JPH05253246A - 手術用顕微鏡 - Google Patents

手術用顕微鏡

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JPH05253246A
JPH05253246A JP4051778A JP5177892A JPH05253246A JP H05253246 A JPH05253246 A JP H05253246A JP 4051778 A JP4051778 A JP 4051778A JP 5177892 A JP5177892 A JP 5177892A JP H05253246 A JPH05253246 A JP H05253246A
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正彦 絹川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】焦準範囲拡大調整時に、粗動による観察方向の
移動をなくして、操作性を向上させる。 【構成】粗動演算回路40で粗動による垂直方向の移動
量P1を検出し、α,β演算回路44,45で鏡体8の
XY方向の俯仰角α,βを検出して観察光軸S′の傾斜
方向を検出して、駆動演算回路38へ入力する。駆動演
算回路38で観察光軸S′に対するXY方向の補正量P
α,Pβを算出し、XY装置7で補正量Pα,Pβの距
離だけXY方向に鏡体8を移動させる。 【効果】鏡体8が観察光軸S′上を粗動し、観察部位が
移動しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焦点調整等における鏡
体部の移動時に観察部位が変化しないように駆動制御で
きる手術用顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、顕微鏡観察下で手術を行うマイク
ロサージャリーが普及し、脳神経外科、眼科、耳鼻咽喉
科等様々な領域で行われている。一般に、手術用顕微鏡
においては、観察部位に焦点を合わせるための焦準装置
が備えられている。ここで、焦準装置とは、観察部位に
正確に焦点を合わせるために鏡体部をその観察光軸方向
に沿って微小移動させる微動装置である。又、手術用顕
微鏡には、焦準装置を含む鏡体部を粗動させる粗動装置
も備えられている。
【0003】このように、焦点調整等のために駆動範囲
及び駆動速度の異なる2種類の粗微動駆動調整装置を持
つ手術用顕微鏡の例として、特開昭62−35314号
公報や特開昭62−101241号公報に記載されたも
のがある。いずれの顕微鏡の場合も、焦準装置には、焦
点調整時の微動による焦点調整可能範囲の上限及び下限
を検知する上下限検出手段が設けられている。又、例え
ば焦点調整時に、焦準装置が上限又は下限に至った場合
に、更に同一方向に鏡体部を駆動させる必要がある場
合、焦準装置へは継続して信号が入力され、この入力信
号と上下限検出手段から出力される調整限界検知信号と
が入力されることで、粗動装置を作動させる手段が備え
られている。このような構成によって、焦準装置では、
焦点調整時に上下限の調整限界になった場合でも、粗動
装置を駆動させることにより、再度微動装置による焦点
調整を行えるようになっている。このようにして、焦点
調整可能範囲を拡大することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな焦準装置による焦点調整可能範囲を越える焦点調整
は、焦準装置による鏡体の移動方向と粗動装置による鏡
体の移動方向とが略同一方向にある場合に限られる。な
ぜならば、鏡体の観察光軸方向と粗動装置による鏡体の
移動方向が異なると、粗動装置を駆動させた場合、鏡体
の視野方向が変わってしまうため、観察部位も移動して
しまうからである。通常、マイクロサージャリーにおい
て、焦準装置と粗動装置による鏡体移動方向が同一の状
態で術者が手術用顕微鏡を利用するのは、眼科等の一部
の領域に過ぎない。一般的には、術者は術部を様々な方
向から観察しながら手術を行うことが多く、そのために
鏡体俯仰装置を用いることもある。なぜなら、近年、低
侵襲で手術を行うようになり、体腔内深部の術部に対し
ても小さな開口の穴の中で手術を行うことが多く、この
穴の方向にも影響されることになるからである。
【0005】このように、焦準装置と粗動装置による鏡
体移動方向が異なる状態での手術時に、焦点調整の途中
で焦準装置の焦点調整限界に至り、粗動装置への切り換
えが行われると、鏡体が傾斜した状態では、粗動によっ
て鏡体による観察部位が移動してしまうことになる。こ
れを防止するためには、鏡体の傾斜方向即ち観察光軸方
向に沿って鏡体の粗動操作を行う必要があり、操作が極
めて煩雑になる。その上、粗動後に焦準装置の調整範囲
内で鏡体位置も合焦位置に再調整しなければならず、操
作が極めて煩雑であった。
【0006】本発明は、このような課題に鑑みて、鏡体
の傾斜状態に関わらず観察部位を変化させることなく鏡
体を移動させて焦準操作等を行うことができるようにし
た、手術用顕微鏡を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による手術用顕微
鏡は、実体顕微鏡を水平方向に移動させる水平方向移動
手段と、上下方向に移動させる上下方向移動手段とを有
する手術用顕微鏡において、実体顕微鏡の観察光軸方向
を検出する観察方向検出手段と、この観察方向検出手段
で検出された観察光軸方向に基づいて実体顕微鏡の移動
方向を判定して上下方向及び水平方向の各変位量を算出
し上下方向移動手段と水平方向移動手段とを駆動させる
駆動制御手段とが備えられていて、実体顕微鏡の移動時
に観察部位が変化しないように上下方向移動手段と水平
方向移動手段とを駆動制御するようにしたことを特徴と
するものである。
【0008】
【作用】観察方向検出手段によって実体顕微鏡の観察光
軸方向を検出し、実体顕微鏡の移動方向が判定される
と、実体顕微鏡の移動すべき位置に基づく上下方向の変
位量と水平方向の変位量とが算定され、変位量に応じて
駆動制御手段で水平方向移動手段と上下方向移動手段と
を駆動制御させ、観察部位が変化しないように実体顕微
鏡を移動させる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基
づいて説明する。図1乃至図6は本発明の第一実施例に
関するものであり、図1は手術用顕微鏡の外観図、図2
(a),(b)は俯仰装置の内部構成図、図3は第一実
施例の概略電気系ブロック図、図4(a)は垂直位置に
ある俯仰装置の側面図,(b)は俯仰装置の前後方向の
傾斜状態を示す側面図、図5(a)は垂直位置にある俯
仰装置の側面図,(b)は俯仰装置の左右方向の傾斜状
態を示す正面図、図6(a),(b)は夫々図4(b)
と図5(b)の傾斜状態の下で鏡体部を移動させる場合
の垂直方向及び水平方向の移動量を示す図である。
【0010】図1に示す手術用顕微鏡において、架台1
に設けられた支柱2には、粗動装置3に連結された第一
アーム4が支柱2に対して水平方向に回動可能に支持さ
れており、第一アーム4は粗動装置3によって矢印Pで
示す上下方向に摺動可能になっている。第一アーム4の
自由端には第二アーム5が水平方向に回動可能に取り付
けられており、その自由端には俯仰装置6を水平面内の
矢印X,Yで示す2方向に摺動可能に保持するXY装置
7が固定されている。又、俯仰装置6には、俯仰装置6
に対して矢印q方向に摺動可能な実体顕微鏡の鏡体8が
装着されており、俯仰装置6によって鏡体8は、互いに
直交する垂直面内の前後方向(矢印A方向)と左右方向
(矢印B方向)とに俯仰可能に構成されている。又、架
台1には、鏡体8や粗動装置3を駆動操作するためのフ
ットスイッチ9が接続されている。
【0011】次に、図2に基づいて俯仰装置6の構成に
ついて説明する。俯仰装置6は固定駆動部6aと可動駆
動部6bとで構成されている。固定駆動部6aはXY装
置7から垂下するアームに固定され、可動駆動部6bに
固定された回転軸11が固定駆動部6aに回転自在に支
持されている。又、固定駆動部6a内で、固定駆動部6
aに固定されたモータ12のモータ軸にウォーム13が
固着されており、このウォーム13は回転軸11に固着
されたホイール14と噛合している。そのため、モータ
12を駆動させると、回転軸11を中心に可動駆動部6
bを前後方向(A方向)に俯仰させることができる。そ
して、可動駆動部6bでは、可動駆動部6bに回転自在
に支持された回転軸15は、その一端が可動駆動部6b
の壁面を貫通してラック16に固定されている。又、回
転軸15に固着されたホイール17は、可動駆動部6b
に固定保持されるモータ18のモータ軸に固着されたウ
ォーム19と噛合している。又、鏡体8はラック16と
一体に保持されており、その内部に固定されたモータ2
0はモータ軸に固着されたギヤ21を介して、ラック1
6に噛合されたピニオン22と噛合している。そのた
め、モータ18によって鏡体8を左右方向(B方向)に
俯仰でき、鏡体8はモータ20によってラック16の長
手方向(Q方向)に進退可能になっている。又、鏡体8
には、術部を照明するための図示しない照明装置が設け
られている。
【0012】次に、図3のブロック図に基づいて電気系
統について説明する。まず、フットスイッチ9には、変
倍操作用,焦準操作用及び粗動操作用のUP/DOWN
操作のための3つのシーソースイッチ24,25,26
と、俯仰装置操作用のジョイスティックスイッチ27と
が設けられている。フットスイッチ9に接続されている
スイッチ回路28は、入力される信号に応じて変倍駆動
回路30、焦準駆動回路31、粗動駆動回路32、俯仰
駆動回路33に信号出力する。変倍駆動回路30は変倍
操作用のモータ34に接続されている焦準駆動回路31
は鏡体8内のモータ20に接続されており、又ラック1
6とピニオン22とによって設定される鏡体8の駆動範
囲の上限と下限の位置には、夫々上限スイッチ35aと
下限スイッチ35bとが設けられ、これらスイッチ35
a,35bも焦準駆動回路31に接続されている。そし
て、焦準操作信号と上下限スイッチ35a,35bによ
る何れかの検出信号とがAND回路36へ入力される
と、操作信号が粗動駆動回路32へ出力されるようにな
っている。
【0013】又、粗動駆動回路32では、この操作信号
が入力されると粗動装置3に内蔵されているモータ37
を駆動させて粗動装置3を上下動させると共に、操作信
号を駆動演算回路38に伝達するようになっている。
又、モータ37の回転はポテンショメータ39によって
検出されて、粗動演算回路40で粗動移動量P1が演算
され、駆動演算回路38に入力される。次に、俯仰駆動
回路33では、ジョイスティックスイッチ27から入力
される信号に基づき、モータ12,18が駆動させら
れ、夫々ポテンショメータ42,43でその回転量が検
出される。ポテンショメータ42に接続されるα演算回
路44では、前後方向(A方向)の俯仰を制御するモー
タ12の駆動による鏡体8のY方向鉛直面の傾斜角αが
演算され(図4参照)、又ポテンショメータ43に接続
されるβ演算回路45では、左右方向(B方向)の俯仰
を制御するモータ18の駆動による鏡体8のX方向鉛直
面の傾斜角βが演算され(図5参照)、夫々駆動演算回
路38に入力されるようになっている。
【0014】XY装置7には、駆動演算回路38に接続
されたXY駆動回路47により俯仰装置6をX方向に駆
動させるXモータ48と、Y方向に駆動させるYモータ
49が設けられており、各モータ軸には夫々ポテンショ
メータ50,51が取り付けられている。又、ポテンシ
ョメータ50,51で得られた値は、夫々X演算回路5
2とY演算回路53から水平方向の変位量算出値X1,
Y1として駆動演算回路38に出力されるようになって
いる。駆動演算回路38は、粗動演算回路40からの粗
動移動量P1に従って一定周期のサンプリングによって
一定時間内の変位量pを算出する変位量回路と、傾斜角
α,βの信号からtanα,tanβを変位量pに乗算
する補正演算回路と、補正演算回路の出力値と変位量算
出値X1,Y1とに従ってXY駆動回路47を制御する
補正制御回路とから構成されている(変位量回路,補正
演算回路及び補正制御回路は図示されていない)。
【0015】本実施例は上述のように構成されており、
次に作用を説明する。まず、フットスイッチ9の各シー
ソースイッチ24〜26を操作して、鏡体8を術部Oに
対して観察するのに適切な位置に移動させる。そして、
ジョイスティックスイッチ27を操作して、鏡体8を術
部Oを観察するのに最適な角度に俯仰させる。即ち、ジ
ョイスティックスイッチ27を操作することで、その制
御信号がスイッチ回路28を介して俯仰駆動回路33へ
入力され、鏡体8はモータ12で前後方向(A方向)
に、又モータ18で左右方向(B方向)に夫々駆動され
(図4,5参照)、術部Oの観察に適当な所望の角度に
保持される。即ち、固定駆動部6a内のモータ12の駆
動でウォーム14を介して回転軸11が回動され、可動
駆動部6bが鏡体8と一体に所望量回動されて、図4
(a)に示す鏡体8の観察光軸Sが、垂直方向に位置す
る垂直位置から、同図(b)に示すA方向に、角度αだ
け傾斜させられる(この位置の鏡体8の観察光軸をS′
とする)。又、モータ18の駆動によりウォーム17を
介して回転軸15が回動すると、ラック16及び鏡体8
も一体に回動することになり、鏡体8は図5(a)に示
す垂直状態から、同図(b)に示すB方向に、角度βだ
け傾斜した状態になる。
【0016】俯仰装置6による鏡体8の傾きは観察光軸
S′の傾きであり、角度α及びβは術部Oから延びる垂
直線から観察光軸S′までの前後方向(Y方向)及び左
右方向(X方向)の垂直面内での傾斜角である。この傾
斜角α,βは、夫々ポテンショメータ42,43で検出
されるモータ回転量に基づいてα演算回路44,β演算
回路45で各々算出される。
【0017】次に、フットスイッチ9のシーソースイッ
チ26を操作して焦準調整をする場合、その制御信号は
スイッチ回路28を介して焦準駆動回路31に入力さ
れ、鏡体8内のモータ20が駆動され、ギヤ21を介し
てピニオン22がラック16上を回転して、鏡体8が上
下動させられる。ここで、鏡体8が上方移動させられた
として、焦準調整の途中で鏡体8が上限に達して停止し
た状態になったとする。この場合、上限スイッチ35a
でこれが検出されて上限検出信号が出力され、スイッチ
回路28からのモータ駆動用のアップ操作信号と共にア
ンド回路36に入力され、論理和が求められる。これに
よって、焦準アップ操作が指示されているが焦準調整の
ための駆動が実行できない状態が検出される。この場
合、アンド回路36から操作信号が粗動駆動回路32に
入力され、粗動装置3に内蔵されるモータ37が駆動さ
れて、粗動装置3は鏡体8や各アーム4,5及びXY装
置7と一体に支柱2に沿って上方動される。この時の垂
直方向の移動量P1はポテンショメータ39によって検
出され、粗動演算回路40で算出される。
【0018】一方、駆動演算回路38では、粗動演算回
路40から入力される粗動移動量P1は、変位量回路で
一定周期内の垂直方向の粗動移動量pとして演算され
る。又補正制御回路では、傾斜角α,βから、図6に示
すように、粗動移動量P1に対しP1に直交する平面内
で観察光軸S′までのY方向の変位量Pαと(同図
(a)参照)、X方向の変位量Pβ(同図(b)参照)
とが算出される。これらの信号Pα,Pβに基づいて、
補正制御回路でXY駆動回路47に制御信号が送られ、
単位時間当たりの粗動移動量pに対応してXモータ48
及びYモータ49が駆動させられ、XY装置7で俯仰装
置6及び鏡体8がX方向及びY方向に水平移動させられ
る。しかも、各モータ48,49の駆動量は夫々ポテン
ショメータ50,51で検出されて、X演算回路52及
びY演算回路53で変位量X1,Y1として算出され
る。この変位量X1,Y1は駆動演算回路38へフィー
ドバックされ、X1=Pα,Y1=Pβとなるまでこの
サイクルが繰り返され(図5参照)、Xモータ48及び
Yモータ49の駆動が停止させられる。
【0019】従って、粗動時の鏡体8の移動は、粗動装
置3による垂直方向の粗動移動量P1とXY装置7によ
るX及びY方向の各移動量Pα及びPβとの合成であ
り、結局、鏡体8は観察光軸S′に沿った位置に粗動を
行うことになる。
【0020】上述のように本実施例によれば、焦準操作
において、鏡体8を粗動させる場合、鏡体8はその傾斜
角度に関わらず常にその観察光軸S′の方向に移動され
ることになるから、粗動装置3を駆動させても鏡体8の
視野方向は変化することがない。そのため、術者は焦準
調整時に焦準装置の方向や傾斜角度を考慮する必要がな
く、観察状態を維持したまま焦準操作範囲を広げるため
の粗動を実行でき、より一層手術に集中することができ
る。
【0021】尚、上述の第一実施例では、俯仰装置6を
電動装置としたが、鏡体8の傾斜を検出する傾斜センサ
(例えばジャイロのようなもの)を備えていれば、俯仰
装置は手動操作による装置であってもよい。
【0022】次に、第一実施例の変形例を図7の要部電
気系ブロック図で説明する。本変形例は、鏡体8が観察
光軸S′に沿って移動するように構成したものである。
即ち、駆動演算回路38′には、図6(a),(b)に
示す異なる方向の移動量P1,Pα及びPβについて、
その移動時間が互いに等しくなるようにXY装置7を駆
動制御するために、粗動装置3の移動速度pに対しta
nα,tanβを乗算し、XY方向の速度設定をなす速
度制御回路(図示せず)が設けられている。又、XY装
置7においては、ポテンショメータ50,51に代えて
夫々エンコーダ55,56が配設されており、エンコー
ダ55,56で検出されたXモータ48とYモータ49
の各回転速度は、XY駆動回路47′へもフィードバッ
クされるようになっている。XY駆動回路47′におい
ては、駆動演算回路38′から入力されるtanα,t
anβが乗算された移動速度pの各々に対し、フィード
バックされた各モータ48,49の回転速度が一致する
ようにXモータ48とYモータ49の回転速度を制御す
る、図示しないX速度制御回路とY速度制御回路が設け
られている。尚、粗動装置3にも図示しないエンコーダ
が配設されていて、移動速度pの速度制御が成されてい
るものとする。
【0023】上述のような構成を備えているから、焦準
調整時に粗動を行って焦準調整範囲を広げる場合、駆動
演算回路38′の速度制御回路から、粗動による単位時
間当たりの移動速度pに基づくtanα,tanβが乗
算されたXY方向の各速度信号が、XY駆動回路47′
のX,Y速度制御回路に送られる。これに基づき、XY
装置7のエンコーダ55,56からフィードバックされ
る出力信号に対し、X,Y速度制御回路でXモータ48
とYモータ49の単位時間当たりの各速度が設定され
る。これによって、粗動装置3の移動量P1に対してX
Y装置7におけるXモータ48による移動量PβとYモ
ータ49による移動量Pαとが、単位時間毎にしかも互
いに等しい全時間で、ほぼ同時に得られることになる。
【0024】本実施例によれば、焦準調整時の鏡体8の
移動は観察光軸S′に沿ったより滑らかな粗動となり、
操作者が術部を観察しながら行う焦準操作が、より有効
になる。又、このように鏡体8が観察光軸S′に沿って
移動するようになると、焦準装置を別個に配設する必要
がなくなり、鏡体部をより小型化でき、手術スペースが
広くなる利点もある。
【0025】次に本発明の第二実施例を図8乃至図15
に基づいて説明するが、上述の第一実施例で説明したも
のと同様の部材又は部分については同一の符号を用いて
その説明を省略する。尚、図8は手術用顕微鏡の外観
図、図9は第一アームの内部構成を示す図、図10は第
二アームにおける粗動駆動機構の要部構成を示す断面
図、図11は第二アームにおける俯仰装置取り付け部の
要部構成を示す断面図、図12は電気系統のブロック
図、図13,図14は第二アームの回動による第二アー
ムと鏡体の位置関係を線図的に示す図、図15は第一ア
ーム及び第二アームと鏡体との位置関係を線図的に示す
図であり、図13は側面方向から、図14は図13を矢
印a方向から、図15は同じくb方向から見た図であ
る。図8において、架台1には第一アーム58が回動軸
Dを中心に水平方向に回動可能に支持され、第一アーム
58の他端には第二アーム59が回動軸Eを中心に水平
方向に回動可能に支持され、又第二アーム59は回動軸
Gを中心に垂直方向に回動可能に構成されている。第二
アーム59の自由端には支持部60が回動軸Fを中心に
水平方向に回動可能に支持され、支持部60には、鏡体
8が回動可能に保持された俯仰装置6が取り付けられて
いる。
【0026】図9に示す第一アーム58の内部構造にお
いて、第一アーム58に対して軸Dを中心として回動可
能に保持された架台1の軸筒1aには、ギヤ62が固着
されており、第一アーム58に固定されたギヤモータ6
3はギヤ64を介してギヤ62に連結されている。又、
ギヤモータ63の回転軸にはカップリング65を介して
エンコーダ66が接続されていて、その回転量を検出で
きるようになっている。又、第一アーム58の他端に
は、軸Eを中心に回動可能な第二アーム59の軸筒59
aが枢着されており、軸筒59aにはギヤ67が固着さ
れている。このギヤ67は上述の構造と同様に、ギヤ6
8を介して第一アーム58に固着されたギヤモータ69
に連結されて、回転駆動されるようになっている。又、
ギヤモータ69の回転量は、カップリング70を介して
エンコーダ71で検出することができる。
【0027】図10に示す第二アーム59の一端部には
粗動駆動部が設けられている。その外枠を構成する固定
部59bには、内部に貫挿された軸73が回転自在に保
持され、軸73にはギヤ74が固着されていて、ギヤ7
5を介して固定部59bに固定されたギヤモータ76に
よって、軸73が軸Gを中心に上下方向に回転駆動され
る。又、ギヤ74にはエンコーダ77が設けられてい
る。第二アーム59は、軸73と、他端に支持部60が
枢着された上アーム79及び下アーム80とによって可
動部が構成され、上アーム79と下アーム80とで平行
四辺形リンクが形成されることになる。軸73の回転に
より平行四辺形リンクの一辺を構成する上アーム79が
回動操作されることにより、下アーム80が連動して、
他端に接続された支持部60が平行四辺形リンクの作用
によって平行移動することになる。又、第二アーム59
は、回動時にガススプリング81によってバランス調整
されるように構成されている。
【0028】次に、図11に示された支持部60には、
俯仰装置6の取り付け軸82が軸Fを中心に水平方向に
回転自在に保持され、取り付け軸82に固着されたホイ
ール83はウォーム84を介して、支持部60に固着さ
れたモータ85に連結されている。又、ウォーム84に
は、ギヤ86を介してエンコーダ87が設けられてい
る。
【0029】次に、図12によって本実施例の電気系統
のブロック図を説明する。スイッチ回路28及びアンド
回路36から信号が入力される粗動駆動回路89は、上
限又は下限検出信号とスイッチ回路28からの焦準操作
信号とに基づく操作信号が入力されると、モータ76が
回転して第二アーム59が軸Gを中心に上下方向に回転
して、鏡体8の粗動が行われる。又、この信号は粗動駆
動回路89から駆動制御回路92へも出力される。モー
タ76の回転量はエンコーダ77で検出され、粗動演算
回路90に入力される。粗動演算回路90は、鏡体8の
上下方向(円弧P′方向)の変位量P2(図13参照)
についての(水平方向に対する)俯仰角θ′を算出する
傾斜検出回路と、鏡体8の変位量P2に対する垂直方向
の距離P3を算出する変位算出回路とから構成されてい
る。尚、傾斜検出回路と変位算出回路は図示されていな
い。粗動演算回路90で算出された俯仰角θ′と距離P
3は、補正演算回路91に入力され、この補正演算回路
91には俯仰装置6で検出される鏡体8のX,Y方向の
傾斜角α,βも、α演算回路44とβ演算回路45から
入力される。
【0030】粗動駆動回路89と補正演算回路91から
信号が入力される駆動制御回路92では、図8における
第一アーム58と第二アーム59と俯仰装置6を夫々軸
D,E,Fを中心に水平方向に回転させるべく、モータ
63に接続されたD軸回転駆動回路93,モータ69に
接続されたE軸回転駆動回路94,モータ76に接続さ
れたF軸回転駆動回路95に夫々駆動命令を出力する。
エンコーダ66の出力から、D軸角度演算回路97で架
台1に対する第一アーム58の角度位置が検出され、第
一アーム58の駆動角が検出されて、補正検出回路98
へ出力される。又、エンコーダ71の出力から、E軸角
度演算回路99で第一アーム58に対する第二アーム5
9の角度位置が検出され、第二アーム59の駆動角が検
出されて、補正検出回路98へ出力される。又、エンコ
ーダ77の出力は、F軸角度演算回路100で第二アー
ム59に対する鏡体8の位置即ち水平方向の角度が検出
され、補正演算回路91に出力される。
【0031】補正演算回路91では、α及びβ演算回路
44,45での検出値α,βとF軸角度演算回路100
での検出値とに基づいて第二アーム59に対する鏡体8
の観察光軸S′(図13参照)の傾斜角を検出する傾斜
演算回路(図示せず)と、粗動演算回路90の検出値か
ら粗動による回動軸Fの変位量P2の移動位置に対する
(観察光軸S′に平行な)軸線S″へのXY方向への補
正値Pα,Pβを演算する変位検出回路(図示せず)と
を有している。又、補正検出回路98では、D,E軸角
度演算回路97,99の出力値と補正演算回路91から
入力される補正値Pα,Pβとによって比較演算を行う
比較演算回路(図示せず)と、この比較演算回路による
演算結果に従って駆動制御回路92へ操作指示を行う操
作制御回路(図示せず)とを有している。
【0032】本実施例は上述のように構成されており、
次にその作用を説明する。フットスイッチ9を操作して
鏡体8を術部を観察するのに最適な角度に俯仰させる。
術部Oからの垂直方向の軸に対して、観察位置における
鏡体8の観察光軸S′のX方向とY方向の傾斜角α,β
が、夫々ポテンショメータ42,43で検出され、α演
算回路44,β演算回路45で各々算出されることは、
第一実施例と同様である。又、第二アーム59先端部に
位置する支持部60において、エンコーダ77及びF軸
角度演算回路100によって、第二アーム59に対する
俯仰装置6の水平方向の角度が検出され、補正演算回路
91に入力される。そして、観察部位を移動させずに例
えば焦準調整しようとする場合、フットスイッチ9のシ
ーソースイッチ26を操作して、鏡体8を上下動させ
る。ここで、鏡体8が下方移動させられたとして、焦準
調整の途中で鏡体8が下限に達して停止した状態になっ
たとする。この場合、下限スイッチ35bでこれが検出
されて下限検出信号が出力され、スイッチ回路28から
のモータ駆動用のダウン操作信号と共にアンド回路36
に入力され、論理和が求められる。これによって、焦準
ダウン操作が指示されているが焦準調整のための駆動を
実行できない状態が検出される。
【0033】この場合、アンド回路36から操作信号が
粗動駆動回路89に入力され、第二アーム59内に内蔵
されるモータ76が駆動されて、第二アーム59は軸G
を中心に上下方向を下方に回動される。図13におい
て、観察光軸S′に対して第二アーム59と俯仰装置6
との交点を軸F1で表し、観察光軸S′に平行な軸F1
の線をS″で示す共に、粗動による軸F1の回動軌跡
P′上の粗動変位量をP2で示すと、鏡体8の移動すべ
き位置に対応する軸F1の位置は、軸線S″上にF1′
と定めることができる。第二アーム59による粗動によ
る鏡体8の変位は軸F1の円弧状変位P2に対応するか
ら、変位量P2の垂直方向の距離P3が粗動演算回路9
0で求められる。即ち、第二アーム59の粗動前後の俯
仰角をθ1,θ2とすると、粗動による角変位θ′は
θ′=θ1−θ2で求められる。距離P3は、第二アー
ム59の回動軸GからF1までの回動半径をRとする
と、P3=R(sinθ1−sinθ2)で算出され
る。
【0034】そして、θ′及びP3は補正演算回路91
に入力され、図示しない変位検出回路において、円弧状
変位量P2の移動位置から軸線S″までのXY方向の補
正量Pα,Pβが算出される。即ち、Y方向の補正量P
αは、図13から、R(cosθ1−cosθ2)とP
3・tanαとの和によって求められる。尚、第二アー
ム59の水平方向に対する俯仰角θの方向(上方向を
+、下方向を−とする)から、R(cosθ1−cos
θ2)の符号を決定する。本実施例では、図13に示す
ようにθ1,θ2≧0であるから、符号は+である。
又、X方向の補正量Pβは、図14に示すように、P3
・tanβにより算出され、この値もβの角度によって
符号が決定される。次に、補正検出回路98では、焦準
調整のための粗動が行われる前の回転軸Dにおける架台
1と第一アーム58との位置関係と、回転軸Eにおける
第一及び第二アーム58,59との位置関係とを示す各
位置信号がD軸角度演算回路97,E軸角度演算回路9
9から入力されている。そして、補正演算回路91の変
位検出回路から補正値Pα、Pβが入力される。そし
て、この補正値Pα、Pβについての回転角度と上述の
各位置信号とを比較演算回路で比較演算して、操作制御
回路で回転軸D,Eにおける補正回転角度の信号が夫々
出力される。そして、この信号は駆動制御回路92へ出
力される。
【0035】そして、この補正回転角度の信号に基づい
て各ギヤモータ63,69が駆動され、第一及び第二ア
ーム58,59を回動させ、軸F1が軸線S″上の位置
F1′に移動するようにX方向及びY方向に距離Pβ,
Pαだけ水平移動させることで、鏡体8は観察光軸S′
上に位置することになる。ここで、第一及び第二アーム
58,59の回動について図15に基づいて説明する
と、軸F1が水平面上を移動して位置F1′に到達する
ためには、半径がQで回動軸Dを中心とする第一アーム
58の回動円弧と、半径がRcosθ2で軸F1′即ち
軸線S″上の回動軸Fを中心とする第二アーム59の円
弧との交点E′の位置に回動軸Eが移動するように、第
一及び第二アーム58,59の水平方向の回動を制御す
ればよい。即ち、図15において、DF1=Lとする
と、DF1′=L′は、 L′=√〔(L−Pα)2 +(Pβ)2 〕 となる。又、回動後の、軸F1′に対する第一アーム5
8の水平角度をθD ′、線分D−F1′への回動軸E′
からの垂線に対する第二アーム59の角度をθE′とす
ると、 QcosθD ′+Rcosθ2(sinθE ′)=L′ QsinθD ′=Rcosθ2(cosθE ′) であるから、上式よりθD ′,θE ′を算出すると解が
夫々2つ得られる。この内、変位する量の少ない方の解
に従って、第一アーム58,第二アーム59を所定角度
回転させればよい。
【0036】上述のように本実施例によれば、上下方向
の円弧運動である粗動と、一対のアーム58,59によ
るXY方向の補正移動を行うことにより、焦準範囲拡大
調整時に観察光軸S′方向に沿った粗動を行える。特に
本実施例では、第一実施例と比較して水平方向の補正移
動を広範囲に亘って行うことができるから、術者等の操
作者は顕微鏡の焦準操作に注意を払う必要がほとんどな
くなるという利点がある。
【0037】次に、本発明の第三実施例を図16及び図
17に基づいて説明する。本実施例による手術用顕微鏡
の基本構造及び焦準範囲拡大調整のための操作は第一実
施例の図1乃至図4に示されたものと同様である。本実
施例においては、第一実施例の機能に加えて観察部位及
び合焦状態を変えずに観察方向のみを変更できる機能を
付加したものである。図16は手術用顕微鏡の電気系ブ
ロック図、図17は左右方向の鏡体の回動を表す図であ
る。図16において、フットスイッチ9には、ジョイス
ティックスイッチ27による操作内容として、第一実施
例と同様の俯仰装置6による鏡体8の俯仰操作モードの
他に、観察部位及び合焦状態を変えることなく鏡体8の
観察角度を変更するモード(観察角度変更モード)が加
えられており、新たに付加された切り換えスイッチ10
2によってこれらモードを切り換え選択するようになっ
ている。
【0038】スイッチ回路28′には、スイッチ102
による俯仰操作モードと観察角度変更モードの切り換え
に応じてジョイスティックスイッチ27の操作モードを
切り換えるモード設定回路(図示せず)が付加されてい
る。又、観察状態での鏡体8の垂直方向に対するXY方
向の傾斜角を検出するα演算回路42とβ演算回路43
での傾斜角α,βは、駆動演算回路38とは別に傾斜変
化算出回路103へも入力される。傾斜変化算出回路1
03では、観察角度変更モード選択時にスイッチ回路2
8′からモード設定回路の信号も入力されており、傾斜
角α,βとの関係でXY方向の傾きの変化が検出され
る。XY方向の傾きの変化は補正演算回路104へ入力
されるが、この回路104は、水平面内でのXY方向の
補正変位量Pβm,Pαmと、粗動方向(垂直方向)へ
の補正変位量Pm(図17参照)とを算出すると共に、
鏡体8内の図示しない対物レンズの術部Oからの距離
(ワーキングディスタンス)を検出して記憶するメモリ
手段を有している。又、傾斜変化算出回路104には、
視野内で俯仰操作モードと観察角度変更モードのうちの
選択モードを表示する表示素子(図示せず)を駆動する
ための、表示回路105が接続されており、術者は術部
の観察時に選択されたモードを確認できるようになって
いる。補正演算回路104での演算値は制御回路106
へ入力され、各変位量の出力値に基づいて粗動駆動回路
32,XY駆動回路47へ駆動命令を出力する。尚、鏡
体8内のモータ20にも図示しないエンコーダと位置算
出手段が設けられている。
【0039】本実施例は上述のように構成されているか
ら、術者がフットスイッチ9のスイッチ102により俯
仰操作モードを選択すると、ジョイスティックスイッチ
27の操作によって、図3及び図4に示すように、鏡体
8の前後(A方向)及び左右方向(B方向)の俯仰操作
が行われる。この場合には、図17(b)に示すよう
に、鏡体8はその観察光軸S1は実線で示す垂直方向か
ら、角度βm傾斜した破線で示す方向に変化するため、
観察部位が移動してしまうことになる。ところで、本実
施例において、観察角度変更モードを選択した場合、ジ
ョイスティックスイッチ27を操作すると、ジョイステ
ィックスイッチ27の変位量はスイッチ回路28′から
傾斜変化算出回路103へ入力され、又鏡体8の観察角
度変更前のXY方向の傾斜角α,βも傾斜変化算出回路
103へ入力されるため、XY方向の傾きの変化が検出
される。その検出値は補正演算回路104で演算され
て、XY方向の補正変位量Pαm,Pβmと、粗動方向
(垂直方向)への補正変位量Pm(図17参照)とが算
出される。
【0040】この算出手順を、X方向を例にとって図1
7(b)で説明する。図中、角度変更前の鏡体8の観察
光軸S1に対し、角度変更後の鏡体8の観察光軸をS2
とする。鏡体8の回転中心から術部Oまでの距離をL
m、観察光軸S2のX方向の傾斜角をβmすると、鏡体
8をワーキングディスタンスが等しい状態で、観察光軸
S1上の位置MからS2上のM1へ移動させようとする
場合、鏡体8の位置Mからの水平方向の距離即ちX方向
の補正変位量Pβmは、 Pβm=Lm・sinβm となる。又、位置Mから垂直方向の位置M1までの距離
即ち粗動方向への補正変位量Pmは、 Pm=Lm−Lmcosβm として得られる。又、Y方向の補正変位量Pαmも同様
の計算で得られる。このようにして、鏡体8の垂直な状
態を基準として、XY方向による傾斜の方向から各補正
変位量Pαm,Pβm,Pmが判定される。
【0041】そして、これらの補正変位量Pαm,Pβ
m,Pmは制御回路106からXY駆動回路47と粗動
駆動回路32へ夫々供給され、XY装置7ではY方向に
補正変位量Pαm、X方向にPβmだけ俯仰装置6及び
鏡体8を駆動させ、粗動装置3は補正変位量Pmだけ垂
直方向に移動させられる。このようにして、鏡体8を術
部Oを中心とする球面上で回動させることができる(図
17(a)参照)。尚、鏡体8内には、視野内表示素子
でジョイスティックスイッチ27の選択された操作モー
ドが表示されているから、術者は鏡体8で術部Oを観察
する状態で選択されたモードを確認しながら、ジョイス
ティックスイッチ27の操作を行うことができる。尚、
上述の例では回動前の鏡体8の観察光軸S1を垂直状態
としたが、傾斜角を有する状態であっても、同様にして
観察角度の変更を行うことができる。
【0042】上述のように本実施例では、観察部位(視
野)やピント状態を変化させることなく鏡体8の観察角
度を変化させることができるから、術中に観察方向を変
化させる場合でも、フットスイッチ9だけで操作でき、
手は手術のみのために使用することができる。そのた
め、より安全、確実でスムーズな手術の遂行が可能にな
る。尚、本実施例においても、図7に示す第一実施例の
変形例のように、移動速度可変型に構成して、個々の補
正を同時に行い得るように構成してもよい。
【0043】尚、第三実施例は第二実施例の構成に適用
するようにしてもよい。
【0044】
【発明の効果】上述のように本発明に係る手術用顕微鏡
は、実体顕微鏡の移動時に観察部位が変化しないように
水平方向移動手段と上下方向移動手段とを駆動制御する
ようにしたから、焦準操作時に粗動させて焦準調整範囲
を拡大する場合、鏡体部を粗動しても視野方向が変化す
ることがないので、粗動後に視野を再調整する必要がな
く、操作性を向上させることができる。又、鏡体部の微
動のための焦準装置をなくすこともでき、その場合には
鏡体部の小型化が図れ手術時の手術スペースを広くとる
ことができる。又、焦点位置を中心とした観察方向の変
更制御手段を設ければ、観察部位やピント状態を変化さ
せずに観察方向を変更することができ、操作性が一層向
上する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例である手術用顕微鏡の外観
図である。
【図2】(a)は俯仰装置の内部構成を示す図、(b)
は(a)のa−a線方向の断面図である。
【図3】第一実施例の電気系統のブロック図である。
【図4】俯仰装置を前後方向(A方向)に傾斜させた状
態を示すものであり、(a)は傾斜前、(b)は傾斜後
の状態である。
【図5】俯仰装置を左右方向(B方向)に傾斜させた状
態を示すものであり、(a)は傾斜前、(b)は傾斜後
の状態である。
【図6】(a)は傾斜させた鏡体の、粗動とX方向の変
位量を線図的に示す図、(b)は同じく粗動とY方向の
変位量を線図的に示す図である。
【図7】第一実施例の変形例についての要部電気系ブロ
ック図である。
【図8】本発明の第二実施例である手術用顕微鏡の外観
図である。
【図9】第一アームの要部内部構造を示す図である。
【図10】第二アームの回転軸Gを中心とした回動機構
の要部断面図である。
【図11】支持部の内部構造を示す部分破断図である。
【図12】第二実施例の電気系統のブロック図である。
【図13】第二アームによる粗動と軸F1及び鏡体の関
係を線図的に示す側面図である。
【図14】図13を矢印a方向から見た、第二アームに
よる粗動と軸F1の関係を線図的に示す図である。
【図15】図13を矢印b方向から見た図であって、軸
線S″に沿う軸F1のF1′までの移動と、第一アーム
及び第二アームの回動位置との関係を線図的に示す図で
ある。
【図16】本発明の第三実施例についての電気系ブロッ
ク図である。
【図17】(a)は観察角度を変更した鏡体の図、
(b)は鏡体の回動と垂直方向及び水平方向の移動との
関係を示す図、である。
【符号の説明】
3……粗動装置、6……俯仰装置、7……XY装置、8
……鏡体、31……焦準駆動回路、32,89……粗動
駆動回路、38……駆動演算回路、47……XY駆動回
路、91……補正演算回路、92……駆動制御回路、9
8……補正検出回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実体顕微鏡と、該実体顕微鏡を水平方向に
    移動させる水平方向移動手段と、上下方向に移動させる
    上下方向移動手段とを有する手術用顕微鏡において、 前記実体顕微鏡の観察光軸方向を検出する観察方向検出
    手段と、該観察方向検出手段で検出された観察光軸方向
    に基づいて実体顕微鏡移動方向を判定して上下方向及び
    水平方向の各変位量を算出し前記上下方向移動手段と水
    平方向移動手段とを駆動させる駆動制御手段とが備えら
    れていて、前記実体顕微鏡の移動時に観察部位が変化し
    ないように前記上下方向移動手段と水平方向移動手段と
    を駆動制御するようにしたことを特徴とする手術用顕微
    鏡。
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