JPH05263783A - ポンプの安定運転方法 - Google Patents

ポンプの安定運転方法

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JPH05263783A
JPH05263783A JP6185992A JP6185992A JPH05263783A JP H05263783 A JPH05263783 A JP H05263783A JP 6185992 A JP6185992 A JP 6185992A JP 6185992 A JP6185992 A JP 6185992A JP H05263783 A JPH05263783 A JP H05263783A
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健二 大谷
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Abstract

(57)【要約】 【目的】下水用雨水ポンプ、大深度地下利用排水ポンプ
システムにおいて安価な設備で少水量流入時に内水位一
定制御を可能とし、安定したポンプの運転が継続できる
ようにする。 【構成】ポンプ吐出管5または吐出槽6にバイパス管
7、バイパス弁8を設け、バイパス管7の末端は吸水槽
2の中とする。吸水槽2に設けた水位発信器11から、
演算装置12に水位信号を送り、実際の水位と目標水位
との偏差によりバイパス弁8の制御量を演算し、関数発
生器13から弁駆動装置14にバイパス弁8の制御指令
を出し、吸水槽2の水位が一定となるようバイパス弁8
の開度を制御する。 【効果】安価な設備で、かつ、ポンプ連続運転しても支
障のない揚水量範囲の運転で吸水槽水位を一定に保つこ
とができ、ポンプ停止、始動頻度の低減、吸水槽水位の
サージングによる変動を低減でき、安定したポンプの運
転を継続できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、下水用雨水ポンプ、大
深度地下利用排水ポンプシステム等水の流入する吸水路
が長く、吸水槽の貯留量が小さいポンプシステムのポン
プの安定運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】降雨初期や降雨末期又は小降雨時吸水路
を通して吸水槽に流れ込む水量が少ない場合、吸水槽の
水位変動の低減、ポンプ始動停止頻度低減のため、吸水
槽の水位を一定に保つポンプの運転方法が採用されてお
り、従来はポンプ吐出弁制御、又は、回転数制御、或い
は翼角制御によりポンプ揚水量をコントロールし、吸水
槽水位を一定に保っていた。この運転方法に関する公知
例としては、特開昭55−72675「吸込水槽の水位
変動制御装置」、特開昭57−186079「ポンプの
運転制御方法」等がある。
【0003】また、水道用、灌漑用等のポンプでは需要
水量が減少し、ポンプ連続運転可能水量以下の範囲とな
った場合には、ポンプ吐出口以降の吐出配管より分岐し
たバイパス管より、揚水した水の一部を吸水槽に戻して
運転している。
【0004】更に、実開昭58−104390「立軸ポ
ンプのならし運転装置」に示すように、下水用雨水ポン
プ、排水ポンプ等運転頻度の少ないポンプ設備の管理運
転(平常時のならし運転)時には、流入水量がないた
め、ポンプ吐出側にバイパス管、バイパス弁を設け、吐
出弁を全閉して揚水した水の全てを吸水槽に戻しながら
運転を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】流入水量に変動がある
場合に、吸水槽水位を一定に保つため、従来は吐出弁制
御、回転数制御、翼角制御が用いられているが、これら
の従来技術には以下の問題点があった。
【0006】吐出弁制御はポンプ吐出弁の開度を制御す
ることにより、ポンプ揚水量を制御する方法であるが、
吐出弁制御は吐出弁にて抵抗を与えポンプの揚水量を直
接制御するため、吐出弁の開度を小さくし、ポンプ揚水
量を小さくするとポンプに過大な振動を発生し、長時間
の運転を行うとポンプ寿命に悪影響を及ぼすという問題
があった。
【0007】回転数制御はポンプ回転数を増減すること
により、ポンプ自体の特性を変化させポンプ揚水量を制
御する方法で、従来最もよく使われているが、原動機が
電動機の場合、回転数制御に必要な機器の設備費が高価
であるという問題があった。
【0008】翼角制御はポンプ翼角を増減することによ
り、ポンプ特性を変化させ、ポンプ揚水量を制御する方
法であるが、ポンプ構造が複雑になり、かつ、翼角制御
のための油圧装置等が必要になり、設備費が高価になる
という問題があった。更に、翼角度の範囲に制約があ
り、揚水量が0までの制御はできないため、流入量が少
ない場合には、吸水槽水位が低下してしまうという問題
もあった。
【0009】また、単にバイパス管、バイパス弁を設け
るのみでは、バイパス量の調整が出来ず、流入水量の変
動に伴い吸水槽の水位を一定に保つことが出来ないとい
う問題もあった。
【0010】本発明の目的は、安価な設備で、流入水量
変動時に吸水槽水位を一定に保つことにより、ポンプ始
動停止頻度の低減、吸水槽水位変動による流入水路の圧
力変動、サージング量の低減を図り、安定したポンプの
運転が継続できるようにするポンプの運転方法を得るこ
とある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、ポンプ吐出側にバイパス管、バイパス弁を
設け、バイパス管の末端を吸水槽内とした。また、吸水
槽水位の変動によりバイパス弁の開度を制御し、吸水槽
水位を一定に保つ制御装置を設けた。
【0012】なお、必要に応じてバイパス管に減圧オリ
フィスを設けてもよい。
【0013】
【作用】このように構成された本発明によれば次のよう
に作用する。
【0014】まず、ポンプ吐出側にバイパス管、バイパ
ス弁を設け、バイパス管の末端を吸水槽内としたことに
より、ポンプで揚水した水を、バイパス管、バイパス弁
を通して吸水槽に戻すことができる。なお、バイパス管
の取出口の位置はポンプの吐出管、吐出槽いずれでもよ
い。
【0015】また、内水位の変動によりバイパス弁の開
度を制御する装置を設けたので、内水位が目標値より上
昇した場合にはバイパス弁を閉側に操作し吐出弁開度を
小さくすることにより、吸水槽へのバイパス量を少なく
し、内水位が目標値より降下した場合にはバイパス弁を
開側に操作し、吐出弁開度を大きくすることにより、吸
水槽へのバイパス量を大きくすることができるので、吸
水槽の水位を一定に保つことができる。
【0016】バイパス管、バイパス弁により吸水槽水位
を一定に保つ運転方法は、ポンプ自体は固定速、固定翼
のポンプで対応できるため、回転数制御装置、翼角制御
機構、翼角制御装置のような高価な設備が不要で、安価
な設備で対応できる。
【0017】また、バイパス管、バイパス弁により吸水
槽水位を一定に保つ運転方法は、ポンプで揚水した水を
吸水槽側に戻しているため、ポンプ自体の極端な少流量
域での運転を避けることができるので、異常な振動の発
生をなくすことができる。
【0018】更に、流入水路からの流入量が極端に少な
くなっても、バイパス管、バイパス弁のサイズ、設置位
置を適切にすれば、流入量に相当する分のみを吐出側に
放流し、残り分全てを吸水槽側に戻すことができるの
で、吸水槽水位を一定に保つことができる。
【0019】尚、バイパス管、バイパス弁によりポンプ
の揚水量の一部を吸水槽に戻す際に、バイパス管のみに
よる減圧ではバイパス弁にキャビテーションが発生する
ような場合は、バイパス管途中にオリフィスを挿入して
もよい。
【0020】以上説明したような本発明方法によれば、
降雨初期あるいは末期等の少水量流入時においても、ポ
ンプの極端な過少水量での運転を回避しながら、吸水槽
の水位を一定に保つことができるので、吸水槽の平面積
が小さくてもポンプの停止始動の頻度を低減することが
できる。また、流入水路が長い場合、吸水槽水位が変化
すると、水位変動による圧力波が上流に伝播し、サージ
ング現象が発生することから、吸水槽の水位も不安定に
なり、ポンプの運転点が変動するが、本発明方法によれ
ば、吸水槽の水位を一定にして運転を行うことから、サ
ージングの発生を抑制でき、安定したポンプの運転がで
きる。
【0021】なお、前記バイパス管、バイパス弁を用い
れば、従来より行なわれていた、平常時の流入量がない
場合の循環運転による管理運転が実施できることは勿論
である。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0023】図1は本発明が適用された一実施例の機器
配置断面図を示す。
【0024】図2、図3は本発明が適用された他の実施
例の機器配置断面図を示す。
【0025】図1において、流入水路1より流入した水
は吸水槽2に貯留され、ポンプ3により揚水され吐出管
5を経由して吐出槽6に吐出される。また、ポンプ3に
より揚水された水の一部は吐出管5の途中より分岐した
バイパス管7、バイパス弁8を経て吸水槽2に戻る。こ
の時バイパス弁8は吸水槽2の水位により開度が制御さ
れ、必要量のみが吸水槽2に戻るシステムとなってい
る。
【0026】図2は図1に対し減圧オリフィス9をバイ
パス管7の途中に追加したもので、他は図1と同様であ
る。
【0027】図3は流入水路1より流入した水が吸水槽
2に貯留され、ポンプ3より揚水され、吐出管5を経由
して吐出槽6に吐出されるようにしたものである。そし
て、吐出槽6の下部に設けたバイパス管7及びバイパス
弁8を経由してポンプ3より揚水された水の一部が吸水
槽2に戻る。残りの水は、越流堰10を越流して下流側
の河川、海等へ放流される。ここで、図1同様バイパス
弁8は吸水槽2の水位により制御され、吸水槽水位が一
定となるようバイパス量が制御される。
【0028】図4は本発明の制御システムのフロー図を
示す。制御システムは、流入水路1から流入した水を貯
留する吸水槽2に設置された水位発信器11、演算装置
12、関数発生器13、ポンプ3で揚水した水を吐出槽
6に送水するための吐出管5の途中から分岐するバイパ
ス管7、バイパス管7の途中に設置したバイパス弁8、
バイパス弁8の開度を調整する弁駆動装置14により構
成されている。演算器12では水位発信器11からの水
位信号と吸水槽2の目標水位との偏差により、バイパス
弁8の開度制御量を演算し関数発生器13に送る。関数
発生器13から弁駆動装置14にバイパス弁8の開又は
閉信号が送られ、吸水槽2の水位が一定となるようバイ
パス弁8の開度を制御する。
【0029】
【発明の効果】ポンプ吐出側にバイパス管、バイパス弁
を設け、ポンプ揚水の一部を吸水槽に戻し、吸水槽の水
位を一定に保つ運転を行うことにより以下の効果があ
る。
【0030】(1)回転数制御、翼角制御に比べ安価な
設備で吸水槽水位を一定に保つ運転ができる。
【0031】(2)ポンプ連続運転を行っても支障のな
い揚水量の範囲で運転することから、異常な振動がなく
なり、ポンプの寿命を長くできる。
【0032】(3)少水量流入時においても、確実に吸
水槽水位を一定に保つことができるので、ポンプの停
止、始動頻度が低減できる。
【0033】(4)吸水槽水位を一定に保つことができ
るため、水位変化に伴うサージングが防止でき、安定し
たポンプの運転ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す機器配置断面図を示
す。
【図2】本発明の他の実施例を示す機器配置断面図を示
す。
【図3】本発明の他の実施例を示す機器配置断面図を示
す。
【図4】本発明の制御システムフローの一例を示す図で
ある。
【符号の説明】
1…流入水路、2…吸水槽、3…ポンプ、4…原動機、
5…吐出管、6…吐出槽、7…バイパス管、8…バイパ
ス弁、9…減圧オリフィス、10…越流堰、11…水位
発信器、12…演算装置、13…関数発生器、14…弁
駆動装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】吸水槽、ポンプ、吐出管、吐出槽よりなる
    ポンプシステムにおいて、ポンプで揚水した水の一部を
    吸水槽に戻し、吸水槽水位が一定となるよう制御しなが
    ら運転することを特徴とするポンプの安定運転方法。
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