JPS5846885Y2 - 産業車両用車軸固定装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はフォークリフト等の産業車両用車軸固定装置に
関するものである。

従来の産業車両、特にフォークリフトでは、車体の安定
度と乗りとごちを考慮して、車体フレームに後車軸を左
右方向にわずかに揺動できるように支承したいわゆるセ
ンタービン方式が採用されていた。

しかしながら、このセンターピン方式では車体フレーム
と後車軸との間に緩衝効果はなく、かならずしも乗りと
ごちが上いとは言えなかった。

なぜならば、一般の乗用車に採用されでいるリーフスプ
リング、コイルスプリング等の緩衝装置なフォークリフ
トに用いると、材木置場などの不整地や波止場などの傾
斜地にむいて車両の安定度が著しく低下し、前後あるい
は左右方向へ転倒する危険があり、このような緩衝装置
をただちにフォークリフトに流用できなかったからであ
る。

本考案は、このような従来装置の欠点を解消することを
目的とし、平担な舗装路を走行する時には十分な緩衝作
用を期待でき、かつ不整地や傾斜地を走行する時には車
両の安定度を確保できるようにした産業車両用車軸固定
装置を提供しようとするものであり、その要旨は、車軸
と車体フレームとの間に緩衝装置訃よびショックアブソ
ーバを介在するとともに、ショックアブソーバ用のリザ
ーブタンクを車体フレームに配設し、前記ショックアブ
ソーバと該リザーブタンクとを管路にて連結し、さらに
該管路中に該管路を連通、遮断制御する切換バルブを配
設するとともに、車体フレームに対して重錘を吊設し、
該重錘の前後・左右方向への移動時に前記切換バルブを
遮断作動可能とした点にある。

以下、本考案の実施ｆｌＪを図面について説明する。

第１図はフォークリフトの後車輪軸に本考案装置を適用
したＬＥ面部分断面図であり、左右方向の安定度を向上
した実施列を示す。

図中１は一対の後輪２，２を回転可能に支承する後車軸
、３は該後車軸１と車体フレームＦとの間に介在された
リーフスプリング、４は同じく後車軸１と車体フレーム
Ｆとの間に介在されたンヨツクアブソーパであり、リー
フスプリング３により後車軸１は緩衝作用を受けるとと
もに、ンヨツクアブソーパ４によりリーフスプリング３
の振動を減衰する作用を受けるように構成されている。

すなわち、このショックアブソーバ４は、管路５を介し
て、車体フレームＦに載置されたンヨックアブソーパ４
を作動するための作動油を貯溜するリザーブタンク６に
連結するとともに、管路５中に配設したオリフィス５Ａ
トよびショツクアブソ−パ４のピストン４Ａ部に穿設し
たオリフィス４Ｂによって十分なるアブソーバ機能を発
揮するものである。

さらに、管路５中には、該管路５を連通・遮断制御する
ための切換バルブγが配設されているとともに、車体フ
レームＦに固定されたブラケット８には、下端部に重錘
Ｗを固着し、上端部をピン９を介して回動可能に前記切
換バルブ１のスプールＩＡに連結した揺動リンクプレー
ト１０の中間部がピン１１を介して回動可能に連結され
ている。

このように構成された本考案装置では、平担地を走行す
る時、重錘Ｗの左右方向の移動はなく、切換バルブＩが
Ｎ位置にあって、管路５を連通状態としているため、後
車軸１はリーフスプリング３のｆｉＭ作用訃よび、ショ
ックアブソーバ４の減衰作用により車体フレームＦを弾
性的に支承することになり、乗りごこちは一般の乗用車
と同程度に良化向上するものであり、また、不整地や傾
斜地を走行する時には車両の左右方向の傾きによって、
車体フレームＦと重錘Ｗとは相対移動を生起し、車体フ
レームＦ側から見れば重錘Ｗがピン１１を回動中心とし
て回動することになり、切換バルブＩのスプール７Ａを
Ｎ位置からＲあるいはＬ位置に切換え、管路５を遮断状
態とする。

従って、この状態ではンヨツクアブソーパ４内の作動油
は流動を拘束されることになり、ショックアブソーバ４
のピストンロンドは移動を阻止され、実質的に車体フレ
ームＦと後車軸１とは連結した状態となってリーフスプ
リング３の緩衝機能を消滅させ、車両の安定度を向上す
るように作用する。

な訃、前後方向の安定度を向上する場合は５重錘Ｗを前
後方向に揺動できるように吊設すればよく、前後・左右
方向ともに安定度を向上する場合には前後方向に揺動す
る重錘と左右方向に揺動する重錘とを設ければよい。

以上のように構成され、作用する本考案装置では、平担
地を走行する時には、リーフスプリング３が緩衝作用を
行なうとともに、ショックアブソーバ４が振動の減衰作
用を行なうため乗りごこちが大幅に良化向上する効果を
奏するとともに、不整地や傾斜地を走行するときにはシ
ョックアブソーバ４が車体フレームＦと後車軸１とを実
質的に連結するため、車体の前後・左右方向の安定度が
十分確保され、不整地や傾斜地での走行安定性が一段と
向上する効果を奏するものである。

なお、本考案は上述した実施例の構成に限らず、次のよ
うに構成することも可能である。

すなわち、の 揺動リンクプレート１０とピン９との連
結を、第２図に示すように、揺動リンクプレート１０に
長孔１０Ａを穿設して、該長孔１０・Ａにピン９を係合
するようにしてもよい。

このように構成すれば、車両の振動により重錘Ｗがわず
かに揺動してもスプールＩＡが移動することはなく、必
要に応じて切換バルブＩの応答性を鈍くすることが可能
となるものである。

■ また、第３図に示すように、重錘Ｗの左右方向への
移動によりＯＮ作動するリミットスイッチＳＷにより、
ソレノイドＳＱＬを励磁して切換バルブγを切換作動す
ることも可能である。

このように構成すれば、リミットスイッチＳＷの取付位
置を変更するのみで、所定角度以上の傾斜地を走行する
ときにのみ切換バルブγを作動可能とすることができる
効果な奏する。

■ 重錘Ｗを球面軸受にて吊設するとともに、該重錘Ｗ
の前後訃よび左右方向の移動時に作動するリミットスイ
ッチな重錘Ｗの周囲に配設し、このリミットスイッチの
作動によりソレノイドＳＱＬを励磁して切換バルブｒを
切換作動することも可能である。

このようにすれば１つの重錘Ｗのみで車体の前後・左右
の揺動を検出できる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の実施列を示し、第１図はＬＥ面面部分断固
図第２図は他の実施列を示す要部拡大図、第３図は同じ
く他の実施例を示す要部拡大である。 １・・・後車軸、３・・・リーフスプリング、４・・・
ンヨツクアブンーパ ５・・・管路、６・・・リザーブ
タンク、γ・・・切換バルブ、Ｆ・・・車体フレーム、
Ｗ・・・重錘。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車軸と車体フレームとの間に緩衝装置訃よびショックア
   ブソーバを介在するとともに、ショックアブソーバ用の
   リザーブタンクを車体フレームに配設し、前記ンヨツク
   アブソーバと該リザーブタンクとを管路にて連結し、さ
   らに該管路中に該管路を連通・遮断制御する切換バルブ
   を配設するとともに、車体フレームに対して回動可能に
   重錘を吊設し、該重錘の前後・左右方向への移動時に前
   記切換バルブを遮断作動可能としたことを特徴とする産
   業車両用車軸固定装置。