JPH05269282A - ミシンの布端位置制御装置 - Google Patents

ミシンの布端位置制御装置

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JPH05269282A
JPH05269282A JP4098713A JP9871392A JPH05269282A JP H05269282 A JPH05269282 A JP H05269282A JP 4098713 A JP4098713 A JP 4098713A JP 9871392 A JP9871392 A JP 9871392A JP H05269282 A JPH05269282 A JP H05269282A
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JP
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cloth
edge
sewing machine
cloth edge
work
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JP4098713A
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Katsuhiro Goto
勝弘 後藤
Masao Miyakoshi
正雄 宮越
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工布の布端部に存在するケバ及びノッチに
影響されず、ファジィ推論により布端位置を正確に検出
して布送りする。 【構成】 布端検出センサの出力とその変化速度とを入
力して、予め設定されたファジイルールにより、加工布
の布端のノッチやケバの有無の度合を推論し、その推論
結果を加味して求められた布移動用モータの制御量に基
づいて、布移動用モータにより加工布の布端がミシンの
ベット面近傍部に臨むようにノッチやケバに影響される
ことなく加工布を移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ミシンの布端位置制御
装置に関し、特に布端検出センサからの検出信号の変化
などに基くファジイ推論により、ノッチやケバに影響さ
れずに布端位置を正確に制御するようにしたものに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、加工布の布端を布端検出センサで
検出しながら、布端から所定距離離れた縫製位置を倣い
縫いするようにした電子ミシンが種々提案され、実用に
供されている。ところで、型紙に基いて裁断した身頃生
地などをその布端に沿って倣い縫いする場合、この身頃
生地の布端には身頃生地から延びるケバが存在する場合
が多く、このケバを有する身頃生地の布端に沿って倣い
縫いするときには、ケバを有する布端部に関して正確な
倣い縫いができないことから、ケバに影響されることな
く布端を検出するようにした布端位置制御装置が提案さ
れている。
【0003】例えば、特公昭60─28516号公報に
記載されるように、布端検出センサの受光量が、予め設
定された受光量よりケバに起因して減少したときには、
加工布を布送り方向と直交する方向へ移動させる為のモ
ータを駆動する駆動電圧の増幅率を小さくし、また予め
設定された受光量より増加したときには、駆動電圧の増
幅率を大きくするようにして、ケバに影響されずに倣い
縫いし得るようにした布端位置制御装置が提案されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、型
紙に基いて裁断した身頃生地などの布端部にはケバだけ
でなく、縫製時に必要なノッチ(三角形状の切欠き)が
形成されている場合が多い。即ち、特公昭60─285
16号に記載の布端位置制御装置においては、ケバに影
響されずに倣い縫いできるが、ノッチに起因して布端検
出センサの受光量が増加したときには、駆動電圧の増幅
率が大きく制御されるので、加工布が加工布と反対側に
大きく移動し、ノッチを有する布端部に関して正確な倣
い縫いができないという問題がある。
【0005】本発明は、前記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的は、加工布の布端部に存在す
るケバ及びノッチに影響されず、ファジイ推論により布
端位置を正確に制御し得るようなミシンの布端位置制御
装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のミシンの布端位置制御装置は、ミシンで縫
製される加工布の布送り方向と略平行な布端の位置を制
御する為に、ミシンのベッド面近傍部に加工布の布端部
とその近傍部に臨むように設けられた布端検出センサ
と、ベッド面上の加工布を布送り方向と直交する方向へ
正逆移動駆動可能な布移動手段と、布端検出センサから
の検出信号に基いて、布端が布端検出センサに対して予
め設定された所定位置となるように布移動手段を制御す
る制御手段とを備え、更に、布端検出センサの出力とそ
の変化速度とを入力として、予め設定されたファジイル
ールにより、布端のノッチやケバの有無の度合いを推論
し、この推論結果を加味して布移動手段を制御する制御
量を求めるファジイ推論手段を設けたものである。尚、
前記布移動手段は、加工布をローラにより移動駆動する
ように構成してもよい。また、前記布端検出センサは、
布送り方向と直交する方向に列設された複数の発光素子
と、これらの発光素子に対向状に設けられた複数の受光
素子とを備えたものであってもよい。
【0007】
【作用】前記構成を有する本発明のミシンの布端位置制
御装置においては、布移動手段を制御する制御量は、フ
ァジイ推論手段により、布端検出センサの出力とその変
化速度とを入力として、予め設定されたファジイルール
により、布端のノッチやケバの有無の度合いを推論し、
この推論結果を加味して求められ、この制御量で布移動
手段のアクチュエータが制御されて、布端が布端検出セ
ンサに対して予め設定された所定位置となるように、ノ
ッチやケバに影響されることなく、加工布が布送り方向
と直交する方向に移動される。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基いて
説明する。本実施例は、工業用本縫いミシンに本発明を
適用した場合のものである。この本縫いミシンMは、ミ
シンベッド部や脚柱部やアーム部などが設けられた周知
のミシンと同様の構成なので、本発明に関係する主要部
について説明するものとする。図1・図2に示すよう
に、前記ベッド部10のベッド面には加工布Wを載置す
る薄板状の布台14が配設されるとともに、正面視略L
字状の布端検出器20が配設され、この布端検出器20
は機枠18に固着されている。この布端検出器20の上
壁部20aは布台14の上側に臨み、この布端検出器2
0に略対向する布台14の部分は切欠かれ、その切欠か
れた部分に薄板状の反射板16が布台14と同レベルで
設けられている。
【0009】前記上壁部20aの下面側には、加工布W
の有無を検知する為の布検知センサ22と、加工布Wの
布端を検出する為の布端検出センサ24とが設けられる
とともに、布端検出センサ24に反射板16を介して照
射光を投光する投光器30と、布検知センサ22に照射
光を投光する投光器32とが設けられている。
【0010】前記布端検出センサ24は、布送り方向D
と直交する横方向Eに細長い平面視略矩形状に形成され
ている。尚、図示はしないが前記ベッド部10には、送
り歯を上下動させる送り歯上下動機構と前後動させる送
り歯前後動機構と糸輪捕捉器などが設けられている。
尚、布検知センサ22や布端検出センサ24はフォトト
ランジスタからなり、投光器30・32は発光ダイオー
ドからなっている。
【0011】前記アーム部の頭部12には、針棒40と
押え棒(図示略)とが上下動可能に支持され、この押え
棒の下端には押え足(図示略)が取付けられるととも
に、針棒40の下端には縫針42が取付けられている。
尚、図示はしないがアーム部には、針棒40を上下動さ
せる針棒上下動機構、天秤を揺動駆動する天秤駆動機構
などが設けられている。
【0012】次に、布台14上の加工布Wを布送り方向
Dと直交する横方向Eへ移動駆動する布移動機構50に
ついて、図1・図2に基いて説明する。前記頭部12に
は、前後方向向きに布移動用モータ52が配設され、そ
の駆動軸52aが頭部12より前方に突出している。こ
の駆動軸52aには駆動プーリ54が固着されるととも
に、駆動プーリ54の前側と後側とに位置する前後1対
の揺動板56の上端部が駆動軸52aに回転自在に支持
されている。これら1対の揺動板56は連結板58で一
体的に連結され、その下端部には従動ローラ60が回転
自在に支持され、駆動プーリ54と従動ローラ60とに
ベルト62が張架されている。
【0013】前記布移動用モータ52の直ぐ上側の機枠
18に回動可能に枢支された正面視略L字状の揺動レバ
ー64の下側の自由端部は連結板58に連結されるとと
もに、その他方の自由端部は機枠18に取付けたソレノ
イド66のプランジャーに連結されている。更に、一端
が機枠18に係止され且つ他端が揺動レバー64に係止
された巻きバネ68により、揺動レバー64が図1にて
反時計回転方向に弾性付勢され、この揺動レバー64に
連結された1対の揺動板56の揺動を介して従動ローラ
60が布台14上の加工布Wを押圧するようになってい
る。ここで、従動ローラ60の外周面には、図2に示す
ように加工布Wを横方向Eに確実に移動できるように、
凹凸(ギザギザ)が形成されている。
【0014】従って、ソレノイド66が駆動されたとき
にはそのプランジャーが下方に移動して、揺動レバー6
4が時計回転方向に所定角度だけ回動するので、同時に
揺動板56と従動ローラ60とが2点鎖線で示す揺動位
置に揺動し、従動ローラ60は加工布Wから離間する。
一方、ソレノイド66の駆動が停止されたときには、揺
動レバー64が巻きバネ68により反時計回転方向に復
帰回動し、従動ローラ60は巻きバネ68のバネ力で加
工布Wを下方に押圧する。このとき、布移動用モータ5
2が駆動されたときには、ベルト62及び従動ローラ6
0の回転により加工布Wが横方向Eにモータ52の回転
量に応じて移動される。その結果、布端検出センサ24
や縫針42に対応する加工布Wの布端が加工布Wの布送
り動作と協働して図2において右方或いは左方に移動す
る。尚、図2における縫針42の針落ち位置をPN で示
す。
【0015】次に、この本縫いミシンMの制御系は、図
3のブロック図に示すように構成されている。ミシンモ
ータ75の駆動と停止を指示する起動・停止スイッチ7
0と、従動ローラ60を強制的に加工布Wから離間させ
るリリーススイッチ73と、布検知センサ22からの検
知信号(電圧信号)をA/D変換するA/D変換器71
と、布端検出センサ24からの布端信号(電圧信号)を
A/D変換するA/D変換器72とは制御装置Cの入出
力インターフェース80に夫々接続されている。更に、
入出力インターフェース80には、ミシンモータ75の
為の駆動回路76、布移動用モータ52の為の駆動回路
77、ソレノイド66の為の駆動回路78が夫々接続さ
れている。
【0016】また、制御装置Cは、CPU81と、この
CPU81にデータバスなどのバス84を介して接続さ
れた入出力インターフェース80、ROM82及びRA
M83とから構成されている。ROM82には、起動・
停止スイッチ70からの起動・停止指令に基いてミシン
モータ75を駆動させる駆動制御プログラム、後述する
本願特有の布端位置制御の制御プログラムやファジイル
ール表のデータなどが格納されている。RAM83に
は、布検知センサ22からの検知信号VS や布端検出セ
ンサ24からの布端信号VE などを格納するワークメモ
リ、CPU81で演算した演算結果を一時的に格納する
各種メモリなどが設けられている。
【0017】尚、前記検知信号VS は、布検知センサ2
2で受光する受光量が0%のときに0Vに対応するよう
に、また布端信号VE は、布端検出センサ24で受光す
る受光量が約50%(図5に示すように、布端検出セン
サ24の中央位置つまり基準位置P0まで加工布Wで覆
われた状態)のときに0Vに対応するように、図示外の
演算制御により演算されるものとする。従って、布端信
号VE は、布端検出センサ24の受光量が約50%より
大きいときには正の布端信号VE であり、その受光量が
約50%より小さいときには負の布端信号VE である。
【0018】ここで、この布端位置制御におけるファジ
イ推論について、図4〜図18に基いて説明する。先
ず、布端位置の基準位置P0に対する偏差値をEとし
て、 E=現在の布端信号VE −基準位置P0における布端信
号VE (0) と定義する。即ち、布端位置が基準位置P0に合致した
とき、偏差値E=0となる。また、布端位置の単位時間
当りの変化量を△Eとして、 △E=現在の布端信号VE −前回の布端信号VE と定義する。即ち、布端位置が横方向Eに移動しないと
き、△E=0となる。更に、布移動用モータ52を駆動
する為の駆動力をFとする。
【0019】ところで、一般的に、ファジイ推論におい
て取り扱うあいまいな言葉は、正の大きな値(PL:Po
sitive Large)、正の中ぐらいの値(PM:Positive M
edium )、正の小さな値(PS:Positive Small)、お
よそゼロ(ZR:Approximately Zero)、負の小さな値
(NS:Negative Small)、負の中ぐらいの値(NM:
Negative Medium )、負の大きな値(NL:Negative L
arge)であり、これら7つのあいまいな言葉情報のメン
バーシップ関数を、表現や取扱いが簡単で且つ標準的な
三角形で表現する。
【0020】従って、前記偏差値Eに関して、7つのラ
ベル(あいまいな言葉)の各々を次のように定義し、こ
れらラベルの各々特定するメンバーシップ関数を図4に
示す。但し、図4において、縦軸にグレードを示し、横
軸に偏差値Eを示す。 1)PL:正の大きな値 2)PM:正の中ぐらいの値 3)PS:正の小さな値 4)ZR:殆ど0 5)NS:負の小さな値 6)NM:負の中ぐらいの値 7)NL:負の大きな値
【0021】前記変化量△Eに関して、7つのラベルの
各々を前記偏差値Eと同様に定義し、これらラベルの各
々を特定するメンバーシップ関数を図4に示す。但し、
図4において、横軸に変化量△Eを示す。前記駆動力を
Fに関して、7つのラベルの各々を前記偏差値Eと同様
に定義し、これらラベルの各々を特定するメンバーシッ
プ関数を図4に示す。但し、図4において、横軸に駆動
力Fを示す。
【0022】ここで、布端検出センサ24とこれら7つ
のメンバーシップ関数の各々とを図4に示すように対応
づけ、布端検出センサ24の中央位置つまり基準位置P
0における布端信号VE を「0V」とし、その左端近傍
部の検出可能範囲の最左限位置MLにおける布端信号V
E を「6V」とし、その右端近傍部の検出可能範囲の最
右限位置MRにおける布端信号VE を「−6V」とす
る。従って、偏差値Eに関して、メンバーシップ関数Z
Rは2V〜−2Vであり、メンバーシップ関数PS、P
M、PLは、夫々0V〜4V、2V〜6V、4V〜6V
であり、またメンバーシップ関数NS、NM、NLは、
夫々0V〜−4V、−2V〜−6V、−4V〜−6Vで
ある。尚、変化量△E及び駆動力Fの各メンバーシップ
関数PL、PM、PS、ZR、NS、NM、NLに関し
ても、偏差値Eと同様とする。
【0023】次に、偏差値Eと変化量△Eとを前件部と
し且つ駆動力Fを後件部とする制御規則つまり偏差値E
と変化量△Eとに基いて、ノッチNやケバKに影響され
ずに加工布Wの布端を基準位置P0に保持する為に、加
工布Wを横方向Eに移動させるファジイルールについ
て、図5に示すファジイルール表に基いて説明する。こ
のファジイルール表においては、縦方向に偏差値Eの各
ラベルを記述するとともに、横方向に変化量△Eの各ラ
ベルを記述し、これら2つのラベルにより駆動力Fのラ
ベルが求められる。尚、ファジイルール番号を(1)〜
(21)で示す。また、布移動機構50が正常に動作し
ているときに、偏差値Eと変化量△Eとのあり得ない組
み合わせを斜線で示す。
【0024】即ち、例えば、ルール1においては、偏差
値E=ZR且つ変化量△E=ZRのときには、駆動力F
=ZRとなり、またルール2においては、偏差値E=Z
R且つ変化量△E=NSのときには、駆動力F=PSと
なる。ここで、ルール1〜9は、布端部にノッチNやケ
バKが存在せず、布端のみのズレを検出したときに適用
され、またルール10、12、14、16、17、21
はケバKを検出したときに適用され、更にルール11、
13、15、18、19、20はノッチNを検出したと
きに適用される。
【0025】次に、布端部にノッチNやケバKが存在し
ない状態において、布端位置が基準位置P0に対してズ
レた時に、加工布Wを横方向Eに移動させる場合につい
て、図4〜図6・図9〜図13に基いて説明する。例え
ば、図6に示すように、加工布Wの布端が基準位置P0
から僅かに加工布W側にズレた場合、偏差値E=PS、
変化量△E=PSとなり、これらの前件部の値に該当す
るルール番号は9と、このルール9に隣接するルール
1、3、7である。
【0026】ここで、PSの偏差値Eの確定入力値(シ
ングルトン)として「1.4」を適用するとともに、P
Sの変化量△Eの確定入力値として「1.4」を適用
し、先ずルール1に関して、図9に示すように、ZRの
偏差値Eのソフトマッチングする度合い(以下、単にマ
ッチング度合いという)「0.3」と、ZRの変化量△
Eのマッチング度合い「0.3」とを求める。次に、こ
れら2つのマッチング度合いのうち、小さいマッチング
度合いつまり後件部を採用する度合い「0.3」を求
め、ZRの駆動力Fのメンバーシップ関数をこの度合い
「0.3」で削り落として実線で示す推論結果を求め
る。次に、同様に、ルール3に関して、図10に示すよ
うに、ZRの偏差値Eのマッチング度合い「0.3」
と、PSの変化量△Eのマッチング度合い「0.7」と
を求める。次に、これら2つのマッチング度合いのう
ち、小さいマッチング度合いつまり後件部を採用する度
合い「0.3」を求め、NSの駆動力Fのメンバーシッ
プ関数をこの度合い「0.3」で削り落として実線で示
す推論結果を求める。
【0027】次に、同様に、ルール7に関して、図11
に示すように、PSの偏差値Eのマッチング度合い
「0.7」と、ZRの変化量△Eのマッチング度合い
「0.3」とを求める。次に、これら2つのマッチング
度合いのうち、小さいマッチング度合いつまり後件部を
採用する度合い「0.3」を求め、NSの駆動力Fのメ
ンバーシップ関数をこの度合い「0.3」で削り落とし
て実線で示す推論結果を求める。次に、同様に、ルール
9に関して、図12に示すように、PSの偏差値Eのマ
ッチング度合い「0.7」と、PSの変化量△Eのマッ
チング度合い「0.7」とを求める。次に、これら2つ
のマッチング度合いのうち、小さいマッチング度合いつ
まり後件部を採用する度合い「0.7」を求め、NMの
駆動力Fのメンバーシップ関数をこの度合い「0.7」
で削り落として実線で示す推論結果を求める。
【0028】次に、図13に示すように、これら4つの
推論結果を合成し、この合成推論結果の重心Gの値「−
2.6」を求める。即ち、この重心Gの値「−2.6」
が布移動用モータ52を駆動する駆動電圧E0となり、
この駆動電圧E0で布移動用モータ52が駆動され、加
工布Wの布端を基準位置P0に正確に移動させることが
できる。
【0029】次に、布端部のケバKを検出した時に、加
工布Wを横方向Eに移動させない場合について、図4・
図5・図7・図14・図15に基いて説明する。例え
ば、図7に示すように、加工布Wの布端が基準位置P0
にあり、布端部のケバKを検出した場合、布端信号VE
が負数側に大きく変化することから、偏差値E=NL、
変化量△E=NLとなり、これらの前件部の値に該当す
るルール番号は16と、このルール16に隣接するルー
ル17である。
【0030】ここで、NLの偏差値Eの確定入力値とし
て「−6.0」を適用するとともに、NLの変化量△E
の確定入力値として「−6.0」を適用して、先ずルー
ル16に関して、図14に示すように、NLの偏差値E
のマッチング度合い「1.0」と、NLの変化量△Eの
マッチング度合い「1.0」とを求める。次に、これら
2つのマッチング度合いのうち、小さいマッチング度合
いつまり後件部を採用する度合い「1.0」を求め、Z
Rの駆動力Fのメンバーシップ関数そのものを推論結果
として求める。次に、同様に、ルール17に関して、N
Lの偏差値Eのマッチング度合いは「1.0」である
が、NMの変化量△Eのマッチング度合いが「0」とな
り、小さいマッチング度合いが「0」なので、ルール1
7を無視する。次に、図15に示すように、前記ルール
16のみの推論結果の重心Gの値「0.0」を求める。
即ち、この重心Gの値「0」が布移動用モータ52を駆
動する駆動電圧E0つまり布移動用モータ52を駆動さ
せないことになる。従って、ケバKに影響されずに布端
位置を正確に制御することができる。
【0031】次に、布端部のノッチNを検出した時に、
加工布Wを横方向Eに移動させない場合について、図4
・図5・図8・図16〜図18に基いて説明する。例え
ば、図8に示すように、加工布Wの布端位置が基準位置
P0に対して加工布W側に僅かにズレるのと同時に、布
端部のノッチNを検出した場合、布端信号VE が正数側
に大きく変化することから、偏差値E=PL、変化量△
E=PMとなり、これらの前件部の値に該当するルール
番号は19と、このルール19に隣接するルール18、
20である。
【0032】ここで、PLの偏差値Eの確定入力値とし
て「6.0」を適用するとともに、PMの変化量△Eの
確定入力値として「4.6」を適用して、先ずルール1
8に関して、図16に示すように、PLの偏差値Eのマ
ッチング度合い「1.0」と、PLの変化量△Eのマッ
チング度合い「0.3」とを求める。次に、これら2つ
のマッチング度合いのうち、小さいマッチング度合いつ
まり後件部を採用する度合い「0.3」を求め、ZRの
駆動力Fのメンバーシップ関数をこの度合い「0.3」
で削り落として実線で示す推論結果を求める。次に、同
様に、ルール19に関して、図17に示すように、PL
の偏差値Eのマッチング度合い「1.0」と、PMの変
化量△Eのマッチング度合い「0.7」とを求める。次
に、これら2つのマッチング度合いのうち、小さいマッ
チング度合いつまり後件部を採用する度合い「0.7」
を求め、NSの駆動力Fのメンバーシップ関数をこの度
合い「0.7」で削り落として実線で示す推論結果を求
める。
【0033】次に、同様に、ルール20に関して、PL
の偏差値Eのマッチング度合いは「1.0」であるが、
PSの変化量△Eのマッチング度合いが「0」となり、
小さいマッチング度合いが「0」なので、ルール20を
無視する。次に、図18に示すように、これら2つの推
論結果を合成し、この合成推論結果の重心Gの値「−
1.4」を求める。即ち、この重心Gの値「−1.4」
が布移動用モータ52を駆動する駆動電圧E0となり、
この駆動電圧E0で布移動用モータ52が駆動され、ノ
ッチNに影響されずに加工布Wの布端を基準位置P0に
正確に制御することができる。
【0034】次に、ミシンMの制御装置Cで行なわれる
布端位置制御のルーチンについて、図19のフローチャ
ートに基いて説明する。尚、図中符号Si(i=10、
11、12・・・・)は各ステップである。このミシン
Mに電源が投入されるとこの制御が開始され、先ずソレ
ノイド66が駆動される(S10)。従って、前述した
ように揺動板56と従動ローラ60とが図1の2点鎖線
で示す揺動位置に揺動し、従動ローラ60は加工布Wか
ら離間する。次に、加工布Wが図1に示すように、布台
14上を布端検出センサ24の基準位置P0よりも奥に
挿入させてセットされると、検知信号VS ≒OV,布端
信号VE ≦OVとなり、(S11:Yes、S12:Y
es)、ソレノイド66の駆動が停止される(S1
3)。その結果、前述したように、従動ローラ60が下
降して巻きバネ68のバネ力で加工布Wを押圧する。
【0035】次いで、ミシンがスタートすると(S1
4)、布端信号VE が読込まれてワークメモリに格納さ
れ(S15)、この布端信号VE と、基準位置P0にお
ける布端信号VE 「0」と、前回の布端信号VE とに基
いて、偏差値Eと変化量△Eとのラベル及びそのメンバ
ーシップ関数が求められ(S16)、ルール表に基いて
該当するルール番号が検索される(S17)。次に、検
索された各ルールについて、前件部の2つのメンバーシ
ップ関数におけるマッチング度合いのうち、小さいマッ
チング度合いが求められる(S18)。次に、各ルール
について、後件部(駆動力F)のメンバーシップ関数が
この小さいマッチング度合いで削り落とされて推論結果
が求められ(S19)、各ルールについて求められた複
数の推論結果が合成され、この合成推論結果についてデ
ファジフィケーションにより重心Gの値E0が求められ
(S20)、駆動電圧をE0として布移動用モータ52
が駆動される(S21)。
【0036】次に、検知信号VS ≒OVであって、縫製
作業を続行するときには(S22:No)、S15以降
が繰り返される。しかし、検知信号VS >0となって、
縫製終了時には(S22:Yes)、ソレノイド66が
駆動され(S22)、ミシンモータ75に駆動停止指令
が出力され(S23)、S11に戻る。
【0037】以上説明したように、布端検出センサ24
からの布端信号VE に基いて、偏差値Eと変化量△Eと
を前件部として、複数のファジイルールにより布端部の
ノッチNやケバKの有無の度合いを推論し、その推論結
果を加味して、加工布Wの横方向Eへの駆動力Fが求め
られ、布移動機構50を介してこの駆動力Fで加工布W
が横方向Eに移動されるので、これらノッチNやケバK
に影響されずに、布端位置を正確に位置制御することが
できる。
【0038】尚、布移動機構50は一例に過ぎず、種々
の部材を用いて構成されたものであっても良い。尚、布
端検出センサ24は、横方向Eに列設された複数の発光
素子と、これらの発光素子に対向状に設けられた複数の
受光素子とから構成しても良い。尚、前記ファジイルー
ル表に示したファジイ推論の為の21個のファジイルー
ルは一例であり、各種のノッチNやケバKの状態を想定
して変更や追加することが可能である。尚、ファジイ推
論で用いた7つのラベル(PL、PM、PS、ZR、N
S、NM、NL)の設定範囲の大きさを各ラベル毎に変
更することも可能である。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のミシンの
布端位置制御装置によれば、ファジイ推論手段を設け、
布端のノッチやケバの有無の度合いをファジイルールに
より推論した推論結果を加味して、加工布の布送り方向
と直交する方向への移動量が求められ、布移動手段を介
してこの移動量だけ加工布が布送り方向と直交する方向
に移動されるので、これらノッチやケバに影響されず
に、布端位置を正確に位置制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本縫いミシンの要部部分断面正面図である。
【図2】ミシンベッド部の部分平面図である。
【図3】本縫いミシンの制御系のブロック図である。
【図4】偏差値E、変化量△E及び駆動力Fの7つのラ
ベルに関するメンバーシップ関数の説明図である。
【図5】ファジイ推論の為の複数のルールを示す図表で
ある。
【図6】加工布と布端検出センサとの位置関係の説明図
である。
【図7】加工布と布端検出センサとの位置関係の説明図
である。
【図8】加工布と布端検出センサとの位置関係の説明図
である。
【図9】ルール1に関して、ファジイ推論結果の求め方
の説明図である。
【図10】ルール3に関する図9相当図である。
【図11】ルール7に関する図9相当図である。
【図12】ルール9に関する図9相当図である。
【図13】ルール1、3、7、9に関する推論結果に基
づく重心の値の求め方の説明図である。
【図14】ルール16に関する図9相当図である。
【図15】ルール16、17に関する図13相当図であ
る。
【図16】ルール18に関する図9相当図である。
【図17】ルール19に関する図9相当図である。
【図18】ルール18、19、20に関する図13相当
図である。
【図19】布端位置制御のルーチンの概略フローチャー
トである。
【符号の説明】
M 本縫いミシン 20 布端検出器 24 布端検出センサ 50 布移動用モータ 54 駆動プーリ 60 従動ローラ 62 ベルト 81 CPU 82 ROM 83 RAM

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミシンで縫製される加工布の布送り方向
    と略平行な布端の位置を制御する為に、ミシンのベッド
    面近傍部に加工布の布端部に臨むように設けられた布端
    検出センサと、ベッド面上の加工布を布送り方向と直交
    する方向へ正逆移動駆動可能な布移動手段と、前記布端
    検出センサからの検出信号に基いて、布端が布端検出セ
    ンサに対して予め設定された所定位置となるように布移
    動手段を制御する制御手段とを備えたミシンの布端位置
    制御装置において、 前記布端検出センサの出力とその変化速度とを入力とし
    て、予め設定されたファジイルールにより、布端のノッ
    チやケバの有無の度合いを推論し、この推論結果を加味
    して前記布移動手段を制御する制御量を求めるファジイ
    推論手段を設けたことを特徴とするミシンの布端位置制
    御装置。
  2. 【請求項2】 前記布移動手段は、加工布をローラによ
    り移動駆動するように構成されたことを特徴とする請求
    項1に記載のミシンの布端位置制御装置。
  3. 【請求項3】 前記布端検出センサは、布送り方向と直
    交する方向に列設された複数の発光素子と、これらの発
    光素子に対向状に設けられた複数の受光素子とを備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載のミシンの布端位置制
    御装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8904946B2 (en) 2012-09-28 2014-12-09 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Upper feed device and sewing machine
US9212438B2 (en) 2012-06-28 2015-12-15 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Sewing machine and upper feed device
US9416473B2 (en) 2012-03-23 2016-08-16 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Upper feed device and sewing machine

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US9416473B2 (en) 2012-03-23 2016-08-16 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Upper feed device and sewing machine
US9212438B2 (en) 2012-06-28 2015-12-15 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Sewing machine and upper feed device
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