JPH05263838A - クラッチピストンのスプリングリテーナ - Google Patents

クラッチピストンのスプリングリテーナ

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JPH05263838A
JPH05263838A JP4092460A JP9246092A JPH05263838A JP H05263838 A JPH05263838 A JP H05263838A JP 4092460 A JP4092460 A JP 4092460A JP 9246092 A JP9246092 A JP 9246092A JP H05263838 A JPH05263838 A JP H05263838A
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clutch piston
groove
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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 安価に製作でき、組み付けが容易で、脱落の
恐れがないものとする。 【構成】 スプリングリテーナ70は板材からプレス成
形され、挿通部72と、挿通部から滑らかに連なる膨出
形状76とされたディッシュ受け部74からなる。膨出
形状のため、組み付け時スナップリング溝に引っ掛から
ない。挿通部の長さaはスナップリング溝幅bよりも大
きくしてあるから、溝に落ち込むこともない。膨出形状
部はスナップリング80との間に間隙Dを有し、専らス
ナップリングの溝の係止点近傍において挿通部端から力
を伝達するから、スナップリングに曲げモーメントがか
からず、脱落の原因となる打痕や摩耗が生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の油圧クラッ
チに用いられるクラッチピストンのスプリングリテーナ
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動変速機の油圧クラッチは、図3に示
されるように、クラッチドラム2内にリング状のシリン
ダ3を有し、シリンダ内を摺動するピストン4によっ
て、クラッチドラム2とスプライン係合された摩擦板9
を押圧するようになっている。そしてピストン4の戻し
用にディッシュスプリング6が設けられ、ディッシュス
プリング6はスプリングリテーナ7で位置規制され、ス
プリングリテーナ7は、シリンダ3の内径筒から延びる
筒状軸部5に係止されたスナップリング8により抜け止
めされる。スプリングリテーナ7は、切削加工で形成さ
れる断面矩形のリングとされ、その端面がスナップリン
グ8の端面と当接して抜け止めされる。この種の油圧ク
ラッチの構造は、例えば実開平2−128828号にも
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで、ピストン4が
変位してディッシュスプリング6が負荷を受けたときに
は、その力はスプリングリテーナ7を介してスナップリ
ング8に及ぼされる。しかしながら、上記のような従来
のスプリングリテーナによるディッシュスプリング位置
規制構造においては、図4に示されるように、スナップ
リング8はその内径側がスナップリング溝10に係止さ
れて移動できないために外径側のみが軸方向に変位し
て、矢印Xのように倒れる。ここで力Pを受けているス
プリングリテーナ7もスナップリング8の倒れ方向と同
方向に矢印Yのように倒れる。
【0004】このため、スナップリングはその外径側端
縁部8aにも力を受けて曲げモーメントがますます大き
くなる。そして、ディッシュスプリング6の内径端縁と
スナップリング8外径端縁との間にオフセットhがある
と、さらに倒れが助長されることになる。こうしてクラ
ッチの締結・解放毎にスナップリング8に変則的な負荷
が作用し、その結果スナップリング8とスナップリング
溝10に打痕や摩耗が発生して、スナップリングが脱落
しやすくなるという問題があった。
【0005】また、スプリングリテーナ7は断面が端な
る矩形であるため、組み付け時にその内径側角部エッジ
がスナップリング溝に引っ掛かりやすく、該溝に落ち込
んだりして、手作業によっても挿入しづらく組み付け工
程の自動化も困難であった。さらに、切削加工で作られ
ているため、コストも高くなっていた。したがって、本
発明は、上記の問題点に鑑み、安価に製作でき、組み付
けが容易で、さらには脱落の恐れもないクラッチピスト
ンのスプリングリテーナを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため請求項1に記載
の発明は、筒状の挿通部を有してリング状をなし、挿通
部の一端に連なって、断面が拡径しつつ軸方向に延びる
膨出形状部を有するスプリングリテーナとした。また、
請求項2に記載の発明は、軸部に外挿されてその膨出形
状部がディッシュスプリングの内径端縁部に当接し、挿
通部の他端が軸部に設けられた溝に係止されたスナップ
リングに当接し、このスナップリングと膨出形状部の間
には間隙が形成されているものとした。
【0007】
【作用】請求項1のものでは、挿通部に連なる膨出形状
部を有するから、クラッチピストンのディッシュスプリ
ングがはめこまれた軸部に組み付けする際、スナップリ
ング溝に引っ掛かることがなく、滑らかに挿通される。
請求項2のものでは、膨出形状部とスナップリングとの
間に間隙が形成されているものとしたから、ディッシュ
スプリングから力を受けても膨出形状部がスナップリン
グの外径端縁などに接触することなく、専ら挿通部端に
おいてスナップリングの溝の係止点近傍において力を及
ぼし、スナップリングに曲げモーメントを与えない。
【0008】
【実施例】図1は本発明の実施例を示す。C−C線を回
転軸とするクラッチドラム20はその内周にスプライン
21を有し、これに係合する摩擦材26と、他の回転部
材30の外周に設けられたスプライン31に係合する摩
擦材36とが交互に配置されている。クラッチドラムの
内側には、リング状シリンダ23が形成されており、こ
れにリング状クラッチピストン24が摺動可能に設けら
れ、その変位でクラッチピストンに設けた突部25によ
って上記摩擦材26、36が押圧され、クラッチが締結
される。
【0009】クラッチピストン24はディッシュスプリ
ング60によって摩擦材押圧を解除する方向に付勢され
る。ディッシュスプリング60の外径端縁部62がクラ
ッチピストン24に当接し、内径端縁部64がリング状
のスプリングリテーナ70に当接している。スプリング
リテーナ70はシリンダ23の内径筒から延びる筒状軸
部40に外挿され、同じく筒状軸部40に形成されたス
ナップリング溝42に係止されたスナップリング80に
よって抜け止めされている。
【0010】スプリングリテーナ取付部の詳細が図2に
示される。スプリングリテーナ70は板材からプレス成
形され、筒状軸部40の外径より僅かに大きい内径の筒
部からなる挿通部72と、ディッシュスプリング60と
当接するディッシュ受け部74からなる。ディッシュ受
け部74は、その断面が挿通部72の前端から滑らかに
前方へラッパ状に拡径した後、拡径しながらコーン状に
後退して、全体として前方に膨出形状76とされてい
る。そして挿通部の後端78がスナップリング80に当
接している。スナップリング溝42はスナップリング8
0の厚さよりやや大きい溝幅bを有しており、スプリン
グリテーナの挿通部72の長さaは溝幅bよりも大とさ
れている。また、ディッシュ受け部74はスナップリン
グ80との間に間隙Dを有している。
【0011】この実施例によれば、ディッシュ受け部7
4がラッパ状に拡径し膨出形状となっているから、スプ
リングリテーナ70を筒状軸部40に組み付けする際に
スナップリング溝42に引っ掛かることがなく、滑らか
に挿通することができる。また、挿通部72の長さ寸法
aがスナップリング溝の溝幅寸法bより大きくしてある
から、スナップリング溝42に落ち込むようなこともな
い。
【0012】さらに、スプリングリテーナ70のディッ
シュ受け部74はスナップリング80とは間隙をもって
接触することがないから、ディッシュスプリング60か
らの力は挿通部後端78を介してのみスナップリング8
0に負荷される。このためスナップリングはスナップリ
ング溝42の係止点近傍において力を受け、これによる
曲げモーメントは低い値に維持される。したがって、倒
れによる打痕や摩耗がなく、スナップリング80の脱落
が防止される。
【0013】また、スプリングリテーナ70は挿通部7
2からディッシュ受け部を含め膨出形状76になってい
るから、薄板のプレス成形で高い剛性を得ることがで
き、信頼性も向上する。なお、図示実施例では、ディッ
シュ受け部74がラッパ状拡径部とコーン状拡径部を有
するものとしたが、挿通部72前端が滑らかに拡径する
ものであれば、前方膨出形状76を形成するのにこれら
に限定されることはない。
【0014】
【発明の効果】以上のとおり、本発明はスナップリング
が筒状の挿通部とこれに連なる膨出形状部を有するもの
としたから、スナップリング溝に引っ掛かることがな
く、滑らかに組み付けることができる。したがって組付
けの自動化も容易に行なうことができる。さらに、板材
からプレス成形などで作ることができるからコストも低
減されるという利点を有する。
【0015】また、膨出形状部とスナップリングとの間
に間隙を設けることにより、ディッシュスプリングから
力を受けてもスナップリングの溝の係止点近傍において
のみ挿通部端からこれを伝達し、従来のようにナップリ
ングの外径端縁に接触して大きな曲げモーメントを与え
ることがない。このため、倒れによる打痕や摩耗がな
く、スナップリングの脱落が防止されるという効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す図である。
【図2】図1におけるA部詳細を示す拡大図である。
【図3】従来例を示す図である。
【図4】従来例における負荷の作用状況を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
2 クラッチドラム 3 シリンダ 4 ピストン 5 筒状軸部 6 ディッシュスプリング 7 スプリングリテーナ 8 スナップリング 9 摩擦板 10 スナップリング溝 20 クラッチドラム 21、31 スプライン 23 シリンダ 24 クラッチピストン 25 突部 26、36 摩擦材 30 回転部材 40 筒状軸部 42 スナップリング溝 60 ディッシュスプリング 62 外径端縁部 64 内径端縁部 70 スプリングリテーナ 72 挿通部 74 ディッシュ受け部 76 膨出形状 80 スナップリング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状の挿通部を有してリング状をなし、
    前記挿通部の一端に連なって、断面が拡径しつつ軸方向
    に延びる膨出形状部を有することを特徴とするクラッチ
    ピストンのスプリングリテーナ。
  2. 【請求項2】 軸部に外挿された筒状の挿通部を有して
    リング状をなし、前記挿通部の一端に連なって、断面が
    拡径しつつ軸方向に延びる膨出形状部を有し、該膨出形
    状部が前記軸部にはめこまれたディッシュスプリングの
    内径端縁部に当接し、前記挿通部の他端が、前記軸部に
    設けられた溝に係止されたスナップリングに当接し、該
    スナップリングと前記膨出形状部の間には間隙が形成さ
    れていることを特徴とするクラッチピストンのスプリン
    グリテーナ。
  3. 【請求項3】 前記挿通部は前記溝の幅寸法よりも大き
    い長さを有していることを特徴とする請求項2記載のク
    ラッチピストンのスプリングリテーナ。
  4. 【請求項4】 前記挿通部および膨出形状部が板材を成
    形して形成されていることを特徴とする請求項1、2ま
    たは3記載のクラッチピストンのスプリングリテーナ。
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