JPH05261484A - 水平式連続鋳造用ブレークリング - Google Patents

水平式連続鋳造用ブレークリング

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JPH05261484A
JPH05261484A JP4094825A JP9482592A JPH05261484A JP H05261484 A JPH05261484 A JP H05261484A JP 4094825 A JP4094825 A JP 4094825A JP 9482592 A JP9482592 A JP 9482592A JP H05261484 A JPH05261484 A JP H05261484A
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JP
Japan
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phase
matrix
zirconia
amount
break ring
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Withdrawn
Application number
JP4094825A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Ouchi
龍哉 大内
Mitsuo Sugawara
光男 菅原
Hatsuo Taira
初雄 平
Tatsuji Aso
辰二 阿蘇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurosaki Refractories Co Ltd
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Kurosaki Refractories Co Ltd
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セット時のコーナー部の剥離、鋳造時の熱衝
撃による破損がなく、溝状損耗部の損耗量減少が可能な
ブレークリングの提供。 【構成】材質的にはAl2 3 −Cr2 3 質焼結体か
らなり、組織的には、緻密で微細な組織を有するAl2
3 −Cr2 3 質のマトリックス連続相とその中に分
散する第2相凝集粒からなり、マトリックスが制御され
た微細なクラックを含み、分散する第2相がマトリック
スと未安定ジルコニアとの均−混合物からなる凝集体と
したものである。マトリックスは、Al2 3 100〜
40重量%、Cr2 3 0〜60重量%からなり、Ti
2 を1.5重量%以下含むのがよい。分散された第2
相の大きさは10〜200μmであり、マトリックスに
占める第2相の割合が10〜50容量%であり、第2相
内の未安定ジルコニアの粒度は0.3〜20μmで第2
相内の未安定ジルコニアの割合は5〜99容量%である
均一な凝集粒である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水平式連続鋳造機に使
用されるブレークリング、とくにその構成材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】水平式連続鋳造は、従来の垂直式に比べ
て設備費が安価であること、パウダーなしで鋳造できる
ため鋳片表面へのパウダーの巻き込みがないこと、タン
ディッシュとモールドが直結しているため空気の巻き込
みがないこと等の利点から、近年、その導入が増加して
いる。
【0003】水平式連続鋳造機において使用される耐火
物製ブレークリングは、タンディッシュと鋳型を接続す
るもので、凝固シェルを安定して形成するために最も重
要な役割を担っている。
【0004】ブレークリングに必要な特性としては、溶
鋼に濡れ難いこと、耐熱衝撃性に優れていること、耐食
性に優れていること、寸法精度に優れていること等の性
質を有することが求められ、従来は、窒化珪素、窒化硼
素を含有する耐火物が適用されている。
【0005】しかしながら、従来材質では鋳造開始後の
熱衝撃による割れの発生や、鋳造中にブレークリングの
引き抜き側表面にモールドに沿つて発生する溝状の損耗
により、ブレークリングとして必ずしも十分な耐用性は
得られていない。とくに、熱衝撃によるブレークリング
の割れは、すぐに、ブレークアウトの原因となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、セッ
ト時のコーナー部の剥離、鋳造時の熱衝撃による破損防
止及び溝状損耗部の損耗量減少が可能なブレークリング
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のブレークリング
は、材質的にはAl2 3 −Cr2 3 質焼結体からな
り、組織的には、緻密で微細な組織を有するAl2 3
−Cr2 3 質のセラミックマトリックス(以下、マト
リックスという)とその中に分散する第2相からなり、
マトリックスが制御された微細なクラックを含み、分散
する第2相がマトリックスと未安定ジルコニアとの均一
混合物からなる凝集体とすることで上記課題を解決し
た。
【0008】マトリックスは、Al2 3 100〜40
重量%、Cr2 3 0〜60重量%からなり、TiO2
を1.5重量%以下含む。
【0009】分散する第2相はマトリックスと未安定ジ
ルコニアとの均一混合物からなる凝集粒であり、大きさ
は10〜200μmであり、マトリックスに占める第2
相の割合が10〜35容量%であり、第2相内の未安定
ジルコニアの粒度は0.3〜20μmで第2相内の未安
定ジルコニアの割合は5〜100容量%である均一な凝
集粒である。
【0010】この焼結体は、第2相の大きさが10〜2
00μmである凝集粒をマトリックスに対して10〜3
5容量%となるように凝集粒とマトリックス粉末を混合
調製し、この混合物を所望の形状に成形した後、150
0℃以上の温度で焼結することにより得られる。このと
き、焼成途中で変態膨張する未安定ジルコニアを均一に
分散するのではなく、凝集粒の形態で添加することによ
り、凝集粒の変態膨張量が未安定ジルコニア添加量にほ
ぼ比例することから、凝集粒の膨張量を制御可能とする
特徴を有する。
【0011】
【作用】本発明によるアルミナ−クロミア材質の優れた
耐熱衝撃性は、第一に制御された適切なサイズのマイク
ロクラックによるクラックブランチング効果、第二に未
安定ジルコニアに富む第2相でのジルコニア変態による
応力誘起変態、更には第三として凝集粒境界でのクラッ
ク偏向により達成される。
【0012】第一の制御された適切なサイズのマイクロ
クラックとはクラック幅3〜20μm程度のものであ
り、このクラックが適切に分布することで、クラックが
進展する場合にクラックブランチングが生じ、クラック
の破壊エネルギーを吸収分散、クラックの進展が阻止さ
れる。
【0013】第二の未安定ジルコニアに富む第2相での
ジルコニア変態による応力誘起変態においては、未安定
ジルコニアが内在されている第2相内にクラックが侵入
した場合、第2相内でジルコニアの変態膨張による破壊
エネルギーの吸収と、第2相内部に発生している圧縮応
力によりクラック先端に圧縮力が作用し、クラックの進
展が阻害される。
【0014】第三の凝集粒境界でのクラック偏向におい
ては、第2相とマトリックス境界部には引張り応力が作
用し、この境界にクラックが達するとクラックは境界の
接線方向に偏向され、その結果クラック進展が阻害され
る。
【0015】凝集粒の変態膨張量は、凝集粒内の未安定
ジルコニア添加量にほぼ比例することにより、また、凝
集粒粒径とマトリックス内に添加する凝集粒の添加量を
制御することにより、凝集粒の膨張量を制御可能とし、
マトリックス内部に発生させるクラックの量とサイズと
分布を任意に制御可能とする。
【0016】本発明は、焼成途中で変態膨張する未安定
ジルコニアを均一に分散するのではなく、凝集粒の形態
で添加することに特徴を有する。
【0017】
【実施例】
実施例1 マトリックス量と第2相添加量を変更した材質を作製
し、耐熱衝撃抵抗性の調査を行ない。また従来品との比
較を行なった。
【0018】マトリックス材料として平均粒径0.4μ
mの酸化アルミニウム50重量%、平均粒径0.3μm
の酸化クロム50重量%、焼結助剤として酸化チタニウ
ム又は滑石粉末と有機バインダーと精製水を加え、ボー
ルミルで24時間予備混合した後、アトライターにて3
時間混合分散処理し、得られたスラリーを噴霧乾燥機に
より造粒し、マトリックス顆粒粉末を得た。平均粒径は
50μmであつた。
【0019】次に第2相凝集粒としてマトリックス材料
と同一原料、同一配合組成を有するもの100容量%に
対して、平均粒径2μmの未安定ジルコニアを外掛け量
で50容量%添加してなる粉末を秤量混合し、所定量の
有機バインダーと精製水を加え、ボールミルで24時間
予備混合した後、アトライターで3時間混合分散処理
し、碍られたスラリーを噴霧乾燥機により混合し、第2
相用の顆粒粉体/凝集粒を得た。この粒径は平均で50
μmであった。
【0020】次にマトリックス顆粒と第2相顆粒につい
て、表1に示す配合割合(容量割合)のものをV型ミキ
サーにて一定時間混合し、混合粉末とした。
【0021】この混合粉末を一軸成形機にて1.4トン
/cm2 の圧力で120角×12mmt形状に成形し
た。比較のためにジルコニアに富む第2相を添加しない
マトリックス単味だけの素地も成形した。
【0022】得られた素地を電気炉で大気雰囲気下16
50℃で2時間保持して焼成した。焼結体はアルキメデ
ス法により嵩密度、並びに見掛け気孔率を測定した。ま
た常温曲げ強度をJIS−R1601に準拠して測定し
た。熱衝撃抵抗性はJIS−R1601に準拠する曲げ
サンプルを所定の温度で1 時間保持し、水中へ急速に落
下し、その後乾燥した試料の曲げ強度を測定し、常温で
の曲げ強度と比較し、急激に強度変化が生じた保持温度
と水温の差をΔT(℃)と定義しそのΔTが高いものほ
ど熱衝撃抵抗性が良好とみなした。
【0023】以上の素地の焼成結果及び焼成体の特性結
果を従来のブレークリング用材質であるBN−SiAl
ON系と比較して表1に示す。
【0024】
【表1】 表1において、材質良否判定の項で、〇はSiAlON
−30%BNより耐熱衝撃性(ΔT)が優れていたもの
を示す。×は逆にSiAlON−30%BNより耐熱衝
撃性(ΔT)が低下していたものを示す。△は判断基準
となったSiAlON−30%BNを示す。
【0025】表1の結果から、本発明による第2相凝集
粒の添加量が10〜35容量%である実施符号1から4
の材料はSiAlON−30%BNより耐熱衝撃性(Δ
T)が優れている。一方、第2相凝集粒の添加量が10
容量%未満のもの(実施符号5と6)はSiAlON−
30%BNより耐熱衝撃性(ΔT)が低下していた。ま
た、第2相凝集粒の添加量が40容量%のもの(実施符
号7)はジルコニア添加量が多いため、発生したクラッ
ク同士が連結したため焼結体に大きなヒビが発生した。
【0026】実施例2 本発明と公知のジルコニア分散強化セラミックスとの比
較を行なった。
【0027】比較のための試料は、特公昭59−257
48号公報に準拠し、アルミナ−クロミアをマトリック
スとした粉体を比較用として作製した。マトリックスと
して平均粒径0.4μmの酸化アルミ50重量%、平均
粒径0.3μmの酸化クロム50重量%と焼結助剤とし
て酸化チタニウムと滑石とを外掛け1.0重量%からな
る粉末に実施例1で用いた平均粒径2μmの未安定ジル
コニアを表2に示す割合(容量%)で秤量し、所定量の
有機バインダーと精製水を加え、ボールミルで24時間
予備混合した後、アトライターにて3時間混合分散処理
し、得られたスラリーを噴霧乾燥機により造粒、マトリ
ックス顆粒粉末を得た。また、成形焼成は実施例1と同
一方法にて実施した。この方法で得られた焼結体特性を
実施例1で示した本発明の焼結体との比較を表2に示
す。
【0028】
【表2】 微細構造を走査型電子顕微鏡で観察したところ、実施符
号11,12に示す比較例はマトリックスが非常に微細
となっており、未安定ジルコニアが均一に分散してい
た。
【0029】これに対し本発明の5,7のマトリックス
部は比較例10とほぼ同一の大きな粒径をもちマトリッ
クスの中に大きさ約35〜40μm程度のジルコニアに
富む第2相が均一に分散しており、第2相内は約5μm
程度の微細マトリックスと未安定ジルコニアとからなっ
ていた。実施番号5,7の焼結体中に占める未安定ジル
コニアの容量%は各々5,10容量%である。したがっ
て、比較例11と本発明8、比較例12と本発明7はジ
ルコニアの分散状態は全く異なるが、焼結体に占める未
安定ジルコニア容量%は同一である。
【0030】表2の結果から、特公報59−25748
号公報に準拠した比較例11と12は未安定ジルコニア
の均一分散により耐熱衝撃抵抗性は改善されているが、
効果は本発明ほど著しくないことが明らかである。
【0031】実施例3 本実施例では第2相内のジルコニア添加量について検討
した。
【0032】未安定ジルコニアは実施例1で使用した同
一物を使用し、第2相凝集粒内でのマトリックスと未安
定ジルコニアの添加割合(容量%)を表3に示す割合で
実施例1に示した顆粒製造工程と同一方法にて第2相凝
集粒を製造した。マトリックス組成は実施例1と同一で
ある。
【0033】得られた顆粒の平均粒径は約50μmであ
った。得られた未安定ジルコニア添加量が異なる各種第
2相凝集粒とマトリックス顆粒とを表4〜9に示す割合
にて混合し、実施例1と同一方法にて評価しその結果を
同じ表内に記載した。
【0034】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】 表3の結果から、第2相凝集粒内の未安定ジルコニアが
100容量%の場合、その最適な添加量は30〜70容
量%であることがわかる。
【0035】表5〜7の結果から第2相凝集粒内の未安
定ジルコニアが67容量%の場合、その最適な添加量は
10〜30容量%、同じく第2相凝集粒内の未安定ジル
コニアが50容量%の場合、その最適な添加量は10〜
40容量%、第2相凝集粒内の未安定ジルコニアが33
容量%の場合、その最適な添加量は10〜50容量%で
あることがわかる。
【0036】また表8の結果より、第2相凝集粒内の未
安定ジルコニアが5容量%の場合はその最適な添加量は
30〜70容量%であることがわかる。
【0037】しかし表9の結果から、第2相凝集粒内の
未安定ジルコニアの量が3容量%の場合、マトリックス
顆粒と第2相凝集粒の混合割合をいかように変化させて
も、耐熱衝撃特性の改善は認められない。すなわち上記
結果から、第2相凝集粒内の未安定ジルコニアが5容量
%未満となると本発明の効果は認められない。したがっ
て、本発明では第2相凝集粒内の未安定ジルコニアの割
合は5〜99容量%と規定するものである。
【0038】また、第2相凝集粒の添加量は第2相凝集
粒内の未安定ジルコニア量が変化するとともに、第2相
凝集粒の最適な添加割合は変化するが、第2相凝集粒内
の未安定ジルコニア添加量が5〜99容量%の場合、第
2相凝集粒の最適添加量は3〜70容量%であることが
わかる。しかし、従来材のΔTが600℃であることを
考慮して、実用性となる添加量範囲は10〜50容量%
とする。
【0039】実施例4 実施例1に示した本発明の4,6と、比較例10の材質
によってブレークリング供試サンプルを作製、鋳造試験
を行ない、溝状損耗量との関係を調査した。
【0040】鋳造は、鋼種:SUS304、溶湯温度:
1500℃、引抜き速度:1.7m/min、鋳造量:
30t、鋳造時間:2時間の条件で行なった。
【0041】溝状損耗量は鋳造後のブレークリング溝部
の深さを測定した。その結果を表10に示す。
【0042】
【表10】 その結果、実施例1に示した本発明4,6の試料は比較
例10の試料と比べて熱衝撃に強いため、鋳造初期の熱
衝撃によるクラック発生もなく、2時間の鋳造を達成す
ることができた。
【0043】また従来材であるSiAlON−30%B
Nより約4倍以上、溝状損耗量が少ないことより、8時
間以上の長時間連続鋳造が可能となった。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば優れた耐用性を有するブ
レークリングを得ることができ、それによって水平式連
続鋳造の操業の安定化、ブレークリング購入費用の低減
を達成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平 初雄 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内 (72)発明者 阿蘇 辰二 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミナ−クロミア質のマトリックス連
    続相とその中に分散する第2相凝集粒とからなり、分散
    する凝集粒が主として単斜晶のジルコニアを含有してい
    るアルミナ−クロミア焼結体であることを特徴とする水
    平式連続鋳造用ブレークリング。
JP4094825A 1992-03-21 1992-03-21 水平式連続鋳造用ブレークリング Withdrawn JPH05261484A (ja)

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JP4094825A JPH05261484A (ja) 1992-03-21 1992-03-21 水平式連続鋳造用ブレークリング

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Effective date: 19990608