JPH05246676A - エスカレータの移動手すり - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 エスカレータや動く歩道の移動手すりは踏段
と同期して移動せねばならないが、手すりの駆動は摩擦
力によるため滑りが生じ、正確に同期しなくなることが
ある。このため、この手すりの移動速度を常にチェック
し同期のずれが許容値以上になったときそれを検出し、
対策を指令している。しかし、この移動手すりの速度検
出装置も、移動手すりから摩擦によるローラーの回転速
度を基に速度を検知しているので、ずれが生じ精度の良
い検知ができない。これをより精度の良い検出方法にす
ることが目的である。 【構成】 移動手すり４の表面に磁性体１６を形成し
て、そばに磁気検出器１４を設け、非接触で移動手すり
側の速度変化を磁性変化として検知し、前記のずれによ
る精度の問題を解消する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はエスカレータなどの移動
手すりの速度検出装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】エスカレータ或いは動く歩道などにおい
て用いられて、踏段或いは踏板と同期して動く移動手す
り速度検出装置を図５〜図７を参照して説明する。

【０００３】建物の上下階間に掛け渡したエスカレータ
１は、電動機、減速機よりなる駆動装置２により無端状
に形成された踏段３を循環駆動し、乗客を運搬する。こ
のとき乗客の安全上、踏段３と同期して循環する移動手
すり４を欄干上に備えておく必要がある。

【０００４】踏段３は一般に駆動装置２から鎖車５、踏
段チェーン６を介して機械的に連結されて駆動される。
これに対し、移動手すり４は、前記踏段駆動チェーン系
の途中から分岐して手すり駆動用チェーン７、鎖車８を
介して、最後は、手すり駆動輪９により、駆動輪を手す
りに押付けて、その間の摩擦力により駆動している。

【０００５】このため、手すり駆動輪９と手すり４との
間に滑りが生じ、踏段３と手すり４との速度に差異が生
じ、同期が取れなくなる場合がある。このような状態は
乗客にとって好ましいことではないので、これを是正す
る必要がある。

【０００６】そこで、踏段と移動手すりの両者の速度を
常時比較して、その速度に差が生じた場合には警報を発
したり、或いはエスカレータの運転を停止したりする安
全対策を取らねばならない。このために踏段と移動手す
りの正確な速度検出装置が必要となる。

【０００７】従来の手すり速度検出装置１０は移動手す
り４の化粧面の外側に外ローラー１１を、その内側面に
内ローラー１２を接しせしめて移動手すり４を内外から
挟圧し、回転する外ローラー１１に取付けた作動片（例
えば鉄片、磁石片など）１３が、そばに設置した非接触
検出器（リードリレー、半導体センサー）１４を作動さ
せ、外ローラー１１の回転速度を移動手すりの移動速度
として検出している。

【０００８】一方、踏段速度は、駆動装置２の減速機の
ブレーキホイールに取付けた作動片１５により非接触検
出器１４を作動させ踏段速度を検出している。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】このような移動手すり
速度検出装置１０では、移動手すり４に外ローラー１１
を接触させその摩擦力により駆動しているので、移動手
すり４と速度検出器の作動部、即ち作動片を備えた外ロ
ーラー１１との間にスリップを生じて誤差が生じやす
い。また、スリップを生じないようにするには、移動手
すりに速度検出器を押付ける機構が大掛かりなものとな
っていた。

【００１０】本発明はこのような事情に鑑み、エスカレ
ータの移動手すりの移動速度を常に正しく検出すること
ができ、延いては踏段との速度差を正しく把握して安全
対策を計るのに信頼のおける性能で、しかも構成が簡単
で、取付、保守点検作業が容易な手すり速度検出器を提
供することが目的である。

【００１１】

【課題を解決するための手段】移動手すりの表面、即ち
外側の化粧面或いは内側のキャンバス面に酸化鉄などに
よる磁性層を間隔をおいて形成し、移動する手すりのそ
ばに磁気センサーを設け、前記磁気を検知してパルスと
して出力し、手すりの速度を検知する。

【００１２】

【作用】移動手すりの速度変化に応じた一定時間内のパ
ルス数の変化を磁気センサーより検知し、これにより移
動手すりの速度を検出し、一方踏段速度は前記のごとく
電動機側に設けた速度検出器から検出し、これら両者の
速度を比較し同期のずれを監視し、必要に応じて対策指
令を出す。

【００１３】

【実施例】本発明について、図１〜図４に示す実施例に
基づいて説明する。

【００１４】移動手すりの表面化粧面に間隔をおいて凹
みを設けこれに酸化鉄による磁性層１６を形成する。ト
ラス内で、手すり化粧面に接近して半導体による磁気セ
ンサーを設ける。

【００１５】一方、踏段の駆動装置２に付けた作動片１
５の回転速度を非接触検出器１４の磁気センサーに生じ
るパルス信号により速度を検出し、この踏段速度と手す
りの速度を比較して、両者に違いが生じ危険レベルに達
したら警報を発し、エスカレータを停止するなどの処置
を取る。

【００１６】本発明の他の実施例について説明する。

【００１７】他の実施例 １ 磁性層は連続的に形成
し、磁気センサーとして電磁コイルをおき、前記磁性層
による誘導起電力からその電圧変化を速度としてを検知
しても良い。

【００１８】他の実施例 ２（図３参照） 手すりの化
粧面全体に磁性層を形成し、その上に非磁性体を間隔を
おいて設け、磁気センサーで磁性の変化を読み取る。

【００１９】他の実施例 ３（図４参照） 磁性層とし
て、手すり化粧面に一定の間隔をあけて磁性体を形成し
たものでも良い。

【００２０】本発明はこのような構成としたので、速度
検出時に摩擦によるずれなどが生じることがなく、常に
精度良く手すりの測定できる。

【００２１】

【発明の効果】本発明により手すりと速度検出器との間
に機械的な検出誤差がなくなり、精度の良い信頼性のあ
るデータが得られるので、エスカレータの運行がより安
全なものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による移動手すりとその速度検出装置の
正面図、

【図２】図１の部分詳細図とその側面図、

【図３】本発明の他の実施例２の正面図と側面図、

【図４】本発明の他の実施例３の正面図と側面図、

【図５】従来のエスカレータの正面図、

【図６】図５の部分詳細図、

【図７】図５の部分詳細図である。

【符号の説明】

１…エスカレータ ４…移動手すり １４…非接触検出器 １６…磁性層

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】表面に一定間隔をおいて磁性層を設けたこ
   とを特徴するエスカレータの移動手すり。