JPH05246226A - 車両懸架装置 - Google Patents
車両懸架装置Info
- Publication number
- JPH05246226A JPH05246226A JP5078792A JP5078792A JPH05246226A JP H05246226 A JPH05246226 A JP H05246226A JP 5078792 A JP5078792 A JP 5078792A JP 5078792 A JP5078792 A JP 5078792A JP H05246226 A JPH05246226 A JP H05246226A
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- JP
- Japan
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- sprung
- damping characteristic
- damping
- sprung vertical
- vertical velocity
- Prior art date
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- Vehicle Body Suspensions (AREA)
- Fluid-Damping Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ばね上の制振性を高めて操縦安定性を確保し
つつ、ばね下高周波入力のばね上側への伝達を抑制して
車両の乗り心地を確保することができる車両懸架装置の
提供。 【構成】 ショックアブソーバaの伸圧両行程の減衰特
性を低減衰特性から高減衰特性まで変更可能であると共
に、伸圧両行程の一方を高減衰特性とした場合には他方
が低減衰特性となるように構成された減衰特性変更手段
bと、ショックアブソーバaの検出ばね上上下速度の方
向行程側の減衰特性を、ばね上上下速度に所定の指数を
累乗した値に比例した値に制御すべく減衰力変更手段b
に制御信号を出力する減衰特性制御手段dと、を備え、
この減衰特性制御手段dは、前記減衰特性の比例制御に
おいて、ばね上上下速度方向が下向きである時にばね上
上下速度に累乗する指数が、ばね上上下速度方向が上向
きである時にばね上上下速度に累乗する指数よりも大で
あって1より大きい数に設定されている手段とした。
つつ、ばね下高周波入力のばね上側への伝達を抑制して
車両の乗り心地を確保することができる車両懸架装置の
提供。 【構成】 ショックアブソーバaの伸圧両行程の減衰特
性を低減衰特性から高減衰特性まで変更可能であると共
に、伸圧両行程の一方を高減衰特性とした場合には他方
が低減衰特性となるように構成された減衰特性変更手段
bと、ショックアブソーバaの検出ばね上上下速度の方
向行程側の減衰特性を、ばね上上下速度に所定の指数を
累乗した値に比例した値に制御すべく減衰力変更手段b
に制御信号を出力する減衰特性制御手段dと、を備え、
この減衰特性制御手段dは、前記減衰特性の比例制御に
おいて、ばね上上下速度方向が下向きである時にばね上
上下速度に累乗する指数が、ばね上上下速度方向が上向
きである時にばね上上下速度に累乗する指数よりも大で
あって1より大きい数に設定されている手段とした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のばね上−ばね下
間に設けられたショックアブソーバの減衰特性を制御す
る車両懸架装置に関する。
間に設けられたショックアブソーバの減衰特性を制御す
る車両懸架装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両懸架装置としては、例えば、
実開昭63−93203号公報に記載されているような
ものが知られている。この車両懸架装置は、ばね上上下
速度方向とばね上−ばね下間相対速度方向とが一致する
かどうか(同相か逆相か)を判定し、この判定結果に基
づいてショックアブソーバの減衰特性を切り換え制御す
るようにしたものであった。
実開昭63−93203号公報に記載されているような
ものが知られている。この車両懸架装置は、ばね上上下
速度方向とばね上−ばね下間相対速度方向とが一致する
かどうか(同相か逆相か)を判定し、この判定結果に基
づいてショックアブソーバの減衰特性を切り換え制御す
るようにしたものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の減衰力可変型ショックアブソーバにあって
は、減衰特性の切り換えが、ばね上上下速度の方向の如
何に係らず、ばね上上下速度方向とばね上−ばね下間相
対速度方向とが一致するかどうかの判定結果のみに基づ
いて一律に決定されるような構造であったため、ばね上
の制振性を高めるために、ばね上上下速度に対する減衰
力の立ち上がり応答性が高くなるような減衰力可変特性
に設定すると、ばね上上下速度方向が下向きの時には高
周波入力に対する応答性も高くなり、このため、ばね下
の高周波入力がばね上の車体に伝達され易くなって車両
の乗り心地を悪化させるという問題が生じる。
うな従来の減衰力可変型ショックアブソーバにあって
は、減衰特性の切り換えが、ばね上上下速度の方向の如
何に係らず、ばね上上下速度方向とばね上−ばね下間相
対速度方向とが一致するかどうかの判定結果のみに基づ
いて一律に決定されるような構造であったため、ばね上
の制振性を高めるために、ばね上上下速度に対する減衰
力の立ち上がり応答性が高くなるような減衰力可変特性
に設定すると、ばね上上下速度方向が下向きの時には高
周波入力に対する応答性も高くなり、このため、ばね下
の高周波入力がばね上の車体に伝達され易くなって車両
の乗り心地を悪化させるという問題が生じる。
【0004】本発明は、このような問題に着目して成さ
れたもので、ばね上の制振性を高めて操縦安定性を確保
しつつ、ばね下高周波入力のばね上側への伝達を抑制し
て車両の乗り心地を確保することができる車両懸架装置
を提供することを目的とするものである。
れたもので、ばね上の制振性を高めて操縦安定性を確保
しつつ、ばね下高周波入力のばね上側への伝達を抑制し
て車両の乗り心地を確保することができる車両懸架装置
を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明請求項1記載の車両懸架装置では、図1の
クレーム対応図に示すように、車体側と各車輪側の間に
設けられたショックアブソーバaと、該ショックアブソ
ーバaの伸圧両行程の減衰特性を低減衰特性から高減衰
特性まで変更可能であると共に、伸圧両行程の一方を高
減衰特性とした場合には他方が低減衰特性となるように
構成された減衰特性変更手段bと、車両のばね上上下速
度を検出するばね上上下速度検出手段cと、前記ショッ
クアブソーバaの検出ばね上上下速度の方向行程側の減
衰特性を、ばね上上下速度に所定の指数を累乗した値に
比例した値に制御すべく減衰特性変更手段bに制御信号
を出力する減衰特性制御手段dと、を備え、この減衰特
性制御手段dは、前記減衰特性の比例制御において、ば
ね上上下速度方向が下向きである時にばね上上下速度に
累乗する指数が、ばね上上下速度方向が上向きである時
にばね上上下速度に累乗する指数よりも大であって1よ
り大きい数に設定されている手段とした。
めに、本発明請求項1記載の車両懸架装置では、図1の
クレーム対応図に示すように、車体側と各車輪側の間に
設けられたショックアブソーバaと、該ショックアブソ
ーバaの伸圧両行程の減衰特性を低減衰特性から高減衰
特性まで変更可能であると共に、伸圧両行程の一方を高
減衰特性とした場合には他方が低減衰特性となるように
構成された減衰特性変更手段bと、車両のばね上上下速
度を検出するばね上上下速度検出手段cと、前記ショッ
クアブソーバaの検出ばね上上下速度の方向行程側の減
衰特性を、ばね上上下速度に所定の指数を累乗した値に
比例した値に制御すべく減衰特性変更手段bに制御信号
を出力する減衰特性制御手段dと、を備え、この減衰特
性制御手段dは、前記減衰特性の比例制御において、ば
ね上上下速度方向が下向きである時にばね上上下速度に
累乗する指数が、ばね上上下速度方向が上向きである時
にばね上上下速度に累乗する指数よりも大であって1よ
り大きい数に設定されている手段とした。
【0006】また、本発明請求項2記載の車両懸架装置
では、車体側と各車輪側の間に設けられ、減衰特性を変
更可能な減衰特性変更手段bを有するショックアブソー
バaと、車両のばね上上下速度を検出するばね上上下速
度検出手段cと、車両のばね上−ばね下間相対速度を検
出する相対速度検出手段eと、前記ショックアブソーバ
aの減衰特性を、ばね上上下速度とばね上−ばね下間相
対速度方向とが一致する時にはその時ばね上上下速度方
向と同一行程側をばね上上下速度に所定の指数を累乗し
た値に比例した値に、また、両速度方向が不一致の時に
は伸圧両行程を低減衰特性にそれぞれ制御すべく減衰特
性変更手段に制御信号を出力する減衰特性制御手段d
と、を備え、この減衰特性制御手段dは、前記減衰特性
の比例制御において、ばね上上下速度方向が下向きであ
る時にばね上上下速度に累乗する指数が、ばね上上下速
度方向が上向きである時にばね上上下速度に累乗する指
数よりも大であって1より大きい数に設定されている手
段とした。
では、車体側と各車輪側の間に設けられ、減衰特性を変
更可能な減衰特性変更手段bを有するショックアブソー
バaと、車両のばね上上下速度を検出するばね上上下速
度検出手段cと、車両のばね上−ばね下間相対速度を検
出する相対速度検出手段eと、前記ショックアブソーバ
aの減衰特性を、ばね上上下速度とばね上−ばね下間相
対速度方向とが一致する時にはその時ばね上上下速度方
向と同一行程側をばね上上下速度に所定の指数を累乗し
た値に比例した値に、また、両速度方向が不一致の時に
は伸圧両行程を低減衰特性にそれぞれ制御すべく減衰特
性変更手段に制御信号を出力する減衰特性制御手段d
と、を備え、この減衰特性制御手段dは、前記減衰特性
の比例制御において、ばね上上下速度方向が下向きであ
る時にばね上上下速度に累乗する指数が、ばね上上下速
度方向が上向きである時にばね上上下速度に累乗する指
数よりも大であって1より大きい数に設定されている手
段とした。
【0007】
【作用】本発明請求項1記載の車両懸架装置の作用につ
いて説明する。尚、説明中の符号は、図1に対応してい
る。
いて説明する。尚、説明中の符号は、図1に対応してい
る。
【0008】減衰特性制御手段dでは、ばね上上下速度
検出手段cからの入力信号に基いてショックアブソーバ
aを最適減衰力に切り換えるための信号を減衰特性変更
手段bに対して出力する。
検出手段cからの入力信号に基いてショックアブソーバ
aを最適減衰力に切り換えるための信号を減衰特性変更
手段bに対して出力する。
【0009】まず、ばね上上下速度方向が下向きである
時は、その時のばね上上下速度方向と同一方向である圧
側が、ばね上上下速度に1より大きい指数を累乗した値
に比例した高減衰特性側に制御されることにより、ばね
上上下速度に対する減衰力の可変特性が立ち上がりの緩
やかな2乗特性となって減衰力の立ち上がりの応答性が
低くなるため、ばね下高周波入力のばね上側への伝達を
防止して車両の乗り心地を向上させることができる。
時は、その時のばね上上下速度方向と同一方向である圧
側が、ばね上上下速度に1より大きい指数を累乗した値
に比例した高減衰特性側に制御されることにより、ばね
上上下速度に対する減衰力の可変特性が立ち上がりの緩
やかな2乗特性となって減衰力の立ち上がりの応答性が
低くなるため、ばね下高周波入力のばね上側への伝達を
防止して車両の乗り心地を向上させることができる。
【0010】また、ばね上上下速度方向が上向きである
時には、その時のばね上上下速度方向と同一方向である
伸側が、ばね上上下速度に前記圧側の指数よりは小さい
指数を累乗した値に比例した高減衰特性側に制御される
ことにより、前記圧側に比べて減衰力の立ち上がりの応
答性を高くしてばね上の上向き振動抑制感度を高め、こ
れにより、ばね上の制振性を高めて操縦安定性を向上さ
せることができる。
時には、その時のばね上上下速度方向と同一方向である
伸側が、ばね上上下速度に前記圧側の指数よりは小さい
指数を累乗した値に比例した高減衰特性側に制御される
ことにより、前記圧側に比べて減衰力の立ち上がりの応
答性を高くしてばね上の上向き振動抑制感度を高め、こ
れにより、ばね上の制振性を高めて操縦安定性を向上さ
せることができる。
【0011】そして、以上のように高減衰特性側に制御
されているショックアブソーバaの行程とは逆行程側
は、常に低減衰特性となるため、ばね上上下速度方向と
ばね上−ばね下間相対速度方向とが一致する(同符号)
時は、その時のショックアブソーバaの行程側を高減衰
特性側に制御し、不一致(異符号)の時は、その時のシ
ョックアブソーバaの行程側を低減衰特性に制御すると
いう、スカイフック理論に基づいた減衰特性制御と同一
の制御が、ばね上−ばね下間相対速度を検出することな
しに行なわれることになる。
されているショックアブソーバaの行程とは逆行程側
は、常に低減衰特性となるため、ばね上上下速度方向と
ばね上−ばね下間相対速度方向とが一致する(同符号)
時は、その時のショックアブソーバaの行程側を高減衰
特性側に制御し、不一致(異符号)の時は、その時のシ
ョックアブソーバaの行程側を低減衰特性に制御すると
いう、スカイフック理論に基づいた減衰特性制御と同一
の制御が、ばね上−ばね下間相対速度を検出することな
しに行なわれることになる。
【0012】次に、請求項2記載の車両懸架装置の作用
について説明する。まず、車両のばね上上下速度方向と
ばね上−ばね下間相対速度方向とが一致する時、即ち、
ショックアブソーバaの減衰力が車体の振動を抑制する
制振方向に作用している時は、その時のばね上上下速度
方向と同一のショックアブソーバaの行程側が高減衰特
性側に制御される。即ち、ばね上上下速度方向とばね上
−ばね下間相対速度方向とが一致し、かつ、ばね上上下
速度方向が下向きである時は、その時のばね上上下速度
方向と同一方向である圧側が、ばね上上下速度に1より
大きい指数を累乗した値に比例した高減衰特性側に制御
されることにより、ばね上上下速度に対する減衰力の可
変特性が立ち上がりの緩やかな2乗特性となって減衰力
の立ち上がりの応答性が低くなるため、ばね下高周波入
力のばね上側への伝達を防止して車両の乗り心地を向上
させることができる。
について説明する。まず、車両のばね上上下速度方向と
ばね上−ばね下間相対速度方向とが一致する時、即ち、
ショックアブソーバaの減衰力が車体の振動を抑制する
制振方向に作用している時は、その時のばね上上下速度
方向と同一のショックアブソーバaの行程側が高減衰特
性側に制御される。即ち、ばね上上下速度方向とばね上
−ばね下間相対速度方向とが一致し、かつ、ばね上上下
速度方向が下向きである時は、その時のばね上上下速度
方向と同一方向である圧側が、ばね上上下速度に1より
大きい指数を累乗した値に比例した高減衰特性側に制御
されることにより、ばね上上下速度に対する減衰力の可
変特性が立ち上がりの緩やかな2乗特性となって減衰力
の立ち上がりの応答性が低くなるため、ばね下高周波入
力のばね上側への伝達を防止して車両の乗り心地を向上
させることができる。
【0013】また、ばね上上下速度方向とばね上−ばね
下間相対速度方向とが一致し、かつ、ばね上上下速度方
向が上向きである時には、その時のばね上上下速度方向
と同一方向である伸側が、ばね上上下速度に前記圧側の
指数よりは小さい指数を累乗した値に比例した高減衰力
側に制御されることにより、前記圧側に比べて減衰力の
立ち上がりの応答性を高くしてばね上の上向き振動抑制
感度を高め、これにより、ばね上の制振性を高めて操縦
安定性を向上させることができる。
下間相対速度方向とが一致し、かつ、ばね上上下速度方
向が上向きである時には、その時のばね上上下速度方向
と同一方向である伸側が、ばね上上下速度に前記圧側の
指数よりは小さい指数を累乗した値に比例した高減衰力
側に制御されることにより、前記圧側に比べて減衰力の
立ち上がりの応答性を高くしてばね上の上向き振動抑制
感度を高め、これにより、ばね上の制振性を高めて操縦
安定性を向上させることができる。
【0014】次に、車両のばね上上下速度方向とばね上
−ばね下間相対速度方向とが不一致の時、即ち、ショッ
クアブソーバaの減衰力が車体の振動を増加させる加振
方向に作用している時は、所定の低減衰特性側に制御さ
れ、これにより、ばね上の加振力を低減させることがで
きる。
−ばね下間相対速度方向とが不一致の時、即ち、ショッ
クアブソーバaの減衰力が車体の振動を増加させる加振
方向に作用している時は、所定の低減衰特性側に制御さ
れ、これにより、ばね上の加振力を低減させることがで
きる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により詳述す
る。 (第1実施例)まず、第1実施例の構成をその作用と共
に説明する。図2は、本発明実施例のシステムブロック
図であり、図においてSAは減衰力可変型のショックア
ブソーバ、2はパルスモータ、3はばね上上下加速度セ
ンサ、4は荷重センサ、5はコントロールユニットを示
している。
る。 (第1実施例)まず、第1実施例の構成をその作用と共
に説明する。図2は、本発明実施例のシステムブロック
図であり、図においてSAは減衰力可変型のショックア
ブソーバ、2はパルスモータ、3はばね上上下加速度セ
ンサ、4は荷重センサ、5はコントロールユニットを示
している。
【0016】前記ショックアブソーバSAは、4つの車
輪のそれぞれと車体との間に、合計4つ設けられてい
る。このショックアブソーバSAは、図3に示すよう
に、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部室
Bとの画成したピストン31と、シリンダ30の外周に
リザーバ室Cを形成した外筒33と、下部室Bとリザー
バ室Cとを画成したベース34と、ピストン31に連結
されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイド部材
と、外筒33と車体との間に介在されたサスペンション
スプリング36とバンパラバー37とを備えている。
輪のそれぞれと車体との間に、合計4つ設けられてい
る。このショックアブソーバSAは、図3に示すよう
に、シリンダ30と、シリンダ30を上部室Aと下部室
Bとの画成したピストン31と、シリンダ30の外周に
リザーバ室Cを形成した外筒33と、下部室Bとリザー
バ室Cとを画成したベース34と、ピストン31に連結
されたピストンロッド7の摺動をガイドするガイド部材
と、外筒33と車体との間に介在されたサスペンション
スプリング36とバンパラバー37とを備えている。
【0017】さらに詳述すると、前記ショックアブソー
バSAは、図4にその要部を示すように、伸行程で圧縮
された上部室A内の流体が下部室B側へ流通可能な流路
として、伸側内側溝11の位置から伸側減衰バルブ12
の内側及び外周部を開弁して下部室Bに至る伸側第1流
路Dと、第2ポート13,縦溝23及び第4ポート14
を経由して伸側外側溝15位置から伸側減衰バルブ12
の外周部を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、
第2ポート13,縦溝23及び第5ポート16を経由し
て伸側チェックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸
側第3流路Fと、第3ポート18,第2横孔25及び中
空部19を経由して下部室Bに至るバイパス流路Gとの
4つの流路があり、また、圧行程で圧縮された下部室B
内の流体が上部室A側へ流通可能な流路として、圧側減
衰バルブ20を開弁して上部室Aに至る圧側第1流路H
と、中空部19,第1横孔24及び第1ポート21を経
由して圧側チェックバルブ22を開弁して上部室Aに至
る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔25及び第
3ポート18を経由して上部室Aに至る前記バイパス流
路Gとの3つの流路がある。
バSAは、図4にその要部を示すように、伸行程で圧縮
された上部室A内の流体が下部室B側へ流通可能な流路
として、伸側内側溝11の位置から伸側減衰バルブ12
の内側及び外周部を開弁して下部室Bに至る伸側第1流
路Dと、第2ポート13,縦溝23及び第4ポート14
を経由して伸側外側溝15位置から伸側減衰バルブ12
の外周部を開弁して下部室Bに至る伸側第2流路Eと、
第2ポート13,縦溝23及び第5ポート16を経由し
て伸側チェックバルブ17を開弁して下部室Bに至る伸
側第3流路Fと、第3ポート18,第2横孔25及び中
空部19を経由して下部室Bに至るバイパス流路Gとの
4つの流路があり、また、圧行程で圧縮された下部室B
内の流体が上部室A側へ流通可能な流路として、圧側減
衰バルブ20を開弁して上部室Aに至る圧側第1流路H
と、中空部19,第1横孔24及び第1ポート21を経
由して圧側チェックバルブ22を開弁して上部室Aに至
る圧側第2流路Jと、中空部19,第2横孔25及び第
3ポート18を経由して上部室Aに至る前記バイパス流
路Gとの3つの流路がある。
【0018】また、前記縦溝23と第1及び第2横孔2
4,25が形成された調整子6は、パルスモータ2の駆
動によるステップ回動に基づいて減衰力のポジションを
図5〜図7に示す3つのポジション間で多段階に切り換
え可能となっている。
4,25が形成された調整子6は、パルスモータ2の駆
動によるステップ回動に基づいて減衰力のポジションを
図5〜図7に示す3つのポジション間で多段階に切り換
え可能となっている。
【0019】まず、図5に示す第2ポジション(図8の
)では、伸側第1流路Dと、圧側第1流路Hと、圧側
第2流路Jとが流通可能となっていて、これにより、図
9に示すように、伸側が高減衰特性(図12の+Xmax
ポジション)でその逆行程の圧側が所定の低減衰特性
(図12の−Xsoftポジション)となる。
)では、伸側第1流路Dと、圧側第1流路Hと、圧側
第2流路Jとが流通可能となっていて、これにより、図
9に示すように、伸側が高減衰特性(図12の+Xmax
ポジション)でその逆行程の圧側が所定の低減衰特性
(図12の−Xsoftポジション)となる。
【0020】次に、図6に示す第1ポジション(図8の
)では、前記圧行程の4つの流路D,E,F,Gと、
圧行程の3つの流路H,J,Gのすべてが流通可能とな
っていて、これにより、図10に示すように、伸側及び
圧側が共に所定の低減衰特性力(図12の±Xsoftポジ
ション)となる。
)では、前記圧行程の4つの流路D,E,F,Gと、
圧行程の3つの流路H,J,Gのすべてが流通可能とな
っていて、これにより、図10に示すように、伸側及び
圧側が共に所定の低減衰特性力(図12の±Xsoftポジ
ション)となる。
【0021】次に、図7に示す第3ポジション(図8の
)では、伸側第1〜第3流路D,E,F及び圧側第1
流路Hが流通可能となっていて、これにより、図11に
示すように、圧側が高減衰特性(図12の−Xmax ポジ
ション)でその逆行程の伸側が所定の低減衰特性(図1
2の+Xsoftポジション)となる。そして、前記第1及
び第3ポジション側は、調整子6の回転角度に応じてそ
れぞれ多段階に切り換え可能となっていて、その回転角
度に応じて高減衰特性側の減衰特性のみを比例的に変化
可能となっている。
)では、伸側第1〜第3流路D,E,F及び圧側第1
流路Hが流通可能となっていて、これにより、図11に
示すように、圧側が高減衰特性(図12の−Xmax ポジ
ション)でその逆行程の伸側が所定の低減衰特性(図1
2の+Xsoftポジション)となる。そして、前記第1及
び第3ポジション側は、調整子6の回転角度に応じてそ
れぞれ多段階に切り換え可能となっていて、その回転角
度に応じて高減衰特性側の減衰特性のみを比例的に変化
可能となっている。
【0022】即ち、このショックアブソーバSAは、調
整子6を回動させることにより、その回動に基づいて減
衰力を、伸側・圧側いずれとも図12に示すような特性
で、低減衰特性から高減衰特性の範囲で多段階に変更可
能に構成されている。また、図8に示すように、伸側・
圧側いずれも低減衰特性となる領域(以後、ソフト領域
SSという)から調整子6を反時計方向へ回動させる
と、伸側のみ高減衰特性側に変化する領域(以後、伸側
ハード領域HSという)になり、逆に、調整子6を時計
方向へ回動させると、圧側のみ高減衰特性側に変化する
領域(以後、圧側ハード領域SH)になる構造となって
いる。
整子6を回動させることにより、その回動に基づいて減
衰力を、伸側・圧側いずれとも図12に示すような特性
で、低減衰特性から高減衰特性の範囲で多段階に変更可
能に構成されている。また、図8に示すように、伸側・
圧側いずれも低減衰特性となる領域(以後、ソフト領域
SSという)から調整子6を反時計方向へ回動させる
と、伸側のみ高減衰特性側に変化する領域(以後、伸側
ハード領域HSという)になり、逆に、調整子6を時計
方向へ回動させると、圧側のみ高減衰特性側に変化する
領域(以後、圧側ハード領域SH)になる構造となって
いる。
【0023】図2に戻り、前記パルスモータ2は、ショ
ックアブソーバSAの減衰特性を切り換えるアクチュエ
ータを構成するもので、ステップ駆動により調整子6を
ステップ回動させて各ショックアブソーバSAの減衰特
性を多段階に変化させる。
ックアブソーバSAの減衰特性を切り換えるアクチュエ
ータを構成するもので、ステップ駆動により調整子6を
ステップ回動させて各ショックアブソーバSAの減衰特
性を多段階に変化させる。
【0024】前記上下加速度センサ3は、ばね上の上下
方向加速度を検出することで、車両のばね上上下速度V
を検出するために設けられたもので、ばね上の車体に取
り付けられ、ばね上の上下方向加速度に応じた電気信号
を出力する。
方向加速度を検出することで、車両のばね上上下速度V
を検出するために設けられたもので、ばね上の車体に取
り付けられ、ばね上の上下方向加速度に応じた電気信号
を出力する。
【0025】前記コントロールユニット5は、減衰特性
制御手段を構成するもので、インタフェース回路5a,
CPU5b,駆動回路5cを備え、前記インタフェース
回路5aには、ばね上上下加速度センサ3及び荷重セン
サ4からの出力信号が入力される。即ち、コントロール
ユニット5では、ばね上上下速度Vに基づいて、ショッ
クアブソーバSAを最適の減衰特性とすべく、パルスモ
ータ2に切換信号を出力する。
制御手段を構成するもので、インタフェース回路5a,
CPU5b,駆動回路5cを備え、前記インタフェース
回路5aには、ばね上上下加速度センサ3及び荷重セン
サ4からの出力信号が入力される。即ち、コントロール
ユニット5では、ばね上上下速度Vに基づいて、ショッ
クアブソーバSAを最適の減衰特性とすべく、パルスモ
ータ2に切換信号を出力する。
【0026】次に、コントロールユニット5の制御作動
を図14のフローチャートの基づいて説明する。
を図14のフローチャートの基づいて説明する。
【0027】ステップ101は、ばね上加速度Gを読み
込むステップである。
込むステップである。
【0028】ステップ102は、読み込まれたばね上加
速度Gを積分してばね上上下速度Vを算出するステップ
である。尚、ばね上上下速度Vは、上方向が正の値で、
下方向が負の値で与えられる。
速度Gを積分してばね上上下速度Vを算出するステップ
である。尚、ばね上上下速度Vは、上方向が正の値で、
下方向が負の値で与えられる。
【0029】ステップ103は、ばね上上下速度Vが所
定のしきい値δT 以上であるか否かを判定するステップ
であり、YESでステップ104へ進み、NOでステッ
プ105へ進む。
定のしきい値δT 以上であるか否かを判定するステップ
であり、YESでステップ104へ進み、NOでステッ
プ105へ進む。
【0030】前記ステップ104は、ショックアブソー
バSAを伸側ハード領域HSに制御するステップであ
る。
バSAを伸側ハード領域HSに制御するステップであ
る。
【0031】前記ステップ105は、ばね上上下速度V
が所定のしきい値δT と−δとの間の値であるか否かを
判定するステップであり、YESでステップ106へ進
み、NOでステップ107へ進む。
が所定のしきい値δT と−δとの間の値であるか否かを
判定するステップであり、YESでステップ106へ進
み、NOでステップ107へ進む。
【0032】前記ステップ106は、ショックアブソー
バSAをソフト領域SSに制御するステップである。
バSAをソフト領域SSに制御するステップである。
【0033】前記ステップ107は、便宜上表示してい
るステップであり、ステップ103およびステップ10
5でNOと判定された場合には、ばね上上下速度Vは所
定のしきい値−δ未満であり、この場合はステップ10
8へ進む。
るステップであり、ステップ103およびステップ10
5でNOと判定された場合には、ばね上上下速度Vは所
定のしきい値−δ未満であり、この場合はステップ10
8へ進む。
【0034】このステップ108は、ショックアブソー
バSAを圧側ハード領域SHに制御するステップであ
る。
バSAを圧側ハード領域SHに制御するステップであ
る。
【0035】次に、減衰特性制御の作動を図15のタイ
ムチャートにより説明する。
ムチャートにより説明する。
【0036】ばね上上下速度Vがこの図に示すように変
化した場合、図に示すように、ばね上上下速度Vが所定
のしきい値δT ,−δC 間の値である時には、ショック
アブソーバSAをソフト領域SSに制御する。
化した場合、図に示すように、ばね上上下速度Vが所定
のしきい値δT ,−δC 間の値である時には、ショック
アブソーバSAをソフト領域SSに制御する。
【0037】また、ばね上上下速度Vが所定のしきい値
δT 以上となると、伸側ハード領域HSに制御して、圧
側を低減衰特性に固定する一方、伸側の減衰特性をばね
上上下速度Vに比例した値[DF=α・V]に制御す
る。なお、αは比例定数を示す。
δT 以上となると、伸側ハード領域HSに制御して、圧
側を低減衰特性に固定する一方、伸側の減衰特性をばね
上上下速度Vに比例した値[DF=α・V]に制御す
る。なお、αは比例定数を示す。
【0038】また、ばね上上下速度Vが所定のしきい値
−δC 以下となると、圧側ハード領域SHに制御して、
伸側を低減衰特性に固定する一方、圧側の減衰特性をば
ね上上下速度Vの2乗に比例した値[DF=α・V2 ]
に制御する。
−δC 以下となると、圧側ハード領域SHに制御して、
伸側を低減衰特性に固定する一方、圧側の減衰特性をば
ね上上下速度Vの2乗に比例した値[DF=α・V2 ]
に制御する。
【0039】以上のように、この第1実施例では、ばね
上上下速度Vが所定のしきい値−δC 以下(ばね上上下
速度方向が下向き)である時は、図13の(a)の特性
図に示すように、圧側の減衰特性(パルスモータ2のス
テップ数S)をばね上上下速度Vの2乗に比例した値に
制御することにより、ばね上上下速度Vに対する減衰力
の可変特性が立ち上がりの緩やかな2乗特性となって減
衰力の立ち上がりの応答性が低くなるため、ばね下高周
波入力のばね上側への伝達を防止して車両の乗り心地を
向上させることができる。
上上下速度Vが所定のしきい値−δC 以下(ばね上上下
速度方向が下向き)である時は、図13の(a)の特性
図に示すように、圧側の減衰特性(パルスモータ2のス
テップ数S)をばね上上下速度Vの2乗に比例した値に
制御することにより、ばね上上下速度Vに対する減衰力
の可変特性が立ち上がりの緩やかな2乗特性となって減
衰力の立ち上がりの応答性が低くなるため、ばね下高周
波入力のばね上側への伝達を防止して車両の乗り心地を
向上させることができる。
【0040】また、ばね上上下速度Vが所定のしきい値
δT 以上(ばね上上下速度方向が上向き)である時は、
図13の(b)の特性図に示すように、伸側の減衰特性
(パルスモータ2のステップ数S)をばね上上下速度V
に比例した値に制御することにより、ばね上上下速度V
に対する減衰力の可変特性が線形となり、前記2乗特性
の場合に比べて減衰力の立ち上がりの応答性が高くなる
ため、ばね上の上向き振動抑制感度を高めてばね上の制
振性を向上させることができる。
δT 以上(ばね上上下速度方向が上向き)である時は、
図13の(b)の特性図に示すように、伸側の減衰特性
(パルスモータ2のステップ数S)をばね上上下速度V
に比例した値に制御することにより、ばね上上下速度V
に対する減衰力の可変特性が線形となり、前記2乗特性
の場合に比べて減衰力の立ち上がりの応答性が高くなる
ため、ばね上の上向き振動抑制感度を高めてばね上の制
振性を向上させることができる。
【0041】また、ばね上上下速度Vとばね上−ばね下
間相対速度とが同符号となる図17の領域bと領域dに
おいては、その時のショックアブソーバSAの行程側が
ハード特性となり、また、ばね上上下速度Vとばね上−
ばね下間相対速度とが異符号となる図17の領域aと領
域cにおいては、その時のショックアブソーバSAの行
程側がソフト特性となるため、スカイフック理論に基づ
いた減衰特性制御と同様の制御が、ばね上−ばね下間相
対速度を検出することなしに行なわれることになる。
間相対速度とが同符号となる図17の領域bと領域dに
おいては、その時のショックアブソーバSAの行程側が
ハード特性となり、また、ばね上上下速度Vとばね上−
ばね下間相対速度とが異符号となる図17の領域aと領
域cにおいては、その時のショックアブソーバSAの行
程側がソフト特性となるため、スカイフック理論に基づ
いた減衰特性制御と同様の制御が、ばね上−ばね下間相
対速度を検出することなしに行なわれることになる。
【0042】従って、部品点数を少なくして低コスト化
が図れ、かつ、組付の手間,組付スペース,重量を少な
くできると共に、領域aから領域b、および、領域cか
ら領域dへ移行する時には、パルスモータ2を駆動させ
ることなしに行なうことができるため、従来のスカイフ
ック理論に基づいた減衰特性制御に比べ、制御応答性を
高めることができ、かつ、減衰特性の切り換え頻度が少
なくなって減衰特性切換用アクチュエータの耐久性向上
と電力消費量の低減化を図ることができる。
が図れ、かつ、組付の手間,組付スペース,重量を少な
くできると共に、領域aから領域b、および、領域cか
ら領域dへ移行する時には、パルスモータ2を駆動させ
ることなしに行なうことができるため、従来のスカイフ
ック理論に基づいた減衰特性制御に比べ、制御応答性を
高めることができ、かつ、減衰特性の切り換え頻度が少
なくなって減衰特性切換用アクチュエータの耐久性向上
と電力消費量の低減化を図ることができる。
【0043】さらに、その時のばね上上下速度の方向と
は逆方向のショックアブソーバSAの行程側を所定の低
減衰特性として、制振制御時における行程方向とは逆方
向の路面入力を吸収し、これにより、車体への伝達を阻
止して乗り心地をさらに向上させることができる。
は逆方向のショックアブソーバSAの行程側を所定の低
減衰特性として、制振制御時における行程方向とは逆方
向の路面入力を吸収し、これにより、車体への伝達を阻
止して乗り心地をさらに向上させることができる。
【0044】(第2実施例)次に、本考案の第2実施例
について説明する。なお、この第2実施例を説明するに
あたり、第1実施例との相違点のみを説明する。また、
説明中の符号で第1実施例と同じ符号は、同じ対象を示
すものである。
について説明する。なお、この第2実施例を説明するに
あたり、第1実施例との相違点のみを説明する。また、
説明中の符号で第1実施例と同じ符号は、同じ対象を示
すものである。
【0045】この第2実施例は、減衰特性可変型のショ
ックアブソーバSAとして、パルスモータ2を駆動させ
た場合に、図16に示すように、伸側と圧側が、共に、
高減衰〜低減衰に変化する周知構造のもの(例えば、実
開昭63−112914号公報参照)を用い、従来のス
カイフック理論に基づいた減衰特性制御を行なうように
した例である。
ックアブソーバSAとして、パルスモータ2を駆動させ
た場合に、図16に示すように、伸側と圧側が、共に、
高減衰〜低減衰に変化する周知構造のもの(例えば、実
開昭63−112914号公報参照)を用い、従来のス
カイフック理論に基づいた減衰特性制御を行なうように
した例である。
【0046】従って、この実施例では、図17に示すよ
うに、入力手段としてばね上上下加速度センサ3の他に
荷重センサ(ばね上−ばね下間相対速度検出手段)4,
4,4,4が設けられている。なお、この荷重センサ4
は、各ショックアブソーバSAの車体への取付部よりは
下方のピストンロッド7に設けられていて、ショックア
ブソーバSAで発生している減衰力(相対速度に相当)
Fを荷重として検出するようになっている。
うに、入力手段としてばね上上下加速度センサ3の他に
荷重センサ(ばね上−ばね下間相対速度検出手段)4,
4,4,4が設けられている。なお、この荷重センサ4
は、各ショックアブソーバSAの車体への取付部よりは
下方のピストンロッド7に設けられていて、ショックア
ブソーバSAで発生している減衰力(相対速度に相当)
Fを荷重として検出するようになっている。
【0047】次に、コントロールユニット5の制御作動
について説明する。 (イ)ばね上上下速度方向と相対速度方向との一致時 車両のばね上上下速度方向とばね上−ばね下間相対速度
方向とが一致する時、即ち、ショックアブソーバSAの
減衰力が車体の振動を抑制する制振方向に作用している
時は、その時のばね上上下速度方向と同一のショックア
ブソーバSAの行程側が高減衰特性側に制御される。
について説明する。 (イ)ばね上上下速度方向と相対速度方向との一致時 車両のばね上上下速度方向とばね上−ばね下間相対速度
方向とが一致する時、即ち、ショックアブソーバSAの
減衰力が車体の振動を抑制する制振方向に作用している
時は、その時のばね上上下速度方向と同一のショックア
ブソーバSAの行程側が高減衰特性側に制御される。
【0048】即ち、ばね上上下速度方向とばね上−ばね
下間相対速度方向とが一致し、かつ、ばね上上下速度方
向が下向き(−)である時は、その時のばね上上下速度
方向と同一方向である圧側の減衰特性を、ばね上上下速
度Vの2乗に比例した値[DF=α・V2 ]に制御す
る。
下間相対速度方向とが一致し、かつ、ばね上上下速度方
向が下向き(−)である時は、その時のばね上上下速度
方向と同一方向である圧側の減衰特性を、ばね上上下速
度Vの2乗に比例した値[DF=α・V2 ]に制御す
る。
【0049】また、ばね上上下速度方向とばね上−ばね
下間相対速度方向とが一致し、かつ、ばねね上速度方向
が上向き(+)である時には、その時のばね上上下速度
方向と同一方向である伸側の減衰特性を、ばね上上下速
度Vに比例した値[DF=α・V]に制御する。
下間相対速度方向とが一致し、かつ、ばねね上速度方向
が上向き(+)である時には、その時のばね上上下速度
方向と同一方向である伸側の減衰特性を、ばね上上下速
度Vに比例した値[DF=α・V]に制御する。
【0050】(ロ)ばね上上下速度方向と相対速度方向
との不一致時 車両のばね上上下速度方向とばね上−ばね下間相対速度
方向とが不一致の時、即ち、ショックアブソーバSAの
減衰力が車体の振動を増加させる加振方向に作用してい
る時は、低減衰特性側に切り換えられ、これにより、ば
ね上の加振力を低減させるようにしている。
との不一致時 車両のばね上上下速度方向とばね上−ばね下間相対速度
方向とが不一致の時、即ち、ショックアブソーバSAの
減衰力が車体の振動を増加させる加振方向に作用してい
る時は、低減衰特性側に切り換えられ、これにより、ば
ね上の加振力を低減させるようにしている。
【0051】以上説明したように、この実施例の車両懸
架装置では、前記第1実施例と同様に、ばね上の制振性
を高めて操縦安定性を確保しつつ、ばね下高周波入力の
ばね上側への伝達を抑制して車両の乗り心地を確保する
ことができるという特徴を有している。
架装置では、前記第1実施例と同様に、ばね上の制振性
を高めて操縦安定性を確保しつつ、ばね下高周波入力の
ばね上側への伝達を抑制して車両の乗り心地を確保する
ことができるという特徴を有している。
【0052】以上、本発明の実施例を図面により詳述し
てきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもので
はなく、例えば、実施例では、ばね上上下速度方向が上
向きである時にばね上上下速度に累乗する指数の値を1
に設定したが、1以外の指数、例えば、1より小さい値
に設定することができる。
てきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるもので
はなく、例えば、実施例では、ばね上上下速度方向が上
向きである時にばね上上下速度に累乗する指数の値を1
に設定したが、1以外の指数、例えば、1より小さい値
に設定することができる。
【0053】また、前記第1実施例においては、しきい
値制御を行なう場合を示したが、しきい値を設けずにば
ね上上下速度方向の判定のみに基づいて制御することも
できる。
値制御を行なう場合を示したが、しきい値を設けずにば
ね上上下速度方向の判定のみに基づいて制御することも
できる。
【0054】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の車両
懸架装置では、減衰特性の比例制御において、ばね上上
下速度方向が下向きである時にばね上上下速度に累乗す
る指数が、ばね上上下速度方向が上向きである時にばね
上上下速度に累乗する指数よりも大であって1より大き
い数に設定されている手段としたことで、ばね上上下速
度方向が下向きである時には減衰力の立ち上がりの応答
性を低くしてばね下高周波入力のばね上側への伝達を防
止し、これにより、車両の乗り心地を向上させることが
できると共に、ばね上上下速度方向が上向きである時に
は、減衰力の立ち上がりの応答性を高くしてばね上の上
向き振動抑制感度を高め、これにより、ばね上の制振性
を高めて操縦安定性を向上させることができるという効
果が得られる。
懸架装置では、減衰特性の比例制御において、ばね上上
下速度方向が下向きである時にばね上上下速度に累乗す
る指数が、ばね上上下速度方向が上向きである時にばね
上上下速度に累乗する指数よりも大であって1より大き
い数に設定されている手段としたことで、ばね上上下速
度方向が下向きである時には減衰力の立ち上がりの応答
性を低くしてばね下高周波入力のばね上側への伝達を防
止し、これにより、車両の乗り心地を向上させることが
できると共に、ばね上上下速度方向が上向きである時に
は、減衰力の立ち上がりの応答性を高くしてばね上の上
向き振動抑制感度を高め、これにより、ばね上の制振性
を高めて操縦安定性を向上させることができるという効
果が得られる。
【0055】また、請求項1記載の車両懸架装置にあっ
ては、伸圧両行程の一方を高減衰特性とした場合には他
方が低減衰特性となるように構成された減衰特性変更手
段を有するショックアブソーバを用いることにより、相
対速度検出手段を用いることなしにスカイフック理論に
基づいた減衰特性制御が可能になるため、部品点数を少
なくして低コスト化が図れ、かつ、組付の手間,組付ス
ペース,重量を少なくできると共に、従来のスカイフッ
ク理論に基づいた減衰特性制御に比べ、減衰特性の切り
換え頻度を少なくできるため、制御応答性を高め、か
つ、減衰特性切換用アクチュエータの耐久性向上と電力
消費量の低減化を図ることができるという効果が得られ
る。
ては、伸圧両行程の一方を高減衰特性とした場合には他
方が低減衰特性となるように構成された減衰特性変更手
段を有するショックアブソーバを用いることにより、相
対速度検出手段を用いることなしにスカイフック理論に
基づいた減衰特性制御が可能になるため、部品点数を少
なくして低コスト化が図れ、かつ、組付の手間,組付ス
ペース,重量を少なくできると共に、従来のスカイフッ
ク理論に基づいた減衰特性制御に比べ、減衰特性の切り
換え頻度を少なくできるため、制御応答性を高め、か
つ、減衰特性切換用アクチュエータの耐久性向上と電力
消費量の低減化を図ることができるという効果が得られ
る。
【図1】本考案の車両懸架装置を示すクレーム対応図で
ある。
ある。
【図2】本考案第1実施例実施例の車両懸架装置を示す
システムブロック図である。
システムブロック図である。
【図3】第1実施例装置に適用したショックアブソーバ
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図4】前記ショックアブソーバの要部を示す拡大断面
図である。
図である。
【図5】第2ポジションの状態を示す断面図で、(イ) は
図3のK−K断面図、(ロ) は図3のL−L断面図および
M−M断面図、(ハ) は図3のN−N断面図である。
図3のK−K断面図、(ロ) は図3のL−L断面図および
M−M断面図、(ハ) は図3のN−N断面図である。
【図6】第1ポジションの状態を示す断面図で、(イ) は
図3のK−K断面図、(ロ) は図3のL−L断面図および
M−M断面図、(ハ) は図3のN−N断面図である。
図3のK−K断面図、(ロ) は図3のL−L断面図および
M−M断面図、(ハ) は図3のN−N断面図である。
【図7】第3ポジションの状態を示す断面図で、(イ) は
図3のK−K断面図、(ロ) は図3のL−L断面図および
M−M断面図、(ハ) は図3のN−N断面図である。
図3のK−K断面図、(ロ) は図3のL−L断面図および
M−M断面図、(ハ) は図3のN−N断面図である。
【図8】前記ショックアブソーバにおける調整子のステ
ップ回転角度に対する減衰力可変特性を示す図である。
ップ回転角度に対する減衰力可変特性を示す図である。
【図9】第2ポジションにおけるピストン速度に対する
減衰特性図である。
減衰特性図である。
【図10】第1ポジションにおけるピストン速度に対す
る減衰特性図である。
る減衰特性図である。
【図11】第3ポジションにおけるピストン速度に対す
る減衰特性図である。
る減衰特性図である。
【図12】第1実施例装置のピストン速度に対する減衰
特性図である。
特性図である。
【図13】第1実施例装置におけるばね上上下速度に対
するパルスモータのステップ数特性図である。
するパルスモータのステップ数特性図である。
【図14】第1実施例装置におけるコントロールユニッ
トの制御作動を示すフローチャートである。
トの制御作動を示すフローチャートである。
【図15】第1実施例装置におけるコントロールユニッ
トの制御作動を示すタイムチャートである。
トの制御作動を示すタイムチャートである。
【図16】第2実施例装置に適用されたショックアブソ
ーバの減衰特性図である。
ーバの減衰特性図である。
【図17】第2実施例装置を示すシステムブロック図で
ある。
ある。
a ショックアブソーバ b 減衰特性変更手段 c ばね上上下速度検出手段 d 減衰特性制御手段 e 相対速度検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 哲 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ア ツギユニシア内 (72)発明者 佐々木 光雄 神奈川県厚木市恩名1370番地 株式会社ア ツギユニシア内
Claims (2)
- 【請求項1】 車体側と各車輪側の間に設けられたショ
ックアブソーバと、 該ショックアブソーバの伸圧両行程の減衰特性を低減衰
特性から高減衰特性まで変更可能であると共に、伸圧両
行程の一方を高減衰特性とした場合には他方が低減衰特
性となるように構成された減衰特性変更手段と、 車両のばね上上下速度を検出するばね上上下速度検出手
段と、 前記ショックアブソーバの検出ばね上上下速度の方向行
程側の減衰特性を、ばね上上下速度に所定の指数を累乗
した値に比例した値に制御すべく減衰特性変更手段に制
御信号を出力する減衰特性制御手段と、を備え、 この減衰特性制御手段は、前記減衰特性の比例制御にお
いて、ばね上上下速度方向が下向きである時にばね上上
下速度に累乗する指数が、ばね上上下速度方向が上向き
である時にばね上上下速度に累乗する指数よりも大であ
って1より大きい数に設定されていることを特徴とする
車両懸架装置。 - 【請求項2】 車体側と各車輪側の間に設けられ、減衰
特性を変更可能な減衰特性変更手段を有するショックア
ブソーバと、 車両のばね上上下速度を検出するばね上上下速度検出手
段と、 車両のばね上−ばね下間相対速度を検出する相対速度検
出手段と、 前記ショックアブソーバの減衰特性を、ばね上上下速度
とばね上−ばね下間相対速度方向とが一致する時にはそ
の時のばね上上下速度方向と同一行程側をばね上上下速
度に所定の指数を累乗した値に比例した値に、また、両
速度方向が不一致の時には伸圧両行程を低減衰特性にそ
れぞれ制御すべく減衰特性変更手段に制御信号を出力す
る減衰特性制御手段と、を備え、 この減衰特性制御手段は、前記減衰特性の比例制御にお
いて、ばね上上下速度方向が下向きである時にばね上上
下速度に累乗する指数が、ばね上上下速度方向が上向き
である時にばね上上下速度に累乗する指数よりも大であ
って1より大きい数に設定されていることを特徴とする
車両懸架装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5078792A JPH05246226A (ja) | 1992-03-09 | 1992-03-09 | 車両懸架装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5078792A JPH05246226A (ja) | 1992-03-09 | 1992-03-09 | 車両懸架装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05246226A true JPH05246226A (ja) | 1993-09-24 |
Family
ID=12868528
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5078792A Pending JPH05246226A (ja) | 1992-03-09 | 1992-03-09 | 車両懸架装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05246226A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106678243A (zh) * | 2017-01-12 | 2017-05-17 | 江苏科技大学 | 旋转轴阀门控制式空气弹簧及其控制方法 |
-
1992
- 1992-03-09 JP JP5078792A patent/JPH05246226A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106678243A (zh) * | 2017-01-12 | 2017-05-17 | 江苏科技大学 | 旋转轴阀门控制式空气弹簧及其控制方法 |
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