JP3306472B2 - 立軸ポンプ - Google Patents

立軸ポンプ

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JP3306472B2
JP3306472B2 JP2000122232A JP2000122232A JP3306472B2 JP 3306472 B2 JP3306472 B2 JP 3306472B2 JP 2000122232 A JP2000122232 A JP 2000122232A JP 2000122232 A JP2000122232 A JP 2000122232A JP 3306472 B2 JP3306472 B2 JP 3306472B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水槽内に設置さ
れる立軸ポンプに関し、特に、吸水槽内の水位低下時に
おいても揚水運転を可能とし、例えば降雨時の出水を排
水するために設けられる先行待機運転を実施する立軸ポ
ンプとして好適であり、平常時におけるポンプの管理運
転にも利用できるものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の立軸ポンプは、特開昭6
3−90697号公報に記載されているように、ポンプ
没水時の水位が、これ以下では空気を吸込んでしまう最
低水位レベルに相当するポンプ固有のポンプ特定部位よ
り僅かに上方位置に羽根車を設け、上記最低水位レベル
に相当する水位より低い水位になったとき、真空破壊に
より空転状態とし、落水させて排水運転ができないよう
にしたものがある。
【0003】また、従来の他の立軸ポンプとしては、実
開昭63−150097号公報に記載されているよう
に、吸水槽水位より低いところに羽根車を位置させ、羽
根車の入口付近に外部に通じる貫通穴を設け、該貫通穴
は管と接続され、該管の他端を吸水槽内の前記羽根車が
水没するレベル付近に開口させたものが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通常、降雨情報などに
基づいて先行待機運転を行う際、吸水槽や管渠の貯留効
果の増大に鑑みて、出来る限り低い水位で、排水運転す
ることが望ましく、かつ、吸水槽の水位レベルに応じ適
切な流量とすることが、満防止や吸水槽のサージ減少に
有効で、これによりポンプの安定な運転ができる。
【0005】しかしながら、上記従来技術のうち前者の
ものは、最低水位レベルより低い水位で排水運転する配
慮がされておらず、例えば、吸込ベルの吸込口からこれ
の径の1.4〜1.7倍の公知の最低水位レベルよりも
低い水位では、排水運転をすることができない。
【0006】一方、上記従来技術のうち後者のものによ
れば、吸水槽の水位が前記開口部のレベルより低下すれ
ば、開口部より空気を吸込むので、水位の低下と共にポ
ンプの揚水作用が徐々に低下することになる。そのた
め、低い水位において揚水運転が可能となり、かつ空転
状態への推移が急激に起らないという特徴があり、例え
ば吸水槽への急激な流入が生ずる前に、ポンプを空転し
ておいて待機する、いわゆる先行待機運転を行なうポン
プに適したものであると思われる。この立軸ポンプは、
前記貫通穴と通じる管の他端を吸水槽内の羽根車が水没
するレベル付近に開口させ、水位がこの開口部以下に低
下したときに空気を吸込むようにしているので、ポンプ
が吸気を開始する水位を、前記開口部の設置レベルによ
り決定できるという特徴がある。
【0007】しかし、水位が開口部の設置レベルより高
いときは、開口部より吸水するため、揚水中にゴミ等の
異物を含んでいる場合、この異物が運転時間の経過と共
に開口部を閉鎖し、吸気作用を阻害することが懸念され
る。特に前述の先行待機運転を行なう排水ポンプでは、
都市の広域に降った雨水が急激に吸水槽へ流入するた
め、種々の異物が流入する可能性がある。
【0008】更に、後者のものは、吸水槽内の水位に応
じて、即ち水位が低くなるほど吸気量を増加させ排水量
が低下するようにしているが、吸気をしながら排水運転
をするには、安定した吸気がおこなわられなければなら
ない。しかし、この従来技術には安定した吸気を行うこ
とに関しての配慮が為されていない。
【0009】本発明は、先行待機運転を行う立軸ポンプ
において、吸気をしながら安定した排水運転を可能とす
ることを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、次の手段
により解決することができる。
【0011】第1に、ポンプ運転中の水位が、それ以下
ではポンプケーシングの吸込ベルから空気を吸い込んで
しまう最低水位レベルに相当する位置よりも下方にポン
プの羽根車を位置させ、この羽根車の下方のポンプケー
シングを貫通して吸気孔を有する吸気管をポンプケーシ
ング内に突出させ、この吸気管の他端をポンプ吸水槽の
最高水位レベルより高いレベルにて大気に開放させ、か
つ前記吸気孔をポンプ軸心に垂直な平面に対して傾斜し
て設けてなることを特徴とする。
【0012】すなわち、吸気孔はポンプ羽根車に近接し
た位置に設けられるため、羽根車の旋回に吸い込まれる
水の旋回流の遠心力などにより、吸気孔位置の圧力が不
安定となり、吸気量が安定せず振動が発生することが判
明した。この旋回流速は、ポンプケーシング(吸込ベ
ル)の内壁面より内側になるほど小さくなるから、吸気
孔をポンプケーシングの内側に突出させることにより、
旋回流速の影響による吸気量の変動を少なくでき、旋回
による遠心力も小さくなるので十分で安定した吸気が得
られるのである。また、吸気孔をポンプ軸心に垂直な平
面に対して傾斜して設けることにより、旋回流の影響を
一層軽減できる。さらに、吸気管の開口端位置が最高水
位レベルよりも低い位置にあると、吸気状態のときに水
位が上昇すると排水中のゴミ等の異物が開口端から吸込
まれ、開口端を閉鎖するおそれがある。この点は、上記
のように、吸気管の大気開口端を吸水槽の最高水位レベ
ルより高いレベルに位置させることにより解決できる。
【0013】また、第2に、ポンプ運転中の水位が、そ
れ以下ではポンプケーシングの吸込ベルから空気を吸い
込んでしまう最低水位レベルに相当する位置よりも低い
水位から先行待機運転を開始する立軸ポンプにおいて、
羽根車の下方のポンプケーシングに空気供給部を設け、
この空気供給部に一端を接続するとともに他端をポンプ
吸水槽内の位置でかつ最高水位レベルより高い位置に開
放させた吸気管を備えることを特徴とする。これによれ
ば、排水中のゴミ等の異物が吸気管の開放端から吸込ま
れて開口端を閉鎖するおそれを防止できるとともに、そ
の開放端をポンプ吸水槽内に位置させたことから、ポン
プ休止中にポンプケーシングから吸気管を通って上昇す
る排水の臭気が、ポンプ吸水槽外に漏れ出るのを防ぐこ
とができる。
【0014】この第2の場合において、空気供給部の開
口端の位置をポンプケーシング内壁面よりも内側に位置
させることが、上述した旋回流の影響を緩和して吸気を
安定させることができるので好ましい。また、空気供給
部はポンプケーシングに設けられた複数個の吸気孔を有
して形成することができる。これにより、ポンプケーシ
ング内の流速分布の変動にかかわらず、安定した吸気を
行わせることができ、しかも吸気をしながら排水運転を
する場合の振動を低減できる。特に、吸気孔の数をポン
プの羽根車の羽根数と同じ、またはそれ以上、あるいは
羽根数の整数倍の数とし、それらを円周方向に等間隔に
設けることにより、ポンプ羽根間の流路に吸気孔からの
空気を均一に流入させることができ、より振動の少ない
安定した運転を行うことができる。この場合、複数の吸
気孔に対して1本の吸気管を共通に設けてもよく、適宜
吸気孔を分割して、複数本の吸気管を設けてもよい。
【0015】第3に、ポンプ運転中の水位が、それ以下
ではポンプケーシングの吸込ベルから空気を吸い込んで
しまう最低水位レベルに相当する位置よりも低い水位か
ら先行待機運転を開始する立軸ポンプにおいて、羽根車
の下方のポンプケーシングに通孔を穿設してポンプケー
シング内面に開口する吸気孔を設け、この吸気孔を吸気
管の一端に連通するとともに、その吸気管の他端をポン
プ吸水槽の最高水位より高いレベルにて大気に開放さ
せ、かつ前記通孔をポンプ軸心に垂直な平面に対して傾
斜して設けたことを特徴とする。
【0016】これによれば、通孔がポンプ軸心に垂直な
平面に対して傾斜して設けられていることから、羽根車
により生じる水の旋回流による吸気負圧の変動を軽減し
て、吸気量の変動を抑えることができる。また、吸気管
の大気開放端を吸水槽の最高水位レベルより高いレベル
に位置させているから、吸気状態のときに水位が上昇し
て排水中のゴミ等の異物を吸入することによる開放端を
閉鎖を防止できる。
【0017】この場合において、通孔をポンプケーシン
グの最小内径部より下方に設けることができる。また、
吸気孔の開口付近のポンプケーシング内壁面に突出部を
設けりことにより、旋回流の影響を一層軽減できる。
【0018】また、上記の特徴を組み合わせて、最低水
位レベルに相当する位置よりも低い水位から先行待機運
転を開始する立軸ポンプにおいて、羽根車の下方のポン
プケーシングを貫通してポンプケーシング内に突出させ
た吸気通路を設け、この吸気通路に吸気管の一端を連通
するとともに、その吸気管の他端をポンプ吸水槽の最高
水位より高いレベルにて大気に開放させ、かつ前記吸気
通路のポンプケーシング内の開口を吸気孔とし、この吸
気孔をポンプ軸心に垂直な平面に対して傾斜して設けた
ものにできる。
【0019】このように、羽根車入口のポンプケーシン
グに設ける吸気孔を、(1)ポンプ軸心に垂直な平面に
対し傾斜して設けること、(2)最少内径部より下方に
ずれた位置に設けること、(3)吸気孔の上部又は下部
のポンプケーシング内壁面に突起部を設けること等の手
段を単独又は組み合わせることにより、ポンプケーシン
グ内の流れを利用して吸気孔位置における負圧を増減調
整することができるので、与えられたポンプの仕様及び
寸法に対し、吸気を開始したい吸水槽の水位において、
上記開口部の圧力を大気圧と一致するようにでき、これ
より以下の水位で吸水作用を行わせることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施の形態に基づ
いて説明する。図1において、羽根車1を収納したポン
プケーシング4のケーシングライナー2の下方向にポン
プケーシングの吸込ベル3が接続され、かつ、上方側に
はポンプケーシング4の一部である揚水管5および吐出
エルボ6が接続されて立軸ポンプを構成している。吐出
エルボ6の吐出側には吐出管7及び吐出弁8が設けられ
ている。また、羽根車1の下方近傍には吸気孔9が設け
られ、この吸気孔9と連結して吸気管10が設けられ、
さらに吸気管10には吸気量調節弁11が設けられ、吸
気管10の吸込口12が吸水槽20内の最高水位(HW
L)より高い位置に設置されている。これらにより流量
制御装置が構成されている。吸気孔9は従来の最低水位
レベル、すなわち、この水位以下では吸込ベル3の下端
から空気を吸込んでしまうポンプ固有の最低水位レベル
WL1において、吸気孔9から吸気されない位置に設け
られている。吸気孔9における静圧P(m)は、次式で
表わされる。
【0021】 P=Po+L−hs−k・v/(2g) …(1) ここで、Po:大気(10.33m)、 L:(水位レベル)(m)、 hs:ポンプケーシング吸込部損失水頭(m)、 v:吸気孔部の取扱液の流速(m)、 k:定数 吸気孔における静圧PがPoより大きくなれば吸気はし
ないから、L>hs+k・v/(2g)にすることに
より、吸気はしない。したがって、従来の最低水位レベ
ルWL1よりもL=hs+k・v/(2g)だけ下
方の位置に吸気孔9を設ける。その結果、水位LがWL
1以上の範囲Aでは吸気をしないので、所定のポンプ能
力で排水運転を行うことができる。水位が、WL1より
低い範囲Bでは(1)式においてLが減少するので、P
が大気圧より小さくなり吸気を行う。吸気量は吸気量調
節弁11により、適切な損失が与えられているので、水
位に伴い適切な量の吸気を行い流量制御を行う。範囲B
において、水位が、WL2の場合は、Pは大気圧により
若干低い程度であるので吸気量が少なく、ポンプの流量
も若干減少する。この場合、ポンプの没水深さS1はこ
の時のポンプ流量に対して十分であるので渦は発生しな
い。水位がWL3の場合、Pは水位の低下にほぼ比例し
て低下するので、大気圧よりその分小さくなり、吸気量
が増大し、ポンプの流量も大幅に少なくなり、没水深さ
S2でも渦が発生しない流量とすることができる。水位
がWL4の場合、吸気量はポンプ流量の15%〜20%
となり揚水不能となって空転運転状態となる。この時の
没水深さS3は、揚水不能となる直前の流量において渦
の発生しない長さになるように、吸込ベル入口のレベル
を設計する。なお、水位の変動する全範囲において、吸
気量調制弁11の開閉は一定にしてよく、あるいは、水
位によって開度を変更してもよい。従来の最低水位レベ
ルWL1以下でも渦が発生せず、異常な振動や騒音ので
ない安全な運転が可能となる。空転運転から排水運転に
移行する羽根車1が若干水没する水位、及び排水運転か
ら空転運転に移行する水位WL4より若干高い水位にお
いて、ポンプの流量は吸気により所定の流量の約半分程
度に制御されているので、排水開始及び排水停止時の流
量変化が少なく、サージ現象を緩和してポンプの安定な
運転が可能である。なお、符号21は吸込水槽(吸水
槽)20の低壁である。
【0022】ここで、従来の最低水位レベルWL1と吸
気孔9設置位置とのレベル差Lは、(1)式の関係か
ら、L=hs+k・v/(2g)とすることが望ま
しい。しかし、Lはうずの発生しやすさから決り、一
般にポンプの口径の関数となり、上記式の右辺はvの関
数であるが、vはポンプの吐出量、仕様全揚程、比速度
等により異なる。そのため、仮にk=1で固定されてい
るとすると、ポンプによって常にP点の圧力を大気圧に
等しく計画できるとは限らない。即ち、大口径で揚程の
低いポンプでは、L>hs+k・v/(2g)とな
り、逆に比較的小口径で揚程の高いポンプはLが小さ
く、vは大となるため、L>hs+k・v/(2
g)となる。したがって、hs+k・v/(2g)に
おいて、kが1以外の値をとれるようにすることが望ま
しい。kが1以外の値をとれるようにした具体的実施例
を図2〜図8により説明する。
【0023】図2は本発明の吸気孔に係る第1の実施形
態を示すもので、図1における吸気孔9の近傍を示す詳
細図である。羽根車の入口近傍のポンプケーシング2に
は、複数の吸気孔9がポンプケーシング2の周方向に等
間隔に設けられている。また、この吸気孔9は、ポンプ
軸心に垂直な平面に対しポンプケーシング内の流れの方
向に傾斜して設けられている。したがって、吸気孔9に
おける静圧P(m)は、前述の(1)式で表わしたと
き、kの値はk>1となる。一方、図3に示す本発明の
第2の実施形態のように、吸気孔9をポンプケーシング
内の流れと逆の方向に傾斜して設ければ、0<k<1と
なる。このように吸気孔9を、ポンプ軸心に垂直な平面
に対し、傾斜して設けることにより(1)式のkの値
を、1より増減できる。
【0024】図4は、図2の実施例で吸気孔を傾斜させ
る代りに、吸気孔端部を、ポンプケーシング内に突出さ
せた曲管により構成したものである。すなわち、吸気管
10がポンプケーシングを貫通するようにし、吸気管1
0の先端を折り曲げてポンプケーシング内の流れ方向に
対しα°の角度傾いた方向に開口部がむくようにして吸
気孔9を形成したものである。この角度αにより、
(1)式のkの値は図5に示すように変化する。したが
って、上記角度αを適宜選択することにより、kの値を
容易に増減できる。
【0025】図6は、本発明の吸気孔に係る第4の実施
形態を示すもので、吸気孔9をポンプケーシングの吸込
ベル3の最少内径Dminの位置よりも下方に設けてい
る。この吸気孔9の取付部の直径はDminよりも大き
いのでDmin部よりも静圧が高いから、k<1とな
る。そして、このkの値は、吸気孔の位置をDmin部
に近い所から、吸込ベル3の入口(直径D)に近い所
まで適宜選定することにより、容易に変え得る。
【0026】図7は、本発明の吸気孔に係る第5の実施
形態であり、吸気孔9の上部(下流側)のポンプケーシ
ング内壁面に、突出部2aを設けたものである。図8は
第6実施形態で、吸気孔の下部(上流側)に突出部9a
をもうけている。図7では、突出部2aにより流れがせ
き留められるため、そのすぐ上流に設けた吸気孔の静圧
が高くなり、k<1となる。一方、図8では、突出部9
aのすぐ下流に吸気孔が設けられているため、吸気孔の
静圧は低くなり、k>1となる。このように、突出部の
位置、大きさ、形状等を適宜選定することにより、kの
値を容易に変えることができる。
【0027】このように、図2〜図8に示す方法で、
(1)式のkの値を1.0よりも増減調節できるので、
種々の大きさ、比速度、全揚程のポンプに対し、従来の
最低水位レベルWL1において、吸気孔9での静圧Pを
大気圧Poと等しくなるようにすることができる。
【0028】なお、図2〜図8において、吸気孔の数を
羽根車の羽根数と等しくするか、それ以上、あるいは羽
根数の整数倍とし、かつ各吸気孔は、ポンプケーシング
の円周方向に等間隔に設けるのがよい。発明者らの実験
結果によれば、吸気孔を1個のみ設けた場合、上記羽根
車の各羽根流路に吸気孔からの空気が均一に流入しない
ため、羽根車に流体的な不つりあい力が作用し、ポンプ
の振動が増大する現象が見られた。これに対し、吸気孔
の数を複数個、特に羽根車の羽根数と等しくするかそれ
以上、あるいは羽根数の整数倍の個数設け、かつ円周方
向に等間隔に設けることにより、吸気が安定して行わ
れ、ポンプ羽根間に均等に空気が流入し、ポンプ振動を
低減することができる。
【0029】次に、本発明の更に他の実施の形態を図9
〜図12により説明する。
【0030】図9及び図10は、立軸ポンプの羽根車1
の吸込部の吸込ベル3の内壁面よりも内側に突出させ
て、吸気孔9を複数個設けたものである。吸気孔9は、
吸気管10により大気に開放されている。また、吸気孔
9は、吸込ベルに吸気管10の一端に接続される開孔3
aを形成し、かつ吸込ベル3の内壁面には開孔3aと連
通される通気孔25aを有するリブ25を設け、これに
連通孔25aを設けて、この連通孔25aを吸込ベル内
面よりも内側に開口させることにより形成している。リ
ブ25は吸込ベル3と一体になるように鋳造などの手段
で製造するのがよい。また、リブ25は、図に示すよう
に、ポンプの軸方向に設けられ、吸気孔付近における旋
回流れを防止または低減する作用をする。更に、リブ2
5は、連通孔25a付近から下方に伸び、その上方端の
吸込ベル内壁面からの高さは吸気孔9の開口端位置と一
致させ、該リブの下方端の高さをその上方端の高さより
も低くしたテーバ状に構成している。
【0031】本実施形態では吸気孔9の開口端位置をポ
ンプケーシング(吸込ベル3)内壁面よりも内側にして
いるが、その吸気孔9のケーシング内壁面からの高さh
は、吸気孔位置のケーシング内壁面の半径R1としたと
き、次式(2)を満足するように設定するのがよい。 h≧0.2R1 …(2) この理由を図11により説明する。図11は、ポンプ羽
根車の入口部、即ち吸気孔付近における流れの方向の
流速の大きさ(横軸)を、ポンプケーシング内壁面から
内側(ポンプケーシング中心軸方向)に向う各ポイント
ごとに測定したもので、直線aはポンプの流量係数が6
0%以上の場合、曲線bは同じく50%の場合、曲線c
は同じく40%、曲線dは同じく20%の場合である、
この図から、r/R1が約0.8以下のポイントでは、
それが0.8以上のポイントに比べ周方向流速が大幅に
小さくなっている。したがって、上記(2)式を満足す
るように吸気孔9のケーシング内壁面からの高さhを決
めれば、旋回流速の影響を少なくでき、旋回による遠心
力も小さくなるので、十分で安定した吸気を得ることが
でき、振動を低減できる。
【0032】 h≧0.2R …(2) この理由を図11により説明する。図11は、ポンプ羽
根車の入口部、即ち吸気孔付近における流れの間方向の
流速の大きさ(横軸)を、ポンプケーシング内壁面から
内側(ポンプケーシング中心軸方向)に向う各ポイント
ごとに測定したもので、直線aはポンプの流量係数が6
0%以上の場合、曲線bは同じく50%の場合、曲線c
は同じく40%、曲線dは同じく20%の場合である、
この図から、r/Rが約0.8以下のポイントでは、
それが0.8以上のポイントに比べ周方向流速が大幅に
小さくなっている。したがって、上記(2)式を満足す
るように吸気孔9のケーシング内壁面からの高さhを決
めれば、旋回流速の影響を少なくでき、旋回による遠心
力も小さくなるので、十分で安定した吸気を得ることが
でき、振動を低減できる。
【0033】上述した各実施形態では、それぞれ吸気孔
を複数個設けているが、吸気孔の数を2以上とすること
により安定した吸気が行われ、ポンプ振動を低減できる
ことを図12により説明する。図12は、吸気孔の数と
ポンプ振動との関係を確かめた実験データで、曲線eは
吸込ベル内壁面上に吸気孔を1〜20個設けた場合の振
動比の変化を示すもの、曲線fは図9の実施形態で、吸
気孔の吸込ベル内壁面からの高さhを、吸気孔位置にお
けるケーシング内壁面の半径Rに対し、0.2R
位置としたものにおいて、吸気孔の数を1〜20個とし
た場合の振動比の変化を示すものである。この図に示す
ように、吸気孔の数を2以上とすることにより、吸気孔
の数が1のものに対し、ポンプ振動を大幅に低減でき
る。特に、吸気孔の数を5以上とすることにより、ポン
プ振動を極めて小さくすることができる。この実験デー
タは、ポンプ羽根数が5枚の場合であり、吸気孔をポン
プ羽根数と同数以上として、それらを周方向に等間隔に
設けることにより、羽根間に均等に空気を流入させるこ
とができ、ポンプ振動を低減できることがわかる。ま
た、曲線fに示すように、吸気孔を吸込ベル内壁面より
も内側に設けた場合には、吸気孔の数が2つであって
も、ポンプ振動を大幅に低減できることがわかる。
【0034】図13及び図14は本発明の更に他の実施
形態を示すものである。この実施形態は、ポンプケーシ
ング4の吸込ベル3の内壁面にテーパ状のリブ26を設
け、このリブ26に隣接して吸気孔9を2個、吸込ベル
3の内壁面上の対抗する位置に設けたものである。吸気
孔9は吸気管10により大気に開放されている。本実施
例でも図9の実施例と同様の効果が得られる。即ち、ポ
ンプ羽根車1の入口部付近で旋回流れが生じても、リブ
5によりその旋回流れをを抑制できるので、吸気孔9の
位置では圧力の変動が少なくなり、安定した十分な吸気
ができ、ポンプの振動を小さくすることができる。
【0035】次に、上述した図9及び第13図の実施形
態の動作を説明する。これらの実施形態において、ポン
プを低い水位で運転すると、吸気孔9の圧力は大気圧よ
り低下するので、吸気管10から吸気される。このと
き、吸気孔9はポンプ羽根車入口部付近における旋回流
れの影響を受けにくい位置にあるので、圧力の変動が少
なく、安定した吸気が行える。また、旋回流れによる遠
心力の影響も小さいので、十分な吸気量が得られる。以
上のことからポンプの振動を小さくすることができ、ま
た吸気孔4の下部にテーパ状のリブ5を設けることによ
り、吸気孔部の補強ができ、異物がリブ5や吸気孔部に
詰まらない効果がある。
【0036】上述したように、本発明の各実施の形態に
よれば、次のような効果がある。まず、ポンプケーシン
グに複数個の吸気孔を設けたものによれば、吸気量を安
定化させることができ、吸気をしながら排水運転をする
場合の振動を低減できる。
【0037】また、吸気孔のポンプケーシング内におけ
る開口端位置をポンプケーシング内壁面よりも内側とし
たものによれば、あるいは旋回流れを防止するリブを吸
気孔に近接して設けたものによれば、ポンプ羽根車入口
部付近の旋回流れの影響を低減でき、流体の遠心力も小
さくなるから、十分で安定した吸気が得られ、ポンプ振
動も低減できる効果がある。
【0038】更に、吸気孔部の制圧を増減し得る形状と
したものによれば、吸気を開始する水位を希望する水位
に設定し得る。
【0039】また、吸気孔を羽根車の羽根数以上とした
ものによれば、吸気した空気を羽根車の各羽根間流路に
均一に分配できるため、吸気時のポンプ振動の増大を防
止できる効果がある。
【0040】更に、最低水位レベルより下方に羽根車を
設け、かつこの羽根車下方のポンプケーシングに吸気孔
を設けると共に、この吸気孔に吸気管を接続し、この吸
気管の吸込口を、吸水槽の最高水位より高い位置におい
て大気に開放させたものによれば、吸気管の吸込口に異
物が付着して吸気作用を阻害するのを防止できる。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
先行待機運転を行う立軸ポンプにおいて、吸気をしなが
ら安定した排水運転を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された立軸ポンプの全体側面図で
ある。
【図2】本発明の第1実施例形態の要部を示す詳細縦断
面図である。
【図3】本発明の第2実施形態の要部を示す詳細縦断面
図である。
【図4】本発明の第3実施形態の要部を示す詳細縦断面
図である。
【図5】図4の吸気孔の方向(角度α°)と(1)式の
定数kとの関係を示す線図である。
【図6】本発明の第4実施形態の要部を示す詳細縦断面
図である。
【図7】本発明の第5実施形態の要部を示す詳細縦断面
図である。
【図8】本発明の第6実施形態の要部を示す詳細縦断面
図である。
【図9】本発明の第7の実施形態の要部を示す詳細縦断
面図である。
【図10】図9のX−X線矢視図である。
【図11】ポンプ羽根車入口部付近における流れの周方
向流速を半径方向各点で測定して示した線図である。
【図12】吸気孔の数とポンプ振動との関係を示す線図
である。
【図13】本発明の第8図実施形態の要部を示す詳細縦
断面図である。
【図14】図13のY−Y線矢視図である。
【符号の説明】
1 羽根車 2 ケーシングライナ 3 吸込ベル 4 ポンプケーシング 5 揚水管 6 吐出エルボ 7 吐出管 8 吐出弁 9 吸気孔 10 吸気管 11 吸気量調製弁 12 吸込口 20 吸水槽 25 リブ 26 リブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭62−140199(JP,U) 実開 平1−76588(JP,U) 実開 平1−176790(JP,U) 実開 昭63−121793(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04D 13/00 F04D 15/00 F04D 29/54

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプ運転中の水位が、それ以下ではポ
    ンプケーシングの吸込ベルから空気を吸い込んでしまう
    最低水位レベルに相当する位置よりも下方にポンプの羽
    根車を位置させ、この羽根車の下方のポンプケーシング
    を貫通して吸気孔を有する吸気管をポンプケーシング内
    に突出させ、この吸気管の他端をポンプ吸水槽の最高水
    位レベルより高いレベルにて大気に開放させ、かつ前記
    吸気孔をポンプ軸心に垂直な平面に対して傾斜して設け
    てなる立軸ポンプ。
  2. 【請求項2】 ポンプ運転中の水位が、それ以下ではポ
    ンプケーシングの吸込ベルから空気を吸い込んでしまう
    最低水位レベルに相当する位置よりも低い水位から先行
    待機運転を開始する立軸ポンプにおいて、羽根車の下方
    のポンプケーシングに空気供給部を設け、この空気供給
    部に一端を接続するとともに他端をポンプ吸水槽内の位
    置でかつ最高水位レベルより高い位置に開放させた吸気
    管を備えることを特徴とする立軸ポンプ。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記空気供給部の開
    口端の位置がポンプケーシング内壁面よりも内側に位置
    されてなることを特徴とする立軸ポンプ。
  4. 【請求項4】 請求項2において、前記空気供給部がポ
    ンプケーシングに設けられた複数個の吸気孔を有してな
    ることを特徴とする立軸ポンプ。
  5. 【請求項5】 ポンプ運転中の水位が、それ以下ではポ
    ンプケーシングの吸込ベルから空気を吸い込んでしまう
    最低水位レベルに相当する位置よりも低い水位から先行
    待機運転を開始する立軸ポンプにおいて、羽根車の下方
    のポンプケーシングに通孔を穿設してポンプケーシング
    内面に開口する吸気孔を設け、この吸気孔を吸気管の一
    端に連通するとともに、その吸気管の他端をポンプ吸水
    槽の最高水位より高いレベルにて大気に開放させ、かつ
    前記通孔をポンプ軸心に垂直な平面に対して傾斜して設
    けたことを特徴とする立軸ポンプ。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記通孔を前記ポン
    プケーシングの最小内径部より下方の傾斜部に設けたこ
    とを特徴とする立軸ポンプ。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6において、前記吸気孔の
    開口付近の前記ポンプケーシング内壁面に突出部を設け
    たことを特徴とする立軸ポンプ。
  8. 【請求項8】 ポンプ運転中の水位が、それ以下ではポ
    ンプケーシングの吸込ベルから空気を吸い込んでしまう
    最低水位レベルに相当する位置よりも低い水位から先行
    待機運転を開始する立軸ポンプにおいて、羽根車の下方
    のポンプケーシングを貫通してポンプケーシング内に突
    出させた吸気通路を設け、この吸気通路に吸気管の一端
    を連通するとともに、その吸気管の他端をポンプ吸水槽
    の最高水位より高いレベルにて大気に開放させ、かつ前
    記吸気通路のポンプケーシング内の開口を吸気孔とし、
    前記吸気通路を曲管で形成することにより前記吸気孔を
    ポンプ軸心に垂直な平面に対して傾斜して設けたことを
    特徴とする立軸ポンプ。
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