JPH05255418A - 液状光硬化性樹脂組成物 - Google Patents

液状光硬化性樹脂組成物

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JPH05255418A
JPH05255418A JP5797992A JP5797992A JPH05255418A JP H05255418 A JPH05255418 A JP H05255418A JP 5797992 A JP5797992 A JP 5797992A JP 5797992 A JP5797992 A JP 5797992A JP H05255418 A JPH05255418 A JP H05255418A
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JP
Japan
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resin composition
substrate
resin
fine particles
compound
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JP5797992A
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English (en)
Inventor
Hirotoshi Iketani
裕俊 池谷
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】硬化時の体積収縮率が小さく、クラック、気泡
等の発生が低減され、基板等との密着性に優れた液状光
硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。 【構成】光硬化性化合物を主成分とし、この光硬化性化
合物中には、シリコーン樹脂の微粒子が分散されている
か、あるいは鎖状構造のアクリル樹脂および/またはメ
タクリル樹脂が溶解されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液状光硬化性樹脂組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、光硬化性樹脂は、露光、即ち
紫外線、電子線等のエネルギー線を照射することによっ
て、迅速に且つ容易にポリマー化して硬化するため、こ
の特徴を利用し、他の添加剤等を含有した樹脂組成物の
形で、コーティング、ポッティング、注型、接着等の用
途に広く用いられている。
【0003】近年、このような光硬化性樹脂組成物は、
回路基板、ICカード等の分野にも応用されている。そ
の新しい試みとして、回路基板やICカード等の基板表
面を平坦化するための用途が検討されている。即ち、基
板の凹み部分に半導体デバイス、チップ部品、電池等の
部品を実装した後、この凹み部分に液状光硬化性樹脂組
成物を充填し、これを硬化させて当該凹み部分を埋め込
んで基板表面を平坦化する。
【0004】しかしながら、従来の液状光硬化性樹脂組
成物は、硬化時の体積収縮が大きいため、上述したよう
な用途に適用した場合、充填した時点ではその表面は平
坦であるが、硬化させた際に該表面に凹みが生じ、基板
表面の平坦化を充分に行うことができない。このような
欠点について、図3を参照して更に詳細に説明する。
【0005】同図(a)において、31は基板であり、
その凹み部分32には所定の部品33が実装されてい
る。次に、図3(b)に示す如く、凹み部分32に液状
光硬化性樹脂組成物を充填して樹脂層341 を形成し、
基板表面を平坦化する。更に図3(c)に示す如く、基
板31に対して光照射、即ち、紫外線、電子線等のエネ
ルギー線35の照射を行い樹脂層341 を硬化させる。
この場合、図3(d)に示す如く、形成された硬化樹脂
層342 には体積収縮が発生し、その表面に凹みが生じ
る。この結果、基板31の表面には、硬化樹脂層342
の表面において段差が生じ、充分に平坦化されない。
【0006】また、従来の液状光硬化性樹脂組成物で
は、硬化時において、クラック、基板からの剥離、気泡
等が発生して外観不良を生じ、更に基板上に実装されて
いる部品に損傷を与え信頼性を低下させるという問題点
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点に
鑑みてなされたもので、硬化時の体積収縮率が小さく、
クラック、気泡等の発生が低減され、基板等との密着性
に優れた液状光硬化性樹脂組成物を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の第一の
液状光硬化性樹脂組成物は、光硬化性化合物を主成分と
し、該化合物中にシリコーン樹脂の微粒子が分散されて
いることを特徴とする。
【0009】また、本発明の第二の液状光硬化性樹脂組
成物は、光硬化性化合物を主成分とし、該化合物に鎖状
構造のアクリル樹脂および/またはメタクリル樹脂が溶
解されていることを特徴とする。以下、上記液状光硬化
性樹脂組成物の詳細を説明する。
【0010】本発明の第一および第二の組成物に主成分
として含有される光硬化性化合物は、光照射、即ち紫外
線、電子線、その他のエネルギー線等の照射によって硬
化する樹脂であれば特に限定されない。例えば、アクリ
レート系、不飽和ポリエステル系、スチレン系、ブタジ
エン系等のラジカル重合型化合物、ポリエン・ポリチオ
ール系、スピラン樹脂系等のラジカル付加型化合物、エ
ポキシ樹脂等のカチオン重合型化合物、アミノアルキッ
ド樹脂等の酸硬化型化合物が挙げられる。これら化合物
は、単独でまたは2種以上の混合系で使用され得る。本
発明では、上述した光硬化性化合物のうち、特に基板等
の表面を充分に平坦化させる点で、ラジカル重合型化合
物およびカチオン重合型化合物が好ましい。
【0011】前記ラジカル重合型化合物としては、組成
物の硬化速度を速め、また厚膜の硬化を可能にする等、
樹脂組成物の硬化性を著しく向上させる点でアクリレー
ト系化合物が好ましい。本発明で使用されるアクリレー
ト系化合物は、アクリレートおよびメタクリレートに大
別され、これらには単官能性、多官能性の化合物、また
モノマーおよびオリゴマー(プレポリマー)も包含され
る。当該化合物としては、エポキシアクリレート、ウレ
タンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエ
ーテルアクリレート、ポリオールアクリレート、アルキ
ッドアクリレート、メラミンアクリレート、シリコーン
アクリレート、ポリブタジエンアクリート、およびこれ
らのメタクリレート相当体等が挙げられる。
【0012】一方、前記カチオン重合型化合物として
は、少なくとも1個のエポキシ基を有する芳香族エポキ
シ化合物、脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合
物等が好ましい。
【0013】前記芳香族エポキシ化合物としては、例え
ば、少なくとも1個の芳香環を有する多価フェノールま
たはそのアルキレンオキサイド付加体から誘導されるポ
リグリシジルエーテルが挙げられる。これらの具体例と
しては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビ
スフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノー
ルSのジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂
等が挙げられる。
【0014】前記脂環式エポキシ化合物としては、例え
ば、少なくとも1個の脂環を有する多価アルコールのポ
リグリシジルエーテル、またはシクロへキセン環あるい
はシクロペンテン環含有化合物をエポキシ化して得られ
るシクロヘキセンオキサイド、シクロペンテンオキサイ
ド等が挙げられる。これらの具体例としては、水素添加
ビスフェノールAのジグリシジルエーテルおよび下記化
1に示す化合物等が挙げられる。
【0015】
【化1】
【0016】前記脂肪族エポキシ化合物としては、例え
ば、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサ
イド付加体から誘導されるポリグリシジルエーテルが挙
げられる。これらの具体例としては、1,4-ブタンジオー
ルジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリ
シジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルレ
エーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエー
テル等が挙げられる。本発明の第一の組成物では、シリ
コーン樹脂の微粒子が多量に配合される場合、以上の光
硬化性化合物を低粘度に調整して使用することが好まし
い。具体的には、25℃における粘度を約200cps 以
下、特に好ましくは、約50cps 以下に調整する。ま
た、2種以上の光硬化性化合物を組合せて用いる場合で
は、系全体の粘度を上記範囲の低粘度に調整する。一
方、シリコーン樹脂の微粒子が少量配合される場合、ま
た粒径約1〜10μm のシリコーン樹脂の微粒子を配合
する場合、これら微粒子の沈降を防ぐため、前記光硬化
性化合物の25℃における粘度を約200cps 以上に調
整することが好ましい。
【0017】また、本発明の第二の組成物では、光硬化
性化合物として、特に単官能性のアクリレート・モノマ
ーまたはメタクリレート・モノマーを使用することが好
ましい。このとき、光硬化性化合物を低粘度に調整する
ことが好ましく、具体的には、25℃における粘度が約
2000cps 以下、特に好ましくは、約100cps 以下
に調整する。また、これに多官能性のアクリレート・モ
ノマーもしくはオリゴマー、またはメタクリレート・モ
ノマーもしくはオリゴマーを組合せて使用することがで
きるが、この場合も、好ましくは系全体の粘度を上記範
囲の低粘度に調整する。本発明の第一の組成物に配合さ
れるシリコーン樹脂の微粒子としては、上述した光硬化
性化合物に対して分散可能なものであれば、特に限定さ
れない。
【0018】前記シリコーン樹脂の微粒子の形状も特に
限定されず、例えば、不定形の微粒子が使用され得る。
但し、これら微粒子を前記光硬化性化合物に対して多量
に分散させる場合、系の粘度上昇を抑制する目的で、好
ましくは、球状または球状に近い形状の微粒子が使用さ
れ得る。ここで、球状に近い形状とは、例えば、歪んだ
球状、球に凹みをつけた形状、球を潰して偏平化した形
状、球を一方向に引き伸ばした形状、回転楕円体等を意
味する。
【0019】前記シリコーン樹脂の微粒子の粒径も特に
限定されないが、好ましくは、平均粒径が0.01〜1
0μm の範囲にある微粒子が使用され得る。この微粒子
の平均粒径が0.01μm 未満であると、樹脂組成物の
チキソトロピー性が過度に強くなるため、多くの部品が
実装された基板の平坦化に使用される場合、樹脂組成物
を部品の周囲の細部にまで充填できないことがある。一
方、この微粒子の平均粒径が10μm を超えると、例え
ば、前述したような低粘度のアクリレート系化合物に分
散させた場合、保存中に微粒子の沈降が発生することが
ある。
【0020】また、前記シリコーン樹脂の微粒子として
は、紫外線、電子線、その他のエネルギー線等に対して
透過率の高いもの、即ち光透過性に優れたものが好まし
い。この理由は、例えば、シリコーン樹脂の微粒子を多
量に分散させた樹脂組成物を光照射によって硬化させる
場合、または樹脂組成物を厚膜の状態で光照射を行って
硬化させる場合、分散された微粒子によって樹脂組成物
の光透過性が低下して、特にその深部が充分に光硬化し
なくなる恐れがあるためである。
【0021】本発明の第一の組成物において、前記シリ
コーン樹脂の微粒子の配合量は、液状光硬化性化合物
中、約1〜80重量%、更には約10〜60重量%であ
る事が好ましい。この理由は、1重量%未満では添加の
効果が認め難く、また80重量%を超えると、組成物の
流動性が減少するためである。
【0022】一方、本発明の第二の組成物に配合される
鎖状構造の、即ち、鎖状ポリマー分子によって構成され
るアクリル樹脂およびメタクリル樹脂としては、例え
ば、アクリレートを重合させて得られる鎖状構造の重合
体、メタクリレートを重合させて得られる鎖状構造の重
合体、およびこれらの共重合体が挙げられる。その具体
例としては、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エ
チル、ポリアクリル酸プロピル、ポリアクリル酸ブチ
ル、ポリアクリル酸イソブチル、ポリアクリル酸 -t-ブ
チル、ポリアクリル酸 -2-エチルヘキシル、ポリアクリ
ル酸ラウリル、ポリアクリル酸シクロヘキシル、ポリア
クリル酸ベンジル、ポリアクリル酸 -2-ヒドロキシエチ
ル、ポリアクリル酸 -2-ヒドロキシプロピル、ポリアク
リル酸グリシジル、ポリアクリル酸テトラヒドロフルフ
リル、ポリアクリル酸アリル、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸プロピ
ル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸イソブ
チル、ポリメタクリル酸 -t-ブチル、ポリメタクリル酸
-2-エチルヘキシル、ポリメタクリル酸ラウリル、ポリ
メタクリル酸シクロヘキシル、ポリメタクリル酸ベンジ
ル、ポリメタクリル酸 -2-ヒドロキシエチル、ポリメタ
クリル酸 -2-ヒドロキシプロピル、ポリメタクリル酸グ
リシジル、ポリメタクリル酸テトラヒドロフルフリル、
ポリメタアリル酸アリル、およびこれら化合物からなる
共重合体等が挙げられる。これら化合物は、単独でまた
は2種以上の混合系で使用され得る。
【0023】本発明の第二の組成物において、前記アク
リル樹脂および/またはメタクリル樹脂の配合量は、好
ましくは、前記光硬化性化合物に対して約1〜40重量
%である。当該配合量が1重量%未満であると、配合の
効果が不充分であり、逆に40重量%を超えると、樹脂
組成物全体の粘度が上昇する。
【0024】本発明の第二の組成物は、前記光硬化性化
合物に、上述したような鎖状構造のアクリル樹脂および
/またはメタクリル樹脂を溶解させて調製される。この
組成物の粘度(25℃)は、好ましくは約10〜100
00cps であり、特に好ましくは約20〜3000cps
である。
【0025】本発明の前記第一および第二の組成物に
は、上記必須成分に加え、必要に応じて、光重合開始
剤、増感剤、貯蔵安定剤、分散安定剤、可撓性付与剤、
強靭性付与剤等の添加剤が配合され得る。
【0026】これら添加剤のうち、光重合開始剤は、紫
外線、電子線、その他のエネルギー線等を吸収して、前
記光硬化性化合物の硬化反応を開始させるものである。
その具体例としては、ベンゾインエーテル類、ベンゾフ
ェノン類、アセトフェノン類、チオキサントン類、ルイ
ス酸のジアゾニウム塩、ルイス酸のハロニウム塩、ルイ
ス酸のスルホニウム塩、p-ベンゾイルベンジルクロライ
ド、その他光重合開始剤として一般的に使用され得る化
合物が挙げられる。
【0027】前記増感剤は、光重合開始剤と併用され、
該光重合開始剤の機能を高めるものである。その具体例
としては、アミン化合物、尿素化合物、イオウ化合物、
リン化合物、ニトリル化合物、ミヒラーケトン、N-ニト
ロソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリン化合物等
の窒素化合物、その他増感剤として一般的に使用され得
る化合物が挙げられる。
【0028】また、前記貯蔵安定剤は、組成物の貯蔵中
における、光硬化性化合物の硬化反応の進行を低減する
ものであり、前記分散安定剤は、主に第一の組成物に添
加され、組成物の貯蔵中における、シリコーン樹脂の微
粒子の沈降を防止するものである。
【0029】本発明の第一および第二の液状光硬化性樹
脂組成物では、光硬化性化合物に対して、シリコーン樹
脂の微粒子、または鎖状構造のアクリル樹脂および/ま
たはメタクリル樹脂を配合することにより、当該組成物
の光照射による硬化時における、体積収縮が緩和され
る。特に、第一の組成物では、シリコーン樹脂と光硬化
性化合物との相乗作用により、体積収縮率から予想され
る以上に、非常に平坦化された表面が得られる。また、
第二の組成物でも、鎖状ポリマーからなるアクリル樹脂
および/またはメタクリル樹脂の配合により、硬化時の
体積収縮が緩和され、平坦化された表面が得られる。
【0030】以下、図1を参照して、このような本発明
の第一および第二の組成物の作用を、当該組成物を用い
た基板、カード等の基板表面の平坦化プロセスに沿って
説明する。図1は、基板表面の平坦化プロセスにおけ
る、各工程ごとの基板の断面構造を示す。このプロセス
は、実質的には前述した従来のプロセスと同様である。
【0031】即ち、同図(a)において、基板11の表
面における凹み部分12には、所定の部品13が実装さ
れている。次に、図1(b)に示す如く、基板11に残
る凹み部分に未硬化の液状光硬化性樹脂組成物を充填し
て、樹脂層141 を形成し、基板表面全体を平坦化す
る。更に図1(c)に示す如く、基板11に対してエネ
ルギー線15の照射を行い、樹脂層141 を硬化させ
る。この場合、図1(d)に示す如く、形成された硬化
樹脂層142 に体積収縮は発生せず、その表面は光照射
前(硬化前)と同様の平坦性を保っている。こうして、
多数の部品13が実装された基板11の表面の全体が平
坦化される。
【0032】また、この場合、硬化樹脂層142 には、
クラック、基板11からの剥離、気泡等の発生はなく、
外観不良の問題はない。更に、部品13に損傷を与える
ことがなく、信頼性の低下も生じない。
【0033】尚、光硬化性化合物に対して各種の微粒子
を分散させる技術は多数知られている。例えば、特開昭
63−17903には、光硬化性樹脂組成物に、内部架
橋した、即ち網状構造の不溶性のアクリルレートまたは
メタクリレートの微粒子(粒径0.01〜6μm )を分
散させることが開示されている。しかしながら、この組
成物では、前記微粒子が、分散媒である光硬化性化合物
(例えばアクリレート)によって膨潤しゲル化するた
め、樹脂組成物の流動性が損なわれる。
【0034】従って、前記刊行物に記載された光硬化性
樹脂組成物は、上述したような基板表面の平坦化等の用
途に適する性能を示さない。このように、本発明の如
く、光硬化性化合物に、シリコーン樹脂の微粒子を分散
させることによって、また鎖状ポリマー分子からなるア
クリルおよび/またはメタクリル樹脂を溶解させること
によって、得られた樹脂組成物の硬化時における体積収
縮率等の硬化特性を改善した例は知られていない。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳細に説明す
る。尚、これら実施例は、本発明の理解を容易にする目
的で記載されるものであり、本発明を限定するものでは
ない。 実施例1
【0036】光硬化性化合物としてフェノールエチレン
オキサイド変性(n=2)アクリレート(25℃におけ
る粘度16cps )100重量部と、粒径の均一なシリコ
ーン樹脂の球状微粒子(平均粒径0.8μm )120重
量部とを混合し、この微粒子を充分に分散させた。更
に、系を減圧脱泡した後、光重合開始剤として2-ヒドロ
キシ -2-メチル -1-フェニルプロパン -1-オン2重量部
を混合し、液状光硬化性樹脂組成物を得た。
【0037】次に、前述した図1(a)〜(d)に示す
プロセスに従って、カード状の基板の凹み部分に上記液
状光硬化性樹脂組成物を充填した後、この基板に対して
紫外線照射を行って、充填された樹脂組成物を硬化させ
た。
【0038】紫外線照射後の基板表面では、硬化樹脂層
の表面、即ち樹脂組成物が充填された部分において段差
は見られず、充分に平坦化されていた。また、この硬化
樹脂層においては、基板からの剥離および気泡の発生は
なく、更に基板に曲げ応力を加えた際にもクラックは発
生せず、耐クラック性にも優れていた。 実施例2
【0039】光硬化性化合物としてフェノールエチレン
オキサイド変性(n=2)アクリレート(25℃におけ
る粘度16cps )80重量部と、ビスフェノールFエチ
レンオキサイド変性(n=2)アクリレート(25℃に
おける粘度800cps )20重量部と、粒径の均一なシ
リコーン樹脂の球状微粒子(平均粒径0.5μm )12
0重量部とを混合し、この微粒子を充分に分散させた。
更に、系を減圧脱泡した後、光重合開始剤として2-ヒド
ロキシ -2-メチル -1-フェニルプロパン -1-オン2重量
部を混合し、液状光硬化性樹脂組成物を得た。
【0040】次に、図1(a)に示す如く構造の基板を
用意し、その凹み部分に上記液状光硬化性樹脂組成物を
過剰に充填した。続いて、図2に示す如く、剥離用フッ
素樹脂フィルム26で被覆されたガラス板27を基板1
1の表面に圧接させて過剰の樹脂組成物を除去し、充填
された樹脂組成物(樹脂層141 )の表面を平坦化し
た。更に、この基板11に対しガラス板27を介して紫
外線25を照射し、樹脂層141 を硬化させた。
【0041】紫外線照射後、ガラス板27を取り去る
と、基板11の表面では、硬化樹脂層の表面、即ち樹脂
組成物が充填された部分において段差は見られず、充分
に平坦化されていた。また、この硬化樹脂層では、基板
からの剥離および気泡の発生はなく、更に基板に曲げ応
力を加えた際にもクラックは発生せず、耐クラック性に
も優れていた。 実施例3
【0042】光硬化性化合物としてカチオン重合型エポ
キシ光硬化性樹脂(オプトマーKS−871:旭電化工
業社製,25℃における粘度500cps )100重量部
と、粒径の均一なシリコーン樹脂の球状微粒子(平均粒
径0.8μm )20重量部とを混合し、この微粒子を充
分に分散させた後、減圧および脱泡して、液状光硬化性
樹脂組成物を得た。
【0043】次に、図1(a)に示す如く構造の基板を
用意し、その凹み部分に上記液状光硬化性樹脂組成物を
過剰に充填し、続いて、実施例2と同様の方法に従っ
て、充填された樹脂組成物を硬化させた。
【0044】紫外線照射後ガラス板を取り去ると、基板
表面では硬化樹脂層の表面において段差は見られず、充
分に平坦化されていた。また、この硬化樹脂層では、基
板からの剥離および気泡の発生はなく、更に基板に曲げ
応力を加えた際にもクラックは発生せず、耐クラック性
にも優れていた。 比較例1
【0045】シリコーン樹脂の微粒子を配合せずに液状
光硬化性樹脂組成物を調製することを除いて、実施例2
と同様の方法に従い、カード状の基板表面の平坦化プロ
セスを行った。
【0046】この場合、基板の凹み部分に充填された樹
脂組成物が硬化時に収縮し、形成された硬化樹脂層の表
面に段差が生じて、基板表面を充分に平坦化することが
できなかった。 比較例2
【0047】シリコーン樹脂の微粒子に代って、内部架
橋した不溶性のアクリル樹脂の球状微粒子を配合するこ
とを除いて、実施例1と同様の方法に従い、光硬化性樹
脂組成物を調製した。
【0048】この場合、アクリル樹脂の球状微粒子が、
分散媒であるアクリレートによって膨潤し、調製された
樹脂組成物がゲル状になり、流動性を失った。このた
め、当該樹脂組成物を基板の凹み部分に充填することが
できず、上記実施例のような基板表面の平坦化プロセス
を行うことができなかった。 比較例3
【0049】シリコーン樹脂の微粒子に代って、ポリエ
チレンの微粒子を配合した液状光硬化性樹脂組成物を調
製することを除いて、実施例2と同様の方法に従い、カ
ード状の基板表面の平坦化プロセスを行った。
【0050】この場合、形成された硬化樹脂層の表面に
段差が生じ、基板表面を充分に平坦化できなかった。更
に、基板に僅かな曲げ応力を加えただけで、凹み部分に
おける硬化樹脂層にクラックが発生した。 実施例4
【0051】光硬化性化合物としてヒドロキシエチルメ
タクリレート(25℃における粘度7cps )80重量部
に、鎖状構造のメタクリル樹脂(ポリブチルメタクリレ
ート)20重量部を混合し、加熱して溶解させた。更
に、光重合開始剤として2-ヒドロキシ -2-メチル -1-フ
ェニルプロパン -1-オン2重量部を混合し、液状光硬化
性樹脂組成物を得た。得られた液状光硬化性樹脂組成物
の25℃における粘度は、1000cps であった。
【0052】次に、図1(a)に示す如く構造の基板を
用意し、その凹み部分に上記液状光硬化性樹脂組成物を
充填し、続いて、実施例1と同様の方法に従って、充填
された樹脂組成物を硬化させた。
【0053】紫外線照射後の基板表面では、硬化樹脂層
の表面、即ち樹脂組成物が充填された部分において段差
は僅かしか見られず、支障のない程度に平坦化されてい
た。また、この硬化樹脂層においては、基板からの剥離
および気泡の発生はなく、更に基板に曲げ応力を加えた
際にもクラックは発生せず、耐クラック性にも優れてい
た。 実施例5
【0054】光硬化性化合物としてヒドロキシプロピル
メタクリレート(25℃における粘度9cps )80重量
部に、鎖状構造のアクリル樹脂(ポリエチルアクリレー
ト)30重量部を混合し、加熱して溶解させた。更に、
光重合開始剤として2-ヒドロキシ -2-メチル -1-フェニ
ルプロパン -1-オン2重量部を混合し、液状光硬化性樹
脂組成物を得た。得られた液状光硬化性樹脂組成物の2
5℃における粘度は、2000cps であった。
【0055】次に、図1(a)に示す如く構造の基板を
用意し、その凹み部分に上記液状光硬化性樹脂組成物を
過剰に充填し、続いて、実施例2と同様の方法に従っ
て、充填された樹脂組成物を硬化させた。
【0056】紫外線照射後ガラス板を取り去ると、基板
表面では、硬化樹脂層の表面においても段差は僅かしか
見られず、支障のない程度に平坦化されていた。また、
この硬化樹脂層では、基板からの剥離および気泡の発生
はなく、更に基板に曲げ応力を加えた際にもクラックは
発生せず、耐クラック性にも優れていた。 実施例6
【0057】光硬化性化合物として2-エチルヘキシルカ
ルビトールクリレート(25℃における粘度0.05cp
s )80重量部に、鎖状構造のメタクリル樹脂(ポリメ
チルメタクリレート)30重量部を混合し、加熱して溶
解させた。更に、光重合開始剤として、2-ヒドロキシ -
2-メチル -1-フェニルプロパン -1-オン2重量部を混合
し、液状光硬化性樹脂組成物を得た。得られた液状光硬
化性樹脂組成物の25℃における粘度は、1800cps
であった。
【0058】次に、図1(a)に示す如く構造の基板を
用意し、その凹み部分に上記液状光硬化性樹脂組成物を
過剰に充填し、続いて、実施例2と同様の方法に従っ
て、充填された樹脂組成物を硬化させた。
【0059】紫外線照射後ガラス板を取り去ると、基板
表面では、硬化樹脂層の表面においても段差は僅かしか
見られず、支障のない程度に平坦化されていた。また、
この硬化樹脂層では、基板からの剥離および気泡の発生
はなく、更に基板に曲げ応力を加えた際にもクラックは
発生せず、耐クラック性にも優れていた。 比較例4
【0060】鎖状構造のメタクリル樹脂を配合せずに液
状光硬化性樹脂組成物を調製することを除いて、実施例
4と同様の方法に従い、カード状の基板表面の平坦化プ
ロセスを行った。
【0061】この場合、基板の凹み部分に充填された樹
脂組成物が硬化時に収縮し、形成された硬化樹脂層の表
面が著しく凹み、基板表面を充分に平坦化することがで
きなかった。 比較例5
【0062】鎖状構造のアクリル樹脂を配合せずに液状
光硬化性樹脂組成物を調製することを除いて、実施例5
と同様の方法に従い、カード状の基板表面の平坦化プロ
セスを行った。
【0063】この場合、基板の凹み部分に充填された樹
脂組成物が硬化時に収縮し、形成された硬化樹脂層の表
面が著しく凹み、基板表面を充分に平坦化することがで
きなかった。 比較例6
【0064】鎖状構造のメタクリル樹脂を配合せずに液
状光硬化性樹脂組成物を調製することを除いて、実施例
6と同様の方法に従い、カード状の基板表面の平坦化プ
ロセスを行った。
【0065】この場合、基板の凹み部分に充填された樹
脂組成物が硬化時に収縮し、形成された硬化樹脂層の表
面が著しく凹み、基板表面を充分に平坦化することがで
きなかった。 比較例7
【0066】光硬化性化合物としてウレタン・アクリレ
ート・オリゴマー(25℃における粘度20000cps
)100重量部に、光重合開始剤として2-ヒドロキシ
-2-メチル -1-フェニルプロパン -1-オン2重量部を混
合して、液状光硬化性樹脂組成物を調製することを除い
て、実施例2と同様の方法に従い、カード状の基板表面
の平坦化プロセスを行った。
【0067】この場合、基板の凹み部分に充填された樹
脂組成物が硬化時に収縮し、形成された硬化樹脂層の表
面が著しく凹み、基板表面を充分に平坦化することがで
きなかった。 比較例8
【0068】ウレタン・アクリレート・オリゴマー(2
5℃における粘度20000cps )80重量部に、鎖状
構造のメタクリル樹脂(ポリブチルメタクリレート)2
0重量部を混合し、加熱して溶解させた。更に、光重合
開始剤として2-ヒドロキシ -2-メチル -1-フェニルプロ
パン -1-オン2重量部を混合し、光硬化性樹脂組成物を
調製した。得られた組成物は、室温でほとんど流動性の
ない極めて高粘稠の材料となり、カード状の基板表面の
平坦化に適用することはできなかった。
【0069】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
硬化時の体積収縮率が小さく、クラック、気泡等の発生
が低減され、基板等との密着性に優れた液状光硬化性樹
脂組成物を提供することができる。従って、本発明の液
状光硬化性樹脂組成物は、回路基板、ICカード等の基
板表面の平坦化材料としては勿論、注型、ポッティン
グ、充填、シール、封止、コーティング、接着等の用途
に幅広く使用することができ、その工業的価値は極めて
大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液状光硬化性樹脂組成物を使用した基
板表面の平坦化プロセスにおける、各工程毎の基板の構
造を示す断面図。
【図2】本発明の液状光硬化性樹脂組成物を使用した基
板表面の平坦化プロセスの一実施例を示す断面図。
【図3】従来の液状光硬化性樹脂組成物を使用した基板
表面の平坦化プロセスにおける、各工程毎の基板の構造
を示す断面図。
【符号の説明】
11,31…基板、12,32…凹み部分、13,33
…部品、141 ,341 …樹脂層、142 ,342 …硬
化樹脂層、15,35…エネルギー線、25…紫外線、
26…剥離用フッ素樹脂フィルム、27…ガラス板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 63/00 NKB 8830−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光硬化性化合物を主成分とし、該化合物
    中にシリコーン樹脂の微粒子が分散されていることを特
    徴とする液状光硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 光硬化性化合物を主成分とし、該化合物
    に鎖状構造のアクリル樹脂および/またはメタクリル樹
    脂が溶解されていることを特徴とする液状光硬化性樹脂
    組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008246874A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Shin Etsu Polymer Co Ltd 樹脂成形体およびその製造方法
US20130189850A1 (en) * 2005-04-19 2013-07-25 Nissan Chemical Industries, Ltd. Resist underlayer coating forming composition for forming photo-crosslinking cured resist underlayer coating

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