JPH0524583Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、航空機、鉄道車輌及び自動車等、各
種乗物の座席に於いて、前座席の後面に後座席用
テーブルを枢設支持する形式の乗物用座席テーブ
ルに関するものである。

〔従来の技術〕

前座席の後面に枢設支持する形式の乗物用座席
のテーブルは、不使用時には前席の後面に格納し
ておき、使用時にその後方、即ち後座席側へ突出
展開させる構造に成り、特にそのテーブル面が使
用目的に応じた所定の広さを確保すべく、一枚の
板状材により形成され、前座席の使用者がバツク
レストをリクライニング操作した場合でもテーブ
ル面を常時水平に保持することができるようにす
るため、第５図又は第６図に示すような構造に成
つている。即ち、椅子５０の支持フレーム５１に
対して、ピン軸５３を介して下端部を一定の角度
範囲内で傾倒自在に枢着した一対のステー５２，
５２の各上端間に一枚構成のテーブル５４の両側
後端部を枢着すると共に、第５図の構造ではステ
ー５２，５２とテーブル５４間をピン軸５５を介
して回動自在に枢着し、該枢着軸芯の周りに構成
した、長孔５６に係合ピン５７を係合して回動範
囲を規制する枢着機構５８、又は第６図の構造で
はステー５２，５２とテーブル５４間をピン軸５
５を介して回動自在に枢着し、該枢着部近傍のス
テー５２，５２と、テーブル５４間をリンク５９
を介して連結し、回動範囲を規制する枢着機構６
０が構成されている。

〔考案が解決しようとする課題〕

所で、乗物用の座席としてのバツクレストは、
使用者の背部を支持するために必要と成る十分な
高さと同時に、乗物内に装置するために必要最小
限度の高さ条件が要求されている。加えてテーブ
ル自体についても、それがテーブルとして実際の
使用に耐え得る広さ、即ち横幅と奥行が必要であ
る。而して、上記条件を充足し、テーブルの使用
高さ、即ちステーの支持高さをそれなりに確保し
ようとすると、前座席の後面上部の大半をテーブ
ル格納部として確保しなければならない。したが
つて、該後面上部に何らかの装置を設けようとす
ると、その分だけテーブルの奥行を狭くしなけれ
ばならず、テーブル面の実用的広さが得られず、
またテーブルの奥行を広くとると、該部分に装着
しようとする装置自体の大きさに限定が生じる。

本考案は、上記問題に鑑みて創案されたもので
あり、テーブル自体を二つ折り可能に構成し、広
げたときのテーブルの奥行を広くとることができ
ると共に、前座席の後面に格納した状態でも該後
面上部に他の装置を装着するための充分なスペー
スを確保することができる乗物用座席テーブルを
提案することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案に係る乗物
用座席テーブルは、下端部が座席の支持フレーム
に一定の角度範囲内で傾倒自在に枢着された一対
のステーと、該ステーの上端部に所定角度で回動
自在に支持され、不使用時には座席後面に格納さ
れると共に、使用時には該座席の後方へ突出展開
させ得るテーブルを具備するものに於いて、該テ
ーブルを横方向に分割された折畳側テーブル片と
支持側テーブル片との二枚のテーブル片で構成す
ると共に、各テーブル片の接続側端部を側面形状
が曲尺状に上方に直角曲成した取付部材の屈曲端
部間を、該端部を当接するように両端部を回動自
在にピン軸を介して連結部材で連結し、かつ該連
結部材のピン軸間距離を上記屈曲端部の半径の略
２倍になるように構成すると共に、該連結部材の
上縁がテーブル片の面内に位置するように構成し
て成るヒンジ機構を、各テーブル片の両端部に構
成し、折畳側テーブル片を支持側テーブル片上に
折畳み自在に連接したことを要旨とするものであ
る。

〔作用〕

上記構成によれば、所望により折畳側テーブル
片を支持側テーブル片上に折り畳んで二つ折りに
することができ、二つ折りの状態でステー上端部
に対し自在に回動させることができると共に、折
畳側テーブル片を支持側テーブル片上に折り畳ん
だ状態のまま、該折畳側テーブル片の表面をテー
ブルとして使用することもできる。

また、この状態で前座席の後面にテーブルを格
納することができるため、該前座席の後面上部に
他の装置類を設けるためのスペースを確保するこ
とができる。

特に、ヒンジ機構が各テーブル片の両側端部に
構成されているため、該ヒンジ機構によつてテー
ブル面を狭小にするようなことがなく、また、該
ヒンジ機構を構成する連結部材の軸間距離が屈曲
端部の半径の略２倍になるように形成され、２枚
のテーブル片の連接部分にガタが生じない。さら
に、該ヒンジ機構がテーブル面に突出することが
ないので、テーブルの使用に際して邪魔になるこ
とがない。

〔実施例〕

以下、本考案に係る乗物用座席テーブルに関す
る実施例を図面に従つて説明する。

第１図及び第２図は、テーブルの使用状態を示
すもので、例えば角パイプ等から成る一対のステ
ー１，１の各下端にヒンジ金具２を固着すると共
に、椅子３のバツクレスト４下部の支持フレーム
５とピン軸６を介して傾倒自在に枢着して成るも
ので、該ヒンジ金具２の斜向当接面２ａの角度に
より前方所定角度αに傾倒担持するように構成
し、上記両ステー１，１の上端間にテーブル７の
後端部両側をピン軸８を介して回動自在に枢着す
る。このテーブル７は、横方向に分割された略矩
形平面を有する二枚のテーブル片７ａ，７ｂで構
成されており、使用状態に於いて一枚の使用平面
を形成すべく両テーブル片７ａ，７ｂの両側部を
第３図に示すようなヒンジ機構９を用いて回動自
在に連接して成り、上記ステー１，１の枢着部
は、支持側テーブル片７ｂに構成されるように成
る。

第３図は、上記ヒンジ機構を示すものであり、
ヒンジ機構９は、折畳側テーブル片７ａと支持側
テーブル片７ｂの両側端部に一対構成して成り、
側面形状が曲尺型の取付部材９ａ，９ａの取付基
部９ｂ端部上方に直角曲成した屈曲端部９ｃ，９
ｃ間をそれぞれピン軸９ｄを介して連結部材９ｅ
によつて接続したものである。例えば該連結部材
９ｅの軸間距離Ｌは、屈曲端部９ｃの半径Ｒの略
２倍又は２倍強になるように構成されており、上
記取付部材９ａ，９ａの各取付基部９ｂ，９ｂを
折畳側テーブル片７ａと支持側テーブル片７ｂの
当接端に対して両屈曲端部９ｃ，９ｃの当接面位
置が略一致するように固設して成るものである。
このように２枚のテーブル片７ａ，７ｂの接続側
端部に構成したヒンジ機構９は、連結部材９ｅの
軸間距離Ｌが屈曲端部９ｃの半径Ｒの略２倍又は
２倍強になるように構成されているため、該２枚
のテーブル片７ａ，７ｂの連接部分にガタが生じ
ないという特徴を有するものである。

而して、このヒンジ機構９によりテーブル片７
ａ，７ｂは、両者を展開した水平位置から折畳側
テーブル片７ａが支持側テーブル片７ｂ上に重合
する位置までの略180°の回動範囲βを規制される
ものである。

また、ステー１，１に対するテーブル７の枢着
部の近傍にリンク１０を配して連結し、該リンク
１０に形設した長孔１０ａの長径範囲内に於いて
ステー１，１上端間に枢着したテーブル７の回動
範囲γを規制する。

本考案に係るテーブル７は、第１図に示すよう
にテーブル片７ａ，７ｂを展開した状態で使用す
るものであるが、第２図に示すように折り畳んだ
状態でも使用することができるものである。した
がつて、後部座席使用者の移動のための座席間ス
ペースを広くとることが可能と成り、使用者等の
出入りが楽に成るという特徴を有するものであ
る。

尚、支持フレーム５に対するステー１，１の枢
着構造、ステー１，１上端間に対するテーブル７
の枢着構造及びテーブル片７ａと７ｂを連接する
ヒンジ機構９等については上記実施例に限定され
ることはなく、本考案の目的の範囲内に於いて適
宜設計変更することができるものである。

第４図は、座席後面に対するテーブル７の格納
状態を示すものであり、該テーブル７は、テーブ
ル片７ａ，７ｂを折り畳んだ状態のままステー
１，１と共に前座席後面側に回動させて格納し得
る。而して、一枚構造のテーブル５４に比較して
座席の上部側にスペースが広く残り、この部分に
例えば収納ボツクス、乗客安全対策用の酸素吸入
器その他の装置類１１を装置することが可能とな
る。

〔考案の効果〕

本考案に係る乗物用座席テーブルは、以上のよ
うに構成したから、従来のテーブルと同様な使用
面積を形成することができると共に、所望により
後座席側への突出量を半減して後座席使用者の移
動スペースを広く形成し、且つ前座席後面への格
納に際しては、その上部側に対する他の装置の設
置を可能にすることができる。

また、ヒンジ機構がテーブル片の両側端部に構
成されているため、テーブル面が広く使用できる
と共に、該ヒンジ機構がテーブル面に突出するこ
とがなく、邪魔になることがないという特徴を有
し、本考案実施後に於ける実用上の効果に優れて
いる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る乗物用座席テーブルの使
用状態を示す側面図、第２図は同じく折畳側テー
ブル片を支持側テーブル片上に折り畳んだ状態を
示す側面図、第３図は折畳側テーブル片と支持側
テーブル片を連接するヒンジ機構の一例を示す部
分拡大側面図、第４図はテーブルを前座席の後面
に格納した状態を示す部分斜視図、第５図及び第
６図は従来の乗物用座席テーブルを示す側面図で
ある。 １……ステー、５……支持フレーム、７……テ
ーブル、７ａ……折畳側テーブル片、７ｂ……支
持側テーブル片、９……ヒンジ機構、９ａ……取
付部材、９ｃ……屈曲端部、９ｅ……連結部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 下端部が座席の支持フレームに一定の角度範囲
   内で傾倒自在に枢着された一対のステーと、該ス
   テーの上端部に所定角度で回動自在に支持され、
   不使用時には座席後面に格納されると共に、使用
   時には該座席の後方へ突出展開させ得るテーブル
   を具備するものに於いて、 該テーブルを横方向に分割された折畳側テーブ
   ル片と支持側テーブル片との二枚のテーブル片で
   構成すると共に、 各テーブル片の接続側端部を側面形状が曲尺状
   に上方に直角曲成した取付部材の屈曲端部間を、
   該端部を当接するように両端部を回動自在にピン
   軸を介して連結部材で連結し、かつ該連結部材の
   ピン軸間距離を上記屈曲端部の半径の略２倍にな
   るように構成すると共に、該連結部材の上縁がテ
   ーブル片の面内に位置するように構成して成るヒ
   ンジ機構を、各テーブル片の両端部に構成し、折
   畳側テーブル片を支持側テーブル片上に折畳み自
   在に連接したことを特徴とする 乗物用座席テーブル。