JPH0525299Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

この考案は、運転室後部の荷台を覆うように車
体に取り付けられる樹脂製ボデーを備えた樹脂製
ボデー設定自動車におけるバツクドア開口部のシ
ール構造に関する。

【従来の技術】

オフ・ロード走行用の四輪駆動車等には、運転
室の後方に設けられた荷台を樹脂製ボデーで覆つ
て荷台部を乗員室として利用できるように構成さ
れた樹脂製ボデー設定車がよく見受けられる。 第６図に示すように、このような樹脂製ボデー
設定車に取り付けられている樹脂製ボデー１に
は、通常、その後部にバツクウインド開口２が設
けられており、このバツクウインド開口２を閉じ
るバツクウインドガラス３は荷台４の横開き式の
バツクドア５に取り付けられている。そして、バ
ツクドア５を開けることにより、バツクウインド
開口２および荷台４のバツクドア開口６を開放し
て、車両後部から荷物の積み下ろしや乗員の出入
りを行いうるようになされている。 また、第７図に示すように、樹脂製ボデー１の
バツクウインド開口部には、バツクウインド開口
をシールするためのウエザストリツプ７が設けら
れている。このウエザストリツプ７は、断面略Ｕ
字状の取り付け基部８と、この取り付け基部８の
後部に脚柱部９を介して一体的に設けられたシー
ル部１０とを有する。そして、ウエザストリツプ
７は、バツクウインド開口部に設けられたウエザ
ストリツプ取り付けフランジ１１に上記取り付け
基部８を差し込むことにより取り付けられてい
る。また、バツクドアの閉時、上記シール部１０
がバツクウインドガラス３の周縁部内面に弾性的
に当接し、これにより、バツクウインド開口２が
シールされる。 なお、図において、荷台のバツクドア開口部に
設けるウエザストリツプは省略してある。

【考案が解決しようとする課題】

ところで、荷台上に取り付けられる樹脂製ボデ
ー１は、通常、第７図に示すように、上記ウエザ
ストリツプ取り付けフランジ１１の下端が荷台４
のバツクドア開口６を囲むバツクドア開口枠部４
ｂの上面上に載せ置かれた状態で車体に装着され
ている。また、上記バツクドア開口枠部４ｂの上
面にはシート状のシールゴム１２が設けられてお
り、上記ウエザストリツプ取り付けフランジ１１
の下端をシールゴム１２に当接させることによ
り、この部から雨水が車室内に入り込むことがな
いようにしている。そして、バツクウインド開口
部の全周にわたつて設けられる上記ウエザストリ
ツプ７も、その下端が上記シールゴム１２に当接
するように上記バツクドア開口枠部４ｂの上面上
まで延ばされている。 ところが、ウエザストリツプ取り付けフランジ
１１とシールゴム１２との間では樹脂製ボデーの
重み等により十分なシール圧を得ることができる
のに対し、ウエザストリツプ取り付けフランジ１
１に単に保持させて取り付けるウエザストリツプ
７とシールゴム１２との間では大きなシール圧を
得ることができない。そのため、ウエザストリツ
プ７とシールゴム１２との間のシール性があまり
よくなく、第７図に矢印Ｗで示すような車室内へ
の雨水の侵入を確実に防止することが困難である
といつた問題があつた。 本願考案は、以上のような事情のもとで考えだ
されたものであつて、簡単な構造で、上記従来の
問題を解決し、上記ウエザストリツプの下端を十
分なシール圧をもつて荷台のバツクドア開口枠部
の上面に当接させ、この部におけるシール性を向
上させることができるように構成された樹脂製ボ
デー設定自動車におけるバツクドア開口部のシー
ル構造を提供することをその目的とする。

【問題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本願考案では、次の
技術的手段を講じている。 すなわち、本願考案は、後部にバツクウインド
開口を有し、かつバツクウインド開口部にバツク
ウインド開口内部に向かつて延びるウエザストリ
ツプ取り付けフランジが設けられた樹脂製ボデー
を、運転室後方の荷台を覆い、上記ウエザストリ
ツプ取り付けフランジの下端を荷台のバツクドア
開口枠部の上面上に載せ置くように車体に取り付
けるとともに、上記バツクウインド開口部に、断
面略Ｕ字状の取り付け基部を備え、この取り付け
基部を上記ウエザストリツプ取り付けフランジに
差し込むことにより装着されるウエザストリツプ
を設ける樹脂製ボデー設定自動車において、 上記ウエザストリツプの下端に、上記取り付け
基部の下端において上記バツクドア開口枠部の上
面に沿つて延び、ウエザストリツプ装着時上記ウ
エザストリツプ取り付けフランジの下端とバツク
ドア開口枠部の上面との間に挟み込まれる押圧シ
ール部と、この押圧シール部からさらに延出して
上記樹脂製ボデーと上記バツクドア開口枠部との
間の〓間を塞ぐ〓間閉塞シール部とを一体的に設
けたことを特徴としている。

【作用および効果】

ウエザストリツプは、その取り付け基部をウエ
ザストリツプ取り付けフランジに差し込むことに
より、バツクウインド開口部にその全周にわたつ
て、かつその下端が荷台のバツクドア開口枠部の
上面上まで延びるように取り付けられる。 そして、本願考案では、このウエザストリツプ
の取り付けにあたつて、ウエザストリツプの取り
付け基部の下端に一体に設けた押圧シール部を、
ウエザストリツプ取り付けフランジの下端とバツ
クドア開口枠部の上面との間に挟み込み、この状
態でウエザストリツプを装着する。 したがつて、ウエザストリツプは、ウエザスト
リツプ取り付けフランジが押圧シール部をバツク
ドア開口枠部の上面に押さえ付ける大きな力で、
その下端をバツクドア開口枠部の上面に押し付け
られることになる。これにより、従来シール圧が
不足しがちであつたウエザストリツプとバツクド
ア開口枠部の上面との間に、大きなシール圧を得
ることができるから、この部におけるシール性を
従来に比して向上させることができる。 また、上記押圧シール部をウエザストリツプ取
り付けフランジとバツクドア開口枠部の上面との
間に介装した場合、これらの間に〓間ができる
が、本願考案では、この〓間を塞ぐ〓間閉塞シー
ル部を上記押圧シール部からさらに延出させて一
体的に設けているので、上記〓間から雨水が車室
内に侵入する不都合も生じない。

【実施例の説明】

以下、本願考案の実施例を図面を参照しながら
具体的に説明する。 第６図に示すように、樹脂製ボデー設定車に設
けられている樹脂製ボデー１は、ルーフパネル１
ａと、この両側縁部に連結された両サイドパネル
１ｂ，１ｂとを備え、運転室後方の荷台４を覆う
ように車体に取り付けられる。そして、その車体
への取り付けは、ルーフパネル１ａの前端部を運
転室後部に設けられたピラー部１３にボルト止め
し、第２図に示すようにサイドパネル１ｂの下端
部内面に一体延出形成した内向きフランジ１ｃ
を、荷台４の側枠部４ａの上面上に載置してボル
ト止めすることにより行われている。また、上記
内向きフランジ１ｃと上記側枠部上面との間に
は、シート状のシールゴム１２が介装されてい
る。このシールゴム１２は、上記側枠部４ａ上、
および、この側枠部４ａの後端に連続して形成さ
れ、後述するバツクドア開口６を囲むバツクドア
開口枠部４ｂ上にかけて設けられており、これら
の上面に接着等によつて固定されている。 また、樹脂製ボデー１の後部には、ルーフパネ
ル１ａおよび両サイドパネル１ｂ，１ｂの後縁部
に囲まれて形成されるバツクウインド開口２が設
けられている。そして、このバツクウインド開口
２を閉じるバツクウインドガラス３は、荷台４の
横開き式のバツクドア５の上部に装着されてお
り、バツクドア５を開け閉めすることにより、バ
ツクウインドを開閉できる。また、第２図に示す
ように、樹脂製ボデー１のバツクウインド開口部
および荷台４のバツクドア開口部には、この部を
シールするEPDM等のゴムで形成したウエザス
トリツプ７，１４がそれぞれ装着されている。 バツクウインド開口部に設ける上記ウエザスト
リツプ７は、第１図、第２図および第５図に示す
ように、断面略Ｕ字状の取り付け基部８と、この
取り付け基部８の後部側面から後方に一体延出形
成された中空状の脚柱部９と、この脚柱部９の後
端に一体形成した略円筒状のシール部１０とを備
える。一方、樹脂製ボデー１のバツクウインド開
口部には、第２図および第５図に示すように、ウ
エザストリツプ７の取り付け座として、ルーフパ
ネル１ａおよび両サイドパネル１ｂ，１ｂの後端
部内面からバツクウインド開口内部に向かつて延
びるウエザストリツプ取り付けフランジ１１が一
体延出形成されている。そして、このウエザスト
リツプ取り付けフランジ１１に上記取り付け基部
８を差し込むことにより、ウエザストリツプ７を
バツクウインド開口部に取り付けている。また、
バツクドアの閉時、上記シール部１１がバツクウ
インドガラス３の周縁部内面に当接することによ
り、バツクウインド開口２がシールされる。 なお、上記取り付け基部８内には、図示はしな
いが、補強用のインサートメタルが設けられてい
る。また、取り付け基部８の両側の内壁面には、
挟持片８ａがそれぞれ設けられている。そして、
この挟持片８ａ……によつてウエザストリツプ取
り付けフランジ１１を弾性的に挟み込むことによ
り、取り付け基部８をウエザストリツプ取り付け
フランジ１１に保持させている。 また、樹脂製ボデー１は、上記ウエザストリツ
プ取り付けフランジ１１が上記シールゴム１２上
に載せ置かれるようにして車体に取り付けられて
いるとともに、バツクウインド開口部の全周にわ
たつて設ける上記ウエザストリツプ７は、その下
端がシールゴム１２に当接するようにバツクドア
開口枠部４ｂの上面上まで延ばされている。 さて、本願考案では、第１図ないし第３図に示
すように、上記ウエザストリツプ７の下端に、上
記取り付け基部８の下端において上記ウエザスト
リツプ取り付けフランジ１１とシールゴム１２と
の間に挟み込む押圧シール部１５と、ウエザスト
リツプ取り付けフランジ１１とシールゴム１２と
の間に上記押圧シール部１５を介装することによ
りできる〓間を塞ぐ〓間閉塞シール部１６とが一
体的に設けられる。 本例において、上記押圧シール部１５と〓間閉
塞シール部１６とは、取り付け基部８の下端およ
び脚柱部９の下端において一体形成したシート状
部１７によつて構成している。このシート状部１
７は、第１図および第２図から良く分かるよう
に、シールゴム１２の上面に沿つて延び、その前
端部が取り付け基部８のフランジ差し込み溝８ｂ
の下端開口を覆い塞ぎ、かつ、この部から後方に
延びて後端がバツクドア開口枠部４ｂの後縁にま
で至るように形成されている。そして、シート状
部１７における、上記フランジ差し込み溝８ｂの
下端開口を覆い塞ぐ部位を押圧シール部１５と
し、これから後方に延びる部位を〓間閉塞シール
部１６としている。また、シート状部１７は、ウ
エザストリツプ７がバツクウインド開口部に取り
付けられた状態において、その後縁部すなわち〓
間閉塞シール部１６の後縁部が、サイドパネル１
の後縁部のバツクパネル部１ｄの内面に当接する
ように形成されている。 そうして、本例では、第２図に示すように、上
記シート状部１７を樹脂製ボデー１とシールゴム
１２との間に挟み込んだ状態で、ウエザストリツ
プ７を取り付けている。すなわち、上記押圧シー
ル部１５を、ウエザストリツプ取り付けフランジ
１１の下端とシールゴム１２の上面との間に挟み
込み、かつ、〓間閉塞シール部１６を、ウエザス
トリツプ取り付けフランジ１１と上記バツクパネ
ル部１ｄとの間に設けられているバツクフランジ
部１ｅとシールゴム１２との間に挟み込んでい
る。 したがつて、ウエザストリツプ７は、ウエザス
トリツプ取り付けフランジ１１および上記バツク
フランジ部１ｅが上記シート状部１７をシールゴ
ム１２に押し付ける大きな力で、その下端をシー
ルゴム１２の上面に押し付けられることになる。
すなわち、シート状部１７における取り付け基部
８および脚柱部９の下端に一体形成されている部
位が樹脂製ボデーの重み等による大きな力でシー
トゴム１２に押しつけられる。これにより、ウエ
ザストリツプ７の取り付け基部８および脚柱部９
の下端とシールゴム１２との間に大きなシール圧
を得ることができるから、この部において従来お
まり良くなかつたシール性を向上させることがで
きる。 また、押圧シール部１５をウエザストリツプ取
り付けフランジ１１とシールゴム１２との間に介
装することにより、ウエザストリツプ取り付けフ
ランジ１１および上記バツクフランジ部１ｅとシ
ールゴム１２との間には〓間ができる。しかし、
本例の場合、上記押圧シール部１５の後端から連
続して延びる〓間閉塞シール部１６が、上記バツ
クフランジ部１ｅとシールゴム１２との間に挟み
込まれているとともに、その後縁部が上記バツク
パネル部１ｄの内面にまで延びてこれに当接して
いる。すなわち、上記〓間が〓間閉塞シール部１
６によつて塞がれるので、上記〓間から車室内に
雨水が入り込む不都合も生じない。 しかも、本例の場合、第１図ないし第４図に示
すように、上記シート状部１７の裏面に、押圧シ
ール部１５の前縁から〓間閉塞シール部１６の後
縁にまで連続して延び、シールゴム１２の上面に
弾性的に当接させられるリツプ条部１８を設けて
いる。したがつて、取り付け基部８および脚柱部
９の下端におけるウエザストリツプ７とシールゴ
ム１２との間のシール性を高めることができると
ともに、上記〓間におけるシール性も良好なもの
が得られる。面同士を当接させてシール構造を構
成する面シールよりも、シール体を線状に当接さ
せてシールするシール構造の方がシール性が良い
からである。 なお、第２図において、符号Ｔは、シート状部
１７を上記バツクフランジ部１ｅの裏面に貼着す
る両面テープである。 また、本例では、ウエザストリツプ７に、第１
図および第２図に示すように、上記バツクフラン
ジ部１ｅの先端部上面にかぶさつてウエザストリ
ツプ７とバツクフランジ部１ｅの先端との間の〓
間、およびシールゴム１２の後縁部を覆う延長シ
ール部１９を一体形成している。したがつて、ウ
エザストリツプ７とシールゴム１２との間への雨
水の入り込みをより防止でき、これによつてもシ
ール性が高められる。なお、上記延長シール部１
９は、取り付け基部８の後部側壁、脚柱部９の外
側部およびシール部１０の下部にかけて連続的に
形成されている。また、この延長シール部１９
は、両面テープＴによつて、ウエザストリツプ取
り付けフランジ１１およびバツクフランジ部１ｅ
に貼着している。 なお、図においては、バツクドア開口の一側し
か表していないが、バツクドア開口の他側おいて
も、上述のようなシール構造が同様にに構成され
る。 ところで、本願考案の範囲は、上述した実施例
に限定されるものではなく、たとえば、〓間閉塞
シール部は、上記バツクフランジ部１ｅの下部に
部分的に設けるのではなく、その全体にわたつて
設けるようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本願考案の実施例に係るウエザストリ
ツプを第２図のＢ矢視方向から見て部分的に示し
た図、第２図はバツクドア開口部の斜視図であつ
て、バツクドアを開けた状態での第６図のＡ部拡
大図、第３図は第１図の−断面図、第４図は
第１図の−線断面図、第５図は第２図のＣ矢
視図、第６図は樹脂製ボデー設定自動車の斜視
図、第７図は従来例の説明図であり、バツクドア
を開けた状態での第６図のＡ部に相当する図であ
る。 １……樹脂製ボデー、２……バツクウインド開
口、４……荷台、４ｂ……バツクドア開口枠部、
７……ウエザストリツプ、８……取り付け基部、
１１……ウエザストリツプ取り付けフランジ、１
５……押圧シール部、１６……〓間閉塞シール
部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 後部にバツクウインド開口を有し、かつバツク
   ウインド開口部にバツクウインド開口内部に向か
   つて延びるウエザストリツプ取り付けフランジが
   設けられた樹脂製ボデーを、運転室後方の荷台を
   覆い、上記ウエザストリツプ取り付けフランジの
   下端を荷台のバツクドア開口枠部の上面上に載せ
   置くように車体に取り付けるとともに、上記バツ
   クウインド開口部に、断面略Ｕ字状の取り付け基
   部を備え、この取り付け基部を上記ウエザストリ
   ツプ取り付けフランジに差し込むことにより装着
   されるウエザストリツプを設ける樹脂製ボデー設
   定自動車において、 上記ウエザストリツプの下端に、上記取り付け
   基部の下端において上記バツクドア開口枠部の上
   面に沿つて延び、ウエザストリツプ装着時上記ウ
   エザストリツプ取り付けフランジの下端とバツク
   ドア開口枠部の上面との間に挟み込まれる押圧シ
   ール部と、この押圧シール部からさらに延出して
   上記樹脂製ボデーと上記バツクドア開口枠部との
   間の〓間を塞ぐ〓間閉塞シール部とを一体的に設
   けたことを特徴とする、樹脂製ボデー設定車にお
   けるバツクドア開口部のシール構造。