JPH0525356Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、クレーン車、ドーザシヨベル等の無
限軌道作業車の懸架装置に関するものである。

（従来の技術） 従来の無限軌道作業車（クレーン車）を第４，
５図により説明すると、０１，０１が走行装置の
前後方向フレーム、０２が同各前後方向フレーム
０１に両端部を固定した走行装置の横方向フレー
ム、０３が同横フレーム０２上に固定した筒状フ
レーム、０８が同筒状フレーム０３上に取付けた
旋回ベアリング、０９，０９が走行装置の無限軌
道帯、０２５が同旋回ベアリング０８により旋回
可能に支持された上部旋回体、０２６が同上部旋
回体０２５上に設けたキヤブ、０２７が同上部旋
回体０２５上に設けたクレーン装置で、走行装置
の無限軌道帯０９，０９を駆動して、走行移動
し、また作業時に、上部旋回体０２５を旋回させ
て、クレーン装置０２７の向きを変えるようにな
つている。

（考案が解決しようとする問題点） 前記第４，５図に示す従来の無限軌道作業車
（クレーン車）では、走行移動して作業を行うの
が主目的でなく、走行装置と上部旋回体０２５と
の間に、旋回ベアリング０８を設けていても、緩
衝装置を設けていないので、キヤブ０２６内の乗
員の乗り心地を損なうという問題があつた。この
乗り心地は、走行装置と上部旋回体０２５との間
に緩衝装置を設ければ、改善されるが、通常の緩
衝装置では、剛性（ばね常数）が小さく、作業時
に所謂「ふわふわ」現象を起こして、作業を円滑
に行えない。

（問題点を解決するための手段） 本考案は前記の問題点に対処するもので、上部
旋回体を旋回可能に支持する旋回ベアリングの下
部中央に筒状フレームを取付け、同筒状フレーム
を無限軌道作業車の走行装置の横方向フレームに
設けた挿入孔に挿入して、同筒状フレームに設け
た球面軸受を同挿入孔の底部に設けた弾性体によ
り支持し、上記筒状フレームと上記走行装置の横
方向フレームとのそれぞれに複数個の支持ブラケ
ツトを設けて、同支持ブラケツト間にロツク機構
を兼ねたシヤツクアブソーバを介装したことを特
徴としている。

本考案の目的とする処は、走行時に乗員の乗り
心地を向上でき、また作業時に生じていた「ふわ
ふわ」現象を防止できる改良された無限軌道作業
車の懸架装置を供する点にある。

（作用） 本考案の無限軌道作業車の懸架装置は前記のよ
うに構成されており、走行時の振動荷重が筒状フ
レームと横方向フレームの双方からシヨツクアブ
ソーバに入つて、同シヨツクアブソーバのコイル
ばね、絞り弁、アキユムレータが振動荷重を吸収
する。このとき、横方向フレームに設けて筒状フ
レームの球面軸受に接触した弾性体も振動荷重を
吸収する。また作業時には、シヨツクアブソーバ
のピストン両側の圧力室を連通している配管を方
向切換弁により遮断し、作動油を上記各圧力室に
封入して、シヨツクアブソーバを油圧ロツク状態
にする。

（実施例） 次に本考案の無限軌道作業車の懸架装置を第
１，２，３図に示す一実施例により説明すると、
第１図の１，１が走行装置の前後方向フレーム、
２が同各前後方向フレーム１に両端部を固定した
走行装置の横方向フレーム、２ａが同横方向フレ
ーム２に設けた挿入孔、３が筒状フレーム、４が
球面軸受、５，６が支持ブラケツト、７がシヨツ
クアブソーバ（油圧ダンパ）、８が旋回ベアリン
グ、９，９が走行装置の無限軌道帯、１０がコラ
ム、１１が弾性体（弾性材パツト）で、上部旋回
体（第４図の０２５参照）を旋回可能に支持する
旋回ベアリング８の下部中央に筒状フレーム３及
び球面軸受４を取付け、同筒状フレーム３を無限
軌道作業車の走行装置の横方向フレーム２に設け
た挿入孔２ａに挿入して、旋回ベアリング８を球
面軸受４を介して上記挿入孔２ａの底部に設けた
弾性体１１により支持し、上記筒状フレーム３に
複数個の支持ブラケツト５を取付けるとともに上
記走行装置の横方向フレーム２に複数個の支持ブ
ラケツト６取付けて、同各支持ブラケツト５，６
間にロツク機構を兼ねた複数個のシヨツクアブソ
ーバ７を介装している。

上記筒状フレーム３部分の詳細を第２図乃至
に示した。第２図，の１２が上記筒状フレ
ーム３の頂部に固定した梁で、同梁１２の下端部
に上記球面軸受４を固定している。また第２図
，の１３が上記挿入孔２ａの周りの上記横方
向フレーム２下部に固定した梁で、同梁１３上に
上記コラム１０を固定し、同コラム１０上に上記
弾性体１１を固定して、同弾性体１１に上記球面
軸受１４を接触させている。

また上記シヨツクアブソーバ（油圧ダンバ）７
の詳細を第３図に示した。１４，１４がクレビ
ス、１５がシリンダ、１６がピストン、１７がピ
ストンロツド、１８，１８がコイルばね、１９，
１９がポート、２０が配管、２１が方向切換弁、
２２がアキユムレータ、２３が絞り弁、２４が安
全弁で、シリンダ１５の後端部及びピストンロツ
ド１７の先端部に取付けたクレビス１４，１４の
一方を上記支持ブラケツト５に取付け、同クレビ
ス１４，１４の他方を上記支持ブラケツト６に取
付けている。またピストン１６の両側とシリンダ
１５の両端部との間にコイルばね１８を介装し、
シリンダ１５の両端部に設けたポート１９，１９
を配管２０により接続し、同配管２０の途中にパ
イロツト圧により操作される方向切換弁２１とア
キユムレータ２２と絞り弁２３とを設けている。

次に前記第１，２，３図に示す無限軌道作業車
の懸架装置の作用を具体的に説明する。走行時の
振動荷重が筒状フレーム３の支持ブラケツト５及
びクレビス１４と、横方向フレーム２の支持ブラ
ケツト６及びクレビス１４とを経てシヨツクアブ
ソーバ７に入つて、コイルばね１８が振動荷重を
吸収する。このとき、横方向フレーム２に設けて
筒状フレーム３の球面軸受４に接触している弾性
体１１も振動荷重を吸収する。この振動荷重吸収
時、シヨツクアブソーバ７の方向切換弁２１は、
位置にあつて、ピストン１６両側の圧力室を配
管２０を介して連通しており、同各圧力室の作動
油がポート１９，１９を出入して、絞り弁２３及
びアキユムレータ２２により抵抗を受ける。その
際、アキユムレータ２２は、ポート１９，１９を
出入する作動油の出入量差を吸収する役目もす
る。またピストン２６内にポペツト弁タンプの安
全弁２４を設けており、同安全弁２４が作動し
て、サージ圧発生によるダンパの破損が防止され
る。

また作業時には、シヨツクアブソーバ７をロツ
ク状態にしたいときは、パイロツト圧により方向
切換弁２１を位置→位置に切り換えて、配管
２０を遮断する。この状態では、作動油がピスト
ン１６両側の圧力室に封入されるので、シヨツク
アブソーバ７が油圧ロツク状態になる。またこの
油圧ロツク状態では、コイルばね１８が荷重支持
を支援するように作用する。

（考案の効果） 本考案の無限軌道作業車の懸架装置は前記のよ
うに走行時の振動荷重が筒状フレームと横方向フ
レームの双方からシヨツクアブソーバに入つて、
同シヨツクアブソーバのコイルばね、絞り弁、ア
キユムレータが振動荷重を吸収する。このとき、
横方向フレームに設けて筒状フレームの球面軸受
に接触している弾性体も振動荷重を吸収する。ま
た作業時には、シヨツクアブソーバのピストン両
側の圧力室を連通している配管を方向切換弁によ
り遮断し、作動油を上記各圧力室に封入して、シ
ヨツクアブソーバを油圧ロツク状態にするので、
走行時に乗員の乗り心地を向上でき、また作業時
に生じていた「ふわふわ」現象を防止できる効果
がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係わる無限軌道作業車の懸架
装置の一実施例を示す正面図、第２図は筒状フ
レーム部の縦断正面図、第２図はその底面図、
第２図は走行装置の前後方向フレーム部及び横
方向フレーム部の正面図、第２図はその平面
図、第３図はシヨツクアブソーバ部の詳細を示す
縦断側面図、第４図は無限軌道作業車の側面図、
第５図は従来の無限軌道作業車の走行装置のフレ
ーム部を示す正面図である。 １……走行装置の前後方向フレーム、２……走
行装置の横方向フレーム、２ａ……挿入孔、３…
…筒状フレーム、４……球面軸受、５，６……支
持ブラケツト、７……シヨツクアブソーバ、８…
…旋回ベアリング、１１……弾性体、０１２……
上部旋回体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部旋回体を旋回可能に支持する旋回ベアリン
   グの下部中央に筒状フレームを取付け、同筒状フ
   レームを無限軌道作業車の走行装置の横方向フレ
   ームに設けた挿入孔に挿入して、同筒状フレーム
   に設けた球面軸受を同挿入孔の底部に設けた弾性
   体により支持し、上記筒状フレームと上記走行装
   置の横方向フレームとのそれぞれに複数個の支持
   ブラケツトを設けて、同支持ブラケツト間にロツ
   ク機構を兼ねたシヨツクアブソーバを介装したこ
   とを特徴とする無限軌道作業車の懸架装置。