JPH06329957A - 金属表面処理用水性塗料組成物 - Google Patents

金属表面処理用水性塗料組成物

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JPH06329957A
JPH06329957A JP5116997A JP11699793A JPH06329957A JP H06329957 A JPH06329957 A JP H06329957A JP 5116997 A JP5116997 A JP 5116997A JP 11699793 A JP11699793 A JP 11699793A JP H06329957 A JPH06329957 A JP H06329957A
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JP
Japan
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acid
resin
weight
aqueous
corrosion resistance
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JP5116997A
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English (en)
Inventor
Kenichi Osawa
健一 大澤
Fumio Mizuochi
文夫 水落
Toshinari Kouda
年成 好田
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Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋼板表面に、耐食性、表面保護、耐薬品性、
曲げ加工後の耐食性、接着剤との密着性、電着塗料との
密着性のいずも優れる皮膜を形成させるための水性塗料
を提供する。 【構成】 固形分として100 重量部の樹脂水性分散体
と、 0.5〜20重量部のタンニン酸、没食子酸、プロトカ
テチュ酸又はこれらの混合物と、SiO2として10〜100 重
量部の100 m2/g以上の比表面積を有するシリカ水性ゾル
とからなり、かつ、上記樹脂、タンニン酸、没食子酸、
プロトカテチュ酸又はこれらの混合物及びシリカに基づ
く固形分を5〜50重量%の濃度に含有する水性塗料組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼板、亜鉛めっき鋼
板、合金化亜鉛めっき鋼板等の金属表面に適用される水
性塗料組成物の改良に関する。特に、本発明の水性塗料
組成物は、表面にリン酸塩処理、クロメート処理等の化
成処理を施した鋼板、亜鉛めっき鋼板、合金化亜鉛めっ
き鋼板等の耐食性とその表面保護の改善に有用である。
【0002】
【従来の技術】従来より、アルミニウム又は錫めっき鋼
板製の金属缶の内面には、樹脂塗膜が施されている。ま
た、家庭用電気製品、自動車等のボディーに用いられる
鋼板、亜鉛めっき鋼板、合金化亜鉛めっき鋼板等には、
防錆油が塗布されたり、溶剤系塗料や粉体塗料等が塗装
されている。特に、自動車ボディーに用いられる鋼板に
は、電着塗装による 0.5〜10μ程度の樹脂薄膜を設け
て、耐食性の改善も行われている。
【0003】このような金属表面処理用塗料として、エ
ポキシエステル樹脂、エポキシ/アクリル樹脂、エポキ
シ/アミノ樹脂、エポキシ/フェノール樹脂、アルキッ
ド樹脂等の有機溶剤溶液からなる塗料の他、変成アクリ
ル樹脂、エポキシエステル樹脂、変成オレフィン樹脂等
の水性分散体からなる塗料も使用されている。そしてこ
のような金属表面処理用の改良された塗料も多く提案さ
れている。例えば、特公昭54-34406号公報に記載の、ア
クリル樹脂、シラン化合物及びシリカからなる塗料; 特
公昭54-34784号公報に記載の、エポキシエステル樹脂及
びシリカからなる塗料; 特公昭61-36587号公報に記載
の、カルボキシル化ポリエチレン及びシリカからなる塗
料; 特開昭52-104599 号公報、特開昭52-51498号公報、
特公昭52-22857号公報等に記載の、エポキシ樹脂に硬化
剤とタンニン酸、プロトカテチュ酸、没食子酸等を組み
合せた塗料; 特開昭51-65043号公報、特開昭51-65146号
公報等に記載の、タンニン酸とメラミン−ホルムアルデ
ヒド樹脂を組み合わせた金属表面処理剤; 特開昭51-712
33号公報、特開昭52-73137号公報等に記載の、タンニン
酸とシリカゾルを組み合わせた金属表面処理剤等が挙げ
られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のような有機溶剤
溶液からなる塗料は、その塗装時に、作業雰囲気中に有
機溶剤を揮散するため、作業者の安全衛生、大気汚染、
火災、爆発等に対する十分な手当てを要する。上記水性
分散体からなる塗料は、この様な問題を有しないが、改
良に係る塗料でも多くの性能を同時に満足する如き塗料
を得難い。
【0005】特公昭54-34406号公報に記載の、アクリル
樹脂、シラン化合物及びシリカからなる塗料では、この
塗料の塗膜上に電着塗料を塗装した際のこの塗膜との密
着性、低温環境下での耐衝撃性、塗装面と接着剤との接
着性等が十分でない。特公昭54-34784号公報に記載の、
エポキシエステル樹脂及びシリカからなる塗料は、これ
を塗装した後の鋼板にその曲げ加工後の耐食性を却って
低下させる。
【0006】特公昭61-36587号公報に記載の、カルボキ
シル化ポリエチレン及びシリカからなる塗料では、この
塗料の塗膜とその上に施される電着塗料との密着性、電
着塗装後の耐食性等が十分でない。特開昭52-104599 号
公報、特開昭52-51498号公報、特公昭52-22857号公報等
に記載の、エポキシ樹脂に硬化剤とタンニン酸、プロト
カテチュ酸、没食子酸等を組み合せた塗料では、数十〜
百数十μというかなり厚い塗膜のときには十分な耐食性
は得らるが、 0.5〜10μ程度の薄膜のときには高い耐食
性を与えないのみならずその他の性能も十分でない。
【0007】特開昭51-65043号公報、特開昭51-65146号
公報等に記載の、タンニン酸とメラミン−ホルムアルデ
ヒド樹脂を組み合わせた金属表面処理剤や特開昭51-712
33号公報、特開昭52-73137号公報等に記載の、タンニン
酸とシリカゾルを組み合わせた金属表面処理剤等は、毒
性の高いクロメート系化成処理剤よりも安全であるが、
これら処理剤による塗膜の耐食性は、クロメート系化成
処理鋼板の耐食性を改善するものではない。
【0008】本発明は、鋼板、亜鉛めっき鋼板、合金化
亜鉛めっき鋼板等の金属表面、特に、表面にリン酸塩処
理、クロメート処理等の化成処理を施した鋼板、亜鉛め
っき鋼板、合金化亜鉛めっき鋼板等の金属表面に、高い
耐食性、表面保護、耐薬品性、曲げ加工後の耐食性、接
着剤との高い密着性、電着塗料等との高い密着性等を付
与するための 0.5〜10μ程度の皮膜形成用水性塗料を提
供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の金属表面処理用
水性塗料組成物は、固形分として100 重量部の樹脂水性
分散体と、 0.5〜20重量部のタンニン酸、没食子酸、プ
ロトカテチュ酸又はこれらの混合物と、SiO2として10〜
100 重量部の100 m2/g以上の比表面積を有するシリカ水
性ゾルとからなり、かつ、上記樹脂、タンニン酸、没食
子酸、プロトカテチュ酸又はこれらの混合物及びシリカ
に基づく固形分を5〜50重量% の濃度に含有することを
特徴とする。
【0010】本発明に用いられる樹脂水性分散体の成分
樹脂には多くの樹脂が適用できる。例えば、アクリル酸
エステル類、メタクリル酸エステル類又はこれらの混合
物を重合させることにより得られる樹脂; アクリル酸エ
ステル類、メタクリル酸エステル類等と酢酸ビニル、ス
チレン、塩化ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸等とを共重合させることにより得られる樹脂; エ
ポキシ樹脂; エポキシ樹脂と反応するポリアミン系樹
脂; ポリウレタン樹脂; ポリエステル樹脂; エチレン−
酢酸ビニル共重合樹脂; ポリイソプレン; ブダジエン−
アクリロニトリル共重合体樹脂; ブダジエン−スチレン
共重合体樹脂; ブダジエン−スチレン−ビニルピリジン
共重合体樹脂等が挙げられる。これら樹脂は、通常、水
を媒体とする水性分散体として用いられ、2種以上の混
合物としても使用することができる。
【0011】この樹脂水性分散体は、公知の方法により
容易に得ることができる。例えば、乳化重合法により、
或いは、溶液重合により得られる樹脂溶液を分散剤、分
散助剤等の存在下に水に分散させた後、その有機溶剤を
留去する方法により容易に得られる。この樹脂水性分散
体は、通常、固形分を70重量%以下の量に含有し、必要
に応じて、水で希釈して用いることができる。
【0012】タンニン酸、没食子酸、プロトカテチュ酸
等は、市販品として容易に入手することができ、所望に
応じ、これらの水溶液として使用することができる。そ
の水溶液は、アルカリの水溶液にタンニン酸、没食子
酸、プロトカテチュ酸等を溶解させることにより容易に
得られる。本発明に用いられるシリカ水性ゾルは、公知
の方法により容易に得られ、市販品としても入手するこ
とができる。このゾルのコロイダルシリカ粒子として
は、球状粒子、伸長した構造の粒子、細かい粒子が凝集
した構造の粒子、多孔質構造を有する粒子等公知のもの
でよい。この粒子は、通常、少なくとも100m2/g の比表
面積を有する。この比表面積はBET法により測定され
る。そしてこのゾルは、5〜50重量%程度のSiO2濃度を
有する安定なものが好ましい。
【0013】本発明の水性塗料は、上記樹脂水性分散体
をその固形分として100 重量部と、上記タンニン酸、没
食子酸、プロトカテチュ酸等を 0.5〜20重量部と、上記
シリカ水性ゾルをその固形分として10〜100 重量部とを
均一に混合することにより得られる。この混合は、通常
の攪拌機、ミキサー等を使用することにより容易に行う
ことができる。
【0014】本発明の水性塗料組成物は、70重量%以
下、好ましくは5〜50重量%、更に好ましくは10〜40重
量%の上記成分に基づく固形分濃度を有する。そして本
発明の目的が達成される限り、さらに任意の成分を含有
することができ、例えば、架橋剤等を添加することによ
り、更に好ましい水性塗料組成物が得られる。金属基材
上に塗布された本発明の水性塗料組成物を、80〜800 ℃
程度の温度で処理することにより、乾燥皮膜又は硬化し
た皮膜が得られる。
【0015】
【作用】樹脂水性分散体とシリカ水性ゾルからなる水性
塗料は従来より知られているが、これらに更にタンニン
酸、没食子酸、プロトカテチュ酸等を混合した組成物
を、クロメート処理が施された亜鉛又は合金化亜鉛めっ
き鋼板表面に適用してこの表面上に皮膜を形成させる
と、優れた耐蝕性を示すと共に、その曲げ加工性、曲げ
加工後の耐蝕性、金属表面との密着性、この皮膜上への
電着塗装性、その電着塗膜との密着性、電着塗装後の耐
蝕性、電着塗膜上への他の塗膜の密着性、耐指紋性等が
極めて優れることが見出された。
【0016】恐らく、タンニン酸、没食子酸、プロトカ
テチュ酸等は、基材の金属との親和性を向上させるよう
に働くと共に、上記樹脂とタンニン酸、没食子酸、プロ
トカテチュ酸等とシリカの3成分の相乗作用により、処
理金属の耐食性及びその他の性能が著しく向上するもの
と考えられる。また、樹脂水性分散体の代わりに、樹脂
の有機溶剤溶液を使用すると、タンニン酸、没食子酸、
プロトカテチュ酸等が塗料中に均一に分散せず、更に得
られた塗料中でシリカ水性ゾルがゲル化し易い。
【0017】タンニン酸、没食子酸、プロトカテチュ酸
等の使用量が、樹脂水性分散体の固形分100 重量部に対
して0.5 重量部より少ない塗料では、その塗料の皮膜上
への電着塗料の被膜の密着性や電着塗装後の耐食性が低
下し、逆に20重量部を超える塗料では、皮膜に欠陥を生
じやすく、また曲げ加工後の耐食性も乏しくなる。用い
られる水性ゾルのSiO2粒子の比表面積100 m2/gより少な
いときには、かかる塗料から皮膜を形成させても耐食性
が極度に低下する。そしてその使用量が樹脂水性分散体
の固形分100 重量部に対してSiO2として10重量部より少
ない塗料では、やはり耐食性は極端に低下し、逆に100
重量部を超える塗料では、皮膜の曲げ加工後の耐食性が
十分でない。
【0018】樹脂水性分散体中の固形分濃度が高過ぎる
と、0.5 〜10μ程度という薄い皮膜を生成させ難く、逆
に、固形分濃度が低い過ぎると、乾燥又は硬化のための
処理に長時間を必要とし、特に好ましい樹脂水性分散体
は10〜40重量%程度の上記成分に基づく固形分濃度を有
する。
【0019】
【実施例】下記のようにして、樹脂水性分散体(A1)〜(A
7)、タンニン酸水溶液(B1)、没食子酸水溶液(B2)、プロ
トカテチュ酸水溶液(B3)、水性シリカゾル(C1)〜(C3)及
び架橋剤の水分散液 (D1) を用意した。 エポキシ樹脂水性分散体(A1)の調製 撹拌機、温度計及び冷却管を備えた四つ口フラスコに、
約1600の分子量を有するビスフェノールA型エポキシ樹
脂 (油化シェルエポキシ(株)製商品名エピコート100
4) 100 g とメチルエチルケトン30 gとを加え、当該樹
脂を約80℃にて溶解した。
【0020】この得られた溶液に、約13000 の分子量を
有するポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド
のブロック共重合体からなる界面活性剤10 g、トリポリ
リン酸ナトリウム 0.2 g及びイオン交換水 160 gを加
え、300 rpm の回転速度で30分間攪拌を施した後、更に
減圧下でメチルエチルケトンを留去し、次いで室温まで
冷却することにより樹脂分散体を得た。この樹脂分散体
にアンモニア水を加えてそのpHを9〜10に調整し、更に
イオン交換水を加えて希釈することにより、水性エマル
ションとして固形分濃度20重量%のエポキシ樹脂水性分
散体(A1)を得た。
【0021】この(A1)を減圧乾燥することにより得られ
た固形分について、過塩素酸滴定法によりエポキシ基含
有量を測定したところ、そのエポキシ基含有量は0.98当
量/kg(固形分)であった。 ポリアミン樹脂水性分散体(A2)の調製 44重量%の固形分濃度と約 7.8当量/kg固形分の活性水
素含有量を有する市販の変成脂肪族ポリアミン樹脂の水
性エマルションに、アンモニア水を加えてそのpHを11〜
13に調整した後、更にイオン交換水を加えて希釈しする
ことにより、20重量%の固形分濃度を有するるポリアミ
ン樹脂水性分散体(A2)を得た。
【0022】アクリレート樹脂水性分散体(A3)の調製 81 gのイオン交換水、3 g のアルキルフェノールエーテ
ルフォスフェート、0.5 g の過硫酸アンモニウム及び0.
5 g の炭酸水素アンモニウムの混合物を三角フラスコに
投入し、この中へ更にモノマーとして 50 g のアクリル
酸2−エチルヘキシル、25 gの酢酸ビニル、20 gのメタ
クリル酸メチル及び 5 gのメタクリル酸を加え、フラス
コ内容物を 300〜600 rpm の回転速度で攪拌することに
より、モノマーの水性エマルションを調製した。
【0023】別途、撹拌機、温度計及び冷却管を備えた
四つ口フラスコ中に、75 gのイオン交換水と 1 gのアル
キルフェノールエーテルフォスフェートの混合物を用意
し、この混合物を 150〜300 rpm の攪拌下 75 ℃の温度
に保ちながら、これに、上記モノマー水性エマルション
を約 3〜4 時間かけて滴下した。この滴下を終了した
後、フラスコ内容物を 85 ℃に昇温し、2時間熟成させ
た。次いでフラスコ内容物を室温まで冷却した後、これ
にアンモニア水を加えてそのpHを 9〜10に調整し、更に
イオン交換水を加えて希釈することにより、20重量%の
固形分濃度を有するアクリレート樹脂水性分散体(A3)を
得た。
【0024】アクリレート樹脂水性分散体(A4)の調製 モノマー水性エマルションを調製する際、50 gのアクリ
ル酸2−エチルヘキシル、30 gのスチレン、15g のメタ
クリル酸2−ヒドロキシエチル及び5 g のメタクリル酸
を使用した他は上記樹脂水性分散体(A3)の調製法と同様
にして、アクリレート樹脂水性分散体(A4)を得た。
【0025】ブタジエン−スチレン共重合樹脂水性分散
体(A5)の調製 40重量%のスチレン単位含有率と50重量%の固形分濃度
を有する市販のブタジエン−スチレン共重合体水性ラテ
ックスに、アンモニア水を加えてそのpHを 9〜10に調整
した後、更にイオン交換水を加えて希釈することによ
り、20重量%の固形分濃度を有するブタジエン−スチレ
ン共重合樹脂水性分散体(A5)を得た。
【0026】ポリウレタン樹脂水性分散体(A6)の調製 零下47℃の樹脂ガラス転移温度と25重量%の固形分濃度
を有する市販のポリウレタン樹脂水性エマルションに、
アンモニア水を加えてそのpHを 9〜10に調整した後、更
にイオン交換水を加えて希釈することにより、20重量%
の固形分濃度を有するポリウレタン樹脂水性分散体(A6)
を得た。
【0027】ポリエステル樹脂水性分散体(A7)の調製 67℃の樹脂ガラス転移温度と34重量%の固形分濃度を有
する市販ポリエステル樹脂水性エマルションに、アンモ
ニア水を加えてそのpHを 9〜10に調整した後、更にイオ
ン交換水を加えて希釈することにより、20重量%の固形
分濃度を有するポリエステル樹脂水性分散体(A7)を得
た。
【0028】タンニン酸水溶液(B1)の調製 20 gのタンニン酸、60 gのイオン交換水及び10 gのアン
モニア水を攪拌により混合した後、得られた混合物に更
にイオン交換水を加えて希釈しすることにより、20重量
%のタンニン酸濃度を有するタンニン酸水溶液(B1)を得
た。 没食子酸水溶液(B2)の調製 20 gの没食子酸、50 gのイオン交換水及び20 gのアンモ
ニア水を撹拌により混合した後、得られた混合物に更に
イオン交換水を加えて希釈しすることにより、20重量%
の没食子酸濃度を有する没食子酸水溶液(B2)を得た。
【0029】プロトカテチュ酸水溶液(B3)の調製 20 gのプロトカテキュ酸、50 gのイオン交換水及び20 g
のアンモニア水を撹拌により混合した後、得られた混合
物に更にイオン交換水を加えて希釈しすることにより、
20重量%のプロトカテチュ酸濃度を有するプロトカテチ
ュ酸水溶液(B3)を得た。
【0030】シリカ水性ゾル(C1) 300 〜400 m2/gの SiO2 粒子比表面積と20重量%の固形
分濃度を有する市販の水性シリカゾル (日産化学工業
(株)製商品名スノーテックスS )をそのまま用意し
た。 シリカ水性ゾル(C2) 136 〜272 m2/gの SiO2 粒子比表面積と20重量%の固形
分濃度を有する市販の水性シリカゾル (日産化学工業
(株)製商品名スノーテックス20)をそのまま用意し
た。
【0031】シリカ水性ゾル(C3) 54〜68 m2/g の SiO2 粒子比表面積と20重量%の固形分
濃度を有する市販の水性シリカゾル (日産化学工業
(株)製商品名スノーテックス20 L)をそのまま用意し
た。 架橋剤の水分散液 (D1) の調製 ジフェニルメタン−ビス−4,4'−ジエチレンウレアの25
重量%水分散液からなる市販のアジリジン系架橋剤を、
イオン交換水で希釈することにより、20重量%濃度を有
する架橋剤の水分散液 (D1) を得た。
【0032】実施例1 上記用意した樹脂水性分散体、タンニン酸水溶液、没食
子酸水溶液、プロトカテチュ酸水溶液、水性シリカゾル
及び架橋剤の水分散液を、第1表に示す重量比率に混合
することにより、水性塗料 P1 〜 P13を調製した。P1
P7 は本発明の実施例であり、P8〜 P13は比較例であ
る。
【0033】 第 1 表 塗料符号 塗 料 成 分 A1 A2 A3 A4 A5 A6 A7 B1 B2 B3 C1 C2 C3 D1 P1 86 14 0 0 0 0 0 10 0 0 30 0 0 0 P2 0 0 100 0 0 0 0 0 2 0 0 40 0 0 P3 0 0 0 70 30 0 0 0 0 15 0 20 0 0 P4 30 5 0 65 0 0 0 1 0 0 100 0 0 0 P5 0 0 0 0 0 100 0 1 0 7 0 20 0 0 P6 0 0 0 0 50 0 50 5 0 0 0 50 0 0 P7 0 0 0 100 0 0 0 5 0 0 0 40 0 3 P8 86 14 0 0 0 0 0 0 0 0 30 0 0 0 P9 0 0 100 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 P10 0 0 0 0 0 0 0 0 10 0 30 0 0 0 P11 0 0 100 0 0 0 0 0 30 0 0 40 0 0 P12 0 0 100 0 0 0 0 0 2 0 0 300 0 0 P13 0 0 0 70 30 0 0 0 0 15 0 0 40 0 実施例2 90g/m2のめっき目付量を有する鉄−亜鉛合金めっき鋼板
の表面にクロメート処理が施されたペンタイトMSN−
90C鋼板 (日新製鋼(株)製) を用意した。
【0034】この鋼板上に、実施例1で調製した P1
P12水性塗料を、バーコータを用いて塗布した後、7秒
かけて鋼板温度を 120℃に到達せしめて鋼板に焼き付け
ることにより、膜厚1〜1.5 μの皮膜を有する塗装鋼板
を作成した。次いで、この塗装鋼板について、耐食性、
曲げ加工後の耐食性、耐脱脂浴性、接着性、電着塗装
性、電着塗装耐食性のテストを行った。尚、参照とし
て、上記塗装を施さないで同一の亜鉛めっき鋼板をその
まま上記と同様に処理したものについても、同様にテス
トした。これらテスト結果は第2表に示されている。
【0035】テスト方法は下記に示す。 耐食性テスト JIS Z 2371の方法により、塗装鋼板に塩水噴霧を1000時
間行なった時点で、当該鋼板上の白錆発生状況を観察す
る。白錆発生面積率が20%未満であるとき〇印で、20〜
49%未満のとき△印で、50%以上のとき×印で各表す。
【0036】耐脱脂浴性テスト アルカリ脱脂剤として、日本ペイント(株)製商品名サ
ーフクリーナーSD270の水溶液を60℃に加温し、こ
れに塗装鋼板を2分間浸漬し、水洗し、乾燥した後の皮
膜の残存率を測定する。残存率90〜100 %のとき〇印
で、80〜90%のとき△印で、79%以下のとき×印で各表
す。
【0037】曲げ加工後の耐食性テスト エリクセン試験機を用いて、塗装鋼板を裏面より変形さ
せて塗装面を凸型に変形させることにより7 mm 曲げ加
工した後、この凸面に塩水噴霧を1000時間行なった時点
で、白錆発生状況を観察する白錆発生面積率が20%未満
のとき〇印で、20〜49%のとき△印で、50%以上のとき
×印で各表す。
【0038】接着性テスト 3 g/m2の塗布量に防錆油を塗布した塗装鋼板を2枚用意
する。その1枚に塩化ビニル系接着剤 (ヘンケル白水
(株)製商品名マクロプラストPV5300C18) を
15μ厚に塗布し、これに接着面の寸法が25mm×12.5mmと
なるように、他の1枚を貼り合わせる。
【0039】次いで、この貼り合わせた塗装鋼板を160
℃にて10分間加熱した後、温度23℃、相対湿度50%の恒
温室に1日間放置することにより、試験体を調製する。
この試験体について、引張速度5mm/分にて、引張剪断
接着強度を測定する。この強度が40 kg/cm2 以上のとき
〇印で、30〜39 kg/cm2 のとき△印で、29 kg/cm2 以下
のとき×印で各表す。
【0040】電着塗装性テスト エポキシ樹脂/ブロックイソシアネート系カチオン電着
塗料 (日本ペイント(株)製商品名パワートップU−5
2)の浴を用意し、浴温23℃、電圧200 Vにて、塗装鋼
板に2分間電着塗装を行なう。得られた電着塗膜を有す
る鋼板を170 ℃にて20分間焼付けることにより、20μの
膜厚を有する電着塗装板を作成する。この電着塗装板の
外観変化を観察し、ピンホール及びクレーターが0〜5
点のとき〇印で、6〜10点のとき△印で、11点以上のと
き×印で各表す。
【0041】電着塗装後の耐食性テスト 上記同様にして得られた電着塗装板にカッターナイフで
クロスカットを入れる。このクロスカットを有する電着
塗装板を、50℃の5%食塩水に10日間浸漬し、水洗し、
乾燥した後、セロハンテープにて剥離試験を行なう。ク
ロスカットラインからの最大剥離幅を測定し、その幅が
0〜1mmのとき〇印で、1〜2mmのとき△印で、2mm以
上のとき×印で各表す。
【0042】 第 2 表 塗料符号 耐食性 耐脱脂浴性 曲げ加工後 接着性 電着塗装性 電着塗装 の耐食性 の耐食性 P1 〇 〇 〇 〇 〇 〇 P2 〇 〇 〇 〇 〇 〇 P3 〇 〇 〇 〇 〇 〇 P4 〇 〇 〇 〇 〇 〇 P5 〇 〇 〇 〇 〇 〇 P6 〇 〇 〇 〇 〇 〇 P7 〇 〇 〇 〇 〇 〇 P8 〇 × × △ 〇 × P9 × △ × × 〇 × P10 × × × × 〇 × P11 〇 × × 〇 × × P12 〇 × × 〇 × 〇 P13 × 〇 × 〇 〇 × 参照 × − × × 〇 × 第2表の結果は、比較例の塗料 P8 〜 P13は、耐食性、
曲げ加工後の耐食性、耐脱脂浴性、接着性、電着塗装
性、電着塗装後の耐食性のうちいずれかの性能が十分で
ないのに対して実施例の塗料 P1 〜 P7 はいずれも、こ
れら性能の全てに優れることを示している。
【0043】
【発明の効果】本発明の塗料組成物は、2〜100 cps 程
度の低い粘度を示し、約14日〜1ヵ月の長期にわたる安
定性を有する。この塗料には、更に増粘剤を添加するこ
とができ、これにより種々の粘度の塗料を得ることがで
きる。この塗料は、作業性も良好であって、、ロールコ
ーター塗装、グラビアコーター塗装、スプレー塗装、は
け塗り塗装等一般に適用でき、そして得られた塗膜は短
時間に乾燥又は硬化を完了させることができる。この乾
燥又は硬化は、通常の炉を使用して通常の焼付温度で行
うことができ、例えば、80℃という比較的低温の場合で
も約300 秒、また、800 ℃という比較的高温の場合でも
約5秒とという極めて短時間で行うことができる。
【0044】本発明の塗料組成物の乾燥又は硬化被膜
は、基材との密着性や接着性が高く、かつ、耐薬品性も
高いのでて、金属表面処理の分野ばかりでなく、繊維処
理、紙加工、木材加工、セラミック塗装等の用途にも有
用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形分として100 重量部の樹脂水性分散
    体と、 0.5〜20重量部のタンニン酸、没食子酸、プロト
    カテチュ酸又はこれらの混合物と、SiO2として10〜100
    重量部の100 m2/g以上の比表面積を有するシリカ水性ゾ
    ルとからなり、かつ、上記樹脂、タンニン酸、没食子
    酸、プロトカテチュ酸又はこれらの混合物及びシリカに
    基づく固形分を5〜50重量% の濃度に含有する金属表面
    処理用水性塗料組成物。
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