JPH05245649A - 真空シーム溶接装置 - Google Patents

真空シーム溶接装置

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JPH05245649A
JPH05245649A JP5174892A JP5174892A JPH05245649A JP H05245649 A JPH05245649 A JP H05245649A JP 5174892 A JP5174892 A JP 5174892A JP 5174892 A JP5174892 A JP 5174892A JP H05245649 A JPH05245649 A JP H05245649A
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electrode shaft
side electrode
movable
vacuum
vacuum chamber
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JP5174892A
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Kazuhiko Yamamoto
山本  和彦
Takao Fujikawa
隆男 藤川
Yoshinori Narahashi
良典 楢橋
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 円板回転電極が一体的に取り付けられた一対
の電極軸を真空チャンバ内に突出させた状態でシーム溶
接機本体を真空チャンバの外部に配置することにより、
真空チャンバが小型化されて短時間で所定真空度が得ら
れ、真空中にて被溶接物を能率良くシーム溶接できる真
空シーム溶接装置を得る。 【構成】 先端部に円板回転電極13,14が一体的に取り
付けられ、一対をなす下側電極軸11及び上側電極軸12を
有し、被溶接物を挟み込むために上側電極軸12を上下方
向に離間接近動させるエアシリンダを有するシーム溶接
機本体10を、これら一対の電極軸11,12を真空チャンバ
31内に突出させた状態で機械収容ケース32内に配置す
る。下側電極軸11に対して上側電極軸12が離間接近動可
能な構造を有し、かつ真空チャンバ31内への上記一対の
電極軸11,12の貫通部分を真空シールする装置50を、真
空チャンバ31の仕切り壁31aに設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属薄板などの被溶
接物を真空中にてシーム溶接する真空シーム溶接装置に
関し、詳しくは、それぞれ先端部に円板回転電極が一体
的に取り付けられ、一対をなす固定側電極軸及び可動側
電極軸を有するとともに、被溶接物を挟み込むなどする
ために固定側電極軸に対して可動側電極軸を離間接近動
させる可動側電極軸移動手段を有するシーム溶接機本体
を、これら一対の電極軸を真空チャンバ内に突出させた
状態で真空チャンバの外部に配置し、真空チャンバ内へ
の上記一対の電極軸の貫通部分を真空シールする装置を
設けることにより、真空チャンバ内に配された被溶接物
をシーム溶接するようにした、真空シーム溶接装置に関
するものである。
【0002】
【発明の背景および発明が解決しようとする課題】従
来、金属薄板などの被溶接物のシーム溶接は、大気中に
て行われることが一般的である。図7は被溶接物を大気
中にてシーム溶接するシーム溶接機の構成例を示す側面
図、図8は図7に示すシーム溶接機のA矢視正面図であ
る。
【0003】図7及び図8において、111 は、先端部に
円板回転電極113 が一体的に取り付けられた下側電極
軸、112 は、下側電極軸111 に対してその上方に平行に
相対向して配され、先端部に円板回転電極114 が一体的
に取り付けられた上側電極軸である。上記下側電極軸11
1 は、ベース板115 に固定された下側電極ヘッド116 に
より回転自在に支持されている。また、上側電極軸112
は、上側電極ヘッド117により回転自在に支持されると
ともに、この上側電極ヘッド117 上に固定されたギヤー
ヘッド付きモータ118 によって駆動ギヤー119 を介して
回転されるようになっている。なお、上側電極ヘッド11
7 は、下側電極ヘッド116 に軸120 により回動可能に支
持されている。
【0004】これらの電極ヘッド116 ,117 にはそれぞ
れステー116a,117aが固定されており、下側電極ヘッド
116 に固定されたステー116aには、上側電極ヘッド117
に固定されたステー117aを貫通させて固定ボルト121 が
ねじ止めされており、この固定ボルト121 には上側電極
ヘッド117 を下方に押し下げるためのコイルばね122が
嵌装されている。また、下側電極ヘッド116 のステー11
6aには、その下端部が支持された状態でエアシリンダ12
3 が配設されている。なお、図に示すように、これらの
ステー116a,117a、固定ボルト121 とコイルばね122 及
びエアシリンダ123 は、左右対称に設けられており、ま
た、上記固定ボルト121 はエアシリンダ123 の内部をも
貫通するようになっている。
【0005】したがって、コイルばね122 によって下方
に押し下げられるようになされている上側電極ヘッド11
7 は、円板回転電極113 ,114 間に被溶接物を挟み込む
などするときには、エアシリンダ123 に内蔵された図示
しない円筒状をなすロッドを前進させることにより、ス
テー117aを介して上方に押し上げられるようになってい
る。これにより、上側電極軸112 は下側電極軸111 に対
して上下方向に離間接近動可能とされている。
【0006】一方、トランス用ケース124 内には溶接ト
ランス125 が配置されており、上記の電極軸111 ,112
は、図に示すように、給電メタル(図示省略)及び2次
導体126a,126bを介して溶接トランス125 の端子125a,
125bにそれぞれ接続されている。なお、上側電極軸用の
2次導体126aの一部は、積層銅板などで形成された可撓
導体とされている。
【0007】上記のように構成されるシーム溶接機を用
いて、金属薄板を上記一対の円板回転電極113 ,114 に
より挟持し加圧・通電して大気中にてシーム溶接するよ
うにしている。
【0008】ところで、近年ますます金属薄板などのシ
ーム溶接部の高品質化が要請されている。これに応える
ため、真空中にてシーム溶接を行うようにすることが考
えられる。真空中にて金属薄板などをシーム溶接する場
合、真空チャンバ内にシーム溶接機全体を配置すると、
真空チャンバが大きくなることから得策ではない。
【0009】そこで、この発明は、上記のような事情に
鑑みてなされたものであって、それぞれ先端部に円板回
転電極が一体的に取り付けられ、一対をなす固定側電極
軸及び可動側電極軸を有するとともに、被溶接物を挟み
込むなどするために固定側電極軸に対して可動側電極軸
を離間接近動させる可動側電極軸移動手段を有するシー
ム溶接機本体を、これら一対の電極軸を真空チャンバ内
に突出させた状態で真空チャンバの外部に配置し、固定
側電極軸に対して可動側電極軸が離間接近動可能な構造
を有し、かつ真空チャンバ内への上記一対の電極軸の貫
通部分を真空シールする装置を設けることにより、シー
ム溶接機本体を、それ全体を真空チャンバ内に配置する
ことなく、上記一対の電極軸を真空チャンバ内に突出さ
せた状態にて、真空チャンバ内の被溶接物を真空シーム
溶接することができ、シーム溶接部の高品質化に応える
ことができるとともに、真空チャンバが小型化されて短
時間で所定真空度が得られ、真空中にて被溶接物を能率
良くシーム溶接することができる、真空シーム溶接装置
の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明による真空シーム溶接装置は、内部に被
溶接物が配され真空引きされる真空チャンバと、先端部
に円板回転電極が一体的に取り付けられ水平方向にのび
る固定側電極軸とこの固定側電極軸に対して平行に配さ
れ先端部に円板回転電極が一体的に取り付けられた可動
側電極軸とを有するとともに、前記固定側電極軸に対し
て前記可動側電極軸を離間接近動させる可動側電極軸移
動手段を有し、前記固定側及び可動側電極軸を前記真空
チャンバ内に突出させた状態で前記真空チャンバの外部
に配置され、前記被溶接物を前記両円板回転電極により
挟持し加圧・通電してシーム溶接するシーム溶接機本体
と、前記可動側電極軸が回転可能に貫通する可動側電極
軸用貫通孔を有し、この可動側電極軸用貫通孔の内周面
に前記可動側電極軸の外周面へ密着可能なシールリング
を有するとともに、側面に側面用シールリングを有し、
環形をなす可動シール板と、前記固定側電極軸が回転可
能に貫通する固定側電極軸用貫通孔を有し、この固定側
電極軸用貫通孔の内周面に前記固定側電極軸の外周面へ
密着可能なシールリングを有する一方、前記可動シール
板に挿通された前記可動側電極軸を前記固定側電極軸に
対して離間接近動可能に収容する可動側電極軸移動空間
部を有し、この可動側電極軸移動空間部を形成する面に
おける前記可動シール板の側面に相対する側に前記側面
用シールリングが密着されるシール面を有し、さらに、
外周側の部位に前記真空チャンバの開孔の周囲の面へ密
着可能なシールリングを有し、前記真空チャンバの前記
両電極軸を突出させるための開孔の部位の壁面に取り付
けられた固定シール板と、を備えていることを特徴とす
る。
【0011】
【作用】上記のように構成される真空シーム溶接装置に
おいては、真空チャンバ内への固定側及び可動側電極軸
の貫通部分を真空シールする装置は、真空チャンバの開
孔部位の壁面に取り付けられた固定シール板と、可動側
電極軸が挿通された状態でこの固定シール板に移動可能
に収容された可動シール板とにより構成されている。
【0012】一対の円板回転電極間に被溶接物を挟み込
むためにシーム溶接機本体のエアシリンダなどの可動側
電極軸移動手段を作動させると、固定シール板には可動
シール板に挿通された可動側電極軸を固定側電極軸に対
して離間接近動可能に収容する可動側電極軸移動空間部
が設けられているので、可動側電極軸を固定側電極軸に
対して離間接近動させることができる。
【0013】真空チャンバ内を真空引きするときには、
固定シール板の固定側電極軸用貫通孔の内周面に備えら
れたシールリングにより、固定側電極軸と固定シール板
間で真空シールされる。また、可動シール板の可動側電
極軸用貫通孔の内周面に備えられたシールリングによ
り、可動側電極軸と可動シール板間で真空シールされる
とともに、可動シール板の側面に備えられた側面用シー
ルリングにより、固定シール板と可動シール板間で真空
シールされる。さらに、固定シール板には真空チャンバ
の開孔の周囲の面へ密着可能なシールリングが備えられ
ているので、真空チャンバ内への固定側及び可動側電極
軸の貫通部分を真空シールすることができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例に基づいてこの発明を説明す
る。図1はこの発明の一実施例による真空シーム溶接装
置を構成するシーム溶接機本体の側面図、図2はこの発
明の一実施例による真空シーム溶接装置の全体構成を説
明するための側面図、図3は図2に示す真空シーム溶接
装置の全体構成を説明するための他の側面図、図4は図
2に示す真空シーム溶接装置の全体構成を説明するため
の平面図である。
【0015】図1において、10はシーム溶接機本体であ
り、このシーム溶接機本体10の構成は、下側電極軸及び
上側電極軸の軸長を長くしていること、この両電極軸を
その軸方向とトランス用ケースの長手方向とが直交する
ように配設していること以外は、先に説明した図7に示
すものと同じであるから、ここではその構成説明を省略
し、符号説明のみを行う。
【0016】すなわち、図1において、11は先端部に円
板回転電極13が一体的に取り付けられた下側電極軸、12
は先端部に円板回転電極14が一体的に取り付けられた上
側電極軸、15はベース板、16は下側電極ヘッド、17は上
側電極ヘッド、16a,17aはステー、18は上側電極軸を
回転させるための図示しない駆動ギヤーが内蔵されたギ
ヤーヘッド付きモータ、20は軸である。
【0017】また、21は固定ボルト、22はコイルばね、
23はエアシリンダ、24はトランス用ケース、25a,25b
はトランス用ケース24内に配置された図示しない溶接ト
ランスの端子、26aは上側電極軸12用の可撓性を有する
2次導体、26bは下側電極軸11用の2次導体である。上
記固定ボルト21とコイルばね22及びエアシリンダ23は、
可動側電極軸である上側電極軸12の移動手段を構成して
いる。
【0018】次に全体構成について説明すると、図2乃
至図4において、30は本体ケースであり、本体ケース30
は、真空チャンバ31と機械収容ケース32とを一体化して
形成されている。真空チャンバ31内には、金属薄板など
の被溶接物(図示省略)を保持し一対のガイドレール33
に沿って水平に移動される移動テーブル34が配置されて
いる。一方、機械収容ケース32内には、各円板回転電極
13,14が一体的に取り付けられた下側及び上側電極軸1
1,12を真空チャンバ31内に突出させた状態で上述した
シーム溶接機本体10が配置されるとともに、排気管35a
を介して真空チャンバ31内を真空引きするための真空ポ
ンプ35が配置されている。50は、真空チャンバ31におけ
る上記両電極軸11,12の貫通部分を真空シールするため
の後述するシール装置である。
【0019】上記真空チャンバ31は、底板36に立設され
機械収容ケース32との仕切りを兼ねる仕切り壁31a、仕
切り壁31aより短寸の前板37、底板36の上方に水平に固
着され上記の一対のガイドレール33が固定される上部底
板38、開閉用の扉であって、前方下向きに傾斜させるよ
うにして仕切り壁31aと前板37とに前後の辺がそれぞれ
固着され長方形に枠組みされた枠板39に閉じた際に密着
される前扉40、及び左右の側板41a,41bとにより形成
されている。内部を観察するためのアクリル製窓部40a
が設けらた前扉40は、側板41bに取り付けられた開閉用
エアシリンダ42によって開閉されるようになっている。
【0020】また、機械収容ケース32は、共用される真
空チャンバ31の仕切り壁31a、底板36、天板43、背板4
4、及び左右の側板45a,45bとにより横長箱形に形成
されており、側面及び背面に複数の換気孔46を備えてい
る。なお、真空計、前扉40開閉用操作スイッチ、シーム
溶接機本体10の操作盤などについては図示省略してい
る。
【0021】次にシール装置について説明する。図5は
図2に示す真空シーム溶接装置のシール装置の断面図、
図6は図5に示すシール装置の平面図である。図5及び
図6において、シール装置50は、一対の円板回転電極1
3,14間に被溶接物を挟み込んだりこれを取り外したり
するために下側電極軸11に対して上側電極軸12を上下方
向に離間接近動させることができるとともに、真空チャ
ンバ31内に突出させる上記両電極軸11,12の貫通部分を
真空シールできるようにするためのもので、可動シール
板60と固定シール板70とにより構成されている。
【0022】可動シール板60は、上側電極軸12が挿通さ
れるものであって、上側電極軸12が回転可能に貫通する
上側電極軸用円形貫通孔61を有する円形ドーナツ状をな
し、この貫通孔内周面の環状溝に上側電極軸12外周面へ
密着可能なOリング62を備えるとともに、両方の側面の
環状溝に側面用Oリング63a,63bをひとつずつ備えて
いる。
【0023】固定シール板70はハウジング板70aと押さ
え板70bとにより構成されている。ハウジング板70a
は、真空チャンバ31の仕切り壁31aの開孔部位に固着さ
れた円形ドーナツ状をなす開孔周縁板31bに図示しない
ボルトを用いて取り付けられるようになっている。
【0024】上記ハウジング板70aは、図5及び図6に
示すように、下側電極軸11が回転可能に貫通する下側電
極軸用円形貫通孔71と、上記可動シール板に挿通された
上側電極軸12を下側電極軸11に対して上下方向に離間接
近動可能に収容するための段差を有する長円形の貫通孔
とを備えている。この段差付き長円形貫通孔は、真空チ
ャンバ31側部分が上側電極軸12径より大きく上記可動シ
ール板60径より小なる大きさをもって上下方向にのびる
小径長円形孔部72とされ、これに連なる部分が可動シー
ル板60径より大なる大きさをもって上下方向にのびる大
径長円形孔部73とされている。
【0025】また、ハウジング板70aは、下側電極軸用
円形貫通孔71の内周面の環状溝に下側電極軸11外周面へ
密着可能なOリング74を備えるとともに、上記真空チャ
ンバ31の開孔周縁板31b内周面へ密着可能なOリング75
を備えている。
【0026】一方、長円形ドーナツ状をなす押さえ板70
bは、上記ハウジング板70aの大径長円形孔部73より大
なる大きさを有するとともに、ハウジング板70aの小径
長円形孔部72と同じ大きさの長円形貫通孔76を備えてい
る。したがって、可動シール板60をハウジング板70aの
大径長円形孔部73にセットし、ハウジング板70aのシー
ム溶接機本体10側の側面に、可動シール板60が上下方向
に摺動可能に上記押さえ板70bを、図示しないボルトを
用いて取り付けることにより、ハウジング板70aと押さ
え板70bとによって、可動シール板60に挿通された上側
電極軸12が、下側電極軸11に対して可動シール板60とと
もに上下方向に離間接近動し得る上側電極軸移動空間部
77が形成されている。
【0027】なお、この実施例では、ハウジング板70a
と押さえ板70bとは、可動シール板60側の面が可動シー
ル板60の側面用Oリング63a,63bが密着されるシール
面とされている。また、可動シール板60は、上側電極軸
12との万一の接触通電を防止するために、この実施例で
はフッ素樹脂であるテフロン(商品名)などの電気絶縁
性材料を用いて製作されている。
【0028】上記のように構成された真空シーム溶接装
置の動作を、図1、図2と図5及び図6を参照しなが
ら、以下に説明する。シーム溶接機本体10の一対の円板
回転電極13,14間に被溶接物(図示省略)を挟み込むた
めにエアシリンダ23を作動させると、ハウジング板70a
と押さえ板70bとにより構成される固定シール板70に上
側電極軸移動空間部77が形成されているので、可動シー
ル板60に挿通された上側電極軸12が、摺動する可動シー
ル板60とともに上方向に所定距離移動される。また、エ
アシリンダ23をオフ作動させると、可動シール板60に挿
通された上側電極軸12は、コイルばね22による付勢力に
より押し下げられて下方向に移動する。これにより、円
板回転電極13,14間に真空チャンバ31内に配された被溶
接物を挟み込むことができる。
【0029】前扉40が閉じられ真空チャンバ31内を真空
引きする際には、ハウジング板70aの下側電極軸用円形
貫通孔71の内周面環状溝に備えられたOリング74によ
り、下側電極軸11とハウジング板70a間で真空シールさ
れる。また、可動シール板60の上側電極軸用円形貫通孔
61の内周面環状溝に備えられたOリング62により、上側
電極軸12と可動シール板60間で真空シールされるととも
に、可動シール板60の側面環状溝に備えられた側面用O
リング63a,63bにより、ハウジング板70aと押さえ板
70bとにより構成される固定シール板70と可動シール板
60間で真空シールされる。さらに、ハウジング板70aに
は真空チャンバ31の開孔周縁板31b内周面へ密着可能な
Oリング75が備えられているので、真空チャンバ31内へ
の下側及び上側電極軸11,12の貫通部分を真空シールす
ることができる。なお、このことは、当然ながら溶接時
においても同様である。
【0030】したがって、シーム溶接機本体10を、それ
全体を真空チャンバ31内に配置することなく、それぞれ
円板回転電極13,14が一体的に取り付けられた下側及び
上側電極軸11,12を真空チャンバ31内に突出させた状態
にて、真空チャンバ31内の被溶接物を真空シーム溶接す
ることができる。これにより、シーム溶接部の高品質化
に応えることができるとともに、真空チャンバが小型化
されて短時間で所定真空度が得られ、真空中にて被溶接
物を能率良くシーム溶接することができる。
【0031】なお、上記実施例において、可動シール板
60の側面用Oリングは、可動シール板60の各側面にそれ
ぞれ配設することなく、いずれか一方の側面に配設する
ようにしてもよい。また、可動シール板60の上側電極軸
用円形貫通孔61の内周面とハウジング板70aの下側電極
軸用円形貫通孔71の内周面とには、上記実施例ではOリ
ングを1個配設する例を示したが、Oリングを例えば2
個並べて配設し、2個のOリングの間に油(グリース)
溜まりを設けるようにしてもよい。このことにより、真
空シールをより確実に行えるとともに、Oリングの寿命
をのばすことができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による真
空シーム溶接装置は、それぞれ先端部に円板回転電極が
一体的に取り付けられ、一対をなす固定側電極軸及び可
動側電極軸を有するとともに、被溶接物を挟み込むなど
するために固定側電極軸に対して可動側電極軸を離間接
近動させる可動側電極軸移動手段を有するシーム溶接機
本体を、これら一対の電極軸を真空チャンバ内に突出さ
せた状態で真空チャンバの外部に配置し、固定側電極軸
に対して可動側電極軸が離間接近動可能な構造を有し、
かつ真空チャンバ内への上記一対の電極軸の貫通部分を
真空シールする装置を設けるように構成したものであ
る。したがって、この発明による真空シーム溶接装置に
よると、シーム溶接機本体を、それ全体を真空チャンバ
内に配置することなく、それぞれ円板回転電極が一体的
に取り付けられた固定側及び可動側電極軸を真空チャン
バ内に突出させた状態にて、真空チャンバ内の被溶接物
を真空シーム溶接することができ、これにより、シーム
溶接部の高品質化に応えることができるとともに、真空
チャンバが小型化されて短時間で所定真空度が得られ、
真空中にて被溶接物を能率良くシーム溶接することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による真空シーム溶接装置
を構成するシーム溶接機本体の側面図である。
【図2】この発明の一実施例による真空シーム溶接装置
の全体構成を説明するための側面図である。
【図3】図2に示す真空シーム溶接装置の全体構成を説
明するための他の側面図である。
【図4】図2に示す真空シーム溶接装置の全体構成を説
明するための平面図である。
【図5】図2に示す真空シーム溶接装置のシール装置の
断面図である。
【図6】図5に示すシール装置の平面図である。
【図7】被溶接物を大気中にてシーム溶接するシーム溶
接機の構成例を示す側面図である。
【図8】図7に示すシーム溶接機のA矢視正面図であ
る。
【符号の説明】
10…シーム溶接機本体 11…下側電極軸 12…上側電極
軸 13,14…円板回転電極 16…下側電極ヘッド 17…
上側電極ヘッド 16a,17a…ステー 18…ギヤーヘッ
ド付きモータ 20…軸 21…固定ボルト 22…コイルば
ね 23…エアシリンダ 24…トランス用ケース 30…本
体ケース 31…真空チャンバ 31a…仕切り壁 31b…
開孔周縁板 32…機械収容ケース 33…ガイドレール
34…移動テーブル 35…真空ポンプ 35a…排気管 36
…底板 37…前板 38…上部底板39…枠板 40…前扉
40a…アクリル製窓部 41a,41b…側板 42…開閉用
エアシリンダ 43…天板 44…背板 45a,45b…側板
46…換気孔 50…シール装置 60…可動シール板 61
…上側電極軸用円形貫通孔 62…Oリング 63a,63b
…側面用Oリング 70…固定シール板 70a…ハウジン
グ板 70b…押さえ板 71…下側電極軸用円形貫通孔
72…小径長円形孔部 73…大径長円形孔部74,75…Oリ
ング 76…長円形貫通孔 77…上側電極軸移動空間部
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正内容】
【0003】図7及び図8において、111 は、先端部に
円板回転電極113 が取り付けられた下側電極軸、112
は、下側電極軸111 に対してその上方に平行に相対向し
て配され、先端部に円板回転電極114 が取り付けられた
上側電極軸である。上記下側電極軸111 は、ベース板11
5 に固定された下側電極ヘッド116 により回転自在に支
持されている。また、上側電極軸112 は、上側電極ヘッ
ド117 により回転自在に支持されるとともに、この上側
電極ヘッド117 上に固定されたギヤーヘッド付きモータ
118 によって駆動ギヤー119 を介して回転されるように
なっている。なお、上側電極ヘッド117 は、下側電極ヘ
ッド116 に軸120 により回動可能に支持されている。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】そこで、この発明は、上記のような事情に
鑑みてなされたものであって、先端部に円板回転電極が
それぞれ取り付けられた一対の電極軸を真空チャンバ内
に突出させた状態でシーム溶接機本体をその真空チャン
バの外部に配置し、真空チャンバ内への前記両電極軸の
貫通部分を真空シールする構成とすることにより、真空
チャンバ内の被溶接物を真空シーム溶接することがで
き、シーム溶接部の高品質化に応えることができるとと
もに、真空チャンバが小型化されて短時間で所定真空度
が得られ、真空中にて被溶接物を能率良くシーム溶接す
ることができる、真空シーム溶接装置の提供を目的とす
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の真空シーム溶接装置は、内部に被溶接
物が配され真空引きされる真空チャンバと、先端部に
板回転電極が取り付けられた固定側電極軸とこの固定側
電極軸に対して平行に配され先端部に円板回転電極が取
り付けられた可動側電極軸とを有するとともに、前記固
定側電極軸に対して前記可動側電極軸を離間接近動させ
る可動側電極軸移動手段を有し、前記両電極軸を前記真
空チャンバ内に突出させた状態で前記真空チャンバの外
部に配置され前記被溶接物を前記両円板回転電極によ
り挟持し加圧・通電してシーム溶接するシーム溶接機本
体と、前記真空チャンバ内への前記両電極軸の貫通部分
を真空シールするシール装置と、を備えたことを特徴と
する。請求項2の真空シーム溶接装置は、前記請求項1
の真空シーム溶接装置において、前記シール装置が、前
記可動側電極軸が回転可能に貫通される貫通孔の内周面
にその可動側電極軸の外周面へ密着可能なシールリング
を有するとともに、側面に側面用シールリングを有し、
前記可動側電極軸に嵌装される可動シール板と、前記固
定側電極軸が回転可能に貫通される貫通孔の内周面にそ
の固定側電極軸の外周面へ密着可能なシールリングを有
するとともに、前記可動シール板が嵌装された前記可動
側電極軸を前記固定側電極軸に対して離間接近動可能に
収容し、かつ前記可動シール板の前記側面用シールリン
グが密着可能なシール面を有して形成されてなる可動側
電極軸移動空間部を有し、前記真空チャンバにおける前
記両電極軸を突出させるための開孔の位置に取り付けら
れた固定シール板と、により構成されたものである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【作用】この発明による真空シーム溶接装置において
は、先端部に円板回転電極がそれぞれ取り付けられた一
対をなす固定側電極軸と可動側電極軸とを真空チャンバ
内に突出させた状態で、シーム溶接機本体が真空チャン
バの外部に配置されており、真空チャンバ内への前記両
電極軸の貫通部分を真空シールするためのシール装置が
備えられている。シール装置は、真空チャンバにおける
前記両電極軸を突出させるための開孔の位置に取り付け
られた固定シール板と、可動側電極軸に嵌装された状態
で前記固定シール板に移動可能に収容される可動シール
板とにより構成されている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】真空チャンバ内を真空引きするときには、
前記固定シール板の固定側電極軸用貫通孔の内周面に備
えられたシールリングにより、固定側電極軸と固定シー
ル板間で真空シールされる。また、前記可動シール板の
可動側電極軸用貫通孔の内周面に備えられたシールリン
グにより、可動側電極軸と可動シール板間で真空シール
されるとともに、可動シール板の側面に備えられた側面
用シールリングにより、固定シール板と可動シール板間
で真空シールされる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】そして、円板回転電極間に被溶接物を挟み
込むなどするためにシーム溶接機本体の可動側電極軸移
動手段を作動させたときには、固定シール板には前記可
動シール板の前記側面用シールリングが密着可能なシー
ル面を有して形成されてなる可動側電極軸移動空間部が
設けられているので、真空シール状態を保持したまま
で、固定側電極軸に対して可動側電極軸を上方へ押し上
げて離間させることができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】すなわち、図1において、11は先端部に
板回転電極13が取り付けられた下側電極軸、12は先端部
円板回転電極14が取り付けられた上側電極軸、15はベ
ース板、16は下側電極ヘッド、17は上側電極ヘッド、16
a,17aはステー、18は上側電極軸を回転させるための
図示しない駆動ギヤーが内蔵されたギヤーヘッド付きモ
ータ、20は軸である。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】次に全体構成について説明すると、図2乃
至図4において、30は本体ケースであり、本体ケース30
は、真空チャンバ31と機械収容ケース32とを一体化して
形成されている。真空チャンバ31内には、金属薄板など
の被溶接物(図示省略)を保持し一対のガイドレール33
に沿って水平に移動される移動テーブル34が配置されて
いる。一方、機械収容ケース32内には、上記両電極軸1
1,12を真空チャンバ31内に突出させた状態で上述した
シーム溶接機本体10が配置されるとともに、排気管35a
を介して真空チャンバ31内を真空引きするための真空ポ
ンプ35が配置されている。50は、真空チャンバ31内への
上記両電極軸11,12の貫通部分を真空シールするための
後述するシール装置である。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】上記真空チャンバ31は、底板36に立設され
機械収容ケース32との仕切りを兼ねる仕切り壁31a、仕
切り壁31aより短寸の前板37、底板36の上方に水平に固
着され上記の一対のガイドレール33が固定される上部底
板38、開閉用の扉であって、前方下向きに傾斜させるよ
うにして仕切り壁31aと前板37とに前後の辺がそれぞれ
固着され長方形に枠組みされた枠板39に閉じた際に密着
される前扉40、及び左右の側板41a,41bとにより形成
されている。溶接状態の監視や、溶接の開始及び停止時
の操作などを行うために内部を観察できるようにした透
明なアクリル製窓部40aが設けらた前扉40は、側板41b
に取り付けられた開閉用エアシリンダ42によって開閉さ
れるようになっている。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】このように、先端部に円板回転電極がそれ
ぞれ取り付けられた一対をなす固定側電極軸と可動側電
極軸とを真空チャンバ内に突出させた状態でシーム溶接
機本体をその真空チャンバの外部に配置し、真空チャン
バ内への前記両電極軸の貫通部分を真空シールするよう
にしたものであるから、真空チャンバ内の被溶接物を真
空シーム溶接することができ、これによりシーム溶接部
の高品質化に応えることができるとともに、シーム溶接
機全体を真空チャンバ内に配置しなくてもよいので真空
チャンバが小型化されて短時間で所定真空度が得られ
真空中にて被溶接物を能率良くシーム溶接することがで
きる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による真
空シーム溶接装置によると、先端部に円板回転電極がそ
れぞれ取り付けられた一対をなす固定側電極軸と可動側
電極軸とを真空チャンバ内に突出させた状態でシーム溶
接機本体をその真空チャンバの外部に配置し、真空チャ
ンバ内への前記両電極軸の貫通部分を真空シールするよ
うにしたものであるから、真空チャンバ内の被溶接物を
真空シーム溶接することができ、これによりシーム溶接
部の高品質化に応えることができるとともに、シーム溶
接機全体を真空チャンバ内に配置しなくてもよいので真
空チャンバが小型化されて短時間で所定真空度が得ら
、真空中にて被溶接物を能率良くシーム溶接すること
ができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に被溶接物が配され真空引きされる
    真空チャンバと、 先端部に円板回転電極が一体的に取り付けられ水平方向
    にのびる固定側電極軸とこの固定側電極軸に対して平行
    に配され先端部に円板回転電極が一体的に取り付けられ
    た可動側電極軸とを有するとともに、前記固定側電極軸
    に対して前記可動側電極軸を離間接近動させる可動側電
    極軸移動手段を有し、前記固定側及び可動側電極軸を前
    記真空チャンバ内に突出させた状態で前記真空チャンバ
    の外部に配置され、前記被溶接物を前記両円板回転電極
    により挟持し加圧・通電してシーム溶接するシーム溶接
    機本体と、 前記可動側電極軸が回転可能に貫通する可動側電極軸用
    貫通孔を有し、この可動側電極軸用貫通孔の内周面に前
    記可動側電極軸の外周面へ密着可能なシールリングを有
    するとともに、側面に側面用シールリングを有し、環形
    をなす可動シール板と、 前記固定側電極軸が回転可能に貫通する固定側電極軸用
    貫通孔を有し、この固定側電極軸用貫通孔の内周面に前
    記固定側電極軸の外周面へ密着可能なシールリングを有
    する一方、前記可動シール板に挿通された前記可動側電
    極軸を前記固定側電極軸に対して離間接近動可能に収容
    する可動側電極軸移動空間部を有し、この可動側電極軸
    移動空間部を形成する面における前記可動シール板の側
    面に相対する側に前記側面用シールリングが密着される
    シール面を有し、さらに、外周側の部位に前記真空チャ
    ンバの開孔の周囲の面へ密着可能なシールリングを有
    し、前記真空チャンバの前記両電極軸を突出させるため
    の開孔の部位の壁面に取り付けられた固定シール板と、 を備えていることを特徴とする真空シーム溶接装置。
JP4051748A 1992-03-10 1992-03-10 真空シーム溶接装置 Expired - Lifetime JPH0767620B2 (ja)

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WO2009078126A1 (ja) * 2007-12-14 2009-06-25 Akim Corporation 真空内溶接処理装置
JP2009147288A (ja) * 2008-05-19 2009-07-02 Akim Kk 真空内溶接処理装置
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JP2020065949A (ja) * 2018-10-22 2020-04-30 住友金属鉱山エンジニアリング株式会社 点検用覗き窓

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JPH02160181A (ja) * 1988-12-10 1990-06-20 Matsushita Electric Ind Co Ltd 溶接用真空チャンバー

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