JPH0525381A - 酸無水物含有アクリル系樹脂組成物 - Google Patents

酸無水物含有アクリル系樹脂組成物

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JPH0525381A
JPH0525381A JP17931091A JP17931091A JPH0525381A JP H0525381 A JPH0525381 A JP H0525381A JP 17931091 A JP17931091 A JP 17931091A JP 17931091 A JP17931091 A JP 17931091A JP H0525381 A JPH0525381 A JP H0525381A
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JP
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resin
weight
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polycarbonate resin
nylon
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JP17931091A
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English (en)
Inventor
Haruo Ichikawa
晴雄 市川
Akiko Nagamune
晶子 長棟
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリカーボネート樹脂とポリアミド樹脂より
なるポリマーアロイであって、耐衝撃性、耐薬品性のす
ぐれた樹脂組成物を得る。 【構成】 ポリアミド樹脂とポリカーボネート樹脂の混
合物100重量部に対してベンゼン環又はシクロヘキシ
ル環を有する(メタ)アクリル酸エステル及び無水マレ
イン酸、スチレン共重合体樹脂を0.05〜20重量部
添加してなる樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高分子改質剤或いは高分
子相容化剤として利用できる酸無水物含有アクリル系樹
脂とポリアミド樹脂及びポリカーボネート樹脂とからな
る樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリカ
ーボネート樹脂は優れた耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性
を有しているが、耐薬品性、成形性が低いという短所を
有している。
【0003】他方ポリアミド樹脂は耐薬品性などに優れ
ているものの、熱変化や吸水による寸法変化が大きいと
いう短所を有している。ポリカーボネート樹脂とポリア
ミド樹脂とからなるブレンド物は双方の短所を補う優れ
た樹脂組成物となることが期待され、すでにいくつかの
製造例が開示されている。例えば特開昭55−1420
49、特開昭59−68368などにポリアミド樹脂を
添加することによってポリカーボネート樹脂の耐薬品性
を改善する試みが紹介されている。
【0004】しかしながらポリカーボネート樹脂とポリ
アミド樹脂とは互いに非相容であり、両者を単純に溶融
混練しても得られる組成物の物性値は満足のゆくもので
はない。例えば界面の接着性が不良であるためクラック
などが発生しやすく、耐衝撃性が著しく低下する。高分
子多成分系において物性値を改善するためには、分散性
・界面接着性を高めることが必要であり、そのためにポ
リマー間の界面張力を下げる働きをもつ相容化剤を添加
することが一般に行なわれている。例えば特開昭63−
314270ではエポキシ含有重合体と酸無水物含有重
合体、特開昭63−33469ではフェノキシ樹脂と二
種のアミン基を有する有機化合物、特開昭63−750
57では種々の変性ポリエチレンが相容化剤として有効
であるとされている。しかしながらこれらの提案による
相容化剤の添加ではポリカーボネート樹脂への相容性が
低いため充分な相容化効果は得られない。また組成物の
熱安定性もかならずしも充分でない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意研究の結果、簡便に調整できしかもポ
リカーボネート樹脂とポリアミド樹脂との相容化剤とし
て用いられる酸無水物含有アクリル系重合体を見い出し
本発明を完成するに至った。すなわち本発明は以下に示
すような構造単位
【0006】
【化4】
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】
【0009】(ここでXは水素原子及び/又はメチル基
を示し、Rはフェニル基、置換フェニル基、シクロアル
キル基、及びベンジル基の群の中から1つないし2つ以
上選ばれる)をもつアクリル系共重合体を含む樹脂組成
物を提供するものである。
【0010】本発明の酸無水物含有アクリル系樹脂は簡
便に調整でき、ポリアミド樹脂とポリカーボネート樹脂
との相容化剤として用いられる。本発明の酸無水物含有
アクリル系樹脂は(メタ)アクリル酸エステル単位、無
水マレイン酸単位、及びスチレン単位とから構成され
る。特定のポリ(メタ)アクリル酸エステルはポリカー
ボネートと分子レベルで相容する。一方、酸無水物単位
はポリアミド樹脂と強い親和性をもつ。したがって、特
定の(メタ)アクリル酸エステル単位と無水マレイン酸
単位とを同一分子中に有する本共重合体をポリカーボネ
ート樹脂とポリアミド樹脂との混合物に配合すると単純
に混合するだけでは得られない。均一かつ微細な分散を
もつブレンド物が得られる。得られた樹脂組成物は成形
性、耐溶媒に優れた材料であり、耐衝撃性についても単
純ブレンドに比べ大幅に改善される。
【0011】本発明の酸無水物含有アクリル系樹脂の構
造単位の割合としては、[化1]で示される(メタ)ア
クリル酸エステル単位が80〜99.99重量%であ
り、[化2]で示される無水マレイン酸単位が10〜
0.1重量%である。スチレン単位は無水マレイン酸単
位の含量を制御するため適宜添加され、10〜0.1重
量%である。無水マレイン酸単位の共重合体に占める割
合が10重量%を越えると、一部架橋反応を含む高分子
間の反応が顕著になり成形加工性を著しく損うことにな
り好ましくない。逆にこの割合が0.1重量%を下まわ
るとポリカーボネート樹脂とポリアミド樹脂との分散状
態が粗くかつ不均一になり、得られる成形品の機械的性
質も満足でなく層状剥離等外観上の欠陥も生じる。アク
リル系重合体に組込まれたスチレン単位はポリカーボネ
ート樹脂との相容性を低下させ、10重量%以上添加さ
れた場合実質上ポリカーボネート樹脂に対する相溶性が
なくなる。
【0012】本発明の酸無水物含有アクリル系樹脂中の
(メタ)アクリル酸エステル単位は、ポリカーボネート
樹脂との相容性を支配する部分であり、特定の構造を有
することが必要である。すなわちベンゼン環ないし脂環
を有するような(メタ)アクリル酸エステル単位であ
る。具体的には、フェニルアクリレート、フェニルメタ
クリレート、o−クロロフェニルアクリレート、o−ク
ロロフェニルメタクリレート、p−フェニルメタクリレ
ート、p−クロロフェニルメタクリレート、o−メトキ
シフェニルアクリレート、o−メトキシフェニルメタク
リレート、p−メトキシフェニルアクリレート、p−メ
トキシフェニルメタクリレート、2,4−ジクロロフェ
ニルアクリレート、2,4−ジクロロフェニルメタクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルアク
リレート、ベンジルメタクリレート等を挙げることがで
きる。また本発明で用いられる(メタ)アクリル酸エス
テルは一種類であっても、二種類以上であってもよい。
【0013】本発明の酸無水物含有アクリル系樹脂を調
整する方法としては、いわゆる公知のラジカル共重合法
が用いられる。ラジカル共重合法の具体的な方法として
は、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等から適
宜選ばれる。
【0014】得られる共重合体の、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーにより求められる標準ポリスチレ
ンに換算した数平均分子量としては、およそ5,000
〜100,000の範囲が好ましい。数平均分子量が
5,000を下まわると溶融粘度が低すぎるため、ポリ
カーボネート樹脂及び/又はポリアミド樹脂との混練が
困難となり好ましくない。また数平均分子量が100,
000を上まわる共重合体を得るためには厳密な重合条
件を必要とし、工業上実用性に乏しい。
【0015】本発明の酸無水物含有アクリル系樹脂の添
加量はポリアミド樹脂とポリカーボネート樹脂の合計1
00重量部に対して0.05〜20重量部である。添加
量が0.05重量部未満では相溶化効果がなく、,20
重量部を越えると衝撃強度などの機械的物性が低下して
好ましくない。
【0016】本発明で用いられるポリカーボネートは一
般式で示されるビスフェノール類
【0017】
【化7】
【0018】(ここでXは−0−,−S−,−SO
2 −,−CO−,アルキレン基あるいはアルキリデン基
よりなる群から選ばれ、R1 〜R4 、R1 ′〜R4 ′は
水素原子、ハロゲン原子および炭化水素からなる群から
選ばれる)と炭酸あるいは炭酸の塩、エステル、ハロゲ
ン化物とから選ばれるものである。
【0019】上記一般式で示されるかかるビスフェノー
ル類の例としては4,4′ジヒドロキシ−ジフェニルエ
ーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイ
ド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ
−3,5−ジブロモフェニル)メタン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサ
ン等があげられるが、最も一般に用いられる代表的なも
のは、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ンすなわちビスフェノールAと呼ばれているものであ
る。もし必要ならば前記ビスフェノール類の混合物ある
いはビスフェノール類と他の2価の化合物、例えば2,
2′−ジヒドロキシジフェニル、2,6−ジヒドロキシ
ナフタレン、ヒドロキノン等を使用することができる。
また少量の芳香族あるいは脂肪族ジカルボン酸として用
いることができる。
【0020】本発明で用いられるポリカーボネート樹脂
は界面重合法、溶液重合法、溶融重合法等の任意の方法
で合成される。成形物として好ましい物性を有する樹脂
組成物を得るためには平均分子量5,000〜100,
000のポリカーボネートを用いるのが好ましい。
【0021】本発明で用いられるポリアミド樹脂は一般
【0022】
【化8】
【0023】あるいは
【0024】
【化9】
【0025】(ここで、R5 ,R6 ,R7 はアルキレン
基を示す)で示される繰り返し単位をもつものである。
好ましいポリアミド樹脂としてはナイロン46、ナイロ
ン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、
ナイロン12等が挙げられる。本発明で用いられるポリ
アミド樹脂は2元あるいはそれ以上の共重合体であって
も良く、またソフトセグメントをもつポリアミドエラス
トマーなどであってもよい。
【0026】本発明で用いられるポリアミド樹脂は、ジ
アミンと二塩基酸の縮合反応、ω−アミノカルボン酸の
自己縮合、ならびにラクタムの重合反応の任意の方法に
よって調整される。好ましい物性を有する樹脂組成物を
得るためには平均分子量5000〜100,000のポ
リアミド樹脂を用いるのが好ましい。
【0027】本発明に於ける樹脂組成物におけるポリカ
ーボネート樹脂とポリアミド樹脂との配合比はポリカー
ボネート樹脂が10ないし90重量%、ポリアミド樹脂
が90ないし10重量%である。
【0028】本発明における樹脂組成物において更に熱
安定剤、酸化防止剤、滑剤、顔料、難燃剤、可塑剤等の
添加剤を加えてもよい。また衝撃改良剤として変性ポリ
オレフィンなどを適当量添加すると改良効果が認められ
た。またガラス繊維、金属繊維、炭素繊維のような繊維
強化材、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、ガラスフレ
ーク、ガラスビーズのような充填材を加えても良い。
【0029】
【実施例】以下実施例により、本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0030】[合成例1]メタクリル酸シクロヘキシル
・無水マレイン酸・スチレン三元共重合体の合成(共重
合体A) 窒素導入管、温度計、冷却管、及び撹拌棒を備えた4つ
口フラスコにメタクリル酸シクロヘキシル168g
(1.0mol )及びN,N−ジメチルホルムアミド(D
M下)100mlを加え、さらにアゾビスイソブチロニト
リル(AIBN)0.41gを加え80℃に加熱した。
スチレン3.5g(0.034mol )および無水マレイ
ン酸3.5g(0.036mol )を含むDMF溶液25
mlを1時間かけて滴下した。滴下終了後AIBN0.4
1gを加え1時間撹拌を続けた。その後室温まで冷却し
内容物を大量のメタノールに投入した。析出したポリマ
ーをデカンラーションにより上澄液とに分け、さらにク
ロロホルムに溶解しメタノールに投入する再沈殿を2回
行った。ポリマーを真空乾燥し標記三元共重合体173
gを得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーに
よる分子量測定によると、この共重合体のポリスチレン
に換算した数平均分子量は26000であった。
【0031】得られた共重合体のIRスペクトルには、
1860及び1784cm-1に酸無水物に由来する吸収
が、1722cm-1にエステルに由来する吸収がみられ
た。共重合体中の無水マレイン酸単位の含量について
は、仕込み量が少ないため正確に求めることは困難であ
るが、重合終了後の再沈殿操作による上澄液にはモノマ
ーはほとんど含まれていないため、ほぼ定量的に重合が
進行したものと判断した。
【0032】スチレン含量はH−NMRスペクトルから
求められ、仕込み組成にほぼ等しい2.0wt%見積られ
た。したがってポリマー中のメタクリル酸シクロヘキシ
ル/スチレン/無水マレイン酸の重量比はおよそ96/
2/2と見積られた。
【0033】[合成例2]メタクリル酸フェニル・無水
マレイン酸・スチレン三元共重合体の合成(共重合体
B) 合成例1と同様な実験装置を用いメタクリル酸シクロヘ
キシル100g(0.59mol )及びN,N−ジメチル
ホルムアミド80mlを加え、さらにアゾビスイソブチロ
ニトリル0.41gを加え80℃に加熱した。スチレン
0.50g(0.0048mol )、無水マレイン酸0.
50g(0.0051mol )及びメタクリル酸シクロヘ
キシル68g(0.41mol)、及びN,N−ジメチル
ホルムアミド20mlの混合物を1時間かけて滴下した。
滴下終了後アゾビスイソブチロニトリル0.41gを加
えさらに1時間撹拌を続けた。その後合成例1と同様な
後処理を行い、三元共重合体167gを得た。この共重
合体のポリスチレンに換算した数平均分子量は2450
0であった。
【0034】得られた共重合体のIRスペクトルには、
1860及び1784cm-1に酸無水物に由来する吸収が
みられた。共重合体中のスチレン及び無水マレイン酸単
位の含量は、仕込み量が実施例1に比べてさらに少ない
ため正確に求めることが困難であるが、再沈殿操作によ
る上澄液にはモノマーはほとんど含まれていないため、
ほぼ定量的に重合が進行したものと判断した。したがっ
て、共重合体中の各構造単位の重量比はおよそメタクリ
ル酸シクロヘキシル/スチレン/無水マレイン酸=9
8.8/0.6/0.6と見積られた。
【0035】[合成例3]メタクリル酸フェニル・無水
マレイン酸・スチレン三元共重合体の合成(共重合体
C) 合成例1と同様な実験装置を用いメタクリル酸シクロヘ
キシル100g(0.62mol )及びN,N−ジメチル
ホルムアミド80ml、さらにアゾビスイソブチロニトリ
ル0.41gを加え80℃に加熱した。スチレン0.5
0g(0.0048mol )、無水マレイン酸0.50g
(0.0051g)及びメタクリル酸フェニル62g
(0.38mol )、及びN,N−ジメチルホルムアミド
20mlの混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後ア
ゾビスイソブチロニトリル0.41gを加えさらに3時
間撹拌を続けた。その後合成例1と同様な後処理を行
い、三元共重合体165gを得た。この共重合体のポリ
スチレンに換算した数平均分子量は6400であった。
【0036】得られた共重合体のIRスペクトルには、
1860及び1784cm-1に酸無水物に由来する吸収が
吸収がみられた。この場合も再沈殿操作による上澄液に
はモノマーがほとんど含まれていないため、ほぼ定量的
に重合が進行したものと判断した。したがって、共重合
体中の各構造単位の重量比はほぼ等しいものと判断し
た。(メタクリル酸フェニル/スチレン/無水マレイン
酸=99.4/0.3/0.3) [合成例4]メタクリル酸シクロヘキシル・無水マレイ
ン酸二元共重合体の合成(共重合体D) 窒素導入管、温度計、冷却管、及び撹拌器を備えた4つ
口フラスコにメタクリル酸シクロヘキシル168g
(1.0mol )及び無水マレイン酸4.7g(0.05
mol )、アゾビスイソブチロニトリル4.1g、及び
N,N−ジメチルホルムアミド100mlを加え80℃に
加熱し撹拌をつづけた。1時間後アゾビスイソブチロニ
トリル4.1gを追加し、さらに1時間撹拌した。室温
まで冷却し内容物を大量のメタノールに投入した。析出
したポリマーについてクロロホルムに溶解しメタノール
に投入する再沈殿を2回行い残存モノマー及び溶媒を除
いた。ポリマーを真空乾燥し標記二元共重合体158g
を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによ
る分子量測定によると、この共重合体のポリスチレンに
換算した数平均分子量は21000であった。
【0037】得られた共重合体のIRスペクトルには、
1722cm-1にエステルに由来する吸収がみられたもの
の、酸無水物に由来する吸収はほとんど検出されなかっ
た。IRの吸収強度から判断して無水マレイン酸の含有
量は0.1wt%以下と、判断された。合成例1,2との
比較からスチレンの添加は無水マレイン酸の含量を制御
するのに有用であることが示された。
【0038】[実施例1]ポリカーボネート/ナイロン
系相容化剤としての評価ポリカーボネート樹脂(三菱ガ
ス化学社製ユーピロンS−3000)とナイロン6樹脂
(宇部興産社製1013B)、合成例1で得られた共重
合体Aを所定の組成でブラベンダー(250℃、50rp
m )で5分間溶融混練した。
【0039】得られた混合物を用いて250℃、200
kg/cm2 で厚さ3mmのプレス板をつくり、このプレス板
を破断しその破断表面を走査型電子顕微鏡にて分散性・
界面接着性を評価した。結果を表1に示した。
【0040】[実施例2]ポリカーボネート樹脂(ユー
ピロンS−3000)、ナイロン6樹脂(1013
B)、合成例2で得られた共重合体Bを実施例1と同様
に混練し、分散性・界面接着性を評価した。結果を表1
に示した。
【0041】[実施例3]ポリカーボネート樹脂(ユー
ピロンS−3000)、ナイロン6樹脂(1013
B)、合成例3で得られた共重合体Cを実施例1と同様
に混練し、分散性・界面接着性を評価した。結果を表1
に示した。
【0042】[比較例1]ポリカーボネート樹脂(三菱
ガス化学社製ユーピロンS−3000)、ナイロン6樹
脂(ナイロン1013B)、実施例1と同様に混練し、
分散性・界面接着性を評価した。結果を表1に示した。
【0043】[比較例2]ポリカーボネート樹脂(三菱
ガス化学社製ユーピロンS−3000)、ナイロン6樹
脂(1013B)、メタクリル酸メチル・スチレン・無
水マレイン酸三元共重合体(旭化成社製デルペット98
2J;組成、メタクリル酸メチル/スチレン/無水マレ
イン酸=96/2/2)を実施例1と同様に混練し、分
散性・界面接着性を評価した。結果を表1に示した。
【0044】[比較例3]ポリカーボネート樹脂(ユー
ピロンS−3000)、ナイロン6樹脂(1013
B)、メタクリル酸メチル・スチレン・無水マレイン酸
三元共重合体(旭化成社製デルペット982J;組成、
メタクリル酸メチル/スチレン/無水マレイン酸=96
/2/2)を実施例1と同様に混練し、分散性・界面接
着性を評価した。結果を表1に示した。
【0045】
【表1】
【0046】[実施例4]ナイロン6樹脂(宇部興産社
製ナイロン6 1013B)、ポリカーボネート樹脂
(三菱ガス化学社製ユーピロンS−3000)、さらに
合成例で調整された共重合体Aを所定量配合しヘンシュ
ルミキサーを用いて室温で15分間混合した。得られた
混合物を40mmφ二軸押出機によって250℃で溶融混
練してペレットとし、これをスクリュータイプの射出成
形機にて同じく250℃で成形し所定の試験片を作製し
た。
【0047】これらの試験片について曲げ弾性率(サン
プル厚み3.2mm、測定温度23℃、以下FMと記
す。)をJIS K7203に、アイゾット衝撃強度
(サンプル厚み3.2mm、測定温度23℃、切削ノッチ
付き、以下ISと記す)をJISK7110に、熱変形
温度(サンプル厚み3.2mm、曲げ応力4.6kgf/cm2
及び18.6kgf/cm2 、アニールなし以下HDTと記
す)をJIS K7207に従って測定した。結果を表
2に示した。
【0048】[実施例5]ナイロン6樹脂(宇部興産社
製ナイロン6 1013B)、ポリカーボネート樹脂
(三菱ガス化学社製ユーピロンS−3000)、さらに
合成例で調整された共重合体Bを所定量配合しヘンシュ
ルミキサーを用いて室温で15分間混合した。実施例4
と同様溶融混練、射出成形を行って試験片を作製し種々
の物性を測定した。結果を表2に示した。
【0049】[実施例6]ナイロン6樹脂(宇部興産社
製ナイロン6 1013B)、ポリカーボネート樹脂
(三菱ガス化学社製ユーピロンS−3000)、さらに
合成例で調整された共重合体Cを所定量配合しヘンシュ
ルミキサーを用いて室温で15分間混合した。実施例4
と同様溶融混練、射出成形を行って試験片を作製し種々
の物性を測定した。結果を表2に示した。
【0050】[比較例4]ポリカーボネート樹脂(三菱
ガス化学社製ユーピロンS−3000)、ナイロン樹脂
(宇部興産社製ナイロン6 1013B)を所定の比率
で計量し、ヘンシュルミキサーヲ用いて室温で15分間
混合した。実施例4と同様溶融混練、射出成形を行って
試験片を作製し種々の物性を測定した。結果を表2に示
した。
【0051】[比較例5]ナイロン6樹脂(宇部興産社
製ナイロン6 1013B)、ポリカーボネート樹脂
(三菱ガス化学社製ユーピロンS−3000)、さらに
合成例で調整された共重合体Dを所定量配合しヘンシュ
ルミキサーを用いて室温で15分間混合した。実施例4
と同様溶融混練、射出成形を行って試験片を作製し種々
の物性を測定した。結果を表2に示した。. [比較例6]ナイロン6樹脂(宇部興産社製ナイロン6
1013B)、ポリカーボネート樹脂(三菱ガス化学
社製ユーピロンS−3000)、メタクリル酸メチル・
スチレン・無水マレイン酸三元共重合体(旭化成社製デ
ルペット982J)を所定量配合し、ヘンシェルミキサ
ーを用いて室温で15分間混合した。実施例4と同様溶
融混練、射出成形を行って試験片を作製し種々の物性を
測定した。結果を表2に示した。
【0052】
【表2】
【0053】[実施例7]ポリカーボネート樹脂(三菱
ガス化学社製ユーピロンS−3000)、ナイロン樹脂
(宇部興産社製1013B)、合成例1で合成された共
重合体Aを表3に示す配合で溶融混合後厚さ3.2mmの
試験片を作製した。1%定歪試験用治具に固定し23℃
で6時間薬品中に浸漬した。その後クラック又は破断の
発生を調べた。結果を表3に示した。
【0054】[比較例7]ポリカーボネート樹脂(三菱
ガス化学社製ユーピロンS−3000)、ナイロン6樹
脂(宇部興産社製1013B)を表3に示す配合で溶融
混合後、実施例7と同様に試験片を作製しクラック又は
破断の発生を調べた。結果を表3に示した。
【0055】
【表3】
【0056】
【発明の効果】一般に異なる樹脂を混合して得られる樹
脂の外観及び機械的性能特に耐衝撃性や伸びは不充分で
ある場合が多い。これらと分散構造には少なからず相関
があり、構造の微細化界面の接着性強化によって大幅に
向上する場合があることが知られている。
【0057】本発明においては特定の酸無水物含有アク
リル共重合体を特定の組成でポリカーボネート樹脂及び
ポリアミド樹脂の混合物に配合することによって、極め
て優れた分散を可能にすることが出来、機械的性能等の
諸特性の大幅な低下をおこさず、高い耐衝撃性、良好な
耐薬品性を有する樹脂組成物を得ることが可能となっ
た。しかもそれぞれの樹脂のもつ短所が補われて実用上
有用な熱可塑性樹脂組成物の提供が可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33:06)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】(A)ポリアミド樹脂 10〜90重量部 (B)ポリカ―ボネート樹脂 90〜10重量部 からなる樹脂組成物100重量部に、 (c) 【化1】 で示される構造単位(ここにXは水素原子及び/又はメ
    チル基を示し、Rはフェニル基、シクロヘキシル基、及
    びベンジル基の中から1つ以上選ばれる)80〜99.
    8重量%と、 【化2】 で示される構造単位10〜0.1重量%、さらに 【化3】 で示される構造単位10〜0.1重量%とからなる数平
    均分重量5,000〜100,000の共重合体を0.
    05〜20重量部配合してなる酸無水物含有アクリル系
    樹脂組成物。
JP17931091A 1991-07-19 1991-07-19 酸無水物含有アクリル系樹脂組成物 Pending JPH0525381A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6979416B2 (en) 1998-01-22 2005-12-27 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Method of forming an electronic component using ink

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US6979416B2 (en) 1998-01-22 2005-12-27 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Method of forming an electronic component using ink

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