JPH05266848A - イオンビーム装置 - Google Patents

イオンビーム装置

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JPH05266848A
JPH05266848A JP6054492A JP6054492A JPH05266848A JP H05266848 A JPH05266848 A JP H05266848A JP 6054492 A JP6054492 A JP 6054492A JP 6054492 A JP6054492 A JP 6054492A JP H05266848 A JPH05266848 A JP H05266848A
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JP
Japan
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ion beam
electrode
collision
vacuum container
collision part
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JP6054492A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Miyake
潔 三宅
Masaaki Ando
公明 安藤
Hisao Tanabe
尚男 田辺
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 偏向されたイオンビームが衝突することによ
りイオンビーム衝突部から発生する2次電子に起因する
絶縁破壊を防止する。 【構成】 真空容器4内に走行するイオンビーム3の走
行軌道を偏向電極9,10で偏向し、イオンビーム3を
衝突電極14に衝突させて遮断するようにしたイオンビ
ーム装置において、前記衝突電極14を真空容器4の電
位よりも正側にバイアスするバイアス電源15を設け、
イオンビーム衝突に伴って衝突電極14から発生する2
次電子16が真空容器4内壁の接地電位による反発を受
けて再び衝突電極14に戻るように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオンビームを用い
て、半導体,誘電体,金属,絶縁物,有機物等の薄膜を
形成するイオンビームデポジション装置,イオンビーム
表面処理装置,イオンビーム表面加工装置あるいはイオ
ン打ち込み装置等に使用するイオンビーム装置に係り、
特にイオンビームを時間的に断続するのに好適なイオン
ビ−ム制御に関する。
【0002】
【従来の技術】試料に照射するイオンビームを時間的に
断続あるいは変化させるようにしたイオンビーム装置
は、『電子・イオンビームハンドブック(第2版)』
(日本学術振興会第132委員会編,日刊工業新聞社,
昭和61年発行)の第259頁の図7.8に記載されて
いるように、イオンビーム走行軌道を挾んで対向させて
配置した1対のイオンビーム偏向電極に、時間的に変化
する偏向バイアス電圧を印加してイオンビームを直進走
行軌道と交差する方向に静電偏向し、このイオンビーム
がチョッピイングアパーチャを通過する状態と通過しな
い状態を選択的に発生させることにより、イオンビーム
を時間的に断続する方法を用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のイオ
ンビーム装置においては、イオンビームの走行軌道を偏
向し、このイオンビームがチョッピイングアパーチャ壁
に衝突して遮断されるような状態にしたときに、イオン
ビームが壁を衝撃して2次電子を発生する。そして、多
量のイオンビームが真空容器内のチョッピイングアパー
チャ壁を衝撃することで多量の2次電子が発生すると、
この2次電子は正の電圧が印加されたイオンビーム偏向
電極に多量に流入してイオンビーム偏向電極間あるいは
イオンビーム偏向電極と真空容器の間でこの2次電子に
起因した絶縁破壊を生ずる問題点がある。従って、従来
のイオンビーム装置は、イオンビームの電流量を大きく
することができない。
【0004】従って、本発明の目的は、イオンビームを
衝突部に衝突させて遮断するときにこの衝突部から発生
する2次電子による悪影響を防止することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、イオンビーム
の走行軌道を偏向し、このイオンビームを衝突部に衝突
させて遮断するようにしたイオンビーム装置において、
イオンビーム衝突に伴って前記衝突部から発生する2次
電子の拡散を抑制する拡散抑制手段を設けたことを特徴
とし、あるいは、イオンビームの走行軌道を偏向してこ
のイオンビームを衝突部に衝突させて遮断するようにし
たイオンビーム装置において、前記衝突部をイオンビー
ム衝突に伴って発生する2次電子の拡散を抑制するファ
ラディカップ機能を持つ電極としたことを特徴とし、あ
るいは、真空容器内を走行するイオンビームの走行軌道
を偏向し、この偏向したイオンビームを衝突部に衝突さ
せて遮断するようにしたイオンビーム装置において、前
記衝突部を前記真空容器の電位よりも正側にバイアスす
るバイアス手段を備えたことを特徴とし、あるいは、真
空容器内を走行するイオンビームの走行軌道を挾んで対
向させて配置したイオンビーム偏向電極と、このイオン
ビーム偏向電極に偏向バイアス電圧を印加する偏向バイ
アス電源装置とを備え、偏向されたイオンビームを衝突
部に衝突させて遮断するようにしたイオンビーム装置に
おいて、前記衝突部から発生する2次電子の拡散を抑制
するサプレッサー電極と、このサプレッサー電極にバイ
アス電圧を印加する2次電子拡散抑制用のバイアス電源
装置を備えたことを特徴とする。
【0006】
【作用】偏向されたイオンビ−ムがイオンビーム衝突部
に衝突することにより発生した2次電子の拡散が抑制さ
れるので、2次電子がイオンビーム偏向電極等が設置さ
れたイオンビーム走行空間に充満してイオンビーム偏向
電極の絶縁破壊を招くようなことがなくなる。
【0007】具体的には、イオンビーム衝突部をファラ
ディカップ機能を持つ電極にすると、この電極の底部に
衝突して発生した2次電子は電極の内壁に吸収されて外
部に拡散することがなく、またイオンビーム衝突部が真
空容器よりも正にバイアスされているとこのイオンビー
ム衝突部で発生した2次電子は再びこのイオンビーム衝
突部に戻るように飛翔し、また、サプレッサー電極は2
次電子がイオンビーム衝突部近傍から拡散するのを抑制
する。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図6を参照し
て説明する。
【0009】実施例1 図1に示すイオンビーム装置は、イオン源1から加速電
源2によりイオン電流5mAのアルゴンイオンビーム3
を加速エネルギ20keVで引き出して真空容器4内に
導入し、この真空容器4内の隔壁5に形成された内径1
5mmのイオンビーム通過窓5aを通過させて300m
mの距離を直進走行させた後に、次の隔壁6の内径10
mmのイオンビーム通過窓6aを通過させてイオンビー
ム照射室7内に導入し、このイオンビーム照射室7内に
配置された直径3インチのシリコン基板8の表面に照射
する構成である。
【0010】隔壁5,6の間のイオンビーム走行空間に
は、イオンビーム直進走行軌道を挾んで対向させた1対
のイオンビーム偏向電極9,10が真空容器4に対して
絶縁状態に設置される。イオンビーム偏向電極9,10
は、100mm×50mmの大きさ,100mmの対向
距離であり、夫々、偏向バイアス電源11,12に接続
される。このイオンビーム偏向電極9,10と隔壁6の
間には偏向されたイオンビームを衝突させるイオンビー
ム衝突電極14が配置される。このイオンビーム衝突電
極14は、直径30mmの大きさであり、真空容器4に
対して絶縁状態に設置され、2次電子拡散抑制用の衝突
電極バイアス電源15に接続されている。なお、真空容
器4は接地電位にある。
【0011】アルゴンイオンビーム3をシリコン基板8
の表面に照射するときは、偏向バイアス電源11,12
からイオンビーム偏向電極9,10へのバイアス電圧の
印加を停止してこのイオンビーム偏向電極9,10を真
空容器4と同電位にし、イオンビーム走行軌道を直進状
態にする。また、衝突電極バイアス電源15からイオン
ビーム衝突電極14へのバイアス電圧の印加も停止して
その電位を真空容器4と同電位にする。
【0012】そして、シリコン基板8に対するアルゴン
イオンビーム3の照射を遮断するときは、真空容器4の
電位を基準にして、イオンビーム偏向電極9,10には
偏向バイアス電源11,12から+5kV,−5kVの
バイアス電圧を印加し、イオンビーム衝突電極14には
衝突電極バイアス電源15から+300Vのバイアス電
圧を印加する。このバイアス電圧印加によりイオンビー
ム走行軌道に偏向電界が作用すると該イオンビーム走行
軌道は、破線で示すように、偏向状態となり、アルゴン
イオンビーム3はこの偏向走行軌道を走行してイオンビ
ーム衝突電極14に衝突して遮断される。
【0013】このアルゴンイオンビーム3の衝撃を受け
たイオンビーム衝突電極14の表面からは大量の2次電
子16が発生するが、そのポテンシャルエネルギは+3
00eVであり、真空容器4内壁の接地電位による反発
力をうけて再びイオンビーム衝突電極14に戻るように
飛翔する。従って、この2次電子16が真空容器4内に
拡散して充満し、絶縁破壊の原因となるようなことがな
い。
【0014】そして、再び偏向バイアス電源11,12
及び衝突電極バイアス電源15の出力電圧を0Vにして
イオンビーム偏向電極9,10とイオンビーム衝突電極
14の電位を真空容器4と同じ電位にすると、アルゴン
イオンビーム3は直進走行軌道を進んでシリコン基板8
の表面に照射される。
【0015】実施例2 図2に示すイオンビーム装置は、実施例1におけるイオ
ンビーム衝突部をファラディカップ電極とし、衝突電極
バイアス電源を省略したものである。その他の構成は実
施例1と同一部品で構成されるので、同一参照符号を付
して詳細説明を省略する。
【0016】ファラディカップ電極18は、20mmの
内径で200mmの深さの有底円筒体で、イオンビーム
偏向走行軌道を走行するアルゴンイオンビーム3が底部
に衝突するように真空容器4内に傾斜して配置され、こ
の真空容器4と同電位になるように設置される。
【0017】偏向走行軌道に沿って走行するアルゴンイ
オンビーム3がファラディカップ電極18の底部に衝突
するとこの底部から2次電子が発生するが、この2次電
子は筒部の内壁に吸収されてこの筒部の外に拡散するこ
とがない。このような2次電子拡散抑制機能は、この電
極が、底部の内径に対して10倍以上の深さの筒部をも
つ形状であるときに極めて効果的に発揮される。
【0018】実施例3 図3に示すイオンビーム装置は、実施例1におけるイオ
ンビーム衝突電極を真空容器と同電位とし、2次電子拡
散抑制用のサプレッサー電極を設置したものである。実
施例1と同一構成については一部の図示を省略し、ある
いは同一参照符号を付して詳細説明を省略する。
【0019】イオンビーム偏向電極9,10と隔壁6の
間の真空容器4に形成した膨出部4a内に、開孔径が1
5mmのイオンビーム通過窓21aを有する隔壁21
と、真空容器4に対して−300Vの負電位を発生する
サプレッサー電源22に接続されたサプレッサー電極
(開孔径が15mm)23と、真空容器4と同電位のイ
オンビーム衝突電極(直径が40mm)24とが設けら
れている。
【0020】イオンビーム照射室7へアルゴンイオンビ
ーム3が入射するのを遮るときは、真空容器4の電位を
基準にして、偏向バイアス電源11,12によりイオン
ビーム偏向電極9,10に夫々+5kV,−5kVのバ
イアス電圧を印加し、サプレッサー電源22によりサプ
レッサー電極23に−300Vのバイアス電圧を印加す
る。このとき、アルゴンイオンビーム3の走行軌道は破
線で示した偏向走行軌道に変化し、イオンビーム衝突電
極24に衝突する。アルゴンイオンビーム3の衝撃を受
けたイオンビーム衝突電極24の表面では多量の2次電
子16が発生するが、この2次電子16はサプレッサー
電極23がつくる阻止電位により反発力を受けて再びイ
オンビーム衝突電極24に戻る。従って、イオンビーム
偏向電極9,10において2次電子16に起因する絶縁
破壊が生じることはない。
【0021】次に、偏向バイアス電源11,12および
サプレッサー電源22の出力電圧を0Vとしてイオンビ
ーム偏向電極9,10の電位を真空容器4の電位と同じ
にすると、アルゴンイオンビーム3は、再び実線で示す
直進走行軌道を走行してイオンビーム照射室7へ入射す
る。
【0022】実施例4 図4に示すイオンビーム装置は、真空容器4の電位を接
地電位からバイアスしたものである。実施例1と同一の
構成については図示を省略し、あるいは同一参照符号を
付して詳細説明を省略する。
【0023】真空容器4は容器バイアス電源25により
接地電位に対して−30kVにバイアスされた状態にあ
り、イオン源から引き出された運動エネルギー33ke
V,イオン電流5mAのアルゴンイオンビーム3は、直
進走行軌道を走行するとき、この真空容器4内に設置さ
れた隔壁5,6に設けられた内径10mmのイオンビー
ム通過窓5a,6aを通過してイオンビーム照射室7に
入射する。
【0024】真空容器4内にはイオンビーム走行軌道に
沿ってイオンビーム偏向電極9が設置される。このイオ
ンビーム偏向電極9は100mm×50mmの大きさで
あり、イオンビーム走行軌道の中心より30mm離れて
位置し、真空容器4との間に偏向バイアス電源11が接
続される。イオンビーム偏向電極9と隔壁6の間に形成
された真空容器4の膨出部4aの入口にはこの真空容器
4と電気的に同電位のステンレスメッシュ26(線径5
0ミクロン,メッシュ番号50)が設置され、このステ
ンレスメッシュ26の下側に有底円筒状のイオンビーム
衝突電極28が設置される。このイオンビーム衝突電極
28は、内径が40mm,深さが40mmの大きさであ
り、真空容器4との間に衝突電極バイアス電源29が接
続される。
【0025】接地電位より−30kVにバイアスされた
状態にある偏向バイアス電源11と衝突電極バイアス電
源29は、接地電位にある制御用コンピュータ30と電
気的に絶縁状態で制御信号の授受を行うために光ファイ
バ31,32を介して結合され、制御用コンピュータ3
0の制御プログラムにより出力電圧を任意に制御できる
ようにされる。
【0026】このイオンビーム装置において、イオンビ
ーム照射室7に入射するアルゴンイオンビーム21を断
続するために、制御用コンピュータ30は、図5の
(a)に示すように衝突電極バイアス電源29の出力電
圧を時刻t1〜t2,t3〜t4の各9秒間を0V,時刻t
2〜t3,t4〜t5の各12秒間を+300Vの矩形波電
圧とするような制御を繰り返し、そして、図5の(b)
に示すように偏向バイアス電源11の出力電圧を時刻t
1〜t6の10秒間と時刻t7〜t8の11秒間を0V,時
刻t6〜t7,t8〜t9の各10秒間を+10kVの矩形
波電圧とするような制御を繰り返す。
【0027】その結果、イオンビーム3は、図5の
(c)のように時刻t1〜t6,t7〜t8の間は隔壁5,
6のイオンビーム通過窓5a,6aを通過するように直
進走行軌道を走行してイオンビーム照射室7に進入す
る。
【0028】一方、偏向バイアス電源11の出力電圧が
+10kV,衝突電極バイアス電源29の出力電圧が+
300Vとなっている時刻t6〜t7,t8〜t9の間は、
隔壁5のイオンビーム通過窓5aを通過したイオンビー
ム3は偏向電界の作用を受けて破線で示した偏向走行軌
道を走行してイオンビーム衝突電極28に衝突する。こ
のとき、図5の(c)に示すように、隔壁6のイオンビ
ーム通過窓6aを通過するイオンビームの電流量はゼロ
となる。
【0029】そしてアルゴンイオンビーム3が衝突した
イオンビーム衝突電極28の表面では多量の2次電子1
6が発生するが、イオンビーム衝突電極28の電位はメ
ッシュ26の電位に対して+300Vにあるので、この
2次電子16はイオンビーム衝突電極28とメッシュ2
6間の電界による反発力をうけて再びイオンビーム衝突
電極28に戻るように飛翔する。従って、+10kVの
高電圧が印加されたイオンビーム偏向電極9においてこ
の2次電子に起因する絶縁破壊は生じない。
【0030】このように、制御用コンピュータ30の制
御プログラムで偏向バイアス電源11と衝突電極バイア
ス電源29の出力電圧印加時間を制御してイオンビーム
3の偏向のタイミイングを調整することにより、イオン
ビーム照射室7に入射するイオンビーム3の断続時間を
自由に変化させることができる。
【0031】実施例5 図6に示したイオンビーム装置は、チタンイオンとシリ
コンイオンを交互にイオン打込みして試料にチタンとシ
リコンの合金層を形成するイオン打ち込み装置に適用し
た実施例である。前述した実施例と同一の構成部品につ
いては同一参照符号を付して詳細説明を省略する。
【0032】四塩化チタンと四塩化シリコンの両者を導
入してイオンを発生するイオン源34から加速電源2に
より加速エネルギー20keVで引き出した混合イオン
ビーム35は、磁場偏向型の質量分離器36により質量
分離してチタンイオンビーム35aまたはシリコンイオ
ンビーム35bとしてイオンビーム偏向装置に選択的に
入射する。チタンイオンビーム35aが選択されている
とき、1対のイオンビーム偏向電極9,10に接続した
偏向バイアス電源11,12およびイオンビーム衝突電
極28に接続した衝突電極バイアス電源29の出力電圧
を0Vに設定すると、イオンビーム偏向装置に入射した
チタンイオンビーム35aはこのイオンビーム偏向装置
内を直進走行して隔壁6のイオンビーム通過窓6aから
イオン打込み室37内に配置されたガリウム砒素基板3
8の表面に照射される。このときのチタンイオンビーム
35aの電流密度は50μA/cm2であった。
【0033】このようなチタンイオンビーム照射を60
秒間行った後に、偏向バイアス電源11,12からイオ
ンビーム偏向電極9,10にそれぞれ+5kV,−5k
Vの電圧,衝突電極バイアス電源29からイオンビーム
衝突電極28に+300Vの電圧を3秒間印加してチタ
ンイオンビーム35aの走行軌道を破線で示すように偏
向させ、このチタンイオンビーム35aをイオンビーム
衝突電極28に衝突させるようにした。
【0034】この間に質量分離器36の磁場を制御して
シリコンイオンビーム35bの偏向量を大きくしてイオ
ンビーム偏向装置に入射するようにする。しかしながら
このシリコンイオンビーム35bもこのイオンビーム偏
向装置内では偏向走行軌道を走行するので、イオンビー
ム衝突電極28に衝突してしまい、隔壁6のイオンビー
ム通過窓6aを通過してガリウム砒素基板38に照射さ
れるイオンビームはない。このようにイオンビーム35
a及び/または35bをイオン衝突電極28に衝突させ
ているときには多量の2次電子が発生するが、前述した
実施例と同様にこの2次電子が拡散することはない。
【0035】この状態で偏向バイアス電源11,12及
び衝突電極バイアス電源29の出力電圧を0Vに設定す
ると、イオンビーム偏向装置に入射したシリコンイオン
ビーム35bは直進走行軌道を走行して隔壁6のイオン
ビーム通過窓6aからイオン打込み室37内に置かれた
ガリウム砒素基板38の表面に照射される。このときの
シリコンイオンビーム35bの電流密度は60μA/c
2であった。
【0036】この状態を120秒間継続した後に、イオ
ンビーム偏向電極9,10とイオンビーム衝突電極28
をバイアスしてシリコンイオンビーム35bの走行軌道
を偏向状態とし、質量分離器36によりチタンイオンビ
ーム35aを選択するような制御を4回繰り返すことに
より、ガリウム砒素基板38の表面に膜厚8nmのチタ
ンとシリコンの合金層を形成することができる。
【0037】なお、各実施例におけるイオンビーム偏向
電極及び/またはイオンビーム衝突電極は、イオンビー
ムが衝突すると該電極材料がスパッタリングされて放出
されるので、このスパッタ粒子がイオンビーム照射試料
を汚染しないようにイオンビームの元素を含む材料で構
成することが望ましい。
【0038】
【発明の効果】本発明のイオンビーム装置は、イオンビ
ームを遮断するために偏向したイオンビ−ムをイオンビ
ーム衝突部に衝突させることにより発生した2次電子の
拡散を抑制するので、イオンビーム偏向電極等が設置さ
れたイオンビーム走行空間にこの2次電子が充満して絶
縁破壊を招くようなことがなくなる。
【0039】これは、イオン打込み装置等においては複
数のイオンビームの種類を切り替えるときに絶縁破壊に
よる電極絶縁部品の破損や不純物イオン/粒子の発生と
打込み試料の汚染などの心配がなく、信頼性が向上する
特徴があり、工業上非常に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるイオンビーム装置
の構成図である。
【図2】本発明の第2の実施例であるイオンビーム装置
の構成図である。
【図3】本発明の第3の実施例であるイオンビーム装置
の構成図である。
【図4】本発明の第4の実施例であるイオンビーム装置
の構成図である。
【図5】第4の実施例であるイオンビーム装置の制御タ
イムチャートである。
【図6】本発明の第5の実施例であるイオン打ち込み装
置の構成図である。
【符号の説明】
1 イオン源 3 イオンビーム 4 真空容器 7 イオンビーム照射室 8 シリコン基板 9,10 イオンビーム偏向電極 14 イオンビーム衝突電極 15 衝突電極バイアス電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/265 21/027

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオンビームの走行軌道を偏向し、該イ
    オンビームを衝突部に衝突させて遮断するようにしたイ
    オンビーム装置において、 イオンビーム衝突に伴って前記衝突部から発生する2次
    電子の拡散を抑制する拡散抑制手段を備えたことを特徴
    とするイオンビーム装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記拡散抑制手段
    は、イオンビーム衝突に伴って前記衝突部から発生する
    2次電子の拡散を抑制するサプレッサー電極を備えたこ
    とを特徴とするイオンビーム装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記サプレッサー電
    極はイオンビームの通過を許容するメッシュ構造とした
    ことを特徴とするイオンビーム装置。
  4. 【請求項4】 イオンビームの走行軌道を偏向し、該イ
    オンビームを衝突部に衝突させて遮断するようにしたイ
    オンビーム装置において、 前記衝突部をイオンビーム衝突に伴って該衝突部から発
    生する2次電子の拡散を抑制するファラディカップ機能
    をもつ電極としたことを特徴とするイオンビーム装置。
  5. 【請求項5】 真空容器内を走行するイオンビームの走
    行軌道を偏向し、この偏向したイオンビームを衝突部に
    衝突させて遮断するようにしたイオンビーム装置におい
    て、 前記衝突部を前記真空容器の電位よりも正側にバイアス
    するバイアス手段を備えたことを特徴とするイオンビー
    ム装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記衝突部を前記真
    空容器から絶縁して設けた電極としたことを特徴とする
    イオンビーム装置。
  7. 【請求項7】 真空容器内を走行するイオンビームの走
    行軌道を挾んで対向させて配置したイオンビーム偏向電
    極と、このイオンビーム偏向電極に偏向バイアス電圧を
    印加する偏向バイアス電源装置とを備え、偏向されたイ
    オンビームを衝突部に衝突させて遮断するようにしたイ
    オンビーム装置において、 前記衝突部を前記真空容器の電位よりも正側にバイアス
    する2次電子拡散抑制用のバイアス電源装置を備えたこ
    とを特徴とするイオンビーム装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、前記2次電子拡散抑
    制用のバイアス電源装置は、イオンビーム偏向時に前記
    衝突部を前記真空容器の電位よりも正側にバイアスする
    ことを特徴とするイオンビーム装置。
  9. 【請求項9】 真空容器内を走行するイオンビームの走
    行軌道を挾んで対向させて配置したイオンビーム偏向電
    極と、このイオンビーム偏向電極に偏向バイアス電圧を
    印加する偏向バイアス電源装置とを備え、偏向されたイ
    オンビームを衝突部に衝突させて遮断するようにしたイ
    オンビーム装置において、 前記衝突部から発生する2次電子の拡散を抑制するサプ
    レッサー電極と、該サプレッサー電極にバイアス電圧を
    印加する2次電子拡散抑制用のバイアス電源装置を備え
    たことを特徴とするイオンビーム装置。
  10. 【請求項10】 請求項7または8または9において、
    前記偏向バイアス電源装置と2次電子拡散抑制用のバイ
    アス電源装置は、接地電位に設置された計算機から光フ
    ァイバーを介して与えられる制御信号に基づいて印加電
    圧を制御することを特徴とするイオンビーム装置。
  11. 【請求項11】 請求項1において、前記衝突部をイオ
    ンビームの元素を含んだ部材で構成したことを特徴とす
    るイオンビーム装置。
JP6054492A 1992-03-17 1992-03-17 イオンビーム装置 Pending JPH05266848A (ja)

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JP6054492A JPH05266848A (ja) 1992-03-17 1992-03-17 イオンビーム装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020024912A (ja) * 2018-07-17 2020-02-13 アイシーティー インテグレーテッド サーキット テスティング ゲゼルシャフト フィーア ハルプライタープリーフテヒニック エム ベー ハー 荷電粒子ビーム装置、荷電粒子ビーム装置のためのマルチビームブランカ、および荷電粒子ビーム装置を動作させるための方法

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JP2020024912A (ja) * 2018-07-17 2020-02-13 アイシーティー インテグレーテッド サーキット テスティング ゲゼルシャフト フィーア ハルプライタープリーフテヒニック エム ベー ハー 荷電粒子ビーム装置、荷電粒子ビーム装置のためのマルチビームブランカ、および荷電粒子ビーム装置を動作させるための方法

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