JPH05264065A - 空調機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 構造の簡素化と装置サイズのコンパクト化を
図る。 【構成】 室内気用熱交換器５と室外気用熱交換器６と
の夫々を各別に収納する室内気側部分Ｐと室外気側部分
Ｑとが、ケーシング１〜３を区画形成して設けられ、空
調対象室からの還気ＲＡを導通すべく室内気側部分Ｐに
取り入れる還気口１０と、室内気用熱交換器５に導通し
た還気ＲＡを空調対象室への給気ＳＡとして送出する給
気口１１とが室内気側部分Ｐに設けられ、外気ＯＡを室
外気側部分Ｑに取り入れる外気口１２と、室外気用熱交
換器６に導通した外気ＯＡを屋外に排気ＥＡとして送出
する排気口１３とが室外気側部分Ｑに設けられ、外気Ｏ
Ａを取り入れる補助外気口１２Ａが室内気側部分Ｐに設
けられ、空調対象室からの還気ＲＡを取り入れる補助還
気口１０Ａが室外気側部分Ｑに設けられ、各取り入れ口
に、開口面積調節用のダンパ２７，３０，３１が設けら
れたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、一方がヒートポンプ装
置の蒸発器として、かつ、他方がヒートポンプ装置の凝
縮器として機能する室内気用熱交換器と室外気用熱交換
器との夫々を各別に収納する室内気側部分と室外気側部
分とが、ケーシングを区画形成して設けられ、空調対象
室からの還気を前記室内気用熱交換器に導通すべく前記
室内気側部分に取り入れる還気口と、前記室内気用熱交
換器に導通した還気を前記空調対象室への給気として送
出する給気口とが前記室内気側部分に設けられ、外気を
前記室外気用熱交換器に導通すべく前記室外気側部分に
取り入れる外気口と、前記室外気用熱交換器に導通した
外気を屋外に排気として送出する排気口とが前記室外気
側部分に設けられた空調機に関する。

【０００２】

【従来の技術】上記空調機において、従来は、全外気運
転や換気運転等のために、空調対象室からの還気を室外
気側部分に取り入れるには、いったん還気口を通して室
内気側部分に取り入れた還気の全部又は一部をケーシン
グ内にて分流させて室外気側部分に導通させる一方、外
気を室内気側部分に取り入れるには、いったん外気口を
通して室外気側部分に取り入れた外気の全部又は一部を
ケーシング内にて分流させて室内気側部分に導通させる
ようにしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来手段
では、ケーシング内部において、室内気側部分から室外
気側部分への分流用の風路部、及び室外気側部分から室
内気側部分への分流用の風路部を夫々設け、又、その各
風路部には風量調節用のダンパを設置する必要があるた
めに、空調機の内部構造が複雑になるとともに、全体と
して装置サイズが大きくなるという問題点があり、例え
ば、前記還気口や外気口を装置上面部に設け上記分流用
風路部を装置上部側部分に位置させた場合には、そこに
設置するダンパが縦置きになることもあって装置高さが
高くなって装置安定性を低下させることにもなってい
た。

【０００４】本発明は上記実情に鑑みてなされたもので
あって、その目的は、構造の簡素化と装置サイズのコン
パクト化が可能な空調機を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の空調機の特徴構
成は、外気を前記室内気用熱交換器に導通するための補
助外気口が前記室内気側部分に設けられるとともに、空
調対象室からの還気を前記室外気用熱交換器に導通する
ための補助還気口が前記室外気側部分に設けられ、前記
外気口、前記補助外気口、前記還気口及び前記補助還気
口の夫々に、開口面積調節用のダンパが設けられた点に
ある。

【０００６】

【作用】本発明の特徴構成によれば、例えば全外気運転
や換気運転等のために、空調対象室からの還気を室外気
側部分に取り入れて室外気用熱交換器に導通させるに
は、還気口を介することなく直接補助還気口から導通さ
せることができ、一方、外気を室内気側部分に取り入れ
て室内気用熱交換器に導通させるには、外気口を介する
ことなく直接補助外気口から導通させることができる。

【０００７】又、空調対象室からの還気を室内気側部分
と室外気側部分とに分けるための風量調節は、還気口及
び補助還気口夫々に設けられてその開口面積を調節する
ダンパによって行われ、外気を室内気側部分と室外気側
部分とに分けるための風量調節は、外気口及び補助還気
口夫々に設けられてその開口面積を調節するダンパによ
って行われる。

【０００８】

【発明の効果】従って、本発明の特徴構成によれば、従
来のように、ケーシング内部に、室内気側部分と室外気
側部分とを連絡するための分流用の風路部を設ける必要
がなくなって、空調機の構造が簡素化されるとともに、
例えば、従来、還気口や外気口を装置上面部に設け、ケ
ーシング内部の分流用の風路部に縦置きのダンパを設置
していた場合に比べると、装置上面部に設けられた補助
還気口及び補助外気口の直下に風量調節用のダンパを横
置き状態で設置できるために、その部分の上下方向の厚
みを極力少なくして装置高さを低くすることができ、も
って、構造の簡素化と共に装置サイズのコンパクト化も
実現できることになる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明を空調機としてのシステム型パ
ッケージエアコンに適用した実施例について図面に基づ
いて説明する。

【００１０】図１及び図２に示すように、四角形状のベ
ース枠１と、このベース枠１の周縁部に横側方側を覆う
ために立設した側枠２と、この側枠２の上方側に載置し
た天枠３とで直方体形状のケーシング１〜３が構成され
る。ケーシング１〜３内には、冷媒の流れ方向の切換に
より、一方が蒸発器として且つ他方が凝縮器として機能
する室内気用熱交換器５と室外気用熱交換器６、並び
に、これら両熱交換器５，６を結ぶ冷媒管路に配置した
コンプレッサー７、アキュームレータ８、膨張弁９、及
び四方弁４４等からなるヒートポンプ装置２０（図３参
照）が内装されている。

【００１１】尚、前記ケーシング１〜３は、図中のＸ−
Ｘ線で示すように、前記室内気用熱交換器５と室外気用
熱交換器６との夫々を各別に収納する室内気側部分Ｐと
室外気側部分Ｑとに区分されるように、ケーシング１〜
３内部の左右中央位置で上下方向に設けた中央隔壁１８
によって、室内気側部分Ｐに対応するケーシング部分１
Ｐ〜３Ｐと室外気側部分Ｑに対応するケーシング部分１
Ｑ〜３Ｑとに区画形成して設けられている。

【００１２】前記室内気側部分Ｐに対応するケーシング
部分１Ｐ〜３Ｐの上面位置には、空調対象室からの還気
ＲＡを室内気用熱交換器５に導通すべく室内気側部分Ｐ
に取り入れる還気口１０と、室内気用熱交換器５に導通
した還気ＲＡを空調対象室への給気ＳＡとして送出する
給気口１１と、外気ＯＡを分流外気ＯＡ’として室内気
用熱交換器５に導通するための補助外気口１２Ａとが設
けられ、一方、前記室外気側部分Ｑに対応するケーシン
グ部分１Ｑ〜３Ｑの上面位置には、外気ＯＡを室外気用
熱交換器６に導通すべく室外気側部分Ｑに取り入れる外
気口１２と、室外気用熱交換器６に導通した外気ＯＡを
屋外に排気ＥＡとして送出する排気口１３と、空調対象
室からの還気ＲＡを分流還気ＲＡ’として室外気用熱交
換器６に導通するための補助還気口１０Ａとが設けられ
ている。

【００１３】前記室内気側部分Ｐに対応するケーシング
部分１Ｐ〜３Ｐの内部には、還気口１０及び補助外気口
１２Ａから室内気用熱交換器５に導通された空気を給気
口１１に通風させるための室内気循環ファン１４が内装
され、一方、前記室外気側部分Ｑに対応するケーシング
部分１Ｑ〜３Ｑの内部には、外気口１２及び補助還気口
１０Ａから室外気用熱交換器６に導通された空気を排気
口１３に通風させるための外気導入ファン１５が内装さ
れている。

【００１４】前記還気口１０及び補助還気口１０Ａに
は、夫々、その開口面積を変更するために水平方向軸芯
回りに揺動される複数の羽根からなる風量調節用の還気
用ダンパ２７と補助還気用ダンパ３０とが設けられてい
る。又、同一開口に形成されている前記外気口１２と補
助外気口１２Ａとにまたがった状態で移動して、それら
の開口面積を変更調節するダンパとしての矩形板３１
が、その面を水平面内に位置させた状態で水平方向に往
復移動するように設けられている。これにより、上記矩
形板３１を左側に移動させると外気口１２の開口面積が
大きくなる一方、補助外気口１２Ａの開口面積が小さく
なり、逆に上記矩形板３１を右側に移動させると外気口
１２の開口面積が小さくなる一方、補助外気口１２Ａの
開口面積が大きくなることになる。尚、上記還気用ダン
パ２７及び補助還気用ダンパ３０には、その開度を調整
するためのコントロール用モータ２８，２９から夫々回
動駆動力が伝達され、又、上記矩形板３１はその下部に
設けたラックギア部３１Ａがコントロール用モータ３３
からの駆動力で回動駆動されるピニオンギヤ３２に咬合
して駆動されて移動力が伝達されるように構成されてい
る。

【００１５】前記室内気側部分Ｐには、ベース枠１上に
制振鋼板１６及び防振ゴム１７を介して前記コンプレッ
サー７が設置され、中央隔壁１８から横方向に伸びたア
ングル２２上に支持されて前記アキュームレータ８が設
置されている。室内気側部分Ｐには、これをさらに左右
に区画して隔離するための室内気側隔壁２３が設けら
れ、この室内気側隔壁２３はベース枠１上に載置した底
板２４から上方に伸びる部分２３Ａ、この部分２３Ａの
上部から左側に直角に折れ曲り水平になった水平部分２
３Ｂ、この水平部分２３Ｂの左端部から上方に延伸する
部分２３Ｃの３部分からなる。上記水平部分２３Ｂの下
方には、それを支持するための支持板が手前及び奥側位
置に夫々立設されている。

【００１６】前記水平部分２３Ｂの上には、左側に向か
って順番に、フィルター２５、室内気用熱交換器５、及
び、加湿器２６が各々の面を対向且つ近接させた縦姿勢
状態で設置されている。又、加湿器２６の左側の面は、
室内気側隔壁２３に開けられた開口を通して室内気循環
ファン１４が設置されている室内気側隔壁２３よりも左
側の空間部分に露出している。これにより、室内気用熱
交換器５に導通した還気ＲＡ及び分流外気ＯＡ’を熱交
換させながら除塵及び加湿して、左側の空間部分に通過
させるようにしている。

【００１７】前記室外気側部分Ｑには、室外気用熱交換
器６が、上部を手前側に下部を奥側にした傾斜状の縦姿
勢で、下部を底板２４上に設けた支持台４３で支持され
て設置されている。又、上記室外気用熱交換器６の右側
方には、室外気側部分Ｑをさらに左右に区画して隔離す
るための室外気側隔壁３２が、室外気用熱交換器６の右
側部位置から奥側の範囲に設けられている。これによ
り、室外気用熱交換器６に導通した外気ＯＡ及び分流還
気ＲＡ’を、室外気用熱交換器６の上面から下面に向か
って熱交換させながら通過させている。

【００１８】前記室内気側隔壁２３の左側空間部分に
は、ベース枠１上に載置した底板２４上に防振ゴム１７
を介して支持板３３が設けられ、この支持板３３上に、
前記室内気循環ファン１４が設置されると共に、支持台
３４によって前記室内気循環ファン１４のファン回転軸
芯に位置合わせされ、且つカップリング３５を介して回
転力を伝達するように結合された室内気循環用モータ３
６が設置されている。上記室内気循環ファン１４の吹出
し口１４Ａと前記給気口１１とに亘って、風路を形成す
るためのダクト３７が、下部を吹出し口１４Ａに且つ上
部を給気口１１に支持されて設けられている。これによ
り、前記室内気用熱交換器５を通過した還気ＲＡ及び分
流外気ＯＡ’を、室内気循環ファン１４で吸引してから
ダクト３７内を通して給気口１１から空調対象室に吹き
出し給気するようにしている。

【００１９】前記室外気側隔壁３２の右側空間部分に
は、ベース枠１上に載置した底板２４上に防振ゴム１７
を介して支持板３８が設けられ、この支持板３８上に、
前記外気導入ファン１５が設置されると共に、支持台３
９によって前記外気導入ファン１５のファン回転軸芯に
位置合わせされ、且つカップリング４０を介して回転力
を伝達するように結合された外気導入用モータ４１が設
置されている。上記外気導入ファン１５の吹出し口１５
Ａと前記排気口１３とに亘って、風路を形成するための
ダクト４２が、下部を吹出し口１５Ａに且つ上部を排気
口１３に支持されて設けられている。これにより、前記
室外気用熱交換器６を通過した外気ＯＡ及び分流還気Ｒ
Ａ’を、外気導入ファン１５で吸引してからダクト４２
内を通して排気口１３から屋外に吹き出し排気するよう
にしている。

【００２０】尚、図示はしないが、前記還気口１０、給
気口１１、外気口１２、排気口１３、補助外気口１２
Ａ、及び、補助還気口１０Ａに対して、外部にて適宜ダ
クト配管が行われ、外気側及び空調対象室側に導通させ
るための通風路が形成されている。

【００２１】運転形態について述べると、通常運転時
は、還気ＲＡの全量を室内気用熱交換器５に導通させた
あと空調対象室に供給するとともに、外気ＯＡの全量を
室外気用熱交換器６に導通させたあと屋外に排気する
が、この場合には、還気用ダンパ２７は全開状態、補助
還気用ダンパ３０は全閉状態で、且つ、矩形板３１を左
側の終端位置に移動させて外気口１２を全開、補助外気
口１２Ａを全閉状態にする。又、風量調整用の各ダンパ
２７，３０，３１の調整により還気ＲＡの分量比、及
び、外気ＯＡの分量比を適宜変更調整することで、通常
運転以外に、空調対象室に対する新鮮換気量を適宜変更
調整して換気運転を行う。又、全外気運転、いわゆる、
オールフレッシュ運転時には、還気ＲＡの全量を室外気
用熱交換器６に導通させたあと屋外に排気するととも
に、外気ＯＡの全量を室内気用熱交換器５に導通させた
あと空調対象室に供給するが、この場合には、換気用ダ
ンパ２７は全閉状態、補助換気用ダンパ３０は全開状態
で、且つ、矩形板３１を右側の終端位置に移動させて補
助外気口１２Ａを全開、外気口１２を全閉状態にする。

【００２２】〔別実施例〕上記実施例では、還気口１
０、給気口１１、外気口１２、排気口１３、補助外気口
１２Ａ、及び、補助還気口１０Ａを全て空調機の上面に
設けたが、図４に示すように、室内の壁際への据付け専
用とするために、外気口１２、排気口１３、及び補助外
気口１２Ａを空調機の背面側に設けて、外気口１２、排
気口１３、及び補助外気口１２Ａに対するダクト配管を
短距離となるようにして設備の簡略化を図ることも可能
である。

【００２３】又、図５は室外での据付け専用としたもの
を示す。尚、図では排気口１３を上部に設け簡単なフー
ドを付けたものを示しているが、上記外気口１２及び補
助外気口１２Ａと同様に空調機の側面に位置させてフー
ドを省略するようにしてもよい。又、排気口１３にフー
ドを設けず単に価格の安いプロペラファンを設けて、前
記室外気側部分Ｑのケーシング内部に設置される外気導
入ファン１５の代用とすることも可能である。

【００２４】又、上記実施例では、外気口１２と補助外
気口１２Ａ用のダンパとして、一方の開口を開くと他方
の開口が閉じるように移動する１個の矩形板３１を制御
してその開口面積を調節するように構成したが、このよ
うにせずに、外気口１２と補助外気口１２Ａそれぞれに
独立してその開口面積を調節できるダンパを設けるよう
にしてもよい。

【００２５】又、上記実施例では、空調機として、シス
テム型パッケージエアコンについて例示したが、本発明
を他の分離型のエアコン等に適用することもできる。

【００２６】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】空調機の正面断面図

【図２】空調機の平面図

【図３】冷媒及び風路の系統図

【図４】別実施例の空調機の概念図

【図５】他の別実施例の空調機の概念図

【符号の説明】

１〜３ ケーシング ５ 室内気用熱交換器 ６ 室外気用熱交換器 １０ 還気口 １０Ａ 補助還気口 １１ 給気口 １２ 外気口 １２Ａ 補助外気口 １３ 排気口 ２０ ヒートポンプ装置 ２７，３０，３１ ダンパ Ｐ 室内気側部分 Ｑ 室外気側部分 ＲＡ 還気 ＳＡ 給気 ＯＡ 外気 ＥＡ 排気

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方がヒートポンプ装置（２０）の蒸発
   器として、かつ、他方がヒートポンプ装置（２０）の凝
   縮器として機能する室内気用熱交換器（５）と室外気用
   熱交換器（６）との夫々を各別に収納する室内気側部分
   （Ｐ）と室外気側部分（Ｑ）とが、ケーシング（１〜
   ３）を区画形成して設けられ、空調対象室からの還気
   （ＲＡ）を前記室内気用熱交換器（５）に導通すべく前
   記室内気側部分（Ｐ）に取り入れる還気口（１０）と、
   前記室内気用熱交換器（５）に導通した還気（ＲＡ）を
   前記空調対象室への給気（ＳＡ）として送出する給気口
   （１１）とが前記室内気側部分（Ｐ）に設けられ、外気
   （ＯＡ）を前記室外気用熱交換器（６）に導通すべく前
   記室外気側部分（Ｑ）に取り入れる外気口（１２）と、
   前記室外気用熱交換器（６）に導通した外気（ＯＡ）を
   屋外に排気（ＥＡ）として送出する排気口（１３）とが
   前記室外気側部分（Ｑ）に設けられた空調機であって、 外気（ＯＡ）を前記室内気用熱交換器（５）に導通する
   ための補助外気口（１２Ａ）が前記室内気側部分（Ｐ）
   に設けられるとともに、空調対象室からの還気（ＲＡ）
   を前記室外気用熱交換器（６）に導通するための補助還
   気口（１０Ａ）が前記室外気側部分（Ｑ）に設けられ、
   前記外気口（１２）、前記補助外気口（１２Ａ）、前記
   還気口（１０）及び前記補助還気口（１０Ａ）の夫々
   に、開口面積調節用のダンパ（３１），（２７），（２
   ９）が設けられた空調機。