JPH05266857A - 光電陰極装置とその製造方法及び光電陰極装置を適用した暗視システム用画像増幅管 - Google Patents
光電陰極装置とその製造方法及び光電陰極装置を適用した暗視システム用画像増幅管Info
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Abstract
陰極装置と、その製造方法、及びそれを適用した暗視シ
ステム用画像増幅管を提供する。 【構成】 ガラス表面板58と、表面板に接着された反
射防止及び保護用の塗膜56を有するAlInGaの窓層52
と、窓層にエピタキシャル成長させたInGaAs活性層4
8、及び表面板、窓層及び活性層に接着されて、光電陰
極装置と暗視システムとを導通するクロム電極62とよ
りなり、表面板に照射された光画像に対応する電子パタ
ーンを、活性層から放射して、暗視システムの蛍光スク
リーンに可視像を形成させる。
Description
特に、暗視用画像増幅管に使用するための、改良された
光電陰極装置と、その製造方法、及びその光電陰極装置
を適用した暗視システム用画像増幅管に関する。
間に作戦を行う軍人や法律執行者によって、使用されて
いる。また、暗視システムは、夜間飛行をするヘリコプ
タや飛行機の操縦士を補助するためにも使用されてい
る。
に変換するものである。このシステムを使用するには、
月や星の光などの若干の外光を必要とする。外光は、暗
視望遠鏡により増幅されて、肉眼で見ることができる出
力画像を形成する。
して、低レベルの可視光を増幅し、また、赤外線スペク
トルからも可視光を形成するようになっている。
子パターンに変換する工程と、電子パターンを蛍光スク
リーンに投射して、電子パターンを観察者が視認できる
光像に変換する工程とからなっている。使用者は、この
可視光像を、システムの接眼部に設けたレンズを透して
観察する。
部とを有する。
レンズと、画像増幅管とから構成されている。画像増幅
管は、上記の画像増幅工程を行うもので、光エネルギー
を電子パターンに変換する光電陰極と、電子流を増幅す
るマイクロチャンネル板と、電子パターンを光像に変換
する蛍光スクリーンと、画像を反転させる光ファイバー
移送窓とから構成されている。
システムの光学系部に電力を供給する電子回路で構成さ
れている。
ある。最も進歩した光電陰極装置は第3世代管で、これ
は、940nmの波長に対応する長波長スペクトルの光を遮
断する応答特性を備えている。これ以上の長波長領域の
赤外線光は、第3世代管を使用しては見ることができな
い。
在し、また、樹木の葉などの各種の地上物は、これらの
長波長の光を反射する率が高いので、暗視システムは、
この種の長波長の光を受光し得ることが望ましい。
めに1060nmの波長のレーザビームを使用している場合
に、このレーザビームを探知することができる暗視シス
テムが、特に望まれている。
s)活性層を有する光電陰極が、所望の応答特性を備えて
いるのではないかということは、この技術分野で以前か
ら仮定されている。現在まで、InGaAsは、反射型のみに
使用されおり、透過型には使用されていない。
て、半導体面に入射する光エネルギーに対応する電子流
を、その面から放射するものである。反射型は、真空管
の中に収容された半導体陰極に、標準的に使用されてい
る。
し、逆側の面から、電子流を放射する半導体光電陰極を
使用するものである。近代の暗視システムに使用される
光電陰極装置は、透過型で作動している。
における光エネルギー入射面の逆側に放射される必要が
あるため、反射型半導体は、小型の画像増幅管の光電陰
極として使用するには、不適当である。
多大の努力にもかかわらず、透過型のInGaAs光電陰極を
製造することは、実現できなかった。従来は、透過型に
適用可能なInGaAsの薄い層を作ることができなかったの
みならず、その層を、光電陰極装置に必要な光学窓層に
支持させることもできなかった。
ために、活性層の厚さを1ミクロンないしそれ以下にす
る必要があるが、反射型のInGaAs層の厚さは、標準的に
は約10ミクロンに形成されている。
ウム・砒素化合物の基層に、InGaAsの層を適切に成長さ
せることができないので、所要の薄い高結晶品質の層を
作ることができなかった。
を、透過型光電陰極に必要な他の半導体層に適合させる
ことはできなかった。このような困難性のために、InGa
As光電陰極を開発する努力は、結局、放棄されてきた。
ことができる、改良された光電陰極装置が望まれてい
る。
まれている。
光電陰極装置を製造する方法も望まれている。
置を製造する方法も望まれている。
に応答し得る暗視システムに使用するための、改良され
た光電陰極装置を提供することである。
した光電陰極装置を提供することである。
光に応答し得る光電陰極装置を製造する方法を提供する
ことである。
層を有する光電陰極装置を製造する方法を提供すること
である。
めに、本発明は、次のとおりに構成されている。
て、インジウム・ガリウム・砒素化合物(InGaAs)から形
成された活性層と、アルミニウム・インジウム・砒素化
合物から形成され、活性層にエピタキシャル接合された
窓層と、窓層に塗布された塗膜と、塗膜上に熱溶着され
たガラス表面板と、及び表面板、窓層及び活性層の縁端
に接合され、光電陰極と画像増幅管との間を導通する接
点を形成するクロム電極とを備え、表面板に照射された
画像に対応する電子パターンを、活性層から放射するよ
うにした光電陰極装置。
化合物中の0.2より少ない原子数xで定めることが望ま
しい。
合物中の0.2の原子数yで定めることが望ましい。
び二酸化シリコンの防護層で構成することが望ましい。
ルのP型不純物を添加することが望ましい。
のP型不純物を添加することが望ましい。
あることが望ましい。
60nmであることが望ましい。
て、インジウム・ガリウム・砒素化合物(InGaAs)で形成
した活性層と、活性層にエピタキシャルに形成した窓層
と、窓層に塗布した反射防止及び保護用の塗膜と、塗膜
上に熱溶着したガラス表面板と、表面板、窓層及び活性
層の縁端に接合され、光電陰極と画像増幅管との間を導
通する接点を形成する電極とを備え、、表面板に照射さ
れた画像に対応する電子パターンを、活性層から放射す
るようにした光電陰極装置。
化合物中の原子数xにより定めることが望ましい。
化合物(AlInAs)で形成し、かつ、窓層中のインジウム濃
度を、Al1-yInyAs化合物中の原子数yにより定めること
が望ましい。
に等しいことが望ましい。
化シリコンの第2層とで構成することが望ましい。
ルのP型不純物を添加することが望ましい。
のP型不純物を添加することが望ましい。
とが望ましい。
ましい。
する方法であって、GaAsの基層を形成する工程と、基層
上に、緩衝層をエピタキシャル成長させる工程と、緩衝
層上に、AlInAsの停止層をエピタキシャル成長させる工
程と、停止層上に、InGaAsの活性層をエピタキシャル成
長させる工程と、活性層上に、AlInAsの窓層をエピタキ
シャル成長させる工程と、窓層上に、InGaAsの表層をエ
ピタキシャル成長させる工程と、選択的エッチング剤を
用いて表層を除去し、窓層を露出させる工程と、露出し
た窓層に、反射防止用及び保護用の塗膜を塗布する工程
と、塗膜に、ガラス表面板を熱溶着する工程と、選択的
エッチング剤を用いて、基層を除去する工程と、選択的
エッチング剤を用いて、停止層を除去する工程と、及
び、薄膜接合技法を用いて、活性層、窓層、塗膜及びガ
ラス表面板の縁端に、クロム電極を取付ける工程とを備
える光電陰極装置の製造方法。
化合物中の原子数xにより定め、窓層中のインジウム濃
度を、Al1-yInyAs化合物中の原子数yにより定めること
が望ましい。
0.2に等しいことが望ましい。
を、GaAsとInGaAsとの層を、活性層中の濃度に等しい化
合物濃度をもって、交互にエピタキシャル成長させる工
程で構成することが望ましい。
オングストロームから150オングストロームの範囲とす
ることが望ましい。
を、少なくとも10回反復し、緩衝層全体の厚さを0.3ミ
クロン以下とすることが望ましい。
を、InxGa1-xAsの層をエピタキシャル成長させ、原子数
xを、0から活性層に選定した原子濃度まで漸次増加さ
せるようにして構成することが望ましい。
の範囲とすることが望ましい。
光性を付与した後、真空室中で加熱する工程を含むこと
が望ましい。
する、活性層の活性化工程を含むことが望ましい。
程を、露出した窓層上に硝酸塩シリコン層を塗布し、硝
酸塩シリコン層上に二酸化シリコン層を塗布する工程で
構成することが望ましい。
て、インジウム・ガリウム・砒素化合物(InGaAs)の活性
層を備えて、視認した画像に対応する電子パターンを形
成する光電陰極と、光電陰極に接近して配設され、光電
陰極から放射される電子流のエネルギーを増加させるマ
イクロチャンネル板と、放射された電子流が形成する画
像を照射する蛍光スクリーンと、及び蛍光スクリーンで
形成された画像を反転する光学的反転器とを備える暗視
システム用画像増幅管。
砒素化合物で形成され、活性層上にエピタキシャル成長
した窓層と、窓層に塗布した塗膜と、塗膜上に熱溶着し
たガラス表面板と、及び表面板、窓層、及び活性層の縁
端に接合され、光電陰極と画像増幅管との間を導通する
接点を形成するクロム電極とにより、構成し表面板に照
射された光像に対応する電子パターンを、活性層から放
射するようにすることが望ましい。
化合物中の0.2より少ない原子数xにより定めることが
望ましい。
合物中の0.2の原子数yにより定めることが望ましい。
二酸化シリコンの保護層で構成することが望ましい。
ルのP型不純物を添加することが望ましい。
のP型不純物を添加することが望ましい。
あることが望ましい。
60nmであることが望ましい。
光した画像に対応する電子パターンが、受光面の逆側に
設置した蛍光スクリーンに向けて放射され、透過型の暗
視システムに適用し得る光電陰極装置が形成される。
層、表層を、順次にエピタキシャル成長させ、表層を部
分的に除去して反射防止用及び保護用塗膜を塗布し、そ
の上にガラス表面板を熱溶着した後、基層、緩衝層、停
止層を除去して、残りの各層の縁端にクロム電極を取付
けることにより、光電陰極装置を製造しうる。
用いて、従来の第3世代管では応答できなかった長波長
領域の光(たとえば波長1060nmのレーザ光など)にも応答
できる暗視システムを実現することができる。
行動する法律執行者や軍人は、波長が940nm以上の光を
受光し得る暗視システムを、切実に必要としている。
の画像増幅管の拡散分解斜視図で、この暗視システム
は、後述するように、暗い環境中で、観察者(5)が目標
物の樹木(30)を、拡大した虚像として視認することがで
きるものである。
像レンズ(12)、及び結像レンズと対物レンズとの間に配
置した画像増幅管(10)を備えている。
イクロチャンネル板(MCP)(24)、蛍光スクリーン(26)、
及び光ファイバー反転器(28)を備えている。
(14)により光電陰極装置(20)の面に結像する。当然なが
ら、光電陰極装置(20)の面の像(32)は、対物レンズ(14)
を通って倒立した像になっている。
物などの半導体材料で形成してあり、対物レンズ(14)に
よる倒立像のパターンにおける結像光エネルギーに対応
した電子流を放射する。図4には、電子流を活性面(22)
から出る複数個の矢印で示してある。
に対しても、可視スペクトル領域の光と同様に感光し
て、対物レンズを通って光電陰極装置(20)に到達する赤
外線光に対応する電子流を発生する。
光電陰極装置とマイクロチャンネル板(24)との間に配設
された電界によりエネルギーを与えられて、マイクロチ
ャンネル板(24)を通過する。
行な中空ガラス繊維を並べた円板で構成され、各ガラス
繊維の基本的な円筒軸線を、光電陰極装置(20)から放射
される電子流の方向から、僅かにずらせて配置してあ
る。マイクロチャンネル板の両面に電圧を印加すること
により、マイクロチャンネル板(24)は、各チャンネルを
通って放射される2次電子の多重カスケードによって、
電子の数を倍増させる。
電子流は、マイクロチャンネル板から出射し、マイクロ
チャンネル板と蛍光スクリーン(26)との間に配置された
高電圧の電界によって、エネルギーが与えられる。
ン(26)を叩いて、対物レンズ(14)で受光した画像に対応
する可視像を発生させる。公知のように、蛍光スクリー
ン(26)は、光電陰極装置(20)が発生した電子パターン
を、受光像の可視像に変換する手段であり、この画像
は、図1に符号(34)として図示してある。
ファイバー反転器(28)を通って、符号(36)で示すよう
に、観察者(5)に対する正立画像に回転する。光ファイ
バー反転器(26)は、光ファイバーの束をねじって形成し
てある。通常の反転レンズに代えて、光ファイバーを使
用すれば、通常のレンズを通過したときに生じる光エネ
ルギーの損失を最小にすることができる。
正立した出力画像(36)を、虚像(38)として見ることにな
る。図1で、虚像(38)は、対物レンズ(14)の拡大率に応
じた寸法に拡大されている。
陰極装置(20)の特性に大きく依存する。図2は、本発明
のInGaAs光電陰極のスペクトル応答特性を、従来の光電
陰極装置に適用された半導体材料のそれと比較したグラ
フである。
リアルカリ材料を使用した第2世代管が、一般的に使用
されている。図2のグラフに示すように、これらの管の
長波長スペクトル応答性は、約940nmの波長を最大とし
て、それ以上の領域の光を遮断する。
(InGaAs)の半導体材料を使用する光電陰極装置は、スペ
クトル応答の遮断値を、1060nmまで拡張することができ
る。
度を増加させることにより、光電陰極装置の長波長遮断
特性を拡張できることを示すグラフである。化合物の組
成は、InxGa1-xAs化合物中のインジウムの原子数xによ
って決定される。
極装置に所望の長波長遮断特性を持たせることができる
ことは、明らかである。
置(20)を、模式的に示す断面図である。最上部には、ガ
ラス表面板(58)を設けて、対物レンズ(14)に近接する光
電陰極装置(20)の受光面を形成してある。
る。塗膜(56)は、反射防止用の硝酸塩シリコンの層と、
保護用の二酸化シリコンの層とで構成されている。塗膜
(56)は、表面板(58)から光エネルギーが反射するのを防
止する。
窓層(52)を設けてある。窓層(52)は、アルミニウム・イ
ンジウム・砒素化合物(AlInAs)で形成され、短波長の光
が活性層に到達することを防止するフィルタとして作用
する。
ように、受光した光画像を電子パターンに変換する。
クロム電極(62)で覆ってある。クロム電極(62)は、ガラ
ス表面板(58)、塗膜(56)、窓層(52)、及び活性層(48)の
側縁に形成された円筒面を有する。クロム電極(62)は、
前述のように、光電陰極装置と、その他の画像増幅管の
部品との間の導通部を形成している。
製造するには、まず、半導体ウエハを形成しなければな
らない。図3は、InGaAsを使用した半導体ウエハの模式
図である。
する。GaAsは、市販のもので、欠陥密度が小さい単一結
晶ウエハであるのが望ましい。
に、追加の各層をエピタキシャル成長させる。成長条件
は、周知の手法により、所望の組成、添加量、層厚の制
御、及び各層とそれらの境界領域のおける高結晶品質に
適合することが必要である。
ャル成長させる。緩衝層(42)の目的は、次に記述するよ
うに、基層(42)と後続の各層との間に、遷移を生じさせ
ることである。
設けられる結晶層との間の格子不整合による結晶品質の
低下は、効果的に減少させられる。また、緩衝層(44)
は、基層(42)中の不純物が、他の半導体層中に上方に拡
散することも防止する。
「超格子」法との2種の技法を採用することができる。
上に緩衝層(44)を成長させる間に、InGaAs化合物中のイ
ンジウムの比率を次第に増加させる。インジウムの比率
は、0%から、後述する活性層(48)の最適化合物濃度に
対応する値まで増加させる。
の厚さの緩衝層(44)が得られる。
活性層化合物中に使用されるのと同じ原子濃度で、きわ
めて薄い層として交互に成長させる個とで構成させる。
これらの個々の層は、それぞれ100ないし150オングスト
ロームの薄さとし、各層を10層以上成長させる。
クロン程度の薄い緩衝層を得ることができる。また、超
格子法を使用すれば、段階法よりも迅速に、緩衝層(44)
を成長させることができ、光電陰極装置の製造に要する
時間を短縮することができる。したがって、超格子法の
方が、段階法よりも推奨される。
シャル成長させる。基層(42)と緩衝層(44)とは、後述す
るように、最終的には、エッチング技法により除去され
るものであるが、停止層(46)は、エッチングに際して、
後続の各層を保護する障壁となる。
As化合物中のインジウムの原子数yを変化させるること
によって、調節することができる。本発明の好ましい実
施例では、原子数yを調節して、AlInAsの格子を、活性
層(48)の結晶格子と適合させてある。
約2ミクロンの厚さにエピタキシャル成長させる。活性
層(48)は、図3に示した光電応答遮断値を決定するよう
に、インジウムの含有比率を調整したInGaAaの化合物
で形成されている。
より小さくすることにより、InGaAs光電陰極装置に調和
するマイナス電子を、効率よく得ることができる。化合
物には、亜鉛やカドミウムなどのP型不純物を、1立方
cmあたり、約1019個原子のレベルで添加される。
ことが予想される。後述するように、この厚さを後工程
で減少させて、光電陰極の応答性を最大とするか、ある
いはスペクトル感度分布における特別な要求に適合させ
る。
タキシャル成長させる。完成後の構成において、光は、
窓層(52)を通過して、活性層(48)に伝達される。窓層(5
2)は、不要な高周波(短波長)の光が、活性層(48)に到達
することを排除するフィルタとして作用する。
であり、その結晶格子がInGaAs活性層(48)の結晶格子に
適合するように定められている。この格子適合性は、光
電陰極装置の作動に鋭敏に影響する。もしそれらの層が
適合しないと、成長する層中の結晶密度の欠陥は増大す
る。
1立方cmあたり1018個原子のレベルで添加する。窓層(5
2)の透過光遮断特性は、窓層(52)の組成を調節すること
によって達成することができる。
子数yを0.2とすることが望ましい。また、有効な光伝
達性と適切な機械的支持力を得るためには、厚さを1ミ
クロンとすることが望ましい。
4)をエピタキシャル成長させる。表層(54)は、ウエハ装
置(40)を冷却する際に、中間の各層を保護するために必
要なものであり、また、窓層(52)を保護して、不純物が
窓層に付着することを防止するものである。
ば、表層(54)をエッチングで除去して、窓層(52)を露出
させる。これは、公知のように、InGaAsを除去するため
の選択的エッチング剤を使用すればよい。
塗膜(56)を塗布する。塗膜は、完成後の光電陰極装置(2
0)の断面図である図4に示してある。塗膜(56)の好まし
い実施例は、硝酸塩シリコンの第1層を塗布し、次い
で、二酸化シリコンの第2層を塗布して構成されてい
る。
0)から反射することを防止する反射防止面を形成する。
これにより、暗視システムが受光する外光の大部分は、
画像増幅管(10)中に確実に処理される。
に保護層を形成する。各塗膜の厚さは、1000オングスト
ロームにするのが望ましい。
エハ(40)は、次に、ガラスの軟化温度よりも低い摂氏数
十度の温度に加熱される。
うに、ガラス表面板(58)をウエハ(40)に熱溶着する。本
発明の好ましい実施例では、ガラス表面板(58)として、
光電陰極の素材の係数に近い熱膨張係数を持つ、コーニ
ング7067または同種のガラスを使用している。
より高いことは、明らかである。ついで、この組合せ体
は、冷却させられ、ガラス表面板(58)は、ウエハ(40)と
一体的構造となる。
る。GaAs用のエッチング剤を使用して、基層(42)を、そ
の上の緩衝層(44)を含めて除去する。さらにAlInAs用の
エッチング剤を用いて、停止層(46)を除去する。
め、選択的エッチング技術を用いると、活性層(48)の薄
い部分も除去される。
エッチング剤を精密に選定することにより、活性層(48)
の厚さを、現在の品質の要求に適合する1ミクロン以
下、あるいは約0.6ないし0.9ミクロンの厚さに、残すこ
とができる。
構成の周縁に、図4に示すクロム電極(62)を取付ける。
クロム電極(62)は、光電陰極装置(20)と、その他の画像
増幅管(10)の部品との間を導通する接点を形成する。
装着する前に、活性層(48)に感光性を与える活性化処理
を施さなければならない。活性層(48)に感光性を与える
ためには、ガス、湿気、酸化物等を活性層の表面から除
去しなければならない。
理室内へ入れ、光電陰極装置全体を加熱して、活性層(4
8)の表面を清浄にする。
蒸気及び酸素を表面上に蒸着する。蒸着処理の間に、表
面板(58)に光を入射させて、電極(62)からの出力電流を
測定する。
まで、セシウム及び酸素元素を表面に蒸着する。最大感
度に到達したら、蒸着処理を停止する。これにより、光
電陰極装置(20)は、画像増幅管(10)中に封止できる状態
になる。
As光電陰極装置の、上述した実施例によって、前記の目
的及び利点を達成し得ることは、当業者にとって明らか
であろう。また、本発明の本質を逸脱しない範囲におい
て、各種の変形、応用ないし変更を施して実施できるこ
とも、当業者にとっては自明であろう。
料を使用することもできる。基層、緩衝層及び停止層を
除去するために、他の技法を使用することもできる。す
なわち、本発明は、特許請求の範囲の記載に基づいて、
限定されるものである。
の、940nmを超える赤外線領域の光にも応答し得る透過
型の光電陰極装置を製造することができる。
画像増幅管に使用することにより、優れた暗視性能を備
える暗視システムを実現することができる。
図である。
第2世代管及び第3世代管の光電陰極装置のそれと比較
して示すグラフである。
るスペクトル応答特性の変化を示すグラフである。
である。
導体ウエハの模式図である。
ン (28)光ファイバー反転器 (30)樹木(目標物) (32)像 (34)可視像 (36)正立像 (38)拡大された虚
像 (40)半導体ウエハ (42)基層 (44)緩衝層 (46)停止層 (48)活性層 (52)窓層 (54)表層 (56)塗膜 (58)ガラス表面板 (62)クロム電極
Claims (37)
- 【請求項1】 画像増幅管に使用する光電陰極装置であ
って、 インジウム・ガリウム・砒素化合物(InGaAs)から形成さ
れた活性層と、 アルミニウム・インジウム・砒素化合物から形成され、
活性層にエピタキシャル接合された窓層と、 窓層に塗布された塗膜と、 塗膜上に熱溶着されたガラス表面板と、 表面板、窓層及び活性層の縁端に接合され、光電陰極と
画像増幅管との間を導通する接点を形成するクロム電極
とを備え、 表面板に照射された画像に対応する電子パターンを、活
性層から放射するようにした光電陰極装置。 - 【請求項2】 活性層中のインジウム濃度を、InxGa1-x
As化合物中の、0.2より少ない原子数xで定めた請求項
1に記載の光電陰極装置。 - 【請求項3】 窓層中のインジウム濃度を、InxGa1-xAs
化合物中の、0.2の原子数yで定めた請求項2に記載の
光電陰極装置。 - 【請求項4】 塗膜を、硝酸塩シリコンの反射防止層、
及び二酸化シリコンの防護層で構成した請求項3に記載
の光電陰極装置。 - 【請求項5】 活性層に、約1019原子数/1立方cmのレ
ベルのP型不純物を添加した請求項4に記載の光電陰極
装置。 - 【請求項6】 窓層に、約1018原子数/1立方cmのレベ
ルのP型不純物を添加した請求項5に記載の光電陰極装
置。 - 【請求項7】 窓層の光学的透過光遮断波長が、600nm
である請求項6に記載の光電陰極装置。 - 【請求項8】 光電陰極の応答スペクトル遮断波長が、
1060nmである請求項6に記載の光電陰極装置。 - 【請求項9】 画像増幅管に使用する光電陰極装置であ
って、 インジウム・ガリウム・砒素化合物(InGaAs)で形成した
活性層と、 活性層にエピタキシャルに形成した窓層と、 窓層に塗布した反射防止及び保護用の塗膜と、 塗膜上に熱溶着したガラス表面板と、 表面板、窓層及び活性層の縁端に接合され、光電陰極と
画像増幅管との間を導通する接点を形成する電極とを備
え、 表面板に照射された画像に対応する電子パターンを、活
性層から放射するようにした光電陰極装置。 - 【請求項10】 活性層中のインジウム濃度を、InxGa
1-xAs化合物中の原子数xにより定めた請求項9に記載
の光電陰極装置。 - 【請求項11】 窓層を、アルミニウム・インジウム・
砒素化合物(AlInAs)で形成し、かつ、窓層中のインジウ
ム濃度を、Al1-yInyAs化合物中の原子数yにより定めた
請求項10に記載の光電陰極装置。 - 【請求項12】 原子数xが0.2より少なく、原子数y
が0.2に等しい請求項11に記載の光電陰極装置。 - 【請求項13】 塗膜を、硝酸塩シリコンの第1層と、
二酸化シリコンの第2層とで構成した請求項9に記載の
光電陰極装置。 - 【請求項14】 活性層に、約1019原子数/1立方cmの
レベルのP型不純物を添加した請求項13に記載の光電陰
極装置。 - 【請求項15】 窓層に、約1018原子数/1立方cmのレ
ベルのP型不純物を添加した請求項14に記載の光電陰極
装置。 - 【請求項16】 活性層の厚さを、1ミクロン以下とし
た請求項15に記載の光電陰極装置。 - 【請求項17】 窓層の厚さを、1ミクロンとした請求
項16に記載の光電陰極装置。 - 【請求項18】 画像増幅管に使用する光電陰極装置を
製造する方法であって、 GaAsの基層を形成する工程と、 基層上に、緩衝層をエピタキシャル成長させる工程と、 緩衝層上に、AlInAsの停止層をエピタキシャル成長させ
る工程と、 停止層上に、InGaAsの活性層をエピタキシャル成長させ
る工程と、 活性層上に、AlInAsの窓層をエピタキシャル成長させる
工程と、 窓層上に、InGaAsの表層をエピタキシャル成長させる工
程と、 選択的エッチング剤を用いて表層を除去し、窓層を露出
させる工程と、 露出した窓層に、反射防止用及び保護用の塗膜を塗布す
る工程と、 塗膜に、ガラス表面板を熱溶着する工程と、 選択的エッチング剤を用いて、基層を除去する工程と、 選択的エッチング剤を用いて、停止層を除去する工程
と、 薄膜接合技法を用いて、活性層、窓層、塗膜及びガラス
表面板の縁端に、クロム電極を取付ける工程とを備える
光電陰極装置の製造方法。 - 【請求項19】 活性層中のインジウム濃度を、InxGa
1-xAs化合物中の原子数xにより定め、窓層中のインジ
ウム濃度を、Al1-yInyAs化合物中の原子数yにより定め
る請求項18に記載の光電陰極装置の製造方法。 - 【請求項20】 原子数xが0.2よりも少なく、原子数
yが0.2に等しい請求項19に記載の光電陰極装置の製造
方法。 - 【請求項21】 緩衝層をエピタキシャル成長させる工
程を、GaAsとInGaAsとの層を、活性層中の濃度に等しい
化合物濃度をもって、交互にエピタキシャル成長させる
工程で構成した請求項20に記載の光電陰極装置の製造方
法。 - 【請求項22】 GaAsとInGaAsの交互の各層の厚さを、
100オングストロームから150オングストロームの範囲と
した請求項22に記載の光電陰極装置の製造方法。 - 【請求項23】 層を交互にエピタキシャル成長させる
工程を、少なくとも10回反復し、緩衝層全体の厚さを0.
3ミクロン以下とした請求項22に記載の光電陰極装置の
製造方法。 - 【請求項24】 緩衝層をエピタキシャル成長させる工
程を、InxGa1-xAsの層をエピタキシャル成長させ、原子
数xを、0から活性層に選定した原子濃度まで漸次増加
させるようにして構成した請求項20に記載の光電陰極装
置の製造方法。 - 【請求項25】 緩衝層全体の厚さを、4ないし5ミク
ロンの範囲とした請求項24に記載の光電陰極装置の製造
方法。 - 【請求項26】 活性層を、選択的エッチンク剤を用い
て感光性を付与した後、真空室中で加熱する工程を含む
請求項25に記載の光電陰極装置の製造方法。 - 【請求項27】 活性層の面にセシウム蒸気と酸素とを
蒸着する、活性層の活性化工程を含む請求項26に記載の
光電陰極装置の製造方法。 - 【請求項28】 反射防止用及び保護用の塗膜を塗布す
る工程を、露出した窓層上に硝酸塩シリコン層を塗布
し、硝酸塩シリコン層上に二酸化シリコン層を塗布する
工程で構成した請求項27に記載の光電陰極装置の製造方
法。 - 【請求項29】 インジウム・ガリウム・砒素化合物(I
nGaAs)の活性層を備えて、視認した画像に対応する電子
パターンを形成する光電陰極装置と、 光電陰極装置に接近して配設され、光電陰極装置から放
射される電子流のエネルギーを増加させるマイクロチャ
ンネル板と、 放射された電子流が形成する画像を照射する蛍光スクリ
ーンと、 蛍光スクリーンで形成された画像を反転する光学的反転
器、 とを備える暗視システム用画像増幅管。 - 【請求項30】 アルミニウム・インジウム・砒素化合
物で形成され、活性層上にエピタキシャル成長した窓層
と、 窓層に塗布した塗膜と、 塗膜上に熱溶着したガラス表面板と、 表面板、窓層、及び活性層の縁端に接合され、光電陰極
と画像増幅管との間を導通する接点を形成するクロム電
極とを備え、 表面板に照射された光像に対応する電子パターンを、活
性層から放射するようにした請求項29に記載の暗視シス
テム用画像増幅管。 - 【請求項31】 活性層中のインジウム濃度を、InxGa
1-xAs化合物中の0.2より少ない原子数xにより定めた請
求項30に記載の暗視システム用画像増幅管。 - 【請求項32】 窓層中のインジウム濃度を、Al1-yIny
As化合物中の0.2の原子数yにより定めた請求項31に記
載の暗視システム用画像増幅管。 - 【請求項33】 塗膜を、硝酸塩シリコンの反射防止層
及び二酸化シリコンの保護層で構成した請求項32に記載
の暗視システム用画像増幅管。 - 【請求項34】 活性層に、約1019原子数/1立方cmの
レベルのP型不純物を添加した請求項33に記載の暗視シ
ステム用画像増幅管。 - 【請求項35】 窓層に、約1018原子数/1立方cmのレ
ベルのP型不純物を添加した請求項34に記載の暗視シス
テム用画像増幅管。 - 【請求項36】 窓層の光学的透過光遮断波長が、600n
mである請求項35に記載の暗視システム用画像増幅管。 - 【請求項37】 光電陰極の応答スペクトル遮断波長
が、1060nmである請求項36に記載の暗視システム用画像
増幅管。
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