JPH05253532A - レンタル用フロッキングマット - Google Patents

レンタル用フロッキングマット

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JPH05253532A
JPH05253532A JP4052662A JP5266292A JPH05253532A JP H05253532 A JPH05253532 A JP H05253532A JP 4052662 A JP4052662 A JP 4052662A JP 5266292 A JP5266292 A JP 5266292A JP H05253532 A JPH05253532 A JP H05253532A
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mat
nylon
rental
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和司 住本
Yuji Nagahama
勇二 永浜
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 繰返しレンタル、洗浄再生を行うという過酷
な条件下においても、マットパイル面に接着剤を介して
静電植毛されたパターン状フロッキング層のフロッキン
グパイルの抜糸がなく耐洗浄性に優れ、該フロッキング
層が明瞭に浮き出し且つその状態を安定して維持できる
レンタル用フロッキングマットを提供する。 【構成】 基布と、該基布にタフト化されたマットパイ
ルと、基布の非パイル面に施されたエラストマーパッキ
ングと、マットパイル面に接着剤層を介して静電植毛さ
れたパターン状フロッキング層から成るマットにおい
て、前記フロッキング層が原液染ナイロンフロッキング
パイルから成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マットパイル面に静電
植毛されたパターン状フロッキング層を設けたレンタル
用フロッキングマットに関し、より詳細には繰返しレン
タル、洗浄再生を行うという酷しい使用条件下において
も、フロッキングの耐抜糸性、耐洗浄性に優れ、パター
ン状フロッキング層が明瞭に浮き出し且つその状態を安
定に維持できるレンタル用フロッキングマットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、靴底等に付着したダスト類が室内
へ持ち込まれるのを防止するために、ダスト捕集用のマ
ット類が、事務所、店舗、住居等の玄関、入口等に敷設
されて使用されている。この種のレンタル用マットの中
には、その表面に、バックグランド部とは色別された、
文字、絵、マークなどの図柄を備えているものがある。
レンタル用マットに図柄を入れるのは、該マット上を通
る人に対し、該マットを敷設した店舗等を印象付け店舗
等の宣伝効果を狙ったり、注意を換起することを目的と
しているので、絵柄がぼやけると図柄を入れた意義が失
われ、ダストコントロール性能は未だ充分保有している
にもかかわらず、その商品価値を失わさせ、該マットの
寿命を短かくしている。
【0003】レンタル用マットに静電植毛によって図柄
を入れる技術は公知で、例えば特公昭62−2865号
公報に開示されている。また静電植毛の技術は、マット
に後加工でデザインを付与する方法としてよく使用され
る。静電植毛方法では、陽電極に直流電圧(通常100
00〜100000V)を加え、陰電極をアースして、
この電極間に接着剤を塗布した基布(マット)を通す。
陽極電極上部のコンベヤー上に短繊維(フロック)を置
けば、静電気の吸引力を受けて陰極に向かって垂直にと
び、接着剤を塗布した基布上に植毛される。植毛された
短繊維は1本1本が接着剤層に突きささって根元で固着
されている。静電植毛に繊維のすべてを利用できるが、
繊維の種類によって植毛性の難易がある。静電性の点か
ら吸湿性の比較的良好な木綿レーヨンなどは良好である
が、ナイロンなどは、表面導電率を向上させる処理があ
る。しかしながら、レンタル用マットに使用する繊維と
しては、耐摩耗性、耐洗濯性、染色堅牢性等の点からナ
イロンが使用される。
【0004】静電植毛(フロッキング)マットをレンタ
ル用マットに用いる場合の問題点として、フロッキング
部の耐久性の低いことがあげられる。特にナイロンパイ
ルの短繊維(フロック)とマットパイル面の接着剤層と
の接着性がマットの他の部分と比較して劣り、抜毛しや
すいためこれが不良要因となる事が多く、マット全体の
寿命を短かくする原因となっている。
【0005】ナイロンパイル/接着剤の接着強度を向上
させるためには、ナイロンパイル及び接着剤夫々に接着
性を向上させる手段が考えられる。接着剤に関しては、
接着剤に架橋剤を入れて加熱により架橋反応を実施させ
る事により、接着性を向上できる。しかし多量に配合す
る事は、それにより接着剤層の硬化を招く事になり、レ
ンタル用マットとしては、折り曲げ、洗浄等のリサイク
ル工程により割れ等の問題を生じるので、実用上架橋剤
の配合量に限度があり、接着強度の向上も制限される。
【0006】ナイロンパイルに関しては、処理剤の問題
がある。ナイロンパイルの接着性低下の原因としては、
ナイロンパイルをフロックに使用する場合、フロッキン
グ作業上、フロックに飛昇性を付与するため、パイルの
表面導電率を向上させる(即ちパイルの固有抵抗値を低
下させる)処理がある。この際使用される固有抵抗値を
低下させる処理剤としてAl23 水和物、SiO2
和物及びこれ等の水系ゲル等の薬剤があり、代表的なも
のとしてアルミナゾル、コロイダルシリカ等があげられ
る。これらに界面活性剤等の保湿剤を添加したものをナ
イロンパイル表面に付着させることにより、パイル1本
1本の固有抵抗値を低下させることができ、その結果高
電圧下にてパイルを飛昇させることが可能となる。これ
らの薬剤がナイロンパイル表面をおおい、これらの薬剤
の耐水性、ナイロンとの接着性が低いため、ナイロンパ
イルと接着剤層との接着性を低下させ、摩擦等により脱
落しやすくする。
【0007】パイル用処理剤に耐水性を付与するための
配合処方等がいろいろ検討されているが、ナイロンパイ
ル表面と反応を生じない電着処理では、レンタル用マッ
トとして使用する場合、特に繰返し洗浄、乾燥等のリサ
イクル工程を行ううえで処理剤の脱落を防止することは
難しく、従って処理量を実用上(植毛作業を行ううえで
の最小の帯電性)の最小量に設定する必要がある。
【0008】またパイル接着性低下の原因としては、洗
濯堅牢度向上のための処理剤、染料固着剤(例えば天然
タンニン、合成フィックス剤など)があげられる。これ
らの固着剤は染色されたナイロンパイルを使用して、レ
ンタル用マットに用いる場合、特に高度の洗濯堅牢度を
必要とする場合、固着剤量は繊維重量に対し1〜10%
程度が用いられる。この染料固着剤とナイロンパイル表
面との接着は、電着処理剤と同様に化学的な反応機構を
有せず、固着剤はナイロン表面に付着しているのみでレ
ンタルマットの再生工程でのくり返し洗浄及び屋外での
長期間の使用により脱落する傾向にあり、レンタルマッ
トとして長期間の使用によりナイロンパイル/固着剤の
接着力低下によりナイロンパイル/接着剤層の接着強度
が低下する。この量も必要最小限にとどめる必要があ
る。
【0009】以上を綜合すると植毛パイルの接着強度に
関し下記の要素が考えられ、植毛パイルに関しては電着
処理剤と染料固着剤の合計処理量がナイロンパイル接着
強度を決定する重要な要素となる。
【0010】この従来のフロッキングマットの植毛パイ
ルの接着状況を示す図3において、植毛パイル(6)
は、ナイロンパイル(7)とその表面に付着する電着処
理剤(8)及び染料固着剤(9)からなり、結局ナイロ
ンパイル(7)は、電着処理剤(8)及び染料固着剤
(9)を介して、マットパイル(2)面に施された接着
剤層(4)中に突きささって、根元で固着されている。
図3から植毛パイルの接着強度に関する上記要素の関係
がよく理解される。
【0011】本発明者らは、レンタル用フロッキングマ
ットの植毛パイルとして、原液染ナイロンパイルを使用
するとその洗濯堅牢性に優れていることから染料固着剤
処理が不要になり、また抵抗値を低下させる電着処理も
フロッキング作業を可能にする最小限度の処理を行うこ
とにより、パイルの接着強度を飛躍的に向上させること
ができ、また造られたフロッキングマットがレンタル用
マットとして使用して良好であることを見出した。
【0012】本発明の目的は、マットパイル面に接着剤
層を介して静電植毛されたパターン状フロッキング層を
設けたレンタル用フロッキングマットにおいて、繰返し
レンタル、洗浄再生を行うという過酷な条件下において
も、フロッキング層のフロッキングパイルの抜糸がな
く、耐洗浄性に優れ、パターン状フロッキングが明瞭に
浮き出し且つその状態を安定して維持できるレンタル用
フロッキングマットを提供するにある。
【0013】本発明によれば、基布と該基布にタフト化
されたマットパイルと、基布の非パイル面に施されたエ
ラストマーバッキングと、マットパイル面に接着剤層を
介して静電植毛されたパターン状フロッキング層とから
成るマットにおいて、前記フロッキング層が原液染ナイ
ロンフロッキングパイルから成ることを特徴とする耐洗
濯性に優れたレンタル用フロッキングマットが提供され
る。
【0014】また原液染ナイロンフロッキングパイルと
して、染料固着剤被覆がなく、電着処理剤が繊維重量の
80重量%以下で被覆されていることが、また該パイル
として、繊度1乃至40デニール、パイル長0.5乃至
10mmのものを使用することが好適である。
【0015】
【作用】本発明のレンタル用フロッキングマット(以下
フロッキングマットという)は、マットパイル面に接着
剤層を介して静電植毛されたパターン状フロッキング層
が原液染ナイロンフロッキングパイルから成る、即ち繊
維フロックとして原液染ナイロンフロックを使用してい
ることが特徴である。
【0016】原液染ナイロン繊維は、ナイロンを連続
相、着色剤を分散相として、ナイロン中に着色剤が分散
している繊維構造を有する。その製法の特性上、着色剤
は染色法で使用される染料の他に、耐光性の非常に良好
な顔料なども使用することができ、耐光性の見地から従
来より使用してきた染色法着色繊維に比べより広範囲の
着色剤を選択できる。それに着色剤がナイロン中に安定
した状態で繊維構造中全体に分散されているため、耐洗
濯堅牢性においても、優れており、レンタル用マットの
必要な耐光性、耐洗濯堅牢性という観点から従来の染色
法着色繊維に比して格段に優れている。
【0017】原液染ナイロン繊維を植毛パイルに用いる
ときは、上記理由により従来の染色法着色繊維に必要で
あった染料固着剤被覆が不要となり、その結果植毛パイ
ルの接着剤層に対する接着性が著しく良好となる。また
原液染ナイロン繊維は、繊維構造がナイロン中に着色剤
が分散されることによりナイロン自体よりも固有抵抗を
低下させることができ、その結果フロッキング作業をす
るための電着処理剤の被覆量も染色法着色ナイロン繊維
に比して低減させることができる。かくして、植毛パイ
ルの接着剤層に対する接着は飛躍的に向上するので植毛
パイルは洗浄再生使用の繰返しにも抜糸が防止される。
【0018】かくして、原液染ナイロン繊維の耐洗濯堅
牢性(耐洗浄性)、耐光性と相まって、本発明のフロッ
キングマットは、繰返しレンタルによる洗浄再生使用に
耐え、パターン形状も明瞭に浮き出し、その状態を安定
に維持できるようにしている。
【0019】
【発明の好適実施態様】本発明のフロッキングマット
は、その一例を示す図1及び図2において、基布
(1)、この基布(1)にタフト化されたマットパイル
糸(2)及び基布のパイル面(2A)と反対面に施され
ゴム製のバッキング(3)、及びマットパイル面(2
A)に接着剤層(4)を介して静電植毛された原液染ナ
イロン繊維フロックのパターン状フロッキング層(5)
から成っている。
【0020】パターン状フロッキングを静電植毛する前
のマットは、基布(1)、マットパイル糸(2)及びエ
ラストマーバッキング(3)より成る。マットパイル糸
(2)は、通常着色ナイロンのマルチフィラメントより
成る。一般には、木綿、ビニロン、ナイロン、ポリエス
テル、アクリルなど天然繊維及び各種合成繊維が使用さ
れるが、耐摩耗性、弾性回復性、発色性などが優れてい
るナイロンがレンタル用マットには好適である。マルチ
フィラメントの単糸は、円型、繭型、三葉型、四葉型、
三角形型、四角形型など種々の断面形状を有するものが
使用される。フィラメントの単繊維径は、一般に10乃
至200μm 、好ましくは20乃至100μm の範囲の
ものが、パイルの毛羽立ち、ダスト捕集性、風合い等の
見地から使用される。マルチフィラメントは、捲縮加工
を施こしたもの、潜在的に捲縮加工を施したもの、或い
は捲縮加工を施さないものの何れも使用できる。捲縮性
マルチフィラメントに例をとると、一般に500乃至5
000デニール、特に1000乃至4000デニールの
マルチフィラメント糸の形で基布へのタフティングに用
いる。特殊な場合には、マルチフィラメントを組み合せ
て5000〜30000デニール程度の糸で用いられる
こともある。このマルチフィラメント糸は単糸でもよ
く、また合撚糸でもよいが、一般に単糸の2乃至4本を
撚り合せた合撚糸であることが好ましい。
【0021】上記マルチフィラメント糸をタフティング
する基材としては、不織布、織布、編布等の任意のもの
が使用される。不織布としては、ポリエステル繊維、ポ
リアミド繊維等のステープル乃至フィラメントを抄造
し、接着剤、エンボシッング等で薄いシートの形に一体
化したものが使用され、また織布、編布としては、織密
度の比較的小さい織物、例えば紗、絽或いは編密度の小
さい網状のものが好適に使用される。基材への打込み本
数はゲージ1/4乃至1/10がよく、またステッチ5
本/inch乃至15本/inchがよい。
【0022】エラストマーバッキングは、従来この種の
マットに使用されるものは全て使用でき、例えば、SB
R、NBR、クロロプレンゴム等のゴム類や、軟質塩化
ビニル樹脂、ウレタンエラストマー、スチレン−ブタジ
エン・ブロックポリマーエラストマー等の熱可塑性エラ
ストマーが使用される。これらのバッキングは、上記エ
ラストマーのラテックスを塗布し、乾燥乃至キュアして
製造することもできるし、また前記ゴムの未加硫シート
とマットのステッチ面とを重ね合せ、熱接着と加硫乃至
架橋とを行うことによっても製造される。エラストマー
バッキングの厚みは一般に0.01乃至3mm、特に
0.1乃至2.5mmの範囲にあるのがよい。即ち、厚
みが0.5mm以下の比較的薄いものは、マットベース
との組合せで使用し得るし、0.5mm以上の厚いもの
は、それ単独で一体化マットとして使用される。
【0023】タフト化により形成されるマットパイル
は、その先端を切揃え、捲縮処理を行わせる。この捲縮
処理は、前述したエラストマーのキュア乃至加硫と同時
に行うこともできるし、これとは別個の工程で行うこと
もできる。一般に、捲縮処理は、70乃至200℃、特
に80乃至170℃の温度で行うことができる。捲縮処
理後のパイル長が一般に3乃至30mm、特に5乃至2
0mmの範囲内にあることが望ましい。
【0024】原液染ナイロンフロック ナイロンとしては、ナイロン6(ポリカプロラクタ
ム)、ナイロン66(ポリヘキサメチレンアジパミド)
等の汎用のポリアミドが使用され、ナイロン中への顔料
への配合は、それ自体公知の任意の方法、例えば着色剤
を重縮合前に添加する方法、重縮合時に添加する方法、
重合後のナイロンにマスターバッチ方式で着色剤を混入
する方法等が適宜採用される。
【0025】ナイロン当りの着色剤の含有量は、マルチ
フィラメントに所望の着色を与えるものであり、着色剤
の種類によっても相違するが、一般に0.05乃至10
重量%、特に0.1乃至5重量%の範囲内にあるのがよ
い。着色剤としては、有機顔料及び無機顔料の内、5μ
m 以下好ましくは0.2〜3μm の分散粒径に分散可能
なものは全て使用できるが、その適当な例は次の通りで
ある。 黒色顔料 カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラッ
ク、アニリンブラック。 黄色顔料 亜鉛黄、カドミウムエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファ
ストイエロー、ニッケルチタンエロー、ネープルスエロ
ー、ナフトールエローS、ハンザーイエローG、ハンザ
ーイエロー10G、ベンジジンエローG、ベンジジンエ
ローGR、キノリンエローレーキ、パーマネントエロー
NCG、タートラジンレーキ。 橙色顔料 モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピ
ラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレン
ブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、イ
ンダンスレンブリリアントオレンジGK。 赤色顔料 ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、パーマネントレッ
ド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチ
ングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアン
トカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキ
B、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B、キ
ナクリドン。 紫色顔料 マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレ
ットレーキ。 青色顔料 紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクト
リアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化
物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーB
C。 緑色顔料 クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、
フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンレーキ、
ファナルイエローグリーンG。 白色顔料 亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。
【0026】繊維フロック(フロッキングパイル)の長
さ及び径は用途によっても相違するが、0.5乃至10
mm好ましくは1乃至5mmの繊維長(パイル長)及び
1乃至40デニール好ましくは5乃至30デニールの繊
度を有するものが使用される。
【0027】フロッキングパイルの電着剤処理剤は、公
知のものが使用されるが、例えばアルミナゾル、コロイ
ダルシリカ、無機塩等が1種または2種以上混合したも
の、或いはこれに界面活性剤等を適宜混合したものなど
が使用され、水で稀釈して固形分10乃至30重量%の
濃度で使用される。
【0028】フロッキングパイルの電着処理剤による処
理は、例えば電着処理液中にフロッキングパイルを浸漬
後軽く脱水した後公定水分率程度の水分を保持する状態
まで乾燥して行なわれる。静電植毛には、電着処理した
フロッキングパイルを、調湿例えば20℃、湿度100
%の室内に48時間放置して調湿してから供せられる。
【0029】マットパイル面への接着剤の塗布及び静電
植毛工程は例えば特公昭62−2865号公報に記載の
方法で行うことができる。即ちマットパイル面に、フロ
ッキング模様全体にわたるステンシル模様(開口部)を
有する接着剤用スクリーンを介して接着剤を塗布して接
着剤層を形成させ、フロッキング模様にほぼ対応するス
テンシル模様(開口部)を有するフロッキング用スクリ
ーンを介して静電植毛する。フロッキング模様を多色に
するときは、夫々の色の模様部分を開口部とするフロッ
キング用スクリーンを使って順次静電植毛する。
【0030】接着剤としては、ポリアクリル酸系、ポリ
アクリル酸エステル系、アクリル酸エステル・酢酸ビニ
ール共重合物系、ポリウレタン系等のエマルジョン或い
はラテックス、ニトリルゴムラテックス等にメチロール
化メラミン樹脂、アミノ樹脂、ポリイソシアネートマス
キングタイプ等の架橋剤を配合したものが使用される。
その他公知の接着剤が使用される。
【0031】静電植毛操作を終えたマットは、熱処理に
より接着剤をキュアリングして、植毛されたフロックを
マットパイル面上に固定させ、最終製品とする。
【0032】本発明を次の実施例及び比較例で説明す
る。 実施例1及び比較例1マット パイル:トライローバル型BCFナイロン(ナイロン6
6) タフト規格ゲージ1/8、ステッチ8本/inch パイル高さ8mm 基布 ポリエステル100%平織布 目付量 120g/m2 裏面 ニトリルゴムラテックス系ゴム配合剤コーティン
グ、キュアリング
【0033】ナイロン繊維フロック(フロッキングパイ
ル) ナイロン6 パイル長1.5mm、パイル繊度15デニール このフロッキングパイルに合成フィックス剤(染料固着
剤)(スルホン化フェノール系)を繊維重量の1重量%
付着させたもの、2重量%付着させたもの、付着させな
いもの(付着量0%)の3種類を用いた。
【0034】電着処理剤 アルミナゾル(固形分70重量%) 20重量% コロイダルシリカ(固形分40重量%) 20 アニオン系界面活性剤 5 水 55 電着処理液は、上記電着処理剤をそのまま用いたもの
(電着処理剤濃度100%)と等量の水で稀釈したもの
(電着処理剤濃度50%)の2種類用いた。電着処理方法 フロッキングパイル100gを電着処理液中に浸漬後、
弱脱水1分間(含水率20%程度)後、オーブン(10
0〜110℃)で公定水分率程度の水分を保持する状態
まで乾燥する。
【0035】接着剤組成 アクリル酸系樹脂エマルジョン(固形分60%) 100(重量部) メチロール化メラミン樹脂(固形分80%) 7 増粘剤(ポクアクリル酸系)にて粘度(20℃) 50000cpsに増粘して使用した。
【0036】静電植毛 特公昭62−2865号公報記載と同様のUP方式の装
置を用い、電極間距離30cm、印加電圧30kVにて
30秒植毛する。
【0037】マットのパイル面に、接着剤を、スクリー
ンを介して約1mmの厚さに塗布し、予定模様に対応す
る接着剤層を形成させた。この接着塗布シートを静電植
毛装置に取付け静電植毛操作を行った。フロッキングパ
イルは、20℃、湿度100%の室内に48時間放置し
て調湿した後植毛に使用された。植毛したマットを90
℃で3時間乾燥後150℃で30分間熱処理してキュア
させてフロッキングマットを製造した。上記方法で表1
に示す9種類のフロッキングパイルについて夫々フロッ
キングマットが製造された。
【0038】これらのフロッキングマットについてフロ
ッキング部分20gを切り取り、上島製作所製ターゴッ
トメーターにて60℃、150RPMで5時間連続洗浄
した。洗浄液のpH11に調製、浴比1:30。5時間
洗浄後の抜糸状況を肉眼で観察した。その結果を表1に
示す。表中の数字は、フロッキング部の抜糸状況を等級
判定したもので、次の評価を意味する。 5 抜糸無し 抜糸 0% 4 外周のみ抜糸が認められ、内側は抜糸無し 10% 3 外周完全に抜糸、内側若干抜糸 20% 2 外周完全に抜糸、内側抜糸 50% 1 外周完全に抜糸、内側ほぼ抜糸 70% 0 外周完全に抜糸、内側完全に抜糸 100%
【0039】
【表1】
【0040】実施例2 フロッキングマットレンタルテスト 実施例1と同様に、ただし電着処理液として電着処理剤
50%濃度のものを使用して、次の2種類のフロッキン
グパイルを使用して、フロッキングマットを製造した。 フロッキングパイルA ナイロン原液染糸20デニー
ル、パイル長3mm フロッキングパイルB ナイロン染色糸20デニー
ル、パイル長3mm 染料固着剤 繊維重量の1重量%固着 フロッキングパイルAを使用したフロッキングマットA
及びフロッキングパイルBを使用したフロッキングマッ
トBを、夫々900×1500mmにカットし、通行人
数2000人/日の場所に3日間敷設した後、洗浄、乾
燥(60℃で30分間洗浄、次いで80℃で45分間乾
燥する)するサイクルを20回、40回及び60回行な
った後のフロッキング部のフロッキングパイルの抜糸状
態を観察した。その結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明のレンタル用フロッキングマット
は、フロッキングが原液染ナイロンフロッキングパイル
から成ることにより、染料固着剤処理が不要となり、電
着処理剤による処理も電着に必要な最低量ですむので、
マットパイル面に施された接着剤層にフロッキングパイ
ルが静電植毛により強力に接着されて、繰返しレンタ
ル、洗浄再生する過酷な使用条件下においても、フロッ
キングの抜糸がなく耐洗浄性に優れ、パターン状フロッ
キング層が明瞭に浮き出し且つその状態を安定に維持す
ることができる。そのため、レンタル用マットとしての
寿命、供用性が著しく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフロッキングマットの一例の断面構造
を示す。
【図2】本発明のフロッキングマットの一例の平面図で
ある。
【図3】従来のフロッキングマットの植毛パイルの接着
状況を示す図である。
【符号の説明】
1 基布 2 マットパイル糸 2A マットパイル面 3 エラストマーバッキング 4 接着剤層 5 パターン状フロッキング層 6 植毛パイル 7 ナイロンパイル 8 電着処理剤 9 染料固着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D05C 17/02 D06M 17/00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基布と、該基布にタフト化されたマット
    パイルと、基布の非パイル面に施されたエラストマーバ
    ッキングと、マットパイル面に接着剤層を介して静電植
    毛されたパターン状フロッキング層とから成るマットに
    おいて、 前記フロッキング層が原液染ナイロンフロッキングパイ
    ルから成ることを特徴とする耐洗濯性に優れたレンタル
    用フロッキングマット。
  2. 【請求項2】 原液染ナイロンフロッキングパイルが、
    染料固着剤被覆がなく、電着処理剤が繊維重量の80重
    量%以下で被覆されていることを特徴とする請求項1記
    載のレンタル用フロッキングマット。
  3. 【請求項3】 原液染ナイロンフロッキングパイルが、
    繊度1乃至40デニール、パイル長0.5乃至10mm
    である請求項1記載のフロッキングマット。
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