JPH05247573A - アルミニウム合金およびパンタグラフの補助すり板 - Google Patents

アルミニウム合金およびパンタグラフの補助すり板

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JPH05247573A
JPH05247573A JP10046091A JP10046091A JPH05247573A JP H05247573 A JPH05247573 A JP H05247573A JP 10046091 A JP10046091 A JP 10046091A JP 10046091 A JP10046091 A JP 10046091A JP H05247573 A JPH05247573 A JP H05247573A
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JP
Japan
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aluminum alloy
auxiliary
pantograph
weight
alloy
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Pending
Application number
JP10046091A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Tsuchiya
広志 土屋
Shunichi Kubo
俊一 久保
Harutoshi Matsuyama
晴俊 松山
Masahiro Tsuchiya
昌弘 土屋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Railway Technical Research Institute
MA Aluminum Corp
Original Assignee
Mitsubishi Aluminum Co Ltd
Railway Technical Research Institute
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 パンタグラフの補助すり板に好適なアルミニ
ウム合金を提供し、かつ軽量でかつ耐摩耗性、特に耐通
電摩耗性に優れたパンタグラフの補助すり板を提供する
ことを目的としている。 【構成】 シリコンが6〜13重量%(以下同じ)、銅
を0.05〜4.0%、マグネシウムを0.3〜2.0
%、ニッケルを0.05〜3.0%含有し、残部がアル
ミニウムおよび不可避不純物の化学成分を有し、組織的
には平均粒径が3〜30μmのシリコン粒子を有するア
ルミニウム合金である。補助すり板は、このアルミニウ
ム合金を押出成型し、溶体化焼入れ、時効処理が施して
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、トロリー線から集電
するパンタグラフにおける補助すり板に好適なアルミニ
ウム合金およびこのアルミニウム合金による補助すり板
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にパンタグラフの補助すり板は主す
り板と同様、トロリー線と摩擦しながら電力を受け取る
為、機械的な耐摩耗性および電気的な耐摩耗性の両性能
が要求される。
【0003】これらの性能のうち、より支配的であるの
は電気的摩耗、つまりトロリー線からパンタグラフが離
れる離線時のアークによる摩耗、即ち通電摩耗である。
この通電摩耗では、アーク放電により、補助すり板(焼
結金属、カーボン等で構成される主すり板でも同様)が
部分的に3000〜6000℃程度の表面温度になると
言われており、高温になった部分が局部的に溶解した
り、蒸発したりして消耗する。
【0004】このような条件下におかれるパンタグラフ
の補助すり板は、従来、軽量化の要請もある為、606
3アルミニウム合金が使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記6063アルミニ
ウム合金は軽量化の要請については満足できるものであ
ったが、前記通電摩耗性に劣るものであったので結果と
して、補助すり板の交換頻度を多くしなければならない
問題点があった。
【0006】この発明はこのような問題点に鑑みてなさ
れたもので、パンタグラフの補助すり板に好適なアルミ
ニウム合金を提供することを目的とし、又、軽量でかつ
耐摩耗性、特に耐通電摩耗性に優れたパンタグラフの補
助すり板を提供することも目的としている。
【0007】
【課題を解決する為の手段】前記の目的を達成するこの
発明のパンタグラフの補助すり板用のアルミニウム合金
は、シリコン(Siとも言う)を6〜13重量%(以下%
は全て重量%である)、銅(Cuとも言う)を0.05〜
4.0%、マグネシウム(Mgとも言う)を0.3〜2.
0%、ニッケル(Niとも言う)を0.05〜3.0%含
有し、残部がアルミニウム(Alとも言う)および不可避
不純物の化学成分を有し、組織的には平均粒径が3〜3
0μmのSi粒子を有していることを特徴としている。
【0008】又、この発明のパンタグラフの補助すり板
は、前記のアルミニウム合金の成型品でなることを特徴
としている。
【0009】前記成型品は、押出により成型し、機械的
な強度を確保する為に、成型後、溶体化焼入れおよび時
効処理を施す。
【0010】
【作用】Siは、材料中に添加されSi粒子として晶出する
ことによりアルミニウム合金の機械的な耐摩耗性を向上
させる。添加量が6%未満では晶出物の絶対量が不足
し、充分な耐摩耗性が得られない。逆に、13%を越え
ると粗大な初晶が晶出するようになり、押出加工をした
際、押出材の表面粗度が増大する等、押出性が阻害さ
れ、補助すり板素材の製造に適さなくなる。
【0011】このようにSiはアルミニウム合金の機械的
な耐摩耗性を向上させるが、パンタグラフの補助すり板
用の合金として考慮した場合、Si粒子の粒度が耐通電摩
耗性に影響を与える。
【0012】この発明のアルミニウム合金では、添加す
るSi粒子の平均粒径を3〜30μmとして耐通電摩耗性
を向上させた。平均粒径が3μm未満の場合には機械的
な耐摩耗性が損なわれる。又、平均粒径が30μmを越
えると、通電摩耗時にこのSi粒子が欠落し、大幅な通電
摩耗が生ずるようになる。
【0013】Cuの添加によって母材の強度を向上させる
ことができる。Al中に添加されたCuは成型加工後に実施
される溶体化焼入れ、時効処理によって金属間加工物Cu
Al2を生成する為である。このような作用を得る為のCu
は少くとも0.05%以上、好ましくは1.4%以上必
要である。4.0%を越えると、補助すり板素材を製造
する為の押出加工の際に、押出圧力を増加する必要が生
じ、押出性を阻害するようになる。
【0014】Mgの添加によっても、母材の強度を向上さ
せる。Al中に添加されたMgは、前記溶体化焼入れ、時効
処理によって金属間加工物Mg2 Siを生成する為である。
このような作用を得る為にMgは0.3〜2.0%必要で
ある。0.3%未満では前記金属間加工物が充分に生成
できない為であり、2.0%を越えると、押出加工をし
た場合、押出圧力の増加を必要とし、又、押出材の表面
粗度も増し、押出性が低下する為である。
【0015】Niの添加は、添加したNiのほとんどがAl−
Ni系の微細金属間化合物相として存在することになり、
耐通電摩耗性を向上させる。Niの添加量が0.05%未
満ではこの作用効果は充分得られない。又、添加量が
3.0%を越えると、押出加工の際、押出材の表面粗度
を劣化させ押出性が阻害される。
【0016】
【実施例】図1はこの発明のアルミニウム合金で製造し
た補助すり板1の使用状態を示している。即ち、図中2
がパンタグラフを構成する舟体であり、該舟体2の上面
中央部に4枚の主すり板3、3が2列に取付けられ、主
すり板3、3の外側に補助すり板1、1が連設されてい
る。補助すり板1は、この発明のアルミニウム合金を所
定の断面寸法に押出成型した後、押出材を裁断し、53
0℃の温度で溶体化焼入れ(水冷)を行ない、その後1
75℃、8時間の時効処理を施して製品とした。
【0017】前記溶体化処理および時効処理の条件は、
現在一般的に行われている条件で行えば良いもので、溶
体化処理では温度500〜530℃の範囲、時効処理で
は温度150〜180℃、時間10時間前後の範囲で行
うことが可能である。
【0018】この発明のアルミニウム合金の特性を確認
する為に、表1に示す化学成分の種々のアルミニウム合
金を、直径201mmのビレットとして半連続鋳造法で製
造し、均質化処理を実施した後、間接押出機で角棒を押
出成型した。次いでこの角棒を切断し、530℃の温度
で溶体化焼入れ(水冷)を実施後、175℃、8時間の
時効処理をして、各アルミニウム合金の評価を行った。
【0019】Siの粒径は、ミクロ組織を観察し測定し
た。強度はJIS5号試験片を作成し、引張試験で求め
た。押出加工性は、押出成型時の押出圧力パターンに基
づいて判定した。又、耐通電摩耗性については純銅の模
擬トロリー線を使用し、周速25km/h、電圧100v、
電流100Aの条件で10分間の試験を行い、供試材の
摩耗量および摩耗面の状態から判定した。
【0020】
【表1】
【0021】表1において、合金No.1〜5は、この発
明のアルミニウム合金であり、合金No.6〜13は比較
の為のアルミニウム合金である。又、合金No.14は6
063アルミニウム合金である。
【0022】合金No.1〜5のこの発明のアルミニウム
合金は、何れも引張強度が30kgf/mm2 以上の高強度で
あり、押出性も良く、又、耐通電摩耗性も比摩耗量で1
00×10-8mm2 /N以下と良好で、総合的に、パンタ
グラフの補助すり板に適しているものであった。
【0023】合金No.6は、Siの添加量が13%を越え
るもので、押出性が悪く、摩耗量も多かった。合金No.
7はSiの添加量が6%未満のもので摩耗量が多かった。
合金No.8はCuの添加量が4%を越えるもので、押出性
が悪かった。合金No.9はCuの添加量が0.05%未満
のもので引張強度が若干低く、又摩耗量が多かった。合
金No.10はMgの添加量が2.0%を越えるもので、押
出性が悪かった。合金No.11はMgの添加量が0.3%
未満のもので、引張強度が若干低く、又、摩耗量が多か
った。合金No.12はNiの添加量が3.0%を越えるも
ので、押出性が悪かった。合金No.13はNiの添加量が
0.05%未満のもので摩耗量が多かった。然して合金
No.6〜13は総合的に、補助すり板用のアルミニウム
合金としては適していないものであった。
【0024】次に、合金No.14の6063アルミニウ
ム合金は、引張強度が低く、又、摩耗量が多い合金であ
った。
【0025】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明のアル
ミニウム合金によれば、強度、押出性共に優れており、
又、耐通電摩耗性も高いので、良好なパンタグラフの補
助すり板を製造できる効果がある。
【0026】又、この発明のパンタグラフの補助すり板
によれば、耐通電摩耗性が高いので、補助すり板の交換
頻度を少くできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の使用状態を示す図であり、
(a) は舟体の平面図、(b) は舟体の正面図。
【符号の説明】
1 補助すり板 2 舟体 3 主すり体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松山 晴俊 静岡県三島市芙蓉台3丁目14−40 (72)発明者 土屋 昌弘 静岡県静岡市用宗4丁目1−25

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンを6〜13重量%、銅を0.0
    5〜4.0重量%、マグネシウムを0.3〜2.0重量
    %、ニッケルを0.05〜3.0重量%含有し、残部が
    アルミニウムおよび不可避不純物の化学成分を有し、組
    織的には、平均粒径が3〜30μmのシリコン粒子を有
    していることを特徴とするパンタグラフの補助すり板用
    のアルミニウム合金
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアルミニウム合金の成型
    品でなることを特徴とするパンタグラフの補助すり板
  3. 【請求項3】 成型品は、押出により成型され、溶体化
    焼入れおよび時効処理が施されている請求項2記載のパ
    ンタグラフの補助すり板
JP10046091A 1991-04-05 1991-04-05 アルミニウム合金およびパンタグラフの補助すり板 Pending JPH05247573A (ja)

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