JPH05270152A - 熱転写受像シート及びその製造方法 - Google Patents

熱転写受像シート及びその製造方法

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JPH05270152A
JPH05270152A JP4102410A JP10241092A JPH05270152A JP H05270152 A JPH05270152 A JP H05270152A JP 4102410 A JP4102410 A JP 4102410A JP 10241092 A JP10241092 A JP 10241092A JP H05270152 A JPH05270152 A JP H05270152A
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JP
Japan
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layer
thermal transfer
dye
receiving sheet
bubble
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JP4102410A
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English (en)
Inventor
Takashi Ueno
剛史 上野
Mineo Yamauchi
峰雄 山内
Satoshi Narita
聡 成田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 染料受容層の基材シートに対する接着強度及
びクッション性等に優れ且つ高濃度且つ高解像度の画像
が形成される熱転写受像シートを提供すること。 【構成】 基材シート上にプライマー層と気泡含有層と
染料受容層とを順次積層してなることを特徴とする熱転
写受像シート及びそのの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写受像シートに関
し、更に詳しくは染料受容層の接着強度、クッション性
等に優れ且つ高濃度且つ高解像度の画像が形成される熱
転写受像シートの提供を目的とする。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の熱転写方法が公知である
が、それらの中で昇華性染料を記録剤とし、これを紙や
プラスチックシート等の基材シートに担持させて熱転写
シートとし、昇華性染料で染着可能な熱転写受像シー
ト、例えば、紙やプラスチックフイルムの表面に染料受
容層を設けた熱転写受像シート上に各種のフルカラー画
像を形成する方法が提案されている。
【0003】この場合には加熱手段としてプリンターの
サーマルヘッドが使用され、極めて短時間の加熱によっ
て3色又は4色の多数の色ドットを熱転写受像シートに
転移させ、該多色の色ドットにより原稿のフルカラー画
像を再現するものである。この様に形成された画像は、
使用する色材が染料であることから非常に鮮明であり、
且つ透明性に優れている為、得られる画像は中間色の再
現性や階調性に優れ、従来のオフセット印刷やグラビア
印刷による画像と同様であり、且つフルカラー写真画像
に匹敵する高品質の画像が形成可能となっている。
【0004】
【発明が解決しようとしている問題点】上記の如き昇華
型熱転写方式に使用される熱転写受像シートとしては、
プラスチックシート、プラスチックシートと紙等との積
層シート、合成紙等が使用されているが、昇華型熱転写
方式の利用を一般のオフィスへも拡大する為に、コート
紙(アート紙)、キャストコート紙、PPC用紙等の普
通紙を受像シートの基材シートとして使用することが要
求されている。この様な一般の事務用紙を基材シートと
して使用し、その表面に染料受容層を形成する場合、サ
ーマルヘッドが染料受容層表面にむらなく接触する様
に、染料受容層にはある程度のクッション性が要求され
る。通常かかるクッション性は、基材シートと染料受容
層との間にクッション性の良好な樹脂からなるクッショ
ン層が形成されることで得られている。
【0005】クッション層として最も有効なものは、層
中に気泡を含有させた層であり、かかるクッション層の
形成は、塗工方法又は貼り合わせ方法で行われるが、特
に貼り合わせ方法で目の粗いパルプ紙や接着性の低いプ
ラスチックシート等の基材シート上、更にその表面に形
成されている染料受容層と共に、クッション層を転写形
成すると、基材シートと気泡含有層との界面での接着が
不十分である為、該界面で両者が剥離し易いという問題
があった。従って、本発明の目的は、染料受容層の基材
シートに対する接着強度及びクッション性等に優れ且つ
高濃度且つ高解像度の画像が形成される熱転写受像シー
トを提供することである。
【0006】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、基材シート上に
プライマー層と気泡含有層と染料受容層とを順次積層し
てなることを特徴とする熱転写受像シート、基材フイル
ムの一方の面に染料受容層と気泡含有層とからなる転写
層を剥離可能に設けてなる染料受容層転写フイルムを、
受像シートの基材シートのプライマー層を設けてある面
に重ねて貼り合わせた後、基材フイルムを剥離すること
を特徴とする熱転写受像シートの製造方法、及び基材フ
イルムの一方の面に染料受容層と気泡含有層とプライマ
ー層とからなる転写層を剥離可能に設けてなる染料受容
層転写フイルムを、受像シートの基材シートに重ねて貼
り合わせた後、基材フイルムを剥離することを特徴とす
る熱転写受像シートの製造方法である。
【0007】
【作用】基材シート上にプライマー層を介して気泡含有
層と染料受容層とを順次積層することによって、染料受
容層の基材シートに対する接着強度及びクッション性等
に優れ且つ高濃度且つ高解像度の画像が形成される熱転
写受像シートを提供することが出来る。又、本発明の方
法によれば、目に粗いパルプ紙の基材シート上に、平滑
性に優れた染料受容層を連続的且つ生産性良く提供する
ことが出来る。
【0008】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明で使用する基材シー
トは特に限定されず、例えば、普通紙、上質紙、両面又
は片面コート紙、両面又は片面アート紙、両面又は片面
キャストコート紙、合成紙、トレーシングペーパー、プ
ラスチックフイルム等いずれのシート又はフイルムでも
よい。又、得られる受像シートに優れた普通紙感を与え
る為には、通常のPPC用紙等の普通紙が使用すること
が出来、又、プライマー層、気泡含有層及び染料受容層
を塗工方法で形成する場合には、塗工液の浸透が少ない
様にコート紙(アート紙)及びキャストコート紙等を使
用することが好ましい。上記基材シートの少なくとも一
方の面に形成するプライマー層は、その上に形成する気
泡含有層との接着性を強固に保持するものであり、気泡
含有層を形成しているバインダーと同種の樹脂、或はポ
リアクリル系、ポリ酢酸ビニル系、ポリウレタン系、シ
リコーン系等の粘着剤から形成することが好ましい。上
記プライマー層の厚みは約0.5〜30μm程度が一般
的であるが、上層となる気泡含有層によって調整するの
が好ましい。例えば、気泡含有層の気泡の径が10〜2
0μmである場合には、表面に存在する気泡による凹凸
を埋める為に、気泡の平均直径の10〜50%の厚み、
具体的には5〜20μmの範囲が好ましい範囲であり、
又、気泡含有層中の気泡は気泡全体が突出しておらず、
その頂部のみが突出していることや、普通紙感を出すこ
とやコスト面を考慮すると5〜10μmの範囲の厚みが
好ましい。
【0009】上記のプライマー層の表面に形成する気泡
含有層は、気泡とバインダーとからなる。バインダーと
しては、任意の樹脂が使用することが出来るが、受像シ
ートの基材との接着性が良好である感熱接着剤或は粘着
剤(以下単に接着剤という)が好ましい。これらの接着
剤としては、例えば、従来技術でフイルムの積層に使用
されている様な2液硬化型のポリウレタン系接着剤、エ
ポキシ系接着剤等からなるドライラミ用の接着剤、ウエ
ットラミ用の酢酸ビニル樹脂やアクリル樹脂のエマルジ
ョン等、エチレン−酢酸ビニル共重合体系、ポリアミド
系、ポリエステル系、ポリオレフィン系等のホットメル
ト接着剤等が有利に使用することが出来る。又、気泡含
有層のバインダーとしては、非接着性の樹脂も使用する
ことが出来、この場合であって、前記請求項5に記載の
方法で受像シートを作製する場合には、気泡含有層上に
プライマー層を形成し、このプライマー層が気泡含有層
の気泡による凹凸を埋める作用もし、それだけ染料受容
層が一層平滑になる。更に請求項5の方法では、基材シ
ートが最後まで乾燥工程を経ることがなく、カールが発
生しないという点で好ましい。更に気泡含有層には粘着
性がない(柔らかくない)為、後加工で受像シートを裁
断するときに粘着剤等のはみ出しがないという利点も生
じる。
【0010】これらの接着剤又は非接着性樹脂中に含有
させる気泡は発泡剤から形成するが、かかる発泡剤とし
ては、熱で分解して酸素、炭酸ガス、窒素等のガスを発
生するジニトロペンタメチレンテトラミン、ジアゾアミ
ノベンゼン、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカル
ボアミド等の分解型発泡剤、ブタン、ペンタン等の低沸
点液体をポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等
の樹脂でマイクロカプセルしたマイクロバルーン等の公
知の発泡剤がいずれも使用することが出来、更にこれら
のマイクロバルーンを予め発泡させた発泡体や白色顔料
で被覆されたマイクロバルーン等も有効に使用すること
が出来る。これらの発泡剤は接着剤中で発泡している状
態でもよいし或は未発泡状態でもよいし、その中間の状
態でもよい。
【0011】上記発泡剤又は発泡体の使用量は、気泡含
有層の発泡倍率が1.5〜20倍程度の範囲になる割
合、例えば、気泡含有層を形成する接着剤層樹脂100
重量部当たり0.5〜30重量部の割合で使用すること
が好ましい。発泡剤の発泡は、気泡含有層の形成前でも
形成時でも形成後でもよく、更に後述の様に染料受容層
転写フイルムの作成時でもよいし、染料受容層の転写時
でもよいし、更には未発泡のままで基材シートに染料受
容層等と共に転写しておき、サーマルヘッドで画像形成
する際の熱で発泡させてもよい。これらの発泡の時期
は、発泡剤の選択、染料受容層の転写時の温度等を選択
することによって自在に行うことが出来る。上記におい
てマイクロスフェアー等のマイクロカプセル発泡剤は、
発泡後にもその気泡は外壁を有しているので、接着剤
層、後述の中間層、更には染料受容層にピンホール等の
欠陥を生じない点で特に好ましい。以上の如き発泡剤か
ら形成される気泡の径は特に限定されないが、一般的に
は2〜40μm程度が好ましい。
【0012】更に上記発泡剤に加えて、気泡含有層に
は、各種の蛍光増白剤や白色顔料、例えば、酸化チタン
等を添加しておくことによって、転写後の染料受容層の
白色度を向上させ、又、基材シートが紙である場合、そ
の紙の黄味を隠蔽することが出来る。勿論、その他、体
質顔料や充填剤等の任意の添加剤を必要に応じてを添加
してもよい。これらの気泡含有層は、好ましくは0.5
〜20μm程度の厚みに形成する。本発明では、上記の
気泡含有層上に中間層を形成することが出来る。この中
間層は気泡含有層中の発泡剤の発泡或は再膨張等によっ
て、染料受容層に凹凸やクレーターが発生するのを防止
する作用を有するものであり、染料受容層を平滑で均一
な表面状態に保持することが出来る。かかる中間層を形
成する樹脂は、染料受容層を形成する樹脂よりも硬い樹
脂であることが好ましく、好適な樹脂の例としては、ア
クリル系樹脂、セルロース樹脂、ポリエステル系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート樹脂又はこれら
の一部架橋樹脂等が挙げられる。
【0013】上記樹脂中には硬い粒子の充填剤を含有さ
せることが出来る。かかる充填剤としては、例えば、シ
リカ、アルミナ、クレイ、タルク、炭酸カルシウム、硫
酸バリウム等の無機充填剤、酸化チタン、酸化亜鉛等の
白色顔料、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン
樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミ
ン樹脂、弗素樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子(プラ
スチックピグメント)が挙げられる。これらの充填剤を
中間層に添加することによって、中間層を厚くすること
なく中間層に十分な硬度を与えることが出来る。充填剤
の添加量は中間層の重量の3〜90重量%を占める範囲
が好ましく、これより添加量が少ないと中間層の硬度が
不足し、一方、多すぎると中間層の被膜性が低下する。
上記の如き樹脂及び添加剤をアセトン、酢酸エチル、メ
チルエチルケトン、トルエン、キシレン、シクロヘキサ
ノン等の適当な有機溶剤に溶解分散して塗料又はインキ
を調製し、これを、例えば、グラビア印刷法、スクリー
ン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティ
ング法等の形成手段により気泡含有層上に塗布及び乾燥
し、更に必要に応じて架橋硬化させて中間層を形成す
る。この様にして形成する中間層の厚みは約0.5〜3
0μm程度が一般的であるが、下層となる気泡含有層に
よって調整するのが好ましい。例えば、気泡含有層の気
泡の径が10〜20μmである場合には、表面に存在す
る気泡による凹凸を埋める為に、気泡の平均直径の10
〜50%の厚み、具体的には5〜20μmの範囲が好ま
しい範囲であり、又、気泡含有層中の気泡は気泡全体が
突出しておらず、その頂部のみが突出していることや、
普通紙感を出すことやコスト面を考慮すると5〜10μ
mの範囲の厚みが好ましい。
【0014】上記中間層の表面に形成する染料受容層
は、熱転写フイルムから移行してくる昇華性染料を受容
し、形成された画像を維持する為のものである。染料受
容層を形成する為の樹脂としては、例えば、ポリプロピ
レン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化
ビニル・酢酸ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化ポリマー、
ポリ酢酸ビニル、ポリアクリルエステル等のビニルポリ
マー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート等のポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、ポリアミド系樹脂、エチレンやプロピレン等のオレ
フィンと他のビニルモノマーとの共重合体系樹脂、アイ
オノマー、セルロースジアセテート等のセルロース系樹
脂、ポリカーボネート等が挙げられ、特に好ましいもの
は、ビニル系樹脂及びポリエステル系樹脂である。
【0015】上記樹脂に混合して使用する好ましい離型
剤としては、シリコーンオイル、リン酸エステル系界面
活性剤、弗素系界面活性剤等が挙げられるが、シリコー
ンオイルが望ましい。該シリコーンオイルとしては、エ
ポキシ変性、アルキル変性、アミノ変性、カルボキシル
変性、アルコール変性、弗素変性、アルキルアラルキル
ポリエーテル変性、エポキシ・ポリエーテル変性、ポリ
エーテル変性等の変性シリコーンオイルが望ましい。離
型剤は1種若しくは2種以上のものが使用される。又、
この離型剤の添加量は染料受容層形成樹脂100重量部
に対し、0.5〜30重量部が好ましい。この添加量の
範囲を満たさない場合は、熱転写フイルムと染料受容層
の融着若しくは印字感度の低下等の問題が生じる場合が
ある。この様な離型剤を染料受容層に添加することによ
って、転写後の染料受容層の表面に離型剤がブリードア
ウトして離型層が形成される。
【0016】染料受容層は、前記の気泡含有層又は中間
層の表面に、上記の如き樹脂に離型剤等の必要な添加剤
を加えたものを、適当な有機溶剤に溶解したり或いは有
機溶剤や水に分散した分散体を、例えば、グラビア印刷
法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロ
ールコーティング法等の形成手段により塗布及び乾燥す
ることによって形成される。上記染料受容層の形成に際
しては、染料受容層の白色度を向上させて転写画像の鮮
明度を更に高める目的で、蛍光増白剤、酸化チタン、酸
化亜鉛、カオリンクレー、炭酸カルシウム、微粉末シリ
カ等の顔料や充填剤を添加することが出来る。以上の如
く形成される染料受容層は任意の厚さでよいが、一般的
には1〜50μmの厚さである。又、この様な染料受容
層は連続被覆であるのが好ましいが、樹脂エマルジョン
や樹脂分散液を使用して、不連続の被覆として形成して
もよい。
【0017】以上の如く本発明の熱転写受像シートは、
以上の如く各層を基材シートに塗工して形成することも
出来るが、基材シートが、表面の目の粗い普通紙等のパ
ルプ紙である場合には、転写方法によって形成すること
が好ましい。表面の目の粗いパルプ紙の場合には、塗工
方法では塗工液がパルプ紙に不均一に含浸して均一な層
を形成しにくいが、転写方法であれば、この様な問題を
容易に回避することが出来る。転写方法で使用する染料
受容層転写フイルムは、基材フイルムの一方の面に前記
の如く染料受容層、必要に応じて中間層及び気泡含有層
(接着剤層)をこの記載の順序に剥離可能に積層したも
のである。上記染料受容層熱転写フイルムの基材フイル
ムとしては、従来の熱転写フイルムに使用されていると
同じ基材フイルムがそのまま用いることが出来ると共
に、その他のものも使用することが出来、特に制限され
ない。好ましい基材フイルムの具体例としては、例え
ば、グラシン紙、コンデンサ紙、パラフイン紙等の薄葉
紙、ポリエステル、ポリプロピレン、セロハン、ポリカ
ーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン、ポリ塩化
ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ポリイミド、ポリ塩
化ビニリデン、アイオノマー等のプラスチック或いはこ
れらと前記紙とを複合した基材フイルム等が挙げられ
る。この基材フイルムの厚さは、その強度等が適切にな
る様に、材料に応じて適宜変更することが出来るが、そ
の厚さは好ましくは3〜100μmである。
【0018】染料受容層の形成に先立って、基材フイル
ムの面に剥離層を形成することも出来る。かかる剥離層
はワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、
弗素樹脂、アクリル樹脂等の剥離剤から形成する。形成
方法は前記染料受容層の形成方法と同様でよく、その厚
みは0.5〜5μm程度で十分である。又、転写後に艶
消染料受容層が望ましい場合には、剥離層中に各種の粒
子を包含させるか或は剥離層側表面をマット処理した基
材フイルムを使用することにより表面マット状にするこ
とも出来る。勿論、上記の如き基材フイルムが適度な剥
離性を有している場合には離型層の形成は不要である。
尚、気泡含有層、中間層及び染料受容層等の形成方法は
前記と同様である。
【0019】上記の如き染料受容層転写フイルムを使用
して、染料受容層を転写させる受像シートの基材シート
は前記と同様であるが、その表面に予めプライマー層を
形成させておくことが必要である。かかるプライマー層
は前記の様な接着性樹脂や粘着剤から前記と同様に形成
する。プライマー層の塗布に関しては、紙等の基材シー
トのカールバランスを良好に保つ目的から、塗工及び乾
燥は低温又は常温で行うことが好ましい。
【0020】又、本発明では、基材フイルムの一方の面
に染料受容層と気泡含有層とプライマー層とからなる転
写層を剥離可能に設けてなる染料受容層転写フイルム
を、受像シートの基材シートに重ねて貼り合わせた後、
基材フイルムを剥離することによっても本発明の熱転写
受像シートを提供することが出来る。この場合には、前
記の様に、気泡含有層のバインダーとしては、非接着性
の樹脂も使用し、この方法で受像シートを作製するすれ
ば、このプライマー層が気泡含有層の気泡による凹凸を
埋める作用もし、それだけ染料受容層が一層平滑にな
る。更にこの方法では、基材シートが最後まで乾燥工程
を経ることがなく、カールが発生しないという点で好ま
しい。更に気泡含有層には粘着性がない(柔らかくな
い)為、後加工で受像シートを裁断するときに粘着剤等
のはみ出しがないという利点も生じる。
【0021】又、熱転写方法が広く利用されるに従っ
て、普通紙ライクの受像紙が要求される様になり、受像
紙の基材として普通紙等のパルプ紙を利用することが要
求されているが、この場合には、紙のベック平滑度を1
00〜20,000秒の範囲とすることによって、普通
紙ライクを保持した受像シートとすることが出来る。
又、この場合、染料受容層転写面の平滑度を上記の範囲
とし、反対面を普通紙と同様に平滑度を5〜400秒と
しておくことによって、全体として、より普通紙ライク
を保持したまま染料受容層の平滑性に優れた受像シート
とすることが出来る。
【0022】又、上記の如き転写方法においては、染料
受容層を基材に転写後に基材フイルムを剥離するとき
に、静電気の発生が著しく、その為に転写染料受容層に
ブリスター等の欠陥が発生して歩留まりが劣り、更に剥
離等の作業性が阻害されたり、更には火災の危険も生じ
る虞がある。特に転写染料受容層面を普通紙ライクにす
べく基材フイルムとしてマット化フイルムを使用した
り、フイルムにマット化剥離層を設けたりする場合には
上記の帯電の問題が著しい。
【0023】この様な場合には、染料受容層転写フイル
ムの基材フイルム、離型層、マット層、染料受容層、接
着剤層、中間層、プライマー層、受像シートの基材のう
ち少なくとも1層に帯電防止剤を包含させることが好ま
しい。この様な帯電防止剤としては、脂肪酸エステル、
硫酸エステル、燐酸エステル、アミド類、4級アンモニ
ウム塩、ベタイン類、アミノ酸塩、エチレンオキサイド
付加物等が有効に使用される。帯電防止剤の使用量は帯
電防止剤を添加する層及び帯電防止剤の種類によって変
化するが、いずれの場合にも染料受容層転写フイルム又
は染料受容層の基材の表面抵抗が108 〜1012Ω・c
mになる範囲であって、量的には0.01〜0.5g/
2 の使用量が好ましい。帯電防止剤の使用量が少なす
ぎると帯電防止効果が不十分で、一方、多すぎると不経
済であり且つベタつき等の問題が発生する。染料受容層
の転写方法は、通常のラミネーターがそのまま有利に使
用することが出来、貼り合わせ手段としては、例えば、
ドライラミネーション、ウエットラミネーション、押出
ラミネーション、ホットメルトラミネーション等が挙げ
られる。
【0024】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に
断りの無い限り重量基準である。先ず受像シートの構成
に使用する各種塗工液を以下の配合で調製した。プライマー層用塗工液1 ; ポリエステル樹脂(UE−3221、ユニチカ製) 100部 トルエン/メチルエチルケトン(1/1) 400部 プライマー層用塗工液2 ; アクリルエマルジョン(AE−1950、日本合成ゴム製) 100部 プライマー層用塗工液3 ; ポリビニルアルコール樹脂(NH−26、日本合成化学製) 100部 純水 1,000部 気泡含有層用塗工液1 ; ポリエステル樹脂(バイロン600、東洋紡績製) 100部 発泡性マイクロカプセル(F−80、松本油脂製薬製) 10部 酢酸エチル/イソプロピルアルコール(重量比1/1) 400部気泡含有層用塗工液2 ; ポリエステル樹脂(バイロン600、東洋紡績製) 100部 発泡性マイクロカプセル(F−80、松本油脂製薬製) 10部 酸化チタン(TCA−888、トーケムプロダクツ製) 50部 酢酸エチル/イソプロピルアルコール(重量比1/1) 400部気泡含有層用塗工液3 ; アクリルエマルジョン(E−1000、綜研化学製) 100部 発泡性マイクロカプセル(F−30、松本油脂製薬製) 30部 純水 50部
【0025】中間層用塗工液1 ; セルロースアセテートブチレート樹脂(CAB−500−1、イーストマン コダック製) 100部 炭酸カルシウム 20部 トルエン/メチルエチルケトン(重量比1/1) 400部中間層用塗工液2 ; アクリル系樹脂(BR−85、三菱レイヨン製) 100部 酸化チタン(TCA−888、トーケムプロダクツ製) 50部 トルエン/メチルエチルケトン(重量比1/1) 400部中間層用塗工液3 ; ポリエステル系樹脂(バイロン290、東洋紡製) 100部 シリカ 10部 アルミナ 10部 トルエン/メチルエチルケトン(重量比1/1) 400部
【0026】染料受容層用塗工液 1; 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(#1000D、 電気化学工業製) 100部 アミノ変性シリコーン(X−22−343、信越化学工業製) 3部 エポキシ変性シリコーン(KF−393、信越化学工業製) 3部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 500部染料受容層用塗工液2 ; 塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体(VYHD、ユニオンカーバイド社製) 100部 エポキシ変性シリコーン(KF−393、信越化学工業製) 3部 アミノ変性シリコーン(KS−343、信越化学工業製) 3部 帯電防止剤(プライサーフA208B、第一工業製薬製) 2部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比(1/1) 500部
【0027】実施例1 基材シートとして厚さ90μmのキャストコート紙(ミ
ラーゴールド、神崎製紙製)の一方の面に、プライマー
層用塗工液1及び気泡含有層用塗工液1を乾燥厚み8μ
mになる割合で順次塗布及び乾燥させた後、この気泡含
有層上に中間層用塗工液1を乾燥厚み3μmになる様に
塗工及び乾燥させ、更に中間層上に染料受容層用塗工液
を乾燥厚み3μmとなる様に塗工及び乾燥させて本発明
の熱転写受像シートを得た。 実施例2〜5 実施例1における塗工液として下記表1の塗工液を使用
し、他は実施例1と同様にして本発明の熱転写受像シー
トを得た。
【0028】
【表1】
【0029】実施例6 厚さ12μmのポリエステルフイルム(商品名「ルミラ
ー」、東レ製)の表面に、前記染料受容層用塗工液1を
バーコーターにより乾燥時3.0g/m2 になる割合で
塗工及び乾燥させ、該層の上に気泡含有層用塗工液3を
乾燥厚み10μmに塗工及び乾燥させて本発明で使用す
る染料受容層転写フイルムを得た。上記の染料受容層転
写フイルムを、表面にプライマー層用塗工液3を乾燥厚
み5μmに塗工及び乾燥させた普通紙(ミラーコート、
神崎製紙製)のプライマー層表面に重ね、両者をラミネ
ータ中に通して貼り合わせた後、基材フイルムを剥離し
て本発明の熱転写受像シートを得た。
【0030】実施例7〜9 実施例6における基材シートとして下記表2の基材シー
トを使用し、他は実施例6と同様にして本発明の受像シ
ートを得た。
【表2】 実施例10 実施例6において染料受容層転写フイルムにプライマー
層を形成し、一方、普通紙(ミラーコート、神崎製紙
製)にはプライマー層を形成せず、他は実施例6と同様
にして、両者をラミネータ中に通して貼り合わせた後、
基材フイルムを剥離して本発明の熱転写受像シートを得
た。 比較例1 実施例1においてプライマー層を形成しなかった以外は
実施例1と同様にして比較例の熱転写受像シートを得
た。 比較例2 実施例6においてプライマー層を形成しなかった以外は
実施例6と同様にして比較例の熱転写受像シートを得
た。
【0031】一方、下記組成の染料層用インキを調製
し、背面に耐熱処理を施した6μm厚のポリエチレンテ
レフタレートフイルムに、乾燥塗布量が1.0g/m2
になる様にワイヤーバーにより塗布及び乾燥し、更に背
面にシリコーンオイル(X−41・4003A、信越シ
リコーン製)をスポイトで数滴滴下後、全面に広げて背
面処理コートを行い、熱転写フイルムを得た。染料層用インキ組成 : 分散染料(カヤセットブルー714、日本化薬製) 4.0部 エチルヒドロキシセルロース(ハーキュレス社製) 5.0部 メチルエチルケトン/トルエン(重量比1/1) 80.0部 ジオキサン 10.0部
【0032】前記の本発明及び比較例の受像シートの染
料受容層の面に上記熱転写フイルムを重ね、サーマルヘ
ッドを用いて、出力0.2W/ドット、パルス幅12m
sec.、ドット幅6ドット/mmの条件で印字を行い
シアン画像を形成した。以上で得られた各色画像の品質
を表3に示した。
【表3】 接着強度:セロハンテープ剥離試験 ○:剥離なし ×:全面的に剥離
【0033】
【効果】以上の如き本発明によれば、基材シート上にプ
ライマー層を介して気泡含有層と染料受容層とを順次積
層することによって、染料受容層の基材シートに対する
接着強度及びクッション性等に優れ且つ高濃度且つ高解
像度の画像が形成される熱転写受像シートを提供するこ
とが出来る。又、本発明の方法によれば、目に粗いパル
プ紙の基材シート上に、平滑性に優れた染料受容層を連
続的且つ生産性良く提供することが出来る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シート上にプライマー層と気泡含有
    層と染料受容層とを順次積層してなることを特徴とする
    熱転写受像シート。
  2. 【請求項2】 プライマー層の厚みが0.5〜20μm
    の範囲である請求項1に記載の熱転写受像シート。
  3. 【請求項3】 基材シートがパルプ紙である請求項1に
    記載の熱転写受像シート。
  4. 【請求項4】 基材フイルムの一方の面に染料受容層と
    気泡含有層とからなる転写層を剥離可能に設けてなる染
    料受容層転写フイルムを、受像シートの基材シートのプ
    ライマー層を設けてある面に重ねて貼り合わせた後、基
    材フイルムを剥離することを特徴とする熱転写受像シー
    トの製造方法。
  5. 【請求項5】 基材フイルムの一方の面に染料受容層と
    気泡含有層とプライマー層とからなる転写層を剥離可能
    に設けてなる染料受容層転写フイルムを、受像シートの
    基材シートに重ねて貼り合わせた後、基材フイルムを剥
    離することを特徴とする熱転写受像シートの製造方法。
  6. 【請求項6】 気泡含有層が接着剤層を兼ねる請求項4
    又は5に記載の熱転写受像シートの製造方法。
  7. 【請求項7】 気泡含有層が、白色顔料、蛍光増白剤、
    帯電防止剤、体質顔料及び充填剤から選ばれる少なくと
    も1種の添加剤を含有する請求項4又は5に記載の熱転
    写受像シートの製造方法。
  8. 【請求項8】 気泡含有層に包含される気泡が未発泡又
    は発泡したマイクロカプセルである請求項4又は5に記
    載の熱転写受像シートの製造方法。
  9. 【請求項9】 貼り合わせ手段がドライラミネーショ
    ン、ウエットラミネーション、押出ラミネーション又は
    ホットメルトラミネーションである請求項4又は5に記
    載の熱転写受像シートの製造方法。
  10. 【請求項10】 基材シートがパルプ紙である請求項4
    又は5に記載の熱転写受像シートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0816113A1 (en) * 1996-06-28 1998-01-07 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Thermal transfer recording method
JP2007152577A (ja) * 2005-11-30 2007-06-21 Fujifilm Corp 熱転写受像シート

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