JPH05262646A - 肝障害抑制剤 - Google Patents
肝障害抑制剤Info
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- JPH05262646A JPH05262646A JP9725592A JP9725592A JPH05262646A JP H05262646 A JPH05262646 A JP H05262646A JP 9725592 A JP9725592 A JP 9725592A JP 9725592 A JP9725592 A JP 9725592A JP H05262646 A JPH05262646 A JP H05262646A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 経口投与によって高い肝障害の予防及び治療
効果を有する新規な肝障害抑制剤を提供する。 【構成】 式(I)で表される化合物を有効成分とする
肝障害抑制剤。 【化3】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基を示すか、又は結合する
窒素原子と共にピペリジノ基などの5又は6員環を形成
してもよい。m、nは同一又は異なって0〜2の整数、
pは0〜6の整数を示す)前記化合物には、コショウな
どに含まれるアルカロイド、例えば、ピペリン、ピペロ
ナリン、ファガラミドなどが含まれる。前記化合物は、
アセトアミノフェン急性肝障害モデルにおいて、AL
T、ASTの抑制作用を示す。
効果を有する新規な肝障害抑制剤を提供する。 【構成】 式(I)で表される化合物を有効成分とする
肝障害抑制剤。 【化3】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基を示すか、又は結合する
窒素原子と共にピペリジノ基などの5又は6員環を形成
してもよい。m、nは同一又は異なって0〜2の整数、
pは0〜6の整数を示す)前記化合物には、コショウな
どに含まれるアルカロイド、例えば、ピペリン、ピペロ
ナリン、ファガラミドなどが含まれる。前記化合物は、
アセトアミノフェン急性肝障害モデルにおいて、AL
T、ASTの抑制作用を示す。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コショウなどに含まれ
るアルカロイド及び関連誘導体を有効成分とする肝障害
抑制剤に関する。
るアルカロイド及び関連誘導体を有効成分とする肝障害
抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】肝障害の成因は一様でなく、ウィルス、
アルコール、薬物、毒物や肝循環系障害、胆管閉塞など
による急性および慢性の肝障害が絡み合って、ウィルス
肝炎、薬物中毒肝炎、アルコール性肝炎、鬱血性肝炎、
胆汁鬱帯、脂肪肝、黄疸および肝硬変などの疾病を引起
こす。また、現状では、これらの疾病の予防及び治療は
極めて困難である。
アルコール、薬物、毒物や肝循環系障害、胆管閉塞など
による急性および慢性の肝障害が絡み合って、ウィルス
肝炎、薬物中毒肝炎、アルコール性肝炎、鬱血性肝炎、
胆汁鬱帯、脂肪肝、黄疸および肝硬変などの疾病を引起
こす。また、現状では、これらの疾病の予防及び治療は
極めて困難である。
【0003】肝障害の予防及び治療に用いられている薬
剤として、グリチルリチン製剤が知られている。しか
し、偽アルドステロン作用などの副作用がある。また、
その薬効発現には、静脈内投与が必要であり経口投与で
は無効である。
剤として、グリチルリチン製剤が知られている。しか
し、偽アルドステロン作用などの副作用がある。また、
その薬効発現には、静脈内投与が必要であり経口投与で
は無効である。
【0004】なお、肝障害の予防及び治療に有用な化合
物として、特開平2−124884号公報には、N−
(3,4−メチレンジオキシフェナシル)アセトアミド
などのN−置換アミド誘導体が開示され、特開平2−1
38160号公報には、N−メチル−N−フェナシルブ
タンアミドやN−(4−フルオロフェナシル)−N−メ
チルペンタンアミドなどのN−置換アミド誘導体が開示
されている。また、特開平2−145572号公報に
は、3−(1,1−ジエトキシ−2−ヘキサンアミドエ
チル)ピリジンなどのN−置換アミド誘導体が開示され
ている。
物として、特開平2−124884号公報には、N−
(3,4−メチレンジオキシフェナシル)アセトアミド
などのN−置換アミド誘導体が開示され、特開平2−1
38160号公報には、N−メチル−N−フェナシルブ
タンアミドやN−(4−フルオロフェナシル)−N−メ
チルペンタンアミドなどのN−置換アミド誘導体が開示
されている。また、特開平2−145572号公報に
は、3−(1,1−ジエトキシ−2−ヘキサンアミドエ
チル)ピリジンなどのN−置換アミド誘導体が開示され
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、経口
投与によっても高い肝障害の予防及び治療効果を有する
新規な肝障害抑制剤を提供することにある。
投与によっても高い肝障害の予防及び治療効果を有する
新規な肝障害抑制剤を提供することにある。
【0006】
【発明の構成】本発明者らは、肝障害の予防及び治療に
有効な薬物を開発すべく、植物成分の研究を鋭意検討し
た結果、コショウなどに含まれる特定のアルカロイド及
びその誘導体が、アセトアミノフェン急性肝障害モデル
において、アラニンアミノトランスフェラーゼ(AL
T)、アスパルテートアミノトランスフェラーゼ(AS
T)の漏出抑制作用を示し、肝障害に対して、経口投与
により優れた保護作用を有することを見いだし、本発明
を完成した。
有効な薬物を開発すべく、植物成分の研究を鋭意検討し
た結果、コショウなどに含まれる特定のアルカロイド及
びその誘導体が、アセトアミノフェン急性肝障害モデル
において、アラニンアミノトランスフェラーゼ(AL
T)、アスパルテートアミノトランスフェラーゼ(AS
T)の漏出抑制作用を示し、肝障害に対して、経口投与
により優れた保護作用を有することを見いだし、本発明
を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、式(I)
【0008】
【化2】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基を示すか、又は結合する
窒素原子と共に5又は6員環を形成してもよい。m、n
は同一又は異なって0〜2の整数、pは0〜6の整数を
示す)で表される化合物を有効成分とする肝障害抑制剤
を提供する。
子、炭素数1〜6のアルキル基を示すか、又は結合する
窒素原子と共に5又は6員環を形成してもよい。m、n
は同一又は異なって0〜2の整数、pは0〜6の整数を
示す)で表される化合物を有効成分とする肝障害抑制剤
を提供する。
【0009】前記アルキル基としては、例えば、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペ
ンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、イソ
ヘキシル基などの直鎖又は分岐鎖低級アルキル基が挙げ
られる。好ましいアルキル基には、炭素数2〜6、特に
炭素数3〜5のアルキル基が含まれる。
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペ
ンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、イソ
ヘキシル基などの直鎖又は分岐鎖低級アルキル基が挙げ
られる。好ましいアルキル基には、炭素数2〜6、特に
炭素数3〜5のアルキル基が含まれる。
【0010】窒素原子と共に形成する5又は6員環とし
ては、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾリジ
ン、イミダゾリジン、ピラゾリジンなどの5員複素環;
ピペリジン、ピペラジン、モルホリンなどの6員複素環
が挙げられる。好ましい複素環には、ピロール、ピロリ
ジン、ピペリジンなどが含まれる。
ては、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ピラゾリジ
ン、イミダゾリジン、ピラゾリジンなどの5員複素環;
ピペリジン、ピペラジン、モルホリンなどの6員複素環
が挙げられる。好ましい複素環には、ピロール、ピロリ
ジン、ピペリジンなどが含まれる。
【0011】好ましい化合物においてm、n及びpは同
時に0ではない。特に好ましい化合物はm=1の化合物
である。
時に0ではない。特に好ましい化合物はm=1の化合物
である。
【0012】前記式(I)で表される化合物のうちR1
とR2 とがピペリジノ基を形成する化合物の具体例とし
ては、1−[3−(3,4−メチレンジオキシフェニ
ル)プロペノイル]ピペリジン、ピペリン(m=n=
1,p=0)(Chem. Ber., 103,3852 )、ピペロナリ
ン(m=n=1,p=4)(Chem. Pharm. Bull., 31,
3562 (1983) )などが挙げられる。R1 とR2 とが水素
原子又はアルキル基である化合物の具体例としては、フ
ァガラミド(m=1,n=p=0)(Ber., 44, 3717
(1911) )、ピペロングミニン(m=n=1,p=0)
(Tetrahedron Lett.,1966, 1797 )、レトロフラクト
アミド C(m=n=1,p=4)(Phytochemistry,
24, 279 (1985))、ピペリサイド(m=1,n=2,p
=4)(Agric.Biol. Chem., 43, 1609 (1979) )、グ
イネンシン(m=1,n=2,p=6)(Agric. Biol.
Chem., 45, 1473 (1981) )などが挙げられる。
とR2 とがピペリジノ基を形成する化合物の具体例とし
ては、1−[3−(3,4−メチレンジオキシフェニ
ル)プロペノイル]ピペリジン、ピペリン(m=n=
1,p=0)(Chem. Ber., 103,3852 )、ピペロナリ
ン(m=n=1,p=4)(Chem. Pharm. Bull., 31,
3562 (1983) )などが挙げられる。R1 とR2 とが水素
原子又はアルキル基である化合物の具体例としては、フ
ァガラミド(m=1,n=p=0)(Ber., 44, 3717
(1911) )、ピペロングミニン(m=n=1,p=0)
(Tetrahedron Lett.,1966, 1797 )、レトロフラクト
アミド C(m=n=1,p=4)(Phytochemistry,
24, 279 (1985))、ピペリサイド(m=1,n=2,p
=4)(Agric.Biol. Chem., 43, 1609 (1979) )、グ
イネンシン(m=1,n=2,p=6)(Agric. Biol.
Chem., 45, 1473 (1981) )などが挙げられる。
【0013】これらの化合物群はコショウの辛味成分と
して単離され、殺虫効果が知られている。しかし、肝障
害に対して保護作用を有することは知られていない。
して単離され、殺虫効果が知られている。しかし、肝障
害に対して保護作用を有することは知られていない。
【0014】前記式(I)で表される化合物は、コショ
ウ科(Piperaceae)植物、例えば、コショウ(Pipernig
rum Linn. )やインディアン・テール・ペパー(Indian
Tail Pepper)などの果実から抽出、単離することによ
り得ることができる。
ウ科(Piperaceae)植物、例えば、コショウ(Pipernig
rum Linn. )やインディアン・テール・ペパー(Indian
Tail Pepper)などの果実から抽出、単離することによ
り得ることができる。
【0015】抽出は、慣用の溶媒、例えば、親水性溶媒
を用いて行なうことができる。親水性溶媒としては、例
えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、ブタノールなどのアルコール類;ジオキサ
ン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセトンな
どのケトン類などが挙げられる。これらの抽出溶媒のう
ち、アセトンが繁用される。
を用いて行なうことができる。親水性溶媒としては、例
えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、ブタノールなどのアルコール類;ジオキサ
ン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセトンな
どのケトン類などが挙げられる。これらの抽出溶媒のう
ち、アセトンが繁用される。
【0016】抽出は、例えば、0℃〜溶媒の還流温度、
好ましくは15〜100℃程度で行なうことができる。
好ましくは15〜100℃程度で行なうことができる。
【0017】抽出エキスは、必要に応じて濃縮し、通
常、適宜の溶媒で結晶化するか、疎水性溶媒により分配
し、有機層をクロマトグラフィー(カラムクロマトグラ
フィー、ゲルクロマトグラフィーなど)やイオン交換樹
脂などの分離精製手段に供することにより、前記化合物
を単離できる。
常、適宜の溶媒で結晶化するか、疎水性溶媒により分配
し、有機層をクロマトグラフィー(カラムクロマトグラ
フィー、ゲルクロマトグラフィーなど)やイオン交換樹
脂などの分離精製手段に供することにより、前記化合物
を単離できる。
【0018】前記疎水性溶媒としては、シクロヘキサノ
ールなどのアルコール類;ヘキサン、オクタンなどの脂
肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素、
ベンゼン,トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;
ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素などのハ
ロゲン化炭化水素;クロロホルム、ジエチルエーテル、
ジプロピルエーテルなどのエーテル類;メチルエチルケ
トンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエ
ステル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホ
キシド類;これらの混合溶媒などが挙げられる。
ールなどのアルコール類;ヘキサン、オクタンなどの脂
肪族炭化水素;シクロヘキサンなどの脂環族炭化水素、
ベンゼン,トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素;
ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素などのハ
ロゲン化炭化水素;クロロホルム、ジエチルエーテル、
ジプロピルエーテルなどのエーテル類;メチルエチルケ
トンなどのケトン類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエ
ステル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ドなどのアミド類;ジメチルスルホキシドなどのスルホ
キシド類;これらの混合溶媒などが挙げられる。
【0019】また、前記化合物は、化学合成法、例え
ば、雑誌「Chem. Ber., 56, 699 (1923)」、韓国雑誌
「Yakhak Hoechi , 30(4), 163-8(1986)」、中華人民共
和国雑誌「Beijing Yixueyuan Xuebao 17(3), 225-8
(1985) 」および「Yaoxue Xuebao21(8), 5805 (1986)」
に記載された方法又はそれに準じた方法により製造する
こともできる。
ば、雑誌「Chem. Ber., 56, 699 (1923)」、韓国雑誌
「Yakhak Hoechi , 30(4), 163-8(1986)」、中華人民共
和国雑誌「Beijing Yixueyuan Xuebao 17(3), 225-8
(1985) 」および「Yaoxue Xuebao21(8), 5805 (1986)」
に記載された方法又はそれに準じた方法により製造する
こともできる。
【0020】なお、これらの文献には、抗ケイレン作用
を有する化合物が記載されているが、抗ケイレン作用と
肝障害との間に相関関係は見いだせない。
を有する化合物が記載されているが、抗ケイレン作用と
肝障害との間に相関関係は見いだせない。
【0021】上記本発明の化合物はコショウ成分として
食料に供されていることからも分かるように、低毒性で
あって安全性が高い。そのため、本発明により、安全な
肝障害抑制剤が提供される。
食料に供されていることからも分かるように、低毒性で
あって安全性が高い。そのため、本発明により、安全な
肝障害抑制剤が提供される。
【0022】本発明の肝障害抑制剤は、前記式(I)で
表される化合物を有効成分として含む。式(I)で表さ
れる化合物の含有量は、特に制限されないが、通常、投
与単位当り、0.1〜500mg程度である。式(I)
で表される化合物の投与量は、化合物の種類、投与経
路、年齢、肝障害の程度及び肝疾患の種類などにより異
なるが、通常、成人1日当り、約0.1〜500mg、
好ましくは1〜100mg程度である。投与回数は特に
制限されず、一回又は数回に別けて投与できる。
表される化合物を有効成分として含む。式(I)で表さ
れる化合物の含有量は、特に制限されないが、通常、投
与単位当り、0.1〜500mg程度である。式(I)
で表される化合物の投与量は、化合物の種類、投与経
路、年齢、肝障害の程度及び肝疾患の種類などにより異
なるが、通常、成人1日当り、約0.1〜500mg、
好ましくは1〜100mg程度である。投与回数は特に
制限されず、一回又は数回に別けて投与できる。
【0023】本発明の肝障害抑制剤は、経口投与によっ
ても薬効効果が有効に発現するという特色がある。その
ため、投与方法は、経口および非経口のいずれであって
もよい。
ても薬効効果が有効に発現するという特色がある。その
ため、投与方法は、経口および非経口のいずれであって
もよい。
【0024】投与剤形としては、錠剤、顆粒剤、散剤、
丸剤、カプセル剤などの固形剤;懸濁剤、乳剤、注射
剤、輸液などの液剤が挙げられる。
丸剤、カプセル剤などの固形剤;懸濁剤、乳剤、注射
剤、輸液などの液剤が挙げられる。
【0025】経口用固形製剤の調製には、慣用の成分、
例えば、デンプン、乳糖、ショ糖、マンニトール、コー
ンスターチなどの糖類、結晶セルロース、カルボキシメ
チルセルロース、ケイ酸などの賦形剤;ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、
エチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチ
ン、ヒドロキシプロピルセルロース、クエン酸カルシウ
ム、デキストリン、ペクチンなどの結合剤;ステアリン
酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールなど
の滑沢剤;カルボキシメチルセルロースカルシウムなど
の崩壊剤、崩壊助剤、安定剤、着色剤などが使用でき
る。式(I)の化合物及び必要により上記添加成分を用
い、上記剤形の肝臓障害抑制剤は、常法に従って製造す
ることができる。
例えば、デンプン、乳糖、ショ糖、マンニトール、コー
ンスターチなどの糖類、結晶セルロース、カルボキシメ
チルセルロース、ケイ酸などの賦形剤;ポリビニルアル
コール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、
エチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチ
ン、ヒドロキシプロピルセルロース、クエン酸カルシウ
ム、デキストリン、ペクチンなどの結合剤;ステアリン
酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールなど
の滑沢剤;カルボキシメチルセルロースカルシウムなど
の崩壊剤、崩壊助剤、安定剤、着色剤などが使用でき
る。式(I)の化合物及び必要により上記添加成分を用
い、上記剤形の肝臓障害抑制剤は、常法に従って製造す
ることができる。
【0026】なお、肝障害の抑制作用は、通常、肝障害
誘発物質を投与した試験動物の肝機能障害に対する被検
化合物の抑制効果により判定される。肝障害誘発物質と
しては、例えば、四塩化炭素、D−ガラクトサミン、ア
セトアミノフェンなどが使用できる。
誘発物質を投与した試験動物の肝機能障害に対する被検
化合物の抑制効果により判定される。肝障害誘発物質と
しては、例えば、四塩化炭素、D−ガラクトサミン、ア
セトアミノフェンなどが使用できる。
【0027】
【発明の効果】前記式(I)で表される化合物は、経口
投与によっても、アセトアミノフェン急性肝障害モデル
において、ALT、ASTの高い抑制作用を示す。従っ
て、本発明の肝障害抑制剤は、経口投与による肝障害の
予防及び治療薬として有用である。
投与によっても、アセトアミノフェン急性肝障害モデル
において、ALT、ASTの高い抑制作用を示す。従っ
て、本発明の肝障害抑制剤は、経口投与による肝障害の
予防及び治療薬として有用である。
【0028】
【実施例】以下に、実施例及び実験例に基づいて本発明
をより詳細に説明する。
をより詳細に説明する。
【0029】実験例の被検化合物は、上記文献記載の方
法に準じて合成したものおよびコショウから抽出精製し
たものを用いた。より具体的には、被検化合物は、下記
のようにして得た。
法に準じて合成したものおよびコショウから抽出精製し
たものを用いた。より具体的には、被検化合物は、下記
のようにして得た。
【0030】実施例1の化合物の製造例 3,4−メチレンジオキシ桂皮酸2gを、ジクロロメタ
ン中、塩化チオニル1.5mlと0.5時間加熱した。
溶媒と過剰の塩化チオニルを除去し、残渣にトルエンを
加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣をジクロロメタン
に溶解し、氷冷下、ピペリジン2.06mlの塩化メチ
レン溶液を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を常法
により処理し、酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し、無
色針状晶の1−[3−(3,4−メチレンジオキシフェ
ニル)プロペノイル]ピペリジンを得た。
ン中、塩化チオニル1.5mlと0.5時間加熱した。
溶媒と過剰の塩化チオニルを除去し、残渣にトルエンを
加え、減圧下で溶媒を留去した。残渣をジクロロメタン
に溶解し、氷冷下、ピペリジン2.06mlの塩化メチ
レン溶液を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を常法
により処理し、酢酸エチル−ヘキサンから再結晶し、無
色針状晶の1−[3−(3,4−メチレンジオキシフェ
ニル)プロペノイル]ピペリジンを得た。
【0031】融点:85〜86℃ 実施例4の化合物の製造例 3,4−メチレンジオキシ桂皮酸およびイソブチルアミ
ンを、実施例1と同様に反応し、酢酸エチル−ヘキサン
から再結晶し、無色針状晶のファガラミドを得た。
ンを、実施例1と同様に反応し、酢酸エチル−ヘキサン
から再結晶し、無色針状晶のファガラミドを得た。
【0032】融点:121℃ 実施例2,3,5〜8の化合物の製造例 インデイアンテイルペパーの乾燥果実5kgを粉砕し、
アセトン20Lづつを用い、室温で一昼夜浸漬抽出を3
回繰返した。抽出液を減圧下で濃縮して得られたアセト
ンエキス370gに20%水酸化ナトリウム溶液1Lを
加えて、室温で一夜放置した。析出する沈澱物を濾取
し、メタノールから再結晶して微黄色針状晶のピペリン
30.5gを得た。
アセトン20Lづつを用い、室温で一昼夜浸漬抽出を3
回繰返した。抽出液を減圧下で濃縮して得られたアセト
ンエキス370gに20%水酸化ナトリウム溶液1Lを
加えて、室温で一夜放置した。析出する沈澱物を濾取
し、メタノールから再結晶して微黄色針状晶のピペリン
30.5gを得た。
【0033】母液を水1Lで希釈し、エーテル各1Lで
3回、次いで酢酸エチル各1Lで3回抽出した。抽出液
を減圧下で濃縮した後、メタノールを加えて結晶化し、
さらにピペリン35gを得た。本品(実施例2)は、標
品とスペクトルデータ及び融点130〜131℃が一致
し、ピペリンであると同定された。
3回、次いで酢酸エチル各1Lで3回抽出した。抽出液
を減圧下で濃縮した後、メタノールを加えて結晶化し、
さらにピペリン35gを得た。本品(実施例2)は、標
品とスペクトルデータ及び融点130〜131℃が一致
し、ピペリンであると同定された。
【0034】再結晶母液を濃縮し、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーおよびODSカラムクロマトグラフィ
ーに付し、5種の成分に分画した。
ロマトグラフィーおよびODSカラムクロマトグラフィ
ーに付し、5種の成分に分画した。
【0035】第1画分をジクロロメチレン−石油エーテ
ルから再結晶し、無色毛状晶のピペロングミニンを得
た。本品(実施例5)は、スペクトルデータ及び融点1
65〜166℃が文献値と一致し、ピペロングミニンで
あると同定された。
ルから再結晶し、無色毛状晶のピペロングミニンを得
た。本品(実施例5)は、スペクトルデータ及び融点1
65〜166℃が文献値と一致し、ピペロングミニンで
あると同定された。
【0036】第2画分を酢酸エチルから再結晶し、無色
針状晶のピペリサイドを得た。本品(実施例7)のスペ
クトルデータは文献値と一致し、ピペリサイドであると
同定された。
針状晶のピペリサイドを得た。本品(実施例7)のスペ
クトルデータは文献値と一致し、ピペリサイドであると
同定された。
【0037】第3画分をエーテル−ヘキサンから再結晶
し、無色板状晶のグイネンシンを得た。本品(実施例
8)のスペクトルデータ及び融点115〜116℃は文
献値と一致し、グイネンシンであると同定された。
し、無色板状晶のグイネンシンを得た。本品(実施例
8)のスペクトルデータ及び融点115〜116℃は文
献値と一致し、グイネンシンであると同定された。
【0038】第4画分をエーテル−ヘキサンから再結晶
し、微黄色板状晶のピペロナリンを得た。本品(実施例
3)のスペクトルデータ及び融点53〜55℃は文献値
と一致し、ピペロナリンであると同定された。
し、微黄色板状晶のピペロナリンを得た。本品(実施例
3)のスペクトルデータ及び融点53〜55℃は文献値
と一致し、ピペロナリンであると同定された。
【0039】第5画分をエーテル−石油エーテルから再
結晶し、無色板状晶のレトロフラクトアミドCを得た。
本品(実施例6)のスペクトルデータ及び融点120℃
は文献値と一致し、レトロフラクトアミドCであると同
定された。
結晶し、無色板状晶のレトロフラクトアミドCを得た。
本品(実施例6)のスペクトルデータ及び融点120℃
は文献値と一致し、レトロフラクトアミドCであると同
定された。
【0040】実験例 雄性ICR系マウス(6週令)を24時間絶食させた
後、実験に供した。アセトアミノフェンを5%アラビア
コム液に懸濁し、0.4g/kgの割合で腹腔内に投与
した。表に示す被検化合物は5%アラビアコム液に懸濁
し、アセトアミノフェンを投与する30分前に、100
mg/kgおよび30mg/kgの割合で経口投与し
た。
後、実験に供した。アセトアミノフェンを5%アラビア
コム液に懸濁し、0.4g/kgの割合で腹腔内に投与
した。表に示す被検化合物は5%アラビアコム液に懸濁
し、アセトアミノフェンを投与する30分前に、100
mg/kgおよび30mg/kgの割合で経口投与し
た。
【0041】アセトアミノフェンを投与した24時間後
に採血し、血漿中のALT及びASTの漏れ抑制活性を
酵素法により測定した。結果を表に示す。なお、実施例
における結果は、いずれも有意差検定p<0.01(Du
nnett )で有意であった。
に採血し、血漿中のALT及びASTの漏れ抑制活性を
酵素法により測定した。結果を表に示す。なお、実施例
における結果は、いずれも有意差検定p<0.01(Du
nnett )で有意であった。
【0042】
【表1】 表に示す結果から明らかなように、実施例の化合物は、
経口投与により、血漿中のALT値及びAST値の上昇
を顕著に抑制する。
経口投与により、血漿中のALT値及びAST値の上昇
を顕著に抑制する。
【0043】製剤例1 乳糖77重量部、ヒドロキシプロピルセルロース10重
量部、軽質無水ケイ酸1重量部、ステアリン酸マグネシ
ウム2重量部およびピペリン10重量部を均一に混合し
た後、圧縮成形し、錠剤を得る。
量部、軽質無水ケイ酸1重量部、ステアリン酸マグネシ
ウム2重量部およびピペリン10重量部を均一に混合し
た後、圧縮成形し、錠剤を得る。
【0044】製剤例2 乳糖75重量部、ケイ酸アルミニウム10重量部、リン
酸水素カルシウム5重量部およびファガラミド10重量
部を均一に混合し、散剤を得る。
酸水素カルシウム5重量部およびファガラミド10重量
部を均一に混合し、散剤を得る。
【0045】製剤例3 乳糖85重量部、ヒドロキシプロピルセルロース5重量
部およびピペリン10重量部を均一に混合し、常法によ
り顆粒を得る。
部およびピペリン10重量部を均一に混合し、常法によ
り顆粒を得る。
Claims (1)
- 【請求項1】 式(I) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
子、炭素数1〜6のアルキル基を示すか、又は結合する
窒素原子と共に5又は6員環を形成してもよい。m、n
は同一又は異なって0〜2の整数、pは0〜6の整数を
示す)で表される化合物を有効成分とする肝障害抑制
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9725592A JPH05262646A (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | 肝障害抑制剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9725592A JPH05262646A (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | 肝障害抑制剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05262646A true JPH05262646A (ja) | 1993-10-12 |
Family
ID=14187458
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9725592A Withdrawn JPH05262646A (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | 肝障害抑制剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05262646A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2370989A (en) * | 2001-01-16 | 2002-07-17 | Btg Int Ltd | Piperine analogues for the treatment of skin conditions |
KR100543180B1 (ko) * | 2002-07-24 | 2006-01-20 | 주식회사 티지 바이오텍 | 혈소판 응집 억제활성이 우수한 알카로이드계 화합물 |
AU2002219386B2 (en) * | 1998-07-13 | 2007-03-22 | Btg International Limited | Treatment of skin disorders |
CN102558133A (zh) * | 2012-02-13 | 2012-07-11 | 中国人民解放军63975部队 | 一种3-(3’,4’-次甲二氧苯基)-丙烯酰哌啶的工业化合成工艺 |
CN102973564A (zh) * | 2012-12-17 | 2013-03-20 | 云南民族大学 | 治疗乙型肝炎的药物及其组合物 |
JP2013066412A (ja) * | 2011-09-21 | 2013-04-18 | Nagase & Co Ltd | 肝機能障害の抑制又は改善に有効な物質のスクリーニング方法及びそれに用いるプライマーセット |
WO2014010656A1 (ja) * | 2012-07-11 | 2014-01-16 | 興和株式会社 | 優れた血中アルコール濃度低下促進剤 |
-
1992
- 1992-03-23 JP JP9725592A patent/JPH05262646A/ja not_active Withdrawn
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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Legal Events
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---|---|---|---|
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