JPH05267724A - 高分子焦電性材料 - Google Patents

高分子焦電性材料

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JPH05267724A
JPH05267724A JP4065861A JP6586192A JPH05267724A JP H05267724 A JPH05267724 A JP H05267724A JP 4065861 A JP4065861 A JP 4065861A JP 6586192 A JP6586192 A JP 6586192A JP H05267724 A JPH05267724 A JP H05267724A
Authority
JP
Japan
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pyroelectric
copolymer
vinyl fluoride
fluoride
trifluoroethylene
Prior art date
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Pending
Application number
JP4065861A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiko Maeda
一彦 前田
Shigeru Tasaka
茂 田坂
Kunihiro Inagaki
訓宏 稲垣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】フッ化ビニル系共重合体からなる焦電性材料に
関する。 【構成】フッ化ビニル20〜85モル%とトリフルオロ
エチレン15〜80モル%を含有するフッ素系共重合体
を分極処理して成る焦電材料。 【効果】本発明の高分子からなる焦電性材料は、高い焦
電率を示し溶媒可溶性で柔軟性と成形加工性に富み製造
が容易で、赤外線センサーを始め火災報知器などの熱セ
ンサー、防犯等の各種センサーやビジコンターゲット等
への使用が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフッ化ビニル共重合体か
らなる高焦電性材料に関するもので、より詳しくは常温
から100℃の範囲で高い焦電性を有する高分子材料に
関するものである。
【0002】
【従来技術とその問題点】近年、新機能、高度機能を持
つフッ素系高分子材料が生みだされ注目を浴びている。
これらは従来の無機材料にはない多くの可能性を秘めた
材料群であり、急成長しつつあるエレクトロニクスと結
びつき応用技術面でも興味ある展開を示している。
【0003】中でもポリフッ化ビニリデン(PVD
F)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に代表
されるフッ素樹脂は、単に優れた耐熱性、電気絶縁性、
高周波特性を利用するケーブル材料、電子・電気機器材
料よりもエレクトレット、圧電、焦電などの諸性質を利
用する機能材料として着目されており、例えばポリフッ
化ビニリデンを配向分極させたものやフッ化ビニリデン
−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−
テトラフルオロエチレン共重合体が焦電性を示すことは
良く知られている(特開昭48−11598号、同54
−157299号)。これらフッ化ビニリデン系高分子
は強誘電体として認識されており、以来このことが焦電
性発現の原因とされ種々開発されている。
【0004】一方、ポリフッ化ビニルにも圧電・焦電性
が報告されているが、この場合は極性結晶を有している
ものの強誘電体ではない。しかしながら、これら既存の
高分子焦電材料は低分子材料と比較すると焦電率が1桁
以上低く、大きな市場に結びついていない。
【0005】現在、焦電材料として工業化されているも
のに硫酸グリシン結晶系(焦電率=4.0×10-8クーロン
/cm2℃)、LiTaO3結晶系およびPbTiO3セラミックス系が
ある。しかしながら硫酸グリシンを始め無機材料系の場
合は、結晶成長に精密な温度制御を必要とし、かっ結晶
成長に長時間(10日間以上)要するなどの原因のため
生産性が低く、コストが高いなどの欠点を有している。
従って高い焦電率を持ち、しかも柔軟性に優れ加工性に
富んだ安価な高分子焦電材料が渇望されている。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明者らはかかる問
題点に鑑み鋭意検討を重ねた結果、フッ化ビニルとトリ
フルオロエチレンの共重合体が高い焦電率を達成するた
めに有用であることを見出し本発明を完成するにいたっ
た。
【0007】本発明の要旨は、高分子材料の焦電性を上
げるために分子中の双極子−双極子相互作用を低下さ
せ、分極の温度変化を大きくしたことである。従来のポ
リフッ化ビニリデンやフッ化ビニリデンとトリフルオロ
エチレンの共重合体等は、強誘電体であっても分極が温
度に対してほぼ一定のため大きな焦電率が得られない。
また、本発明の成分であるフッ化ビニルやトリフルオ
ロエチレンはそれ自体では強誘電性が見出されておらず
い大きな焦電性は示さない。しかしながら、両者の共重
合体は強誘性を示し、しかも強誘電的相転移が熱力学的
に言う2次の転移であるため、分極が温度に対して著し
く大きな変化をする。従ってこの共重合体の焦電率は硫
酸グリシンと同様高い焦電率を有する。
【0008】すなわち、本発明は少なくともフッ化ビニ
ル20〜85モル%:トリフルオロエチレン15〜80
モル%からなるフッ素系共重合体を分極処理することを
特徴とする焦電材料に関するものである。
【0009】一般に2次の相転移を有する材料は分極が
温度に対して大きく変化するため、大きな焦電流がとり
だせることになる。しかも、高分子は無機系の焦電材料
と比較して誘電率が小さいため、この共重合体の電圧応
答感度はPbTiO3の5倍以上、硫酸グリシンの1.5倍以
上になると考えられる。以下、本発明を詳細に説明す
る。
【0010】本発明に使用できるフッ素系共重合体は、
フッ化ビニル20〜85モル%、トリフルオロエチレン
15〜80モル%を主成分とするものであれば良く、フ
ッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフル
オロアセトン、およびヘキサフルオロプロピレンなどの
第3成分を含有させることもできる。
【0011】フッ化ビニル含有量が85モル%以上では
ポリフッ化ビニルの焦電率にほぼ等しくなってしまい、
また20モル%以下ではポリトリフルオロエチレンの性
質が現れ焦電性が消失する。
【0012】また、上記第三成分としては、柔軟性、透
明性、溶解性などの物性の向上を目的として0.1モル
%〜10モル%含有させることができる。本発明におけ
るフッ素系共重合体の重合方法は、特に規定はなくフッ
素系のラジカル重合、Ziegler-Natta触媒等によるイオ
ン重合やγ線重合などフッ素樹脂製造に用いられる一般
的な重合法が採用され、ラジカル開始剤としては通常の
油溶性ラジカル開始剤、例えばジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、
ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ベ
ンゾイルパーオキシド、トリクロルアセチルパーオキシ
ド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ
化合物を単量体に対し通常0.001〜3W%の割合で使
用する。
【0013】また、溶液重合法における有機溶媒として
は酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−t−ブチル等の酢酸
エステル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、プロパン、n−ブタン等の飽和炭化水素類、クロル
ジフルオロメタン、トリクロルトリフルオロエタン、ジ
クロルテトラフルオロエタン、パーフルオロシクロブタ
ン等のフッ素系溶剤を使用することができる。
【0014】重合は、上記モノマー仕込組成の範囲内で
あれば容易に進み、高収率で成形加工容易な重合度の共
重合体を得ることができる。また得られた共重合体は結
晶性であり、DSC測定による融点は約200℃に認め
られる。
【0015】なお、フッ化ビニルは他のフルオロエチレ
ンと比較して重合性が乏しいので、フッ化ビニル含有量
が多くなるに従って系内の圧力を増加させた高圧重合を
行うことが望ましい。 以上により得られた共重合体は
溶媒に溶解してキャスト法やスピンコート法による成膜
法、熱プレスや押出しまたは射出法などの熱成形法によ
って成形加工することができる。 ここで、溶媒を用い
ての成膜法は、良溶媒(例えばメチルエチルケトン)に
適当な温度のもと共重合体を溶解し、これを一定の厚さ
に成形して放置し溶媒を蒸発させて所定の厚さのフイル
ムあるいはシートを作成することができる。本共重合体
は溶解性がよく種々の溶媒に可溶なため成膜の種々のコ
ントロールが容易で、透明性の高いフイルム作成が容易
である。
【0016】熱成形法は一般に広く利用されている方法
であり、共重合体をその融点以上の温度でTダイあるい
はインフレーションダイを用い任意の形状のフイルムま
たはシートを作成する。
【0017】成形物を焦電素子として電気機能を持たせ
るためには、結晶化度を高めることが必要である。その
ためには60℃から200℃の温度域で熱処理を行う
か、または延伸処理を施すか、あるいはまたその両方の
処理を行うことが望ましい。
【0018】上記方法で成形されたフイルムまたはシー
トはPVDF系の様に、特に延伸する必要はないが公知
の方法により数倍延伸することもできる。このようにし
て得られたフイルムを分極処理することで焦電フイルム
が得られるが、分極処理法としてはフイルムまたはシー
トをその融点以下の温度において、直流電界を印加し一
定時間放置したのち電界を印加したまま室温まで冷却す
る方法が採用され、一般的には40℃乃至200℃以下
の温度で10MV/mから絶縁破壊電界強度で行うこと
ができ、これら方法には特に制約はなく直流電界法やコ
ロナ放電法など公知の方法がそのまま採用することがで
きる。
【0019】このようにして得た本発明の焦電性材料
は、主に温度を感知するセンサー類としての応用が可能
である。その例としては赤外線センサー、火災報知器な
どの熱センサー、防犯センサー、ヒートスキャナー、フ
オートコピー、光反射率センサー、ビジコンターゲッ
ト、レーザービームプロイアル、放射計およびサーモグ
ラフィーなどなある。特にセンサーへの応用の場合は熱
伝導感度を高めるために赤外線吸収材としてNi、C
r、Ta、SnおよびSbなどの金属、カンタル、ニク
ロム、およびクロメルなどの合金や金属酸化物の膜を用
いることができる。
【0020】
【実施例】以下実施例によって本発明を詳細に説明する
が、これらによって限定されるものではない。
【0021】実施例1 内容積1Lのステンレス製攪拌機付きオートクレーブを
用い、ヘプタフルオロブチリックパーオキサイドをラジ
カル開始剤として、水−トリクロロトリフルオロエタン
(R−113)系の懸濁重合によって表1に示すフッ化
ビニルとトリフルオロエチレンの共重合体を製造した。
得られた共重合体はメチルアルコールで洗浄した後真空
乾燥した。
【0022】次にメチルエーテルケトンを使用し上記共
重合体を用い、固形分濃度が約10%になるよう溶解し
ガラス板上に展開することで10〜30μm の厚みのフ
イルムを得た。
【0023】生成したフイルムは180℃で1時間熱処
理した後、両面にアルミニウムを蒸着し、120℃で3
0MV/mで分極処理を施した。電界を印加したまま室
温まで冷却し25℃における焦電率を測定した。その結
果を表1に示す。
【0024】比較例1 実施例1と同様の方法でフッ化ビニリデン単独重合体、
フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体およ
びフッ化ビニル単独重合体を合成し、これらの焦電率を
測定した。その結果を表1に示す。
【0025】
【表1】 表1からも判るように、本発明のフッ化ビニル−トリフ
ルオロエチレン共重合体からなる焦電材料料は他のもの
に比較して、焦電率の大きいことが認められる。
【0026】
【発明の効果】本発明の高分子焦電性材料は高い焦電率
を示し溶媒可溶性で、柔軟性と成形加工性に富んだ安価
なもので、赤外線センサーを始め火災報知器などの熱セ
ンサー、防犯等の各種センサーやビジコンターゲット等
への使用が可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともフッ化ビニル20〜85モル%
    とトリフルオロエチレン15〜80モル%を含有するフ
    ツ素系共重合体を、分極処理することを特徴とする高分
    子焦電性材料。
  2. 【請求項2】分極処理が200℃以下での直流電界法あ
    るいはコロナ放電法である請求項1記載の高分子焦電性
    材料
JP4065861A 1992-03-24 1992-03-24 高分子焦電性材料 Pending JPH05267724A (ja)

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