JPH0525575B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えばプレスブレーキやタンジエン
トベンダー等のごとく板材の折曲げ加工を行なう
折曲げ加工機の金型交換装置に係り、さらに詳細
には、複数の金型を組合せて任意の長さに設定し
た状態のまま、折曲げ加工機のラムに対して装着
することのできる金型交換装置に関する。

折曲げ加工機に対して金型の交換を行なう先行
例としては、例えば特開昭57−181725号公報（以
下単に先行例と称す）がある。上記先行例におい
ては、プレスブレーキの左右の一側方位置に金型
ストツカを配置して、上下の金型を同時的に交換
する情報であるが、上下の金型は長大な１本物で
あるので、前記金型ストツカは左右方向に大きな
幅が必要であり、占有面積が大きくなるという問
題点がある。

また、プレスブレーキなどのごとき折曲げ加工
機においては、板材の折曲げ幅に対応するよう
に、長さの異なる複数の分割金型を用いることが
ある。この分割金型の交換は、一般的には手作業
によつて行なわれているものであり、自動的に金
型の交換を行なう場合には、例えば産業用ロボツ
トのごとき交換装置を用いて分割金型を１個毎に
交換するものであり、金型交換の作業能率向上に
問題がある。

この発明は、上述のごとき従来の問題に鑑みて
なされたものである。

以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。なお、理解を容易にするために、先ず、本発
明を実施した折曲げ加工機の全体的構成について
説明する。

第１図、第２図に例示した板材の折曲げ加工機
１では、板材３をトツプダイ５（上金型、上型、
上盤、などと呼ばれることがある）とボトムダイ
７（テーブル、下盤、下型などと呼ばれることが
ある）の間に折曲げ部分を突出させて固定する。

次にベンドビーム９（曲げ金型、曲げ盤、回転
テーブルなどと呼ばれることがある）を例えば上
昇させながらトツプダイ５に接近させて、板材３
を任意の角度に折曲げるのである。

さらに第１図、第２図に例示した折曲げ加工機
１では、板材３の１辺を折曲げた後にトツプダイ
５を含めたラム１１を上昇させ、第２図に示した
加工機の中心線１３を越えて対称的に設置した第
２図右側のトツプダイ１５などによつて板材３の
反対辺の折曲げ作業を行なうことができる。

上記のような折曲げ加工機１は、例えば長方形
の箱などの４辺を立ち上げて箱を作る流れ作業中
に用いられるもので、長辺なら長辺だけの対応辺
を曲げる過程で１方向にだけ板材３を移動するこ
とで作業ができる専用の加工機である。

折曲げ加工機１は板材３を加工し移動する方向
と直交する１側に、長さの異なる交換金型（トツ
プダイ５及び１５など）を収納する金型収納部を
複数段備えたラツク（棚）１７，１９を前後対称
に並列させて設けてある。

第１図に示したようにラツク１７は、短い長さ
の分割されたトツプダイ５用のａ、ｂ、ｃ、ｄ、
ｅ、ｆグループ用の第１ラツクと、長い長さの分
割されたトツプダイ５用のＡ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、
Ｆグループ用の第２ラツクとに分かれている。

したがつて、第１ラツクの各金型収納部５ａ，
５ｂ，５ｃ，５ｄ，５ｅ，５ｆには、例えば20
mm、30mm、40mm、50mm、100mm、200mmの分割トツ
プダイ５が収納してあり、第２ラツクの各金型収
納部５Ａ，５Ｂ，５Ｃ，５Ｄ，５Ｅ，５Ｆには例
えば100mm、200mm、300mm、400mm、500mm、600mm
などが収納してある。

第５図、第６図に明らかなように、後列に相当
するラツク１９も、前記した列と全く同様に長短
の金型収納部が複数段に設けてあり、ラツク構体
２１の左右面に設けたガイドレール２３に案内さ
れて昇降自在である。

前記したラツク構体２１の前側のガイドレール
２３に隣接して電動機２５で駆動されるリードス
クリユー２７が設けてあり、これと螺合するナツ
ト部材２９が前側のラツク１７を前記したガイド
レール２３にそつて昇降させる。

ラツク１７の上下端にはベアリングホールの循
環するボールリテイナー３１が設けてあつて、前
記したガイドレール２３と協働してリニアモーシ
ヨンベアリングを構成している。

なお前側の複数段のラツク１７の上下端は後側
の複数段のラツク１９の下上端とにチエン３３で
連結され、かつこのチエン３３が上下でスプロケ
ツト３５にかけまわされているために、第５図に
示したように同長のトツプダイ５と１５とを搬入
の移送位置３７に同時に位置させることができ
る。

第１図、第２図に示した折曲加工機１は形鋼な
どを溶接など適宜な手段で門型に構成した機枠３
９を備え、中程に中心線１３に対して対称にボト
ルダイ７が設けてある。

機枠３９の上方には流体圧シリンダ４１，４１
のピストンロツド４３，４３に両端を連結された
ラム１１が設けてあり、ラム１１の上方には垂直
盤４５が設けてあつて、この垂直盤４５に水平に
軸着されたガイドローラ４７が例えば３セツト設
けてある。

これらのガイドローラ４７は機枠３９の１部に
設けた例えば角柱４９の両側に当接して回転し、
ラム１１を垂直姿勢を維持したまま昇降させる。

また第１図に示したように上方の機枠３９には
ラム１１の中心線に向かつて１直線に並んだ複数
の流体圧シリンダ５１が設けてあり、ラム１１の
上面には前記した流体圧シリンダ５１の中間にＬ
字ブロツク５３の水平部端を軸着する軸体５５が
ロータリーアクチユエータなどで回転自在に植設
してある。

第１図では左から６本の軸体５５が回動して、
Ｌ字ブロツク５３の垂直部が前記した流体圧シリ
ンダ５１の下向きの押圧力をラム１１に伝達して
おり、板材３をラム１１の中央に位置させない場
合の偏荷重でも無害にしているのである。

前記したラム１１の下面中央には突出ブロツク
５７が複数個設けてあつて、第２図に示したボト
ムダイ７の間に位置している。

この突出ブロツク５７のボトムダイ７に当面す
る両面には勾配ガイド５９がリードスクリユー６
１に螺合して位置調整自在に設けてあり、サーボ
モータなどの電動機６３によつてリードスクリユ
ー６１を駆動して、勾配ガイド５９を左右同時に
昇降して位置決めする。

第２図の突出ブロツク５７の下に示したのは流
体圧シリンダ６５であつて、第２図の左側に示し
た板材３の右端に接した板材３の位置決めゲージ
６７を上昇下降するものである。また位置決めゲ
ージ６７の左右先端の位置決めは、サーボモータ
などの電動機６９によつて行なつている。

第１図、第２図の機枠３９の最下方に示した１
対の流体圧シリンダ７１，７１は、前記したベン
ドビーム９，９を昇降駆動するものである。

すなわち流体圧シリンダ７１を駆動することで
リンク７３が揺動し、偏心軸７５が回動するから
ベンドビーム９は前記した勾配ガイド５９に接触
しながら上昇しかつトツプダイ５に接近を強制さ
れ、板材３を折曲げることになる。

液体圧シリンダ７１の底部に隣接したサーボモ
ータなどの電動機７７は流体圧シリンダ７１のス
トロークエンドを制御するものである。

ベンドビーム９の下方のシヤンク部７９には機
枠３９との間に圧縮した弾機８１が設けてある。

また本実施例装置は上方にオイルタンク８３と
オイルポンプ８５を内蔵している。

第２図に示したように本実施例装置のラム１１
の１側端には総括的な金型移送装置８７の駆動電
動機８９がブラケツト９１を介して取りつけてあ
る。

第１０図に拡大して示したように前記した電動
機８９の回転は例えば２段の減速ギヤーを経てラ
ム１１に支承されたプーリー軸９３に伝えられて
おり、プーリー軸９３にはラム１１の両側にプー
リー９５，９５が固着してある。

上記したプーリー９５，９５と同寸同形のアイ
ドルプーリー９７，９７がラム１１の最もラツク
１７，１９に近い部分に設けてあつて、ラム１１
の同じ側のプーリー９５と９７との間には例えば
タイミングベルトなどの滑らないベルト９９，９
９がかけまわしてある。

次に第７図、第８図、第９図にもとづいてトツ
プダイ５側の金型移送装置８７について説明を進
め、トツプダイ１５側の金型移送装置８７は対称
に配置された同じ構成であるので説明を省略す
る。

ラム１１の側面にガイドレール１０１を設け、
このガイドレール１０１に案内され、ボールを循
環自在に保持するボールリテイナー１０３を複数
設けた滑動台１０５が設けてある。

第８図に明らかなようにベルト９９の下側がベ
ルトクランプ１０７で滑動台１０５に固定してあ
るから、滑動台１０５は電動機８９に駆動されて
トツプダイ５の長手方向（第７図の左右方向）に
滑動移動自在である。

第８図にもつとも明らかなように、滑動台１０
５の１部にはブラケツト１０９を介して流体圧シ
リンダ１１１が滑動台１０５の移動方向に平行に
設けてあり、滑動台１０５の下面にはガイドレー
ル１１３と循環ボールリテイナー１１５を介して
滑動体１１７が設けてある。

上記滑動体１１７は前記した流体圧シリンダ１
１１のピストンロツド１１９の先端に連結してあ
るから、滑動体１１７は滑動台１０５の移動距離
の上で移動距離を延長した移動ができるのであ
る。

上記滑動体１１７のラツク側先端には中心線１
３方向に出没する係止部材１２１を備えた流体圧
シリンダ１２３が水平に設けてある。

また第８図に明らかなように、ラム１１の下面
にはトツプダイ５をその内側両側でゆるやかに保
持する外保持爪部材１２５と内保持爪部材１２７
とが設けあつて、その内の内保持爪部材１２７の
上にはトツプダイ５の傾斜部１２９と係合する係
合切欠き部１３１を備えた昇降ピン１３３が設け
てある。

上記した傾斜部１２９と係合切欠き部１３１と
は図示を省略した強力な弾機の付勢力で、トツプ
ダイ５をラム１１の下面に保持しているが、流体
圧によつて前記した弾機の付勢力に抗らつて昇降
ピン１３３を下降させると、トツプダイ５を水平
方向に移動自在にすることができるのである。

以上のごとき実施例の説明より明らかなよう
に、要するに本発明は、折曲げ加工機１における
上下動自在なラム１１に対して金型の交換を行な
う金型交換装置にして、前記折曲げ加工機１の左
右方向の一側方に設けたラツク構体２１に、適宜
長さの金型を収納する金型収納部を複数段備えた
第１ラツク及び第２ラツクを左右方向に並列に設
け、上記第１ラツク及び第２ラツクを個別に上下
動可能に設けると共に第１ラツクに備えた任意の
金型収納部と第２ラツクに備えた任意の金型収納
部とを、前記ラム１１に対応した高さ位置におい
て任意に選択して左右方向に整列し得る構成とな
し、かつ上記左右方向に整列された第１、第２ラ
ツクの任意の各金型収納部内の各金型を前記ラム
１１方向へ同時に一体的に移送するための金型移
送装置８７を左右方向へ移動自在に設けてなるも
のである。

上記構成より明らかなように、本発明において
は、折曲げ加工機１の左右方向の一側方には金型
を収納する金型収納部を複数段備えた第１ラツク
および第２ラツクが左右方向に並列に設けてあ
り、かつ第１、第２のラツクは個別に上下動可能
であつて、第１ラツクに備えた任意の金型収納部
と第２ラツクに備えた任意の金型収納部とを、折
曲げ加工機のラム１１に対応した高さ位置におい
て任意に選択して左右方向に整列することができ
るものである。そして、上記整列された各金型収
納部内の各金型は金型移送装置８７によつて同時
に一体的にラム１１方向へ移動し得るものであ
る。

したがつて本発明によれば、第１、第２のラツ
クの各金型収納部内に支承された長さの異なる各
金型を左右方向に整列することにより、被加工材
の幅等に対応して種々の長さの金型を組合せ設定
することができることとなり、そして、上記組合
せ設定された各金型を同時にラム方向へ移動でき
るので、金型の長さの設定が容易であり、かつラ
ムに対する金型の装着を迅速に行なうことができ
るものである。

また、長大な金型の場合には、第１、第２のラ
ツクにおける複数の金型収納部に金型を分割して
収納できるものであり、金型を収納する金型収納
部の左右長を比較的小さくでき、全体の左右幅を
小さくできるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例装置の正面図、第２図
は第１図の−断面矢視図、第３図は第１図の
−矢視図、第４図は第１図のラツク部分の拡
大図、第５図は第４図の右側面図、第６図は第５
図の平面図、第７図は金型移送装置の正面詳細
図、第８図は第７図の右側面拡大図、第９図は第
７図の右端の下面図、第１０図は第２図の金型移
送装置の駆動部分説明図である。 （図面の主要部を表わす符号の説明）、１……
折曲げ加工機、５……トツプダイ、７……ボトム
ダイ、９……ベンドビーム、１１……ラム、１７
……ラツク、８７……金型移送装置、１０５……
滑動台、１２７……係止部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 折曲げ加工機１における上下動自在なラム１
   １に対して金型の交換を行なう金型交換装置にし
   て、前記折曲げ加工機１の左右方向の一側方に設
   けたラツク構体２１に、適宜長さの金型を収納す
   る金型収納部を複数段備えた第１ラツク及び第２
   ラツクを左右方向に並列に設け、上記第１ラツク
   及び第２ラツクを個別に上下動可能に設けると共
   に第１ラツクに備えた任意の金型収納部と第２ラ
   ツクに備えた任意の金型収納部とを、前記ラム１
   １に対応した高さ位置において任意に選択して左
   右方向に整列し得る構成となし、かつ上記左右方
   向に整列された第１、第２ラツクの任意の各金型
   収納部内の各金型を前記ラム１１方向へ同時に一
   体的に移送するための金型移送装置８７を左右方
   向へ移動自在に設けてなることを特徴とする折曲
   げ加工機の金型交換装置。