JP2737041B2 - 光電陰極、及びその製造方法、並びにそれを使用した暗視システム用画像増幅管 - Google Patents
光電陰極、及びその製造方法、並びにそれを使用した暗視システム用画像増幅管Info
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Description
る。より詳細に述べれば、本発明は、暗視用画像増幅管
に使用するための、改良された光電陰極と、及びその製
造方法、並びにその光電陰極を適 インジウム・ガリウ
ム・砒素化合物(InGaAs)から形成されていて、光エネル
ギーの入射光子に応答して、前記画像増幅管の中の真空
領域に直接電子を放射する活性表面を有する活性層; 用した暗視システム用画像増幅管に関する。
間に作戦を行う軍人や法律執行者によって、使用されて
いる。また、暗視システムは、夜間飛行をするヘリコプ
タや飛行機の操縦士を補助するためにも使用されてい
る。
に変換するものである。このシステムを使用するには、
月や星の光などの若干の外光を必要とする。外光は、暗
視望遠鏡により増幅されて、肉眼で見ることができる出
力画像を形成する。
して、低レベルの可視光を増幅し、また、赤外線スペク
トルからも可視光を形成するようになっている。
子パターンに変換する工程と、電子パターンを蛍光スク
リーンに投射して、電子パターンを観察者が視認できる
光像に変換する工程とからなっている。使用者は、この
可視光像を、システムの接眼部に設けたレンズを透して
観察する。
部とを有する。
レンズと、画像増幅管とから構成されている。画像増幅
管は、上記の画像増幅工程を行うもので、光エネルギー
を電子パターンに変換する光電陰極と、電子流を増幅す
るマイクロチャンネル板と、電子パターンを光像に変換
する蛍光スクリーンと、画像を反転させる光ファイバー
移送窓とから構成されている。
システムの光学系部に電力を供給する電子回路で構成さ
れている。
である。最も進歩した光電陰極は第3世代管で、これ
は、940nmの波長に対応する長波長スペクトルの光を遮
断する応答特性を備えている。これ以上の長波長領域の
赤外線光は、第3世代管を使用しては見ることができな
い。
在し、また、樹木の葉などの各種の地上物は、これらの
長波長の光を反射する率が高いので、暗視システムは、
この種の長波長の光を受光し得ることが望ましい。
めに1060nmの波長のレーザビームを使用している場合
に、このレーザビームを探知することができる暗視シス
テムが、特に望まれている。
s)活性層を有する光電陰極が、所望の応答特性を備えて
いるのではないかということは、この技術分野で以前か
ら仮定されている。現在まで、InGaAsは、反射型のみに
使用されおり、透過型には使用されていない。
て、半導体面に入射する光エネルギーに対応する電子流
を、その面から放射するものである。反射型は、真空管
の中に収容された半導体陰極に、標準的に使用されてい
る。
し、逆側の面から、電子流を放射する半導体光電陰極を
使用するものである。近代の暗視システムに使用される
光電陰極装置は、透過型で作動している。
における光エネルギー入射面の逆側に放射される必要が
あるため、反射型半導体は、小型の画像増幅管の光電陰
極として使用するには、不適当である。
多大の努力にもかかわらず、透過型のInGaAs光電陰極を
製造することは、実現できなかった。従来は、透過型に
適用可能なInGaAsの薄い層を作ることができなかったの
みならず、その層を、光電陰極に必要な光学窓層に支持
させることもできなかった。
ために、活性層の厚さを1ミクロンないしそれ以下にす
る必要があるが、反射型のInGaAs層の厚さは、標準的に
は約10ミクロンに形成されている。
ウム・砒素化合物の基層に、InGaAsの層を適切に成長さ
せることができないので、所要の薄い高結晶品質の層を
作ることができなかった。
を、透過型光電陰極に必要な他の半導体層に適合させる
ことはできなかった。このような困難性のために、InGa
As光電陰極を開発する努力は、結局、放棄されてきた。
ことができる、改良された光電陰極装置が望まれてい
る。
まれている。
光電陰極を製造する方法も望まれている。
製造する方法も望まれている。
に応答し得る暗視システムに使用するための、改良され
た光電陰極を提供することである。
した光電陰極を提供することである。
光に応答し得る光電陰極を製造する方法を提供すること
である。
層を有する光電陰極を製造する方法を提供することであ
る。
めの本発明は下記の諸構成を有する。
は、インジウム・ガリウム・砒素化合物(InGaAs)で形成
されていて、光エネルギーの入射光子に応答して、前記
画像増幅管の中の真空領域に直接電子を放射する活性表
面を有する活性層; アルミニウム・インジウム・砒素化合物から形成され、
活性層にエピタキシャル接合された窓層; 前記窓層に適用されたコーティング; 前記コーティング上に熱溶着されたガラス表面板; 前記ガラス表面板、窓層及び活性層の縁端に接合され、
光電陰極と画像増幅管との間を導通する接点を形成する
クロム電極;とを備え、前記ガラス表面板に照射された
画像に対応する電子パターンを、活性層から放射するよ
うにした光電陰極である。
濃度は、化合物(InxGa1-xAs)中の原子分率xが、0.2
以下であることが好ましい。
度は、化合物(Al1-yInyAs)中の原子分率yが、0.2以
下であることが好ましい。
珪素の反射防止層、及び二酸化珪素の保護層から構成す
ることが好ましい。
/cm3のレベルのP型不純物をドーピングすることが好
ましい。
cm3のレベルのP型不純物をドーピングすることが好ま
しい。
断波長が、600nmであることが好ましい。
長が、1060nmであることが好ましい。
電陰極は、インジウム・ガリウム・砒素化合物(InGaAs)
で形成されていて、光エネルギーの入射光子に応答し
て、前記画像増幅管の中の真空領域に直接電子を放射す
る活性表面を有する活性層; 前記活性層にエピタキシャルに形成した窓層; 前記窓層に適用した反射防止及び保護用コーティング; 前記コーティング上に熱溶着したガラス表面板; 前記ガラス表面板、窓層及び活性層の縁端に接合され、
光電陰極と画像増幅管との間を導通する接点を形成する
電極;とを備え、前記ガラス表面板に照射された画像に
対応する電子パターンを、活性層から放射するようにし
た光電陰極である。
(InxGa1-xAs)中の原子分率xで規定されることが好ま
しい。
砒素化合物(AlInAs)で形成され、かつ、窓層中のインジ
ウム濃度が、化合物(Al1-yInyAs)中の原子分率yで規
定されることが好ましい。
が0.2であることが好ましい。
と、二酸化珪素の第2層で構成されることが好ましい。
のP型不純物がドーピングされていることが好ましい。
P型不純物がドーピングされていることが好ましい。
ることが好ましい。
が好ましい。
陰極を製造する方法であって、GaAsの基材層を形成する
工程; 前記基材層上に、緩衝層をエピタキシャル成長させる工
程; 前記緩衝層上に、AlInAsの停止層をエピタキシャル成長
させる工程; 前記停止層上に、InGaAsの活性層をエピタキシャル成長
させる工程; 前記活性層上に、AlInAsの窓層をエピタキシャル成長さ
せる工程; 前記窓層上に、InGaAsの表層をエピタキシャル成長させ
る工程; 選択的エッチング剤を用いて前記表層を除去し、窓層を
露出させる工程; 露出した窓層に、反射防止用及び保護用のコーティング
を適用する工程; 前記コーティングに、ガラス表面板を熱溶着する工程; 選択的エッチング剤を用いて、基材層を除去する工程; 選択的エッチング剤を用いて、停止層を除去する工程; 薄膜接合技法を用いて、活性層、窓層、塗膜及びガラス
表面板の縁端に、クロム電極を取付ける工程;とから成
る光電陰極の製造方法である。
(InxGa1-xAs)中の原子分率xで規定され、前記窓層中
のインジウム濃度が、化合物(Al1-yInyAs)中の原子分
率yで規定されることが好ましい。
が0.2であることが好ましい。
程が、前記活性層中の濃度に等しい化合物濃度で、GaAs
とInGaAsの交互層をエピタキシャル成長させる工程を更
に含むことが好ましい。
オングストロームから150オングストロームの範囲にす
ることが好ましい。
程を、少なくとも10回反復し、緩衝層全体の厚さを0.
3ミクロン以下とることが好ましい。
程が、InxGa1-xAsの層をエピタキシャル成長させ、原子
分率xを、0から少なくとも活性層に選定した原子濃度
まで漸次増加させるようにした工程を更に含むことが好
ましい。
ロンの範囲とすることが好ましい。
て感光性を付与した後、真空室中で加熱する工程を含む
ことが好ましい。
蒸着することによって前記活性層を活性化する工程を更
に含むことが好ましい。
適用する工程が、露出した窓層上に窒化珪素の層を適用
し、該窒化珪素の層の上に二酸化珪素の層を適用する工
程を更に含むことが好ましい。
用する画像増幅管であって、インジウム・ガリウム・砒
素化合物(InGaAs)から形成されていて、前記画像増幅管
の中の真空領域に暴露している活性表面を有している活
性層であって、前記活性表面から、光エネルギーの入射
光子に応答して、前記画像増幅管の中の真空領域に直接
電子を放射して、視認した画像に対応する電子パタ−ン
を形成する光電陰極;、視認した画像に対応する電子パ
ターンを形成する光電陰極; 前記光電陰極に接近して配設され、光電陰極から放射さ
れる電子流のエネルギーを増加させるマイクロチャンネ
ル板; 前記放射された電子流が形成する画像を照射する蛍光ス
クリーン;及び前記蛍光スクリーンで形成された画像を
反転する光学的反転器とを備える暗視システム用画像増
幅管が提供される。
る光電陰極を、アルミニウム・インジウム・砒素化合物
で形成され、活性層上にエピタキシャル成長した窓層; 前記窓層に適用されたコーティング; 前記コーティング上に熱溶着したガラス表面板; 前記ガラス表面板、窓層、及び活性層の縁端に接合さ
れ、光電陰極と画像増幅管との間を導通する接点を形成
するクロム電極とを備え、前記ガラス表面板に照射され
た光像に対応する電子パターンを、活性層から放射する
ようにしたことが好ましい。
(InxGa1-xAs)中の原子分率xを0.2以下に規定するこ
とが好ましい。
(Al1-yInyAs)中の原子分率yを0.2以下に規定するこ
とが好ましい。
層及び二酸化珪素の保護層で構成することが好ましい。
のP型不純物をドーピングすることが好ましい。
P型不純物をドーピングすることが好ましい。
mであることが好ましい。
が、1060nmであることが好ましい。
光した画像に対応する電子パターンが、受光面の逆側に
設置した蛍光スクリーンに向けて放射され、透過型の暗
視システムに適用し得る光電陰極が形成される。
層、表層を、順次にエピタキシャル成長させ、表材層を
部分的に除去して反射防止用及び保護用コーティングを
適用し、その上にガラス表面板を熱溶着した後、基材
層、緩衝層、停止層を除去して、残りの各層の縁端にク
ロム電極を取付けることにより光電陰極を製造しうる。
て、従来の第3世代管では応答できなかった長波長領域
の光(たとえば波長1060nmのレーザ光など)にも応答でき
る暗視システムを実現することができる。
行動する法律執行者や軍人は、波長が940nm以上の光を
受光し得る暗視システムを、切実に必要としている。
の画像増幅管の拡散分解斜視図で、この暗視システム
は、後述するように、暗い環境中で、観察者(5)が目標
物の樹木(30)を、拡大した虚像として視認することがで
きるものである。
像レンズ(12)、及び結像レンズと対物レンズとの間に配
置した画像増幅管(10)を備えている。
ロチャンネル板(MCP)(24)、蛍光スクリーン(26)、及び
光ファイバー反転器(28)を備えている。
(14)により光電陰極(20)の面に結像する。当然ながら、
光電陰極(20)の面の像(32)は、対物レンズ(14)を通って
倒立した像になっている。
どの半導体材料で形成してあり、対物レンズ(14)による
倒立像のパターンにおける結像光エネルギーに対応した
電子流を放射する。図4には、電子流を活性面(22)から
出る複数個の矢印で示してある。
しても、可視スペクトル領域の光と同様に感光して、対
物レンズを通って光電陰極(20)に到達する赤外線光に対
応する電子流を発生する。
陰極とマイクロチャンネル板(24)との間に配設された電
界によりエネルギーを与えられて、マイクロチャンネル
板(24)を通過する。
行な中空ガラス繊維を並べた円板で構成され、各ガラス
繊維の基本的な円筒軸線を、光電陰極(20)から放射され
る電子流の方向から、僅かにずらせて配置してある。マ
イクロチャンネル板の両面に電圧を印加することによ
り、マイクロチャンネル板(24)は、各チャンネルを通っ
て放射される2次電子の多重カスケードによって、電子
の数を倍増させる。
電子流は、マイクロチャンネル板から出射し、マイクロ
チャンネル板と蛍光スクリーン(26)との間に配置された
高電圧の電界によって、エネルギーが与えられる。
ン(26)を叩いて、対物レンズ(14)で受光した画像に対応
する可視像を発生させる。公知のように、蛍光スクリー
ン(26)は、光電陰極(20)が発生した電子パターンを、受
光像の可視像に変換する手段であり、この画像は、図1
に符号(34)として図示してある。
ファイバー反転器(28)を通って、符号(36)で示すよう
に、観察者(5)に対する正立画像に回転する。光ファイ
バー反転器(26)は、光ファイバーの束をねじって形成し
てある。通常の反転レンズに代えて、光ファイバーを使
用すれば、通常のレンズを通過したときに生じる光エネ
ルギーの損失を最小にすることができる。
正立した出力画像(36)を、虚像(38)として見ることにな
る。図1で、虚像(38)は、対物レンズ(14)の拡大率に応
じた寸法に拡大されている。
陰極(20)の特性に大きく依存する。図2は、本発明のIn
GaAs光電陰極のスペクトル応答特性を、従来の光電陰極
に適用された半導体材料のそれと比較したグラフであ
る。
リアルカリ材料を使用した第2世代管が、一般的に使用
されている。図2のグラフに示すように、これらの管の
長波長スペクトル応答性は、約940nmの波長を最大とし
て、それ以上の領域の光を遮断する。
(InGaAs)の半導体材料を使用する光電陰極は、スペクト
ル応答の遮断値を、1060nmまで拡張することができる。
度を増加させることにより、光電陰極の長波長遮断特性
を拡張できることを示すグラフである。化合物の組成
は、InxGa1-xAs化合物中のインジウムの原子分率xによ
って決定される。
極に所望の長波長遮断特性を持たせることができること
は、明らかである。
0)を、模式的に示す断面図である。最上部には、ガラス
表面板(58)を設けて、対物レンズ(14)に近接する光電陰
極(20)の受光面を形成してある。
設けてある。コーティング(56)は、反射防止用の窒化珪
素の層と、保護用の二酸化珪素の層とで構成されてい
る。コーティング(56)は、表面板(58)から光エネルギー
が反射するのを防止する。
窓層(52)を設けてある。窓層(52)は、アルミニウム・イ
ンジウム・砒素化合物(AlInAs)で形成され、短波長の光
が活性層に到達することを防止するフィルタとして作用
する。
ように、受光した光画像を電子パターンに変換する。
ム電極(62)で覆ってある。クロム電極(62)は、ガラス表
面板(58)、コーティング(56)、窓層(52)、及び活性層(4
8)の側縁に形成された円筒面を有する。クロム電極(62)
は、前述のように、光電陰極と、その他の画像増幅管の
部品との間の導通部を形成している。
するには、まず、半導体ウエハを形成しなければならな
い。図3は、InGaAsを使用した半導体ウエハの模式図で
ある。
用する。GaAsは、市販のもので、欠陥密度が小さい単一
結晶ウエハであるのが望ましい。
に、追加の各層をエピタキシャル成長させる。成長条件
は、周知の手法により、所望の組成、添加量、層厚の制
御、及び各層とそれらの境界領域のおける高結晶品質に
適合することが必要である。
ャル成長させる。緩衝層(42)の目的は、次に記述するよ
うに、基板(42)と後続の各層との間に、遷移を生じさせ
ることである。
設けられる結晶層との間の格子不整合による結晶品質の
低下は、効果的に減少させられる。また、緩衝層(44)
は、基板(42)中の不純物が、他の半導体層中に上方に拡
散することも防止する。
「超格子」法との2種の技法を採用することができる。
上に緩衝層(44)を成長させる間に、InGaAs化合物中のイ
ンジウムの比率を次第に増加させる。インジウムの比率
は、0%から、後述する活性層(48)の最適化合物濃度に
対応する値まで増加させる。
の厚さの緩衝層(44)が得られる。
活性層化合物中に使用されるのと同じ原子濃度で、きわ
めて薄い層として交互に成長させることから構成させ
る。これらの個々の層は、それぞれ100ないし150オング
ストロームの薄さとし、各層を10層以上成長させる。
クロン程度の薄い緩衝層を得ることができる。また、超
格子法を使用すれば、段階法よりも迅速に、緩衝層(44)
を成長させることができ、光電陰極装置の製造に要する
時間を短縮することができる。したがって、超格子法の
方が、段階法よりも推奨される。
シャル成長させる。基材層(42)と緩衝層(44)とは、後述
するように、最終的には、エッチング技法により除去さ
れるものであるが、停止層(46)は、エッチングに際し
て、後続の各層を保護する障壁となる。
As化合物中のインジウムの原子分率yを変化させること
によって、調節することができる。本発明の好ましい実
施例では、原子分率yを調節して、AlInAsの格子を、活
性層(48)の結晶格子と適合させてある。
約2ミクロンの厚さにエピタキシャル成長させる。活性
層(48)は、図3に示した光電応答遮断値を決定するよう
に、インジウムの含有比率を調整したInGaAaの化合物
で形成されている。
0.2より小さくすることにより、InGaAs光電陰極に調和
するマイナス電子を、効率よく得ることができる。化合
物には、亜鉛やカドミウムなどのP型不純物を、1cm3
あたり、約1019個原子のレベルで添加される。
ことが予想される。後述するように、この厚さを後工程
で減少させて、光電陰極の応答性を最大とするか、ある
いはスペクトル感度分布における特別な要求に適合させ
る。
タキシャル成長させる。完成後の構成において、光は、
窓層(52)を通過して、活性層(48)に伝達される。窓層(5
2)は、不要な高周波(短波長)の光が、活性層(48)に到達
することを排除するフィルタとして作用する。
であり、その結晶格子がInGaAs活性層(48)の結晶格子に
適合するように定められている。この格子適合性は、光
電陰極の作動に鋭敏に影響する。もしそれらの層が適合
しないと、成長する層中の結晶密度の欠陥は増大する。
1cm3あたり1018個原子のレベルで添加する。窓層(52)
の透過光遮断特性は、窓層(52)の組成を調節することに
よって達成することができる。
子分率yを0.2とすることが望ましい。また、有効な光
伝達性と適切な機械的支持力を得るためには、厚さを1
ミクロンとすることが望ましい。
4)をエピタキシャル成長させる。表層(54)は、ウエハ装
置(40)を冷却する際に、中間の各層を保護するために必
要なものであり、また、窓層(52)を保護して、不純物が
窓層に付着することを防止するものである。
ば、表層(54)をエッチングで除去して、窓層(52)を露出
させる。これは、公知のように、InGaAsを除去するため
の選択的エッチング剤を使用すればよい。
コーティング(56)を適用する。コーティングは、完成後
の光電陰極(20)の断面図である図4に示してある。塗膜
(56)の好ましい実施例は、窒化珪素の第1層を適用し、
次いで、二酸化珪素の第2層を適用して構成されてい
る。
することを防止する反射防止面を形成する。これによ
り、暗視システムが受光する外光の大部分は、画像増幅
管(10)中に確実に処理される。
を形成する。各塗膜の厚さは、1000オングストロームに
するのが望ましい。
用したウエハ(40)は、次に、ガラスの軟化温度よりも低
い摂氏数十度の温度に加熱される。
うに、ガラス表面板(58)をウエハ(40)に熱溶着する。本
発明の好ましい実施例では、ガラス表面板(58)として、
光電陰極の素材の係数に近い熱膨張係数を持つ、コーニ
ング7067または同種のガラスを使用している。
より高いことは、明らかである。ついで、この組合せ体
は、冷却させられ、ガラス表面板(58)は、ウエハ(40)と
一体的構造となる。
る。GaAs用のエッチング剤を使用して、基材層(42)を、
その上の緩衝層(44)を含めて除去する。さらにAlInAs用
のエッチング剤を用いて、停止層(46)を除去する。
め、選択的エッチング技術を用いると、活性層(48)の薄
い部分も除去される。
エッチング剤を精密に選定することにより、活性層(48)
の厚さを、現在の品質の要求に適合する1ミクロン以
下、あるいは約0.6ないし0.9ミクロンの厚さに、残すこ
とができる。
構成の周縁に、図4に示すクロム電極(62)を取付ける。
クロム電極(62)は、光電陰極(20)と、その他の画像増幅
管(10)の部品との間を導通する接点を形成する。
する前に、活性層(48)に感光性を与える活性化処理を施
さなければならない。活性層(48)に感光性を与えるため
には、ガス、湿気、酸化物等を活性層の表面から除去し
なければならない。
理室内へ入れ、光電陰極全体を加熱して、活性層(48)の
表面を清浄にする。
蒸気及び酸素を表面上に蒸着する。蒸着処理の間に、表
面板(58)に光を入射させて、電極(62)からの出力電流を
測定する。
まで、セシウム及び酸素元素を表面に蒸着する。最大感
度に到達したら、蒸着処理を停止する。これにより、光
電陰極(20)は、画像増幅管(10)中に封止できる状態にな
る。
As光電陰極の、上述した実施例によって、前記の目的及
び利点を達成し得ることは、当業者にとって明らかであ
ろう。また、本発明の本質を逸脱しない範囲において、
各種の変形、応用ないし変更を施して実施できること
も、当業者にとっては自明であろう。
材料を使用することもできる。基層、緩衝層及び停止層
を除去するために、他の技法を使用することもできる。
すなわち、本発明は、特許請求の範囲の記載に基づい
て、限定されるものである。
940nmを超える赤外線領域の光にも応答し得る透過型の
光電陰極を製造することができる。
増幅管に使用することにより、優れた暗視性能を備える
暗視システムを実現することができる。
図である。
世代管及び第3世代管の光電陰極装置のそれと比較して
示すグラフである。
ペクトル応答特性の変化を示すグラフである。
る。
ウエハの模式図である。
ン (28)光ファイバー反転器 (30)樹木(目標物) (32)像 (34)可視像 (36)正立像 (38)拡大された虚
像 (40)半導体ウエハ (42)基材層 (44)緩衝層 (46)停止層 (48)活性層 (52)窓層 (54)表層 (56)コーティング (58)ガラス表面板 (62)クロム電極
Claims (37)
- 【請求項1】 画像増幅管に使用する光電陰極であっ
て、 インジウム・ガリウム・砒素化合物(InGaAs)から形成さ
れていて、光エネルギーの入射光子に応答して、前記画
像増幅管の中の真空領域に直接電子を放射する活性表面
を有する活性層; アルミニウム・インジウム・砒素化合物から形成され、
活性層にエピタキシャル接合された窓層; 前記窓層に適用されたコーティング; 前記コーティング 上に熱溶着されたガラス表面板;前記ガラス表面板 、窓層及び活性層の縁端に接合され、
光電陰極と画像増幅管との間を導通する接点を形成する
クロム電極;とを備え、前記ガラス表面板 に照射された画像に対応する電子パタ
ーンを、活性層から放射するようにした光電陰極。 - 【請求項2】 前記活性層中のインジウム濃度が、化合
物InxGa1-xAs中の原子分率xが、0.2以下に規定される
請求項1に記載の光電陰極。 - 【請求項3】 前記窓層中のインジウム濃度が、化合物
Al1-yInyAs中の原子分率yが、0.2以下に規定される請
求項2に記載の光電陰極。 - 【請求項4】 前記コーティングが、窒化珪素の反射防
止層、及び二酸化珪素の保護層から構成された請求項3
に記載の光電陰極。 - 【請求項5】 前記活性層に、約1019原子/cm3のレベ
ルのP型不純物をドーピングした請求項4に記載の光電
陰極。 - 【請求項6】 前記窓層に、約1018原子/cm3のレベル
のP型不純物をドーピングした請求項5に記載の光電陰
極。 - 【請求項7】 前記窓層の光学的透過光遮断波長が、60
0nmである請求項6に記載の光電陰極。 - 【請求項8】 前記光電陰極の応答スペクトル遮断波長
が、1060nmである請求項6に記載の光電陰極。 - 【請求項9】 画像増幅管に使用する光電陰極であっ
て、 インジウム・ガリウム・砒素化合物(InGaAs)で形成され
ていて、光エネルギーの入射光子に応答して、前記画像
増幅管の中の真空領域に直接電子を放射する活性表面を
有する活性層; 前記活性層にエピタキシャルに形成した窓層; 前記窓層に適用した反射防止及び保護用コーティング; 前記コーティング 上に熱溶着したガラス表面板;前記ガラス表面板 、窓層及び活性層の縁端に接合され、
光電陰極と画像増幅管との間を導通する接点を形成する
電極;とを備え、前記ガラス表面板 に照射された画像に対応する電子パタ
ーンを、活性層から放射するようにした光電陰極。 - 【請求項10】 前記活性層中のインジウム濃度が、化
合物InxGa1-xAs中の原子分率xで規定される請求項9に
記載の光電陰極。 - 【請求項11】 前記窓層が、アルミニウム・インジウ
ム・砒素化合物(AlInAs)で形成され、かつ、窓層中のイ
ンジウム濃度が、化合物Al1-yInyAs中の原子分率yで規
定された請求項10に記載の光電陰極。 - 【請求項12】 前記原子分率xが0.2以下で、原子分
率yが0.2である請求項11に記載の光電陰極。 - 【請求項13】 前記コーティングが、窒化珪素塩の第
1層と、二酸化珪素の第2層で構成された請求項9に記
載の光電陰極。 - 【請求項14】 前記活性層に、約1019原子/cm3のレ
ベルのP型不純物がドーピングされた請求項13に記載
の光電陰極。 - 【請求項15】 前記窓層に、約1018原子/cm3のレベ
ルのP型不純物がドーピングされた請求項14に記載の
光電陰置。 - 【請求項16】 前記活性層の厚さが、1ミクロン以下
である請求項15に記載の光電陰極。 - 【請求項17】 前記窓層の厚さが、1ミクロンである
請求項16に記載の光電陰極。 - 【請求項18】 画像増幅管に使用する光電陰極を製造
する方法であって、 GaAsの基材層を形成する工程;前記基材層 上に、緩衝層をエピタキシャル成長させる工
程; 前記緩衝層上に、AlInAsの停止層をエピタキシャル成長
させる工程; 前記停止層上に、InGaAsの活性層をエピタキシャル成長
させる工程; 前記活性層上に、AlInAsの窓層をエピタキシャル成長さ
せる工程; 前記窓層上に、InGaAsの表層をエピタキシャル成長させ
る工程; 選択的エッチング剤を用いて前記表層を除去し、窓層を
露出させる工程; 露出した窓層に、反射防止用及び保護用のコーティング
を適用する工程;前記コーティング に、ガラス表面板を熱溶着する工程; 選択的エッチング剤を用いて、基材層を除去する工程; 選択的エッチング剤を用いて、停止層を除去する工程; 薄膜接合技法を用いて、活性層、窓層、塗膜及びガラス
表面板の縁端に、クロム電極を取付ける工程;とから成
る光電陰極の製造方法。 - 【請求項19】 前記活性層中のインジウム濃度が、化
合物InxGa1-xAs中の原子分率xで規定され、前記窓層中
のインジウム濃度が、化合物Al1-yInyAs中の原子分率y
で規定される請求項18に記載の光電陰極の製造方法。 - 【請求項20】 前記原子分率xが0.2以下で、原子分
率yが0.2である請求項19に記載の光電陰極の製造方
法。 - 【請求項21】 前記緩衝層をエピタキシャル成長させ
る工程が、前記活性層中の濃度に等しい化合物濃度で、
GaAsとInGaAsの交互層をエピタキシャル成長させる工程
を更に含む請求項19に記載の光電陰極の製造方法。 - 【請求項22】 前記GaAsとInGaAsの交互層の厚さを、
100オングストロームから150オングストロームの範囲と
した請求項21に記載の光電陰極の製造方法。 - 【請求項23】 前記交互層をエピタキシャル成長させ
る工程を、少なくとも10回反復し、緩衝層全体の厚さ
を0.3ミクロン以下とした請求項22に記載の光電陰極
の製造方法。 - 【請求項24】 前記緩衝層をエピタキシャル成長させ
る工程が、InxGa1-xAsの層をエピタキシャル成長させ、
原子分率xを、0から少なくとも活性層に選定した原子
濃度まで漸次増加させるようにした工程を更に含む請求
項20に記載の光電陰極の製造方法。 - 【請求項25】 前記緩衝層全体の厚さを、4ないし5
ミクロンの範囲とした請求項24に記載の光電陰極の製
造方法。 - 【請求項26】 前記活性層を、選択的エッチング剤を
用いて感光性を付与した後、真空室中で加熱する工程を
含む請求項25に記載の光電陰極の製造方法。 - 【請求項27】 前記活性層の面にセシウム蒸気と酸素
とを蒸着する、活性層の活性化工程を含む請求項26に
記載の光電陰極の製造方法。 - 【請求項28】 前記反射防止用及び保護用コーティン
グを適用する工程が、露出した窓層上に窒化珪素の層を
適用し、該窒化珪素塩の層の上に二酸化珪素の層を適用
する工程を更に含む請求項27に記載の光電陰極の製造
方法。 - 【請求項29】 暗視システム用画像増幅管であって; インジウム・ガリウム・砒素化合物(InGaAs)から形成さ
れていて、前記画像増幅管の中の真空領域に暴露してい
る活性表面を有している活性層であって、前記活性表面
から、光エネルギーの入射光子に応答して、前記画像増
幅管の中の真空領域に直接電子を放射して、視認した画
像に対応する電子パタ−ンを形成する活性層、及びアル
ミニウム・インジウム・砒素化合物(AlInAs)で形成され
活性層上にエピタキシャル成長させた窓層から成る光電
陰極; 前記光電陰極に接近して配設され、光電陰極から放射さ
れる電子流のエネルギーを増加させるマイクロチャンネ
ル板; 前記放射された電子流が形成する画像を照射する蛍光ス
クリーン;及び 前記蛍光スクリーンで形成された画像を反転する光学的
反転器;とを備える暗視システム用画像増幅管。 - 【請求項30】 前記光電陰極が、前記窓層に適用され
たコーティング; 前記コーティング上に熱溶着したガラス表面板; 前記ガラス表面板 、窓層、及び活性層の縁端に接合さ
れ、光電陰極と画像増幅管との間を導通する接点を形成
するクロム電極とを更に備え、そして前記ガラス表面板
に照射された光像に対応する電子パターンを、活性層か
ら放射するようにした請求項29に記載の暗視システム
用画像増幅管。 - 【請求項31】 前記活性層中のインジウム濃度を、化
合物InxGa1-xAs中の原子分率xを0.2以下に規定した請
求項30に記載の暗視システム用画像増幅管。 - 【請求項32】 前記窓層中のインジウム濃度を、化合
物Al1-yInyAs中の原子分率yを0.2以下に規定した請求
項31に記載の暗視システム用画像増幅管。 - 【請求項33】 前記コーティングを、窒化珪素塩の反
射防止層及び二酸化珪素の保護層で構成した請求項32
に記載の暗視システム用画像増幅管。 - 【請求項34】 前記活性層に、約1019原子/cm3のレ
ベルのP型不純物がドーピングされた請求項33に記載
の暗視システム用画像増幅管。 - 【請求項35】 前記窓層に、約1018原子/cm3のレベ
ルのP型不純物がドーピングされた請求項34に記載の
暗視システム用画像増幅管。 - 【請求項36】 前記窓層の光学的透過光遮断波長が、
600nmである請求項35に記載の暗視システム用画像増
幅管。 - 【請求項37】 前記光電陰極の応答スペクトル遮断波
長が、1060nmである請求項36に記載の暗視システム用
画像増幅管。
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