JP2899873B2 - 立軸ポンプ - Google Patents

立軸ポンプ

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JP2899873B2 JP23616996A JP23616996A JP2899873B2 JP 2899873 B2 JP2899873 B2 JP 2899873B2 JP 23616996 A JP23616996 A JP 23616996A JP 23616996 A JP23616996 A JP 23616996A JP 2899873 B2 JP2899873 B2 JP 2899873B2
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慶彦 吉川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水槽内に設置さ
れる立軸ポンプに関し、特に、吸水槽内の水位低下時に
おいても揚水運転を可能とし、例えば降雨時の出水を排
水するために設けられる先行待機運転を実施する立軸ポ
ンプとして好適であり、平常時におけるポンプの管理運
転にも利用できるものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種立軸ポンプは、特開昭63
−90697号公報に記載されているように、ポンプ没
水時の水位がこれ以下では空気を吸込んでしまう最低水
位レベルに相当するポンプ固有のポンプ特定部位より僅
かに上方位置に羽根車を設け、上記最低水位レベル相当
する水位より低い水位になったとき、真空破壊により空
転状態とし、落水させて排水運転ができないようにした
ものがある。
【0003】また、従来の他の立軸ポンプとしては、実
開昭63−150097号公報に記載されているよう
に、吸水槽水位より低いところに羽根車を位置させ、羽
根車の入口付近に外部に通じる貫通穴を設け、該貫通穴
は管と接続され、該管の他端は、吸水槽内の、前記羽根
車が水没するレベル付近に開口部を設けるものが知られ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通常、降雨情報などに
基づいて先行待機運転を行うには、吸水槽や管渠の貯留
効果が増大することから、出来る限り低い水位で、排水
運転ができることが望ましく、かつ、吸水槽の水位レベ
ルに応じ適切な流量とすることが、渦防止や吸水槽のサ
ージ減少に有効で、ポンプの安定な運転ができる。
【0005】しかしながら上記従来技術のうち前者のも
のは最低水位レベルより低い水位で排水運転する配慮が
されておらず例えば、吸込ベルの吸込口からこれの径の
1.4〜1.7倍の公知の最低水位レベルより低い水位で
は排水運転ができない。
【0006】上記従来技術のうち後者のものによれば、
吸水槽の水位が、前記開口部のレベルより低下すれば開
口部より空気を吸込み、水位の低下と共にポンプの揚水
作用が徐々に低下するため、低い水位において揚水運転
が可能となり、かつ空転状態への推移が急激に起こらな
いという特徴があり、例えば吸水槽への急激な流入が生
ずる前に、ポンプを空転・待機するいわゆる先行待機運
転を行なうポンプに適したものであると思われる。この
立軸ポンプは、前記貫通穴と通じる管の他端を吸水槽内
の羽根車が水没するレベル付近に開口させ、水位がこの
開口部以下に低下したときに空気を吸込むようにしてい
るので、ポンプが吸気を開始する水位を、前記開口部の
設置レベルにより決定できるという特徴があるが、水位
が開口部の設定レベルより高いときは、開口部より吸水
するため、揚水中にゴミ等の異物を含んでいる場合、こ
の異物が運転時間の経過と共に開口部を閉鎖し、吸気作
用を阻害することが懸念される。特に前述の先行待機運
転を行なう排水ポンプでは、都市の広域に降った雨水が
急激に吸水槽へ流入するため、種々の異物が流入する可
能性がある。
【0007】更に、後者のものは、吸水槽内の水位に応
じて、即ち水位が低くなるほど吸気量を増加させ排水量
か低下するようにしているが、吸気をしながら排水運転
をするには、安定した吸気がおこなわられなけらばなら
ない。しかし、この従来技術には安定した吸気を行うこ
とに関しての配慮が為されていない。
【0008】本発明の目的は、吸気孔からの空気をポン
プケ−シング内に均一に流入させ、これにより吸気に伴
うポンプの振動を可及的に小さくすることにある。
【0009】本発明の他の目的は、吸水槽内の異物の付
着により吸気作用が阻害されることを防ぎ、安全確実な
吸気作用を得ると共に、吸気を開始する水位を希望する
水位に設定し得る立軸ポンプを得ることにある。
【0010】本発明の更に他の目的は、吸気をしながら
安定した排水運転のできる立軸ポンプを得ることにあ
る。
【0011】本発明の他の目的は、水位に応じてポンプ
の流量を制御し、有害な渦を発生せずに最低水位レベル
より低い水位で安定に排水運転を可能とする立軸ポンプ
を得ることにある。
【0012】本発明の更に他の目的は、吸気をしながら
排水運転を行っている時、振動を発生しない立軸ポンプ
を得ることにある。
【0013】本発明の他の目的は、前記吸気孔からの空
気を羽根車の各羽根間流路に均一に流入させ、これによ
り、吸気に伴うポンプの振動を可及的に小さくすること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、ポンプ運転中の水位が、それ以下ではポンプ
ケーシングの吸込ベルから空気を吸い込んでしまう最低
水位レベルに相当する位置より下方にポンプの羽根車を
位置させ、この羽根車の下方のポンプケーシングの周方
向に沿って複数個の吸気孔を分散して設け、これらの吸
気孔のそれぞれに一端を接続すると共に他端をポンプ吸
水槽の最高水位より高いレベルにて大気に開口させた
数の吸気管を設けた立軸ポンプにある。
【0015】なお、前記吸気孔は前記ポンプケーシング
の周方向等分位置に設けるとよく、また吸気孔の数はポ
ンプ羽根車の羽根枚数以上の数設けるか、ポンプ羽根車
の羽根の数と等しく、または羽根数の整数倍とするとな
およい。
【0016】次に本発明の作用を説明する。◆ポンプ羽
根車に近接して設けられた吸気孔位置付近では、吸込ま
れる水が旋回して流れているため、その水の遠心力が吸
気孔に作用して、吸気孔位置で十分な負圧が得られず、
したがって十分な吸気量が得られない。
【0017】ポンプケーシング吸気孔を設け、吸気をし
ながら排水運転をする場合、吸気孔はポンプ羽根車に近
接して設けられているため、羽根車からの旋回している
逆流の影響を受け、吸気孔位置の圧力が不安定となるた
め、吸気量が安定せず振動が発生することがわかった。
【0018】また、ポンプ羽根車に近接して設けられた
吸気孔位置付近では、吸込まれる水が旋回して流れてい
るため、その水の遠心力が吸気孔に作用して、吸気孔位
置で十分な負圧が得られず、したがって十分な吸気量が
得られない。
【0019】本発明では、ポンプケーシングに複数個の
吸気孔を設けたことにより、吸気量を安定化することが
でき、吸気をしながら排水運転をする場合の振動を低減
できる。特に、吸気孔の数をポンプの羽根車の羽根数と
同じ、またはそれ以上、あるいは羽根数の整数倍の数と
し、それらを円周方向に等間隔に設けることにより、ポ
ンプ羽根間の流路吸気孔からの空気を均一に流入させる
ことができ、より振動の少ない安定した運転を行うこと
ができる。
【0020】更に、本発明においては、前述のように吸
気管の大気への開口部を、吸水槽の最高水位より高い位
置に設けているので、開口部に、吸水槽内の水に浮遊す
るゴミ等の異物が吸着し、水位低下時の吸気作用が阻害
されるということが起こらない。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図により
説明する。◆図1において、羽根車1を収納したポンプ
ケーシング4のケーシングライナー2の下方向にポンプ
ケーシングの吸込ベル3が接続され、かつ、上方側には
ポンプケーシング4の一部である揚水管5および吐出エ
ルボ6が接続され立軸ポンプを構成している。吐出エル
ボ6の吐出側には吐出管7及び吐出弁8が設けられてい
る。また、羽根車1の下方近傍には吸気孔9が設けら
れ、この吸気孔9と連結して吸気管10が設けられ、さ
らに吸気管10に吸気量調整弁11が設けられ、吸気管
10の吸込口12が吸水槽20内の、最高水位(HW
L)より高い位置に設置されている。これらにより流量
制御装置が構成されている。吸気孔9は従来の最低水位
レベル、すなわち、この水位以下では吸込ベル3の下端
から空気を吸込んでしまうポンプ固有の最低水位レベル
WL1において該吸気孔9から吸気されない位置に設け
られている。吸気孔9における静圧P(m)は、次式で
表わされる。
【0022】 P=Po+l−hs−k・υ2/2g …… ここで、Po:大気(10.33m)、l:(水位レベ
ル)(m)、hs:ポンプケーシング吸込部損失水頭
(m)、υ:吸気孔部の取扱液の流速(m)、k:定
数、である。
【0023】吸気孔における静圧PがPoより大きくな
れば吸気はしない。よって、l>hs+k・υ2/2gと
すれば吸気はしない。従って従来の最低水位レベルWL
1より下方でL1=hs+k・υ2/2gだけ下方の位置
に吸気孔9を設ける。従って水位が、WL1以上の範囲
Aでは吸気をしないので、所定のポンプ能力で排水運転
を行うことができる。水位が、WL1より低い範囲Bで
は式においてlが減少するので、Pが大気圧より小さ
くなり吸気を行う。吸気量は吸気量調節弁11により、
適切な損失が与えられているので、水位に伴い、適切な
量の吸気を行い流量制御を行う。範囲Bにおいて、水位
が、WL2の場合は、Pは大気圧により若干低い程度で
あるので吸気量が少なく、ポンプの流量も若干減少す
る。この場合、ポンプの没水深さS1はこの時のポンプ
流量に対して十分であるので渦は発生しない。水位がW
L3の場合、Pは水位の低下にほぼ比例して低下するの
で、大気圧よりその分小さくなり、吸気量が増大し、ポ
ンプの流量も大幅に少なくなり、没水深さS2でも渦が
発生しない流量とすることができる。水位がWL4の場
合、吸気量はポンプ流量の1.5%〜20%となり揚水
不能となって空転運転状態となる。この時の没水深さS
3は、揚水不能となる直前の流量において渦の発生しな
い長さになるように、吸込ベル入口のレベルを設計す
る。なお、水位の変動する全範囲において、吸気量調節
弁11の開度は一定にしてよく、あるいは、水位によっ
て開度を変更してもよい。従来の最低水位レベルWL1
以下でも渦が発生せず、異常な振動や騒音のでない安全
な運転が可能となる。空転運転から揚水運転に移行する
羽根車1が若干没水する水位及び排水運転から空転運転
に移行する水位WL4より若干高い水位において、ポン
プの流量は吸気により所定の流量の約半分程度の制御さ
れているので、排水開始及び排水停止時の流量変化が少
なく、サージ現象が緩和できポンプの安定な運転が可能
である。◆なお、21は吸込水槽(吸水槽)20の低壁
である。
【0024】さて、ここで、従来の最低水位レベルWL
1と吸気孔9設置位置とのレベル差L1は、式の関係
から、L1=hs+k・υ2/2gとすることが望ましい
が、L1はうずの発生しやすさから決り、一般にポンプ
の口径の関数となり、上記式の右辺はυの関数である
が、υはポンプの吐出し量、仕様全揚程、比速度等によ
り異なるため、もしk=1で固定されている場合、ポン
プによって常にP点の圧力を大気圧に等しく計画できる
とは限らない。即ち、大口径で揚程の低いポンプではL
1>hs+k・υ2/2gとなり、逆に比較的小口径で揚
程の高いポンプはL1が小さく、υは大となるためL1
s+k・υ2/2gとなる。したがって、hs+k・υ2
/2gにおいて、kが1以外の値をとれるようにするこ
とが望ましい。kがl以外の値をとれるようにした具体
的実施例を図2〜図8により説明する。
【0025】図2は本発明の第1実施例を示すもので、
図1における吸気孔9の近傍を示す詳細図である。羽根
車の入口近傍のポンプケーシング2には、複数の吸気孔
9がポンプケーシング2の周方向に等間隔に設けられて
いる。また、この吸気孔9は、ポンプ軸心に垂直な平面
に対しポンプケーシング内の流れの方向に傾斜して設け
られている。したがって吸気孔9における静圧P(m)
は、前述の式で表わしたとき、kの値はk>1とな
る。一方、図3に示す本発明の第2実施例においては吸
気孔9が、ポンプケーシング内の流れと逆の方向に傾斜
して設けられてあるので0<k<1となる。このように
吸気孔9を、ポンプ軸心に垂直な平面に対し、傾斜して
設けることにより式のkの値を1より増減できる。
【0026】図4は、図2の実施例で吸気孔を傾斜させ
る代りに、吸気孔端部を、ポンプケーシング内に突出さ
せた曲管により構成したものである。すなわち、吸気管
10がポンプケーシングを貫通するようにし、吸気管1
0の先端を折り曲げてポンプケーシング内の流れ方向に
対しα°の角度傾いた方向に開口部がむくようにして吸
気孔9を形成したものである。この角度αにより、式
のkの値は図5に示すように変化する。したがって、上
記角度αを適宜選定することにより、kの値を容易に増
減できる。
【0027】図6は本発明の第4実施例を示すもので、
吸気孔9は、ポンプケーシングの吸込ベル3の最小内径
minの位置より下方に設けている。この吸気孔9取付
部の直径はDminより大きいのでDmin部より静圧が高
い、すなわちk<1となる。そして、このkの値は、前
記吸気孔の位置を、Dmin部に近い所より、吸込ベル3
の入口(直径DB)に近い所まで適宜選定することによ
り、容易に変え得る。
【0028】図7は、本発明の第5実施例であり、吸気
孔9の上部(下流側)のポンプケーシング内壁面に突出
部2aを設けたものである。図8は第6実施例で、吸気
孔の下部(上流側)に突出部9aを設けている。図7で
突出部2aで流れがせき留められるため、そのすぐ上流
に設けた吸気孔の静圧が高くなり、k<1となる。一方
図8では、突出部9aのすぐ下流に吸気孔が設けられて
いるため、吸気孔の静圧は低くなり、k>1となる。こ
のように、突出部の位置、大きさ、形状等を適宜選定す
ることにより、kの値を容易に変えることができる。
【0029】このように、図2〜図8に示す方法で式
のkの値を1.0より増減調節できるので、種々の大き
さ、比速度、全揚程のポンプに対し、従来の最低水位レ
ベルWL1において、吸気孔9での静圧Pを大気圧Po
と等しくなるようにすることができる。
【0030】なお、前記図2〜図8において、吸気孔の
数を羽根車の羽根数と等しくするか、それ以上、あるい
は羽根数の整数倍とし、かつ各吸気孔は、ポンプケーシ
ングの円周方向に等間隔に設けるのがよい。発明者らの
実験結果によれば、吸気孔を1個のみ設けた場合、上記
羽根車の各羽根流路に吸気孔からの空気が均一に流入し
ないため、羽根車に流体的な不つりあい力が作用し、ポ
ンプの振動が増大する現象が見られた。これに対し、吸
気孔の数を複数個、特に羽根車の羽根数と等しくするか
それ以上、あるいは羽根数の整数倍の個数設け、かつ円
周方向に等間隔に設けることにより、吸気が安定して行
われ、ポンプ羽根間に均等に空気が流入し、ポンプ振動
を低減することができる。
【0031】次に、本発明の更に他の実施例を図9〜図
12により説明する。
【0032】図9及び図10は、立軸ポンプの羽根車1
の吸込部の吸込ベル3の内壁面よりも内側に突出して吸
気孔9を複数個設けたものである。吸気孔9は吸気管1
0により大気に開放されている。また、吸気孔9は、吸
込ベルに吸気管10の一端に接続される開孔3aを形成
し、かつ吸込ベル3の内壁面には前記開孔3aと連通さ
れる。通気孔25aを有するリブ25を設けて、この連
通孔25aを設けて、この連通孔25aを吸込ベル内面
よりも内側に開口させることにより形成している。前記
リブ25は吸込ベル3と一体になるように鋳造などの手
段で製造するのが良い。また、リブ25は図に示すよう
に、ポンプの軸方向に設けられ、吸気孔付近における旋
回流れを防止または低減する作用をする。更に、リブ2
5は、連通孔25a付近から下方に伸び、その上方端の
吸込ベル内壁面からの高さは吸気孔9の開口端位置と一
致させ、該リブの下方端の高さをその上方端の高さより
も低くしたテーパ状に構成している。
【0033】本実施例では吸気孔9の開口端位置をポン
プケーシング(吸込ベル3)内壁面よりも内側にしてい
るが、その吸気孔9のケーシング内壁面からの高さをh
は、吸気孔位置のケーシング内壁面の半径とした時、 h≧0.2R2 …… を満足するように設定するのがよい。この理由を図11
により説明する。図11は、ポンプ羽根車の入口部、即
ち吸気孔付近における流れの周方向の流速の大きさ(横
軸)を、ポンプケーシング内壁面から内側(ポンプケー
シング中心軸方向)に向う各ポイントごとに測定したも
ので、直線aはポンプの流量係数が60%以上の場合、
曲線bは同じく50%の場合、曲線Cは同じく40%、
曲線dは同じく20%の場合である。この図から、r/
2が約0.8以下のポイントではそれが0.8以上のポ
イントに比べ周方向流速が大幅に小さくなっている。し
たがって、上記式を満足するように吸気孔9のケーシ
ング内壁面からの高さhを決めれば旋回流速の影響を少
なくでき、旋回による遠心力も小さくなるので、十分で
安定した吸気を得ることができ、振動を低減できる。
【0034】上述した各実施例では、それぞれ吸気孔を
複数個設けているが、吸気孔の数を2以上とすることに
より安定した吸気が行われ、ポンプ振動を低減できるこ
とを図12により説明する。図12は、吸気孔の数とポ
ンプ振動との関係を確かめた実験データで、曲線aは吸
込ベル内壁面上に吸気孔を1〜20個設けた場合の振動
比の変化を示すもの、曲線fは上記図9の実施例で、吸
気孔の吸込ベル内壁面からの高さhを該吸気孔位置のケ
ーシング内壁面半径R2に対し、0.2R2の位置とした
ものにおいて前記吸気孔の数を1〜20個とした場合の
振動比の変化を示すものである。この図に示すように、
吸気孔の数を2以上とすることにより、吸気孔の数が1
のものに対し、ポンプ振動を大幅に低減できる。特に、
吸気孔の数を5以上とすることにより、ポンプ振動を極
めて小さくすることができる。この実験データなポンプ
羽根数が5枚の場合であり、吸気孔をポンプ羽根数と同
数以上として、それらを周方向に等間隔に設けることに
より、羽根間に均等に空気を流入させることができ、ポ
ンプ振動を低減できることがわかる。また、曲線fに示
すように、吸気孔を吸込ベル内壁面よりも内側に設けた
場合には、吸気孔の数が2つであっても、ポンプ振動を
大幅に低減できることがわかる。
【0035】図13及び図14は本発明の更に他の実施
例を示すものである。この実施例はポンプケーシング4
の吸込ベル3の内壁面にテーパ状のリブ26を設け、こ
のリブ26に隣接して吸気孔9を2個、吸込ベル3の内
壁面上の対抗する位置に設けたものである。吸気孔9は
吸気管10により大気に開放されている。本実施例でも
図9の実施例と同様の効果が得られる。即ち、ポンプ羽
根車1の入口部付近で旋回流れが生じても、リブ5によ
りその旋回流れを抑制できるので、吸気孔9の位置では
圧力の変動が少なくなり、安定した十分な吸気ができ、
ポンプの振動を小さくすることができる。
【0036】次に、上述した図9及び図13の実施例の
動作を説明する。これらの実施例において、ポンプを低
い水位で運転すると、吸気孔9の圧力は大気圧より低下
するので、吸気管10から吸気される。この時、吸気孔
9はポンプ羽根車入口部付近における旋回流れの影響を
受けにくい位置にあるので、圧力の変動が少なく、安定
した吸気が行える。また、旋回流れによる遠心力の影響
も小さいので、十分な吸気量が得られる。以上のことか
らポンプの振動を小さくすることができ、また吸気孔4
の下部にテーパ状のリブ5を設けることにより、吸気孔
部の補強ができ、異物がリブ5や吸気孔部に詰まらない
効果がある。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、ポンプケーシングに複
数個の吸気孔を設けることにより、ポンプケ−シング内
に安定して均一に吸気させることができる。
【0038】更にまた本発明によれば、最低水位レベル
より下方に羽根車を設け、かつこの羽根車下方のポンプ
ケーシングに吸気孔を設けると共に、この吸気孔に吸気
管を接続し、この吸気管の吸込口を、吸水槽の最高水位
より高い位置において大気に開放させているので、吸気
管の吸込口に異物が付着して吸気作用を阻害するのも防
止できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される立軸ポンプの全体側面図。
【図2】本発明の第1の実施例を示す要部の詳細縦断面
図。
【図3】本発明の第2の実施例を示す要部の詳細縦断面
図。
【図4】本発明の第3の実施例を示す要部の詳細縦断面
図。
【図5】図4の吸気孔の方向(角度α°)と上記式の
定数kとの関係を示す線図。
【図6】本発明の第4実施例を示す要部の詳細縦断面
図。
【図7】本発明の第5実施例を示す要部の詳細縦断面
図。
【図8】本発明の第6実施例を示す要部の詳細縦断面
図。
【図9】本発明の第7の実施例を示す要部の詳細縦断面
図。
【図10】図9のX−X線矢視図。
【図11】ポンプ羽根車入口部付近における流れの周方
向流速を半径方向各点で測定して示した線図。
【図12】吸気孔の数とポンプ振動との関係を示す線
図。
【図13】本発明の第8実施例を示す要部の詳細縦断面
図。
【図14】図13のY−Y線矢視図。
【符号の説明】
1…羽根車、2…ケーシングライナ、3…吸込ベル、4
…ポンプケーシング、5…揚水管、6…吐出エルボ、7
…吐出管、8…吐出弁、9…吸気孔、10…吸気管、1
1…吸気量調整弁、12…吸込口、20…吸水槽、2
5,26…リブ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−134897(JP,A) 実開 昭63−140199(JP,U) 実開 平1−176785(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04D 13/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポンプ運転中の水位が、それ以下ではポ
    ンプケーシングの吸込ベルから空気を吸い込んでしまう
    最低水位レベルに相当する位置より下方にポンプの羽根
    車を位置させ、この羽根車の下方のポンプケーシング
    周方向に沿って複数個の吸気孔を分散して設け、これら
    の吸気孔のそれぞれに一端を接続すると共に他端をポン
    プ吸水槽の最高水位より高いレベルにて大気に開口させ
    複数の吸気管を設けたことを特徴とする立軸ポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記吸気孔は前記ポ
    ンプケーシングの周方向等分位置に設けたことを特徴と
    する立軸ポンプ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記吸気孔
    の数はポンプ羽根車の羽根枚数以上設けたことを特徴と
    する立軸ポンプ。
  4. 【請求項4】 請求項3において、吸気孔の数はポンプ
    羽根車の羽根の数と等しく、または羽根数の整数倍とし
    たことを特徴とする立軸ポンプ。
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