JPH05262676A - 末端官能基を有する脂肪族直鎖化合物の分離法 - Google Patents

末端官能基を有する脂肪族直鎖化合物の分離法

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JPH05262676A
JPH05262676A JP4177230A JP17723092A JPH05262676A JP H05262676 A JPH05262676 A JP H05262676A JP 4177230 A JP4177230 A JP 4177230A JP 17723092 A JP17723092 A JP 17723092A JP H05262676 A JPH05262676 A JP H05262676A
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urea
aliphatic
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chain
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JP4177230A
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Gregor Deckers
グレゴール・デッケルス
Dieter Frohning
デイーテル・フローニング
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Hoechst AG
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/42Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C51/487Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by treatment giving rise to chemical modification
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/48Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives
    • C07C67/60Separation; Purification; Stabilisation; Use of additives by treatment giving rise to chemical modification

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 末端官能基を有する脂肪族直鎖化合物を、α
- 位において枝分れした異性体を含有する混合物から、
分離する方法において、溶剤及び尿素を加え、該脂肪族
直鎖化合物を尿素包接化合物(クラスレイト)として分
離析出させる方法に関する。 【効果】 本方法は炭素鎖の一端又は両端における末端
官能基としてアルコール- 、アミン- 、エーテル- 、カ
ルボン酸- 又はカルボン酸エステル残基、特にアミン-
、カルボン酸- 又はカルボン酸エステル残基、殊にカ
ルボン酸残基を有する、脂肪族直鎖化合物を分離するた
めに使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、異性体を含有する混合
物から、末端官能基を有する脂肪族直鎖化合物を分離す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この様な混合物は、常法によりその個別
的成分に常には分離することができない。異性体の化合
物の沸点が非常に近いため、異性体を含有する混合物か
ら末端官能基を有する脂肪族直鎖化合物を分離するため
の蒸留はしばしば適さない。脂肪族異性体の全くわずか
な沸点差のため、大多数の受器を有する蒸留塔が必要で
ある。塔の分離精度を適切に利用するために、蒸留を高
い還流比で実施すべきであり、これは分離されるべき個
別的成分の長い滞留時間に導き、それゆえ蒸留物の著し
い熱負荷に導く。高い熱負荷は、通例収率を低下しそし
て、特に敏感な化合物において蒸留によりもはや除去さ
れない変色のために及び不所望な副生成物の生成のため
に不利である。蒸留は、もちろん分離法として蒸留可能
な物質に関してのみ使用することができる。これに対
し、蒸留のために分解又は熱分解を受ける物質は、蒸留
による分離に適さない。
【0003】分別結晶、同様に通常な分離法も限定的に
しか使用することができない。一方、この方法は結晶性
物質に限定されそして他方、分別結晶は、特に多数の個
別的な結晶段階のために、大きな装置的経費と関係して
いる高い労働力の投入を必要とする。
【0004】分別結晶の特別な態様による、14乃至2
4個の炭素原子を有するメチル枝分れ飽和脂肪酸の単離
及び精製が、ドイツ特許出願第3807401A1号公
報中に記載されている。溶融した脂肪酸混合物に湿潤剤
の水性溶液を加えそして該混合物を攪拌下結晶させる。
この方法は、湿潤剤の存在下での湿潤分離又は分別結晶
として称される。この場合得られる分散液を遠心分離
し、その際著しい湿潤剤不含のメチル枝分れ脂肪酸及
び、湿潤剤溶液及びその中に分散した、直鎖飽和脂肪酸
の結晶からなる一層重い相への分離が行われる。
【0005】限られた範囲においては、脂肪族化合物を
分離及び富化するための特殊な方法も使用される。例え
ばInd.Eng.Chem.1950,42(7)、
第1300乃至1306頁においてZimmersch
ied,Dinerstein、Weitkamp u
nd Marschnerが、尿素と直鎖脂肪族化合物
との結晶付加物を記載している。尿素包接化合物の生成
物は、異なる反応成分に左右される。これに関しては、
脂肪族化合物の鎖長及び直線性が挙げられる。しかし置
換基の種類及び大きさ並びにその数及び位置も尿素包接
化合物の生成に影響を及ぼす。一層十分な鎖長において
わずかに枝分れしたアルカンも尿素付加物に導く。例え
ば2- メチルオクタデカンは、直線性がn- ヘキサデカ
ンの直線性と比較できる尿素包接化合物に導く。類似の
挙動は、脂肪酸のエステルも示す。例えばメチル枝分れ
カルボン酸のエステルも尿素を生成する(第1302頁
左欄乃至第1303頁左欄、第2段参照)。
【0006】英国特許第1240513号明細書中に
は、リノール酸及びγ- リノレン酸のエステルからな
り、治療的に使用可能な混合物が記載されている。メタ
ノール中パルミチン- 、ステアリン- 、オレイン- 、リ
ノール- 及びγ- リノレン酸のエステルの溶液への尿素
の添加により尿素包接化合物として、主としてパルミチ
ン-、ステアリン- 及びオレイン酸からなる混合物を分
離させる。治療的に使用可能な所望の、リノール- 及び
γ- リノレン酸のエステルの混合物は、適当な有機溶剤
による残留する溶液の引き続いての抽出により得られ
る。この実施方法は、直鎖、飽和及び不飽和カルボン酸
の分離に限定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記の欠点を避けそし
て同様に比較的わずかな経費で実施することができる方
法を提供する課題が本発明の基礎になっている。さら
に、本方法は、所望の化合物の良好な分離を確保すべき
である。
【0008】
【課題を解決しようとする手段】この課題は、末端官能
基を有する脂肪族直鎖化合物を、α- 位において枝分れ
した異性体を含有する混合物から、分離する方法におい
て、該脂肪族化合物を含有する混合物に溶剤及び尿素を
加え、場合により加温し、引き続いての冷却により尿素
包接化合物(クラスレイト)を晶出させそして該脂肪族
化合物を結晶尿素包接化合物から遊離させることを特徴
とする方法により解決される。
【0009】正方晶系のプリズムを形成する純尿素と異
なり、尿素クラスレイトは、長い凝集性導管を含有する
六方格子で結晶する。この導管に、ゲスト分子とも称さ
れる異物分子が組み入れられる。尿素分子は、蜂蜜の巣
に似た横断面を有する6角形のプリズムを形成する。
【0010】尿素とゲスト分子との間の著しくきわだっ
たファンデルワース力に基づいて、ゲスト分子はクラス
レイトの六方格子を安定化させる。異物分子は、その後
特別な空間配列に必ずしも組み入れられるとはかぎらな
い。長鎖炭化水素及びそれらの誘導体は、通常縦軸と共
に6角形のプリズムの軸に組み入れられる。
【0011】六方格子は、それ自体安定していないとわ
かりそして組み入れられた分子が蒸気又は抽出により除
去されたら直ちにつぶれる。この様にしてゲスト分子と
して組み入れられた脂肪族化合物を、結晶尿素包接化合
物から再び遊離させることができる。
【0012】クラスレイトとして分離される脂肪族化合
物は、十分な長さの枝分れ鎖を有すべきである。したが
って、鎖は少なくとも8個の炭素原子を包含すべきであ
る。枝分れしていない鎖中に8乃至24、特に8乃至2
2、殊に10乃至19個の炭素原子を有する脂肪族直鎖
化合物が良好に適する。
【0013】本発明による方法は、炭素鎖の一端又は両
端における末端官能基としてアルコール- 、アミン- 、
エーテル- 、カルボン酸- 又はカルボン酸エステル残
基、特にアミン- 、カルボン酸- 又はカルボン酸エステ
ル残基、殊にカルボン酸残基を有する、脂肪族直鎖化合
物を分離するために使用することができる。
【0014】アルコールとして、n- オクタノール、n
- ウンデカノール、n- ヘキサデカノール、n- オクタ
デカノール及びn- ノナデカノール、特にn- ウンデカ
ノール及びn- ノナデカノールが挙げられる。
【0015】アミンの例は、1,8- ジアミノオクタン
及び1,12- ジアミノデカンエーテルの例は、n- ア
ルキルが8乃至24個のC- 原子を有する基を示すn-
アルキル- 第三ブチルエーテルである。
【0016】カルボン酸は、ウンデカン- 、ドデカン-
、トリデカン- 、ペンタデカン- 、ヘキサデカン- 、
オクタデカン- 及びノナデカン酸、特にウンデカン- 、
トリデカン- 、ペンタデカン- 及びノナデカン酸であ
る。
【0017】カルボン酸エステルとして、飽和、枝分れ
していないカルボン酸、例えばデカン- 、ウンデカン-
、ドデカン- 、トリデカン- 、ペンタデカン- 、ヘキ
サデカン- 、オクタデカン- 及びノナデカン酸、特にウ
ンデカン- 、トリデカン- 、テトラデカン- 及びノナデ
カン酸のメチル- 、エチル- 及びプロピルエステルが挙
げられる。
【0018】前記の脂肪族飽和化合物から、ウンデカノ
ール、ノナデカノール、1,8- ジアミノオクタン、ペ
ンタデカン酸、ペンタデカン酸メチルエステル、特にペ
ンタデカン酸又はペンタデカン酸メチルエステルが有効
であると強調されるべきである。
【0019】分離されるべき異性体は、通常の位置異性
体のほかにα- 位において、要するに脂肪族直鎖化合物
の末端官能基に直接隣接して枝分れ、特にアルキル- 残
基を有する該異性体である。アルキル残基は、メチル-
エチル- 、n- プロピル- 、i- プロピル- 、n- ブチ
ル- 又はi- ブチル基、特にメチル- 又はエチル基、殊
にメチル基である。
【0020】製造の種類により一定の反応生成物は、著
しい範囲でα- メチル枝分れ異性体を含有する。これ
は、特にヒドロホルミル化により末端オレフィンから製
造されそして、場合により引き続いてさらに加工される
物質にいえる。ヒドロホルミル化に由来するアルデヒド
は、通例直鎖、枝分れしていないアルデヒド及びα- 位
においてメチルが枝分れしているアルデヒドの混合物か
らなる。この様なアルデヒド混合物は、対応するアルコ
ール、カルボン酸- 及びカルボン酸エステル混合物に変
えることができる。
【0021】分離されるべき化合物を含有する混合物に
溶剤及び尿素を加える。溶剤として、アルコール、ケト
ン、エーテル、炭化水素及び/又は水を使用することが
できる。適当なアルコールは脂肪族アルコール、特に1
乃至4個の炭素原子を有する脂肪族アルコール、殊にメ
タノール及び/又はエタノール──場合により水と混合
した──である。メタノールが殊に有効である。
【0022】多数の場合、溶剤としての水を、必要な場
合には1又は多数の前記の溶剤と共に使用することが有
用である。溶剤又は溶剤混合物の選択は、使用問題の種
類に左右される。それゆえそれぞれ実施されるべき分離
法に適する溶剤又は溶剤混合物が選抜されるべきであ
る。溶剤又は溶剤混合物は尿素と共にクラスレイト又は
付加物を形成してはならずそして溶液中に存在する物質
に比較して不活性に挙動する。
【0023】たいていの場合メタノール、エタノール及
び/又は水の使用は有効である。溶剤及び尿素は、分離
されるべき混合物に分離しそして同時に又は順次添加す
ることができる。通常まず溶剤をそして引き続いて尿素
を攪拌下添加する。尿素を溶剤の形で使用することも可
能である。
【0024】本発明による方法を実施するためには、ク
ラスレイトとして分離されるべき化合物に対する、尿素
の量は重要である。なるほど尿素の低減量は分離法の選
択率を増大させるが、しかし同時に収率も低下させる。
一方、使用される尿素量の増大は収率の増大に導くが、
しかし他方分離法の選択率の低下に導く。
【0025】使用されるべき尿素量を確定する場合、分
離されるべき化合物のモル量のほかに当該分子の鎖長も
考慮することが有効である。基準値として、ゲスト分子
として尿素骨格に挿入される分子鎖1オングストローム
(10-10 m)当たり0.3乃至1.0、特に0.4乃
至0.9、殊に0.5乃至0.75単位の尿素を用いる
ことができる程度の尿素を使用することが推奨される。
例えば鎖長12オングストロームを有する脂肪族化合物
1モルが、尿素1モルとして計算した前記の基準値の1
2- 倍量を必要とする。これに対し、例えば16オング
ストロームの鎖長を有する化合物0.5モルは、尿素1
モルとして計算した通常の基準値の8-倍量しか必要と
しない。
【0026】7、10、12又は16個の炭素原子を有
するアルカンの鎖長は、約9、13.5、15.5又は
21オングストロームであり、7、10、12、16、
又は18個の炭素原子を有するカルボン酸の鎖長は、約
10、14、16.5、21.5又は24オングストロ
ームと評価されるべきである。この値により尿素必要量
の比較的正確な評価を実施することができる(Sche
nck,Ann.565,1949,第.204乃至2
40頁参照)。
【0027】本発明による方法は、回分式又は連続的に
実施することができる。回分式の実施は殊に簡単であ
る。通常、尿素又は尿素を含有する溶液を分離されるべ
き混合物に所望の量で添加し、場合により攪拌下、澄明
な溶液が得られるまで、温度を高めそして引き続いてこ
れを冷却させる。
【0028】一般に、尿素の添加後混合物を25乃至1
00、特に30乃至90、殊に35乃至85℃の温度に
加温することが有効である。攪拌は尿素の溶解を補助す
る。引き続いて尿素包接化合物を含有する溶液を徐々
に、例えば−25乃至+50、特に−10乃至+40、
殊に0乃至+30℃に冷却させる。結晶した尿素クラス
レイトを、例えばデカンテーション及び/又は濾過によ
り分離しそして、場合により冷溶剤又は溶剤混合物によ
り洗浄する。
【0029】クラスレイトとして分離した脂肪族直鎖化
合物を水中への尿素包接化合物の溶解により遊離させそ
して、場合により酸性化後有機溶剤による抽出により水
性溶液から除去することができる。溶剤として水に不溶
な有機溶剤、例えばシクロヘキサン、酢酸エチルエステ
ル、ジ- n- ブチルエーテル、特に酢酸エチルエステル
が適する。
【0030】必要な場合には、前記の方法を多数回くり
返すことができる。
【0031】
【実施例】下記の例により本発明を実証するが、本発明
は該例により限定されてはない。 例 1 n- ペンタデカン酸57.65重量%及び2- メチルテ
トラデカン酸18.12重量%を含有する混合物3.8
5gに、尿素8.2g及び、イソプロパノール8容量部
及び水1容量部からなる溶剤混合物25mlを加えそし
て攪拌下、清澄な溶液が得られるまで、加熱する。
【0032】20℃に冷却しそして混合物を24時間こ
の温度において放置する。引き続いて、沈澱したクラス
レイト結晶を濾過ヌッチェによって濾別しそして濾過残
留物をイソプロパノール8容量部及び水1容量部からな
る、5℃に冷却した溶剤混合物それぞれ10mlで3回
洗浄する。
【0033】クラスレイト結晶を水に溶解する。塩酸の
添加によりpH- 値を3乃至4にする。酸性化した水性
溶液に3回シクロヘキサンそれぞれ20mlを加えそし
て抽出する。分離したシクロヘキサン相を一緒にし、2
回水で洗浄しそして引き続いてNa2 SO4 上で乾燥さ
せる。蒸発によるシクロヘキサンの除去後、n- ペンタ
デカン酸66.0重量%、しかし2- メチルテトラデカ
ン酸ただ2.15重量%を有する混合物が得られる。
【0034】使用したn- ペンタデカン酸60.9重量
%が回収される。カルボン酸の分析測定は、全ての例に
おいて、対応するメチルエステルに変えた後、ガスクロ
マトグラフィー分析により行われる。この場合ステアリ
ン酸が内部標準として使用される。 例 2 例1において使用した混合物24.2gに尿素72g及
びメタノール180mlを加えそして、清澄な溶液が得
られるまで、攪拌する。室温に冷却しそして混合物を2
4時間この温度において放置する。引き続いて、沈澱し
たクラスレイト結晶を濾過ヌッチェによって濾別する。
【0035】分析する目的で、この様に得られるクラス
レイト結晶約5重量%を取り出しそして、以下に記載の
如く、後処理する。残留する量を、例3において記載の
如く、さらに処理する。
【0036】クラスレイト結晶を水に溶解する。塩酸の
添加によりpH- 値を3乃至4にする。酸性化した水性
溶液に3回酢酸エチルエステルそれぞれ100mlを加
えそして抽出する。分離した酢酸エチルエステル相を一
緒にし、2回水で洗浄しそして引き続いてNa2 SO4
上で乾燥させる。蒸発による酢酸エチルエステルの除去
後、n- ペンタデカン酸66.1重量%、しかし2- メ
チルテトラデカン酸ただ1.0重量%を有する混合物が
得られる。
【0037】使用したn- ペンタデカン酸60.9重量
%が回収される。カルボン酸の分析測定は、全ての例に
おいて、対応するメチルエステルに変えた後、ガスクロ
マトグラフィー分析により行われる。この場合ステアリ
ン酸が内部標準として使用される。 例 3 2- メチルテトラデカン酸1.0重量%及びn- ペンタ
デカン酸66.1重量%を含有する混合物を得ることが
できる、例2から由来するクラスレイト結晶に尿素21
g及びメタノール180mlを加え、60℃に加熱しそ
して、清澄な溶液が得られるまで、攪拌する。室温に冷
却しそして混合物を24時間この温度において放置す
る。引き続いて、沈澱したクラスレイトを濾過ヌッチェ
により濾別する。
【0038】クラスレイト結晶を水に溶解し、そしてこ
れを、例2に記載の如く、さらに処理する。塩酸の添
加、酢酸エチルエステルによる抽出、一緒にした有機相
の乾燥及び酢酸エチルエステルの蒸発の後、n- ペンタ
デカン酸76.1重量%、しかし2- メチルテトラデカ
ン酸ただ0.22重量%を有する混合物が得られる。
【0039】n- ペンタデカン酸の収率は、例2におい
て使用したn- ペンタデカン酸の量に対し、それぞれガ
スクロマトグラフィーにより測定して、74.7重量%
でありそして、重量分析により測定して、78.9重量
%である。n- ペンタデカン酸の収率は、例2において
使用したn- ペンタデカン酸の量に対し、それぞれ、ガ
スクロマトグラフィーにより測定して、80.1重量%
でありそして、重量分析により測定して、84.6重量
%である。 例 4 n- ペンタデカン酸メチルエステル52.77重量%及
び2- メチルテトラデカン酸メチルエステル17.71
重量%を含有する混合物90.3gを3連続段階におい
て後処理する。
【0040】メチルエステル混合物並びに段階1及び2
から得られるクラスレイト結晶に次表からそれぞれ明ら
かな量の尿素及びメタノールを加え、還流温度に加熱し
そして、清澄な溶液が得られるまで、攪拌する。
【0041】室温に冷却しそして混合物を24時間室温
において放置し、その後さらに6時間+5℃に冷却しそ
して、沈澱したクラスレイト結晶を濾過ヌッチェにより
濾過する。
【0042】段階3において得られるクラスレイト結晶
を水に溶解する。塩酸の添加によりpH- 値を3乃至4
にする。酸性化した水性溶液に3回酢酸エチルエステル
それぞれ100mlを加えそして抽出する。分離した酢
酸エチルエステル相を一緒にし、2回水で洗浄しそして
引き続いてNa2 SO4 上で乾燥させる。蒸発による酢
酸エチルエステルの除去後、次表中で明らかにした混合
物(ガスクロマトグラフィー分析により測定)が得られ
る。収率の記載は重量分析により測定したものである。
【0043】分析する目的で、それぞれ、個別的段階に
おいて得られるクラスレイト結晶約5重量%を取り出し
そして段階3において得られるクラスレイト結晶と類似
して後処理する。
【0044】段階1及び2から得られるクラスレイトの
残留量を段階2及び3において使用しそして、前記の指
示において規定する様に、さらに処理する。収率に関す
る記載の場合、分析する目的で分けた量が考慮される。
【0045】 例 5 1,8- ジアミノオクタン76.6重量%、2,5- ジ
メチル- 1,6- ジアミノヘキサン0.4重量%及び2
- メチル- 1,7- ジアミノヘプタン12.3重量%
(ガスクロマトグラフィーにより測定)を含有する混合
物を、例4の段階1に類似して処理する。得られるクラ
スレイト結晶を例4の段階3に類似して後処理する。ク
ラスレイトから遊離した混合物は、主成分としての1,
8- ジアミノオクタンのほかに2- メチル- 1,7- ジ
アミノヘプタン0.2乃至0.5重量%のみを含有す
る。2,5- ジメチル- 1,6- ジアミノヘキサンはも
はや存在しない。
【0046】収率は、使用した1,8- ジアミノオクタ
ンに対し、63重量%である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、異性体を含有する
混合物から、末端官能基を有する脂肪族直鎖化合物を分
離する公知の方法の場合、大多数の受器を有する蒸留塔
を必要とし、その場合通例低い収率及び不所望な副生成
物の生成のために不利であり、他方、分別結晶による公
知の該分離法は、特に多数の個別的な結晶段階のため
に、大きな装置的経費と関係している高い労働力の投入
を必要とし、さらに、脂肪族化合物を分離及び富化する
ための別の特殊な方法の場合、尿素包接化合物の生成に
影響を及ぼし、わずかに枝分れしたアルカンも尿素付加
物に導く。最後に、別の公知該分離法は、直鎖、飽和及
び不飽和カルボン酸の分離に限定される。これに対し、
本発明による該分離法の場合、前記の欠点を有せずそし
て比較的わずかな経費で実施することができ、所望の化
合物を良好に分離することができるという長所を有す
る。
【0048】本発明は、特許請求の範囲に記載の請求項
1、2、3及び4に関するものであるが、以下の記載の
発明を実施の態様として包含している: (1)脂肪族直鎖化合物が、8乃至24、特に8乃至2
2、殊に10乃至19個の炭素原子を有する、枝分れし
ていない鎖を含有することを特徴とする請求項1記載の
方法。 (2)脂肪族直鎖化合物が、末端官能基としてアルコー
ル- 、アミン- 、エーテル- 、カルボン酸- 又はカルボ
ン酸エステル残基、特にアミン- 、カルボン酸- 又はカ
ルボン酸エステル残基、殊にカルボン酸- 又はカルボン
酸エステル残基を含有することを特徴とする請求項1及
び上記事項(1)のいずれか一つに記載の方法。 (3)脂肪族直鎖化合物が、ウンデカノール、ノナデカ
ノール、1,8- ジアミノオクタン、ペンタデカン酸、
ペンタデカン酸メチルエステル、特にペンタデカン酸又
はペンタデカン酸メチルエステルであることを特徴とす
る請求項1、上記事項(1)及び(2)のいずれか一つ
に記載の方法。 (4)脂肪族直鎖化合物を含有する混合物が、脂肪族化
合物のα- アルキル枝分れ異性体、特にα- メチル枝分
れ異性体を含有することを特徴とする請求項1、上記事
項(1)及び(2)のいずれか一つに記載の方法。 (5)溶剤としてアルコール、特に1乃至4個の炭素原
子を有する脂肪族アルコール、ケトン、エーテル、炭化
水素及び/又は水を使用することを特徴とする請求項1
及び上記事項(1)乃至(3)のいずれか一つに記載の
方法。 (6)25乃至100、特に30乃至90、殊に35乃
至85℃の温度に加温することを特徴とする請求項1、
2及び上記事項(1)乃至(5)のいずれか一つに記載
の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 51/487 53/126 7306−4H 67/60 69/24 8018−4H 209/86 211/09 9280−4H

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 末端官能基を有する脂肪族直鎖化合物
    を、α- 位において枝分れした異性体を含有する混合物
    から、分離する方法において、該脂肪族化合物を含有す
    る混合物に溶剤及び尿素を加え、場合により加温し、引
    き続いての冷却により尿素包接化合物(クラスレイト)
    を晶出させそして該脂肪族化合物を結晶尿素包接化合物
    から遊離させることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 分離されるべき脂肪族直鎖化合物1モル
    当たり及び分離されるべき脂肪族直鎖化合物の、尿素中
    に包接される分子鎖1オングストローム当たり0.3乃
    至1.0、特に0.4乃至0.9、殊に0.5乃至0.
    75モルの尿素を使用することを特徴とする請求項1記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 尿素包接化合物を含有する溶液を徐々に
    −25乃至+50、特に−10乃至+40、殊に0乃至
    +30℃に冷却させ、結晶した尿素包接化合物を分離し
    そして、場合により冷溶剤により洗浄することを特徴と
    する請求項1又は2記載の方法。
  4. 【請求項4】 脂肪族直鎖化合物を水中への尿素包接化
    合物の溶解により遊離させそして有機溶剤による抽出に
    より水性溶液から分離することを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれか一つに記載の方法。
JP4177230A 1991-07-12 1992-07-03 末端官能基を有する脂肪族直鎖化合物の分離法 Pending JPH05262676A (ja)

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