JPH0526406Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［技術分野］ 本考案は、壁埋め込み型暖房装置、特にそのグ
リルの取付構造に関するものである。

［背景技術］ 壁を介して隣合う部屋をそれぞれ暖房するため
に、壁に設けた開口部内に暖房の本体装置を埋め
込んで取り付け、そして各部屋において壁の表面
にそれぞれグリルを取り付けてグリルで本体装置
の各部屋に露出する面を覆うようにした壁埋め込
み型暖房装置がある。このものにあつてグリルの
取り付けは、グリルにビスを通してこのビスを本
体装置に固定した金具に螺合することによつてお
こなわれるのが一般的である。

しかしながらこのようにグリルを取り付ける場
合には、グリルは本体装置に対して取り付け位置
が決められることになり、壁の厚みに対応してグ
リルの取付状態を調整することはできず、壁面と
グリルとの間に隙間が生じたりするという問題が
あり、またビスの頭がグリルの表面に露出して外
観をそこなうことになるという問題もあつた。

［考案の目的］ 本考案は、上記の点に鑑みて為されたものであ
り、隙間が生じることなく壁にグリルを取り付け
ることができ、しかも外観においても優れた壁埋
め込み型暖房装置を提供することを目的とするも
のである。

［考案の開示］ しかして本考案は、壁１に設けた開口部２内に
壁１の両面に露出する状態で暖房の本体装置３を
取り付けると共に、壁１の両面にそれぞれ本体装
置３を覆うグリル４を取り付けて形成される壁埋
め込み型暖房装置において、開口部２の上端部と
下端部とにそれぞれ壁面より突出する上取付金具
５と下取付金具６とを取り付け、グリル４の上端
部の背面側に形成した上係止片７とグリル４の下
端部の背面側に形成した下係止片８とをそれぞれ
上取付金具５と下取付金具６に係止させてグリル
４を壁面に取着して成ることを特徴とするもので
あり、係止手段で壁１に直接グリル４を取り付け
ることができるようにすることで上記目的を達成
したものであつて、以下本考案を実施例により詳
述する。

部屋間の壁１には両側の部屋にそれぞれ開口す
る開口部２が形成してあり、この開口部２内に暖
房の本体装置３がはめ込んで取り付けてある。暖
房の本体装置３は例えば第３図に示すように、上
部の両側にフイルター付きの吸入口１７を下部の
両側に吹出口１８をそれぞれ設けると共に上下中
段部内にフアン１９と熱交換器２０とを設けて形
成されるものであり、熱交換器２０には壁１内に
通した温水ベアーチユーブ２１を接続して温水を
通すようにしてある。そして吸入口１７から吸入
した空気をフアン１９によつて熱交換器２０に通
して加温し、この加温した空気を吹出口１８から
吹き出させることによつて室内暖房をおこなうこ
とができるものであり、このとき本体装置３の上
部内と下部内にそれぞれダンパー２２，２２が回
動自在に取り付けてあつて、ダンパー２２の傾き
方向を調整することによつて隣合う部屋間で暖房
の切り替えなどの調整をおこなうことができるよ
うにしてある。

この本体装置３を両側の部屋から覆うために吸
気グリル部２３と吹出グリル部２４とを設けて形
成したグリル４を壁１の両面に取り付けるもので
あり、この取り付けにあたつては上取付金具５と
下取付金具６とを用いる。上取付金具５は第１図
に示すように断面Ｌ型の固定片１１の先端に断面
Ｌ型の係止片１２を延設して形成されるものであ
り、係止片１２が壁面より突出するように固定片
１１を開口部２の天井面にビス１３止めすること
によつて壁１に取り付けてある。この上取付金具
５は壁１の両面に突出するように一対のものが用
いられるものであり、一方の上取付金具５の固定
片１１に重合片１４を延設して他方の上取付金具
５の固定片１１に重ね合わせるようにしてあり、
この重ね合わせ寸法の調整で壁１の厚みに対応す
るようにしてある。また下取付金具６は固定片１
５の先端に係止屈曲片１６を延出して形成される
ものであり、係止片屈曲１６には上下方向に撓む
弾性が付与してある。この下取付金具６は係止屈
曲片１６が壁面より突出するように固定片１５を
開口部２の底面にビス１３止めすることによつて
壁１に取り付けてあり、またこの下取付金具６は
壁１の両面に突出するように一対のものが用いら
れるものであつて、一方の下取付金具６の固定片
１５に重合片１７を延設して他方の下取付金具６
の固定片１５に重ね合わせるようにし、この重ね
合わせ寸法の調整で壁１の厚みに対応するように
してある。

一方、グリル４にはその上端と下端のフランジ
１８，１８にそれぞれ下向きの上係止片７と上向
きの下係止片８とが形成してあり、このグリル４
の取り付けにあたつては、グリル４を壁１の両側
に配設してまず上係止片７を上取付金具５の係止
片１２に引つ掛け、次いでグリル４の下部を壁面
側へ押さえて下係止片８を下取付金具６の係止屈
曲片１６に弾性的に係止させることによつて、第
１図に示すようにおこなうことができる。また逆
の手順でグリル４を取り外すこともできる。この
ようにしてグリル４の取り付けは係止手段でおこ
なうことができるためにグリル４の脱着を容易に
おこなうことができ、またグリル４にビスを通し
て取り付ける必要がないためにビスの頭が露出し
て外観をそこなうようなおそれもない。そしてグ
リル４は上取付金具５や下取付金具６によつて壁
１に直接取り付けられるために、壁１の厚みに関
係なく壁面に密着させた状態でグリル４を取り付
けることができることになる。

第２図は本考案の他の実施例を示すものであ
り、このものでは上取付金具５や下取付金具６を
外方へ向けて斜め上方に突出する係止突片２５，
２５を設けて断面Ｌ型に形成してあり、各係止突
片１８にグリル４の上端の上係止片７やグリル４
の下端部の背面に突出させた下向きの下係止片８
を上側から係止させることによつて、壁面にグリ
ル４を取り付けることができるようにしてある。

［考案の効果］ 上述のように本考案にあつては。開口部の上端
部と下端部とにそれぞれ壁面より突出する上取付
金具と下取付金具とを取り付け、グリルの上端部
の背面側に形成した上係止片とグリルの下端部の
背面側に形成した下係止片とをそれぞれ上取付金
具と下取付金具に係止させてグリルを壁面に取着
するようにしてあるので、上取付金具や下取付金
具によつてグリルを壁に直接取り付けることがで
き、壁の厚みに関係なく壁面に密着させた状態で
グリルを取り付けることができるものであり、ま
たグリルの取り付けはこのように係止手段でおこ
なうことができ、グリルの脱着を容易におこなう
ことができると共に、グリルにビスを通して取り
付ける場合のビス頭の露出で外観を損なうような
おそれもないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は
同上の他の実施例の断面図、第３図は同上の概略
の断面図である。 １は壁、２は開口部、３は本体装置、４はグリ
ル、５は上取付金具、６は下取付金具、７は上係
止片、８は下係止片である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 壁に設けた開口部内に壁の両面に露出する状態
   で暖房の本体装置を取り付けると共に、壁の両面
   にそれぞれ本体装置を覆うグリルを取り付けて形
   成される壁埋め込み型暖房装置において、開口部
   の上端部と下端部とにそれぞれ壁面より突出する
   上取付金具と下取付金具とを取り付け、グリルの
   上端部の背面側に形成した上係止片とグリルの下
   端部の背面側に形成した下係止片とをそれぞれ上
   取付金具と下取付金具に係止させてグリルを壁面
   に取着して成る壁埋め込み型暖房装置。