JPH05247381A - 金属表面処理用組成物 - Google Patents

金属表面処理用組成物

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Publication number
JPH05247381A
JPH05247381A JP4867492A JP4867492A JPH05247381A JP H05247381 A JPH05247381 A JP H05247381A JP 4867492 A JP4867492 A JP 4867492A JP 4867492 A JP4867492 A JP 4867492A JP H05247381 A JPH05247381 A JP H05247381A
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JP
Japan
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weight
component
solid content
composition
corrosion resistance
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Application number
JP4867492A
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English (en)
Inventor
Masayoshi Shirakawa
雅義 白川
Kenichi Osawa
健一 大澤
Fumio Mizuochi
文夫 水落
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Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、耐食性、曲げ加工後の耐食性、表
面保護性、耐薬品性、接着剤との密着性及び電着塗料と
の密着性に優れる鋼板を得るための、当該鋼板表面に適
用される処理剤組成物を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の組成物は、特定のビスフェノール型
エポキシ樹脂エマルション(A) 、活性水素含有量が特定
されたアミノ基又はイミノ基含有有機化合物(B)、ブタ
ジエンとアクリロニトリルの含有量が特定されたブタジ
エンとアクリロニトリルの共重合体ラテックス(C) 及び
比表面積100 m2/g以上のシリカゾル(D) を、これら(A)
、(B) 、(C) 及び(D) の固形分の合計として 5〜50重
量% に、(A)と(B) は(A) のエポキシ基1当量に対し(B)
の活性水素0.5 〜2 当量の比率に、(C) の固形分は(A)
と(B) の固形分の合計に対し33〜300 重量% に、(D)
の固形分は(A) と(B) と(C) の固形分の合計に対し10〜
100 重量% に含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼板、亜鉛めっき鋼
板、合金化亜鉛めっき鋼板、表面を化成処理した鋼板等
各種鋼板の表面処理に用いられる組成物の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】上記各種鋼板には、これら金属材料の耐
食性改善、表面保護等の目的で、防錆油塗布処理が行わ
れているが、近年、これら金属材料表面に同様の目的で
0.5〜10μ程度の有機樹脂皮膜を施すことも行われるよ
うになっている。この有機樹脂皮膜形成材料として、従
来より、各種有機樹脂の塗料が多用されていたが、無機
微粒子と各種有機樹脂からなる改良された組成物も多く
提案されている。
【0003】例えば、特公昭 54-34406 号公報にはアク
リル樹脂、シラン化合物及び微粒子シリカからなる塗料
が、特公昭 54-34784 号公報にはエポキシエステル樹脂
及び微粒子シリカからなる塗料が、そして特公昭 61-36
587 号公報にはカルボキシル化ポリエチレン及び微粒子
シリカからなる塗料が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】エポキシエステル樹
脂、エポキシ/アクリル樹脂、エポキシ/アミノ樹脂、
エポキシ/フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の有機溶
剤溶液型の塗料は、これを塗装する際に、作業雰囲気中
に有機溶剤が揮散するため、作業者の人体に対する安全
衛生が良好でなく、また、大気汚染、火災、爆発等の危
険性もある。
【0005】変成アクリル樹脂と微粒子シリカを含有す
る水性塗料は上記難点はないが、例えば、この塗料の被
膜上に更に電着塗料を塗装すると、電着塗料の塗膜との
密着性、低温環境下での耐衝撃性、塗装面と接着剤との
接着性が充分でない等の問題がある。エポキシエステル
樹脂とシリカ微粒子を含有する水性塗料の場合にも、上
記変成アクリル樹脂と微粒子シリカを含有する水性塗料
の場合と同様の問題がある他、この塗料の皮膜を設けた
鋼板に曲げ加工を施すと、鋼板の耐食性が加工前に比べ
て極端に低下する。
【0006】また、変成オレフィン樹脂とシリカ微粒子
を含有する水性塗料も、上記変成アクリル樹脂と微粒子
シリカを含有する水性塗料の場合と同様の問題がある
他、この塗料の被膜上に電着塗料を塗装すると、被膜面
への電着塗装性が低く、電着塗料との密着性、低電圧下
での電着塗装性等が充分でない。本発明は、鋼板、亜鉛
めっき鋼板、合金化亜鉛めっき鋼板、特にこれらにリン
酸塩処理、クロメート処理等の化成処理を施した鋼板の
表面に薄い皮膜を設けたときに、耐食性、表面保護、耐
薬品性、曲げ加工後の耐食性、接着剤との密着性及び電
着塗料との密着性のいずれも卓越した鋼板が得られる如
き改良された皮膜形成用の組成物を提供しようとするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の金属表面処理用
組成物は、分子量 800〜2000のビスフェノール型エポキ
シ樹脂の水性エマルション(A) 、アミノ基又はイミノ基
をその活性水素として5 〜10当量/kg の比率に含有する
化合物(B) 、ブタジエンとアクリロニトリルをモノマー
換算で合計90重量% 以上含有し、かつ、アクリロニトリ
ルをモノマー換算で20〜50重量%含有するブタジエンと
アクリロニトリルの共重合体ラテックス(C) 、及び比表
面積が少なくとも 100 m2/g であるコロイダルシリカの
水性ゾル(D) を、これら (A)、(B) 、(C) 及び (D)の固
形分として 5〜50重量% の濃度に、かつ、(A) と(B) と
は (A)に含有されるエポキシ基1当量に対して (B)に含
有されるアミノ基又はイミノ基の活性水素 0.5〜2 当量
の比率に、 (C)の固形分は(A) と(B) の固形分合計100
重量部に対して33〜300 重量部の比率に、そして、(D)
の固形分は (A)と (B)と (C)の固形分合計 100重量部に
対して10〜100 重量部の比率に含有することを特徴とす
る。
【0008】(A) 成分に用いられるビスフェノール型エ
ポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型のエポキシ樹
脂、ビスフェノールF型のエポキシ樹脂のいずれでもよ
い。その分子量としては 800〜2000が好ましく、市販品
として容易に入手することができる。その例としては、
油化シェルエポキシ(株)製商品名エピコート100
1、エピコート1002、エピコート1055、エピコ
ート1004等が挙げられ、これらの混合物としても用
いることができる。
【0009】(A) 成分のエポキシ樹脂水性エマルション
は、上記エポキシ樹脂から種々の方法で得ることができ
る。例えば、上記エポキシ樹脂をトルエン、エチルセロ
ソルブ、酢酸エチル等の有機溶剤に溶解することによっ
て得られた溶液を、ポリオキシエチレンソルビタンエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンひまし油、ポリエチレンオキシド/ポリプロピ
レンオキシドのブロック共重合体等のノニオン系界面活
性剤、部分けん化ポリビニルアルコール、水溶性セルロ
ース誘導体等の分散剤、トリポリリン酸ナトリウム等の
分散助剤の存在下で水に分散した後、得られた分散液か
ら有機溶剤を加熱留去若しくは減圧留去することによっ
て得られる。
【0010】また、上記エポキシ樹脂を加熱溶融物を、
上記界面活性剤、分散剤、分散助剤の等の存在下に、高
速ミキサーを用いて、直接、水に分散する方法によって
も得られる。さらに、上記エポキシ樹脂の有機溶剤溶液
に、少量のアクリル酸やメタクリル酸等の重合性不飽和
カルボン酸、あるいは、かかる重合性不飽和カルボン酸
とアクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エ
ステル、スチレン等との混合物を加え、過酸化物等の重
合開始剤を用いてこれらモノマーに重合を起こさせるこ
とによって該液中に高分子界面活性成分を形成させた
後、得られた液をアミン類やアルカリ成分存在下で水に
分散させ、次いで得られた分散液から有機溶剤を加熱留
去若しくは減圧留去することによっても得られる。
【0011】これらエポキシ樹脂の水性エマルション
は、その固形分含有量が70重量% 程度のものまで得られ
るが、必要に応じて、水を加えて希釈して用いることが
できる。(B) 成分はアミノ基又はイミノ基を含有する有
機化合物であり、その活性水素含有量が 5〜10当量/kg
であるものが好ましく、分子内にアミノ基又はイミノ基
の活性水素を2個以上有するポリアミン、ポリアミノア
ミド、ポリアミノアミドとエポキシ樹脂との付加物、あ
るいは、ポリアミンとエポキシ樹脂との付加物等があげ
られ、これらの混合物としても用いることができる。こ
れらアミノ基又はイミノ基を含有する有機化合物は水溶
性のものが好ましいが、水に溶けにくい化合物であって
も、各種界面活性剤、分散剤、分散助剤等を用いて水に
乳化分散させることによって、好ましく用いることがで
きる。
【0012】(B) 成分に用いられるアミノ基又はイミノ
基を含有する有機化合物の好ましい例としては、末端に
アミノ基を有するポリエチレンオキシド又はポリプロピ
レンオキシドであって分子量 400〜800 程度のもの;ア
ミノ基又はイミノ基のH原子の一部がメチル基又はエチ
ル基等のアルキル基で置換されたタイプのN-アルキル化
ポリアミン;トール油、大豆油等に含まれる不飽和脂肪
酸を重合して得られる二量化脂肪酸、三量化脂肪酸等
と、トリエチレンテトラミン等活性水素含有率の高いポ
リアミンとを縮合させることにより得られるポリアミノ
アミド;このポリアミノアミドのアミノ基又はイミノ基
の一部にエポキシ樹脂を付加させたタイプのポリアミノ
アミド/エポキシ樹脂付加物;3'−ジエチル−4,4'−ジ
アミノジフェニルメタン等活性水素含有率の高いポリア
ミンのアミノ基の一部にエポキシ樹脂を付加させたタイ
プのポリアミン/エポキシ樹脂付加物等が挙げられる。
【0013】(B) 成分は、(A) 成分に含有されるエポキ
シ基1当量に対して、(B) 成分に含有される上記活性水
素が 0.5〜2 当量、好ましくは 0.8〜1.6 当量となる比
率に用いられる。(C) 成分に含まれるブタジエンとアク
リロニトリルの共重合体は、この2成分をモノマー換算
で合計90重量% 以上含有し、かつ、アクリロニトリルを
モノマー換算で20〜50重量% 含有する共重合体である。
この共重合体としては、ブタジエンとアクリロニトリル
と共に、少量の他の共重合成分、例えば、アクリル酸や
メタクリル酸等の共重合性モノマーを共重合させた酸変
成タイプのブタジエンとアクリロニトリルの共重合体、
少量の2−ヒドロキシエチルメタクリレート等と共重合
させたOH基含有タイプのブタジエンとアクリロニトリ
ル共重合体、少量のN−メチロールアクリルアミド等と
共重合させた自己架橋タイプのブタジエンとアクリロニ
トリルの共重合体等も用いることができる。
【0014】これらブタジエンとアクリロニトリルの共
重合体のラテックスは、通常の方法によって容易に得ら
れる。例えば、ブタジエン、アクリロニトリル、および
その他の所望モノマーを界面活性剤存在下にて、水中
で、過酸化物等の重合開始剤を用いて乳化重合すること
によって、或いは、ブタジエンとアクリロニトリル共重
合体の有機溶剤溶液を、界面活性剤、分散剤、分散助剤
等の存在下で水に分散させた後、得られた分散液から有
機溶剤を加熱留去若しくは減圧留去することによって、
或いは、ブタジエンとアクリロニトリル共重合体の有機
溶剤溶液に、少量のアクリル酸やメタクリル酸等の重合
性不飽和カルボン酸、又はかかる重合性不飽和カルボン
酸とアクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸
エステル、スチレン等との混合物を加え、過酸化物等の
重合開始剤を用いて重合させることにより当該液中に高
分子界面活性成分を形成させた後、得られた液をアミン
類やアルカリ成分存在下で水に分散させた後、得られた
分散液から有機溶剤を加熱留去若しくは減圧留去するこ
とによって得られる。
【0015】通常、かかるブタジエンとアクリロニトリ
ルの共重合体ラテックスは、その固形分含有量として70
重量% 程度のものまで得られ、必要に応じて、水で希釈
して用いることができる。(C) 成分は、上記(A) 成分と
(B) 成分の合計の固形分 100重量部に対して、固形分と
して33〜300 重量部の比率に用いるのが好ましい。
【0016】(D) 成分は、少なくとも 100 m2/g の比表
面積を有するコロイダルシリカの水性ゾルである。この
比表面積は、通常、BET法により測定される。コロイ
ダルシリカの形状としては、球状、非球状のいずれでも
よく、線状の構造を有するもの、或いは凝集体構造を有
するもののいずれも用いることができる。このような水
性シリカゾルは、市販品として容易に入手することがで
きる。用いられるゾルのSiO2濃度は 1〜50重量% 、好ま
しくは 5〜30重量% 程度がよい。
【0017】(D) 成分は、上記(A) 成分、(B) 成分及び
(C) 成分の合計の固形分 100重量部に対して、固形分と
して10〜100 重量部の比率に用いられる。本発明の金属
表面処理用組成物は、上記比率に(A) 、(B) 、(C) 及び
(D) の成分を均一に混合することによって得られる。混
合方法は、一度に混合する方法、逐次に任意の順序に混
合する方法のいずれでもよい。
【0018】上記混合により、(A) 、(B) 、(C) 及び
(D) の成分をその固形分として70重量% 程度まで含有す
る組成物が得られるが、本発明の目的が達成される限
り、任意の成分をさらに含有させてもよい。例えば、必
要に応じて、水を加えて用いることができる。本発明の
組成物は、上記(A) 、(B) 、(C) 及び(D) の成分を固形
分濃度 5〜50重量% 程度、好ましくは10〜40重量% に含
有する組成物として用いるのがよい。
【0019】
【作用】上記(A) 、(B) 、(C) 及び(D) の成分の均一な
混合状態の組成物の未乾燥塗膜に約80〜200 ℃で加熱を
施すと、均質な不溶性の乾燥皮膜が形成されることが見
出された。恐らくこの皮膜は、組成物の乾燥と同時に、
(A) 成分のエポキシ樹脂と(B) 成分のアミノ基又はイミ
ノ基とが反応して架橋構造を有する不溶性の高分子がこ
の乾燥中に速やかに生成することによって、(A) 、(B)
、(C) 及び(D) の成分の分散粒子がそれらの均一分散
に近い状態で硬化することによって生成するものと考え
られる。そして、金属表面上に形成されたこの皮膜の強
靱性、耐薬品性、高い密着性、耐食性改善、電着塗料と
の高い密着性等も上記硬化皮膜をもたらした不溶性の高
分子の生成によるものと考えられる。
【0020】(C) 成分は、(A) 成分と(B) 成分の混合安
定性を高めるばかりでなく、皮膜に柔軟性や弾性を付与
し、曲げ変形が与えられた皮膜にも微細な破壊が起こる
のを防ぐと共に鋼板の耐食性を向上せしめる。(D) 成分
は、発錆時に生ずる鋼板等の表面の電気化学反応を抑制
して、鋼板の耐食性を高めるばかりでなく、皮膜に適度
なすべり性を与える他、耐指紋性をも付与する。
【0021】けれども、かかる好ましい皮膜は、用いら
れる組成物の好ましい組成に大きく依存する。ビスフェ
ノール型エポキシ樹脂を(A) 成分として使用することに
よって、耐食性、耐脱脂浴性、曲げ変形後の鋼板の耐食
性等に卓越した皮膜が得られる。ビスフェノール型エポ
キシ樹脂であっても、分子量が800 より小さい樹脂を
(A) 成分として使用した組成物からの皮膜は、曲げ変形
後の鋼板の耐食性、電着塗装後の耐食性等が低下し、逆
に、分子量が2000を超える樹脂を(A) 成分として使用し
た組成物からの皮膜は、耐食性、電着塗装性等が低下す
る。
【0022】このビスフェノール型エポキシ樹脂の分子
量は組成物自体の性質にも影響を与え、分子量が800 よ
り小さいと、組成物に約1〜約10時間程度という不充分
なポットライフを与える。逆に、分子量が2000を超える
と、組成物のポットライフは長くなるが、組成物の硬化
速度が遅くなり、高温で長時間の焼きつけが必要とな
る。
【0023】アミノ基又はイミノ基の活性水素を 5〜10
当量/kg に含有するアミノ基又はイミノ基含有化合物を
(B) 成分に使用することによって、本発明の好ましい組
成物が得られる。けれども、アミノ基又はイミノ基の活
性水素含有量が5当量/kg より少ないアミノ基又はイミ
ノ基含有化合物を(B) 成分に使用すると、組成物のポッ
トライフは長くなるが、金属上に形成された塗膜を加熱
した際、硬化不良の皮膜が生成する。反対に、この活性
水素含有量が10当量/kg を超えるアミノ基又はイミノ基
含有化合物を使用して得られた組成物は、安定性に乏し
く、ポットライフは極端に低下し、塗装作業中にゲル化
を起こすこともある。
【0024】また、(A) 成分と(B) 成分の組成比率も大
きい影響を与える。(A) 成分に用いられるエポキシ樹脂
に含有されるエポキシ基1当量に対して、(B) 成分に用
いられるアミノ基又はイミノ基含有化合物に含有される
活性水素が 0.5当量より少なくなる比率では、組成物の
ポットライフは長くなるが、その組成物から加熱によっ
て得られる皮膜は硬化不良を起こしやすく、耐脱脂浴性
や鋼板の耐食性も低下する。反対にエポキシ基1当量に
対して活性水素が2当量を超える比率では、組成物の安
定性が乏しく、ポットライフは極端に低下し、塗装作業
中にゲル化が起こる。エポキシ基1当量に対して活性水
素 0.8〜1.6 当量となる比率に(A) 成分と(B) 成分とを
使用すると好ましい組成物が得られる。
【0025】ブタジエンとアクリロニトリルの含有量が
モノマー換算で合計90重量% 未満であるABS 樹脂又はNB
S 樹脂のラテックスを(C) 成分として使用した組成物か
ら得られた皮膜は、柔軟性や弾性に乏しく、曲げ変形後
の鋼板に充分な耐食性を与えない。ブタジエンとアクリ
ロニトリルをモノマー換算で合計90重量% 以上含有する
共重合体であっても、共重合体中のアクリロニトリル含
有量がモノマー換算で20重量% より少ないものを使用し
て得られた組成物からの皮膜は、強度が低下し、また、
曲げ変形後の鋼板の耐食性が低下する。そして、ブタジ
エンとアクリロニトリルをモノマー換算で合計90重量%
以上含有する共重合体であっても、共重合体中のアクリ
ロニトリル含有量がモノマー換算で50重量% より多いも
のを使用して得られた組成物からの皮膜は、曲げ変形後
の鋼板の耐食性は良好であるが、耐脱脂浴性等の性能が
低下する。
【0026】(C)成分を、(A) 成分と(B) 成分の固形分
の合計 100重量部に対して33重量部より少ない比率に使
用した組成物から得られた皮膜は、柔軟性に乏しく、曲
げ変形後の鋼板の耐食性が低下する。反対に、 300重量
部を超える比率に使用して得られた皮膜は、鋼板表面と
の密着性、耐脱脂浴性、鋼板の耐食性等の性能低下をも
たらす。
【0027】比表面積が 100 m2/g より小さいコロイダ
ルシリカのゾルを使用して得られた組成物からの皮膜
は、鋼板に極度に低い耐食性をもたらす。(D) 成分をそ
の固形分として、(A) 成分、(B) 成分及び(C) 成分の固
形分の合計 100重量部に対して10重量部より少ない比率
に使用して得られた組成物からの皮膜は、鋼板の耐食性
を極端に低下させ、逆に、この比率が 100重量部を超え
る組成物からの皮膜は、曲げ変形後の鋼板に充分な耐食
性を与えない。
【0028】鋼板上に形成される皮膜としては、通常、
0.5〜10μ程度の厚さが必要であり、この厚さの皮膜を
形成させるには、組成物の固形分濃度としては、5〜50
重量% 程度が好適である。固形分濃度が高いほど薄塗り
が困難となり、逆に、固形分が低いほど乾燥や硬化に長
い時間を必要とする。更に好ましい固形分濃度は、10〜
40重量% 程度である。
【0029】本発明により表面処理された鋼板の諸性能
は、鋼板表面上に形成された皮膜の独特な構造によるも
のであって、本発明の組成物が加熱乾燥によって硬化す
るときにもたらす組成物成分の相乗効果によるものと考
えられる。
【0030】
【実施例】(A) 成分として下記(A1)、(A2)、(A3)、
(A4)、(A5)及び(A6)の6種類、(B)成分として下記(B1)
及び(B2)の2種類、(C) 成分として下記(C1)及び(C2)の
2種類、(D) 成分として下記(D1)及び(D2)の2種類がそ
れぞれ用意された。 (A1)の調製 撹拌機、温度計及び冷却管付の四つ口フラスコに、油化
シェルエポキシ(株)製の商品名エピコート1004
(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、分子量約1600) 10
0gを、メチルエチルケトン30gに加えて約80℃にて
溶解させた後、得られた溶液に界面活性剤として分子量
約13000 のポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキ
シドのブロック共重合体10g、トリポリリン酸ナトリウ
ム 0.2g 、及びイオン交換水 160g を加え、該液を攪拌
速度300rpmにて30分間攪拌した。その後、得られた液か
ら減圧下にメチルエチルケトンを留去し、室温まで冷却
し、アンモニア水を加えてpHを 9〜10に調整し、最後に
イオン交換水を加えて固形分濃度20重量% に調整して水
性エマルションを得た。
【0031】このエマルションは、減圧乾燥後、過塩素
酸滴定法によりエポキシ基含有量を測定したところ、固
形分 1kg当たり0.98当量のエポキシ基を含有していた。 (A2)の調製 油化シェルエポキシ (株) 製の商品名エピコート105
5(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、分子量約1350)
を用いた他は(A1)の調製と同様にして水性エマルション
を調製した。
【0032】このエマルションは、同様にしてエポキシ
基含有量を測定したところ、固形分1 kg当たり1.10当量
のエポキシ基を含有していた。 (A3)の調製 300ml のビーカーに、油化シェルエポキシ(株)製商品
名エピコート1001(ビスフェノールA型エポキシ樹
脂、分子量約900 )100gをとり、約80℃にて溶融後、得
られた溶液に、界面活性剤として分子量約13000 のポリ
エチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドのブロック
共重合体10g とイオン交換水110gを加え、高速ミキサー
で5000rpm に30分間攪拌し、室温まで冷却し、アンモニ
ア水を加えてpH 9〜10に調整し、最後にイオン交換水を
加えて固形分濃度20重量% の水性エマルションを調製し
た。
【0033】このエマルションは、同様にしてエポキシ
基含有量を測定したところ、固形分1 kg当たり1.82当量
のエポキシ基を含有していた。 (A4)の調製 油化シェルエポキシ(株)製商品名エピコート154
(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)を用いた他
は、(A3)の調製と同様にして、水性エマルションを調製
し、エポキシ基含有量を測定したところ、固形分1 kg当
たり5.23当量のエポキシ基を含有していた。
【0034】(A5)の調製 (A1)の調製に使用されたものと同じフラスコに、油化シ
ェルエポキシ(株) 製商品名エピコート1010(ビス
フェノールA型エポキシ樹脂、分子量約5500)100gとn-
ブタノール100gをとり、約120℃にて溶解後、得られ
た液を100 ℃まで下げて300rpmにて撹拌しながら、これ
にメタクリル酸10g 、スチレン6g、アクリル酸エチル 1
g 及び過酸化ベンゾイル2g の混合物を30分かけて添加
し、100℃にて4時間熟成することにより、液中に高分
子界面活性成分を形成させた。
【0035】次いで、得られた液に、ジメチルアミノエ
タノール 7g とイオン交換水400gを加え、80℃にて1時
間攪拌し、その後、減圧下でn-ブタノールを水との共沸
で留去し、室温まで冷却し、アンモニア水を加えてpH 9
〜10に調整し、最後にイオン交換水を加えて固形分濃度
20重量% の水性エマルションを調製した。同様にしてエ
ポキシ基含有量を測定したところ、固形分1 kg当たり0.
21当量のエポキシ基を含有していた。
【0036】(A6)の調製 油化シェルエポキシ(株)製商品名エピコート828
(ビスフェノールA骨格を有するエポキシ樹脂、分子量
約380 )と 5g の界面活性剤を用いた他は(A4)の調製と
同様にして、水性エマルションを調製し、エポキシ基含
有量を測定したところ、固形分1 kg当たり4.75当量のエ
ポキシ基を含有していた。
【0037】(B1)の調製 市販品の変成脂肪族ポリアミンの水性エマルション (固
形分44重量% 、固形分の活性水素含有量約 7.8当量/kg)
にアンモニア水を加えてそのpHを11〜13に調整し、次い
でイオン交換水を加えて固形分濃度20重量% のポリアミ
ンの水性エマルションを調製した。
【0038】(B2)の調製 ジエチレントリアミン(活性水素含有量約48当量/kg)に
イオン交換水を加えて濃度20重量% のポリアミン水溶液
を調製した。 (C1)の調製 ブタジエンとアクリロニトリル共重合体ラテックスの市
販品(アクリロニトリル単位の含有量25重量% 、ブタジ
エン単位の含有量70重量% 、固形分含有量40重量%)にア
ンモニア水を加えてpH 9〜10に調整後、イオン交換水を
加えて固形分濃度20重量% のラテックスを調製した。
【0039】(C2)の調製 ブタジエンとアクリロニトリル共重合体ラテックスの市
販品(アクリロニトリル単位の含有量42重量% 、ブタジ
エン単位の含有量53重量% 、固形分含有量40重量%)にア
ンモニア水を加えてpH 9〜10に調整後、イオン交換水を
加えて固形分濃度20重量% のラテックスを調製した。
【0040】(D1)及び(D2) 日産化学工業(株)製商品名スノーテックスNS(SiO2
粒子の比表面積 300〜400 m2/g、固形分20重量% の水性
シリカゾル) をそのまま(D1)とし、日産化学工業(株)
製商品名スノーテックス20L(SiO2粒子の比表面積54
〜68m2/g、固形分20重量% の水性シリカゾル)をそのま
ま(D2)とした。
【0041】実施例及び比較例 上記用意された成分(A) 、(B) 、(C) 及び(D) を、第1
表記載の重量部に混合することにより、第1表記載の組
成物 P1 〜 P13を調製した。第1表中のEP/H当量比は、
エポキシ基と活性水素の当量比を表す。P1〜P5は本発明
の実施例であり、P6〜P13 は比較例である。
【0042】 第1表 (A) 成分 (B) 成分 EP/H (C) 成分 (D) 成分 組成物 種類 部 種類 部 当量比 種類 部 種類 部 P1 (A1) 60 (B1) 10 1.6 (C1) 30 (D1) 30 P2 (A1) 30 (B1) 4 1.1 (C2) 66 (D1) 60 P3 (A2) 52 (B1) 10 1.4 (C1) 38 (D1) 30 P4 (A2) 65 (B1) 10 1.1 (C1) 25 (D1) 25 P5 (A3) 37 (B1) 13 1.5 (C2) 50 (D1) 30 P6 (A4) 40 (B1) 30 1.1 (C1) 30 (D1) 30 P7 (A5) 68 (B1) 2 1.1 (C1) 30 (D1) 30 P8 (A6) 40 (B1) 30 1.2 (C1) 30 (D1) 30 P9 (A1) 85 (B1) 15 1.4 − − (D1) 50 P10 (A1) 18 (B1) 2 1.4 (C1) 80 (D1) 30 P11 (A2) 63 (B2) 0.02 1.4 (C1) 36.98 (D1) 60 P12 (A2) 52 (B1) 10 1.4 (C1) 38 (D2) 60 P13 (A2) 52 (B1) 10 1.4 (C1) 38 (D1) 5 P6では、(A) 成分として、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂の水性エマルション(A4)が用いられた。
【0043】P7では、(A) 成分として、分子量が2000を
超えているビスフェノール型エポキシ樹脂の水性エマル
ション(A5)が用いられた。P8では、(A) 成分として、分
子量が 800より小さいビスフェノール型エポキシ樹脂の
水性エマルション(A6)が用いられた。P9では、(C) 成分
が混合されなかった。
【0044】P10 では、(A) 成分と(B) 成分の固形分の
合計 100重量部に対して 300重量部を超えた固形分量の
(C) 成分が混合された。P11 では、(B) 成分として、10
当量/kg を超えるアミノ基又はイミノ基の活性水素を含
有するジエチレントリアミンの水溶液(B2)が用いられ
た。P12 では、(D) 成分として、比表面積が 100 m2/g
より小さいコロイダルシリカの水性ゾル(D2)が用いられ
た。
【0045】P13 では、(A) 成分と(B) 成分と(C) 成分
の固形分の合計 100重量部に対して10重量部より少ない
固形分量の(D) 成分が混合された。次いで、上記調製の
P1〜P13 の組成物を、日新製鋼(株)ペンタイトMSN
−90C鋼板(鉄−亜鉛合金めっき鋼板、めっき目付量
90g/m2、表面クロメート処理)表面にバーコータを用い
て塗布し、7秒間に鋼板温度が 120℃に到達する条件に
て加熱し同時に乾燥することにより、平均厚さ 1.3μの
皮膜が密着したテスト用の表面処理鋼板を得た。
【0046】次いで、このテスト用の表面処理鋼板につ
いて、耐食性、曲げ加工後の耐食性、耐脱脂浴性、接着
性、電着塗装性、電着塗装耐食性を下記テスト方法によ
り測定した。尚、比較参照のために、表面処理を全く施
さなかった鋼板についてもテストした。 (1) 耐食性のテスト 上記テスト用の表面処理鋼板の処理面に、カッターナイ
フでクロスカットを刻んだ後、JIS Z 2371の方法に基づ
き、当該鋼板に塩水噴霧を1000時間続けた時点で、鋼板
表面に発生した白錆の状況を観察する。第2表におい
て、○印は白錆発生面積率20% 未満を、△印は白錆発生
面積率20〜49% 未満を、×印は白錆発生面積率50% 以上
であることを表す。
【0047】(2) 耐脱脂浴性のテスト アルカリ脱脂剤として日本ペイント(株)製商品名サー
フクリーナーSD270の水溶液を60℃に加温し、これ
に上記テスト用の表面処理鋼板を2分間浸漬し、水洗
し、乾燥した後、皮膜の残存率を測定した。第2表にお
いて、○印は皮膜の残存率90〜100%を、△印は皮膜の残
存率80〜89% を、×印は皮膜の残存率79%以下を表す。
【0048】(3) 曲げ加工後の耐食性テスト エリクセン試験機を用いて、上記テスト用表面処理鋼板
にその裏面より外力を加えて、皮膜を有する側に高さ 7
mm の凸部が形成されるように曲げ加工し、塩水噴霧を
1000時間行ない、白錆発生状況を観察した。第2表にお
いて、○印は白錆発生面積率20% 未満を、△印は白錆発
生面積率20〜49% を、×印は白錆発生面積率50% 以上を
表す。
【0049】(4) 接着性のテスト 上記テスト用表面処理鋼板の皮膜を有する面に、防錆油
を3g/m2 塗布した後、その上に接着剤としてヘンケル白
水(株)製商品名マクロプラストPV5300C18
(塩化ビニル系接着剤)を 150μの厚さに塗布し、この
塗布面に同じ防錆油を塗布したもう1枚のテスト用表面
処理鋼板を、接着面の寸法が 25mm X 12.5mmとなるよう
貼り合わせ、160 ℃にて10分間加熱した後、1日間、23
℃で相対湿度50% の恒温室にて状態調節を行なった。得
られた貼り合わせ鋼板を、引張速度5mm/分にて、引張剪
断接着強度を測定した。第2表において、○印は40kgf/
cm2以上を、△印は30〜39kgf/cm2 を、×印は29kgf/cm2
以下を表す。
【0050】(5) 電着塗装性のテスト 上記テスト用表面処理鋼板に、電着塗料として日本ペイ
ント(株)製商品名パワートップU−52(エポキシ樹
脂/ブロックイソシアネート系カチオン電着塗料)を、
浴温23℃、電圧 200 Vにて2分間電着塗装を行ない、17
0 ℃にて20分間加熱することにより、膜厚20μの電着塗
装鋼板を得た。次いで、この電着塗装鋼板の外観変化を
観察した。第2表において、○印はピンホールおよびク
レーターが 0〜5 点存在することを、△印はピンホール
およびクレーターが 6〜10点存在することを、×印はピ
ンホールおよびクレーターが11点以上存在することを表
す。
【0051】(6) 電着塗装後の耐食性テスト 上記電着塗装鋼板の塗装面に、カッターナイフでクロス
カットを刻み、50℃の5 % 食塩水に10日間浸漬し、水洗
し、乾燥した後、セロハンテープにて剥離試験を行な
い、クロスカットラインからの最大剥離幅を測定した。
第2表において、○印は 0〜1mm を、△印は 1〜2mm
を、×印は 2mm以上を表す。
【0052】上記のテスト結果は、第2表に示されてい
る。第2表のテスト結果は、本発明の組成物で表面処理
した鋼板は、全てのテストにおいて卓越した性能を有す
るが、比較例の組成物で表面処理した鋼板は、いくつか
のテストにおいて性能が不充分であることを示してい
る。また、表面処理を施さなかった比較参照の鋼板は、
電着塗装性と体脱脂浴性を除いて全ての性能に欠けるこ
とを示している。
【0053】 第2表 耐食性 耐脱脂 曲げ加工後 接着性 電着塗装性 電着塗装後 組成物 浴性 の耐食性 の耐食性 P1 ○ ○ ○ ○ ○ ○ P2 ○ ○ ○ ○ ○ ○ P3 ○ ○ ○ ○ ○ ○ P4 ○ ○ ○ ○ ○ ○ P5 ○ ○ ○ ○ ○ ○ P6 × ○ × △ ○ × P7 ○ × × × ○ × P8 ○ △ × △ ○ × P9 ○ ○ × × ○ ○ P10 × × × × × × P11 ○ × × ○ × ○ P12 × ○ × ○ ○ × P13 × ○ × ○ × × 比較参照 × − × × ○ × P6で表面処理された鋼板は、耐食性、曲げ加工後の耐食
性、電着塗装後の耐食性を欠く他、接着性も充分でな
く、用いられたフェノールノボラック型エポキシ樹脂
は、(A) 成分として適当でないことを示している。
【0054】P7で表面処理された鋼板は、曲げ加工後の
耐食性、電着塗装後の耐食性、接着性及び耐脱脂浴性を
欠き、分子量の大き過ぎるビスフェノール型エポキシ樹
脂は、(A) 成分として適当でないことを示している。P8
で表面処理された鋼板は、曲げ加工後の耐食性及び電着
塗装後の耐食性に欠ける他、接着性及び耐脱脂浴性も充
分でなく、分子量の小さ過ぎるビスフェノール型エポキ
シ樹脂は、(A) 成分として適当でないことを示してい
る。
【0055】P9で表面処理された鋼板は、曲げ加工後の
耐食性及び接着性を欠き、(C) 成分を含有しない組成物
は適当でないことを示している。P10 で表面処理された
鋼板は、テストのいずれの性能にも不足し、(C) 成分の
含有量が多過ぎる組成物は適当でないことを示してい
る。P11 で表面処理された鋼板は、曲げ加工後の耐食
性、電着塗装性及び耐脱脂浴性を欠き、活性水素含有量
の多過ぎるアミノ基又はイミノ基含有化合物は、(B)成
分として適当でないことを示している。
【0056】P12 で表面処理された鋼板は、耐食性、曲
げ加工後の耐食性及び電着塗装後の耐食性を欠き、比表
面積が不足するコロイダルシリカのゾルは、(D) 成分と
して適当でないことを示している。P13 で表面処理され
た鋼板は、耐食性、曲げ加工後の耐食性、電着塗装後の
耐食性及び電着塗装性を欠き、(D) 成分の固形分量が不
足する組成物は適当でないことを示している。
【0057】
【発明の効果】本発明の組成物によって鋼板、特に表面
をリン酸塩処理、クロメート処理等の化成処理した鋼
板、亜鉛めっき鋼板、合金化亜鉛めっき鋼板に表面処理
を施すと、優れた耐食性、曲げ加工後の耐食性、耐脱脂
浴性、接着性、電着塗装性、電着塗装後の耐食性を兼ね
備えるという改良された鋼板が得られる。
【0058】本発明の組成物は、その調製後約3〜14
日にわたるポットライフを示し、鋼板の表面処理操作に
有利な長期安定性を有する。また、常温で 2〜100 cp程
度の低粘度を有するから、適当な増粘剤を添加すること
によって広範囲に組成物の粘度を調節することが可能で
あり、良好な作業性も備えている。そしてこの組成物
は、通常の塗装方法、例えば、ロールコーター塗装、グ
ラビアコーター塗装、スプレー塗装、はけ塗り等で塗装
することができる。
【0059】本発明の組成物は、比較的低い温度、例え
ば、焼付け炉内温度が80℃位でも約300秒で硬化すると
いう速い硬化速度を示す。皮膜形成のための組成物の硬
化は、200 ℃以上の高温度でも行わせることができ、例
えば、約800 ℃では約5秒で硬化皮膜を得ることがで
き、短時間に焼き付け工程を終えることができる。本発
明の組成物の硬化物は、耐食性や耐薬品性が高いという
性質を有するから、錫めっき鋼板、アルミニウム板等の
金属材料の表面処理にも有用である。更に、本発明の組
成物の硬化物は、基材との密着性や接着性が高く、か
つ、耐薬品性が高いという性質を有するから、金属表面
処理の分野ばかりでなく、繊維処理、紙加工、木材加
工、セラミック塗装等の用途にも有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 109/04 PGU 8218−4J 163/00 PJP 8830−4J PKF 8830−4J C23C 22/82 // C08L 63/00 NJQ 8830−4J

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量 800〜2000のビスフェノール型エ
    ポキシ樹脂の水性エマルション(A) 、アミノ基又はイミ
    ノ基をその活性水素として 5〜10当量/kg の比率に含有
    する化合物(B) 、ブタジエンとアクリロニトリルをモノ
    マー換算で合計90重量% 以上含有し、かつ、アクリロニ
    トリルをモノマー換算で20〜50重量%含有するブタジエ
    ンとアクリロニトリルの共重合体ラテックス(C) 、及び
    比表面積が少なくとも100 m2/gであるコロイダルシリカ
    の水性ゾル(D) を、これら (A)、(B) 、(C) 及び (D)の
    固形分として 5〜50重量% の濃度に、かつ、(A) と(B)
    とは (A)に含有されるエポキシ基1当量に対して (B)に
    含有されるアミノ基又はイミノ基の活性水素 0.5〜2 当
    量の比率に、 (C)の固形分は (A)と(B) の固形分合計 1
    00重量部に対して33〜300 重量部の比率に、そして (D)
    の固形分は (A)と(B) と (C)の固形分合計 100重量部に
    対して10〜100 重量部の比率に含有することを特徴とす
    る金属表面処理用組成物。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997003226A1 (fr) * 1995-07-10 1997-01-30 Nippon Paint Co., Ltd. Traitements de surface de metaux, procede de traitement de surface de metaux et materiau metallique ayant subi un traitement de surface

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997003226A1 (fr) * 1995-07-10 1997-01-30 Nippon Paint Co., Ltd. Traitements de surface de metaux, procede de traitement de surface de metaux et materiau metallique ayant subi un traitement de surface

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