JPH05248117A - 制震構造物 - Google Patents

制震構造物

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JPH05248117A
JPH05248117A JP4822192A JP4822192A JPH05248117A JP H05248117 A JPH05248117 A JP H05248117A JP 4822192 A JP4822192 A JP 4822192A JP 4822192 A JP4822192 A JP 4822192A JP H05248117 A JPH05248117 A JP H05248117A
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Isao Nishimura
功 西村
Mitsuo Sakamoto
光雄 坂本
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Kajima Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 振動エネルギーの吸収をダンパのみに依存し
て振動を受動的に低減する構造物において、使用ダンパ
の個数を削減する。 【構成】 複数層からなる構造物Bの中間層b2にのみ、
この中間層b2を挟んだ下層階b1と上層階b3間の相対水平
変位時に減衰力を発生するダンパDを設置し、構造物B
全体を、下層階b1と上層階b3との間に中間層b2とダンパ
Dが接続した、下層階b1と上層階b3からなる2質点に分
割して下層階b1と上層階b3の振動を独立させると同時
に、上層階b3と下層階b1の各固有振動数を調整したもの
で、構造物B自身を動吸振器として機能させることによ
り中間層b2のみの少数のダンパDの使用によって構造物
Bの振動を低減するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は地震時等の構造物の振
動を受動的に低減する、制震構造物に関するものであ
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】地震時等の構造物の振
動を受動的に低減する制震方法には現在、構造物をバネ
支承によって地盤から絶縁すると同時に、支承のバネ定
数とダンパの減衰を調整して構造物の外乱との共振を回
避する免震方法や、構造物に外乱と共振する振動体(マ
ス)を付加し、振動体に振動を生じさせることにより構
造物のエネルギーを消費させ、その振動をダンパによっ
て減衰させる方法の他、構造物内の適所にダンパを設置
し、振動時の層間変位等の相対変位を利用してダンパに
エネルギーを吸収させる方法等があるが、この中で、エ
ネルギーの吸収をダンパのみに依存して構造物の振動を
低減する制震方法では、層間で生ずる変位をダンパに伝
達してこれにエネルギーを吸収させることから、各層の
揺れを抑えるには層間単位でエネルギーの吸収と減衰を
行う必要があるためダンパは各層毎に設置され、多数使
用される結果となっている。
【0003】この発明は上記のダンパにより制震する方
法の実情を踏まえてなされたもので、その使用個数を削
減する構造物を新たに提案しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では複数層からな
る構造物内の中間層(複数の連続する中間層を含む)に
のみ、この中間層を挟んだ下層階と上層階間の相対水平
変位時に減衰力を発生するダンパを設置し、中間層のみ
のダンパの存在によって構造物全体を、下層階と上層階
との間に中間層とダンパが接続した、下層階と上層階か
らなる2質点に分割することにより下層階と上層階の振
動を独立させると同時に、上層階と下層階の両固有振動
数を一致,もしくは接近させ、構造物自身を動吸振器化
することにより少数のダンパの使用によって有効に構造
物の振動を低減する。
【0005】ダンパが中間層にのみ設置され、ここに減
衰が付加されることにより構造物全体は概略で中間層の
上下に質量が集中した下層階と上層階の2質点に分割さ
れる。この結果、中間層とダンパを介して下層階と上層
階が接続した構造物は上部の質点が下部の質点にバネと
ダッシュポットとで接続した2質点振動系にモデル化さ
れ、両質点を接続するバネのバネ定数である中間層の水
平剛性と、上部の質点の質量である上層階の重量が地盤
に接続したバネと下部の質点に相当する下層階の水平剛
性と重量に対応して調整され、上層階と下層階の両固有
振動数がある一定の比率になるよう、調整されることに
より構造物自身が上部の質点でエネルギーを消費しなが
ら振動を減衰させる動吸振器として機能し、中間層のみ
のダンパによって構造物の振動低減が有効に行われる。
【0006】構造物における動吸振器は主振動系の構造
物と、その頂部に付加され、構造物にバネとダンパとで
接続した、吸振器系のマスとから構成され、マスの振動
数が構造物の振動数に一致させられ、もしくはその付近
に設定され、マスが構造物の振動時に共振することによ
り構造物から移行する振動エネルギーを消費しながらダ
ンパによってマスの振動を減衰させるものであるが、本
発明の、中間層にのみダンパが設置された構造物は、下
層階が主振動系、上層階が吸振器系となり、ダンパとと
もに中間層が主振動系と吸振器系を接続するバネと減衰
の機能を併せ持つことにより動吸振器と同一の振動系を
構成する。
【0007】
【実施例】以下本発明を一実施例を示す図面に基づいて
説明する。
【0008】この発明の制震構造物は図1に示すように
複数層からなる構造物Bの中間層(複数の連続する中間
層を含む)b2にのみ、中間層b2を挟んだ下層階b1と上層
階b3間の相対水平変位時に減衰力を発生するダンパDを
設置し、構造物B全体を、下層階b1と上層階b3との間に
中間層b2とダンパDが接続した、下層階b1と上層階b3
らなる2質点に分割し、下層階b1と上層階b3の振動を独
立して生じさせると同時に、上層階b3と下層階b1の両固
有振動数をある一定の比率になるように調整し、構造物
B自身を動吸振器として挙動させることにより構造物B
の振動を低減するものである。
【0009】前記した通り、ダンパDが複数層の内の中
間層b2にのみ設置された場合、図1に示す構造物B全体
は概略的に図2に示すような、中間層b2を挟んだ下層階
b1と上層階b3の2質点に分割され、下層階b1が質量m1
質点と地盤との間のバネ定数k1のバネに、上層階b3が質
量m3の質点に、また中間層b2が両質点m1,m3を接続する
バネ定数k2のバネに、ダンパDが減衰係数c2のダッシュ
ポットにそれぞれ置き換えられ、構造物Bは2質点振動
系を構成する。
【0010】この図2に示す2質点系モデルは構造物の
頂部に付加マスが設置された動吸振器の振動モデルと同
一であり、この振動系はバネ定数k2に相当する中間層b2
の水平剛性と質量m2である上層階b3の重量が、バネ定数
k1と質量m1に相当する下層階b1の水平剛性と重量に応じ
て調整され、上層階b3と下層階b1の両固有振動数(角振
動数)が適当に調整されることにより構造物B自身が動
吸振器として機能する。
【0011】動吸振器における、主振動系と吸振器系の
各固有角振動数はそれぞれの系のバネ定数と質量によっ
て決まり、本発明の場合、下層階b1(m1の質点)と上層
階b3(m3の質点)の各固有角振動数ω13 はω1
(k1/m1)1/2, ω3 =(k2/m3)1/2と表されるから、下
層階b1の重量(m1)と水平剛性(k1)、及び上層階b3
重量(m3)と中間層b2の水平剛性(k2)が適当に調整さ
れることにより両固有角振動数ω13 の比ω13
調整される。
【0012】下層階b1と上層階b3の固有角振動数比が調
整されることにより、構造物Bは動吸振器と同じく下層
階b1の振動に伴って上層階b3が振動し、下層階b1と共振
することによって下層階b1に入力する振動エネルギーを
消費する一方、その振動をダンパDによって減衰させる
構造となる。
【0013】動吸振器における吸振器系の減衰率hはそ
の質量の、主振動系の質量に対する比(質量比μ)で決
まり(減衰率h=〔3μ/8(1+μ) 〕1/2 )、通常は付
加マスの質量が構造物の重量に影響のない程度、すなわ
ち質量比μが1%〜10%程度の範囲で設計されるが、本
発明ではマスを付加することに代え、構造物B自身の上
層階b3の重量を吸振器系の質量として利用することか
ら、質量比(μ=m3/m1)が大きく、減衰率も上昇する
ことになる。
【0014】ダンパDは中間層b2の、上層階b3側の躯体
と下層階b1側の躯体との間や、軸方向に相対変位可能に
組み立てられたブレースの一部等、上層階b3と下層階b1
間の相対水平変位時にある面内で、もしくは1方向に相
対変位を生ずる箇所に設置される。
【0015】ダンパDは上層階b3の振動時、すなわち上
層階b3の下層階b1に対する相対水平変位時に作動して振
動を減衰させる形態であればよく、本発明で使用される
ダンパDの形式は問われない。
【0016】
【発明の効果】この発明は以上の通りであり、複数層の
構造物の中間層にのみ、この中間層を挟んだ下層階と上
層階間の相対水平変位時に減衰力を発生するダンパを設
置し、構造物全体を、下層階と上層階との間に中間層と
ダンパが接続した、下層階と上層階からなる2質点に分
割して下層階と上層階の振動を独立させると同時に、上
層階と下層階の両固有振動数を調整したものであるた
め、下層階が主振動系、上層階が吸振器として、またダ
ンパを含めた中間層が主振動系と吸振器系を接続するバ
ネとダンパして機能し、構造物自身が動吸振器と同一の
振動系を構成する結果、構造物は中間層のみのダンパに
よって動吸振器と同様の機構により振動エネルギーを消
費しながら、振動を減衰させることができ、少数のダン
パの使用によって有効に構造物の振動を低減することが
できる。
【0017】特に吸振器系が付加マスとは異なり、構造
物の一部である上層階であるため主振動系との質量比が
大きく、振動の低減効果も大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構造物の概要を示した概念図である。
【図2】図1を振動系に置き換えて示したモデル図であ
る。
【符号の説明】
B……構造物、D……ダンパ、b1……下層階、b2……中
間層、b3……上層階。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数層からなる構造物内の中間層,ある
    いは複数の連続する中間層にのみ、この中間層,あるい
    は複数の中間層を挟んだ下層階と上層階間の相対水平変
    位時に減衰力を発生するダンパを設置し、構造物全体
    を、下層階と上層階との間に中間層,あるいは複数の中
    間層とダンパが接続した、下層階と上層階からなる2質
    点に分割して下層階と上層階の振動を独立させ、且つ上
    層階と下層階の両固有振動数をある一定の比率になるよ
    う、調整してあることを特徴とする制震構造物。
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