JPH05261875A - 多層材料 - Google Patents

多層材料

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JPH05261875A
JPH05261875A JP9217692A JP9217692A JPH05261875A JP H05261875 A JPH05261875 A JP H05261875A JP 9217692 A JP9217692 A JP 9217692A JP 9217692 A JP9217692 A JP 9217692A JP H05261875 A JPH05261875 A JP H05261875A
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pentafluorophenyl
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Akira Shibazaki
明 柴崎
Junichi Matsumoto
淳一 松本
Hiroshi Maezawa
浩士 前澤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品用包装材、医療用材料、容器、コンテ
ナ、電子材料、自動車部材等として使用される多層材料
の層を接着性、ヒートシール性、透明性、弾性回復性に
優れたものとする。 【構成】 多層材料の層を、α−オレフィンに由来する
繰り返し単位と環状オレフィンに由来する繰り返し単位
とを有しガラス転移温度(Tg)が30℃以下である環
状オレフィン系共重合体を含有する層とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の環状オレフィン
系共重合体を含有する層を有し、食品用包装材、医療用
材料、容器、コンテナ、電子材料、自動車部材、建築材
料、土木材料等として有効に使用することができる多層
材料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
ポリオレフィン系フィルムは、食品用等の包装材料に広
く利用されている。この場合、ポリオレフィン系フィル
ムは、通常酸素バリアー性がないため、ナイロン、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体けん化物等からなるフィルム
と複合して使用されることが多い。しかし、ポリオレフ
ィン系フィルムは、EVAなどに比較して被着材料との
接着強度が低いという欠点を有している。一方、EVA
を用いる場合には加工性が悪く、またEVAを食品用に
用いると内容物に着臭するという問題がある。
【0003】これに対し、特開平2−196832号公
報には、エチレンと特定の環状オレフィンとの共重合体
からなる二軸延伸フィルムが開示されており、この中で
上記共重合体を積層フィルムに使用する可能性が示唆さ
れている。しかし、同公報には、かかる積層フィルムの
具体的な性質や製造方法が示されていないばかりでな
く、上記共重合体はガラス転移温度が50〜230℃の
ものであって、引張強度は高いものの、伸びが低く、弾
性率が高いため、通常多用されているフィルムとはその
物性を異にするものである。また、上記共重合体からな
るフィルムは他のフィルムとのヒートシール性が十分で
はなく、接着性も悪い。このことは、特開昭62−27
412号において共重合体をα,β−不飽和カルボン酸
で変成し、接着性を改良していることからも明らかであ
る。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、接着性、ヒートシール性、透明性、弾性回復性に優
れた層を有する多層材料を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
を行なった結果、特定のガラス転移温度(Tg)を有す
る特定構造の環状オレフィン系共重合体が接着性、ヒー
トシール性、透明性、弾性回復性に優れ、かかる共重合
体を多層材料に用いた場合、上記目的が効果的に達成さ
れることを知見し、本発明をなすに至った。
【0006】すなわち、本発明は、α−オレフィンに由
来する繰り返し単位と環状オレフィンに由来する繰り返
し単位とを有し、ガラス転移温度(Tg)が30℃以下
である環状オレフィン系共重合体を含有する層を少なく
とも一層有することを特徴とする多層材料を提供する。
【0007】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の多層材料は、α−オレフィン単位と環状オレフ
ィン単位とを有する環状オレフィン系共重合体を含有す
る層を一層以上有するものである。ここで、上記α−オ
レフィンとしては、必ずしも限定されないが、例えば下
記一般式[X]
【化1】 (式[X]中、Raは水素原子又は炭素数1〜20の炭
化水素基を示す。)で表わされる繰り返し単位を与える
ものが挙げられる。
【0008】上記一般式[X]で示される繰り返し単位
において、Raは水素原子又は炭素数1〜20の炭化水
素基を示している。ここで、炭素数1〜20の炭化水素
基として、具体的には、例えばメチル基,エチル基,イ
ソプロピル基,n−プロピル基,イソブチル基,n−ブ
チル基,n−ヘキシル基,n−オクチル基,n−オクタ
デシル基等を挙げることができる。また、一般式[X]
で示される繰り返し単位を与えるα−オレフィンの具体
例としては、例えば、エチレン,プロピレン,1−ブテ
ン,3−メチル−1−ブテン,4−メチル−1−ペンテ
ン,1−ヘキセン,1−オクテン,1−デセン,1−エ
イコセン等を挙げることができる。
【0009】また、前記環状オレフィンとしては、必ず
しも限定されないが、例えば下記一般式[Y]
【化2】 (式[Y]中、Rb〜Rmはそれぞれ水素原子、炭素数1
〜20の炭化水素基又はハロゲン原子,酸素原子若しく
は窒素原子を含む置換基を示し、nは0以上の整数を示
す。Rj又はRkとRl又はRmとは互いに環を形成しても
よい。また、Rb〜Rmはそれぞれ互いに同一でも異なっ
ていてもよい。)で表わされる繰り返し単位を与えるも
のが挙げられる。
【0010】上記一般式[Y]で表わされる繰り返し単
位において、Rb〜Rmは、それぞれ水素原子、炭素数1
〜20の炭化水素基又はハロゲン原子,酸素原子若しく
は窒素原子を含む置換基を示している。ここで、炭素数
1〜20の炭化水素基として、具体的には、例えばメチ
ル基,エチル基,n−プロピル基,イソプロピル基,n
−ブチル基,イソブチル基,t−ブチル基,ヘキシル基
等の炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基,トリル
基,ベンジル基等の炭素数6〜20のアリール基,アル
キルアリール基若しくはアリールアルキル基、メチリデ
ン基,エチリデン基,プロピリデン基等の炭素数1〜2
0のアルキリデン基、ビニル基,アリル基等の炭素数2
〜20のアルケニル基等を挙げることができる。但し,
b,Rc,Rf,Rgはアルキリデン基を除く。なお、R
d,Re,Rh〜Rmのいずれかがアルキリデン基の場合、
それが結合している炭素原子は他の置換基を有さない。
【0011】また、ハロゲン原子を含む置換基として具
体的には、例えば、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素等のハ
ロゲン基、クロロメチル基,ブロモメチル基,クロロエ
チル基等の炭素数1〜20のハロゲン置換アルキル基等
を挙げることができる。酸素原子を含む置換基として具
体的には、例えば、メトキシ基,エトキシ基,プロポキ
シ基,フェノキシ基等の炭素数1〜20のアルコキシ
基、メトキシカルボニル基,エトキシカルボニル基等の
炭素数1〜20のアルコキシカルボニル基等を挙げるこ
とができる。窒素原子を含む置換基として具体的には、
例えば、ジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基等の炭素
数1〜20のアルキルアミノ基やシアノ基等を挙げるこ
とができる。
【0012】一般式[Y]で示される繰り返し単位を与
える環状オレフィンの具体例としては、例えば、ノルボ
ルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボル
ネン、5−プロピルノルボルネン、5,6−ジメチルノ
ルボルネン、1−メチルノルボルネン、7−メチルノル
ボルネン、5,5,6−トリメチルノルボルネン、5−
フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、5
−エチリデンノルボルネン、5−ビニルノルボルネン、
1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メチル−
1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−
1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメ
チル−1、4、5、8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキ
シル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチ
リデン−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,
4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フ
ルオロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,
4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、1,5
−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2
−シクロヘキシル−1,4,5,8−ジメタノ−1,
2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、2,3−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナ
フタレン、2−イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ
−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレン、1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、
5−クロロノルボルネン、5,5−ジクロロノルボルネ
ン、5−フルオロノルボルネン、5,5,6−トリフル
オロ−6−トリフルオロメチルノルボルネン、5−クロ
ロメチルノルボルネン、5−メトキシノルボルネン、
5,6−ジカルボキシルノルボルネンアンハイドレー
ト、5−ジメチルアミノノルボルネン、5−シアノノル
ボルネン等を挙げることができる。これらの中では、ノ
ルボルネン又はその誘導体が特に好ましい。
【0013】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
は、基本的には、上述したようなα−オレフィンと環状
オレフィンとを共重合してなるものであるが、本発明の
目的を損なわない範囲で、これら必須の2成分の他に、
必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体成分を用い
ていてもよい。このような任意に共重合されてもよい不
飽和単量体として、具体的には、前記したα−オレフ
ィン成分のうち、先に使用されていないもの、前記し
た環状オレフィン成分のうち、先に使用されていないも
の、ジシクロペンタジエン,ノルボルナジエン等の環
状ジエン類、ブタジエン,イソプレン,1,5−ヘキ
サジエン等の鎖状ジエン類、シクロペンテン,シクロ
ヘプテン等の単環オレフィン類等が挙げられる。これら
の中でも、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビ
ニルノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどの環状ジ
エンが好ましい。
【0014】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
は、α−オレフィン単位の含有率[x]及び環状オレフ
ィン単位の含有率[y]が、[x]が80〜99.9モ
ル%に対し[y]が20〜0.1モル%、特に[x]が
82〜99.5モル%に対し[y]が18〜0.5モル
%、中でも[x]が85〜98モル%に対し[y]が1
5〜2モル%であることが好ましい。α−オレフィン単
位の含有率[x]が80モル%未満であると、共重合体
のガラス転移温度(Tg)、引張弾性率が高くなり、得
られる多層材料において環状オレフィン系共重合体含有
層の接着性、ヒートシール性などが不十分になることが
ある。一方、環状オレフィン単位の含有率[y]が0.
1モル%未満であると、共重合体の結晶性が高くなり、
接着性等の環状オレフィン成分の導入効果が不十分とな
る。
【0015】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
としては、α−オレフィン単位と環状オレフィン単位と
が直鎖状に配列した実質上線状の共重合体であり、ゲル
状架橋構造を有さないものであることが好ましい。ゲル
状架橋構造を有さないことは、共重合体が135℃のデ
カリン中に完全に溶解することによって確認できる。な
お、溶融成形可能な範囲であれば、ゲルを含んだもので
あってもよい。
【0016】また、本発明で用いる環状オレフィン系共
重合体は、135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]が0.01〜20dl/gであることが好まし
い。極限粘度[η]が0.01dl/g未満であると強
度が著しく低下することがあり、20dl/gを超える
と成形性が著しく悪くなることがある。より好ましい極
限粘度[η]は0.05〜10dl/gである。
【0017】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
の分子量は特に制限されるものではないが、ゲルパーミ
エイションクロマトグラフィー(GPC)[ポリエチレ
ン換算]によって測定した重量平均分子量Mwが1,0
00〜2,000,000、特に5,000〜1,00
0,000、数平均分子量Mnが500〜1,000,
000、特に2,000〜800,000であり、分子
量分布(Mw/Mn)が1.3〜4、特に1.4〜3で
あることが好ましい。分子量分布(Mw/Mn)が4よ
り大きくなると低分子量体の含有量が多くなり、環状オ
レフィン系共重合体含有層を表面層として使用したとき
のべたつきの原因となることがある。
【0018】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
は、ガラス転移温度(Tg)が30℃未満であることが
必要である。このような共重合体を用いれば、低温で好
適に使用することができる多層材料が得られる。より好
ましいガラス転移温度(Tg)は−30〜20℃、特に
−30〜15℃である。この場合、本発明で用いる環状
オレフィン系共重合体は、単量体の種類、組成を変更す
ることによりガラス転移温度(Tg)を任意に制御する
ことができ、目的とする用途、使用される温度等に応じ
てガラス転移温度(Tg)を任意に変えることができ
る。
【0019】また、本発明で用いる環状オレフィン系共
重合体は、X線回折法により測定した結晶化度が0〜4
0%であることが好ましい。結晶化度が40%を超える
と、接着性、ヒートシール性が低下することがある。よ
り好ましい結晶化度は0〜30%、特に0〜25%であ
る。
【0020】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
は、単独での弾性回復率が20%以上であることが好ま
しい。弾性回復率が20%未満であると、例えば多層材
料の一構成層として物品を包装した場合に、たるみが生
じたり、保持力が低下したりすることがある。より好ま
しい弾性回復率は30%以上、特に40%以上である。
【0021】なお、弾性回復率は、オートグラフを用
い、引張速度62mm/分で、巾6mm、クランプ間5
0mm(L0)の測定片を150%伸ばして引張り、5
分間そのままの状態を保った後、はね返させることなく
急に収縮させ、1分後にクランプ間のシートの長さ(L
1)を測定し、下記式により求めた値である。 弾性回復率(%)=[1−{(L1−L0)/L0}]×
100
【0022】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
は、DSC(昇温測定)によるブロードな融解ピークが
90℃未満にあることが好ましい。DSC(昇温測定)
によるシャープな融解ピークが90℃以上にあるような
共重合体は、環状オレフィンとα−オレフィンとの共重
合体の組成分布が広く、環状オレフィン系共重合体含有
層の接着性が不十分になることがある。なお、DSC
(昇温測定)によるブロードな融解ピークは、10〜8
5℃の範囲にあることがより好ましい。DSC(昇温測
定)において、オレフィン系共重合体の融点(融解ピー
ク)はシャープにはみられず、特に低結晶化度のものに
あっては、通常のポリエチレンの測定条件レベルではほ
とんどピークが出ない。また、本発明で用いる環状オレ
フィン系共重合体は、DSC(降温測定)による結晶化
ピークにおいて、メインピークの高温側に比較的小さな
1個以上のサブピークを有するものであることが好まし
い。前述した熱的性質の特徴により、前記環状オレフィ
ン系共重合体含有層の物性を得ることができるととも
に、成形温度範囲が広くなるなど、多層材料を安定して
成形することができる。
【0023】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
としては、上述した範囲の物性を有するもののみからな
る共重合体であってもよく、上記範囲外の物性を有する
共重合体が一部含まれているものであってもよい。後者
の場合には、全体の物性値が上記範囲に含まれていれば
よい。
【0024】本発明で用いる環状オレフィン系共重合体
の製造方法に限定はないが、下記化合物(A)及び
(B)を主成分とする触媒又は下記化合物(A)、
(B)及び(C)を主成分とする触媒を用いてα−オレ
フィンと環状オレフィンとの共重合を行なうことによ
り、効率的に製造することができる。 (A)遷移金属化合物 (B)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成
する化合物 (C)有機アルミニウム化合物
【0025】この場合、上記遷移金属化合物(A)とし
ては、周期律表のIVB族,VB族,VIB族,VIIB族,VI
II族に属する遷移金属を含む遷移金属化合物を使用する
ことができる。上記遷移金属として、具体的には、チタ
ニウム、ジルコニウム、ハフニウム、クロム、マンガ
ン、ニッケル、パラジウム、白金等が好ましく、中でも
ジルコニウム、ハフニウム、チタン、ニッケル、パラジ
ウムが好ましい。
【0026】このような遷移金属化合物(A)として
は、種々のものが挙げられるが、特にIVB族、VIII族の
遷移金属を含む化合物、中でも周期律表のIVB族から選
ばれる遷移金属、すなわちチタニウム(Ti)、ジルコ
ニウム(Zr)又はハフニウム(Hf)を含有する化合
物を好適に使用することができ、特に下記一般式(I),
(II)又は(III)で示されるシクロペンタジエニル化合物
又はこれらの誘導体あるいは下記一般式(IV)で示され
る化合物又はこれらの誘導体が好適である。 CpM11 a2 b3 c …(I) Cp211 a2 b …(II) (Cp−Ae−Cp)M11 a2 b …(III) M11 a2 b3 c4 d …(IV)
【0027】[(I)〜(IV)式中、M1 はTi,Zr
又はHf原子を示し、Cpはシクロペンタジエニル基,
置換シクロペンタジエニル基,インデニル基,置換イン
デニル基,テトラヒドロインデニル基,置換テトラヒド
ロインデニル基,フルオレニル基又は置換フルオレニル
基等の環状不飽和炭化水素基又は鎖状不飽和炭化水素基
を示す。R1 ,R2 ,R3及びR4はそれぞれそれぞれσ
結合性の配位子,キレート性の配位子,ルイス塩基等の
配位子を示し、σ結合性の配位子としては、具体的に水
素原子,酸素原子,ハロゲン原子,炭素数1〜20のア
ルキル基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数6〜
20のアリール基,アルキルアリール基若しくはアリー
ルアルキル基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,アリ
ル基,置換アリル基,けい素原子を含む置換基等を例示
でき、またキレート性の配位子としてはアセチルアセト
ナート基,置換アセチルアセトナート基等を例示でき
る。Aは共有結合による架橋を示す。a,b,c及びd
はそれぞれ0〜4の整数、eは0〜6の整数を示す。R
1 ,R2 ,R3及びR4はその2以上が互いに結合して環
を形成していてもよい。上記Cpが置換基を有する場合
には、当該置換基は炭素数1〜20のアルキル基が好ま
しい。(II)式及び(III)式において、2つのCpは
同一のものであってもよく、互いに異なるものであって
もよい。]
【0028】上記(I)〜(III)式における置換シクロ
ペンタジエニル基としては、例えば、メチルシクロペン
タジエニル基,エチルシクロペンタジエニル基,イソプ
ロピルシクロペンタジエニル基,1,2−ジメチルシク
ロペンタジエニル基,テトラメチルシクロペンタジエニ
ル基,1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基,1,
2,3−トリメチルシクロペンタジエニル基,1,2,
4−トリメチルシクロペンタジエニル基,ペンタメチル
シクロペンタジエニル基,トリメチルシリルシクロペン
タジエニル基等が挙げられる。また、上記(I)〜(I
V)式におけるR1〜R4の具体例としては、例えば、ハ
ロゲン原子としてフッ素原子,塩素原子,臭素原子,ヨ
ウ素原子;炭素数1〜20のアルキル基としてメチル
基,エチル基,n−プロピル基,iso−プロピル基,
n−ブチル基,オクチル基,2−エチルヘキシル基;炭
素数1〜20のアルコキシ基としてメトキシ基,エトキ
シ基,プロポキシ基,ブトキシ基,フェノキシ基;炭素
数6〜20のアリール基,アルキルアリール基若しくは
アリールアルキル基としてフェニル基,トリル基,キシ
リル基,ベンジル基;炭素数1〜20のアシルオキシ基
としてヘプタデシルカルボニルオキシ基;けい素原子を
含む置換基としてトリメチルシリル基,(トリメチルシ
リル)メチル基:ルイス塩基としてジメチルエーテル,
ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン等のエーテル
類、テトラヒドロチオフェン等のチオエーテル類、エチ
ルベンゾエート等のエステル類、アセトニトリル,ベン
ゾニトリル等のニトリル類、トリメチルアミン,トリエ
チルアミン,トリブチルアミン,N,N−ジメチルアニ
リン,ピリジン,2,2’−ビピリジン,フェナントロ
リン等のアミン類、トリエチルホスフィン,トリフェニ
ルホスフィン等のホスフィン類;鎖状不飽和炭化水素と
してエチレン,ブタジエン,1−ペンテン,イソプレ
ン,ペンタジエン,1−ヘキセン及びこれらの誘導体;
環状不飽和炭化水素としてベンゼン,トルエン,キシレ
ン,シクロヘプタトリエン,シクロオクタジエン,シク
ロオクタトリエン,シクロオクタテトラエン及びこれら
の誘導体等が挙げられる。また、上記(III)式におけ
るAの共有結合による架橋としては、例えばメチレン架
橋,ジメチルメチレン架橋,エチレン架橋,1,1’−
シクロヘキシレン架橋,ジメチルシリレン架橋,ジメチ
ルゲルミレン架橋,ジメチルスタニレン架橋等が挙げら
れる。
【0029】このような化合物として、例えば下記のも
の及びこれら化合物のジルコニウムをチタニウム又はハ
フニウムで置換した化合物が挙げられる。(I)式の化合物 (ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリメチルジル
コニウム、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)トリ
フェニルジルコニウム、(ペンタメチルシクロペンタジ
エニル)トリベンジルジルコニウム、(ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)トリクロロジルコニウム、(ペン
タメチルシクロペンタジエニル)トリメトキシジルコニ
ウム、(シクロペンタジエニル)トリメチルジルコニウ
ム、(シクロペンタジエニル)トリフェニルジルコニウ
ム、(シクロペンタジエニル)トリベンジルジルコニウ
ム、(シクロペンタジエニル)トリクロロジルコニウ
ム、(シクロペンタジエニル)トリメトキシジルコニウ
ム、(シクロペンタジエニル)ジメチル(メトキシ)ジ
ルコニウム、(メチルシクロペンタジエニル)トリメチ
ルジルコニウム、(メチルシクロペンタジエニル)トリ
フェニルジルコニウム、(メチルシクロペンタジエニ
ル)トリベンジルジルコニウム、(メチルシクロペンタ
ジエニル)トリクロロジルコニウム、(メチルシクロペ
ンタジエニル)ジメチル(メトキシ)ジルコニウム、
(ジメチルシクロペンタジエニル)トリクロロジルコニ
ウム、(トリメチルシクロペンタジエニル)トリクロロ
ジルコニウム、(トリメチルシリルシクロペンタジエニ
ル)トリメチルジルコニウム、(テトラメチルシクロペ
ンタジエニル)トリクロロジルコニウム、
【0030】(II)式の化合物 ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、
ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウ
ム、ビス(シクロペンタジエニル)ジエチルジルコニウ
ム、ビス(シクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニ
ウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジメトキシジルコ
ニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコ
ニウム、ビス(シクロペンタジエニル)ジヒドリドジル
コニウム、ビス(シクロペンタジエニル)モノクロロモ
ノヒドリドジルコニウム、ビス(メチルシクロペンタジ
エニル)ジメチルジルコニウム、ビス(メチルシクロペ
ンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ビス(メチルシ
クロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム、ビス
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジメチルジルコ
ニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジ
クロロジルコニウム、ビス(ペンタメチルシクロペンタ
ジエニル)ジベンジルジルコニウム、ビス(ペンタメチ
ルシクロペンタジエニル)クロロメチルジルコニウム、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ヒドリドメ
チルジルコニウム、(シクロペンタジエニル)(ペンタ
メチルシクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、
【0031】(III)式の化合物 エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エ
チレンビス(インデニル)ジクロロジルコニウム、エチ
レンビス(テトラヒドロインデニル)ジメチルジルコニ
ウム、エチレンビス(テトラヒドロインデニル)ジクロ
ロジルコニウム、ジメチルシリレンビス(シクロペンタ
ジエニル)ジメチルジルコニウム、ジメチルシリレンビ
ス(シクロペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、イ
ソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオ
レニル)ジメチルジルコニウム、イソプロピリデン(シ
クロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジクロロジ
ルコニウム、[フェニル(メチル)メチレン](9−フ
ルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコ
ニウム、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)
(9−フルオレニル)ジメチルジルコニウム、エチレン
(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジメチ
ルジルコニウム、シクロヘキシリデン(9−フルオレニ
ル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、
シクロペンチリデン(9−フルオレニル)(シクロペン
タジエニル)ジメチルジルコニウム、シクロブチリデン
(9−フルオレニル)(シクロペンタジエニル)ジメチ
ルジルコニウム、ジメチルシリレン(9−フルオレニ
ル)(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム、
ジメチルシリレンビス(2,3,5−トリメチルシクロ
ペンタジエニル)ジクロロジルコニウム、ジメチルシリ
レンビス(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニ
ル)ジメチルジルコニウム、ジメチルシリレンスビス
(インデニル)ジクロロジルコニウム
【0032】上記一般式(I),(II),(III)で示さ
れるシクロペンタジエニル化合物以外の化合物の例とし
ては、前記(IV)式の化合物が挙げられ、例えば下記化
合物あるいはこれらのジルコニウムをハフニウム、チタ
ニウムに置き換えた化合物等のアルキル基、アルコキシ
基及びハロゲン原子の1種又は2種以上を持つジルコニ
ウム化合物、ハフニウム化合物、チタニウム化合物が挙
げられる。テトラメチルジルコニウム、テトラベンジル
ジルコニウム、テトラメトキシジルコニウム、テトラエ
トキシジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム、テ
トラクロロジルコニウム、テトラブロモジルコニウム、
ブトキシトリクロロジルコニウム、ジブトキシジクロロ
ジルコニウム、ビス(2,5−ジ−t−ブチルフェノキ
シ)ジメチルジルコニウム、ビス(2,5−ジ−t−ブ
チルフェノキシ)ジクロロジルコニウム、ジルコニウム
ビス(アセチルアセトナート)、
【0033】また、VB〜VIII族の遷移金属を含む遷移金
属化合物としては、特に制限はなく、クロム化合物の具
体例として、例えば、テトラメチルクロム、テトラ(t
−ブトキシ)クロム、ビス(シクロペンタジエニル)ク
ロム、ヒドリドトリカルボニル(シクロペンタジエニ
ル)クロム、ヘキサカルボニル(シクロペンタジエニ
ル)クロム、ビス(ベンゼン)クロム、トリカルボニル
トリス(ホスホン酸トリフェニル)クロム、トリス(ア
リル)クロム、トリフェニルトリス(テトラヒドロフラ
ン)クロム、クロムトリス(アセチルアセトナート)等
が挙げられる。
【0034】マンガン化合物の具体例としては、例え
ば、トリカルボニル(シクロペンタジエニル)マンガ
ン、ペンタカルボニルメチルマンガン、ビス(シクロペ
ンタジエニル)マンガン、マンガンビス(アセチルアセ
トナート)等が挙げられる。
【0035】ニッケル化合物の具体例としては、例え
ば、ジカルボニルビス(トリフェニルホスフィン)ニッ
ケル、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)ニッケ
ル、二窒素ビス(ビス(トリシクロヘキシルホスフィ
ン)ニッケル)、クロロヒドリドビス(トリシクロヘキ
シルホスフィン)ニッケル、クロロ(フェニル)ビス
(トリフェニルホスフィン)ニッケル、ジメチルビス
(トリメチルホスフィン)ニッケル、ジエチル(2,
2’−ビピリジル)ニッケル、ビス(アリル)ニッケ
ル、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(メ
チルシクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(ペンタメ
チルシクロペンタジエニル)ニッケル、アリル(シクロ
ペンタジエニル)ニッケル、(シクロペンタジエニル)
(シクロオクタジエン)ニッケルテトラフルオロ硼酸
塩、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル、ニッケルビ
スアセチルアセトナート、アリルニッケルクロライド、
テトラキス(トリフェニルフォスフィン)ニッケル、塩
化ニッケル、 (C6H5)Ni{OC(C6H5)CH=P(C6H5)2}{P(C6H5)3}、 (C6H5)Ni{OC(C6H5)C(SO3Na)=P(C6H5)2}{P(C6H5)3} 等が挙げられる。
【0036】パラジウム化合物の具体例としては、例え
ば、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム、カル
ボニルトリス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、
ジクロロビス(トリエチルホスフィン)パラジウム、ビ
ス(イソシアン化t−ブチル)パラジウム、パラジウム
ビス(アセチルアセトナート)、ジクロロ(テトラフェ
ニルシクロブタジエン)パラジウム、ジクロロ(1,5
−シクロオクタジエン)パラジウム、アリル(シクロペ
ンタジエニル)パラジウム、ビス(アリル)パラジウ
ム、アリル(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム
テトラフルオロ硼酸塩、(アセチルアセトナート)
(1,5−シクロオクタジエン)パラジウムテトラフル
オロ硼酸塩、テトラキス(アセトニトリル)パラジウム
二テトラフルオロ硼酸塩等が挙げられる。
【0037】次に、化合物(B)としては、遷移金属化
合物(A)と反応してイオン性の錯体を形成する化合物
であればいずれのものでも使用できるが、カチオンと複
数の基が元素に結合したアニオンとからなる化合物、特
にカチオンと複数の基が元素に結合したアニオンとから
なる配位錯化合物を好適に使用することができる。この
ようなカチオンと複数の基が元素に結合したアニオンと
からなる化合物としては、下記式(V)あるいは(VI)
で示される化合物を好適に使用することができる。 ([L1−R7]k+)p([M312…Zn](n-m)-)q …(V) ([L2]k+)p([M412…Zn](n-m)-)q …(VI) (但し、L2 はM5,R896,R10 3C又はR116
ある)
【0038】[(V),(VI)式中、L1 はルイス塩
基、M3及びM4はそれぞれ周期律表のVB族,VIB族,V
IIB族,VIII族,IB族,IIB族,IIIA族,IVA族及び
VA族から選ばれる元素、好ましくは、IIIA族,IVA族
及びVA族から選ばれる元素、M5及びM6はそれぞれ周
期律表のIIIB族,IVB族,VB族,VIB族,VIIB族,V
III族,IA族,IB族,IIA族,IIB族及びVIIA族から
選ばれる元素、Z1〜Zn はそれぞれ水素原子,ジアル
キルアミノ基,炭素数1〜20のアルコキシ基,炭素数
6〜20のアリールオキシ基,炭素数1〜20のアルキ
ル基,炭素数6〜20のアリール基,アルキルアリール
基,アリールアルキル基,炭素数1〜20のハロゲン置
換炭化水素基,炭素数1〜20のアシルオキシ基,有機
メタロイド基又はハロゲン原子を示し、Z1〜Znはその
2以上が互いに結合して環を形成していてもよい。R7
は水素原子,炭素数1〜20のアルキル基,炭素数6〜
20のアリール基,アルキルアリール基又はアリールア
ルキル基を示し、R8及びR9はそれぞれシクロペンタジ
エニル基,置換シクロペンタジエニル基,インデニル基
又はフルオレニル基、R10は炭素数1〜20のアルキル
基,アリール基,アルキルアリール基又はアリールアル
キル基をを示す。R11はテトラフェニルポルフィリン、
フタロシアニン等の大環状配位子を示す。mはM3 ,M
4の原子価で1〜7の整数、nは2〜8の整数、kは
[L1−R7],[L2]のイオン価数で1〜7の整数、
pは1以上の整数、q=(p×k)/(n−m)であ
る。]
【0039】上記ルイス塩基の具体例としては、アンモ
ニア,メチルアミン,アニリン,ジメチルアミン,ジエ
チルアミン,N−メチルアニリン,ジフェニルアミン,
トリメチルアミン,トリエチルアミン,トリ−n−ブチ
ルアミン,N,N−ジメチルアニリン,メチルジフェニ
ルアミン,ピリジン,p−プロモ−N,N−ジメチルア
ニリン,p−ニトロ−N,N−ジメチルアニリン等のア
ミン類、トリエチルフォスフィン,トリフェニルフォス
フィン,ジフェニルフォスフィン等のフォスフィン類、
ジメチルエーテル,ジエチルエーテル,テトラヒドロフ
ラン,ジオキサン等のエーテル類、ジエチルチオエーテ
ル,テトラヒドロチオフェン等のチオエーテル類、エチ
ルベンゾート等のエステル類等が挙げられる。M3及び
4の具体例としてはB,Al,Si,P,As,Sb
等,好ましくはB又はP、M5の具体例としてはLi,
Na,Ag,Cu,Br,I,I3等,M6の具体例とし
てはMn,Fe,Co,Ni,Zn等が挙げられる。
【0040】Z1 〜Zn の具体例としては、例えば、ジ
アルキルアミノ基としてジメチルアミノ基,ジエチルア
ミノ基;炭素数1〜20のアルコシキ基としてメトキシ
基,エトキシ基,n−ブトキシ基;炭素数6〜20のア
リールオキシ基としてフェノキシ基,2,6−ジメチル
フェノキシ基,ナフチルオキシ基;炭素数1〜20のア
ルキル基としてメチル基,エチル基,n−プロピル基,
iso−プロピル基,n−ブチル基,n−オクチル基,
2−エチルヘキシル基;炭素数6〜20のアリール基,
アルキルアリール基若しくはアリールアルキル基として
フェニル基,p−トリル基,ベンジル基,4−ターシャ
リ−ブチルフェニル基,2,6−ジメチルフェニル基,
3,5−ジメチルフェニル基,2,4−ジメチルフェニ
ル基,2,3−ジメチルフェニル基;炭素数1〜20の
ハロゲン置換炭化水素基としてp−フルオロフェニル
基,3,5−ジフルオロフェニル基,ペンタクロロフェ
ニル基,3,4,5−トリフルオロフェニル基,ペンタ
フルオロフェニル基,3,5−ジ(トリフルオロメチ
ル)フェニル基;ハロゲン原子としてF,Cl,Br,
I;有機メタロイド基として五メチルアンチモン基,ト
リメチルシリル基,トリメチルゲルミル基,ジフェニル
アルシン基,ジシクロヘキシルアンチモン基,ジフェニ
ル硼素基が挙げられる。R7,R10の具体例としては、
先に挙げたものと同様なものが挙げられる。R8及びR9
の置換シクロペンタジエニル基の具体例としては、メチ
ルシクロペンタジエニル基,ブチルシクロペンタジエニ
ル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基等のアルキ
ル基で置換されたものが挙げられる。ここで、アルキル
基は通常炭素数が1〜6であり、置換されたアルキル基
の数は1〜5の整数で選ぶことができる。(V),(V
I)式の化合物の中では、M3,M4が硼素であるものが
好ましい。
【0041】(V),(VI)式の化合物の中で、具体的
には、下記のものを特に好適に使用できる。(V)式の化合物 テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム、テトラフ
ェニル硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウム、テトラフ
ェニル硼酸トリメチルアンモニウム、テトラフェニル硼
酸テトラエチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸メチ
ルトリ(n−ブチル)アンモニウム、テトラフェニル硼
酸ベンジルトリ(n−ブチル)アンモニウム、テトラフ
ェニル硼酸ジメチルジフェニルアンモニウム、テトラフ
ェニル硼酸メチルトリフェニルアンモニウム、テトラフ
ェニル硼酸トリメチルアニリニウム、テトラフェニル硼
酸メチルピリジニウム、テトラフェニル硼酸ベンジルピ
リジニウム、テトラフェニル硼酸メチル(2−シアノピ
リジニウム)、テトラフェニル硼酸トリメチルスルホニ
ウム、テトラフェニル硼酸ベンジルジメチルスルホニウ
ム、
【0042】テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸トリエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸トリ(n−ブチル)アンモニウム、テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリフェニル
アンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)
硼酸テトラブチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸(テトラエチルアンモニウム)、
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(メチルト
リ(n−ブチル)アンモニウム)、テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸(ベンジルトリ(n−ブチル)
アンモニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸メチルジフェニルアンモニウム、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルトリフェニルア
ンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸ジメチルジフェニルアンモニウム、テトラキス(ペン
タフルオロフェニル)硼酸アニリニウム、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)硼酸メチルアニリニウム、
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメチルア
ニリニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸トリメチルアニリニウム、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸ジメチル(m−ニトロアニリニウ
ム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ジメ
チル(p−ブロモアニリニウム)、
【0043】テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼
酸ピリジニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸(p−シアノピリジニウム)、テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸(N−メチルピリジニウ
ム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(N
−ベンジルピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸(O−シアノ−N−メチルピリジニウ
ム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(p
−シアノ−N−メチルピリジニウム)、テトラキス(ペ
ンタフルオロフェニル)硼酸(p−シアノ−N−ベンジ
ルピリジニウム)、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸トリメチルスルホニウム、テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸ベンジルジメチルスルホニウ
ム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸テトラ
フェニルホスホニウム、テトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)硼酸トリフェニルホスホニウム、テトラキス
(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)硼酸ジメチ
ルアニリニウム、ヘキサフルオロ砒素酸トリエチルアン
モニウム、
【0044】(VI)式の化合物 テトラフェニル硼酸フェロセニウム、テトラフェニル硼
酸銀、テトラフェニル硼酸トリチル、テトラフェニル硼
酸(テトラフェニルポルフィリンマンガン)、テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼酸フェロセニウム、テ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(1,1’−
ジメチルフェロセニウム)、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸デカメチルフェロセニウム、テトラキ
ス(ペンタフルオロフェニル)硼酸アセチルフェロセニ
ウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸ホル
ミルフェロセニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸シアノフェロセニウム、テトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸銀、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸トリチル、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸リチウム、テトラキス(ペンタフルオ
ロフェニル)硼酸ナトリウム、テトラキス(ペンタフル
オロフェニル)硼酸(テトラフェニルポルフィリンマン
ガン)、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸
(テトラフェニルポルフィリン鉄クロライド)、テトラ
キス(ペンタフルオロフェニル)硼酸(テトラフェニル
ポルフィリン亜鉛)、テトラフルオロ硼酸銀、ヘキサフ
ルオロ砒素酸銀、ヘキサフルオロアンチモン酸銀、
【0045】また、(V),(VI)式以外の化合物、例
えばトリ(ペンタフルオロフェニル)硼素,トリ(3,
5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)硼素,トリフ
ェニル硼素等も使用可能である。
【0046】(C)成分である有機アルミニウム化合物
としては、下記一般式(VII),(VIII)又は(IX)で
示されるものが挙げられる。 R12 rAlQ3-r …(VII) (R12は炭素数1〜20、好ましくは1〜12のアルキ
ル基,アルケニル基,アリール基,アリールアルキル基
等の炭化水素基、Qは水素原子、炭素数1〜20のアル
コキシ基又はハロゲン原子を示す。rは1≦r≦3の範
囲のものである。)式(VII)の化合物として、具体的
には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウ
ム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルア
ルミニウム、ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチル
アルミニウムクロリド、メチルアルミニウムジクロリ
ド、エチルアルミニウムジクロリド,ジメチルアルミニ
ウムフルオリド,ジイソブチルアルミニウムハイドライ
ド,ジエチルアルミニウムハイドライド,エチルアルミ
ニウムセスキクロリド等が挙げられる。
【0047】
【化3】 (R12は式(VII)と同じものを示す。sは重合度を示
し、通常3〜50、好ましくは7〜40である。)で示
される鎖状アルミノキサン。
【0048】
【化4】 (R12は式(VII)と同じものを示す。また、sは重合
度を示し、好ましい繰り返し単位数は3〜50、好まし
くは7〜40である。)で示される繰り返し単位を有す
る環状アルキルアルミノキサン。(VII)〜(IX)式の
化合物の中で、好ましいのは炭素数3以上のアルキル
基、なかでも分岐アルキル基を少なくとも1個以上有す
るアルキル基含有アルミニウム化合物又はアルミノキサ
ンである。特に好ましいのは、トリイソブチルアルミニ
ウム又は重合度7以上のアルミノキサンである。このト
リイソブチルアルミニウム又は重合度7以上のアルミノ
キサンあるいはこれらの混合物を用いた場合には、高い
活性を得ることができる。また、(VII)〜(IX)式で
示されるアルミノキサンを水等の活性水素を持つ化合物
で変成した変成アルミノキサンも好適に使用される。
【0049】前記アルミノキサンの製造法としては、ア
ルキルアルミニウムと水等の縮合剤とを接触させる方法
が挙げられるが、その手段に特に限定はなく、公知の方
法に準じて反応させればよい。例えば、有機アルミニ
ウム化合物を有機溶剤に溶解しておき、これを水と接触
させる方法、重合時に当初有機アルミニウム化合物を
加えておき、後に水を添加する方法、金属塩等に含有
されている結晶水、無機物や有機物への吸着水を有機ア
ルミニウム化合物と反応させる方法、テトラアルキル
ジアルミノキサンにトリアルキルアルミニウムを反応さ
せ、さらに水を反応させる方法等がある。
【0050】本発明オレフィン系共重合体の製造に用い
る触媒は、上記(A)及び(B)成分あるいは(A)、
(B)及び(C)成分を主成分とするものである。この
場合、(A)成分と(B)成分との使用条件は限定され
ないが、(A)成分:(B)成分の比(モル比)を1:
0.01〜1:100、特に1:0.5〜1:10、中
でも1:1〜1:5とすることが好ましい。また、使用
温度は−100〜250℃の範囲とすることが好まし
く、圧力,時間は任意に設定することができる。
【0051】また、(C)成分の使用量は、(A)成分
1モルに対し通常0〜2,000モル、好ましくは5〜
1,000モル、特に好ましくは10〜500モルであ
る。(C)成分を用いると重合活性の向上を図ることが
できるが、あまり多いと有機アルミニウム化合物が重合
体中に多量に残存し好ましくない。
【0052】触媒成分の使用態様には制限はなく、例え
ば(A)成分,(B)成分を予め接触させ、あるいはさ
らに接触生成物を分離,洗浄して使用してもよく、重合
系内で接触させて使用してもよい。また、(C)成分
は、予め(A)成分、(B)成分あるいは(A)成分と
(B)成分との接触生成物と接触させて用いてもよい。
接触は、あらかじめ接触させてもよく、重合系内で接触
させてもよい。さらに、触媒成分は、モノマー、重合溶
媒に予め加えたり、重合系内に加えることもできる。な
お、触媒成分は、必要により無機あるいは有機の担体に
担持して用いることもできる。
【0053】反応原料に対する触媒の使用割合は、原料
モノマー/上記(A)成分(モル比)あるいは原料モノ
マー/上記(B)成分(モル比)が1〜109、特に1
00〜107となることが好ましい。
【0054】重合方法としては、塊状重合、溶液重合、
懸濁重合、気相重合等のいずれの方法を用いてもよい。
また、バッチ法でも連続法でもよい。重合溶媒を用いる
場合、例えば、ベンゼン,トルエン,キシレン,エチル
ベンゼン等の芳香族炭化水素、シクロペンタン,シクロ
ヘキサン,メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、
ペンタン,ヘキサン,ヘプタン,オクタン等の脂肪族炭
化水素、クロロホルム,ジクロロメタン等のハロゲン化
炭化水素等を用いることができる。これらの溶媒は1種
を単独で用いてもよく、2種以上のものを組合せてもよ
い。また、α−オレフィン等のモノマーを溶媒として用
いてもよい。
【0055】重合条件に関し、重合温度は−100〜2
50℃、特に−50〜200℃とすることが好ましい。
重合時間は通常1分〜10時間、反応圧力は常圧〜10
0Kg/cm2G、好ましくは常圧〜50Kg/cm2
である。共重合体の分子量の調節方法としては、各触媒
成分の使用量や重合温度の選択、さらには水素存在下で
の重合反応によることができる。
【0056】本発明の多層材料は、前述した環状オレフ
ィン系共重合体を含有する層を少なくとも一層有するも
ので、通常は一以上の上記環状オレフィン系共重合体含
有層と他の材料からなる一以上の層又は成形体とを積層
あるいは接合したものである。
【0057】上記他の材料としては、特に制限はない
が、合成高分子、天然高分子、金属、金属酸化物及びこ
れらの混合物から選ばれる材料であることが好ましい。
ここで、合成高分子としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂のいずれでもよい。 熱可塑性樹脂としては、例え
ばポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、縮合系高分
子、付加重合系高分子などがある。ポリオレフィン樹脂
の具体例としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエ
チレン、ポリ−3−メチル−ブテン−1、ポリ−4−メ
チル−ペンテン−1、コモノマー成分としてブテン−
1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−メチルペンテン
−1、3−メチルブテン−1などを用いて得られる直鎖
状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン
−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル
共重合体、エチレン系アイオノマー、ポリ塩化ビニル、
ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレンなどが挙げられ
る。ポリスチレン樹脂の具体例としては、汎用ポリスチ
レン、アイソタクチックポリスチレン、シンジオタクチ
ックポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン(ゴム
変性)などが挙げられる。縮合系高分子の具体例として
は、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ナイ
ロン6、ナイロン6・6などのポリアミド樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートな
どのポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、
ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスル
ホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂などが挙げら
れる。付加重合系高分子の具体例としては、極性ビニル
モノマーからなる重合体、ジエンからなる重合体などで
あり、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリ
ル、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、またジエン
鎖を水添したものなどを含む。さらに、熱可塑性のエラ
ストマーであってもよい。これら熱可塑性樹脂は、1種
又は2種以上を用いることができる。熱硬化性樹脂の具
体例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂やこれら樹脂の繊維強化物等がある。
【0058】また、天然高分子としては紙、繊維、布、
木等の有機物、金属としてはアルミニウム、銅、鉄、ニ
ッケル、スズ、クロム、銀、ステンレス鋼、ジュラルミ
ン、真鍮、金属酸化物としてはセラミックス、ガラス、
アルミナ、シリカなどが挙げられる。前述した他の材料
は、多層材料の使用目的によって、一種あるいは複数の
材料の組合せにより適宜決定することができる。
【0059】本発明の多層材料を構成する各層あるいは
部分の形状や状態としては、限定はされないが、例え
ば、フィルム状、シート状、繊維(繊布、不繊布)状を
はじめ、各種成形体、焼結体、単結晶、発泡体、多孔質
体等が挙げられる。したがって、粉粒体の表面被覆層の
ような多層の場合であってもよい。また、各材料を多層
化する方法は、特に制限はなく、公知の方法を採用する
ことができるが、具体的には、例えば前記他の材料が熱
可塑性樹脂の場合には、共押出法、ラミネーション法、
プレス法などがある。また他の材料が金属の場合、特に
積層すべき金属が比較的薄いものである場合には、ラミ
ネーション法、金属蒸着法、静電塗装法などがある。さ
らに、成形体や厚物材料に積層する場合には、フィル
ム、シートの加熱融着や含浸、塗布などにより表面を被
覆するような方法がある。さらに、環状オレフィン系共
重合体を溶解した有機溶媒溶液を流延又は塗布した後、
この溶媒を揮散させることにより得ることもできる。
【0060】本発明の多層材料においては、少なくとも
一層が前述した環状オレフィン系共重合体を少なくとも
一部に含有する層である。すなわち、この層は、環状オ
レフィン系共重合体のみからなるものであってもよく、
環状オレフィン系共重合体と他の材料(熱可塑性樹脂、
充填剤等)との組成物からなるものであってもよい。こ
こで、環状オレフィン系共重合体と熱可塑性樹脂とから
なる樹脂組成物を多層材料に用いる場合において、環状
オレフィン系共重合体と熱可塑性樹脂との配合割合は、
状況により異なり一義的に定めることはできないが、通
常は環状オレフィン系共重合体0.5〜99.5重量%
であり、熱可塑性樹脂99.5〜0.5重量%である。
【0061】さらに、環状オレフィン系共重合体には、
各種添加剤や充填剤を加えることができる。添加剤とし
ては、耐熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ
剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、発泡剤、染
料、顔料、天然油、合成油、ワックスなどを挙げること
ができ、その配合量は適宜量でよい。例えば、任意成分
として配合される安定剤として、具体的には、テトラキ
ス[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート]メタン;β−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オン酸アルキルエステル;2,2’−オキザミドビス
[エチル−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)]プロピオネートなどのフェノール系酸化
防止剤、ステアリン酸亜鉛;ステアリン酸カルシウム;
12−ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸
金属塩、グリセリンモノステアレート;グリセリンモノ
ラウレート;グリセリンジステアレート;ペンタエリス
リトールモノステアレート;ペンタエリスリトールジス
テアレート;ペンタエリスリトールトリステアレートな
どの多価アルコール脂肪酸エステルなどを挙げることが
できる。これらは単独で配合してもよいが、組合せて配
合してもよく、例えばテトラキス[メチレン−3(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタンとステアリン酸亜鉛およびグリセリン
モノステアレートとの組合せなどを挙げることができ
る。
【0062】また、充填剤としては、無機充填剤あるい
は有機充填剤があり、これらは特に制限はなく公知のも
のが用いられ、その形状も粒状、粉状、液状、ウィスカ
ー、繊維状など様々である。具体的には、アルミニウ
ム、銅、鉄、ニッケル、スズ、クロム、銀、ステンレス
鋼、ジュラルミン、真鍮、シリカ、ケイ藻土、アルミ
ナ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ス
ズ、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、チタン酸バリウ
ム、硫化カドニウム、窒化ケイ素、酸化マグネシウム、
軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウム、窒化アル
ミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、
チタン酸バリウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、
タルク、クレー、マイカ、アスベスト、ガラス繊維、ガ
ラスフレーク、ガラスビーズ、ケイ酸カルシウム、モン
モリロナイト、ベントナイト、カーボンブラック、ダイ
アモンド、グラファイト、アルミニウム粉、フェライ
ト、硫化モリブデン、炭化ケイ素、炭化チタン、炭素繊
維、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、超高分子量ポリエチ
レン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維、ケブラー繊維、金属繊維などを例示でき
る。なお、環状オレフィン系共重合体と無機充填剤ある
いは有機充填剤を配合する場合、通常は環状オレフィン
系共重合体20〜95重量%、好ましくは40〜90重
量%であり、無機充填剤あるいは有機充填剤80〜5重
量%、好ましくは60〜10重量%である。
【0063】本発明の多層材料の形状及び態様は、様々
であるが、例えば、フィルム、シート、繊維、布、成形
体、焼結体、単結晶、発泡体、多孔質体等の表面を環状
オレフィン系共重合体含有層で積層、含浸又は塗布して
被覆したものやそれらの複合体等が挙げられる。上記の
ような特定のガラス転移温度を有する環状オレフィン系
共重合体を多層材料の一層として使用する場合におい
て、 接着層として使用する場合は、被着材料層間を高い強
度で接着できること、 ヒートシール層として使用する場合は、低いヒートシ
ール温度で高いヒートシール強度を得られること、 多層材料の主要構成層として使用する場合において
は、弾性回復性、透明性に優れ、かつ被着材料の機能を
兼ね備えた多層材料が得られること、 等の利点を有している。本発明の多層材料は、フィル
ム、シート(特にスタンバブルシート)、容器、包装材
をはじめ、自動車部品、電気・電子部品、建築材料、土
木材料などの様々な分野で幅広く利用される。
【0064】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を具体
的に示すが、本発明は下記実施例に限定されるものでは
ない。まず、多層材料の製造に先立ち、下記参考例1,
2の環状オレフィン系共重合体を製造した。
【0065】参考例1(エチレンと2−ノルボルネンと
の共重合) 窒素雰囲気下、室温において、30リットルのオートク
レーブにトルエン15リットル、トリイソブチルアルミ
ニウム(TIBA)15ミリモル、四塩化ジルコニウム
0.75ミリモル、テトラ(ペンタフルオロフェニル)
硼酸アニリニウム0.75ミリモルをこの順番に入れ、
続いて2−ノルボルネンを70重量%含有するトルエン
溶液1.5リットル(2−ノルボルネンとして9.9モ
ル)を加えた。50℃に昇温した後、エチレン分圧が5
Kg/cm2になるように連続的にエチレンを導入しつ
つ、60分間反応を行なった。反応終了後、ポリマー溶
液を15リットルのメタノール中に投入してポリマーを
析出させた。このポリマーを濾取して乾燥し、環状オレ
フィン系共重合体(a1)を得た。環状オレフィン系共
重合体(a1)の収量は3.58Kgであった。重合活
性は52Kg/gZrであった。
【0066】得られた環状オレフィン系共重合体(a
1)の物性は下記の通りであった。13C−NMRの30
ppm付近に現れるエチレンに基づくピークとノルボル
ネンの5及び6位のメチレンに基づくピークの和と3
2.5ppm付近に現れるノルボルネンの7位のメチレ
ン基に基づくピークとの比から求めたノルボルネン含量
は7.3モル%であった。135℃のデカリン中で測定
した極限粘度[η]は1.69dl/g、X線回折法に
より求めた結晶化度は1.0%であった。測定装置とし
て東洋ボールディング社製バイブロン11−EA型を用
い、巾4mm,長さ40mm,厚さ0.1mmの測定片
を昇温速度3℃/分、周波数3.5Hzで測定し、この
時の損失弾性率(E”)のピークからガラス転移温度
(Tg)求めたところ、Tgは2℃であった。測定装置
としてウォーターズ社製ALC/GPC150Cを用
い、1,2,4−トリクロルベンゼン溶媒、135℃に
て、ポリエチレン換算で重量平均分子量Mw、数平均分
子量Mn,分子量分布(Mw/Mn)を求めたところ、
Mwは99,200、Mnは52,200、Mw/Mn
は1.90であった。パーキンエルマー社製7シリーズ
のDSCによって10℃/分の昇温速度で、−50℃〜
150℃の範囲で融点(Tm)を測定したところ、Tm
は81℃(ブロードなピーク)℃であった。
【0067】参考例2(エチレンと2−ノルボルネンと
の共重合) 窒素雰囲気下、室温において、30リットルのオートク
レーブにトルエン15リットル、トリイソブチルアルミ
ニウム(TIBA)23ミリモル、四塩化ジルコニウム
38マイクロモル、テトラ(ペンタフルオロフェニル)
硼酸アニリニウム60マイクロモルをこの順番に入れ、
続いて2−ノルボルネンを70重量%含有するトルエン
溶液2.9リットル(2−ノルボルネンとして19モ
ル)を加えた。80℃に昇温した後、エチレン分圧が8
Kg/cm2になるように連続的にエチレンを導入しつ
つ、110分間反応を行なった。反応終了後、ポリマー
溶液を15リットルのメタノール中に投入してポリマー
を析出させた。このポリマーを濾取して乾燥し、環状オ
レフィン系共重合体(a2)を得た。環状オレフィン系
共重合体(a2)の収量は3.32Kgであった。重合
活性は959Kg/gZrであった。
【0068】上記と同様にして測定した環状オレフィン
系共重合体(a2)の物性は下記の通りであった。ノル
ボルネン含量は10.3モル%、極限粘度[η]は0.
99dl/g、結晶化度は1.0%、ガラス転移温度
(Tg)は3℃、Mwは56,900、Mnは29,3
00、Mw/Mnは1.94、融点(Tm)は73℃
(ブロードなピーク)℃であった。
【0069】次に、上記参考例で得られた環状オレフィ
ン系共重合体及び他の樹脂を用いた実施例及び比較例を
示す。実施例1〜2,比較例1〜2 環状オレフィン系共重合体a1及びa2を190℃で熱
プレスし、厚さ100μmのフィルムを得た。これから
長さ50mm、幅15mmの試験片を切り出した。上記
試験片及び他の樹脂からなる試験片に表1に示す材料か
らなる同形状の各種被着体を重ね合わせ、表1に示す温
度、圧力で10分間圧着することにより、多層材料を形
成した。圧着面は長さ25mm、幅15mmとした。得
られた多層材料についてT型剥離試験を引張速度10m
m/分で行ない、着幅1cm当たりの負荷をもって剥離
強度を測定した。結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多層材料
においては、環状オレフィン系共重合体含有層の接着
性、ヒートシール性、透明性、弾性回復性が優れてい
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−オレフィンに由来する繰り返し単位
    と環状オレフィンに由来する繰り返し単位とを有しガラ
    ス転移温度(Tg)が30℃以下である環状オレフィン
    系共重合体を含有する層を少なくとも一層有することを
    特徴とする多層材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の環状オレフィン系共重合
    体を含有する層と、合成高分子、天然高分子、金属、金
    属酸化物及びこれらの混合物から選ばれる少なくとも一
    種の材料からなる層又は成形体とからなることを特徴と
    する多層材料。
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