JPH0524565U - 液体注出容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 廃棄する際、プラスチックと金属の分別処理
を容易に行える液体注出容器を提案する。 【構成】 容器体口頚部14外周に嵌合させた装着キャッ
プ４により下端のシリンダー５を容器体２内に垂下させ
るとともに、上端の押し下げヘッド９をシリンダー５上
端開口部より上方付勢状態で上下動可能に突設させ、ヘ
ッドの上下動により容器体内の液をヘッドの注出孔33よ
り注出する如く構成した液体注出容器であって、シリン
ダー５上端に嵌着させるとともに、ピストン11の抜け出
しを防止する係止筒部39をシリンダー５内上端に垂下さ
せた係止筒部材12を、取り外しが可能に構成した。そし
てシリンダー５内の金属製コイルスプリング７或いは金
属製ボールの取り外しを容易に構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は液体注出容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】 【考案が解決しようとする課題】

液体注出容器として、容器体口頚部外周に嵌合させた装着キャップにより下端 のシリンダーを容器体内に垂下させ、上端の押し下げヘッドをシリンダー上端開 口部より上方付勢状態で上下動可能に突出させた吐出管上端に嵌着固定させてな り、ヘッドの上下動により容器体内の液をシリンダー下端よりシリンダー内へ吸 い込み、ヘッドの注出孔より注出する如く構成したものが知られている。

【０００３】 これらの容器では、吐出管及び押し下げヘッドとからなる作動部材を常時上方 に付勢させるため、シリンダー内に金属製のコイルスプリングを内装し、又、吸 い込み弁の弁体として、金属製のボールをシリンダー下端に突設した内向きフラ ンジ状の吸い込み弁座上に載置したものがある。

【０００４】 一方、最近では廃棄物の処理事情が悪化し、そのため効率の良い処理を行う一 環としてプラスチックと金属の分別処理が行われており、この様な状況において 上記した従来の容器は不都合であった。即ち、上記従来品では、金属部分がシリ ンダー内に内装されているため、その分別にはポンプを強制的に破壊する等しな ければならず、分別に非常に手間が掛かるからである。

【０００５】 本考案は上記した従来技術の欠点を解消し、廃棄時におけるプラスチック部分 と金属部分の分別を極めて容易に行える液体注出容器を提案するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の液体注出容器は上記課題を解決するため、容器体口頚部14外周に嵌合 させた装着キャップ４と、該キャップにより容器体口頚部14に固定させるととも に下端を容器体内に垂下させた吸い込み弁26付きシリンダー５と、該シリンダー 内下部に周方向所定間隔をもって突設した複数の板状リブ19上面に下端面を載置 してシリンダー５内上方へ立設した金属製コイルスプリング７と、該スプリング 上端に下端部を当接させて常時上方へ付勢させるとともに、上端をシリンダー５ の上端開口部上方に突設させて上下動可能に支持させた吐出管８と、該吐出管上 端に嵌着固定させた押し下げヘッド９と、上記シリンダー５内に外周縁を摺動可 能に嵌合させた環状ピストン11とを有し、上記押し下げヘッド９を上下動させる ことにより容器体２内の液をシリンダー５内に吸い上げるとともに、シリンダー ５内の液を吐出管８を介してヘッド９の注出孔32より注出する如く構成した液体 注出容器において、上記シリンダー５外周上端に周方向所定間隔をもって複数の 係合突条21を突設するとともに、シリンダー５内周上端に周方向所定間隔をもっ て複数の係止突起22を突設し、上記各係合突条21下面に係合する係合突起36を内 周面下部に周方向所定間隔をもって突設した嵌合筒部37を頂壁38裏面より垂設す るとともに、該頂壁38中央に穿設した窓孔内周縁よりシリンダー５内周上端に嵌 合して上記ピストン11の抜け出しを防止する係止筒部39を垂下させ、且つ該筒部 外面より上記各係止突起22の一側面に当接係止させた複数の係止リブ40を周方向 所定間隔をもって突設してなる係止筒部材12を設け、該係止筒部材12の各係合突 起36がシリンダー５の各係合突条21間に位置する様係止筒部材12を回動させるこ とにより該部材12の取り外しが可能に構成した。

【０００７】

【作用】

係止筒部材12を回動させることにより、各係合突起36をシリンダー５の各係合 突条21間の位置まで回動させて上方に引き上げれば、該部材12を取り外すことが 出来、ついで、吐出管８と押し下げヘッド９とからなる作動部材10を引き抜けば ピストン11も同時に取り外すことが出来、更に、容器を逆様にする等すれば金属 製のコイルスプリング７を取り出すことができ、金属とプラスチックを容易に分 別することができる。又、吸い込み弁体として金属ボールを使用している場合も 、同様に容易に分別させることができる。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面を参照して説明する。

【０００９】 図１〜図４は本考案の一実施例を示し、本考案液体注出容器１は、容器体２と 、該容器体に装着させた吸い上げポンプ３とから構成している。

【００１０】 又、吸い上げポンプ３は、装着キャップ４と、シリンダー５と、吸い込み弁部 材６と、コイルスプリング７と、吐出管８及び押し下げヘッド９とからなる作動 部材10と、環状ピストン11と、係止筒部材12とを主要部材として構成している。 容器体２は胴部13より口頚部14を起立して構成している。

【００１１】 装着キャップ４は、容器体口頚部14外周に嵌合させた周壁15上端縁より頂壁16 を延設するとともに、頂壁16中央には大型円形の窓孔17を穿設して構成している 。

【００１２】 シリンダー５は、下端部を三段階に順次縮径して上方から第１縮径部5a、第２ 縮径部5b、第３縮径部5cを各々形成するとともに、上端部を二段階に順次拡径し て下方から第１拡径部5d、第２拡径部5eを各々形成した上下端面開口の円筒状を なし、第１縮径部5a上方で第１拡径部5d下方の部分を環状ピストン11が上下動す る摺動筒部5fとして構成している。又、上記第２縮径部5bと第３縮径部5cとの間 を下方に狭まるテーパ状の段部とし、該段部内周縁より内向きフランジ状に突設 させ且つ下方に行くに従って縮径したテーパ状をなす吸い込み弁座18を突設し、 その内周縁を吸い込み弁孔18a として構成している。更に、第２縮径部5b内周の 前後左右に板状のリブ19を突設している。又、上記第１拡径部5d外周には外向き フランジ20を突設している。

【００１３】 又、本考案では、係止筒部材12を係合させるため、シリンダー５の上記第２拡 径部5e外周面に周方向所定間隔をあけて複数の係合突条21を突設しており、又、 第２拡径部5e内周面に周方向所定間隔をあけて複数の係止突起22を突設している 。そして、この様に構成したシリンダー５は、その外向きフランジ20をパッキン 22を介して容器体口頚部14上面に載置し、又、フランジ20上面をキャップ頂壁16 下面により押圧係止させ、更に、下端を容器体胴部13内に垂下させて装着してい る。又、シリンダー５下端には吸い上げパイプ24の上端を嵌着し、その下端を容 器体胴部13内下部に垂下させている。

【００１４】 吸い込み弁部材６は、上記吸い込み弁座18上面に液密に当接する下端面を有す る中空円柱状の基部6a上端縁より縮径した棒状の案内部6bをシリンダー内上方に 一体に立設した円柱状をなし、又、基部6a下端外周面より所定間隔をもって突設 させた複数の板状突起25を上記板状リブ19間に位置させて上下動可能に支持させ ている。そして、この吸い込み弁部材６の下端面と上記吸い込み弁座18の上面と で吸い込み弁26を形成している。

【００１５】 尚、本実施例では、上記の如くの吸い込み弁部材と吸い込み弁座により吸い込 み弁を形成しているが、金属ボールを吸い込み弁体として使用した公知機構の吸 い込み弁を使用することも可能である。

【００１６】 吐出管８はシリンダー５内に下端を垂下させ、上端をシリンダー上端面開口よ り突設した円筒状をなし、下端外面より外向きフランジ状に突設した係止突起27 下面と上記シリンダー５の各板状リブ19上面間に金属製のコイルスプリング７を 介在させて常時上方に付勢させるとともに、上下動可能に装着させている。又、 係止突起27上面には、凹溝28を周設しており、この凹溝28内に後述する環状ピス トン11の吐出弁体部が挿入可能に構成している。

【００１７】 更に、下部内面より内向きフランジ状の摺動突起29を突設して、その内周縁を 上記吸い込み弁部材の案内部6b外周に液密且つ摺動可能に当接させ、作動部材10 の下降に伴い吸い込み弁部材６をその下端面が吸い込み弁座18上面に当接するま で押し下げ、作動部材10上昇に伴い吸い込み弁部材６を所定位置まで引き上げる 様構成している。

【００１８】 又、周壁下端部にシリンダー５内と連通する透孔30を穿設し、その透孔30の上 方位置の周壁外周面より外向きフランジを介して二重筒状にピストン押し下げ用 突起としての垂下筒部31を垂設し、その下端を上記係止突起27と所定間隔をあけ て垂下させている。

【００１９】 押し下げヘッド９は、上記吐出管８上端に嵌合筒部32を嵌着させて装着させた もので、吐出管８上端開口から前面に開孔した注出孔33に至る流通路34を内部に 形成している。

【００２０】 環状ピストン11は、上記吐出管８の垂下筒部31及び係止突起27間に位置する環 状基部の外方上面から上方に広がるスカート状をなす外部上方摺動部11a を、又 環状基部外方下面から下方に広がるスカート状をなす外部下方摺動部11b を、又 、環状基部内方上面から上方に上端が外方に広がる内部上方摺動部11c を、又、 環状基部内方下面から下方に垂下するリング板状の吐出弁体部11d を各々延設し た縦断面が略Ｈ状をなし、上記外部上方摺動部11a 上端及び外部下方摺動部11b 下端をそれぞれシリンダー５内周面に摺動可能に当接するとともに、内部上方摺 動部11c 上端を吐出管８の上記垂下筒部31内周面に摺動可能且つ液密に当接させ て装着させている。

【００２１】 そして、作動部材10の上昇位置において、吐出弁体部11d 下端が上記凹溝28内 に液密に嵌合してシリンダー５内と吐出管８内との間を閉塞する様構成しており 、この凹溝28と吐出弁体部11d 下端とで吐出弁35を形成している。

【００２２】 係止筒部材12は、シリンダー５の上記各係合突条21下面に係合する複数の係合 突起36を内周面下部に周方向所定間隔をもって突設した嵌合筒部37を頂壁38裏面 より上記装着キャップ16上方に僅かに隙間をあけて垂設しており，この嵌合筒部 37により装着キャップ４の抜け出しを防止している。又、頂壁38中央に穿設した 窓孔内周縁よりシリンダー５内周に嵌合する係止筒部39を垂下させており、この 筒部39下端縁によって環状ピストン11の上記外部上方摺動部11a 上端縁を係止し 、もってピストン11及び作動部材10の抜け出しを防止している。更に、この係止 筒部39外周面上部よりシリンダー５の上記各係止突起22の一側面に当接係止させ た複数の係止リブ40を周方向所定間隔をもって突設している。この係止リブ40の 幅は、各係止突起22間の幅より狭く形成して係止筒部材12の回動が充分可能に構 成している。又、係止筒部材12を回動させた際、各係合突条21下面に嵌合させた 係合突起36が、各係合突条21間に回動して作動筒部材12を上方へ引き抜ける様各 突起、突条の大きさを設定しいる。又、頂壁38の外周縁下部より装着キャップ頂 壁16上方へ周壁41を垂設している。更に、係止筒部39内周上部には押し下げヘッ ドの嵌合筒部32外周に周設させた螺条と螺合する螺条を設けて作動部材10の押し 下げ位置での係止を可能に構成している。

【００２３】 上記の如く構成した容器１は、押し下げヘッド９押して作動部材10を下降させ ることにより、吐出管８の摺動突起29により吸い込み弁部材６が下降して吸い込 み弁26が閉じるとともに、環状ピストン11は吐出管８の垂下筒部31下端がピスト ン上面を押圧するまで現状位置に止まるため吐出弁35が開きシリンダー５内が加 圧されてシリンダー５内の液が吐出弁35から透孔30を通り、吐出管８内より流通 路34を介してヘッド９の注出孔33より注出される。又、作動部材10の押圧を解除 すると、スプリング７の弾発力により作動部材10が上方に押し上げられ、それに 伴って吸い込み弁部材６が上方に引上げられて吸い込み弁26が開き、又、吐出弁 35が閉じてシリンダー５内が負圧化し、容器体２内の液が吸い上げパイプ24より 吸い込み弁26を介してシリンダー５内に吸い込まれる如く構成している。

【００２４】 尚、上記各部材は特に断りのない限り全て合成樹脂により形成している。

【００２５】

【考案の効果】

以上説明した如く、本考案液体注出容器は既述構成としたことにより、係止筒 部材を回動させて引き上げるという簡単な操作で取り外すことが出来、その結果 シリンダー内の金属製スプリング或いは金属製ボールを容易に取り出すことがで きるため、金属とプラスチックの分別廃棄を容易に行え、近年の廃棄物処理事情 に適したものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案液体注出容器の一実施例を示す要部縦断
面図である。

【図２】同実施例のシリンダーの上端部分を示す要部斜
視図である。

【図３】同実施例のシリンダーを示す平面図である。

【図４】同実施例の図１Ａ−Ａ線に沿う横断面図であ
る。

【符号の説明】

２ 容器体 ４ 装着キャップ ５ シリンダー ７ コイルスプリング ８ 吐出管 ９ 押し下げヘッド 11 環状ピストン 12 係止筒部材 14 容器体口頚部 21 係合突条 22 係止突起 26 吸い込み弁 33 注出孔 36 係合突起 37 嵌合筒部 39 係止筒部 40 係止リブ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器体口頚部14外周に嵌合させた装着キャ
   ップ４と、該キャップにより容器体口頚部14に固定させ
   るとともに下端を容器体内に垂下させた吸い込み弁26付
   きシリンダー５と、該シリンダー内下部に周方向所定間
   隔をもって突設した複数の板状リブ19上面に下端面を載
   置してシリンダー５内上方へ立設した金属製コイルスプ
   リング７と、該スプリング上端に下端部を当接させて常
   時上方へ付勢させるとともに、上端をシリンダー５の上
   端開口部上方に突設させて上下動可能に支持させた吐出
   管８と、該吐出管上端に嵌着固定させた押し下げヘッド
   ９と、上記シリンダー５内に外周縁を摺動可能に嵌合さ
   せた環状ピストン11とを有し、上記押し下げヘッド９を
   上下動させることにより容器体２内の液をシリンダー５
   内に吸い上げるとともに、シリンダー５内の液を吐出管
   ８を介してヘッド９の注出孔32より注出する如く構成し
   た液体注出容器において、上記シリンダー５外周上端に
   周方向所定間隔をもって複数の係合突条21を突設すると
   ともに、シリンダー５内周上端に周方向所定間隔をもっ
   て複数の係止突起22を突設し、上記各係合突条21下面に
   係合する係合突起36を内周面下部に周方向所定間隔をも
   って突設した嵌合筒部37を頂壁38裏面より垂設するとと
   もに、該頂壁38中央に穿設した窓孔内周縁よりシリンダ
   ー５内周上端に嵌合して上記ピストン11の抜け出しを防
   止する係止筒部39を垂下させ、且つ該筒部外面より上記
   各係止突起22の一側面に当接係止させた複数の係止リブ
   40を周方向所定間隔をもって突設してなる係止筒部材12
   を設け、該係止筒部材12の各係合突起36がシリンダー５
   の各係合突条21間に位置する様係止筒部材12を回動させ
   ることにより該部材12の取り外しが可能に構成してなる
   ことを特徴とする液体注出容器。