JPH05252871A - 柔軟な食感の糖衣層を有する糖衣物 - Google Patents

柔軟な食感の糖衣層を有する糖衣物

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JPH05252871A
JPH05252871A JP4088071A JP8807192A JPH05252871A JP H05252871 A JPH05252871 A JP H05252871A JP 4088071 A JP4088071 A JP 4088071A JP 8807192 A JP8807192 A JP 8807192A JP H05252871 A JPH05252871 A JP H05252871A
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JP
Japan
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sugar
coated
coating layer
coating
protein
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JP4088071A
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English (en)
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Yoshitaka Ono
吉孝 大野
Taiji Amano
泰司 天野
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Kanebo Ltd
Original Assignee
Kanebo Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ナッツ類,ガム,チョコレート等の被糖衣物
を糖衣層によって被覆した糖衣物において、糖衣層中に
単純タンパク質または複合タンパク質が、糖衣層全体重
量中、0.5重量%以上含有されていることを特徴とす
る。 【効果】 通常の糖衣物が保有する外部から被糖衣物を
保護する効果を損なうことなく、咀嚼時に充分に柔軟な
食感を持つ糖衣層を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟な食感の糖衣層が
被覆されている糖衣物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、菓子類,錠剤等に利用される糖
衣物は、以下の製法により製造される。すなわち、ま
ず、表面が防水処理された被糖衣物に、蔗糖を主成分と
し、他の糖類,澱粉,デキストリン,安定剤(ガム質,
乳化剤等)の少なくとも1種を含むか、もしくは蔗糖の
みを含む水溶液(以下、これらをシロップと記す)を、
注加またはスプレーして被糖衣物表面全域に行き渡ら
せ、この後、各々粒径0.5mm以下である蔗糖,澱
粉,炭酸カルシウム,二酸化チタン等の少なくとも1種
からなる微粉末混合物(以下、これを散布用微粉末と記
す)を散布して被糖衣物相互の結着をふせぎ、次に、温
風を送って糖衣層を乾燥させる工程を複数回繰り返す。
この後、色素を含む水溶液を注加またはスプレーし、温
風にて乾燥を行う工程を繰り返して糖衣層を着色し、最
後にワックス、セラック等を使用して艶を出すことによ
り糖衣物が製造される。
【0003】上記工程を経て製造された糖衣物の糖衣層
は、糖を主成分として緻密な結晶構造を形成し、被糖衣
物の表層全域を覆うことにより、被糖衣物を外部からの
熱,衝撃等から保護し、また、空気,水分等の進入を遮
断する役割を持つ。しかし、従来の製法で製造された糖
衣層は、上記役割を果たすため非常に堅固な構造を有
し、柔軟性を全く有していないので、糖衣物咀嚼時、非
常にハードでハードキャンディ様の食感であり、口内に
破散した糖衣片がガラス的な感触となる。これは、食感
が重要な因子となる菓子類においては、マイナス要因と
なる。また、柔軟性を有しないために、核となる被糖衣
物が熱等の影響を受けて膨張した場合、糖衣物表層に亀
裂が発生する。
【0004】このような糖衣層の物性改善を目的とし
て、(1)糖衣層の厚みを減らし、糖衣強度を落とす、
(2)糖衣層中の水分含有率を上げ、柔軟な食感を与え
る、等の方法が考えられる。しかし、(1)糖衣層の厚
みを減らすことは、糖衣物の目的である被糖衣物の保護
効果を落とす結果に繋がり、(2)糖衣層中の水分含有
率を上げることは、単にシロップ掛工程,乾燥工程中の
作業のみで対応を試みると、糖衣層の厚みの不均一性,
糖衣層表面の突起発生の原因となるので事実上困難であ
る。また、糖アルコール等の保湿剤を使用した場合、製
造直後の糖衣層中の水分含有率を上げることはできる
が、水分を保持することはできないので、最終的には、
従来の糖衣物と変わらない物性のものしか得られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に鑑みなされたものであって、咀嚼時に従来の糖衣
物特有の硬い食感を有せず、柔軟な食感が得られる糖衣
物を、特に作業面で困難を伴わずに作成することに関し
研究を行った。その結果、糖衣層中に、適当量の単純タ
ンパク質または複合タンパク質を含有せしめることが有
効であることを見いだし本発明に到達した。
【0006】本発明の目的は、通常の糖衣物が保有する
外部から被糖衣物を保護する効果を損なうことなく、咀
嚼時に充分に柔軟な食感を持つ糖衣層を有する糖衣物を
提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、被糖衣物
を糖衣層によって被覆した糖衣物であって、糖衣層中
に、単純タンパク質または複合タンパク質が、糖衣層全
体重量中0.5重量%以上含有されてなることを特徴と
する糖衣物によって達成される。
【0008】次に、本発明を詳しく説明する。本発明の
糖衣物は、ナッツ類,キャンディ類,錠菓,ガム,チョ
コレート等の食品や糖衣錠のような医薬品等の、被糖衣
物として一般に用いられているものを被糖衣物とし、こ
れに糖掛けしたものであり、糖衣層中に、単純タンパク
質または複合タンパク質を含有してなる。
【0009】本発明に使用される単純タンパク質成分と
は、加水分解でα−アミノ酸だけを生じるものであり、
例えば、アルブミン,グロブリン,プロラミン,グルテ
リン,ヒストン,プロタミン,硬タンパク質等が挙げら
れる。また、複合タンパク質成分とは、単純タンパク質
と他の有機原子団との結合物であり、例えば、核タンパ
ク質,糖タンパク質,色素タンパク質,カゼイン等のリ
ンタンパク質等が挙げられる。
【0010】本発明においては、これらを単独で使用し
てもよいし、2種以上を併用してもよい。また、これら
を含有する組成物を使用してもよい。アルブミン,カゼ
イン等を単独で使用した場合には、被覆の均一性等の作
業性がよい。
【0011】また、上記タンパク質を含有する組成物と
しては、全粉乳,脱脂粉乳,大豆粉末等が好適に使用で
きる。全粉乳,脱脂粉乳を使用した場合には、風味が特
に良好で、また、糖衣層の成長が速くなり、作業時間が
短縮される。また、大豆粉末を使用した場合には、糖衣
表面の肌理が荒くなり、他のタンパク質成分を使用した
ときとは異なった食感のものが得られる。
【0012】また、上記タンパク質を含有する組成物の
場合、タンパク質を25重量%以上含有するものが好ま
しい。タンパク質が25%を下回る量しか含有しない組
成物を使用した場合は、保湿性の効果が減少し、柔軟性
が得られにくくなる傾向にある。
【0013】上記タンパク質成分は、糖衣層に、単純タ
ンパク質または複合タンパク質として、糖衣層全体重量
中、0.5重量%以上、好ましくは0.5〜10.0重
量%となるように含有させる。糖衣層中の単純タンパク
質または複合タンパク質が0.5重量%を下回る場合
は、被覆の均一性,乾燥性の作業面では支障を起こすこ
とはないが、保湿性の効果が減少し、柔軟性を得られな
い。 また、タンパク質が10.0重量%を越える場合
は、糖衣物の保湿性が強すぎて糖衣層の厚みの不均一化
の原因となったり、糖衣物表面に突起が発生したりする
傾向にある。
【0014】これらタンパク質成分は、通常、粉末状で
糖衣工程において散布される微粉末中に含有せしめるこ
とにより、使用される。
【0015】本発明の糖衣物は、例えば、次のようにし
て作ることが出来る。すなわち、まず、一般に糖衣に用
いられる回転釜に、適当量の被糖衣物を投入し、回転釜
を20〜30rpmに回転させながら加熱溶解させたシ
ロップを掛ける。このとき、糖衣に用いるシロップは、
通常使用されている蔗糖を主成分とし、他の糖類,澱
粉,デキストリン,安定剤(ガム質,ゼラチン,乳化剤
等)の少なくとも一種もしくは蔗糖のみを含む水溶液を
使用すればよく、特に限定されるものでない。 また、
1回に掛けるシロップ量は、被糖衣物表面に均一に行き
渡るための最低量であることが望ましい。
【0016】シロップが完全に被糖衣物表面に行き渡っ
たことを確認した後、上記タンパク質成分を含有する散
布用微粉末を糖衣物に散布する。タンパク質成分の他に
は、通常使用されている蔗糖,澱粉,炭酸カルシウム,
二酸化チタン等を適宜使用すればよい。また、散布量
は、被糖衣物の表面が散布用微粉末によって薄く均一に
被われる程度の量が望ましい。散布を終了すると、即座
に乾燥した15〜25℃の空気を送り込み、表面を乾燥
させる。上記一連の工程を複数回繰り返し、糖衣層を形
成していく。
【0017】糖衣層が目的とする重量に近づいた後、当
初のシロップよりも粘着性の弱いシロップを作成し、上
記と同じ要領でシロップ掛けを行い、糖衣層表面を滑ら
かにしていく。この際、散布用澱粉末は必要に応じて使
用してもよい。そして、色素を含有する水溶液を用いて
着色を行い、最後にワックス,セラック等にて艶出しを
行い、本発明の糖衣物を得る。
【0018】このようにして、得られた糖衣物の糖衣層
は、保湿性を有し、保存中も水分を保持し得るので、咀
嚼時に柔軟な食感を持つものである。この糖衣層の水分
は、製造直後及び保存時において、7重量%以上である
ことが好ましい。
【0019】
【発明の効果】以上のように、本発明の糖衣物は、糖衣
層に、単純タンパク質または複合タンパク質が含有され
ていることにより、保湿性が維持され、糖衣層に柔軟性
が付与されており、比較的ソフトな核となる被糖衣物を
使用しても食感に違和感なく咀嚼できる。また、糖衣層
の厚みを変える必要が無いため、被糖衣物に介する外部
ショックからの保護効果は、従来の糖衣物と変わらない
ことに加え、柔軟性を有するため熱等による被糖衣物の
体積変化によるひび割れに対しても効果を有するもので
ある。
【0020】また、本発明の糖衣物は、従来通りの製造
手順により製造でき、特殊な製造技術を必要としない。
また、副次的効果として本発明の糖衣物は、糖衣組成中
の砂糖含有率が相対的に減少するため、甘味を下げるこ
とができる。次に、本発明を実施例を挙げて具体的に説
明する。
【0021】
【実施例1〜4,比較例1〜2】表1に示す配合割合
で、加熱溶解したシロップ200g及び表2に示す配合
割合で粉体混合を行った散布用微粉末500gを用意し
た。そして、24rpmの回転釜中に、3g/粒のチョ
コレートセンターを450g投入し、上記シロップを1
回の使用量がチョコレート全表面に完全に行き渡る程度
に掛け、その直後に上記散布用微粉末をチョコレート同
士の結着が無くなるまで散布し、温度21℃,湿度60
%,風速3m/秒の送風にて乾燥を行った。この操作を
10回繰り返し、乾燥した時点で糖衣物の重量が0.9
g/粒増加した時この操作を終えた。
【0022】次に、グラニュー糖60重量%、水40重
量%の配合割合で加熱溶解したシロップを200g作
り、同じく1回の使用量がサンプルの全表面に完全に行
き渡る程度に掛け、上記と同じ条件で送風乾燥を行っ
た。最後に、グラニュー糖70重量%、水30重量%、
ビートレッド色素0.5重量%の配合割合で加熱溶解し
た色素液200gを上記と同じ要領で繰り返し掛けて、
赤色に着色し、最終の糖衣物の重量が4.0g/粒とな
った時点で糖衣を終了し、後はワックス,セラック等の
光沢剤にて艶出しを行い、本発明の糖衣物を得た。
【0023】得られた糖衣チョコレートを、室温20
℃,湿度40%以下にて1週間放置し、その間の糖衣物
の水分含有率の変化を追跡すると共に、官能評価にて糖
衣物の柔軟性を判定し、かつ30℃にて1週間経過時の
糖衣物表面のひび割れ発生の有無を調査し、評価を行っ
た。その結果を表3に示す。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】表3の結果から、実施例の糖衣物は、1週
間後も高水分で食感に柔軟性を有していたのに対し、比
較例の糖衣物は、2日目に既に水分含有率が低くなり、
食感も全く柔軟性を持たず、通常の糖衣物と変わらぬ結
果となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/38 7329−4C

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被糖衣物を糖衣層によって被覆した糖衣
    物であって、糖衣層中に、単純タンパク質または複合タ
    ンパク質が、糖衣層全体重量中0.5重量%以上含有さ
    れてなることを特徴とする柔軟な食感の糖衣層を有する
    糖衣物。
JP4088071A 1992-03-11 1992-03-11 柔軟な食感の糖衣層を有する糖衣物 Pending JPH05252871A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003527129A (ja) * 2000-03-21 2003-09-16 マーズ インコーポレイテッド 核に被覆を形成するための方法及び装置
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JP2019216634A (ja) * 2018-06-18 2019-12-26 森永製菓株式会社 菓子及び菓子の製造方法

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