウジング21の
フランジ部16a側端面との間は伸縮シール36でシー
リングされている。この伸縮シール36は前記軸線方向
に伸縮可能なため、真空容器22内における外部可動ハ
ウジング16の移動にかかわらず、外部可動ハウジング
16と固定ハウジング21とは常時シーリングされる。
【0026】また、フランジ部16aの後方には、円筒
物2の全長に合わせた長さの台車37が、その長手方向
を前記軸線と一致させた状態で前記軸線に沿って移動可
能に配置され、その先端は絶縁部24bを介して外部可
動ハウジング16の後端に固定されている。
【0027】そして、台車37の後端部には、蒸着装置
に円筒物2を装着した場合、円筒物2の一端が搭載され
る支持台38が形成されている。ここで、支持台38の
位置は、円筒物2の他端側に形成された真空シール部1
3をその外周面から支持する位置とされ、また、支持台
38上には、真空シール部13を支持した場合、円筒物
2が前記軸線と同軸に回転可能となるよう回転軸受39
が設けられている。また、符号15は回転軸受39のロ
ーラーである。なお、回転軸受39の例としては、図2
に示すようにローラー39aを3箇所に配置しその中央
に真空シール部13を搭載するものがある。この場合、
上部のローラー39aは容易に取り外し可能とされ、円
筒物2の搭載を容易としている。
【0028】更に、台車37上には、円筒物回転装置1
0が形成されている。この円筒物回転装置10は、台車
37上に設置されたモーター4と、前記軸線を中心に回
転する歯車40と、モーター4の回転を減速して歯車4
0に伝達する減速歯車40aとから構成され、しかも、
歯車40は、円筒物2を台車37に搭載した場合、円筒
物2の外周面に対し着脱可能とされている。ここで、支
持台38と回転軸受39およびモーター4と減速歯車4
0aとの間には、それぞれ絶縁部24c,24dが形成
されている。
【0029】すなわち、本実施例の円筒物蒸着装置にお
いては、上記各可動ハウジング11,16、ならびに支
持台38および円筒物回転装置10の各部材はいずれも
台車37上に設置され、更に、円筒物2は専らこれら各
部材により支持されている。そのため、円筒物回転装置
10を作動させつつ、台車37を前記軸線方向に移動さ
せることにより、円筒物2の前記軸線を中心とした回転
運動および前記軸線方向への移動が可能となっている。
【0030】なお、符号41は電圧印加装置である。こ
れは、円筒物用電源42と、それに接続された電圧印加
部43とからなり、台車37に円筒物2を搭載した場
合、円筒物2の外周面と電圧印加部43とを接触させ、
円筒物用電源42の負電圧を、円筒物2に印加するもの
である。この電圧印加装置41においては、電圧印加部
43が円筒物2の回転および軸線方向への運動の有無に
拘らずその外周面と接触可能なため、円筒物2への負電
圧の印加が、常時可能となっている。
【0031】また、図1に示すように、円筒物2が中空
部44を有するパイプ状をなしている場合には、排気時
および蒸着時における中空部44からの空気の流入を防
止するため、蓋状の真空シール部材45を用い、円筒物
2の他端を予め被覆した後、真空蒸着を行う。ここで、
円筒物2の端面は、真空シール部材45によるシーリン
グを確実なものとするため、機械加工等の手段を用いて
平滑にしておく必要がある。
【0032】次に、本実施例における真空蒸着の手順に
ついて述べる。 (1) 図1のように、円筒物蒸着装置に円筒物2を装
着した状態において、台車37を前記軸線方向に移動
し、真空蒸着による被覆を行う範囲が真空蒸着の際生じ
る蒸着流の発生範囲(図1中矢印xで示した範囲)と重
なるまで円筒物2の一端を真空容器22の隔壁35から
突出させる。
【0033】(2) 円筒物回転装置10を作動させて
円筒物2を前記軸線を中心に回転させ、前記排気装置を
作動させて真空容器22内を真空状態とする。
【0034】(3) 真空容器22内にガス導入ノズル
31より反応ガスを導入して真空容器22内を所定濃度
内に保持し、坩堝28内の蒸着材料29を電子銃30に
より溶解、イオン化させるとともに、イオン化した蒸着
材料29と反応ガスとを直流放電プローブ用電源32に
より直流電圧が印加される直流放電プローブ27により
正イオン化する。
【0035】(4) この正イオンを、ヒーター25に
より加熱され、しかも円筒物用電源42により負電圧が
印加された円筒物2に引き寄せることにより、真空蒸着
による被膜が形成される。
【0036】なお、本実施例においては、イオンプレー
ティングによる真空蒸着を行ったが、真空蒸着法とし
て、イオンプレーティングの代わりにプラズマCVDを
用いることもできる。この場合には、真空容器22内の
直流放電プローブ27、坩堝28、電子銃30、および
直流放電プローブ用電源32は必要ない。
【0037】プラズマCVDを用いた真空蒸着の手順に
ついて以下に述べる。 (a) 上記(1)の状態で真空容器22を排気した
後、ガス導入ノズル31から真空容器22内にキャリア
ガスを含む原料ガス導入して真空容器22内を所定濃度
内に保持する。
【0038】(b) 円筒物用電源42により円筒物2
に直流電圧を印加し、真空容器22との間にグロー放電
を起させ、キャリアガスを含む原料ガスをプラズマ化さ
せる。
【0039】(c) このプラズマ中の正イオンを、ヒ
ーター25により加熱され、しかも円筒物用電源42に
より負電圧が印加された円筒物2に引き寄せることによ
り、真空蒸着による被膜を形成させる。
【0040】上記いずれの方法においても、円筒物2の
一端の被覆終了後、、円筒物2を真空容器22から引き
抜き、台車37上の円筒物2を逆向きとして、円筒物2
他端の被覆を行うことにより、円筒部2の両端を短時間
かつ容易に被覆することができる。また、各可動ハウジ
ング11,16および固定ハウジング21と、円筒物2
の先端とは隔壁35により遮断されているので、蒸着中
蒸着材料の蒸気が各可動ハウジング11,16および固
定ハウジング21等にかかったり、各可動ハウジング1
1,16および固定ハウジング21がヒーター25によ
り過剰に加熱されることはない。
【0041】なお、上記の通り、本実施例においては、
真空容器22内における円筒物2の位置調整等に際し、
円筒物2を搭載した台車37を真空容器22に対して移
動させる方法が採られているが、必要に応じ、円筒物2
を固定し、真空容器22を円筒物2の軸線方向に移動さ
せる形式としてもよい。
【0042】また、外部可動ハウジング16と固定ハウ
ジング21間のシーリング方法として、図3に示すよう
に、固定ハウジング21を前記挿入方向後方に延長する
とともに、フランジ部16aを廃し、この延長部分の内
周と外部可動ハウジング16の外周との間に、周方向に
リップシール46を配置して両者間をシーリングするこ
ともできる。
【0043】更に、円筒物2として市販品を用いた場
合、そのままの状態では表面粗さが粗く、真空シールが
不可能となることがある。この場合、機械加工を行う必
要があるが、上記の通り、本考案においては、真空シー
ル部13と、円筒物2の両端のみを加工すればよいの
で、機械加工範囲が極めて少なくて済むという利点があ
る。
【0044】
【考案の効果】以上説明した通り、本考案の円筒物蒸着
装置においては、円筒物の端部のみを真空容器に挿入す
ればよいため、真空容器および排気装置の小型化が可能
となり、設備費が低減した。また、蒸着作業中、軸受、
シール部、および回転装置等がヒーターから隔離されて
いるため、これらの故障が減少する他、被膜に対する不
純ガスの混入も起こりにくく、作業時における信頼性が
向上した。しかも、各部品を特殊な設計とする必要がな
いので、一般標準品の使用が可能となり、製作費が低減
した。
【0045】一方、蒸着作業前に円筒物の洗浄を行う場
合には、前記真空容器に挿入された部分(円筒物がパイ
プ状をなす場合にはその内周も含む)のみを洗浄すれば
よいため、洗浄作業における作業効率が大幅に向上し
た。
【0046】更に、円筒物蒸着装置に対する円筒物の着
脱を前記真空容器外で行うことが可能であるため、着脱
作業が容易となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一実施例を示す円筒物蒸着装置の断
面図である。
【図2】本考案の支持台におけるローラーの配置の例を
示すII−II線に沿った断面図である。
【図3】本考案における外部可動ハウジングと固定ハウ
ジング間のシーリング方法の例を示す断面図である。
【図4】従来の円筒物蒸着装置の例を示す模式図であ
る。
【図5】従来の円筒物蒸着装置の例を示す模式図であ
る。
【符号の説明】
1、22 真空容器 2 円筒物 3,14,39 回転軸受 4 モーター 5,26 蒸着物発生装置 6,34 排気口 7 減速装置 8 レール 9 移動車 10 円筒物回転装置 11 内部可動ハウジング(第一の部材) 11a 中心孔 11b 凹部 12 真空シール 13 真空シール部 15,15a 固定金具 16 外部可動ハウジング(第二の部材) 16a フランジ部 17 回転シール 18 流路 19 冷却水 20 滑り軸受 21 固定ハウジング 23 挿入用ハウジング 24,24a,24b,24c,24d 絶縁部 25 ヒーター 27 直流放電プローブ 28 坩堝 29 蒸着材料 30 電子銃 31 ガス導入ノズル 32 直流放電プローブ用電源 33 電線 35 隔壁 35a 開口部 36 伸縮シール 37 台車 38 支持台 39a ローラー 40 歯車 40a 減速歯車 41 電圧印加装置 42 円筒物用電源 43 電圧印加部 44 中空部 45 真空シール部材 46 リップシール A 蒸着物発生装置の移動位置 x イオンプレーティングを用いた真空蒸着における蒸
着流の形成範囲

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 真空容器内で円筒物に電圧を印加し
    て、この円筒物の端部に真空蒸着による被膜形成を行う
    円筒物蒸着装置において、 円筒状をなす第一の部材と、前記第一の部材を、前記第
    一の部材の外周側からその軸線を中心に回転可能に支持
    する第二の部材と、 前記第二の部材の一端側に形成され、前記第二の部材の
    一端が前記軸線方向から挿入され、しかも、その挿入量
    が相対的に可変とされる真空容器と、前記真空容器内に
    設置された蒸着物発生装置と、 前記円筒物をその軸線を中心に回転させる回転装置およ
    び前記円筒物に電圧を印加する電圧印加装置とを具備
    し、 前記円筒物が前記第一の部材に同軸に挿通され、前記真
    空容器内に突出した状態で前記第一の部材に固定され、
    しかも、前記円筒物、前記第一の部材、前記第二の部材
    および前記真空容器間がそれぞれ密封されるとともに、
    前記真空容器と前記円筒物が電気的に絶縁されているこ
    とを特徴とする円筒物蒸着装置。
  2. 【請求項2】 上記真空蒸着の方法として、イオンプレ
    ーティングもしくはプラズマCVDのいずれかを用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の円筒物蒸着装置。
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