JPH05261857A - ポリオレフィン被覆鋼材 - Google Patents

ポリオレフィン被覆鋼材

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JPH05261857A
JPH05261857A JP6244092A JP6244092A JPH05261857A JP H05261857 A JPH05261857 A JP H05261857A JP 6244092 A JP6244092 A JP 6244092A JP 6244092 A JP6244092 A JP 6244092A JP H05261857 A JPH05261857 A JP H05261857A
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JP
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ethylene
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polyolefin
coated steel
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JP6244092A
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Yoshihisa Kayazono
義久 仮屋園
Yoshihiro Miyajima
宮嶋義洋
Hirotada Kato
加藤弘忠
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリプロピレン被覆鋼材の被覆の熱劣化を防
止する。 【構成】 エチレン−プロピレンランダム共重合体にポ
リジメチルシロキサングラフト化ポリオレフィンを添加
したポリプロピレンを下地処理層、接着剤層を介して鋼
材に被覆する。 【効果】 高温埋設環境で被覆の熱酸化劣化が防止され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリオレフィン被覆鋼材
に関し、更に詳しくは120℃の埋設環境で長期間使用
する際に被覆の熱劣化を防止できるポリオレフィン被覆
鋼材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、石油、天然ガスの輸送パイプライ
ンは重質油の加熱輸送、天然ガスの高圧輸送等により被
覆が長期間高温に曝される傾向にある。このような高温
輸送パイプラインに使用するポリオレフィン被覆鋼管と
しては、例えば特公平3−29588号公報にあるよう
に、鋼管の外表面に特定のポリプロピレンと特定の接着
剤を積層し、120℃の耐傷性と−30℃の耐衝撃性を
両立したポリプロピレン被覆鋼管の提案がある。ここで
特定のポリプロピレンとは、下記の材料またはで、 低温脆化温度が0℃以下であり、かつ120℃の押
込み深さが0.3mm以下であり、メルトフローレート
が0.05〜5g/分である結晶性エチレン−プロピレ
ンブロックコポリマー、 上記の結晶性エチレン−プロピレンブロックコポ
リマーに、エチレンの単独重合体、エチレンにプロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン、ヘキセン、オクテンなどの
α−オレフィンを15重量%以下共重合したエチレン−
α−オレフィン共重合体であってかつ密度が0.93g
/cm3 以上のポリエチレンと、エチレン−プロピレン
共重合体ラバー、エチレン−プロピレン−非ジエン三元
共重合体ラバー、エチレン−プロピレン−ブテン−1共
重合体ラバー、ポリイソブチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ラバーのいずれかであるポリオレフィンラバ
ーとを混合したものであって、混合後の混合物中の常温
パラキシレンに不溶のポリエチレン成分が95〜55重
量%、常温パラキシレンに不溶のポリエチレン成分が2
〜40重量%、かつ常温パラキシレンに可溶物が3〜2
0重量%の範囲になるとともに、かつ該混合物のメルト
フローレートが0.05〜5重量%の範囲である材料、
特定の接着剤とは下記の(ア)〜(ウ)からなる材料で
ある。
【0003】(ア)結晶性ポリプロピレンホモポリマ
ー、エチレンとプロピレンとの結晶性ブロックコポリマ
ー、あるいはエチレンとプロピレンと他のα−オレフィ
ンとの結晶性ランダムコポリマーのいずれかで、かつそ
のメルトフローレートが0.1〜20g/10分である
結晶性ポリプロピレン、(イ)上記の(ア)の結晶性ポ
リプロピレン1gに対して無水マレイン酸化合物を1×
10-6〜1×10-4モルの範囲でグラフトし、かつ低温
脆化温度が−20℃以下の無水マレイン酸変性結晶性ポ
リプロピレン、(ウ)エチレン−プロピレンランダム共
重合体またはエチレン−プロピレンブロック共重合体
に、エチレン−プロピレン共重合体ラバー、エチレン−
プロピレン−非ジエン共重合体ラバー、エチレン−プロ
ピレン−ブテン−1共重合体ラバー、ポリイソブチレン
のうちいずれかのポリオレフィンラバーである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特にパ
イプラインが120℃の高温で操業される場合には被覆
の熱酸化劣化が促進される。特公平3−29588号公
報のポリプロピレン被覆鋼管ではポリプロピレン被覆に
酸化防止剤を配合すればある程度酸化劣化を抑制できる
が、地下に直埋設され周囲に土壌がある特殊な環境では
酸化劣化の抑制が不十分である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の問
題点を解決すべく鋭意検討した結果、鋼材の表面をブラ
スト処理したのち、クロメート処理を施してクロメート
被膜を形成したのち、エポキシプライマーを塗布して硬
化させてエポキシプライマー被膜を形成して下地処理
し、接着剤を介してポリオレフィンを被覆する鋼材にお
いて、ポリオレフィンとして下記の,またはを用
い、かつ、接着剤として、下記の(ア)、(イ)または
(ウ)からなる材料、を用いることを特徴とするポリオ
レフィン被覆材 ポリジメチルシロキサングラフト化ポリオレフィン
を5〜50重量%混合したエチレン−プロピレンランダ
ム共重合体 にエチレン−プロピレン共重合体ラバー、エチレ
ン−プロピレン−ブテン−1共重合体ラバー、ポリイソ
ブチレンのうちいずれかのポリオレフィンラバーを40
重量%以下添加した混合物 にエチレンとプロピレン以外のα−オレフィンを
共重合して得たエチレン−α−オレフィン共重合体を3
0重量%以下混合した混合物 (ア)エチレン−プロピレンランダム共重合体1gを無
水マレイン酸1×10-6〜1×10-4モルの割合で変性
した変性物 (イ)エチレン−プロピレンランダム共重合体に、エチ
レン−プロピレン共重合体ラバー、エチレン−プロピレ
ン−ブテン−1共重合体ラバー、ポリイソブチレンのう
ちいずれかのポリオレフィンラバーを30重量%以下添
加した混合物1gを無水マレイン酸1×10-6〜1×1
-4モルの割合で変性した変性物 (ウ)エチレン−プロピレンランダム共重合体に、エチ
レン−プロピレン共重合体ラバー、エチレン−プロピレ
ン−ブテン−1共重合体ラバー、ポリイソブチレンのう
ちいずれかのポリオレフィンラバーを30重量%以下、
とエチレンとプロピレン以外のα−オレフィンを共重合
して得たエチレン−α−オレフィン共重合体を30重量
%以下混合した混合物1gを無水マレイン酸1×10-6
〜1×10-4モルの割合で変性した変性物を用いること
によって、前述の問題点が解決できることを見い出し本
発明に至った。以下、本発明につき、詳細に説明する。
【0006】本発明に用いる鋼材とは、炭素鋼、ステン
レス鋼などの合金鋼でできた鋼板、鋼管、形鋼、鋼矢板
などの鋼材またはこれらの鋼材の表面、裏面、外面、内
面などを亜鉛、アルミ、クロムなどでめっきしためっき
鋼材、亜鉛−鉄、亜鉛−アルミ、亜鉛−ニッケルなどで
合金めっきした合金めっき鋼材である。
【0007】被覆に先だって、鋼材、めっき鋼材、合金
めっき鋼材を下地処理する。下地処理とは、以下に記す
表面の除錆、清浄化、クロメート処理とエポキシプライ
マーの塗布の組み合わせ処理をいう。まず鋼材ではグリ
ットブラスト、ショットブラスト、サンドブラストなど
でブラスト処理し、めっき鋼材と合金めっき鋼材では、
酸洗、脱脂などで表面を除錆し、清浄にする。ブラスト
処理あるいは酸洗、脱脂を行わない場合には、土壌中で
被覆が剥離しポリオレフィン被覆が容易に熱酸化劣化す
る。
【0008】次に、その表面にクロメート処理剤をロー
ル、刷毛などで塗布し、乾燥、加熱して焼き付け、クロ
メート被膜を形成する。クロメート被膜を形成しない場
合には、土壌中で被覆が剥離しポリオレフィン被覆が容
易に熱酸化劣化する。クロメート処理剤としては、土壌
中のポリオレフィン被覆の熱酸化劣化を抑制するため
に、無水クロム酸の水溶液をトウモロコシデンプン、デ
キストリンなどの天然の高分子多糖あるいは部分ケン化
ポリ酢酸ビニルなどの合成高分子の還元剤で部分的に還
元して水溶液中の全クロムに対する3価クロムの重量比
を40〜60重量%の範囲に調整した水溶液に、微粉末
シリカを添加後の水溶液中の全クロムに対するSiO2
の重量比が0.5〜2重量%の範囲になるように添加し
たシリカ系クロメート処理剤、該シリカ系クロメート処
理剤に添加後の全クロム重量に対するPO4 3- の重量比
が0.5〜2重量%の範囲になるようにリン酸またはト
リポリリン酸を添加したシリカ−リン酸系クロメート処
理剤を用いる。微粉末シリカとしては、例えば日本アエ
ロジル社製のアエロジル#200,#300などのシリ
カ微粉末、COX84,MOX80などのシリカ−アル
ミナ微粉末を用いる。
【0009】次に、このクロメート被膜の上にエポキシ
プライマーを塗布して加熱硬化しエポキシプライマー被
膜を形成する。エポキシプライマーとしては、土壌によ
るポリオレフィン被覆の熱酸化劣化を抑制するために、
エポキシ樹脂、アミン系硬化剤またはジシアンジアミド
系硬化剤とイミダゾール系硬化剤の混合硬化剤、および
無機顔料を必須成分とするエポキシプライマーを用い
る。アミン系硬化剤を用いる場合は、エポキシ樹脂10
0重量部に無機顔料5〜70重量部を混合した主剤に、
アミン系硬化剤を化学当量の比で混合して用いる。該無
機顔料の添加量が5重量部未満、70重量部越えては土
壌中で被覆が容易に剥離しポリオレフィン被覆が容易に
熱酸化劣化する。
【0010】また、ジシアンジアミド系硬化剤とイミダ
ゾール系硬化促進剤の混合硬化剤を用いる場合には、エ
ポキシ樹脂100重量部にジシアンジアミド系硬化剤を
3〜20重量部、イミダゾール系硬化剤を3〜20重量
部と無機顔料を5〜70重量部混合して用いる。該ジシ
アンジアミド系硬化剤の配合量が3重量部未満、20重
量部越え、該イミダゾール系硬化促進剤の配合量が3重
量部未満、20重量部越えでは土壌中で被覆が容易に剥
離しポリオレフィン被覆が容易に熱酸化劣化する。
【0011】エポキシ樹脂としては、土壌によるポリオ
レフィン被覆の熱酸化劣化を抑制するために、ビスフェ
ノールAのジグリシジルエーテル100重量部にフェノ
ールノボラック型エポキシ5〜70重量部を混合した混
合樹脂を用いる。ビスフェノールAのジグリシジルエー
テルとしては、例えば油化シェルエポキシ社のエピコー
ト827、エピコート828、エピコート834、エピ
コート1001、エピコート1004、エピコート10
07、エピコート1009などを用い、フェノールノボ
ラック型エポキシとしては、例えば油化シェルエポキシ
社のエピコート152、エピコート154などを用いる
ことが必要である。該フェノールノボラック型エポキシ
の添加量が5重量部未満、70重量部越えでは土壌中で
被覆が容易に剥離しポリオレフィン被覆が容易に熱酸化
劣化する。
【0012】アミン系硬化剤としては、土壌によるポリ
オレフィン被覆の熱酸化劣化を抑制するために、下記の
分子構造を持つエピクロルヒドリンとm−キシレンジア
ミンの縮合物で、nが1以上のものを用いる。
【0013】
【化1】
【0014】利用できる市販品としては、三菱ガス化学
社製のガスカミンG328、ガスカミンG328Sが挙
げられる。またジシアンジアミド系硬化剤としてはジシ
アンジアミドまたはジシアンジアミド変性物を用いる。
ジシアンジアミドとしては、例えば油化シェルエポキシ
社製のエピキュアDICY−7、エピキュアDICY−
15が利用できる。ジシアンジアミド変性物としては、
例えば油化シェルエポキシ社製のエピキュアF108、
日本チバガイギー社製のアラルダイトHT2844が利
用できる。
【0015】イミダゾール系硬化促進剤としてはイミダ
ゾールを変性した変性物を用い、利用できる市販品とし
ては例えば四国化成社製のキュアゾールC11Z、キュア
ゾール2MZ、キュアゾール2P4MZ、キュアゾール
2PZ、キュアゾール2MZ−AZIN、キュアゾール
2P4−BHZが利用できる。
【0016】無機顔料としては土壌によるポリオレフィ
ン被覆の熱酸化劣化を抑制するために、酸化チタン、シ
リカ、シリカ−アルミナなどの粉末を用いる。利用でき
る市販品として、チタン工業社製のKR380,KR4
60などの酸化チタン微粉末、日本アエロジル社製のア
エロジル#200、アエロジル#300などのシリカ微
粉末、日本アエロジル社製のCOX84,MOX80な
どのシリカ−アルミナ微粉末が挙げられる。
【0017】このエポキシプライマーを塗布する方法と
しては、スプレー塗装、しごき塗布などを利用する。こ
のエポキシプライマー被膜の上には接着剤を積層する。
接着剤として、土壌によるポリオレフィン被覆の熱酸化
劣化を抑制するために、下記(ア)、(イ)または
(ウ)からなる材料、 (ア)エチレン−プロピレンランダム共重合体1gを無
水マレイン酸1×10-6〜1×10-4の割合で変性した
変性物 (イ)エチレン−プロピレンランダム共重合体に、エチ
レン−プロピレン共重合体ラバー、エチレン−プロピレ
ン−ブテン−1共重合体ラバー、ポリイソブチレンのう
ちいずれかのポリオレフィンラバーを30重量%以下添
加した混合物1gを無水マレイン酸1×10-6〜1×1
-4モルの割合で変性した変性物 (ウ)エチレン−プロピレンランダム共重合体に、エチ
レン−プロピレン共重合体ラバー、エチレン−プロピレ
ン−ブテン−1共重合体ラバー、ポリイソブチレンのう
ちいずれかのポリオレフィンラバーを30重量%以下、
とエチレンとプロピレン以外のα−オレフィンを共重合
して得たエチレン−α−オレフィン共重合体を30重量
%以下混合した混合物1gを無水マレイン酸1×10-6
〜1×10-4モルの割合で変性した変性物 を用いる。
【0018】エチレン−プロピレンランダム共重合体中
のエチレン含有量は5〜60重量%の範囲になるように
する。該エチレン含有量が5重量%未満、60重量%越
えでは、土壌中で被覆が剥離しポリオレフィン被覆が容
易に熱酸化劣化する。エチレン−プロピレンランダム共
重合体1gに付加する無水マレイン酸が1×10-6モル
未満、1×10-4モル越えでは土壌中で被覆が剥離しポ
リオレフィン被覆が容易に熱酸化劣化する。ポリオレフ
ィンラバーの添加量が30重量%越えでは、土壌中で被
覆が剥離しポリオレフィン被覆が容易に熱酸化劣化す
る。エチレンとプロピレン以外のα−オレフィンを共重
合して得たエチレン−α−オレフィン共重合体の添加量
が30重量%越えでは、土壌中で被覆が剥離しポリオレ
フィン被覆が容易に熱酸化劣化する。エポキシプライマ
ー被膜の上にこの接着剤を被覆する方法としては、例え
ばTダイ、丸ダイから押出被覆する方法や粉体状の接着
剤を静電塗装する方法などが使える。この接着剤層の上
に下記の,またはのポリオレフィンを被覆する。
【0019】 ポリジメチルシロキサングラフト化ポ
リオレフィンを5〜50重量%混合したエチレン−プロ
ピレンランダム共重合体 にエチレン−プロピレン共重合体ラバー、エチレ
ン−プロピレン−ブテン−1共重合体ラバー、ポリイソ
ブチレンのうちいずれかのポリオレフィンラバーを40
重量%以下添加した混合物 にエチレンとプロピレン以外のα−オレフィンを
共重合して得たエチレン−α−オレフィン共重合体を3
0重量%以下混合した混合物 このうちポリオレフィン被覆中のポリジメチルシロキサ
ングラフト化ポリオレフィンが5重量部未満、50重量
%越え、ポリオレフィンラバーの添加量が40重量%越
え、エチレンとプロピレン以外のα−オレフィンを共重
合して得たエチレン−α−オレフィン共重合体が30重
量%越えでは土壌中でポリオレフィン被覆が容易に酸化
劣化する。
【0020】ポリジメチルシロキサングラフト化ポリオ
レフィンは、ポリエチレンまたはポリプロピレンを二軸
混練機などで溶融状態にし機械的せん断力をかけて主鎖
を切断してラジカルを発生させ、そこに下記の分子構造
を持つポリジメチルシロキサンをグラフトするメカノケ
ミカル反応で製造する。
【0021】
【化2】
【0022】ポリオレフィンにグラフトするポリジメチ
ルシロキサンは、その粘度が12500cst〜100
000cstの範囲のものを用い、ポリオレフィンに対
して30〜70重量%の範囲でグラフトする。該ポリジ
メチルシロキサンのグラフト量が30重量%未満、70
重量%越えでは土壌中でポリオレフィン被覆が容易に熱
酸化劣化する。
【0023】利用できるポリジメチルシロキサングラフ
ト化ポリエチレンの市販品としてはダウコーニング社製
のマスターペレットSP−300(ポリジメチルシロキ
サン含有量40重量%)、トーレシリコーン社製のシリ
コーンコンセントレートBY27−002(ポリジメチ
ルシロキサン含有量50重量%)などがあり、ポリジメ
チルシロキサングラフト化ポリプロピレンの市販品とし
ては、トーレシリコーン社製のシリコーンコンセントレ
ートBY27−001(ポリジメチルシロキサン含有量
50重量%)などがある。接着剤層の上にこのポリオレ
フィンを被覆する方法としては、例えばTダイ、丸ダイ
から押出被覆する方法や粉体状のポリオレフィンを静電
塗装する方法などが使える。
【0024】クロメート被膜は乾燥・焼き付け後の全ク
ロム付着量換算で150〜1000mg/m2 の厚み、
エポキシプライマー被膜は30〜200μの厚み、接着
剤層は80〜400μの厚みでポリオレフィン層は1〜
8mmの厚みであると良好な結果が得られる。
【0025】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。
【0026】
【実施例】
実施例−1 鋼管(SGP200A×5500mm長さ×5.8mm
厚み)の外面をグリットブラスト処理して除錆し、シリ
カ系クロメート処理剤(無水クロム酸の水溶液をデキス
トリン(分子量120000)で部分的に還元し水溶液
中の全クロムに対する3価クロムの重量比を0.40と
し、アエロジル#200(SiO2 )を水溶液中の全ク
ロムに対する重量比で0.5添加)をロールで塗布して
160℃で加熱して乾燥・焼き付けした。乾燥・焼き付
け後の全クロム付着量は500mg/m2 であった。次
いでその表面に、下記の組成のエポキシプライマーを膜
厚50μになるようにスプレー塗装し、160℃で加熱
して硬化した。
【0027】 エピコート#828(*1) 100.0重量部 エピコート152 (*2) 5.0重量部 ガスカミンG328(*3) 30.6重量部 KR380(酸化チタン) 30.0重量部 *1)ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、エポ
キシ当量190 *2)フェノールノボラック型エポキシ、エポキシ当量
172 *3)エピクロルヒドリンとm−キシレンジアミンの縮
合物 活性水素量55 次いで、その表面にエチレン−プロピレンブロック共重
合体(エチレン含有量20重量%)を無水マレイン酸で
変性した粉体接着剤を膜厚が250μになるように静電
塗装し、加熱して溶融した。該粉体接着剤1g中の無水
マレイン酸の付加量は1×10-6モル/gであった。次
いで、その表面に下記の成分からなるポリオレフィンを
膜厚が2.5mmになるようにTダイで押出被覆し、冷
却して本発明による被覆鋼管1を得た。
【0028】 エチレン−プロピレンランダム共重合体 95重量% (エチレン含有量20重量%) ポリジメチルシロキサングラフト化ポリエチレン 5重量% 被覆鋼管1を地下1.5mに直埋設し、管内に120℃
の熱媒油を通して3年間経過後、被覆の劣化状況を調査
した結果を表1に示す。表1から、本発明の被覆鋼管は
3年間曝露ののちも被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化
劣化性を示す。
【0029】実施例−2 実施例1と同じ方法で、被覆に用いるポリオレフィンを
下記の成分構成に変えて本発明による被覆鋼管2を得
た。 エチレン−プロピレンランダム共重合体 50重量% (エチレン含有量20重量%) ポリジメチルシロキサングラフト化ポリエチレン 50重量% この被覆鋼管2を実施例1と同じ方法で埋設試験し、試
験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。表
1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露ののち
も被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示す。
【0030】実施例−3 実施例1と同じ方法で、被覆に用いるポリオレフィンを
下記の成分構成に変えて本発明による被覆鋼管3を得
た。 エチレン−プロピレンランダム共重合体 48重量% (エチレン含有量20重量%) ポリジメチルシロキサングラフト化ポリエチレン 12重量% エチレン−プロピレン共重合体ラバー 40重量% この被覆鋼管3を実施例1と同じ方法で埋設試験し、試
験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。表
1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露ののち
も被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示す。
【0031】実施例−4 実施例1と同じ方法で、被覆に用いるポリオレフィンを
下記の成分構成に変えて本発明による被覆鋼管4を得
た。 エチレン−プロピレンランダム共重合体 48重量% (エチレン含有量20重量%) ポリジメチルシロキサングラフト化ポリエチレン 12重量% エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体ラバー 40重量% この被覆鋼管4を実施例1と同じ方法で埋設試験し、試
験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。表
1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露試験の
のちも被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示
す。
【0032】実施例−5 実施例1と同じ方法で、被覆に用いるポリオレフィンを
下記の成分構成に変えて本発明による被覆鋼管5を得
た。 エチレン−プロピレンランダム共重合体 48重量% (エチレン含有量20重量%) ポリジメチルシロキサングラフト化ポリエチレン 12重量% ポリイソブチレン 40重量% この被覆鋼管5を実施例1と同じ方法で埋設試験し、試
験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。表
1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露試験の
のちも被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示
す。
【0033】実施例−6 実施例1と同じ方法で、被覆に用いるポリオレフィンを
下記の成分構成に変えて本発明による被覆鋼管6を得
た。 エチレン−プロピレンランダム共重合体 34重量% (エチレン含有量20重量%) ポリジメチルシロキサングラフト化ポリエチレン 8重量% ポリイソブチレン 28重量% エチレン−ブテン−1共重合体 30重量% この被覆鋼管6を実施例1と同じ方法で埋設試験し、試
験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。表
1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露試験の
のちも被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示
す。
【0034】実施例−7 実施例1と同じ方法で、被覆に用いるポリオレフィンを
下記の成分構成に変えて本発明による被覆鋼管7を得
た。 エチレン−プロピレンランダム共重合体 34重量% (エチレン含有量20重量%) ポリジメチルシロキサングラフト化ポリエチレン 8重量% ポリイソブチレン 28重量% エチレン−ヘキセン−1共重合体 30重量% この被覆鋼管7を実施例1と同じ方法で埋設試験し、試
験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。表
1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露試験の
のちも被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示
す。
【0035】実施例−8 実施例1と同じ方法で、被覆に用いる接着剤の無水マレ
イン酸付加量を1×10-4モル/gに変えて、本発明に
よる被覆鋼管8を得た。この被覆鋼管8を実施例1と同
じ方法で埋設試験し、試験後被覆の劣化状況を調査した
結果を表1に示した。表1の結果から、本発明の被覆鋼
管は3年間の曝露試験ののちも被覆の劣化がなく、優れ
た耐熱酸化劣化性を示す。
【0036】実施例−9 実施例1と同じ方法で、被覆に用いる接着剤の無水マレ
イン酸で変性する前の構成成分を下記のように変えて本
発明による被覆鋼管9を得た。 エチレン−プロピレンランダム共重合体 70重量% (エチレン含有量20重量%) エチレン−プロピレン共重合体ラバー 30重量% この被覆鋼管9を実施例1と同じ方法で埋設試験し、試
験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。表
1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露ののち
も被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示す。
【0037】実施例−10 実施例1と同じ方法で、被覆に用いる接着剤の無水マレ
イン酸で変性する前の構成成分を下記のように変えて本
発明による被覆鋼管10を得た。 エチレン−プロピレンランダム共重合体 70重量% (エチレン含有量20重量%) エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体ラバー 30重量% この被覆鋼管10を実施例1と同じ方法で埋設試験し、
試験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。
表1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露のの
ちも被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示す。
【0038】実施例−11 実施例1と同じ方法で、被覆に用いる接着剤の無水マレ
イン酸で変性する前の構成成分を下記のように変えて本
発明による被覆鋼管11を得た。 エチレン−プロピレンランダム共重合体 70重量% (エチレン含有量20重量%) ポリイソブチレン 30重量% この被覆鋼管11を実施例1と同じ方法で埋設試験し、
試験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。
表1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露のの
ちも被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示す。
【0039】実施例−12 実施例1と同じ方法で、被覆に用いる接着剤の無水マレ
イン酸で変性する前の構成成分を下記のように変えて本
発明による被覆鋼管12を得た。 エチレン−プロピレンランダム共重合体 49重量% (エチレン含有量20重量%) エチレン−プロピレン共重合体ラバー 21重量% エチレン−ブテン−1共重合体 30重量% この被覆鋼管12を実施例1と同じ方法で埋設試験し、
試験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。
表1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露のの
ちも被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示す。
【0040】実施例−13 実施例1と同じ方法で、被覆に用いる接着剤の無水マレ
イン酸で変性する前の構成成分を下記のように変えて本
発明による被覆鋼管13を得た。 エチレン−プロピレンランダム共重合体 49重量% (エチレン含有量20重量%) エチレン−プロピレン共重合体ラバー 21重量% エチレン−ブテン−1共重合体 30重量% この被覆鋼管13を実施例1と同じ方法で埋設試験し、
試験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。
表1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露のの
ちも被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示す。
【0041】実施例−14 実施例1と同じ方法で、下地処理に用いるシリカ系クロ
メート処理剤製造時の無水クロム酸水溶液をデキストリ
ンで部分的に還元する際の水溶液中の全クロムに対する
3価クロムの重量比を0.40から0.50に変更し、
本発明による被覆鋼管14を得た。この被覆鋼管14を
実施例1と同じ方法で埋設試験し、試験後被覆の劣化状
況を調査した結果を表1に示した。表1の結果から、本
発明の被覆鋼管は3年間の曝露ののちも被覆の劣化がな
く、優れた耐熱酸化劣化性を示す。
【0042】実施例−15 実施例1と同じ方法で、下地処理に用いるシリカ系クロ
メート処理剤製造時のアエロジル#200(SiO2
の添加量を水溶液中の全クロムに対する重量比で0.5
から2.0に変更し、本発明による被覆鋼管15を得
た。この被覆鋼管15を実施例1と同じ方法で埋設試験
し、試験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示し
た。表1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露
ののちも被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示
す。
【0043】実施例−16 実施例1と同じ方法で、下地処理に用いるシリカ系クロ
メート処理剤製造時のアエロジル#200をCOX84
に変更し、本発明による被覆鋼管16を得た。この被覆
鋼管16を実施例1と同じ方法で埋設試験し、試験後被
覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。表1の結
果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露ののちも被覆
の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示す。
【0044】実施例−17 実施例1と同じ方法で、下地処理に用いるシリカ系クロ
メート処理剤製造時のデキストリンを部分ケン化ポリ酢
酸ビニル(分子量140000、ケン化度85%)に変
更し、本発明による被覆鋼管17を得た。この被覆鋼管
17を実施例1と同じ方法で埋設試験し、試験後被覆の
劣化状況を調査した結果を表1に示した。表1の結果か
ら、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露ののちも被覆の劣
化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示す。
【0045】実施例−18 実施例1と同じ方法で、下地処理に用いるシリカ系クロ
メート処理剤製造時に、リン酸を全クロムに対するPO
4 3- の重量比で0.5添加し、本発明による被覆鋼管1
8を得た。この被覆鋼管18を実施例1と同じ方法で埋
設試験し、試験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1
に示した。表1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間
の曝露ののちも被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化
性を示す。
【0046】実施例−19 実施例1と同じ方法で、下地処理に用いるシリカ系クロ
メート処理剤製造時に、リン酸を全クロムに対するPO
4 3- の重量比で2.0添加し、本発明による被覆鋼管1
9を得た。この被覆鋼管19を実施例1と同じ方法で埋
設試験し、試験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1
に示した。表1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間
の曝露ののちも被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化
性を示す。
【0047】実施例−20 実施例1と同じ方法で、下地処理に用いるエポキシプラ
イマーを下記の配合のエポキシプライマーに変えて、本
発明による被覆鋼管20を得た。 エピコート#828 100.0重量部 エピコート152 70.0重量部 ガスカミンG328 51.2重量部 KR380(酸化チタン) 8.5重量部 この被覆鋼管20を実施例1と同じ方法で埋設試験し、
試験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。
表1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露のの
ちも被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示す。
【0048】実施例−21 実施例1と同じ方法で、下地処理に用いるエポキシプラ
イマーを下記の配合のエポキシプライマーに変えて、本
発明による被覆鋼管21を得た。 エピコート#828 100.0重量部 エピコート152 70.0重量部 ガスカミンG328 51.2重量部 KR380(酸化チタン) 117.0重量部 トルエン 50.0重量% この被覆鋼管21を実施例1と同じ方法で埋設試験し、
試験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。
表1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露のの
ちも被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示す。
【0049】実施例−22 実施例1と同じ方法で、下地処理に用いるエポキシプラ
イマーを下記の配合のエポキシプライマーに変えて、本
発明による被覆鋼管22を得た。 エピコート#828 100.0重量部 エピコート152 70.0重量部 エピキュアF108 4.1重量部 キュアゾールC11Z 4.1重量部 KR380(酸化チタン) 34.0重量部 この被覆鋼管22を実施例1と同じ方法で埋設試験し、
試験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。
表1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露のの
ちも被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示す。
【0050】実施例−23 実施例1と同じ方法で、下地処理に用いるエポキシプラ
イマーを下記の配合のエポキシプライマーに変えて、本
発明による被覆鋼管23を得た。 エピコート#828 100.0重量部 エピコート152 70.0重量部 エピキュアF108 34.0重量部 キュアゾールC11Z 34.0重量部 KR380(酸化チタン) 34.0重量部 この被覆鋼管23を実施例1と同じ方法で埋設試験し、
試験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。
表1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露のの
ちも被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示す。
【0051】実施例−24 実施例1と同じ方法で、下地処理に用いるエポキシプラ
イマーを下記の配合のエポキシプライマーに変えて、本
発明による被覆鋼管24を得た。 エピコート#828 100.0重量部 エピコート152 70.0重量部 エピキュアF108 11.9重量部 キュアゾール2MZ 4.1重量部 KR380(酸化チタン) 34.0重量部 この被覆鋼管24を実施例1と同じ方法で埋設試験し、
試験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。
表1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露のの
ちも被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示す。
【0052】実施例−25 実施例1と同じ方法で、下地処理に用いるエポキシプラ
イマーを下記の配合のエポキシプライマーに変えて、本
発明による被覆鋼管25を得た。 エピコート#828 100.0重量部 エピコート152 70.0重量部 エピキュアF108 11.9重量部 キュアゾール2P4MZ 4.1重量部 KR380(酸化チタン) 34.0重量部 この被覆鋼管24を実施例1と同じ方法で埋設試験し、
試験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。
表1の結果から、本発明の被覆鋼管は3年間の曝露のの
ちも被覆の劣化がなく、優れた耐熱酸化劣化性を示す。
【0053】比較例−1 実施例1と同じ方法で、被覆に用いる接着剤とポリオレ
フィンを下記の特公平3−29588号公報の材料に変
更し、被覆鋼管25を得た。 接着剤; エチレン−プロピレンブロック共重合体 5重量% エチレン−プロピレンブロック共重合体を1g当り1×10-6モルの無水マレ イン酸で変性した無水マレイン酸変性エチレン−プロピレンブロック共重合体 90重量% エチレン−プロピレン共重合体ラバー 5重量% ポリオレフィン; エチレン−プロピレンブロック共重合体 100重量% (エチレン成分2重量%含有) この被覆鋼管25を実施例1と同じ方法で埋設試験し、
試験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。
表1の結果から、特公平3−29588号公報の被覆鋼
管は3年間の曝露ののち被覆が熱酸化劣化し、120℃
の埋設環境では耐熱酸化劣化性が十分でない。
【0054】比較例−2 実施例1と同じ方法で、被覆に用いるポリオレフィンの
構成成分を次のように変更して、被覆鋼管26を得た。 エチレン−プロピレンランダム共重合体 100重量% (エチレン含有量20重量%) 即ち、本発明のポリオレフィンの必須構成要件であるポ
リジメチルシロキサングラフト化ポリエチレンを欠くポ
リオレフィンを被覆した被覆鋼管である。この被覆鋼管
26を実施例1と同じ方法で埋設試験し、試験後被覆の
劣化状況を調査した結果を表1に示した。表1の結果か
ら、この被覆鋼管は3年間の曝露ののち被覆が熱酸化劣
化し、120℃の埋設環境では耐熱酸化劣化性が十分で
ない。
【0055】比較例−3 実施例1と同じ方法で、被覆に用いるポリオレフィンの
構成成分を次のように変更して、被覆鋼管27を得た。 エチレン−プロピレンランダム共重合体 43重量% (エチレン含有量20重量%) ポリジメチルシロキサングラフト化ポリエチレン 12重量% エチレン−プロピレン共重合体ラバー 45重量% 即ち、本発明のポリオレフィンの構成要件の一つである
エチレン−プロピレン共重合体ラバーを40重量%を越
えて添加したポリオレフィンを被覆した被覆鋼管であ
る。この被覆鋼管27を実施例1と同じ方法で埋設試験
し、試験後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示し
た。表1の結果から、この被覆鋼管は3年間の曝露のの
ち被覆が熱酸化劣化し、120℃の埋設環境では耐熱酸
化劣化性が十分でない。
【0056】比較例−4 実施例1と同じ方法で、被覆に用いるポリオレフィンの
構成成分を次のように変更して、被覆鋼管28を得た。 エチレン−プロピレンランダム共重合体 32重量% (エチレン含有量20重量%) ポリジメチルシロキサングラフト化ポリエチレン 7重量% ポリイソブチレン 26重量% エチレン−ブテン−1共重合体 35重量% 即ち、本発明のポリオレフィンの構成要件の一つである
エチレン−ブテン−1共重合体を30重量%を越えて添
加したポリオレフィンを被覆した被覆鋼管である。この
被覆鋼管28を実施例1と同じ方法で埋設試験し、試験
後被覆の劣化状況を調査した結果を表1に示した。表1
の結果から、この被覆鋼管は3年間の曝露ののち被覆が
熱酸化劣化し、120℃の埋設環境では耐熱酸化劣化性
が十分でない。
【0057】比較例−5 実施例1と同じ方法で、被覆に用いる接着剤の無水マレ
イン酸で変性する前の構成成分を下記のように変えて被
覆鋼管29を得た。 エチレン−プロピレンランダム共重合体 65重量% (エチレン含有量20重量%) エチレンプロピレン共重合体ラバー 35重量% 即ち、本発明の接着剤の構成要件の一つであるエチレン
−プロピレン共重合体ラバーを30重量%を越えて添加
した接着剤を被覆した被覆鋼管である。この被覆鋼管2
9を実施例1と同じ方法で埋設試験し、試験後被覆の劣
化状況を調査した結果を表1に示した。表1の結果か
ら、この被覆鋼管は3年間の曝露ののち被覆が熱酸化劣
化し、120℃の埋設環境では耐熱酸化劣化性が十分で
ない。
【0058】比較例−6 実施例1と同じ方法で、被覆に用いる接着剤の無水マレ
イン酸で変性する前の構成成分を下記のように変えて被
覆鋼管30を得た。 エチレン−プロピレンランダム共重合体 36重量% (エチレン含有量20重量%) エチレン−プロピレン共重合体ラバー 29重量% エチレン−ブテン−1共重合体 35重量% 即ち、本発明の接着剤の構成要件の一つであるエチレン
−ブテン−1共重合体を30重量%を越えて添加した接
着剤を被覆した被覆鋼管である。この被覆鋼管30を実
施例1と同じ方法で埋設試験し、試験後被覆の劣化状況
を調査した結果を表1に示した。表1の結果から、この
被覆鋼管は3年間の曝露ののち被覆が熱酸化劣化し、1
20℃の埋設環境では耐熱酸化劣化性が十分でない。
【0059】比較例−7 実施例1と同じ方法で、シリカ系クロメート処理剤の塗
布を省略して被覆鋼管31を得た。この被覆鋼管を実施
例1と同じ方法で埋設試験し、試験後被覆の劣化状況を
調査した結果を表1に示した。表1の結果から、クロメ
ート処理剤の塗布を省略することでこの被覆鋼管は3年
間の曝露ののち被覆が熱酸化劣化し、120℃の埋設環
境では耐熱酸化劣化性が十分でない。
【0060】比較例−8 実施例1と同じ方法で、エポキシプライマーの塗布を省
略して被覆鋼管32を得た。この被覆鋼管を実施例1と
同じ方法で埋設試験し、試験後被覆の劣化状況を調査し
た結果を表1に示した。表1の結果から、エポキシプラ
イマーの塗布を省略することでこの被覆鋼管は3年間の
曝露ののち被覆が熱酸化劣化し、120℃の埋設環境で
は耐熱酸化劣化性が十分でない。
【0061】比較例−9 実施例1と同じ方法で、鋼管のブラスト処理を省略して
被覆鋼管33を得た。この被覆鋼管を実施例1と同じ方
法で埋設試験し、試験後被覆の劣化状況を調査した結果
を表1に示した。表1の結果から、鋼管のブラスト処理
を省略することでこの被覆鋼管は3年間の曝露ののち被
覆が熱酸化劣化し、120℃の埋設環境では耐熱酸化劣
化性が十分でない。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】以上の実施例からも明かなように、本発
明によるポリオレフィン被覆鋼材は、従来のポリオレフ
ィン被覆鋼材に比較して、被覆の高温埋設環境での耐熱
酸化劣化性に優れるため、従来にない優れた防食性を長
期間発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるポリオレフィン被覆鋼材の一部断
面図。
【図2】従来法によるポリオレフィン被覆鋼材の一部断
面図。
【符号の説明】
1…ブラスト処理または酸洗・脱脂で表面のスケールな
どを除去した鋼材(鋼管) 2…シリカ系クロメート被膜またはシリカ−リン酸系ク
ロメート被膜 3…エポキシ樹脂、アミン系硬化剤と無機顔料を必須成
分とするエポキシプライマー被膜、またはエポキシ樹
脂、ジシアンジアミド系硬化剤、イミダゾール系硬化促
進剤と無機顔料を必須成分とするエポキシプライマー被
膜 4…下記の〜のいずれかを無水マレイン酸で変性し
て得た接着剤層 エチレン−プロピレンランダム共重合体 に30重量%以下のポリオレフィンラバーを添加
した混合物 に30重量%以下のエチレン−α−オレフィン共
重合体を添加した混合物 5…下記の〜のいずれかからなるポリオレフィン層 エチレン−プロピレンランダム共重合体にポリジメ
チルシロキサングラフト化ポリオレフィンを5〜50重
量%添加した混合物 に40重量%以下のポリオレフィンラバーを添加
した混合物 に30重量%以下のエチレン−α−オレフィン共
重合体を添加した混合物 6…クロメート被膜 7…エポキシプライマー被膜 8…下記の〜から構成される接着剤層 ポリプロピレンホモポリマー、エチレン−プロピレ
ンブロック共重合体またはエチレン−プロピレン−α−
オレフィンランダム共重合体 を無水マレイン酸で変性した変性物 エチレン−プロピレンランダム共重合体またはエチ
レン−プロピレンブロック共重合体にポリオレフィンラ
バーを添加した混合物 9…下記のまたはであるポリオレフィン層 エチレン−プロピレンブロック共重合体 にポリエチレンまたはエチレン−α−オレフィン
共重合体と、ポリオレフィンラバーを混合した混合物

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼材の表面に下地処理を施した後、接着
    剤を介してポリオレフィンを被覆した鋼材において、 ポリオレフィンとして下記の,またはを用い、か
    つ、接着剤として、下記の(ア)、(イ)または(ウ)
    からなる材料、を用いることを特徴とするポリオレフィ
    ン被覆材 ポリジメチルシロキサングラフト化ポリオレフィン
    を5〜50重量%混合したエチレン−プロピレンランダ
    ム共重合体 にエチレン−プロピレン共重合体ラバー、エチレ
    ン−プロピレン−ブテン−1共重合体ラバー、ポリイソ
    ブチレンのうちいずれかのポリオレフィンラバーを40
    重量%以下添加した混合物 にエチレンとプロピレン以外のα−オレフィンを
    共重合して得たエチレン−α−オレフィン共重合体を3
    0重量%以下混合した混合物 (ア)エチレン−プロピレンランダム共重合体1gを無
    水マレイン酸1×10-6〜1×10-4モルの割合で変性
    した変性物 (イ)エチレン−プロピレンランダム共重合体に、エチ
    レン−プロピレン共重合体ラバー、エチレン−プロピレ
    ン−ブテン−1共重合体ラバー、ポリイソブチレンのう
    ちいずれかのポリオレフィンラバーを30重量%以下添
    加した混合物1gを無水マレイン酸1×10-6〜1×1
    -4モルの割合で変性した変性物 (ウ)エチレン−プロピレンランダム共重合体に、エチ
    レン−プロピレン共重合体ラバー、エチレン−プロピレ
    ン−ブテン−1共重合体ラバー、ポリイソブチレンのう
    ちいずれかのポリオレフィンラバーを30重量%以下、
    とエチレンとプロピレン以外のα−オレフィンを共重合
    して得たエチレン−α−オレフィン共重合体を30重量
    %以下混合した混合物1gを無水マレイン酸1×10-6
    〜1×10-4モルの割合で変性した変性物
  2. 【請求項2】 下地処理として、鋼材をブラスト処理し
    た後、クロメート被膜とエポキシプライマー塗膜を積層
    したことを特徴とする請求項1記載のポリオレフィン被
    覆鋼材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0832915A3 (de) * 1996-09-30 1998-08-12 Firma Carl Freudenberg Verfahren zur Herstellung eines Gummi-Metall-Teils
EP0786336A3 (de) * 1996-01-29 1998-09-02 Firma Carl Freudenberg Verfahren zur Herstellung eines Gummi-Metall-Teils
JP2020110423A (ja) * 2019-01-15 2020-07-27 株式会社リブドゥコーポレーション 吸収シートの製造方法、吸収シートおよび吸収シートの製造装置

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