JPH05248301A - ディーゼルエンジンのファーストアイドル制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンのファーストアイドル制御装置

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JPH05248301A
JPH05248301A JP4733992A JP4733992A JPH05248301A JP H05248301 A JPH05248301 A JP H05248301A JP 4733992 A JP4733992 A JP 4733992A JP 4733992 A JP4733992 A JP 4733992A JP H05248301 A JPH05248301 A JP H05248301A
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JP
Japan
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learning
idle
diesel engine
accelerator opening
exhaust throttle
Prior art date
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Pending
Application number
JP4733992A
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English (en)
Inventor
Itsuki Fujimura
一城 藤村
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
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Publication of JPH05248301A publication Critical patent/JPH05248301A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度変化等に伴うアイドリング時のエンジン
回転数又はアクセル開度の変化を発進時やレーシング時
と誤認するのを防止し、発進やレーシングが行われたと
きには排気絞りを素早く解除させることを可能とする。 【構成】 ディーゼルエンジン1のファーストアイドル
状態において、学習開度からアクセル開度を引いた開度
差が基準値以上となるか又は学習回転数からエンジン回
転数を引いた回転数差が基準値以上となったときに、排
気絞り及びアイドルアップを解除する。この際、学習開
度及び学習回転数は、個々の温度範囲における過去20
回のデータの平均値に対して所定範囲を上限、下限とし
て設定され、その都度更新する。従って、学習開度及び
学習回転数の精度は高くなる。また、その時々の温度や
オイルの粘度等によってアクセル開度又はエンジン回転
数が変動したとしても発進時やレーシング時と誤認され
ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はディーゼルエンジンに
係り、詳しくはエンジン始動時に暖機を図るべくアイド
ルアップ及び排気絞りを行うようにしたファーストアイ
ドル制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術では、アイドリング
状態からアクセルペダルが踏み込まれて車両の発進又は
レーシング(無負荷状態でエンジン回転数を上昇させる
こと)が行われた場合に、エンジンの背圧が上昇してし
まう前に排気絞り弁の作動(閉じ)による排気絞りを解
除させる必要がある。そこで、例えば自動車技術事例集
(発行番号:91091)に開示された「排気絞りシス
テム」においては、ディーゼルエンジンのアイドルアッ
プ時にアクセル開度を学習し、その学習開度からわずか
にアクセルが開いたときに排気絞りを解除するようにし
ている。この構成により、発進又はレーシングの際に
は、排気絞りの解除を素早く行わせて、排気絞りの解除
遅れに対処し、もって背圧の上昇に起因するスモークの
増加を防止するようにしていた。
【0003】しかしながら、前記の技術では、ディーゼ
ルエンジンの燃料噴射ポンプがサーモワックスによる燃
料増量機構を備えた機械式ポンプである場合に、低温時
ほど噴射量を増量させるように作動することから、例え
ば図9に示すように、アジャスティングレバーの回動
量、すなわち、アクセル開度の特性はその時々のエンジ
ン温度(冷却水温)によって異なっていた。また、冷却
水温に対するアクセル開度の特性は必ずしも図9に示す
ものに限られるわけではなく、個々のサーモワックスの
違い、または、温度や劣化もしくは種類の差に起因する
エンジンオイルの粘度のばらつき等によって多少変動し
ていた。そのため、発進又はレーシングが行われていな
いにもかかわらず、実際のアクセル開度が学習開度より
も大きくなることがあった。そして、この場合には、発
進時又はレーシング時であると誤認されてしまい、排気
絞りを誤って解除させてしまうおそれがあった。
【0004】また、アクセル開度の代わりにエンジン回
転数をパラメータとして前記と同様の制御を行うことも
考えられる。しかし、サーモワックスによる燃料増量機
構を備えた機械式ポンプである場合には、例えば図10
に示すように、エンジン回転数の特性も冷却水温によっ
て異なることから、上記と同様の不具合が生じていた。
【0005】そこで、上記の不具合に対処するために、
実際のアクセル開度と学習開度との開度差を求め、その
開度差が予め定められた基準値を超えたときに排気絞り
を解除することが考えられる。あるいは、アクセル開度
の代わりにエンジン回転数をパラメータとして、実際の
エンジン回転数と学習回転数との回転数差を求め、その
回転数差が予め定められた基準値を超えたときに排気絞
りを解除することも考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術では、アクセル開度又はエンジン回転数の学習の範囲
という点を鑑みた場合に、次のような問題があった。
【0007】すなわち、図9に示すように、アクセル開
度の学習範囲を広くとった場合には、冷却水温が−10
℃〜10℃の付近ではアクセル開度の変化が大きいこと
から、学習開度が小さく、かつ、実際のアクセル開度が
大きくなったときに排気絞りを解除してしまうおそれが
ある。
【0008】また、これと同様に、図10に示すよう
に、エンジン回転数の学習範囲を広くとった場合には、
冷却水温が−20℃〜20℃の付近のエンジン回転数の
変化が大きいことから、学習回転数が小さく、かつ、実
際のエンジン回転数が大きくなったときに排気絞りを解
除してしまうおそれがあった。上記のような不具合を防
止するために、基準値を大きく設定することも考えられ
る。しかし、基準値を大きく設定した場合には、20℃
以上の場合において実際のアクセル開度が小さいときに
は、アクセルペダルをかなり踏み込んでアクセル開度を
大きくしなければレーシングと判定されず、結果として
レーシングの判定が遅れてしまうという不具合があっ
た。
【0009】また、図11に示すように、アクセル開度
の学習範囲をアクセル開度の大きい領域で狭く設定する
ことにより、基準値を小さく設定することも考えられ
る。これと同様に、図12に示すように、エンジン回転
数の学習範囲をエンジン回転数の大きい領域で狭く設定
することにより、基準値を小さく設定するも考えられ
る。しかし、このような場合には、冷却水温が20℃以
上の場合において実際のアクセル開度又はエンジン回転
数が小さいときには、そのアクセル開度又はエンジン回
転数に対する学習値がかなり大きくなってしまう。その
ため、アクセルペダルをかなり踏み込んでアクセル開度
又はエンジン回転数を大きくしなければレーシングと判
定されず、結果としてレーシングの判定が遅れてしまう
という不具合があった。
【0010】これに対し、図13に示すように、アクセ
ル開度の学習範囲をアクセル開度の小さい領域で狭く設
定した場合には、アクセル開度の大きい領域で学習開度
との開度差が必然的に基準値を超えるおそれがある。そ
のため、基準値を大きく設定する必要があった。これと
同様に、図14に示すように、エンジン回転数の学習範
囲をエンジン回転数の小さい領域で狭く設定した場合に
は、エンジン回転数の大きい領域で学習回転数との回転
数差が必然的に基準値を超えるおそれがある。そのた
め、基準値を大きく設定する必要があった。
【0011】しかし、基準値を大きく設定した場合に
は、冷却水温が20℃以上の場合において実際のアクセ
ル開度又はエンジン回転数が小さいときには、アクセル
ペダルをかなり踏み込んでアクセル開度又はエンジン回
転数を大きくしなければレーシングと判定されず、結果
としてレーシングの判定が遅れてしまうという不具合が
あった。
【0012】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的はディーゼルエンジンの始動時
に暖機を図るべくアイドルアップ及び排気絞りを行うよ
うにするとともに、発進又はレーシングの開始を判断す
るためにアクセル開度又はエンジン回転数の学習を行う
ディーゼルエンジンのファーストアイドル制御装置にお
いて、ディーゼルエンジンのアイドリング時に温度変化
等に伴うエンジン回転数又はアクセル開度の変化を発進
時やレーシング時と誤認して排気絞りを解除させること
がなく、かつ、発進やレーシングの開始を正確に判断し
て排気絞りを素早く解除させることの可能なディーゼル
エンジンのファーストアイドル制御装置を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
にこの発明においては、図1に示すように、ディーゼル
エンジンM1の排気通路M2途中に設けられて排気絞り
を行うために作動させる排気絞り機構M3と、ディーゼ
ルエンジンM1への供給燃料を増量してアイドルアップ
を行うために作動させるアイドルアップ機構M4と、デ
ィーゼルエンジンM1のアイドリング時にその暖機を図
るべく、排気絞り機構M3を作動させるとともにアイド
ルアップ機構M4を作動させるように制御する暖機制御
手段M5と、ディーゼルエンジンM1の回転数又はその
回転数変化に相当するアクセル開度を検出する運転状態
検出手段M6と、運転状態検出手段M6の検出結果に基
づき、排気絞り機構M3及びアイドルアップ機構M4の
作動時におけるディーゼルエンジンM1の回転数又はア
クセル開度を学習する学習手段M7と、運転状態検出手
段M6により検出される現在の回転数又はアクセル開度
と学習手段M7による学習値との差を求め、その差が予
め定められた基準値以上であると判断したときに排気絞
り機構M3及びアイドルアップ機構M4の作動を解除す
る排気絞り解除制御手段M8とを備えたディーゼルエン
ジンのファーストアイドル制御装置において、ディーゼ
ルエンジンM1の温度を検出する温度検出手段M9と、
運転状態検出手段M6の検出結果に基づき、ディーゼル
エンジンM1のアイドリング時と判断したとき、温度検
出手段M9より得られる各温度に対応して運転状態検出
手段M6より得られる回転数又はアクセル開度をデータ
として取り込み、予め設定された複数の温度範囲毎にそ
れら回転数又はアクセル開度の所定個数データを平均
し、それら平均値に対して所定幅の上限値及び下限値を
付与して学習手段M7における学習値の学習範囲として
設定する学習範囲設定手段M10とを設けるようにして
いる。
【0014】
【作用】上記の構成によれば、図1に示すように、暖機
制御手段M5はアイドリング時において、ディーゼルエ
ンジンM1の排気通路M2途中に設けられた排気絞り機
構M3を作動させるとともに、アイドルアップ機構M4
を作動させるように制御する。従って、排気絞り機構M
3により排気絞りが行われ、アイドルアップ機構M4に
よりディーゼルエンジンM1への供給燃料が増量されア
イドルアップが行われ、その結果ディーゼルエンジンM
1の暖機が行われる。
【0015】また、運転状態検出手段M6は、ディーゼ
ルエンジンM1の回転数又はその回転数変化に相当する
アクセル開度を検出する。学習手段M7は運転状態検出
手段M6の検出結果に基づき、排気絞り機構M3の作動
有無にかかわらずアイドルアップ時における回転数又は
アクセル開度を学習する。そして、排気絞り解除制御手
段M8は運転状態検出手段M6により検出される現在の
回転数又はアクセル開度と学習手段M7による学習値と
の差を求め、その差が予め定められた基準値以上である
と判断したときに排気絞り機構M3及びアイドルアップ
機構M4の作動を解除する。
【0016】ここで、温度検出手段M9は、ディーゼル
エンジンM1の温度を検出する。また、学習範囲設定手
段M10は運転状態検出手段M6の検出結果に基づき、
ディーゼルエンジンM1のアイドリング時と判断したと
き、温度検出手段M9より得られる各温度に対応して運
転状態検出手段M6より得られる回転数又はアクセル開
度をデータとして取り込む。そして、学習範囲設定手段
M10は予め設定された複数の温度範囲毎にそれら回転
数又はアクセル開度の所定個数データを平均し、それら
平均値に対して所定幅の上限値及び下限値を付与して学
習手段M7における学習値の学習範囲として設定する。
【0017】従って、学習手段M7により学習される学
習値の範囲は、その絶対範囲が各温度範囲毎に一定で、
かつ、各温度範囲の違いに対応して異なったものとな
る。そのため、基準値を小さく設定した場合であって
も、ディーゼルエンジンM1の温度変化に起因して回転
数又はアクセル開度が変化したとしても、学習値の範囲
は各温度範囲の違いに対応して異なっているので、発進
又はレーシングにより極端に実際の回転数又はアクセル
開度が大きくならなければ排気絞り機構M3の作動及び
アイドルアップ機構M4の作動が解除されることはな
い。しかも、基準値を小さく設定することにより、発進
又はレーシングが行われたときには、排気絞り解除制御
手段M8によって排気絞り機構M3及びアイドルアップ
機構M4の作動がそれぞれ素早く解除される。
【0018】
【実施例】以下、この発明におけるディーゼルエンジン
のファーストアイドル制御装置を具体化した一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。
【0019】図2はこの実施例において、車両に搭載さ
れたディーゼルエンジンのファーストアイドル制御装置
を示す概略構成図である。ディーゼルエンジン1には、
各燃焼室に空気を導入するために、吸気マニホールド2
を介して吸気通路3が設けられている。また、ディーゼ
ルエンジン1には、各燃料室から排気ガスを導出するた
めに排気マニホールド4を介して排気通路5が設けられ
ている。さらに、ディーゼルエンジン1には、各燃料室
に燃料を供給するために燃料噴射ポンプ6から圧送され
た燃料を噴射するための図示しない燃料噴射ノズルが設
けられている。
【0020】そして、各燃焼室に導入された空気が圧縮
され、その圧縮空気中に燃料噴射ノズルから燃料が噴射
されることにより、その燃料が爆発、燃焼してディーゼ
ルエンジン1に駆動力が得られる。また、各燃焼室で生
じた排気ガスは排気マニホールド4、排気通路5を通じ
て大気中に放出される。
【0021】この実施例において、吸気通路3の途中に
は、ターボチャージャ7を構成するコンプレッサ8が設
けられており、同コンプレッサ8の下流において吸気通
路の途中には、インタークーラー9が設けられている。
また、排気通路5の途中には、ターボチャージャ7を構
成するタービン10が設けられている。周知のように、
このターボチャージャ7は、排気通路を通過する排気エ
ネルギーを利用してタービン10を回転させることによ
り、その同軸上のコンプレッサ8を回転させて吸入空気
を昇圧させるためのものである。そして、昇圧された高
密度の吸入空気はインタークーラー9にて冷却されてか
ら燃焼室へ供給され、結果としてディーゼルエンジン1
の出力が増大される。
【0022】この実施例において、タービン10よりも
下流にて排気通路5の途中には、ディーゼルエンジン1
の暖機を行うべく排気通路を閉じる排気絞り弁11が設
けられている。また、その排気絞り弁11を開閉させる
ためにダイヤフラム式の排気絞り用アクチュエータ12
が設けられ、そのロッド13がリンク14を介して排気
絞り弁11に連結されている。排気絞り用アクチュエー
タ12は負圧の導入によって作動するものであり、負圧
通路15を介して排気絞り用バキュームスイッチングバ
ルブ(排気絞り用VSV)16に接続されている。排気
絞り用VSV16には負圧通路25を介してバキューム
ポンプ17が接続されている。そして、排気絞り弁1
1、排気絞り用アクチュエータ12、負圧通路15、排
気絞り用VSV16等により排気絞り機構が構成されて
おり、排気絞り用VSV16がオンされて開かれること
により、バキュームポンプ17からの負圧が排気絞り用
アクチュエータ12に導入され、そのロッド13が収縮
して排気絞り弁11が閉じられるようになっている。す
なわち、排気絞りが行われるようになっている。
【0023】一方、燃料噴射ポンプ6はサーモワックス
による燃料増量機構を備えた機械式ポンプであって、ア
クセルペダル18の操作に連動して回動されるアジャス
ティングレバー19を備えている。そして、アクセルペ
ダル18の操作量、すなわち、アクセル開度ACPの大
きさに応じてアジャスティングレバー19の回動量が増
えることにより、燃料噴射ポンプ6からディーゼルエン
ジン1への圧送燃料が増量されるようになっている。
【0024】この燃料噴射ポンプ6には、アイドリング
時にディーゼルエンジン1への燃料供給を増量してアイ
ドルアップを行うために作動させるアイドルアップ機構
が設けられている。すなわち、燃料噴射ポンプ6には、
アジャスティングレバー19を回動させるための作動プ
レート20が設けられている。また、この作動プレート
20を回動させるために、同プレート20に係合可能な
ロッド21を有するダイヤフラム式のアイドルアップ用
アクチュエータ22が設けられている。このアイドルア
ップ用アクチュエータ22は負圧の導入によって作動す
るものであり、負圧通路23を介してアイドルアップ用
VSV24に接続されている。また、アイドルアップ用
VSV24は負圧通路25を介してバキュームポンプ1
7に接続されている。そして、作動プレート20、アイ
ドルアップ用アクチュエータ22、負圧通路23及びア
イドルアップ用VSV24等によりアイドルアップ機構
が構成されており、アイドルアップ用VSV24がオン
されて開かれることにより、バキュームポンプ17から
の負圧がアイドルアップ用アクチュエータ22に導入さ
れ、そのロッド21が収縮するようになっている。ま
た、ロッド21が収縮して作動プレート20に係合する
ことにより、作動プレート20が回動され、その他端が
アジャスティングレバー19を回動させる。この作用に
よって、燃料噴射ポンプ6からディーゼルエンジン1へ
の圧送燃料が増量され、アイドルアップが行われる。
【0025】次に、各種センサについて説明する。ディ
ーゼルエンジン1の吸気マニホールド2の近傍には、同
エンジン1の温度に相当する冷却水の温度(冷却水温)
THWを検出する温度検出手段としての水温センサ31
が設けられている。
【0026】また、燃料噴射ポンプ6には、同ポンプ6
に内蔵されてディーゼルエンジン1の回転に連動する図
示しないドライブシャフトの回転からディーゼルエンジ
ン1の回転数(エンジン回転数)NEを検出するエンジ
ン回転数センサ32が設けられている。同じく、燃料噴
射ポンプ6には、アジャスティングレバー19の回動量
に相当するアクセル開度ACPを検出するロータリポジ
ションセンサ33が設けられている。さらに、図示しな
いトランスミッションには、車両の速度を検出する車速
センサ34が設けられている。そして、前記各センサ3
1〜34等によって、ディーゼルエンジン1の運転状態
検出手段が構成されている。
【0027】排気絞り用VSV16及びアイドルアップ
用VSV24は暖機制御手段、学習手段、排気絞り解除
制御手段及び学習範囲設定手段を構成する電子制御装置
(以下、単に「ECU」という)41に電気的に接続さ
れている。
【0028】また、ECU41には、前述した水温セン
サ31、エンジン回転数センサ32、ロータリポジショ
ンセンサ33及び車速センサ34のほかに、図示しない
各種センサ、スイッチ等がそれぞれ接続されている。そ
して、ECU41はこれら各センサ31〜34の検出信
号に基づいて、排気絞り用VSV16及びアイドルアッ
プ用VSV24等を好適に制御するようになっている。
【0029】次に、ECU41の構成について図3のブ
ロック図に従って説明する。ECU41は中央処理装置
(CPU)42、所定の制御プログラムやマップ等を予
め記憶した読出専用メモリ(ROM)43、CPU42
の演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ
(RAM)44、予め記憶されたデータを保存するバッ
クアップRAM45等と、これら各部と外部入力回路4
6及び外部出力回路47等とをバス48によって接続し
た論理演算回路として構成されている。
【0030】外部入力回路46には、前述した水温セン
サ31、エンジン回転数センサ32、ロータリポジショ
ンセンサ33及び車速センサ34等がそれぞれ接続され
ている。外部出力回路47には、排気絞り用VSV16
及びアイドルアップ用VSV24等がそれぞれ接続され
ている。そして、CPU42は外部入力回路46を介し
て各センサ31〜34の検出信号を入力値として読み込
む。また、CPU42はこれら入力値に基き、外部出力
回路47を介して排気絞り用VSV16及びアイドルア
ップ用VSV24等を好適に制御する。
【0031】次に、ECU41により実行される各種制
御のうち、ディーゼルエンジン1のファーストアイドル
時において、暖機制御を行うために学習されるアクセル
開度ACP及びエンジン回転数NEの学習値の設定とそ
の学習範囲の設定に関する処理動作について説明する。
【0032】ここで、ECU41のRAM44には、冷
却水温THWで−25℃から30℃の間において、各冷
却水温THWに対する複数の温度範囲THW(α)が予
め設定されている。すなわち、「−25≦THW<−1
5」の範囲をTHW(−20)、「−15≦THW<−
5」の範囲をTHW(−10)、「−5≦THW<5」
の範囲をTHW(0)、「5≦THW<15」の範囲を
THW(10)、「15≦THW<25」の範囲をTH
W(20)、「25≦THW≦35」の範囲をTHW
(30)として設定されている。そして、RAM44に
は、各温度範囲THW(α)毎に過去20回にわたり学
習された学習開度GACP及び学習回転数GNEのデー
タが蓄積され記憶されている。なお、RAM44には実
験的、経験的に求められた学習開度GACP及び学習回
転数GNEのデータがそれぞれ20個ずつ仮のデータと
して前もって記憶されているものとする。そして、それ
ら仮データに基づき各温度範囲THW(α)に対する学
習開度GACP及び学習回転数GNEの平均値が算出さ
れている。また、それら各平均値に対応して所定幅の上
限値及び下限値が付与されることにより、学習開度GA
CP及び学習回転数GNEの学習範囲として設定され、
図3,4に示すようなマップとしてRAM44に記憶さ
れているものとする。
【0033】図6,7はディーゼルエンジン1のアイド
リング時に実行される学習開度GACP及び学習回転数
GNEの設定とその学習範囲の設定のための処理ルーチ
ンを示している。この処理ルーチンは、アクセル開度A
CP及びエンジン回転数NEの変動が10秒間所定量以
下である場合に、所定時間毎(例えば2分間隔)の定時
割り込みで実行される。
【0034】処理がこのルーチンへ移行すると、先ずス
テップ101において、排気絞り用VSV16がオンさ
れているか否かを示す排気絞りオンフラグVEXRを読
み込む。また、アイドルアップ用VSV24がオンされ
ているか否かを示すアイドルアップオンフラグACVを
読み込む。これら各フラグVEXR,ACVは、それぞ
れ各種センサ31〜34の検出信号に基づいて別途の処
理ルーチンにおいて設定されるものである。ここで、排
気絞りオンフラグVEXRは、排気絞り用VSV16が
オンされて排気絞りが行われているときに「1」に設定
され、オフされて排気絞りが解除されているときに
「0」に設定されるものである。また、アイドルアップ
オンフラグACVはアイドルアップ用VSV24がオン
されてアイドルアップが行われているときに「1」に設
定され、オフされてアイドルアップが解除されていると
きに「0」に設定されるものである。
【0035】次に、ステップ102において、排気絞り
オンフラグVEXRが「1」であるか否かを判断する。
そして、排気絞りオンフラグVEXRが「1」でない場
合には、排気絞りが解除されているものとして、その後
の処理を一旦終了する。
【0036】また、ステップ102において、排気絞り
オンフラグVEXRが「1」の場合には、排気絞りが行
われているものとして、ステップ103においてアイド
ルアップオンフラグACVが「1」であるか否かを判断
する。そして、アイドルアップオンフラグACVが
「1」でない場合には、アイドルアップが解除されてい
るものとしてその後の処理を一旦終了する。
【0037】また、ステップ103において、アイドル
アップオンフラグACVが「1」である場合には、アイ
ドルアップが行われているものとして、次のステップ1
04へ移行する。
【0038】ステップ104において、水温センサ31
の水温検出信号に基づきそのときの冷却水温THWを読
み込む。続くステップ105においては、ステップ10
4において読み込まれた冷却水温THWが−25℃以上
かつ35℃以下であるか否かを判断する。そして、冷却
水温THWが−25℃以上かつ35℃以下でない場合に
は、その後の処理を一旦終了する。また、ステップ10
5において、冷却水温THWが−25℃以上かつ35℃
以下の場合には、学習条件が成立したものとして、次の
ステップ106へ移行する。
【0039】ステップ106においては、ロータリポジ
ションセンサ33及びエンジン回転数センサ32の検出
信号に基づき現在のアクセル開度ACP及び現在のエン
ジン回転数NEをそれぞれ読み込む。
【0040】そして、ステップ107において、先に読
み込まれたアクセル開度ACPがそのときの各温度範囲
THW(α)に対応する平均値に対し、その平均値の±
5%以内にあるか否かを判断する。この判断は図4に示
すマップを参照して行われる。そして、アクセル開度A
CPが平均値の±5%以内にない場合には、そのアクセ
ル開度ACPが平均値からかけ離れてアイドリング時の
データとしてふさわしくないものとして、ステップ10
8へ移行する。そして、ステップ108において、先に
読み込まれたアクセル開度ACPを消去して、その後の
処理を一旦終了する。
【0041】また、ステップ107において、アクセル
開度ACPが平均値の±5%以内にある場合には、次の
ステップ109において、そのときのアクセル開度AC
Pをそのときの温度範囲THW(α)における最新の2
0番目の演算データとして、新たにRAM44に記憶さ
せる。
【0042】次に、ステップ110において、新たに記
憶された20番目の演算データを含め、そのときの温度
範囲THW(α)に対応する最新の20個のデータの平
均値を求め、それを新たな平均値として設定する。
【0043】続いて、ステップ111において、図4に
示すように、先に求められた平均値に予め定められた定
数Aを加算した結果をそのときの温度範囲THW(α)
における学習範囲の上限値MAXACPとして設定す
る。また、平均値に定数Aを減算した結果をそのときの
温度範囲THW(α)における学習範囲の下限値MIN
ACPとして設定する。つまり、各温度範囲THW
(α)に対する学習範囲を設定する。
【0044】続くステップ112においては、先に記憶
されたアクセル開度ACPの演算データが、先に設定さ
れた学習範囲内にあるか否かを判断する。そして、アク
セル開度ACPの演算データが学習範囲内にない場合に
は、その演算データが最新の学習用データとしてふさわ
しくないものとして、そのままステップ114へ移行す
る。また、アクセル開度ACPの演算データが学習範囲
内にある場合には、ステップ113において、その演算
データをそのときの温度範囲THW(α)に対応する最
新の学習開度GACPとして記憶させ、次のステップ1
14へ移行する。
【0045】ステップ112及びステップ113から移
行してステップ114においては、先に読み込まれたエ
ンジン回転数NEがそのときの各温度範囲THW(α)
に対応する平均値に対し、その平均値の±50rpm以
内にあるか否かを判断する。この判断は図5に示すマッ
プを参照して行われる。そして、エンジン回転数NEが
平均値の±50rpm以内にない場合には、そのエンジ
ン回転数NEが平均値からかけ離れてアイドリング時の
データとしてふさわしくないものとして、ステップ11
5へ移行する。そして、ステップ115において、先に
読み込まれたエンジン回転数NEを消去して、その後の
処理を一旦終了する。
【0046】また、ステップ114において、エンジン
回転数NEが平均値の±50rpm以内にある場合に
は、次のステップ116において、そのときのエンジン
回転数NEをそのときの温度範囲THW(α)における
最新の20番目の演算データとして、新たにRAM44
に記憶させる。
【0047】次に、ステップ117において、新たに記
憶された20番目の演算データを含め、そのときの温度
範囲THW(α)に対応する最新の20個のデータの平
均値を求め、それを新たな平均値として設定する。
【0048】続いて、ステップ118において、図5に
示すように、先に求められた平均値に予め定められた定
数Bを加算した結果をそのときの温度範囲THW(α)
における学習範囲の上限値MAXNEとして設定する。
また、平均値に定数Bを減算した結果をそのときの温度
範囲THW(α)における学習範囲の下限値MINNE
として設定する。つまり、各温度範囲THW(α)に対
する学習範囲を設定する。
【0049】続くステップ119においては、先に記憶
されたエンジン回転数NEの演算データが、先に設定さ
れた学習範囲内にあるか否かを判断する。そして、エン
ジン回転数NEの演算データが学習範囲内にない場合に
は、その演算データが最新の学習用データとしてふさわ
しくないものとして、その後の処理を一旦終了する。ま
た、エンジン回転数NEの演算データが学習範囲内にあ
る場合には、ステップ120において、その演算データ
をそのときの温度範囲THW(α)に対応する最新の学
習回転数GNEとして記憶させ、その後の処理を一旦終
了する。
【0050】このように、各温度範囲THW(α)毎に
その時々のアクセル開度ACP及びエンジン回転数NE
が学習用データとして精度良く更新、記憶されてゆく。
また、学習範囲のマップはその絶対範囲が各温度範囲T
HW(α)毎に一定で、かつ、その時々の温度範囲TH
W(α)に対応して異なったものとなる。
【0051】次に、ECU41により実行される各種制
御のうち、学習開度GACP及び学習回転数GNEを使
用して行われるディーゼルエンジン1の暖機制御のため
の処理動作について説明する。
【0052】図8に示すフローチャートはディーゼルエ
ンジン1のアイドリング時に実行される暖機制御ルーチ
ンを示し、所定時間毎の定時割り込みで実行される。処
理がこのルーチンへ移行すると、先ずステップ201に
おいて、排気絞りオンフラグVEXR及びアイドルアッ
プオンフラグACVをそれぞれ読み込む。
【0053】次に、ステップ202において、排気絞り
オンフラグVEXRが「1」であるか否かを判断する。
そして、排気絞りオンフラグVEXRが「1」でない場
合には、排気絞りが解除されているものとして、その後
の処理を一旦終了する。また、ステップ202におい
て、排気絞りオンフラグVEXRが「1」の場合には、
排気絞りが行われているものとして、次のステップ20
3においてアイドルアップオンフラグACVが「1」で
あるか否かを判断する。そして、アイドルアップオンフ
ラグACVが「1」でない場合には、アイドルアップが
解除されているものとしてその後の処理を一旦終了す
る。また、ステップ203において、アイドルアップオ
ンフラグACVが「1」である場合には、アイドルアッ
プが行われているものとして、次のステップ204に移
行する。
【0054】ステップ204において、水温センサ31
の検出信号に基づき、そのときの冷却水温THWを読み
込む。続くステップ205においては、先に読み込まれ
た冷却水温THWが−25℃以上かつ35℃以下である
か否かを判断する。そして、冷却水温THWが−25℃
以上かつ35℃以下でない場合には、その後の処理を一
旦終了する。また、冷却水温THWが−25℃以上かつ
35℃以下である場合には、冷却水温THWが有効温度
範囲内にあるものとして次のステップ206へ移行す
る。
【0055】ステップ206においては、先に読み込ま
れた冷却水温THWに基づき、その冷却水温THWがい
ずれの温度範囲THW(α)に属するかを決定する。続
くステップ207において、ロータリポジションセンサ
33及びエンジン回転数センサ32の検出信号に基づき
現在のアクセル開度ACP及び現在のエンジン回転数N
Eをそれぞれ読み込む。
【0056】次に、ステップ208において、そのとき
の温度範囲THW(α)に対応する最新の学習開度GA
CP及び学習回転数GNEをそれぞれ読み込む。そし
て、次のステップ209において、先に読み込まれた現
在のアクセル開度ACPと学習開度GACPとの差を算
出し、その算出結果をそのときの開度差ΔACPとして
設定する。
【0057】次のステップ210において、発進又はレ
ーシングが行われたことを判断するために、先に演算さ
れた開度差ΔACPが予め定められた基準値ACP1以
上であるか否かを判断する。ここで、基準値ACP1と
は、各温度範囲THW(α)の違いにかかわらず常に一
定であり、できる限り小さく設定された値である。そし
て、開度差ΔACPが基準値ACP1以上である場合に
は、発進又はレーシングが行われたものとして、次のス
テップ211において、排気絞り用VSV16及びアイ
ドルアップ用VSV24をオフして排気絞りの解除とア
イドルアップの解除をそれぞれ行う。続いて、ステップ
212において、排気絞りオンフラグVEXR及びアイ
ドルアップオンフラグACVを共に「0」にリセットし
て、その後の処理を一旦終了する。
【0058】また、開度差ΔACPが基準値ACP1以
上でない場合には、ステップ213において、先に読み
込まれた現在のエンジン回転数NEと学習回転数GNE
との差を算出し、その算出結果をそのときに回転数差Δ
NEとして設定する。
【0059】次のステップ214において、発進又はレ
ーシングが行われたことを判断するために、ステップ2
13において演算した回転数差ΔNEが予め定められた
基準値NE1以上であるか否かを判断する。ここで、基
準値NE1とは、各温度範囲THW(α)の違いにかか
わらず常に一定であり、できる限り小さく設定された値
である。そして、回転数差ΔNEが基準値NE1以上で
ある場合には、発進又はレーシングが行われたものとし
て、ステップ211において、排気絞り用VSV16及
びアイドルアップ用VSV24をオフして排気絞りの解
除とアイドルアップの解除を行う。続いて、ステップ2
12において、排気絞りオンフラグVEXR及びアイド
ルアップオンフラグACVを共に「0」にリセットし
て、その後の処理を一旦終了する。
【0060】また、ステップ214において、回転数差
ΔNEが基準値NE1未満である場合には、未だ発進又
はレーシングが行われていないものとして、そのままそ
の後の処理を一旦終了する。
【0061】従って、発進又はレーシングが行われて、
開度差ΔACPが基準値ACP1以上となったとき又は
回転数差ΔNEが基準値NE1以上となったときには、
ただちに排気絞り及びアイドルアップが解除され、結果
としてディーゼルエンジン1の背圧の上昇が抑制され、
スモークの増加が防止される。
【0062】このように、この実施例においては、冷却
水温THWに対して複数の温度範囲THW(α)を設定
し、各温度範囲THW(α)毎に20個のアクセル開度
ACPのデータを平均している。また、その平均値に対
して定数Aを加算した値を学習開度GACPの上限値M
AXACPとし、平均値に対して定数Aを減算した値を
学習開度GACPの下限値MINACPとして、学習開
度GACPのための学習範囲を設定している。また、こ
れと同様に各温度範囲THW(α)毎に20個のエンジ
ン回転数NEのデータを平均するとともに、その平均値
に対して定数Bを加算した値を学習回転数GNEの上限
値MAXNEとし、平均値に対して定数Bを減算した値
を学習回転数GNEの下限値MINNEとして学習範囲
を設定している。そして、各学習範囲内にあるアクセル
開度ACP、エンジン回転数NEを学習開度GACP、
学習回転数GNEとして設定している。従って、発進又
はレーシングの判定時において読み込まれる学習開度G
ACP及び学習回転数GNEをそのときの温度範囲TH
W(α)に応じた判定にとって精度の高いものとなる。
そのため、基準値ACP1及び基準値NE1をいずれの
温度範囲に対しても常に一定の定数として設定し、その
数値をできる限り小さい値となるよう設定したとして
も、個々のサーモワックスの違い、または、温度や劣化
もしくは種類の差に起因するエンジンオイルの粘度のば
らつき等によってアクセル開度ACPの特性やエンジン
回転数NEの特性変化が多少変動した場合でも発進又は
レーシングと誤認するおそれはない。そして、実際にこ
の実施例においては、基準値ACP1及び基準値NE1
をできる限り小さい値となるよう設定したので、アイド
リング状態から発進又はレーシングが行われたときに
は、即座に開度差ΔACPが基準値ACP1以上となる
か又は回転数差ΔNEが基準値NE1以上となる。従っ
て、速やかに排気絞り及びアイドルアップを解除させる
ことができ、もってディーゼルエンジン1の背圧の上昇
を抑制し、スモークの増加を防止することができる。
【0063】また、この実施例では、各温度範囲THW
(α)における学習開度GACP及び学習回転数GNE
が、暖機を伴うアイドリング時、すなわちファーストア
イドル時において温度変化等によって変動するアクセル
開度ACP及びエンジン回転数NEに対応するように学
習され、学習開度GACP及び学習回転数GNEとして
更新される。従って、個々のサーモワックスの違いやエ
ンジンオイルの粘度ばらつき等によってアクセル開度A
CP又はエンジン回転数NEが変化したとしても、その
変化に対応して学習開度GACP及び学習回転数GNE
が更新されるので、その変化を発進又はレーシングが行
われたものとして誤認するおそれがなく、誤って排気絞
りを解除させてしまうのを未然に防止することができ
る。
【0064】さらに、この実施例では、学習開度GAC
P及び学習回転数GNEの設定とその学習範囲の設定ル
ーチンにおいて、過去20回の平均のデータから所定量
以上かけ離れたものを演算の対象から除外するようにし
ている。従って、平均値、学習範囲を精度の高いものと
することができ、ひいては、学習開度GACP及び学習
回転数GNEを精度の高いものとすることができる。そ
の結果、基準値ACP1及び基準値NE1をより小さく
設定することができ、発進時又はレーシング時には排気
絞り及びアイドルアップの解除を速やかに行うことがで
きる。
【0065】併せて、この実施例では、アクセル開度A
CP及びエンジン回転数NEの双方の変化を考慮して、
開度差ΔACPが基準値ACP1以上となったとき、あ
るいは回転数差ΔNEが基準値NE1以上となったとき
のいずれか一方の場合に排気絞り及びアイドルアップを
解除させるようにしている。従って、個々の燃料噴射ポ
ンプ6やディーゼルエンジン1の特性の違いに応じて、
発進又はレーシングが行われた際には排気絞り及びアイ
ドルアップの解除をより素早く行うことができる。ま
た、ロータリポジションセンサ33又はエンジン回転数
センサ32のいずれか一方における検出が万が一適正に
行われなかった場合でも発進又はレーシングが行われた
とき排気絞り及びアイドルアップの解除を確実に行うこ
とができる。
【0066】なお、この発明は前記実施例に限定される
ものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一
部を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施例では、アクセル開度ACP及びエンジ
ン回転数NEの双方を検出し、アクセル開度ACPと学
習開度GACPとの開度差ΔACPが基準値ACP1以
上となったとき、又は、エンジン回転数NEと学習回転
数GNEとの回転数差ΔNEが基準値NE1以上となっ
たときのいずれか一方の場合に排気絞り及びアイドルア
ップを解除させるようにしたが、アクセル開度ACPの
みによって排気絞り及びアイドルアップの解除の判定を
行ったり、エンジン回転数NEのみによって排気絞り及
びアイドルアップの解除の判定を行ったりしたりしても
よい。
【0067】(2)前記実施例では、学習開度GACP
及び学習回転数GNEの設定とその学習範囲の設定ルー
チンにおいて、アクセル開度ACP及びエンジン回転数
NEについて最新の20個のデータの平均値から±5%
又は±50rpm以上かけ離れたデータは演算の対象か
ら除外するようにしたが、その数値は特に限定されるも
のではなく、例えば±10%以上かけ離れたデータや±
100rpm以上かけ離れたデータを除外するようにし
てもよい。あるいは、平均値からかけ離れたデータを特
に除外することなく取り入れてもよい。
【0068】(3)前記実施例では、学習開度GACP
及び学習回転数GNEの設定とその学習範囲の設定ルー
チンにおいて、平均値を演算する際に採用するデータの
個数は20個としたが、その数は特に限定されるもので
はなく、20個未満であっても21個以上であってもよ
い。但し、平均値から±5%以上かけ離れたデータを演
算の対象外とする場合には、その個数は多い方が好まし
い。
【0069】(4)前記実施例では、学習開度GACP
及び学習回転数GNEの設定とその学習範囲の設定ルー
チンにおいて、実際の蓄積データがない場合には、予め
実験的、経験的に求められた20個のデータを仮のデー
タとして蓄積するようにし、新規のデータを更新して順
に記憶させてゆくようにしたが、その外に例えば実際の
データが20個蓄積されるまでの20回の間は、仮のデ
ータに基づいて学習範囲を設定するようにしてもよい。
【0070】(5)前記実施例では、温度範囲THW
(α)の設定を10℃毎に行ったが、その間隔は特に限
定されるものではなく、例えば5℃間隔でも15℃、2
0℃間隔でもよい。
【0071】(6)前記実施例では、暖機装置を過給機
付のディーゼルエンジン1に具体化したが、過給機をも
たないディーゼルエンジンに具体化してもよい。
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、ディーゼルエンジンの始動時に暖機を図るべくアイ
ドルアップ及び排気絞りを行うようにするとともに、発
進又はレーシングの開始を判断するためにアクセル開度
又はエンジン回転数の学習を行うディーゼルエンジンの
ファーストアイドル制御装置において、ディーゼルエン
ジンの温度を検出する温度検出手段と、ディーゼルエン
ジンのアイドリング時と判断したとき、温度検出手段よ
り得られる各温度に対応して回転数又はアクセル開度を
データとして取り込み、予め設定された複数の温度範囲
毎にそれら回転数又はアクセル開度の所定個数データを
平均し、それら平均値に対して所定幅の上限値及び下限
値を付与して学習値の学習範囲として設定する学習範囲
設定手段とを設けるようにしたので、温度変化等に伴う
アイドリング時のエンジン回転数又はアクセル開度の変
化を発進時やレーシング時と誤認して排気絞りを解除さ
せることを防止することができるとともに、発進やレー
シングが行われたときには素早く排気絞りを解除させる
ことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本的な概念構成を説明する概念構
成図である。
【図2】この発明を具体化した一実施例におけるディー
ゼルエンジンのファーストアイドル制御装置を示す概略
構成図である。
【図3】一実施例においてECUの構成を示すブロック
図である。
【図4】一実施例において冷却水温に対するアクセル開
度とその学習範囲の関係を示すマップである。
【図5】一実施例において冷却水温に対するエンジン回
転数とその学習範囲の関係を示すマップである。
【図6】一実施例においてECUにより実行される学習
開度及び学習回転数の設定とその学習範囲の設定ルーチ
ンを説明するフローチャートである。
【図7】一実施例においてECUにより実行される学習
開度及び学習回転数の設定とその学習範囲の設定ルーチ
ンを説明する図6に続くフローチャートである。
【図8】一実施例においてECUによりアイドリング時
に実行される暖機制御ルーチンを説明するフローチャー
トである。
【図9】従来例において、冷却水温に対するアクセル開
度とその学習範囲の関係を示すマップであって、学習範
囲を広くとった場合を説明する図である。
【図10】従来例において、冷却水温に対するエンジン
回転数とその学習範囲の関係を示すマップであって、学
習範囲を広くとった場合を説明する図である。
【図11】従来例において、冷却水温に対するアクセル
開度とその学習範囲の関係を示すマップであって、学習
範囲をアクセル開度の大きい領域に狭くとった場合を説
明する図である。
【図12】従来例において、冷却水温に対するエンジン
回転数とその学習範囲の関係を示すマップであって、学
習範囲をエンジン回転数の大きい領域に狭くとった場合
を説明する図である。
【図13】従来例において、冷却水温に対するアクセル
開度とその学習範囲の関係を示すマップであって、学習
範囲をアクセル開度の小さい領域に狭くとった場合を説
明する図である。
【図14】従来例において、冷却水温に対するエンジン
回転数とその学習範囲の関係を示すマップであって、学
習範囲をエンジン回転数の小さい領域に狭くとった場合
を説明する図である。
【符号の説明】 1…ディーゼルエンジン、5…排気通路、11…排気絞
り弁、12…排気絞り用アクチュエータ、16…排気絞
り用VSV、20…作動プレート、22…アイドルアッ
プ用アクチュエータ、24…アイドルアップ用VSV、
31…温度検出手段としての水温センサ、32…運転状
態検出手段としてのエンジン回転数センサ、33…運転
状態検出手段としてのロータリポジションセンサ、34
…運転状態検出手段としての車速センサ、41…暖機制
御手段、学習手段、排気絞り解除制御手段、学習範囲設
定手段を構成するECU。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼルエンジンの排気通路途中に設
    けられて排気絞りを行うために作動させる排気絞り機構
    と、 前記ディーゼルエンジンへの供給燃料を増量してアイド
    ルアップを行うために作動させるアイドルアップ機構
    と、 前記ディーゼルエンジンのアイドリング時にその暖機を
    図るべく、前記排気絞り機構を作動させるとともに前記
    アイドルアップ機構を作動させるように制御する暖機制
    御手段と、 前記ディーゼルエンジンの回転数又はその回転数変化に
    相当するアクセル開度を検出する運転状態検出手段と、 前記運転状態検出手段の検出結果に基づき、前記排気絞
    り機構及び前記アイドルアップ機構の作動時におけるデ
    ィーゼルエンジンの回転数又はアクセル開度を学習する
    学習手段と、 前記運転状態検出手段により検出される現在の回転数又
    はアクセル開度と前記学習手段による学習値との差を求
    め、その差が予め定められた基準値以上であると判断し
    たときに前記排気絞り機構及びアイドルアップ機構の作
    動を解除する排気絞り解除制御手段とを備えたディーゼ
    ルエンジンのファーストアイドル制御装置において、 前記ディーゼルエンジンの温度を検出する温度検出手段
    と、 前記運転状態検出手段の検出結果に基づき、前記ディー
    ゼルエンジンのアイドリング時と判断したとき、前記温
    度検出手段より得られる各温度に対応して前記運転状態
    検出手段より得られる回転数又はアクセル開度をデータ
    として取り込み、予め設定された複数の温度範囲毎にそ
    れら回転数又はアクセル開度の所定個数データを平均
    し、それら平均値に対して所定幅の上限値及び下限値を
    付与して前記学習手段における学習値の学習範囲として
    設定する学習範囲設定手段とを設けたことを特徴とする
    ディーゼルエンジンのファーストアイドル制御装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5974795A (en) * 1997-05-09 1999-11-02 Nissan Motor Co., Ltd. Diesel engine controller
JP2009221881A (ja) * 2008-03-13 2009-10-01 Yanmar Co Ltd エンジン

Cited By (3)

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US8423266B2 (en) 2008-03-13 2013-04-16 Yanmar Co., Ltd. Engine

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