JPH05251772A - 超電導多層配線およびその作製方法 - Google Patents

超電導多層配線およびその作製方法

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JPH05251772A
JPH05251772A JP4328917A JP32891792A JPH05251772A JP H05251772 A JPH05251772 A JP H05251772A JP 4328917 A JP4328917 A JP 4328917A JP 32891792 A JP32891792 A JP 32891792A JP H05251772 A JPH05251772 A JP H05251772A
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wiring
thin film
oxide
interlayer
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JP4328917A
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Takao Nakamura
孝夫 中村
Hiroshi Inada
博史 稲田
Michitomo Iiyama
道朝 飯山
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 c軸配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜
で構成され、段差を有する下層の超電導配線11、111
と、同じくc軸配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜
で構成され、段差を有する上層の超電導配線12、121と
を接続するa軸配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜
で構成された層間配線3との接続部が、段差部分の斜面
に配置されている。 【効果】 層間配線を構成する酸化物超電導薄膜の結晶
方向に、超電導配線の方向が制限されない。また、水平
方向の超電導配線11、111、12、121と層間配線3との間
に不要なジョセフソン接合や抵抗成分が存在しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導多層配線、超電
導回路およびその作製方法に関する。より詳細には、酸
化物超電導体を使用した超電導多層配線および酸化物超
電導体を使用した超電導多層配線を利用した超電導回路
ならびにそれらの作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導体の電子機器への応用は、大きく
分けて2種類ある。即ち、超電導体を使用し、従来の半
導体素子とは異なる原理で動作する超電導素子と、電子
機器内の電線路に超電導体を使用する超電導配線であ
る。現在使用されている半導体素子を超電導素子に置き
換えることにより、電子機器の飛躍的な高性能化が可能
であると考えられている。超電導素子を、超電導配線と
組み合わせて使用するとより高い効果が得られ、一方、
超電導配線だけでも電子機器を高速化できることがわか
っている。特に、信号線路に超電導電線路を使用する
と、従来よりも高い周波数の信号を伝送することが可能
であり、これが電子機器の高速化につながる。また、信
号の減衰も少なくなるので、増幅器等を減らすことがで
き、消費電力を減少させる効果もある。
【0003】一方、近年、研究が進んでいる酸化物超電
導体は、従来の金属超電導体に比較して臨界温度が高
く、液体窒素温度で超電導状態になる。酸化物超電導体
を使用して超電導配線を形成すると、低コストな液体窒
素冷却で動作する超電導回路を構成することが可能であ
る。
【0004】上記の酸化物超電導体の超電導配線を集積
回路等の超電導回路に使用する際には、多層配線を酸化
物超電導体で形成する必要がある。酸化物超電導体で多
層配線を形成する場合には、適当な基板上に酸化物超電
導薄膜を成膜し、この酸化物超電導薄膜を所望の配線の
形状に加工してその上に絶縁体層を被覆する工程を繰り
返す。
【0005】図4に酸化物超電導体を使用した超電導多
層配線の一例の断面図を示す。図4の超電導多層配線
は、グランドプレーンを含んだ基板5上に形成されてお
り、第1の超電導配線11、絶縁層21および第2の超電導
配線12を具備する。また、超電導配線11および12を電気
的に接続するための層間配線3が形成された接続孔を具
備する。超電導配線11および12には、水平方向に大きな
電流を流すことができる例えばc軸配向の酸化物超電導
薄膜が使用され、接続孔の層間配線3には、上下方向に
大きな電流を流すことができる例えばa軸配向の酸化物
超電導薄膜が使用されている。
【0006】一方、図5に図4の超電導多層配線をさら
に発展させた超電導回路の一例の断面図を示す。図5の
超電導回路は、基板5上に形成されており、最下層のグ
ランドプレーン4と、グランドプレーン4上の絶縁層20
と、絶縁層20上に順に積層された第1の超電導配線11、
絶縁層21および第2の超電導配線12とを具備する。ま
た、図4の超電導多層配線と同様に、超電導配線11およ
び12を電気的に接続するための層間配線3が形成された
接続孔を具備する。この超電導回路においても超電導配
線11および12には、水平方向に大きな電流を流すことが
できるc軸配向の酸化物超電導薄膜が使用され、接続孔
の層間配線3には、上下方向に大きな電流を流すことが
できるa軸配向の酸化物超電導薄膜が使用されている。
超電導配線11の層間配線3に接している部分には、超電
導電界効果型素子等の超電導能動素子7または超電導体
を使用した受動素子等が配置され、超電導配線12の層間
配線3に接している部分には、抵抗素子8が配置されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の超電導多層
配線では、多層構造に伴う接続孔等のために回路の占有
面積が増大する。また、層間配線3の酸化物超電導薄膜
を構成する酸化物超電導体のc軸の方向と、超電導配線
11および12の電流方向との関係により、超電導配線と層
間配線との間に抵抗成分が発生したり、不要なジョセフ
ソン接合が生ずることがある。図6を参照して、これを
説明する。図6は、図4に示した超電導多層配線の超電
導配線12の層間配線3と接続されている部分を拡大して
概念的に図示したものである。図6において、超電導配
線12および層間配線3の内部に描かれた線は、それぞれ
を構成する酸化物超電導体結晶のCu−O面を概念的に示
している。図6に図示したように、層間配線3を構成す
る酸化物超電導体結晶のCu−O面が、超電導配線12を流
れる超電導電流の電流方向に対して垂直である場合、超
電導配線12と層間配線3との間に抵抗成分や不要なジョ
セフソン接合が発生しやすい。これは、酸化物超電導体
中を流れる超電導電流は、Cu−O面に平行な方向(結晶
のc軸に垂直な方向)に流れ易く、Cu−O面に垂直な方
向には流れ難いからである。
【0008】上記のような抵抗成分や不要なジョセフソ
ン接合の発生を避けるために、層間配線に使用する酸化
物超電導薄膜を、そのCu−O面が層間配線に接続される
超電導配線の電流方向に平行になるよう配向させること
もある。しかしながら、例えば、90°異なる2方向にそ
れぞれ超電導電流が流れる複数の超電導配線に接続され
る層間配線には、この方法は使用できない。
【0009】また、上記従来の超電導多層配線を作製す
る場合には、超電導11、12および絶縁層21を作製してか
ら接続孔を形成し、その接続孔中にa軸配向の酸化物超
電導薄膜を成膜して層間配線3を形成する。この従来の
方法では、層間配線3を形成するための接続孔の断面積
が小さいので、接続孔の内壁面を完全に清浄にすること
が困難である。そのため、超電導配線11および12の接続
孔内面に現れている断面上に劣化した酸化物超電導体が
残留したり、汚染物質が付着したりして、これらが層間
配線3との間でジョセフソン接合を発生させる原因とな
ることもある。そこで本発明の目的は、上記従来技術の
問題点を解決した超電導回路を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に従うと、絶縁層
の上下にそれぞれ配置された一対の超電導配線と、前記
絶縁層の上下に配置された一対の超電導配線を電気的に
接続する層間配線を有する接続孔とを具備する超電導多
層配線において、前記超電導配線が段差を有するc軸配
向の酸化物超電導薄膜で構成され、前記層間配線がa軸
配向の酸化物超電導薄膜で構成され、前記層間配線が前
記超電導配線の段差部分に配置されていることを特徴と
する超電導多層配線が提供される。
【0011】また、本発明においては、絶縁層を介して
上下に配置された一対の超電導配線と、前記上下に配置
された一対の超電導配線を電気的に接続する層間配線を
有する接続孔とを具備する超電導回路において、前記超
電導配線に酸化物超電導体が使用され、前記接続孔の層
間配線が中間に抵抗体が挿入された一対の貴金属層を具
備することを特徴とする超電導回路が提供される。
【0012】上記本発明の超電導回路においては、上下
に配置された一対の超電導配線の少なくとも一方に酸化
物超電導体が使用された超電導能動素子が接続され、前
記超電導能動素子の一端が前記層間配線の貴金属層のい
ずれか一方に接していることが好ましい。
【0013】また、本発明においては、基板と、該基板
上で、c軸配向の酸化物超電導薄膜で構成され、それぞ
れ層間絶縁層の下側および上側に配置されている第1お
よび第2の超電導配線と、前記第1および第2の超電導
配線を電気的に接続するa軸配向の酸化物超電導薄膜で
構成された層間配線とを具備する超電導多層配線を作製
する方法において、前記基板の前記層間配線が配置され
る位置にa軸配向の薄い酸化物超電導薄膜またはa軸配
向の酸化物超電導薄膜と類似の結晶構造を有する酸化物
薄膜を形成し、その上にc軸配向の酸化物超電導薄膜が
成長する条件で前記第1の超電導配線となる酸化物超電
導薄膜を形成し、該酸化物超電導薄膜を前記第1の超電
導配線に加工し、該第1の超電導配線上に前記層間配線
の位置を除いて層間絶縁層を形成し、この層間絶縁層上
に再びc軸配向の酸化物超電導薄膜が成長する条件で前
記第2の超電導配線となる酸化物超電導薄膜を形成する
工程を含むことを特徴とする超電導多層配線の作製方法
が提供される。
【0014】
【作 用】本発明の超電導多層配線は、酸化物超電導薄
膜による超電導配線が、例えば段差を有する基板上で段
差を有するよう形成されており、この超電導配線の段差
部分で層間配線と接続されているところにその主要な特
徴がある。この接続部分では、超電導配線と層間配線と
が互いに斜面で接続されていることが好ましく、これに
より接触面積が増大していることが好ましい。
【0015】本発明の超電導多層配線は、層間配線の酸
化物超電導体結晶のc軸の方向に関わらず、上記の接続
部分からどの方向に延びる超電導配線であっても電流の
ながれ易さが変わらない。従って、層間配線を形成する
際に、層間配線を構成する酸化物超電導薄膜のc軸の方
向が制限されない。
【0016】一方、本発明の超電導回路は、絶縁層を介
して上下に配置された一対の酸化物超電導薄膜による超
電導配線を電気的に結ぶ層間配線が、一対の貴金属層と
その中間に挿入された抵抗体とを具備する。また、上記
の超電導配線のいずれかに接している超電導能動素子
が、上記の貴金属層のいずれか一方に接していてもよ
い。
【0017】本発明の超電導回路の層間配線は、抵抗素
子の機能も有するので、従来独立していた抵抗素子を省
略することができる。従って、本発明の超電導回路は占
有面積を小さくすることが可能である。また、本発明の
超電導素子では、層間配線の貴金属層が超電導能動素子
の一端に接しているので、超電導能動素子と層間配線と
の間に不要なジョセフソン接合が生じない。また、超電
導回路を作製している間に、超電導能動素子を構成する
酸化物超電導体から酸素が抜けて特性が劣化することを
防ぐ。
【0018】上記本発明の超電導回路の層間配線の貴金
属層には、Au、Ag、Pt等が使用可能であり、抵抗体には
W、窒化タングステン、各種のシリサイド等が使用可能
である。
【0019】一方、本発明の方法では、基板上の、超電
導多層配線の層間配線が配置される位置に、予めa軸配
向の薄い酸化物超電導薄膜またはa軸配向の酸化物超電
導薄膜と類似の結晶構造を有する酸化物薄膜を形成し、
この薄膜上にc軸配向の酸化物超電導薄膜が成長する条
件で下層の超電導配線となる酸化物超電導薄膜を形成す
る。c軸配向の酸化物超電導薄膜が成長する条件で酸化
物超電導薄膜を成膜しても、a軸配向の酸化物超電導薄
膜上またはa軸配向の酸化物超電導薄膜と類似の結晶構
造を有する酸化物薄膜上には、a軸配向の酸化物超電導
薄膜が成長する。即ち、本発明の方法では、最初に基板
上に形成するa軸配向の酸化物超電導薄膜またはa軸配
向の酸化物超電導薄膜と類似の結晶構造を有する酸化物
薄膜は、いうなれば種薄膜であり、この上に成長する酸
化物超電導薄膜は成膜条件、隣接する部分の酸化物超電
導薄膜の配向性に関わらずa軸配向の薄膜となる。この
a軸配向の酸化物超電導薄膜を層間配線に使用する。本
発明の方法において、上記の種薄膜は、顕著な配向性が
現れていなければならず、最低でも5nmの厚さが必要で
ある。また、上記のa軸配向の酸化物超電導薄膜と類似
の結晶構造を有する酸化物薄膜としては、a軸配向のPr
1Ba2Cu37-y薄膜等が好ましい。
【0020】本発明の方法では、上記のように水平方向
の超電導配線となるc軸配向の酸化物超電導薄膜と、層
間配線を構成するa軸配向の酸化物超電導薄膜とを同時
に形成する。従って、層間絶縁層を形成する場合には、
層間配線が貫通する部分を避けるようにしなければなら
ない。このように、本発明の方法では、最初に基板上の
層間配線が配置される部分に種薄膜であるa軸配向の酸
化物超電導薄膜またはa軸配向の酸化物超電導体と類似
の結晶構造を有する酸化物薄膜を形成した後は、水平方
向の超電導配線を構成するc軸配向の酸化物超電導薄膜
および層間絶縁層を順に形成するだけで、何層の多層配
線であっても層間配線を形成することができる。
【0021】本発明においては、上記酸化物超電導体に
は、任意のものが使用可能であるが、Y−Ba−Cu−O系
酸化物超電導体、Bi−Sr−Ca−Cu−O系酸化物超電導体
およびTl−Ba−Ca−Cu−O系酸化物超電導体が特に好ま
しい。
【0022】以下、本発明を実施例により、さらに詳し
く説明するが、以下の開示は本発明の単なる実施例に過
ぎず本発明の技術的範囲をなんら制限するものではな
い。
【0023】
【実施例】実施例1 図1に、本発明の超電導多層配線の一例の作製工程を示
す。図1は、本発明の超電導多層配線の作製工程を示し
た断面図である。この方法では、最初に、図1(a)に示
すような、エッチング等で段差を形成したMgO基板5上
に、図1(b)に示すよう、下層の超電導配線となるc軸
配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜1を形成する。
c軸配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜の成膜方法
としては、スパッタリング法、特にオフアクシススパッ
タリング法が好ましく、スパッタリングガスとしてArと
2 が9:1で混合されたものを使用し、基板温度700
℃で成膜を行うことが好ましい。
【0024】次に、図1(c)に示すよう、Y1Ba2Cu3
7-X酸化物超電導薄膜1上に、例えばMgO、窒化シリコ
ン、SrTiO3等で絶縁膜2を形成する。絶縁膜2は、ス
パッタリング法、CVD法等で形成することが好まし
い。次いで、図1(d)に示すよう、絶縁膜2上に上層の
超電導配線となるc軸配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電
導薄膜10を形成する。Y1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜
2もY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜1と同様な条件で
作製することが好ましい。
【0025】このように、形成した積層膜に接続孔6を
形成する。そのために、接続孔6とならない部分には、
図1(e)に示すよう、フォトレジスト膜4を最上層に形
成し、例えば濃度0.1 %のHClを使用して、エッチング
を行う。Y1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜の段差部分
は、結晶方向の乱れを含んでおり、また、厚さが薄いの
でエッチングされ易く、段差部分が斜面になるようエッ
チングされる。最終的には、Y1Ba2Cu37-X酸化物超電
導薄膜1、絶縁膜2およびY1Ba2Cu37-X酸化物超電導
薄膜2は、それぞれ接続孔6で分離された下層の超電導
配線11、111、層間絶縁膜21、22および上層の超電導配
線12、121になる。
【0026】最後に、図1(f)に示すよう、レジストを
除去し、高真空中で350 〜400 ℃に加熱した後、スパッ
タリング法等により成膜したa軸配向のY1Ba2Cu37-X
酸化物超電導薄膜で層間配線3を形成し、不要なa軸配
向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜を除去して、本発
明の超電導多層配線が完成する。
【0027】上記本発明の超電導多層配線は、超電導配
線と層間配線との接続部が斜面であり、接触面積が大き
く、この接続部において抵抗やジョセフソン接合が生じ
ない。本実施例の超電導多層配線は、約85Kで超電導状
態になり、超電導配線11および12に超電導電流が流れ、
層間配線3との接続部でもなんら異常は観察されなかっ
た。
【0028】実施例2 図2に、本発明の方法で本発明の超電導多層配線を作製
する工程の一例を示す。図2は、本発明の方法による超
電導多層配線の作製工程を示した断面図である。この方
法では、最初に、図2(a)に示すようなMgO基板5上
に、図2(b)に示すよう、層間配線の種薄膜となるa軸
配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜30を約50〜100
nmの厚さに形成する。a軸配向のY1Ba2Cu37-X酸化物
超電導薄膜の成膜方法としては、スパッタリング法、特
にオフアクシススパッタリング法が好ましく、スパッタ
リングガスとしてArとO2 が9:1で混合されたものを
使用し、基板温度635 ℃で成膜を行うことが好ましい。
【0029】次に、図2(c)に示すよう、a軸配向のY1
Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜30を層間配線が形成され
る部分だけ残して除去する。a軸配向のY1Ba2Cu37-X
酸化物超電導薄膜30が除去された部分は基板5が露出し
ている。次いで、真空容器内に上記のa軸配向のY1Ba2
Cu37-X酸化物超電導薄膜30を形成した基板5を導入
し、必要に応じて超高真空中で350 〜400 ℃に加熱する
熱処理行う。その後、図2(d)に示すよう、層間配線が
形成される部分だけにa軸配向のY1Ba2Cu37-X酸化物
超電導薄膜30が形成された基板5上に第1(下層)の超
電導配線となるc軸配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導
薄膜1を形成する。c軸配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超
電導薄膜1を成膜する方法は、やはりオフアクシススパ
ッタリング法が好ましく、スパッタリングガスとしてAr
とO2が9:1で混合されたものを使用し、基板温度700
℃で成膜を行う。この条件で成膜を行っても、a軸配
向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜30上には、層間配
線の一部となるa軸配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導
薄膜31および32が成長する。c軸配向のY1Ba2Cu37-X
酸化物超電導薄膜1の厚さは200 〜300 nmにすることが
好ましい。
【0030】このように、形成したc軸配向のY1Ba2Cu
37-X酸化物超電導薄膜1の一部を除去する加工を行
い、図2(e)に示すよう第1の超電導配線11を形成す
る。c軸配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜1が除
去された部分には、再び基板5が露出する。超電導配線
11が形成されたら、図2(f)に示すよう、層間絶縁層と
なる絶縁膜20をSrTiO3、窒化シリコン、MgO等で形成
する。絶縁膜20の形成にはCVD法、スパッタリング法
等任意の方法が使用できる。
【0031】次に、図2(g)に示すよう絶縁膜20のa軸
配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜31および32の部
分を除去し、a軸配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄
膜31および32を表面に露出させるように加工して層間絶
縁層21、22を形成する。最後に、図2(h)に示すよう、
c軸配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜を形成し、
第2の超電導配線12に加工して超電導多層配線が完成す
る。第2の超電導配線12中でもa軸配向のY1Ba2Cu3
7-X酸化物超電導薄膜31および32上の部分にはa軸配向
のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜301 および302 が成
長しており、a軸配向のY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄
膜31および301 で第1の層間配線が、a軸配向のY1Ba2
Cu37-X酸化物超電導薄膜32および302 で第2の層間配
線がそれぞれ構成されている。
【0032】上記本発明の方法で作製された超電導多層
配線は、超電導配線と層間配線との接続部において抵抗
やジョセフソン接合が生じない。本実施例の超電導多層
配線は、約85Kで超電導状態になり、超電導配線11およ
び12に超電導電流が流れ、層間配線との接続部でもなん
ら異常は観察されなかった。
【0033】本発明の方法では、最下層の超電導配線に
は関係のない上層の超電導配線同士のみを接続する層間
配線であっても、最初に基板上に上記の種薄膜を作製し
ておくことにより工程を簡略化できる。また、Pr1Ba2Cu
37-yは、高抵抗の酸化物であり、Pr1Ba2Cu37-yを使
用して本発明の方法を実施する場合には、層間配線の必
要な部分のみa軸配向の酸化物超電導薄膜とし、種薄膜
および/または層間絶縁層とする部分をa軸配向のPr1B
a2Cu37-y薄膜で形成することが好ましい。このとき、
本発明の方法で作製された超電導多層配線の層間配線
は、a軸配向のPr1Ba2Cu37-y薄膜で区切られたa軸配
向の酸化物超電導薄膜で構成される。
【0034】実施例3 図3に、本発明の超電導回路の一例の断面図を示す。図
3の超電導回路は、基板5上に形成されており、最下層
のグランドプレーン4と、グランドプレーン4上の絶縁
層20と、絶縁層20上に順に積層された第1の超電導配線
11、絶縁層21、および第2の超電導配線12とを具備す
る。また、超電導配線11および12の両方に電気的な接続
を行うための接続孔には貴金属層61および63と、それら
の間に配置された抵抗体層62で構成された層間配線を具
備する。超電導配線11の貴金属層61に接している部分に
は、超電導能動素子7(本実施例では超電導電界効果型
素子)が配置されている。
【0035】上記本発明の超電導回路では、超電導配線
11および12、超電導能動素子7を構成する酸化物超電導
体にY1Ba2Cu37-X酸化物超電導体が使用され、絶縁層
20、21にはMgOが使用されている。また、貴金属層61、
63にはAuが使用され、抵抗体層62にはWが使用されてい
る。抵抗体層62の厚さにより、層間配線の抵抗値を調整
する。
【0036】図3に示した構成の本発明の超電導シール
ド層を備える超電導多層配線を作製した。まず、MgO
(100)基板5上に、Y1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄
膜を成膜してグランドプレーン4を形成した。次に、グ
ランドプレーン4上にMgO膜をCVD法で形成し、絶縁
層20とした。絶縁層20上にオフアクシススパッタリング
法により第1の超電導配線11となるY1Ba2Cu37-X薄膜
を形成した。成膜条件を以下に示す。 基板温度 700℃ スパッタリングガス Ar 90 % O2 10 % 圧力 5×10-2Torr 膜厚 400nm
【0037】このY1Ba2Cu37-X酸化物超電導薄膜を反
応性イオンエッチングにより配線の形状に加工し、ま
た、超電導能動素子7を作製し、超電導配線11上に再び
MgOで絶縁層21を形成した。
【0038】次に、絶縁層21上に超電導配線12となるY
1Ba2Cu37-X超電導薄膜をやはりオフアクシススパッタ
リング法で形成した。成膜条件は、第1の超電導配線11
を形成した条件と等しくした。反応性イオンエッチング
によりY1Ba2Cu37-X超電導薄膜を加工し、超電導配線
12を形成した。
【0039】次いで、層間配線が形成される位置を除い
て超電導配線12上にフォトレジストを堆積させ、Arイオ
ンエッチングにより超電導配線12、絶縁層21、超電導配
線11を除去し、接続孔を形成した。スパッタリング法に
より、貴金属層61、抵抗体層62および貴金属層63を順に
積層し、超電導配線12上のフォトレジストをリフトオフ
して本発明の超電導回路は完成した。
【0040】上記のように作製した本発明の超電導回路
は、85Kで超電導状態になり、超電導配線11および12に
超電導電流が流れるとともに、超電導能動素子7が動作
を行うことが確認された。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に従うと、
従来よりも、特性の優れた超電導多層配線、超電導回路
およびその作製方法が提供される。本発明の超電導多層
配線および超電導回路は、層間配線の結晶方向と、水平
に配置された超電導配線の方向との関係を任意に選択で
きる。従って、従来よりも多層配線の配置の自由度が高
くなり、複雑な配線も容易になる。また、本発明の超電
導回路は、従来よりも、占有面積が小さく、例えば、超
電導集積回路に使用すると、従来よりも集積度を高める
ことが可能になる。本発明により、超電導技術の電子デ
バイスへの応用がさらに促進される。さらに、本発明の
方法では、水平に配置された超電導配線と層間配線との
間にジョセフソン接合や抵抗成分が存在しない特性の優
れた超電導多層配線を作製することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超電導多層配線の一例の作製工程を説
明する断面図である。
【図2】本発明の方法で本発明の超電導多層配線を作製
する工程を説明する断面図である。
【図3】本発明の超電導回路の一例の断面図である。
【図4】従来の超電導多層配線の一例の断面図である。
【図5】従来の超電導回路の一例の断面図である。
【図6】図4に示した従来の超電導多層配線の一部拡大
図である。
【符号の説明】
3 層間配線 5 基板 11、12、111 、121 超電導配線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層の上下にそれぞれ配置された一対
    の超電導配線と、前記絶縁層の上下に配置された一対の
    超電導配線を電気的に接続する層間配線を有する接続孔
    とを具備する超電導多層配線において、前記超電導配線
    が段差を有するc軸配向の酸化物超電導薄膜で構成さ
    れ、前記層間配線がa軸配向の酸化物超電導薄膜で構成
    され、前記層間配線が前記超電導配線の段差部分に配置
    されていることを特徴とする超電導多層配線。
  2. 【請求項2】 絶縁層を介して上下に配置された一対の
    超電導配線と、前記上下に配置された一対の超電導配線
    を電気的に接続する層間配線を有する接続孔とを具備す
    る超電導回路において、前記超電導配線に酸化物超電導
    体が使用され、前記接続孔の層間配線が中間に抵抗体が
    挿入された一対の貴金属層を具備することを特徴とする
    超電導回路。
  3. 【請求項3】 前記上下に配置された一対の超電導配線
    の少なくとも一方に酸化物超電導体が使用された超電導
    能動素子が接続され、前記超電導能動素子の一端が前記
    層間配線の貴金属層のいずれか一方に接していることを
    特徴とする請求項2に記載の超電導回路。
  4. 【請求項4】 基板と、該基板上で、c軸配向の酸化物
    超電導薄膜で構成され、それぞれ層間絶縁層の下側およ
    び上側に配置されている第1および第2の超電導配線
    と、前記第1および第2の超電導配線を電気的に接続す
    るa軸配向の酸化物超電導薄膜で構成された層間配線と
    を具備する超電導多層配線を作製する方法において、前
    記基板の前記層間配線が配置される位置にa軸配向の薄
    い酸化物超電導薄膜またはa軸配向の酸化物超電導薄膜
    と類似の結晶構造を有する酸化物薄膜を形成し、その上
    にc軸配向の酸化物超電導薄膜が成長する条件で前記第
    1の超電導配線となる酸化物超電導薄膜を形成し、該酸
    化物超電導薄膜を前記第1の超電導配線に加工し、該第
    1の超電導配線上に前記層間配線の位置を除いて層間絶
    縁層を形成し、この層間絶縁層上に再びc軸配向の酸化
    物超電導薄膜が成長する条件で前記第2の超電導配線と
    なる酸化物超電導薄膜を形成する工程を含むことを特徴
    とする超電導多層配線の作製方法。
JP4328917A 1991-12-02 1992-11-13 超電導多層配線およびその作製方法 Withdrawn JPH05251772A (ja)

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