JPH05249054A - X線分析装置とそれに適した走査ユニット - Google Patents

X線分析装置とそれに適した走査ユニット

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JPH05249054A
JPH05249054A JP4339024A JP33902492A JPH05249054A JP H05249054 A JPH05249054 A JP H05249054A JP 4339024 A JP4339024 A JP 4339024A JP 33902492 A JP33902492 A JP 33902492A JP H05249054 A JPH05249054 A JP H05249054A
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ray
circle
ray detector
guide
analysis apparatus
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アルフォンサス ローレンティウス アントニウス ファン エヘラート ワルテルス
Petrus Maria Van Alen Johannes
ペトルス マリア ファン アレン ヨハネス
A H Gijen Wilhelmus
アドリアヌス ヘンリクス ヘイツェン ウイルヘルムス
Albert Visscher
フィッシャー アルベルト
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N23/00Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00
    • G01N23/20Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by using diffraction of the radiation by the materials, e.g. for investigating crystal structure; by using scattering of the radiation by the materials, e.g. for investigating non-crystalline materials; by using reflection of the radiation by the materials
    • G01N23/207Diffractometry using detectors, e.g. using a probe in a central position and one or more displaceable detectors in circumferential positions

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来よりも走査ユニットへの機械的要求が大
幅に緩いにもかかわらず少なくとも従来と同等の精度を
達成する装置をもたらすことを目的とする。 【構成】 X線源3と、それに対し固定された集光方向
35へ直線的に移動され得る結晶ホルダー9と、X線検出
器7を持つとともにそのX線検出器7と結晶ホルダー9
とを対で移動させる移動機構を持つX線検出システム5
とを有する走査ユニット1を具える装置であって、その
走査ユニット1の移動機構によって、結晶ホルダー9と
X線検出器7とを機械的に連結する板21が移動されるこ
とができ、X線源3と結晶ホルダー9とX線検出器7と
が前記移動の間もローランド円11上に維持され、前記移
動機構が、第1のガイドと第2のガイドとを具え、前記
第1のガイドの駆動方向が、前記集光方向35に対し鋭角
αを持つことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、X線源と、前記X線
源に対し固定された集光方向へ直線的に移動されること
ができる結晶ホルダーと、X線検出器を持つとともにそ
のX線検出器と前記結晶ホルダーとを対で移動させる移
動機構を持つX線検出システムとを有し、前記X線源と
結晶ホルダーとX線検出器が前記移動の間もローランド
円上に維持される走査ユニットを具えるX線分析装置に
関するものである。
【0002】この発明はまた、同時分析型分光計や逐次
分析型分光計の如きX線分析装置に使用するに適した走
査ユニットにも関するものである。
【0003】ここにおけるローランド円は、その円上に
配置された分光結晶の曲率半径に対応する直径の焦点円
であって、その円上にX線源とX線検出器の入射口も配
置されている円を意味すると理解されるべきであり、か
かるローランド円の半径Rの選択は、当該装置の分解能
の点で極めて重要である。
【0004】またここにおけるX線源は、ローランド円
上の、分析されるべきX線が焦点を結ぶ点を意味すると
理解されるべきであり、かかる点は、例えば試料の比較
的小さい範囲がX線ビームや電子ビームで部分的に励起
されるような場合には、分析されるべき試料上に位置す
ることができる。この一方、上記の点は、その後方に分
析されるべき試料が励起のために配置されるスリットの
中心と一致することもできる。さらに、試料の分析され
るべき範囲は、X線検出器のスリットによって狭めるこ
とができる。
【0005】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】上述
した種類のX線分析装置としては、米国特許US-A 3,12
3,710号明細書によって知られたものがあり、ここに記
載されたX線分析装置は、光学式焦点システムを持つ走
査ユニットを利用しており、その光学式焦点システムで
は、計測過程の間、結晶が、固定された点、特にX線源
に対し固定された検出方向へ直線的に移動され、それと
同時に検出器が、上記固定された点と一致する起点を持
つ経路に沿って移動され、その移動の間のX線源と結晶
と検出器との間の合焦状態を維持するため、それら三つ
の構成要素が、焦点円すなわちローランド円上に配置さ
れる。ここで、結晶の、固定された方向への直線的な移
動を確保するためには、その移動の間、ローランド円が
X線源に対し傾動される必要がある。また、固定された
点としてX線源を選択することは、分析されるべき試料
が常に同一の集光条件で分析されるという事実によって
正当化される。
【0006】かかる移動は、分光結晶をローランド円上
でX線源と検出器との間に配置するとともに、その分光
結晶の表面をローランド円と一致させることによって実
現され、かくして、分光結晶と検出器とは、例えば上記
米国特許明細書に示されたような錨型の要素を介し機械
的に連結される。この要素は、直線移動機構によって駆
動されることができ、上記米国特許明細書では、その直
線移動機構はウォームホイール−ウォーム駆動機構と案
内機構とからなっている。
【0007】上記直線移動機構の問題点は、比較的低い
再現性と、遊びの発生とにあるが、その駆動機構の遊び
は偏倚力によって無くすことができ、またその再現性は
とりわけ、上記偏倚力の大きさとシステムの剛性とに密
接に関係している。
【0008】それゆえこの発明は、上述した種類の装置
であって、その走査ユニットが満たすべき機械的要求が
大幅に緩いにもかかわらず少なくとも同等の精度を達成
するX線分析装置をもたらすことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
この発明のX線分析装置は、特に、前記走査ユニットの
移動機構が、ある駆動点からある駆動方向へ移動される
ことができる第1のガイドと、ある遷移点からある遷移
方向へ移動されることができる第2のガイドとを具え、
前記第1のガイドの駆動方向が、前記固定された集光方
向に対し鋭角αを持つことを特徴としている。
【0010】かかる装置にあっては、前記第1のガイド
の駆動方向が前記結晶ホルダーの移動方向に対し角度α
を持つゆえに、角度変化Δθを実現すべく前記ガイドが
移動される距離が、それに対応する前記結晶ホルダーひ
いては結晶の移動距離よりも大きくなり、従って、おそ
らくは再現不能の、前記ガイドの位置の調節が与える影
響が、前記結晶がその移動方向へ駆動される場合よりも
大幅に少なくなり、それゆえ、その満たすべき機械的要
求が大幅に緩いものとなって、その製造コストも低減さ
れ、さらに、前記結晶ホルダーのためにもっと多くのス
ペースを利用し得るようになる。
【0011】そしてこの発明のX線分析装置の一実施態
様は、前記第2のガイドが、弾性的ガイドとして構成さ
れ、前記遷移点が、前記結晶ホルダーが連続する複数位
置の間で移動される際に比較的少量だけ移動される、前
記ローランド円上の点と一致することを特徴としてい
る。
【0012】かかる装置にあっては、前記遷移点と呼ば
れる前記第2のガイドの支持点の位置ゆえに、結晶の種
々の位置への移動に対する前記遷移点の移動が極めて少
なくなり、従って、弾性的ガイドの使用で充分に足りる
ようになる。かかる最小限に移動する位置は、前記駆動
方向が前記遷移方向に対してなす角度γの選択によって
決定される。弾性的ガイドの利点は、遊びがなく、それ
ゆえ案内の再現性が通常のガイドよりも大幅に良いとい
う点と、コストが大幅に低減されるという点にある。
【0013】この発明のX線分析装置のさらなる一実施
態様は、前記結晶ホルダーと前記X線検出器とが、前記
移動機構によって移動されることができるローランド板
を介し互いに機械的に連結され、前記ローランド板が、
前記結晶ホルダーと、前記第1のガイドと、前記第2の
ガイドと、そこから前記X線検出器が駆動されることが
できる駆動中心とのためにそれぞれ装着点を有すること
を特徴としている。このようにすれば、結晶ホルダー自
体は操作されないので、結晶ホルダーの設計に関しさら
に自由度が得られる。
【0014】この発明のX線分析装置のさらなる一実施
態様は、前記ローランド板の剛性を適当に維持しつつ、
前記装着点に隣接する部分で前記ローランド板の材料の
量を最小限化することを特徴としている。このようにロ
ーランド板の体積を最小限化すれば、ローランド板がさ
らにコンパクトでさらに容易に移動させ得るようにな
り、加えて、所要に応じ、走査ユニットの他の部品のた
めのさらなる構造的空間が創成される。
【0015】この発明のX線分析装置のさらなる一実施
態様は、前記駆動中心が、前記ローランド円の中心と一
致することを特徴としている。これにより前記検出器
は、比較的複雑な動きに代えて、固定された点から駆動
される比較的単純な動きをするようになる。
【0016】この発明のX線分析装置のさらなる一実施
態様は、ある円の一部分が前記ローランド円の中心に揺
動可能に支持され、前記X線検出器が、その円の一部分
と、引張りワイヤーによって引っ張られた転動ワイヤー
とに機械的に連結され、前記転動ワイヤーが、前記円の
一部分上で案内され、前記円の一部分が、前記結晶ホル
ダーの動きと連動した揺動を前記X線検出器に与えるよ
うにその転動ワイヤーに沿って転動することを特徴とし
ている。
【0017】上述した結晶ホルダーと検出器との連動に
より、ローランド円の中心はX線源を中心として円弧状
に移動し、ある固定された参照点に対し検出器が適当な
伝動比でローランド円の中心から移動された際のその検
出器の動きも、ローランド円に沿った動きの要求を満た
すものとなる。
【0018】この発明のX線分析装置のさらなる一実施
態様は、前記円の一部分の半径が前記ローランド円の直
径の1/6であることを特徴としている。このように円
の一部分の半径を適当に選択すれば、上記伝動比とし
て、所望の値を得ることができる。
【0019】この発明のX線分析装置のさらなる一実施
態様は、前記駆動中心に、前記X線検出器が機械的に連
結された第1の駆動輪が設けられ、前記遷移点に、第2
の駆動輪が設けられ、それらの駆動輪上に駆動ベルトが
掛け渡され、それらの駆動輪の直径比が所要の伝動比に
よって決定されていることを特徴としている。このよう
にすれば、X線検出器の移動のための駆動中心がローラ
ンド円の中心に一致すると否とにかかわらず、結晶と検
出器との適当な連動が可能となり、駆動輪の直径を適当
に選択することにより、上記伝動比として所要の値を達
成することができる。
【0020】この発明のX線分析装置のさらなる一実施
態様は、前記ローランド板上に、実質的に(1/4)2
R/cosΔに等しい長さを持つ腕が固着され、その腕
の二つの取付け点が前記第2のガイドの遷移点および前
記駆動中心とされ、前記駆動中心の位置が、前記腕の長
さと、前記遷移方向に対し固定された角度ψを持つその
腕の方向とによって定まり、前記X線検出器が前記腕に
前記駆動中心を介して機械的に連結され、前記2Rがロ
ーランド円の直径であり、前記Δが、前記γ+αに対す
る前記θの偏差であって、前記遷移方向と前記固定され
た集光方向との間の角度であることを特徴としている。
【0021】X線分析装置によって達成される分解能
は、分光結晶とX線源との間の距離の大きさによって定
まり、その距離は、結晶内の微欠点の影響を最小限化し
て再現性ある計測を可能にするためには、最小限の値を
とるべきである。特に、元素が重い程、すなわち角度が
小さい程、上記の距離は小さくなる。このように要求さ
れる最小限の値は、ローランド円を大きくすれば得られ
るが、ローランド円の拡大は、ローランド板の寸法の拡
大をもたらす。しかしながら、上記の如くすることによ
り、駆動中心がローランド円の中心と一致していなけれ
ば、ローランド板ひいてはX線分析装置はコンパクトさ
を維持することができる。
【0022】この発明のX線分析装置のさらなる一実施
態様は、方向調整のため前記X線検出器が支持ブラケッ
ト上に搭載され、その支持ブラケット上に、前記X線検
出器に隣接して設けられた走路上を移動し得るランナー
が設けられていることを特徴としている。検出器を結晶
へ向けさせるためには、検出器の受光方向を修正する必
要があり、上記の如くすることによりその修正が可能と
なる。上記の走路はまた、検出器の移動平面に直角な方
向への検出器の動きを規制するので、その検出器の移動
平面に直角な方向についての、当該装置の剛性の実質的
な改善をももたらす。
【0023】この発明のX線分析装置の、検出器の受光
方向の修正が達成される他の一実施態様は、前記X線検
出器の方向調整のため前記結晶ホルダーにガイドローラ
ーが固着され、前記X線検出器と前記ローランド円の外
側の固定された点との間に張り渡されたワイヤーが、前
記ガイドローラー上で案内されて実質的に前記固定され
た集光方向に延在していることを特徴としている。
【0024】この発明のX線分析装置のさらなる一実施
態様は、前記第1のガイドが、ステップモーターで駆動
されることを特徴とし、またこの発明の他の一実施態様
は、前記第1のガイドが、サーボ式位置決めシステムで
駆動されることを特徴としている。第1のガイドの駆動
のためのそれら二種類の構成の選択は、そのガイドに与
えられる必要精度とコストとによって決定されるが、そ
の第1のガイドは、小刻みに駆動され得るべきである。
なお、ステップモーターは、ヒステリシスと直線性とに
関して与えられる要求の点で、ガイドに高品質を要求す
るため、コストが高く付くものとなる一方、サーボ式位
置決めシステムは、位置計測器との組合せで用いられる
ためより緩い要求をガイドに与えるが、これらの構成に
よれば何れも、第1のガイドの位置を光学的に検出して
電子的に記録することができるので、案内の精度が機械
的な要因でなく光学的検出によって決定され、それゆ
え、機械的構成に関する要求が、より緩いものとなる。
【0025】この発明のX線分析装置のさらなる一実施
態様は、前記走査ユニットの前記結晶ホルダーが、結晶
タレットとして構成されていることを特徴としている。
ローランド円の直径は、走査ユニットの適用可能なθの
範囲を決定し、適用可能な元素の範囲は、結晶の選択に
よって決定される。従って、比較的広範囲の元素にわた
る元素の検出を可能にするためには、複数の分光結晶の
使用が望ましく、上記結晶タレットを使用すれば、比較
的迅速に結晶を入れ換えることができる。なおここにお
ける元素の範囲は、ボロンとウランとの間の、ある原子
番号を持つ元素グループを意味すると理解されるべきで
ある。
【0026】この発明のX線分析装置のさらなる一実施
態様は、前記結晶タレットが、二方向へ回転駆動される
ことができることを特徴としている。かかる構成によっ
て、走査の際にタレットの二方向への回転を使用できれ
ば、分光結晶の交換が、より迅速なものとなる。
【0027】この発明のX線分析装置のさらなる一実施
態様は、前記結晶ホルダーが、結晶位置の制御手段を有
していることを特徴としている。分光結晶は通常、一定
の度合いの非対称性を示すので、その格子面は結晶表面
に対し厳密に平行に延在しているわけではない。上記結
晶位置制御手段を使用すれば、結晶位置の修正が可能と
なるので、X線検出器上での焦点の広がりを最小限化す
ることができ、また、小さな機械的誤差の修正も行うこ
とができる。
【0028】この発明のX線分析装置のさらなる一実施
態様は、前記X線検出器が検出スリットを有し、その検
出スリットがビーム制限手段の一部を構成していること
を特徴としている。かかるスリットによる限られた範囲
の角度に対する補整は、信号対ノイズ比の改善をもたら
す。
【0029】この発明のX線分析装置の、幾つかの固定
された経路を具える同時分析型分光計として考えられた
一実施態様は、少なくとも一つの固定された経路が前記
走査ユニットによって置き換えられていることを特徴と
している。同時分析型分光計として考えられたX線分析
装置において、固定された経路をこの発明の走査ユニッ
トに置き換えることにより、かかる分光計は、同時分析
型分光計の分析速度と逐次分析型分光計の自由度とを持
つことになり、この結果としての、より高い感度と同時
計測の能力とは、試料毎の計測時間の大幅な短縮をもた
らすであろう。従って、一つ以上の走査ユニットの使用
は、試料の処理効率の向上をもたらし、計測コストの低
減をもたらす。
【0030】この発明のX線分析装置の、ある走査範囲
を有する逐次分析型分光計として考えられた他の一実施
態様は、前記走査範囲のうちの少なくとも一つの副走査
範囲が、前記走査ユニットによって走査され得ることを
特徴としている。ローランド円の半径は、分析装置にと
って適用可能な元素の範囲と密接に関連しており、上記
の如く意図した元素の範囲(B−U)は、ローランド円
を66°に亘って傾動させることを要求する。また、選択
度と背景ノイズとに関する要求は、分光結晶とX線源と
の間の距離の選択に制約を与える。重い元素の分析のた
めに、小さな角度をもたらす大きな焦点円を与えると、
前記距離はかなり大きなものとなるが、このようにする
と、大きな角度に調整する場合に、構成が大きく嵩張っ
たものとなる。
【0031】上記実施態様の如く、走査ユニットが限ら
れた範囲の元素、ひいては限られた範囲の角度に適する
ように構成されていれば、ローランド円の半径は、その
副走査範囲毎に、ひいてはその走査ユニット毎に決定さ
れ、従って、分析装置を使用者の個々の要求にさらに容
易に適合させることができ、コストパフォーマンスが大
幅に改善される。加えて、いずれにしてもBからUまで
の元素範囲の走査を可能にするためには二以上のX線検
出器が必要となるところ、それらのX線検出器を、余分
な操作が必要とされることなしに、ある副走査範囲の走
査のために明確に選択することが可能となる。
【0032】
【実施例】以下に、この発明の実施例を図面に基づき詳
細に説明する。図1は、この発明のX線分析装置の、走
査ユニットのX線検出器がローランド円の中心から駆動
される一実施例を示す略線図であり、図2は、その実施
例の装置の光学式焦点合わせシステムの原理を示す説明
図であり、図3は、その実施例の装置の測角器的モデル
を示す説明図であり、図中符号1は、その実施例のX線
分析装置の走査ユニットを示す。
【0033】ここにおける走査ユニット1は、X線源3
と、X線検出器7を有するX線検出システム5を具えて
おり、その走査ユニット1はまた、図1では単純化のた
め単一の分光結晶が描かれた結晶ホルダー9を具えてい
る。
【0034】かかる走査ユニット1の作動原理は、光学
式焦点合わせに基づいており、この目的のため、X線源
3と、(X線検出器7上に位置する)その合焦像と、分
光結晶9(単純化のため結晶ホルダーと同一符号で表
す)とは、共通の焦点円11上に配置されている。この円
11は、いわゆるローランド円であり、その光学式焦点合
わせの原理は、完全な結晶を用いた場合については、図
2に示されている。ここで、分析されるべきX線の入射
方向と結晶面の方向との間の角度θは、常に同じ値をと
り、分光結晶9の曲率半径は、中心Mを持つローランド
円11の半径Rの二倍もしくはその直径(2R)に等し
い。
【0035】X線源3は、例えば図1に示すように、入
射スリット15の中心13とすることができ、その入射スリ
ット15の後方には、分析されるべき試料19へ向けてX線
を照射するX線発生器17が配置されており、その試料19
から放射されるX線は、ローランド円11上に位置する入
射スリット15を介して逐次分析される。この種の配置の
利点は、試料19の表面の比較的大きな部分にX線を照射
することができ、それゆえ特性が試料19のその大きな部
分全体に亘って平均化されるという事実に帰する。
【0036】ここで、試料19自身がローランド円11上に
位置する変形例(図示せず)では、先に述べた米国特許
明細書に記載された装置の如く、試料がその表面上の一
点のみを電子線で励起される。かかる局部的な励起は、
あたかも入射スリットが存在しているかの如く走査ユニ
ットの前方に入射する、分析されるべきX線を発生させ
る。また、他の変形例(図示せず)では、分析されるべ
き所望の範囲への局部化が、X線検出器のスリットによ
ってなされる。
【0037】ここにおける走査ユニット1はさらに、X
線検出器7と分光結晶9とを機械的に連結する板21を具
えており、この板21は、以後はローランド板と呼ばれ
る。上記分析されるべき試料19から放射されるX線のス
ペクトルの走査のために、ここでは、分光結晶9がX線
源3に対し直線移動を行い、この一方X線源3が、例え
ば当該走査ユニット内の固定された位置を占めるように
選択される。このようにすれば、走査中のどの瞬間にも
試料19を同一の方法で変わりなく分析することができ
る。
【0038】試料19から放射されたX線は、分光結晶9
の表面20上に入射するが、分光結晶9の移動に起因し
て、その移動位置毎に結晶の表面20は、矢印35で表され
た、試料19の分析のための固定された集光方向に対し、
異なった向きを呈する。図1に示す分光結晶9の位置
は、図3(b)および図4でも同様であるが、分光結晶
9がそれらの間で移動し得る両端の位置を示している。
従って、分光結晶9によって分光されたX線は、X線源
3の周りに傾動されるローランド円11に沿ってその分光
結晶9と同期して移動するX線検出器7内に逐次入射
し、その走査の間、X線検出器7はX線源3に対し、ロ
ーブ形曲線を描くことになる。
【0039】上述した分光結晶9の移動は、直線移動機
構によって駆動される上記ローランド板21の動きによっ
て実現される。そして、その分光結晶9の移動に同期し
たX線検出器7の移動も、そのローランド板21の動きに
よって得られ、後述する種々の方法によって実現され
る。
【0040】上記X線検出器7は、上記ローランド板21
上に配置された駆動中心Cから駆動され、この一方、こ
こにおける直線移動機構は、第1のガイド23と第2のガ
イド25とを具えており、その第1のガイド23は、駆動点
と呼ばれる第1の装着点27を介して板21に連結され、ま
たその第2のガイド25は、遷移点と呼ばれる第2の装着
点29を介して板21に連結され、それらの装着点27,29
は、例えば支持点とすることができる。そして、第1の
ガイド23は、駆動点27から駆動方向28へ向かって移動す
ることができ、また第2のガイド25は、遷移方向30へ向
かって移動することができ、その第1のガイド23の移動
方向は、上記固定された集光方向35に対して角度αをな
しており、この結果として、ガイド23の移動量は、対応
する分光結晶9の移動量よりも大きなものとなる。この
ことは、もしもガイド23の位置に再現不能な調節があっ
たとしても、その調節が走査ユニットの精度に、それら
ガイド23と分光結晶9との移動方向が一致している場合
と比較して僅かな影響しか与えないという利点をもたら
す。
【0041】走査ユニット1の作動原理を以下に図3
(a),(b)を参照して説明する。駆動方向28と遷移
方向30との交点は、X線源3の位置を決定するととも
に、支持点27,29(駆動点Aおよび遷移点Q)間のピッ
チとの組合せで、ローランド円11の半径Rを決定する。
上記固定された集光方向35(図1参照)を実現するため
には、ローランド円11をX線源3周りに揺動させる必要
があるが、かかる揺動は、(対称性を持つ結晶を具え
る)当該装置に以下の補足的条件を導入することによっ
て達成される。
【数1】 1.X(=結晶9),D(=検出器7)およびS(=X
線源3)が直径2Rのローランド円11上に配置される。 2.│SX│=│XD│である。 3.Y=2Rsinθである。
【0042】上記点Xがローランド円11上に位置してい
れば、その点Xは、上記点Sを通る直線に沿って移動す
るとともに、物理的観点から導入された、X線源3と分
光結晶9との間の距離Y=2Rsinθという条件に従
って回動する。ここで、上記駆動中心Cがローランド円
11の中心Mと一致するものとして選択されると、その点
M≡Cは、上記点S周りに円弧運動する。
【0043】当該装置の構成の基本的な部分は、上記ロ
ーランド板21によって形成され、図3(a)に示すよう
にその板21上には、駆動点Aとされる、第1のガイド23
の装着点27と、遷移点Qとされる、第2のガイド25の装
着点29と、点Xとされる分光結晶9とが配置されてお
り、それらの点A,Q,Xは、中心Mと半径Rとを持つ
ローランド円11上に配置されている。ここで、点Aおよ
び点Qは、一自由度のみを有し、それゆえそれぞれ、ガ
イド23,25に沿ってのみ移動することができ、それら二
つの移動方向は、点S’にて、角度γをもって交差し、
X線源3もまた、その点S’に配置されている。また走
査中、点Aはガイド23に沿って移動し、それにより点Q
もガイド25に沿って遷移するので、第2のガイド29、特
にその点Qの位置は、その移動量が最小限となるように
選択され、その位置は、角度γを適宜選択することによ
り決定される。このようにすれば、ガイド25は弾性ガイ
ドとして構成することができる。かくして、転がり円と
も呼ばれる円12が点S’周りに傾動され、図示の状態で
は、その点S’もまたローランド円11上に配置され、そ
してそのローランド円11と転がり円12とが互いに等しい
直径を有している。
【0044】上記ローランド板21の形状は、適当な剛性
を維持しつつ、ガイド23,25の装着点27,29と、X線検
出器7の駆動中心と、分光結晶9との各点の外側の部分
で材料の量を最小限化するように選択することができ、
このようにすれば、コンパクトな走査ユニットを得るこ
とができる。図1に示すローランド板21の形状は、その
一例である。
【0045】既に述べたように、X線検出器の上記移動
を実現する構成は複数種類あり、第1の実施例は図1に
示されている。この場合には、駆動中心Cが機械的なロ
ーランド円11の中心Mと一致しており、円の一部分33
が、その中心Mに揺動可能に支持されている。そしてそ
の円の一部分33の周囲では、別個の引張りワイヤー39に
より引っ張られた転動ワイヤー37が案内されており、そ
の円の一部分33には、腕31を介し、X線検出器7が機械
的に連結されている。
【0046】従って走査の間、ローランド円11の中心M
がX線源3の周りに揺動すると、円の一部分33は、転動
ワイヤー37に沿って転動して、X線検出器7に揺動運動
を与える。ここで、伝動比が適当に選択されていると、
X線検出器7は所望の動きを呈する。上記の構成では、
1:3が適当な伝動比であり、この伝動比は、円の一部
分33の半径をローランド円11の直径の1/6に選択する
ことによって実現される。X線検出器7が上記点Mで、
ローランド円11の半径Rに等しい長さの腕部材31を介し
て連結され、かつそのX線検出器7が1:3の伝動比で
駆動されれば、上記│SX│=│XD│の条件もまた満
たされる。
【0047】第2の実施例は図4に示されており、この
場合には、駆動輪81, 83が、駆動中心Cと遷移点29とに
固定され、X線検出器7がその駆動輪81に、腕部材85を
介して機械的に連結され、駆動ベルト87が、それらの駆
動輪81, 83上に掛け渡されている。例えば、駆動輪81が
駆動中心Cにて駆動されるとともに、遷移点29の駆動輪
83の直径の半分の直径を有していれば、X線検出器7
は、1:2の伝動比で駆動される。
【0048】しかしながら、駆動中心Cをローランド円
11の中心Mと一致させることは、必ずしも必要でない。
ところで、重い元素の検出、すなわち小さい角度の検出
の際には、X線源3と分光結晶9との間の距離は比較的
小さくなるが、そのX線源3と分光結晶9との間の距離
Yは、少なくとも再現性のある計測を可能ならしめる最
小値をとる必要がある。というのは、この距離Yは、2
Rsinθによって与えられ、そのRはローランド円の
半径であるので、この距離は、比較的嵩張る構成をもた
らすローランド円の拡大によって適合されるからであ
る。
【0049】従って、駆動中心Cを、拡大されたローラ
ンド円11の中心Mと一致させないように構成すれば、装
置の寸法を許容し得るものに維持することができ、図5
は、かかる場合の実施例を示している。ここでは、ロー
ランド板21上に腕89が固定され、その腕89の長さが、実
質的に(1/4)2R/cosΔとされており、ここ
に、2Rはローランド円11の直径であり、Δは、遷移方
向30と結晶9の移動方向35との間の角度からの、角度θ
の偏差であり、図5中、角度γは、駆動方向28と遷移方
向30との間の角度である。
【0050】上記腕89は、上記遷移方向30に対し固定さ
れた角度ψで配置され、その腕の一端部は遷移点29に固
定される一方、他端部は駆動中心Cに固定されており、
その駆動中心Cの位置はそれゆえ、腕89の長さと、角度
ψの選択とによって決定される。X線検出器7はその腕
89に、駆動中心Cで、腕91を介し、角度ψをもって機械
的に連結されており、腕91の長さと角度ψとは、X線検
出器7上の合焦像がローランド円11上に位置するように
選択される。この構成では、第1のガイド23が駆動点27
から駆動されると、第2のガイド25が遷移点29から遷移
方向30へ向かって遷移し、その動きが腕89, 91、ひいて
はX線検出器7に伝達される。
【0051】X線検出器7をその移動の間分光結晶9に
対し整列させるためには、受光方向の修正が必要であ
る。この点に関し、図6は、第1の方法を示しており、
ここでは、X線検出器7の動きがローランド円11の中心
Mから、図1について述べたと同様の円の一部分33によ
ってもたらされ、またX線検出器7が、支持ブラケット
41上に搭載されており、その支持ブラケット41上には、
X線検出器7に隣接して設けられた走路45上を移動し得
るランナー43が設けられている。この走路45はまた、X
線検出器7の移動平面に直角な方向への検出器7の動き
を規制するので、そのX線検出器7の移動平面に直角な
方向についての、当該装置の剛性の実質的な改善をもも
たらす。
【0052】図7は、受光方向の修正に関する第2の方
法を示しており、ここでは、結晶ホルダーもしくは分光
結晶9にガイドローラー91が設けられ、そのガイドロー
ラー91上にて案内されたワイヤー95が、X線検出器7
と、ローランド円11の外側の固定された点93との間に張
り渡されて、固定された集光方向35へ実質的に延在して
いる。それゆえ、X線検出器7に及ぼされる力は、その
検出器7を常に分光結晶9へ向けるものとなる。かかる
二種類の受光方向の修正方法は、前記X線検出器7の動
きを行わせる既に述べた三つの実施例の何れにも用いる
ことができる。
【0053】ここにおける走査ユニット1にあっては、
ローランド板21のみでなく、結晶ホルダー9もまた、重
要な構成要素をなしている。というのは、走査ユニット
1の再現性は結晶ホルダー9の確実な角度に依存してい
るからである。結晶の比較的迅速な交換を可能とするた
めには、結晶ホルダー9は結晶タレットとして構成する
こともできる。
【0054】図8は、マルタ十字形部材47を持つととも
に四つの結晶を保持する結晶タレット90を具える実施例
を静止状態で示しており、この実施例の構成はまた、マ
ルタ十字形部材47を回転駆動するカム円盤49を具え、そ
のカム円盤49は、結晶タレット90の回動の可否を決定す
るためストッパー51と共働することができる。ストッパ
ー51は、リーフスプリング式ガイド53によって吊り下げ
られており、カム円盤49が軸50周りに矢印55方向へ回転
すると、先ずストッパー51が持ち上げられ、次いで、結
晶タレット90が回動され、その後ストッパー51が再び降
ろされる。
【0055】かかる作動を行わせるため、この実施例で
は、カム円盤49が90度づつ四つの部分491, 492, 493, 4
94に分割され、最後の部分は駆動モーターの停止と起動
とを行わせるためにも用いられる。そして結晶タレット
90は、カム円盤49上に設けられた突起57とマルタ十字形
部材47の溝59の一つとの共働によって次の位置へ進めら
れ、一旦次の位置に到達すると、下降したストッパー51
で制止されてその回動を規制される。なお、カム円盤49
の形状等を適宜に変更して結晶タレット90を二方向へ回
動させ得るようにすれば、結晶の交換もより迅速に行え
るようになり、それゆえ所望の波長への調節も迅速に行
えるようになる。
【0056】ところで、図1に示すガイド23は、ステッ
プモーターやサーボ式位置決めシステムによって駆動す
ることができ、それらの駆動手段の選択は、精度に関し
ガイドに与えられる要求に基づいて決定される。すなわ
ち、ステップモーターによる駆動は、再現性と直線性と
に関して与えられる要求の点で、ガイドに高品質を要求
し、この一方、サーボ式位置決めシステムによる駆動
は、位置計測器と組合わされて用いられるので、ガイド
に、より緩い要求を与え得る。
【0057】また、分光結晶は通常、一定の度合いの非
対称性を呈するので、その格子面は結晶表面に対し、厳
密に平行に延在しているわけではない。それゆえ、X線
検出器7上での焦点の広がりを小さく維持するために
は、結晶位置の制御手段を設けることが有益である。か
かる制御手段はまた、ローランド円に対する入射スリッ
トの決められた位置からの逸脱や、分光結晶やX線源の
位置誤差の修正や、小さな機械的誤差の修正も行うこと
ができる。
【0058】さらに、背景ノイズを最小限化するために
は、X線検出器7に、検出スリット(図示せず)が設け
られ、その検出スリットが、検出用開口部の近傍に位置
するビーム制限手段の一部を構成していても良い。
【0059】上述した走査ユニット1の構成は、既に存
在している幾つかのシステムの結晶の使用を許容し、そ
の大きな角度への使用と組み合わされる限られた長さ
は、ヨハン型結晶の使用を、その分解能を低下させずに
可能とする。そして、かかる型の結晶の製造は、比較的
簡単で安価である。
【0060】上述した種類の走査ユニットを具えるこの
発明のX線分析装置は、そのままでも幾つかの適用対象
を有する一方で、同時分析型分光計として構成されるこ
ともできる。通常の同時分析型分光計は複数の経路を具
え、それらの経路はそれぞれ所定の波長に合わせて調節
されており、従って、通常の同時分析型分光計では、そ
れらの経路が受け取り得る波長は、同時的に、それゆえ
比較的迅速に計測されるが、計測し得る波長の数は、使
用できる経路の数によって制限される。それゆえ、もし
も、一もしくは二以上の固定された経路が、この発明に
基づく走査ユニットに置き換えられたら、同時分析型分
光計の計測の速さは維持され、それと同時に、分光計の
自由度が大幅に増すことになる。
【0061】すなわち、一もしくは二以上の走査ユニッ
トの使用は、同じ装置で計測できる元素の数を増加さ
せ、その走査ユニットの数は、それらの走査ユニットの
θの範囲との組合せによって、複数の元素の全範囲が走
査できるように選択することができる。かかる構成によ
れば、同時分析型分光計の計測の速さを維持し得るとと
もに、逐次分析型分光計の高い選択度を実現することが
できる。そしてこれら高い選択度と同時分析の能力と
は、試料毎の計測時間の大幅な短縮をもたらし、ひいて
は、試料の処理効率の向上をもたらすであろう。
【0062】この一方、この発明のX線分析装置は、逐
次分析型分光計としても構成されることができる。すな
わち、6°から72°までのθの範囲に対応する元素の通
常の範囲(ボロンからウランまでの範囲)の走査を可能
にするためには、ローランド円を66°の角度に亘って傾
動させることを許容する適当な空間が、分光平面内に存
在している必要がある。この一方、ローランド円の半径
は、適当な分解能を得るために要求されるX線源と分光
結晶との間の距離に基づいて決定される。従って、全走
査範囲をいくつかの副走査範囲に分割すれば有利であ
り、このように分割すれば、各副走査範囲を、その範囲
に適合した半径のローランド円を持つ専用の走査ユニッ
トで走査することができる。そして、このように限られ
た元素範囲用の走査ユニットを選択的に使用し得るとい
うことは、X線分析装置のコストパフォーマンスの大幅
な改善をもたらす。
【0063】さらに、現在のX線検出器は、通例のBか
らUまでの元素範囲のうちの一部の範囲にのみ適合して
いるので、いずれにしても二以上のX線検出器は必要と
なるところ、上記のようにすればそれらのX線検出器
を、余分な操作が必要とされることなしに、ある副走査
範囲の走査のために特に選択することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のX線分析装置の、走査ユニットのX
線検出器がローランド円の中心から駆動される一実施例
を示す略線図である。
【図2】上記実施例の装置の光学式焦点合わせシステム
の原理を示す説明図である。
【図3】上記実施例の装置の測角器的モデルを示す説明
図である。
【図4】この発明のX線分析装置の、走査ユニットのX
線検出器がローランド円の中心から駆動される他の実施
例を示す略線図である。
【図5】この発明のX線分析装置の、走査ユニットのX
線検出器がローランド円上のその中心とは一致しない点
から駆動される他の実施例を示す略線図である。
【図6】この発明のX線分析装置で用い得る、受光方向
修正手段を有する走査ユニットの一実施例を示す略線図
である。
【図7】この発明のX線分析装置で用い得る、受光方向
修正手段を有する走査ユニットの他の実施例を示す略線
図である。
【図8】この発明のX線分析装置で用い得る、結晶タレ
ットを有する走査ユニットの一実施例を示す略線図であ
る。
【符号の説明】
1 走査ユニット 3 X線源 5 X線検出システム 7 X線検出器 9 結晶ホルダー(分光結晶) 11 ローランド円 15 入射スリット 17 X線発生器 19 試料 21 ローランド板 23 第1のガイド 25 第2のガイド 27 駆動点 29 遷移点 35 固定されたX線集光方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヨハネス ペトルス マリア ファン ア レン オランダ国 アルメロ レリーウェッハ 1 (72)発明者 ウイルヘルムス アドリアヌス ヘンリク ス ヘイツェン オランダ国 アルメロ レリーウェッハ 1 (72)発明者 アルベルト フィッシャー オランダ国 5621 ベーアー アインドー フェン フルーネヴァウツウェッハ1

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線源と、前記X線源に対し固定された
    集光方向へ直線的に移動されることができる結晶ホルダ
    ーと、X線検出器を持つとともにそのX線検出器と前記
    結晶ホルダーとを対で移動させる移動機構を持つX線検
    出システムとを有し、前記X線源と結晶ホルダーとX線
    検出器が前記移動の間もローランド円上に維持される走
    査ユニットを具えるX線分析装置において、 前記走査ユニットの移動機構が、ある駆動点からある駆
    動方向へ移動されることができる第1のガイドと、ある
    遷移点からある遷移方向へ移動されることができる第2
    のガイドとを具え、前記第1のガイドの駆動方向が、前
    記固定された集光方向に対し鋭角αを持つことを特徴と
    する、X線分析装置。
  2. 【請求項2】 前記第2のガイドが、弾性的ガイドとし
    て構成され、前記遷移点が、前記結晶ホルダーが連続す
    る複数位置の間で移動される際に比較的少量だけ移動さ
    れる、前記ローランド円上の点と一致することを特徴と
    する、請求項1記載のX線分析装置。
  3. 【請求項3】 前記結晶ホルダーと前記X線検出器と
    が、前記移動機構によって移動されることができるロー
    ランド板を介し互いに機械的に連結され、前記ローラン
    ド板が、前記結晶ホルダーと、前記第1のガイドと、前
    記第2のガイドと、そこから前記X線検出器が駆動され
    ることができる駆動中心とのためにそれぞれ装着点を有
    することを特徴とする、請求項1もしくは請求項2記載
    のX線分析装置。
  4. 【請求項4】 前記ローランド板の剛性を適当に維持し
    つつ、前記装着点に隣接する部分で前記ローランド板の
    材料の量を最小限化することを特徴とする、請求項3記
    載のX線分析装置。
  5. 【請求項5】 前記駆動中心が、前記ローランド円の中
    心と一致することを特徴とする、請求項3もしくは請求
    項4記載のX線分析装置。
  6. 【請求項6】 前記ローランド円の中心に、ある円の一
    部分が揺動可能に支持され、前記X線検出器が、その円
    の一部分と、引張りワイヤーによって引っ張られた転動
    ワイヤーとに機械的に連結され、前記転動ワイヤーが、
    前記円の一部分上で案内され、前記円の一部分が、前記
    結晶ホルダーの動きと連動した揺動を前記X線検出器に
    与えるようにその転動ワイヤーに沿って転動することを
    特徴とする、請求項5記載のX線分析装置。
  7. 【請求項7】 前記円の一部分の半径が前記ローランド
    円の直径の1/6であることを特徴とする、請求項6記
    載のX線分析装置。
  8. 【請求項8】 前記駆動中心に、前記X線検出器が機械
    的に連結された第1の駆動輪が設けられ、前記遷移点
    に、第2の駆動輪が設けられ、それらの駆動輪上に駆動
    ベルトが掛け渡され、それらの駆動輪の直径比が所要の
    伝動比によって決定されていることを特徴とする、請求
    項3乃至請求項5の何れか記載のX線分析装置。
  9. 【請求項9】 前記ローランド板上に、実質的に(1/
    4)2R/cosΔに等しい長さを持つ腕が固着され、
    その腕の二つの取付け点が前記第2のガイドの遷移点お
    よび前記駆動中心とされ、前記駆動中心の位置が、前記
    腕の長さと、前記遷移方向に対し固定された角度ψを持
    つその腕の方向とによって定まり、前記X線検出器が前
    記腕に前記駆動中心を介して機械的に連結され、前記2
    Rがローランド円の直径であり、前記Δが、前記γ+α
    に対する前記θの偏差であって前記遷移方向と前記固定
    された集光方向との間の角度であることを特徴とする、
    請求項3もしくは請求項4記載のX線分析装置。
  10. 【請求項10】 方向調整のため前記X線検出器が支持
    ブラケット上に搭載され、その支持ブラケット上に、前
    記X線検出器に隣接して設けられた走路上を移動し得る
    ランナーが設けられていることを特徴とする、請求項6
    乃至請求項9の何れか記載のX線分析装置。
  11. 【請求項11】 前記X線検出器の方向調整のため前記
    結晶ホルダーにガイドローラーが固着され、前記X線検
    出器と前記ローランド円の外側の固定された点との間に
    張り渡されたワイヤーが、前記ガイドローラー上で案内
    されて実質的に前記固定された集光方向に延在している
    ことを特徴とする、請求項6乃至請求項9の何れか記載
    のX線分析装置。
  12. 【請求項12】 前記第1のガイドが、ステップモータ
    ーで駆動されることを特徴とする、請求項1乃至請求項
    11の何れか記載のX線分析装置。
  13. 【請求項13】 前記第1のガイドが、サーボ式位置決
    めシステムで駆動されることを特徴とする、請求項1乃
    至請求項11の何れか記載のX線分析装置。
  14. 【請求項14】 前記結晶ホルダーが、結晶タレットと
    して構成されていることを特徴とする、請求項1乃至請
    求項13の何れか記載のX線分析装置。
  15. 【請求項15】 前記結晶タレットが、二方向へ回転駆
    動されることができることを特徴とする、請求項14記載
    のX線分析装置。
  16. 【請求項16】 前記結晶ホルダーが、結晶位置の制御
    手段を有していることを特徴とする、請求項1乃至請求
    項15の何れか記載のX線分析装置。
  17. 【請求項17】 前記走査ユニットのX線検出器が検出
    スリットを有し、その検出スリットがビーム制限手段の
    一部を構成していることを特徴とする、請求項1乃至請
    求項16の何れか記載のX線分析装置。
  18. 【請求項18】 幾つかの固定された経路を具える同時
    分析型分光計として考えられ、前記固定された経路のう
    ちの少なくとも一つが前記走査ユニットによって置き換
    えられていることを特徴とする、請求項1乃至請求項17
    の何れか記載のX線分析装置。
  19. 【請求項19】 ある走査範囲を有する逐次分析型分光
    計として考えられ、前記走査範囲のうちの少なくとも一
    つの副走査範囲が、前記走査ユニットによって走査され
    得ることを特徴とする、請求項1乃至請求項17の何れか
    記載のX線分析装置。
  20. 【請求項20】 請求項1乃至請求項19の何れか記載の
    X線分析装置への使用に適した走査ユニット。
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