JPH07285189A - 熱硬化性樹脂と合成樹脂発泡体とからなる複合成形品 - Google Patents

熱硬化性樹脂と合成樹脂発泡体とからなる複合成形品

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JPH07285189A
JPH07285189A JP6102012A JP10201294A JPH07285189A JP H07285189 A JPH07285189 A JP H07285189A JP 6102012 A JP6102012 A JP 6102012A JP 10201294 A JP10201294 A JP 10201294A JP H07285189 A JPH07285189 A JP H07285189A
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layer
thermosetting
resin foam
composite molded
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JP6102012A
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Yuuji Furuwatari
勇司 古渡
Takafumi Nakahora
孝文 中洞
Sakae Nakano
栄 中野
Shoji Suzuki
昭司 鈴木
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KOTOU KOGYO KK
Zeon Corp
Original Assignee
KOTOU KOGYO KK
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 熱硬化性樹脂からなる基体と合成樹脂発泡体
層とを有しており、該基体と合成樹脂発泡体層とが一体
的に形成されてなる複合成形品。合成樹脂発泡体層が少
なくとも熱硬化性樹脂基体と接する側の表面に合成樹脂
表面層を一体的に形成することができ、また、合成樹脂
発泡体層の熱硬化性樹脂基体と接する側とは反対側の表
面に粘着組成物層を形成することができる。 【効果】 上記複合成形品は、例えばカバーとして用い
た場合、被覆されるものの防食性および断熱性を改善
し、工事現場などでの被覆に際して作業性がよく、ま
た、強度にも優れ、傷つきにくい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、断熱性に優れた複合成
形品に関する。本発明の複合成形品は、例えば、配管類
のカバーとして用いられる。
【0002】
【従来の技術】最近、ガス、水道などに使用する配管類
をプラスチック等で被覆して、防食性が改善されたもの
が用いられている。特に合成樹脂発泡体で被覆したもの
は、防食性のほか断熱性が大幅に改善されている。しか
しながら、これらの配管類に接続して用いるチーズ、エ
ルボ、クランプ、ドレッサー、バルブ等は被覆が困難な
ため、これらの部分が水に接触して腐食し、漏水等の原
因となることがあり、また、これらの部分の断熱性は不
十分であった。配管類自体についても、工事現場等で被
覆するには、作業性が悪く、均一に被覆できずに隙間が
できたりすることがあった。また、予め被覆してあって
も、被覆に強度がないため、工事現場等で使用する際に
被覆が損傷し、剥離することがあった。
【0003】これらの問題を解決するため、プラスチッ
クシートや合成樹脂発泡体をその内側がパイプやチーズ
等の被覆されるものの形に適合するように2つ割に成形
し、その合わせ目に粘着性の層を設け、これを被覆され
るものにかぶせて圧着する水密カバーを用いることが提
案された(特開昭60−189423号公報、特開昭6
0−189437号公報)。このような水密カバーにお
いては、作業性が改良され、均一な被覆が容易に形成さ
れるが、強度が十分ではなく、使用中や埋設作業中に
は、被覆が傷つくことがあった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、合成樹
脂発泡体の外側を熱硬化性樹脂の層で覆い、両者を一体
の複合成形品とすることで、作業性に優れ、十分な強度
の水密カバーが得られることを見い出し、その知見に基
づき、本発明を完成させた。
【0005】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、熱硬化性樹脂からなる基体と合成樹脂発泡体層とを
有してなり、該基体と合成樹脂発泡体層が一体的に形成
されてなる複合成形品が提供される。以下、本発明の複
合成形品について詳細に説明する。
【0006】(合成樹脂発泡体)本発明で用いる合成樹
脂発泡体は、熱硬化性樹脂からなる基体と一体に成形で
き、使用目的に応じた性能を有するものであれば、特に
限定されない。例えば、ガス管や水道管等の配管類を被
覆するカバーに用い、熱硬化性樹脂としてポリノルボル
ネン系樹脂を用いる場合、耐候性、耐薬品性等に優るこ
とが要求されるので、架橋ポリエチレン発泡体、架橋ポ
リプロピレン発泡体などの架橋ポリオレフィン発泡体や
ポリ塩化ビニル発泡体が好ましい。中でも架橋ポリエチ
レン発泡体のような架橋ポリオレフィン発泡体が好まし
く、特に化学架橋した架橋ポリオレフィン発泡体がより
好ましい。さらに、成形性およびポリノルボルネン系樹
脂との密着性に優れた架橋常圧発泡させた架橋ポリエチ
レン発泡体が特に好ましい。架橋ポリオレフィン発泡体
の発泡状態も特に限定されないが、泡が互いに独立して
均一に分散しているものが好ましく、そのためゲル分率
が30〜90%のものが好ましく、また、発泡倍率が5
〜30倍のものが好ましい。
【0007】(粘着性組成物)本発明の複合成形品は、
合成樹脂発泡体層の少なくとも片面は熱硬化性樹脂層と
一体に成形されているが、必要に応じて他方の片面に粘
着性組成物層を設けることができる。粘着性組成物の組
成は、特に限定されないが、例えば、ポリイソブチレン
系粘着性組成物、アクリル系粘着性組成物等が、使用が
容易であり、多くの材料と粘着しやすいことから好まし
い。また、粘着性組成物の粘着力も特に限定されない
が、ボールタックによるJ.DOW法(JIS Z 0
237)による粘着力が6以上のものが好ましく、15
〜25のものがより好ましい。
【0008】ポリイソブチレン系粘着性組成物として
は、例えば、ポリイソブチレン30〜70重量部、好ま
しくは40〜60重量部、軟化剤15〜35重量部、好
ましくは20〜30重量部、及び充填材20〜40重量
部、好ましくは25〜35重量部からなるものが例示さ
れる。また、アクリル系粘着性組成物としては、例え
ば、永久接着型のアクリル系粘着剤80〜120重量
部、好ましくは90〜110重量部、及び架橋材0.5
〜2.5重量部、好ましくは1〜2重量部からなるもの
が例示される。
【0009】(熱硬化性樹脂)熱硬化性樹脂も特に限定
されず、ポリノルボルネン系樹脂、ポリウレタン系樹
脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等を使用すること
ができ、ポリノルボルネン系樹脂のように反応射出成形
(RIM)法などの反応成形法により成形品が製造でき
るものが好ましい。例えば、ポリノルボルネン系樹脂を
RIM法で成形する場合、合成樹脂発泡体層と接触する
ように熱硬化性ノルボルネン系樹脂層を成形すると、硬
化の際の反応熱により、成形された熱硬化性ノルボルネ
ン系樹脂層と合成樹脂発泡体層の界面で、熱融着が起こ
り、両者は一体に成形される。RIM法で成形する場
合、熱硬化性ノルボルネン系樹脂の中でも短時間で成形
でき、合成樹脂発泡体層と強固に密着する、熱硬化性ノ
ルボルネン系樹脂が好ましく、特に、表面のベタつき等
も少ない熱硬化性ジシクロペンタジエン系樹脂が好まし
い。
【0010】熱硬化性ノルボルネン系樹脂をRIM法に
より製造する方法は公知であり、用いられるモノマーと
して、例えば、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシク
ロペンタジエン、テトラシクロドデセン、トリシクロペ
ンタジエン、これらの置換誘導体等のノルボルネン環を
有するシクロオレフィンであるノルボルネン系モノマー
が挙げられる。熱硬化性ジシクロペンタジエン系樹脂を
得るのに用いられるモノマーとしては、例えば、ジシク
ロペンタジエンや、ジヒドロジシクロペンタジエンのよ
うなジシクロペンタジエンの置換誘導体を包含するジシ
クロペンタジエン系モノマーが挙げられる。
【0011】RIM法により熱硬化性ノルボルネン系樹
脂を製造する場合には、メタセシス触媒を用いる。メタ
セシス触媒は特に制限はなく、一般に、六塩化タングス
テン、トリデシルアンモニウムモリブデートおよびトリ
(トリデシル)アンモニウムモリブデート等の有機モリ
ブデン酸アンモニウム塩等のノルボルネン系モノマーの
塊状重合用触媒として公知のメタセシス触媒が用いられ
る。中でも、有機モリブデン酸アンモニウム塩が好まし
い。メタセシス触媒は活性剤(共触媒)と組合せて用い
られる。活性剤としては、エチルアルミニウムジクロリ
ド、ジエチルアルミニウムクロリド等のアルキルアルミ
ニウムハライド、これらのアルコキシアルキルアルミニ
ウムハライド、有機スズ化合物等が挙げられる。
【0012】(複合成形品)本発明の複合成形品は熱硬
化性樹脂からなる基体の少なくとも一部の表面に合成樹
脂発泡体層が一体に成形されたものである。一体にと
は、両者が容易に剥離しないように密着していることを
いう。用途によっては、両者が粘着剤や接着剤によって
貼り合わされていても、両者の密着性が十分な場合もあ
る。両者が強固に密着した一体成形品を得るには、例え
ば、前述のように、RIM法によって合成樹脂発泡体層
と接触するように熱硬化性ノルボルネン系樹脂層を成形
すればよい。このようなRIM法の成形では、合成樹脂
発泡体層表面はノルボルネン系樹脂の硬化反応で溶融
し、硬化したノルボルネン系樹脂と融着する。
【0013】本発明の複合成形品を構成する熱硬化性樹
脂基体の厚さは特に限定されないが、例えば、ガス管等
のカバーに用いる場合、通常、3〜25mm、好ましく
は5〜20mm、より好ましくは、7〜15mmであ
る。薄すぎると強度が不十分となり、厚すぎると作業性
が悪く、被覆した場合、配管の中空部分に対して全体が
太くなりすぎて使用しにくい場合がある。
【0014】本発明の複合成形品の合成樹脂発泡体層の
厚さは特に限定されないが、例えば、ガス管等のカバー
に用いる場合、通常、2〜25mm、好ましくは3〜2
0mm、より好ましくは、4〜15mmである。薄すぎ
ると断熱性やクッション性が不十分となり、厚すぎると
作業性が悪く、例えば、配管類を被覆した場合、配管の
中空部分に対して全体が太くなりすぎて使用しにくい場
合がある。
【0015】なお、本発明の目的および効果を阻害しな
い範囲で、架橋ポリエチレンなどの合成樹脂発泡体層の
少なくとも一方の表面にポリエチレンフィルム、ポリプ
ロピレンフィルムなどからなる合成樹脂表面層が形成さ
れていてもよい。例えば、熱硬化性樹脂基体が、後述の
RIM法による熱硬化性ノルボルネン系樹脂からなる場
合、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルムか
らなる合成樹脂表面層は熱硬化性樹脂基体と樹脂発泡体
層が一体に成形されることを阻害せず、両者は強固に密
着し、合成樹脂発泡体層が液体を吸収しにくくなること
から、断熱性やクッション性が長期間維持される。合成
樹脂表面層を設ける場合、合成樹脂発泡体層の両面でも
片面でもよい。片面に設ける場合は、合成樹脂表面層が
熱硬化性樹脂基体と接触するほうが液体を吸収しにくく
なる。
【0016】上記表面層を構成する合成樹脂は特に限定
されないが、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリ
オレフィン系樹脂が、合成樹脂発泡体とも熱硬化性樹脂
基体とも熱融着しやすく、容易に一体化するので好まし
い。表面層の厚さは0.2mm以下が好ましく、0.1
mm以下がより好ましく、0.05mm以下が特に好ま
しい。合成樹脂発泡体層が液体等を吸収しにくくするた
めに合成樹脂表面層を設ける場合は、合成樹脂発泡体層
の端部を圧縮しておくと、端部からも液体等を吸収しに
くくなるので好ましい。その場合、厚さを1/5以下、
好ましくは1/10以下、より好ましくは1/15以下
に圧縮すればよい。
【0017】また、目的によっては、熱硬化性樹脂基
体、樹脂発泡体層および粘着性組成物層の三層がこの順
に積層されていてもよい。例えば、配管類等のカバーと
して使用する場合など、粘着性組成物を設けることによ
り、被覆される配管類等に本発明の成形品が固定されや
すく、使用が容易になる。この場合、粘着性組成物層を
離型紙や離型フィルムなどの離型層で保護し、使用直前
に離型層を剥がすようにして、被覆するものに適用する
前に他の物に貼り付くことがないようにすることが好ま
しい。
【0018】本発明の、複合成形品において合成樹脂発
泡体層上に形成される粘着性組成物層の厚さは特に限定
されず、用いる粘着性組成物の種類に応じて、使用に適
した厚さにすればよい。ガス管等のカバーに用いる場
合、通常、0.01〜5mm、好ましくは0.2〜3m
mである。薄すぎると密着性が不十分となり、厚すぎる
と粘着性組成物層自体の強度が不十分となり、一度、配
管類に貼りつけても、自重で位置が変わったりする原因
となることがある。
【0019】なお、本発明の複合成形品をカバーとして
使用する場合、被覆されるものと接触する面(以下、内
表面という)は、被覆されるものの外表面と同じ形状で
あることが好ましい。カバーの内表面が合成樹脂発泡体
層の表面である場合、被覆されるものの外表面の形状よ
り、本発明の複合成形品の内表面の形状が多少小さくて
も合成樹脂発泡体層がクッション性を有するので、内表
面の形状を被覆されるものの外表面の形状に適合させる
ことができる。複合成形品の内表面が粘着性組成物層で
ある場合は、合成樹脂発泡体層と比較するとクッション
性は極めて小さいので、できるだけ、被覆されるものの
外表面と同じ形状であることが好ましい。
【0020】本発明の複合成形品の外表面の形状は特に
限定されない。本発明の複合成形品の代表的な形態は、
配管などのカバーであって、カバーの本体は、好ましく
は、最外層が熱硬化性樹脂基体、中央層が合成樹脂発泡
体、配管などと接する内層が粘着性組成物層からなる。
粘着性組成物層の露出面(配管などと接する面)は、被
覆される配管などの外表面と同じ形状をもつことが望ま
しい。
【0021】ガス管等の配管等のカバーにおいては、例
えば、二分割されたカバーであり、配管等を間にはさん
で各成形品を組み合わすと、それらの全周をカバーでき
るようになっている。三分割や四分割以上であってもよ
く、被覆されるものの形状によって二分割等では完全に
被覆できない場合もあるが、可能な限り少ない数に分割
したほうが、成形品数が少なくて済み、被覆作業の工程
が簡単で好ましい。また、分割した各成形品がヒンジな
どによって一つの成形品としてつながっていてもよい。
例えば、樹脂発泡体層が一つにつながっており、分割さ
れた境界がヒンジとなっていて、ヒンジ部以外には熱硬
化性樹脂層を有していれば、ヒンジ部を容易に折り畳む
ことが可能である。
【0022】添付図面は、本発明の複合成形品の具体例
(配管などのカバー)を示している。図1は、後記実施
例1において説明するチーズカバーの斜視図であり、図
2は図1に示すチーズカバーが閉じた状態を示してい
る。図3は後記実施例2において説明する直管のカバー
の斜視図である。図1〜図3に示すカバーの本体部分2
は、チーズまたは直管と接する粘着組成物層、中間の合
成樹脂発泡体層および外表面に露出する熱硬化性樹脂層
からなる三層積層構造を有する。開いた状態のカバー1
(図1、図3)の外周に形成された平坦なフランジ部3
は、粘着組成物層と合成樹脂発泡体層からなる二層構造
を有し、カバー1を閉じたとき(図2)、フランジ部3
どうしが接合されて、フランジ部3の粘着組成物層どう
しが接着して確実な貼合が達成される。カバー1のヒン
ジ部4も、粘着組成物層と合成樹脂発泡体層からなる二
層構造を有し、カバー1を閉じたとき、ヒンジ部4の粘
着組成物層どうしが接着する。
【0023】図4は、本発明の複合成形品を保温または
保冷用ケースに用いた例を示しており、ケース5は熱硬
化性ノルボルネン系樹脂のような熱硬化性樹脂からなる
基体6と架橋ポリエチレンのような合成樹脂の発泡体層
7が一体的に成形された本発明の複合成形品と低密度ポ
リエチレンのような合成樹脂からなるケース本体8から
なる。
【0024】(成形品の製造方法)本発明の複合成形品
の製造方法は、特に限定されない。以下に、熱硬化性樹
脂が熱硬化性ノルボルネン系樹脂である場合の一般的な
製造方法を示す。シート状の合成樹脂発泡体を被覆され
る配管その他の物品の外表面と同じ形状の金型内面、す
なわち金型内面の目的とする成形品の内表面の形状の部
分に積層して加熱圧縮成形する、あるいは予め目的に応
じて成形しておいた合成樹脂発泡体を該金型内面に積層
し、必要に応じて圧をかける。合成樹脂発泡体と合成樹
脂発泡体が接触していない金型内面の間にRIM法によ
り熱硬化性ノルボルネン系樹脂層を形成することによ
り、本発明の成形品が得られる。
【0025】熱硬化性ノルボルネン系樹脂層を形成する
には、ノルボルネン系モノマーとメタセシス触媒から成
る反応液Aとノルボルネン系マノマーと活性剤から成る
反応液Bを混合して、合成樹脂発泡体と合成樹脂発泡体
が接触していない金型内面の間に射出し、硬化させる。
金型は必ずしも金属製である必要はなく、例えば樹脂製
であってもよい。金型の温度は、好ましくは10〜15
0℃、より好ましくは30〜120℃、さらに好ましく
は50〜100℃である。
【0026】必要に応じて、被覆される配管その他の物
品の外表面と同じ形状の金型内表面に離型層を介して粘
着性組成物層を形成してもよい。その場合、金型内面の
目的とする成形品の内表面の形状の部分の代わりに、粘
着性組成物層の上に合成樹脂発泡体層を形成する他は、
上記と同様にすることにより、粘着性組成物層を有する
本発明の複合成形品が得られる。
【0027】(成形品の使用方法)前述のような方法に
より、配管類の保温カバー、耐衝撃カバー等として使用
できる。粘着性組成物層がない場合でも、外周をテープ
等で止めることにより簡単に保温カバー、耐衝撃カバー
等として使用できる。また、ケースの外周や蓋を本発明
の複合成形品でカバーすることにより、保温ケース、保
冷ケース等として用いることができる。
【0028】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。 実施例1 熱融着によるラミネート加工により厚さ0.02mmの
ポリエチレンフィルムから成る表面層を片面に設けた本
体の厚さが5mmの架橋ポリエチレン発泡体シート(ゲ
ル分率50%、発泡倍率10倍)のポリエチレンフィル
ムとは反対側に、ポリイソブチレン系粘着性組成物をラ
ミネートして厚さ2.0mmの粘着性組成物層を形成
し、さらにこの上にシリコン処理したポリエチレン離型
フィルムを積層して複合シートとした。なお、このポリ
イソブチレン粘着性組成物は、ポリイソブチレン50重
量部、軟化剤(出光興産製、プロセスオイルNS−2
4)25重量部及び充填剤(竹原化学工業製、シルカラ
イト)30重量部からなり、ボールタックによるJ.D
OW法で測定した粘着力が20のものである。
【0029】この複合シートを200℃に1分間加熱し
て、上下より圧縮成形して、図1に示すチーズカバーを
成形するのに用いる中子を作成した。この中子は、二つ
割型が中央のヒンジでつながれ、折り畳むと粘着性組成
物表面の離形フィルムからなる内面の形状がチーズの外
面の形状になるように構成され、カバーの周囲の複合用
フランジ部とヒンジ部の幅は5mmであった。さらに端
部とヒンジ部分の合成樹脂発泡体層は0.3mmの厚さ
に圧縮した。この中子を金型内に固定した。
【0030】ジシクロペンタジエン85重量部と非対称
型シクロペンタジエン三量体15重量部との混合液に、
スチレン−イソブレン−スチレンブロック共重合体(ク
レイトン1170、シェル社製)5重量部とフェノール
系酸化防止剤(イルガノックス1010、チバガイギー
社製)2重量部とを溶解させ、これを2つの容器に分け
て入れた。一方にはモノマーに対しジエチルアルミニウ
ムクロリドDEACを40ミリモル濃度、n−プロパノ
ールを44ミリモル濃度、四塩化ケイ素を20ミリモル
濃度となるように添加して反応液Aを調製した。他方に
は、モノマーに対しトリ(トリデシル)アンモニウムモ
リブデートを10ミリモル濃度となるように添加して反
応液Bを調製した。
【0031】反応液AおよびBをそれぞれギヤーポンプ
を用いて、1対1の容積比となるようにミキシングチャ
ンバへ送液し、衝突混合し、カバーと接触していない金
型内面と中子であるカバーの間に射出して充填し、硬化
させた。この操作は窒素雰囲気下で行い、金型温度は7
0℃、充填後に混合された反応液に2.0kg/cm2
の圧がかかるようにして、RIM法により成形し、外側
がヒンジ部分を除き厚さ3mmの熱硬化性ジシクロペン
タジエン系樹脂で、ヒンジ部分のみ、熱硬化性ジシクロ
ペンタジエン系樹脂層を有さず、中央部が厚さ5mmの
架橋ポリエチレン発泡体、内側が厚さ2mmの粘着性組
成物が一体となった本発明の複合成形品である図1に示
すチーズカバーを成形した。
【0032】このチーズカバーの粘着性組成物層の表面
の離型フィルムを剥がし、銅製のチーズに圧着してチー
ズを被覆した。被覆されたチーズを土中に埋設して1ケ
月間自然環境下に放置した後取りだしたが、チーズカバ
ーにひび割れ、キズ、穴等は認められず、また、チーズ
からの剥離等も認められなかった。チーズカバーを剥が
して、架橋ポリエチレン発泡体の内部やチーズの表面、
粘着性組成物層の表面等を観察したが、土や水の浸入は
認められず、チーズ表面にはサビの発生も認められなか
った。
【0033】実施例2 アクリル系接着剤(東亜合成製、アロンアルファ)によ
るラミネート加工により厚さ0.02mmのポリ塩化ビ
ニルフィルムから成る表面層を片面に設けた本体の厚さ
が10mmのポリ塩化ビニル発泡体シート(発泡倍率1
0倍)のポリ塩化ビニルフィルムとは反対側に、アクリ
ル系粘着性組成物をラミネートして厚さ0.03mmの
粘着性組成物層を形成し、さらにこの上にシリコン処理
したポリエチレン離型フィルムを積層して複合シートと
した。なお、使用したアクリル系粘着性組成物は永久接
着型アクリル系粘着剤(一方社油脂工業製、AS−50
20)100重量部及び架橋剤(一方社油脂工業製、B
−45)1.5重量部から成り、ボールタックによる
J.DOW法で測定した粘着力が20のものである。
【0034】この複合シートを200℃に1分間加熱し
て、上下より圧縮成形して、図2に示す直管カバーを成
形するのに用いる中子を作成した。この中子は、二つ割
型が中央のヒンジでつながれ、折り畳むと粘着性組成物
表面の離形フィルムからなる内面の形状が直管の外面の
形状になるように構成され、カバーの周囲の複合用フラ
ンジ部とヒンジ部の幅は5mmであった。さらに端部と
ヒンジ部分の合成樹脂発泡体層は0.3mmの厚さに圧
縮した。
【0035】この中子を金型内に固定し、実施例1と同
様にRIM法により成形し、外側がヒンジ部分を除き厚
さ3mmの熱硬化性ジシクロペンタジエン系樹脂で、ヒ
ンジ部分のみ熱硬化性ジシクロペンタジエン系樹脂層を
有さず、中央部が厚さ5mmの架橋ポリエチレン発泡
体、内側が厚さ2mmの粘着性組成物が一体となった本
発明の複合成形品である図1に示す直管カバーを成形し
た。この直管カバーの粘着性組成物層の表面の離型フィ
ルムを剥がし、銅製直管に圧着して直管を被覆した。
【0036】被覆された直管を土中に埋設して1ケ月間
自然環境下に放置した後取りだしたが、直管カバーにひ
び割れ、キズ、穴等は認められず、また、直管からの剥
離等も認められなかった。直管カバーを剥がして、ポリ
塩化ビニル発泡体の内部や直管の表面、粘着性組成物層
の表面等を観察したが、土や水の浸入は認められず、直
管表面にはさびの発生も認められなかった。
【0037】
【発明の効果】本発明の複合成形品は、例えば、配管等
の被覆に用いた場合、配管その他被覆されるものの防食
性および断熱性が改善され、工事現場等での被覆に際し
て作業性がよく、また、強度にも優れ、傷つきにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】チーズカバーの斜視図。
【図2】図1のチーズカバーを閉じた状態を示す正面図
および側面図。
【図3】直管カバーの斜視図。
【図4】断熱ケースの斜視図および断面図。
【符号の説明】
1 カバー 2 カバーの本体部分 3 複合用フランジ部 4 ヒンジ部 5 保温、保冷ケース 6 熱硬化性樹脂基体 7 合成樹脂発泡体層 8 ケース本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 昭司 神奈川県横浜市瀬谷区阿久和町4135

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂からなる基体と合成樹脂発
    泡体層とを有してなり、該基体と合成樹脂発泡体層が一
    体的に形成されてなる複合成形品。
  2. 【請求項2】 該合成樹脂発泡体層が少くとも熱硬化性
    樹脂基体と接する側の表面に合成樹脂表面層が一体的に
    形成されてなるものである請求項1記載の複合成形品。
  3. 【請求項3】 該合成樹脂発泡体層の熱硬化性樹脂基体
    と接する側とは反対側の表面に粘着組成物層が形成され
    ている請求項1または2記載の複合成形品。
  4. 【請求項4】 該熱硬化性樹脂基体がノルボルネン系樹
    脂からなるものである請求項1〜3のいずれかに記載の
    複合成形品。
JP6102012A 1994-04-15 1994-04-15 熱硬化性樹脂と合成樹脂発泡体とからなる複合成形品 Pending JPH07285189A (ja)

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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0248331U (ja) * 1988-09-29 1990-04-04
JPH03199044A (ja) * 1989-12-27 1991-08-30 Sekisui Plastics Co Ltd 合成樹脂製構造材
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