JPH0524585B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は磁気記録再生装置で使用するテープカ
セツトに関するものである。

従来の技術 現在オーデイオの磁気記録再生装置はコンパク
トカセツトを使用したものが大半を占めている
が、近年このアナログ記録再生方式の磁気記録再
生装置に対し１ロウフラツタがない。２ダビング
等の信号劣化がない。３ダイナミツクレンジが大
きい。等数々の利点を持つデイジタル記録方式の
磁気記録再生装置が出現してきている。

このデイジタル記録方式は音声信号をPCM
（Pulse Code Modulation）方式により記録する
ため信号の帯域は1MHz以上と広くなり、限られ
た長さのテープ上に長時間記録するには記録波長
を短かくして記録密度を上げる必要がでてきた。

一般に記録波長が短かくなるとテープ上に付着
した数μ大のほこり、汚れ、又指紋等が悪影響を
及ぼし、信号の記録又は再生が不可能となる。

このためデイジタル記録方式の磁気記録再生装
置で使用するテープカセツトは使用しない状態に
おいては、ほこり、指紋等が付着しないよう、完
全密封の構造となつている。

従来この完全密閉方式のテープカセツトは第
５，６図のようになつていた。すなわちテープカ
セツト１内に供給リール４と巻取りリール５を内
蔵して、磁気テープ３が巻かれ、この磁気テープ
３の表面にほこりや指紋等の付着を防止するた
め、前面には開閉が可能な開閉蓋２が、又下面に
はテープカセツト１のリール台進入穴９，１０を
覆うスライダー６がテープカセツト１に摺動可能
（第６図に示すＺ方向の摺動）に取り付けられて
いる。

一方テープカセツト１の上面には磁気テープの
巻き状態を見ることができるよう透明窓１１が取
りつけられている。

通常テープカセツトを使用しない時は第５図，
第６図に示すようにスライダー６と開閉蓋２は閉
じた状態となつており、磁気記録再生装置（図示
せず）へ装着する時に、スライダー６と開閉蓋２
を開き装着する。この時スライダー６のリール台
進入穴７，８はテープカセツト１のリール台進入
穴９，１０とそれぞれ一致して装置のリール台
（図示せず）が供給リール４と巻取りリール５に
それぞれ進入し係合するものである。

この状態において、再生、早送り、巻戻し等々
の操作を行ないテープ走行させる。この時にテー
プカセツト１内の磁気テープの巻き取り状態を確
認する場合は第５図に示すＡ矢印方向から透明窓
３をのぞきテープ残量等を知ることができる。

発明が解決しようとする問題点 しかし上記のようなテープカセツトではカセツ
ト装着装置（図示せず）を使用し、装置内に装着
した場合カセツト装着装置の透明パネル（図示せ
ず）を通してテープの巻取り状態を見ることは可
能ではあるが、テープカセツトの内部が暗くなつ
ているために非常に見ずらくなるという問題が生
じる。

このような問題を防止する方法として第５図に
示すＡ矢印方向からランプ等で透明窓を照光し、
テープカセツト内を明るくして、テープの巻き取
り状態を見やすくすることは可能であるが、テー
プ装着装置前面の透明パネル部とテープカセツト
間の限られたスペース内にランプ等を取り付けな
ければならず、取り付けが困難となる。又ランプ
等が障害となり透明可能な範囲が狭くなるという
副作用が生じてくる。

そこで本発明はテープカセツト内の磁気テープ
巻取り状態をカセツト装着装置の透明パネルを通
して容易に見られるようにするものである。

問題点を解決するための手段 そして上記問題点を解決する本発明の技術的な
手段は、テープカセツトとスライダーに開口部を
設け、スライダーが開いた時各々開口穴の位置が
一致するようにしたものである。

作 用 この技術的手段による作用は次のようになる。

すなわちスライダーが閉じている状態ではテー
プカセツトの開口部を覆いテープカセツトは完全
密閉となりほこり等の進入を阻止する。そして使
用時スライダーが開いた状態でテープカセツトと
スライダーの開口部が一致することによりテープ
カセツトの下面から照光が可能となり磁気テープ
の巻き取り状態が容易に見やすくなるものであ
る。

実施例 以下本発明の一実施例を添付図面にもとずいて
説明する。

第４図は本発明のテープカセツトの一実施例で
テープカセツト裏面の斜視図である。

第４図において、１はテープカセツトであり、
このテープカセツト１には、スライダー６がＺ矢
印方向に摺動可能に、又前面部には支軸１５を中
心に回動可能に開閉蓋２が取り付けられている。
このスライダー６と開閉蓋２には各々復帰バネ
（図示せず）を南面に設けており、通常使用しな
い場合にはこの復帰バネ（図示せず）により、付
勢され第４図に示すように閉じた状態となつてい
る。又スライダー６には装置のリール台（図示せ
ず）が進入するためのリール台進入穴７，８が、
そしてその中央部には角穴の開口部１２を設けて
いる。

一方テープカセツトにも装置のリール台（図示
せず）が進入するためにリール台進入穴９，１０
が、そしてその中央部には角穴の開口部１３を設
けている。

このリール台進入穴９，１０と開口部１３は使
用しない場合には第４図に示すようにスライダー
６により覆われ密閉されている。又テープカセツ
ト１の上面には第３図に示すように長方形状の透
明窓１１を設けており、テープカセツト１に内蔵
している供給リール、４、巻取りリール５、磁気
テープ３等が透視できるようになつている。

以上のように本テープカセツトは使用しない状
態においては完全密閉の構造となつている。

次に、この一実施例の構成における作用を説明
する。

通常テープカセツトは第４図の状態にある。こ
のテープカセツト１を磁気記録再生装置（図示せ
ず）に装着する時はテープ装着装置（図示せず）
を使用して装着するものである。

このテープカセツト装着装置（図示せず）のカ
セツトホルダー（図示せず）にテープカセツト１
１を挿入する時に開閉蓋２の凹状の切りかき１
６，１７部のスライダー６面とカセツトホルダー
の突起部（図示せず）とが当接しスライダー６が
開く。そしてカセツトホルダー（図示せず）を押
し下げる時、磁気記録再生装置（図示せず）に設
けた係合部材（図示せず）と開閉蓋２が当接し、
装着された状態では第３図に示すように開閉蓋２
は回動して完全に開いた状態となり磁気テープ３
が現れる。又この時リール台がテープカセツト１
内の供給リール４と巻取りリール５内に入り込み
テープ走行が可能となる。

この状態において第１図に示すようにスライダ
ー６の開口部１２とテープカセツト１の開口部１
３とが一致して、磁気記録再生装置（図示せず）
内に設けた照光ランプ（図示せず）が開口穴１
２，１３部を下側（第３図に示すＢ矢印方向）か
ら照光する。この照光により磁気記録再生装置
（図示せず）に装着した状態で磁気テープ３の巻
き状態やテープ残量等をカセツト装着装置の透明
パネル（図示せず）と透明窓１１を通して容易に
見ることができる。又この構成は夜間等周囲の照
明が暗い時に使用する場合特にその効果が得られ
るものである。

次に本発明の他の実施例について説明する。

この実施例は図示していないが第１図に示すス
ライダー６の開口部１２部を透明部材で形成した
ものである。この構成においては上記と同じ効果
を有するとともに、かつ第４図に示すような状態
において更にテープカセツト密閉性を高める効果
を有する。一方テープカセツト１の開口部１３も
透明部材で形成すれば更に密閉性を高めることは
言うまでもない。

又第２図の実施例はスライダー６に透明窓１４
を形成し、かつスライダー６が開いた状態および
閉じた状態においてもテープカセツト１の開口部
１３を透視可能に透明窓１４広くしたものであ
る。この構成においては上記と同じ効果を有する
とともに、スライダー６を閉じた状態（図示せ
ず）においても透明窓１４から光りが入り、透明
窓１１から磁気テープ３の巻き状態やテープ残量
等を容易に見ることができる効果を有する。又図
示していないがスライダー６全体を透明にするこ
とにより上記と同じ効果を有するものである。

発明の効果 本発明はテープカセツトとスライダーに開口部
を設け、スライダーが開いた時各々開口穴の位置
が一致するようにしたものであるので、簡単な構
成となり安価なテープカセツトを提供することが
でき、かつ磁気記録再生装置に装着した状態でテ
ープカセツトの下面から照光が可能となり周囲が
暗い時でもテープカセツト内の磁気テープの巻き
状態や磁気テープ残量等を容易に見ることが可能
である。またテープカセツトを使用しない場合は
スライダーと開閉蓋でテープカセツトの開口部を
全て覆つているので磁気テープにほこりや指紋が
付着しないという効果を有する。一方全てを透明
にしたテープカセツトと比べると、強度耐温度
性、耐湿度等々の信頼性の高い材料や又安価な材
料も使うことが可能となる。又いろんな色のテー
プカセツトを提供することができるものでデザイ
ン上の効果も有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のテープカセツト裏
面の斜視図、第２図は本発明の他の実施例のテー
プカセツト裏面の斜視図、第３図は本発明の一実
施例のテープカセツト表面の斜視図、第４図は同
テープカセツトの裏面の斜視図、第５図，６図は
従来のテープカセツトの表面および裏面の斜視図
である。 １……テープカセツト、６……スライダー、
７，８……リール台進入穴、９，１０……リール
台進入穴、１１……透明窓、１２……開口部、１
３……開口部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 供給リールと巻取りリールを内蔵するテープ
   カセツトの上面に、テープを透視可能に透明部を
   形成し、下面はリール台進入穴と、前記透明部と
   対抗する位置に開口部を有し、前記テープカセツ
   トの下面に前記のリール台進入穴と開口部を覆う
   スライダーを摺動可能に取り付け、前記スライダ
   ーも、リール台進入穴と開口部を設けスライダー
   が開いた位置で、前記テープカセツトと前記スラ
   イダーのリール台進入穴、開口部がそれぞれ一致
   するようにしたことを特徴とするテープカセツ
   ト。 ２ スライダーに透明窓を形成しスライダーが開
   いた位置でテープカセツトの開口部と前記透明窓
   が一致するようにした特許請求の範囲第１項記載
   のテープカセツト。 ３ スライダーに透明窓を形成しスライダーの開
   閉位置でテープカセツトの開口穴を透視できるよ
   うにした特許請求の範囲第１項記載のテープカセ
   ツト。 ４ スライダー全体を透明部材で形成した特許請
   求の範囲第１項記載のテープカセツト。