JPH05244954A - ウサギコルチコスタチンをコードするdna配列 - Google Patents

ウサギコルチコスタチンをコードするdna配列

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JPH05244954A
JPH05244954A JP4048626A JP4862692A JPH05244954A JP H05244954 A JPH05244954 A JP H05244954A JP 4048626 A JP4048626 A JP 4048626A JP 4862692 A JP4862692 A JP 4862692A JP H05244954 A JPH05244954 A JP H05244954A
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JP
Japan
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corticostatin
dna sequence
rabbit
sequence
dna
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JP4048626A
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English (en)
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Toshio Isohara
豊司雄 礒原
Yoshio Hayashi
良雄 林
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Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical and Materials Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Chemical Co Ltd
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Publication date
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウサギコルチコスタチンをコードするDNA
配列およびそれを含む発現ベクターを提供する。 【構成】 ウサギコルチコスタチンをコードし、高頻度
コドンからなる合成DNA配列であって、下記DNA配
列およびそれを含む発現ベクターを提供する。 GGTATCTGCG CTTGCCGTCG TCGTTTCTGC CCGAACTCT GAACGTTTCT CTGGTTACTG TCGTGTTAAC GGTGCTCGTT ACGTTCGTTG CTGCTCTCG TCGT

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ACTHに対して拮抗
作用を有するウサギコルチコスタチンを、大腸菌等の菌
体において効率良く発現させるためのウサギコルチコス
タチンをコードするDNA配列に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ウサギコルチコスタチンは、ウサギの
肺、脾臓などにおいて見いだされる34個のアミノ酸か
らなるペプチドで、抗菌性ペプチドであるディフェンシ
ン類の一種として発見された(特開昭60−24639
8号公報)が、その後、ラットなどにおいて副腎皮質刺
激ホルモン(ACTH)に対する拮抗作用を有している
ことが明らかになっている(Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA,85,592−596(198
8))。コルチコスタチンの抗ACTH作用は、副腎皮
質におけるACTH刺激によるコルチコステロン生産を
抑制する作用を有し、これによる免疫賦活作用が期待さ
れている。
【0003】ウサギコルチコスタチンは、固相法などの
有機合成法によっても合成は可能ではあるが、本ペプチ
ドはシステインを多く含み、分子内でS−S結合を3ヶ
所も有するため、有機合成法では正しい立体構造を収率
良く形成させるのに困難が多かった。一方、大腸菌など
の微生物を用いて醗酵法により生産させればこの問題は
解決し、また、大量生産も行いやすくなると考えられ
る。しかし、ウサギコルチコスタチン遺伝子は現段階に
おいては単離されていないため、醗酵法による生産は現
在のところ困難である。また、仮にその遺伝子が単離さ
れたとしても、それはウサギの遺伝子であるため大腸菌
の遺伝子とはコドンの使用頻度が大きく異なり、大腸菌
を用いて生産させようとしても大量生産は期待できな
い。
【0004】ある一つのアミノ酸に対して、そのアミノ
酸をコードするコドンは通常複数(多いもので6種)存
在するが、その中でどのコドンを使用するか(コドンの
使用頻度)は生物種によってかなり異なることが知られ
ている。また、一つの生物種内でも、大量に発現してい
る遺伝子と、まれにしか発現していない遺伝子とでは、
用いられているコドンの使用頻度にかなりの差異が見ら
れる。大腸菌の場合、大量に発現している遺伝子におい
て高頻度に用いられているコドン(高頻度コドン)はほ
ぼ決まっており、レアコドン(rare codon)
と呼ばれるまれにしか用いられていないコドンは、これ
らの大量発現遺伝子中にはほとんど存在していない。そ
こで、レアコドンを高頻度コドンに変えることにより、
生産性が向上した例も報告されている(A.J.Mak
off et al,Nucl.Acids Re
s.,17(24),10191(1989))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、大腸
菌で多量に発現されている蛋白質の遺伝子において多く
使用されているコドンを用いることにより、大腸菌にと
って好ましいコドンを有するウサギコルチコスタチンを
コードする新規なDNA配列を提供するものである。
【0006】本発明では、大腸菌の高頻度コドンのみで
ウサギコルチコスタチンをコードするDNA配列を構築
することにより、大腸菌において最適化されたDNA配
列を提供し、大腸菌およびその類縁微生物においてウサ
ギコルチコスタチンの生産を大量に行うことを目的とす
る。また、通常に遺伝子を発現させる場合、開始コドン
に相当するメチオニンが蛋白質のN末端に付加すること
が避けられないが、融合蛋白質の形でこれを発現させる
ことによりその問題を回避し、さらに、適切な融合蛋白
質を選択することによって大腸菌内における生産物の安
定性を増し、精製を簡便化させることなどを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】ウサギコルチコスタチン
をコードし、大腸菌での発現において最適化されたDN
A配列を提供すべく研究を重ねた結果、添付配列表の配
列番号1によって特定されるDNA配列を提供すること
によって本発明の目的は達成された。すなわち、本発明
によれば、以下のDNA配列を含んでなるウサギコルチ
コスタチンをコードする新規DNA配列が提供される。 5'-GGTATCT GCGCTTGCCG TCGTCGTTTC TGCCCGAACT CTGAACGTTT 3'-CCATAGA CGCGAACGGC AGCAGCAAAG ACGGGCTTGA GACTTGCAAA CTCTGGTTAC TGTCGTGTTA ACGGTGCTCG TTACGTTCGT TGCTGCTCTC GAGACCAATG ACAGCACAAT TGCCACGAGC AATGCAAGCA ACGACGAGAG GTCGT-3' CAGCA-5' さらには、上記のDNA配列を含んでなる発現ベクター
も提供される。
【0008】本発明の上記の塩基配列を用いることよ
り、大腸菌およびその類縁微生物において、ウサギコル
チコスタチンを大量に発現することができる。特に、融
合蛋白質の形で発現させ、その接続部位に、配列特異的
に切断できるアミノ酸配列を組み込むことにより、余計
なアミノ酸配列の無いウサギコルチコスタチンを得るこ
とができる。
【0009】以下に、本発明のウサギコルチコスタチン
をコードするDNA配列の調製方法について説明する。
本発明のDNA配列の構築に際しては、大腸菌が生産す
る多くの蛋白質のうち、特に大量に発現されている蛋白
質の遺伝子において高頻度に用いられているコドンを選
び出し、そのコドンを用いることによって本発明のDN
A配列を決定する。一方、このDNA配列の下流には終
止コドンの配列をつなげるが、これは、転写を確実に終
了させるために2つ以上つなげることが好ましい。さら
に、この配列の前後には、後述の発現ベクターへ組み込
みやすいように、制限酵素認識配列を付加する。
【0010】上記のように設計したDNA配列は、種々
のDNA合成法により作成し得るが、現在の合成法では
全長を一度に合成すると、完全長のDNAの収率が著し
く落ちるため、それぞれ30から50塩基程度のいくつ
かの断片に分けてこれを合成することが望ましい。その
際、各断片は少なくとも6塩基程度が相補鎖と重なるよ
うにし、しかもそれにより各断片が正しい順序にアニー
ルするように各断片を設計する。各断片はDNA合成機
等を用いて合成した後、HPLC等によって完全長のも
ののみを精製する。
【0011】上記の各断片は5’末端がリン酸化されて
ないのでT4キナーゼによりリン酸化し、その反応液を
90℃前後で5分程度加熱した後、室温で緩やかに冷却
してアニールさせ、エタノール沈澱により回収する。こ
うして得た各断片を、T4リガーゼを用いて結合するこ
とにより、目的の二本鎖DNA断片が得られる。この
際、当該DNAの両端に対応する制限酵素であらかじめ
切断しておいたベクターを反応液中に入れておくことに
より、上記断片をベクター中に組み込むことができる。
【0012】本発明のウサギコルチコスタチンをコード
するDNA配列は開始コドン(ATG)で始まっていな
いので、実際の発現の際には、その上流に開始コドンを
導入するとともに、発現の際に、それによって生じる余
分なN末端のアミノ酸配列は除去する。このためには、
適切な蛋白質との融合蛋白質の形で本発明のDNA配列
を含んでなる遺伝子を発現させた後、配列特異的な切断
方法によって余分なN末端のポリペプチドを切断する方
法が好ましい。融合する相手の蛋白質としては、ウサギ
コルチコスタチンの正常な三次構造の形成を阻害せず、
大腸菌において安定かつ高濃度に生産され、アフィニテ
ィーによる精製が容易なものが好ましく、そしてこれら
の条件を満たす蛋白質としては、β−ガラクトシダー
ゼ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(ファルマ
シア社製pGEX−2TおよびpGEX−3Xで利用可
能。以下同様。)、マルトース結合蛋白質(New E
ngland BioLabs社製pMAL−C)、プ
ロテインA(ファルマシア社製pEZZ18)などが挙
げられる。配列特異的な切断法としては、臭化シアン分
解、種々のエンドペプチダーゼによる分解などがあげら
れる。これらは、既存の種々の発現ベクターを利用する
ことにより容易に実現できる。
【0013】こうして、本発明のDNA配列をいずれか
適切な蛋白質の遺伝子と融合させて融合蛋白質の形で発
現させることにより、コルチコスタチンの有する抗菌活
性が菌体に及ぼす影響を緩和させながら目的のコルチコ
スタチンを生産することができるのでコルチコスタチン
の生産効率の向上が期待できる。さらに、融合させる蛋
白質の種類を適切に選んでその性質を利用することによ
り、アフィニティーカラム等を利用して、生産物の高度
な精製を容易に行うことが可能となる。その上、コルチ
コスタチンのN末端側に蛋白質が結合した状態で生産さ
れるため、本来生体内で生産される場合のように前駆体
配列がN末端に付加される状態と似たような環境が形成
され、正しい三次構造が形成されることが期待される。
これにより、有機合成法の場合の大きな問題である、三
次構造の形成がうまくいかないという問題点が改善され
る。また、融合蛋白質による生産は、保護ペプチドが付
加されることになるため、菌体内プロテアーゼによる分
解をある程度回避できる。
【0014】さらに、分泌型蛋白質の遺伝子と融合させ
て(例えば、ファルマシア社製pEZZ18に組み込ん
でプロテインAのシグナルペプチドと結合させて)発現
させることによって、生産物を菌体外に分泌させること
ができ、それによって、菌体の蛋白質をほとんど含まな
い高純度な融合蛋白質を得ることもできる。また、生産
物を菌体外に分泌することにより、菌体に対する負担が
減少するため生産性の向上が期待されると共に、生産物
に対する菌体内プロテアーゼからの攻撃を防ぐことがで
きる。さらに、遺伝子発現による蛋白質生産は菌体中の
細胞質で行われるが、細胞質は還元的な条件に維持され
ているため、そのままではS−S結合の形成が十分には
行われないことがある。しかし、菌体外に分泌するシグ
ナルペプチドの配列をN末端側に配置しておくことによ
り、生産物を菌体内から酸化的条件下である菌体外に分
泌させることができ、コルチコスタチンの立体構造形成
に必須の3つのジスルフィド結合の生成を促進させるこ
とができる。また、菌体外は菌体内に比べて蛋白質濃度
が低いため、ペプチド分子間のジスルフィド結合が形成
されて不溶性の凝集体が形成される可能性はほとんどな
く、正しい分子内ジスルフィド結合を形成したペプチド
が形成されるものと期待される。
【0015】また、何らかの方法によって特異的に切断
できるような特定のアミノ酸配列をコードするDNA配
列を、遺伝子作成の段階で前もってその結合部に組み込
んでおくことにより、融合蛋白質を生成後、その部分で
特異的に融合蛋白質を切断することにより、余分なアミ
ノ酸配列を含まない、完全なウサギコルチコスタチンを
得ることもできる。
【0016】以上の各操作はそれ自体既知の方法に従っ
て進めることができる。
【0017】
【実施例】以下に実施を挙げ本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらによって制限されるものでな
い。合成DNA断片の作成 本発明のDNA配列の前後に、制限酵素認識部位、配列
特異的エンドペプチダーゼFactorXaの認識配列
(Ile−Glu−Gly−Arg)に相当するDNA
部位、および終止コドンを付加したDNA配列を、以下
の4断片に分けて合成した。合成にはDNA合成機(フ
ァルマシア社製、Gene Assembler Pl
us)を用い、ホスホルアミダイト法による固相合成を
行った。 1)5'-AGCTTGA ATTCCATGGG ATCCATCGAA GGTCGTGGTA TCTGCGCTTG CCGTCGTCGT TTCTGCCCGA ACTCT-3' 2)5'-GAACGTT TCTCTGGTTA CTGCCGTGTT AACGGTGCTC GTTACGTTCG TTGCTGCTCT CGTCGTTGAC TGCAGCCCGG G-3' 3)5'-ACGTTCA GAGTTCGGGC AGAAACGACG ACGGCAAGCG CAGATACCAC GACCTTCGAT GGATCCCATG GAATTCA-3' 4)5'-AATTCCC GGGCTGCAGT CAACGACGAG AGCAGCAACG AACGTAACGA GCACCGTTAA CACGGCAGTA ACCAGAGAA- 3' 各DNA断片は、5’水酸基の保護基(トリチル基)を
つけたままで合成を終了し、アンモニアで固相から切り
出した後、ゲル瀘過カラム(セファデックスG−10、
商品名)を用いてアンモニアを除去し、エタノール沈澱
にて回収した。その後、イオン交換カラム(Mono
Q、商品名)クロマトグラフィーによりトリチル基のつ
いたオリゴヌクレオチドのみを分取した。得られた分画
を80%酢酸で室温にて20分間処理してトリチル基を
はずし、直ちにゲル瀘過カラムにて酢酸を除去した後、
エタノール沈澱によりオリゴヌクレオチドを回収した。合成遺伝子断片の作成 精製した、上記1)〜4)の各オリゴヌクレオチド(1
0nmol)を、50mMトリス塩酸緩衝液(pH9.5)、1
0mM塩化マグネシウム、5mM2−ジチオスレイトール、
5%グリセロール、1mMdATP,T4キナーゼ10単
位からなる混合液に、それぞれ加えて37℃で30分間
反応させて5’末端の水酸基を燐酸化した。次に、各溶
液を混合して65℃で15分間加熱してT4キナーゼを
不活化させ、各溶液を混合してからエタノール沈澱で回
収した。
【0018】回収したオリゴヌクレオチド混合物を、9
0℃で5分間処理してオリゴヌクレオチドを熱変成させ
た後、室温にてゆっくりと冷却してアニールさせた。次
に、あらかじめBamHIとEcoRIで切断しておい
たpUC119を50nmol加え、ライゲーションキット
(宝酒造社製)を用いて16℃、18時間で各オリゴヌ
クレオチド断片とpUC119ベクターとの間のライゲ
ーションを行った。この反応液10μlを、あらかじめ
ハナハン(Hanahan)の方法(J.Mol.Bi
ol.166,557(1983))で作成しておいた
コンピテントな大腸菌JM109株100μlに加えて
4℃に30分おいた後、42℃で1.5分間処理し、4
℃に5分間おいてから、SOC培地(20g/lトリプ
トン、5g/lイースト−イクストラクト、0.5g/
l塩化ナトリウム、2.5mM塩化カリウム、100mM塩
化マグネシウム、20mMグルコース)800μlを加
え、37℃で40分間振盪培養した。その培養液を、1
00μg/lアンピシリンと100mMのIPTG(イソ
プロピルチオガラクトシド)が入ったLBプレートにま
き、37℃で一晩培養した。生じた白いコロニーを採取
し、100μg/lアンピシリンが入ったLB(10g
トリプトン、5gイースト−イクストラクト、10g塩
化ナトリウム)2mlで一晩培養し、アルカリSDS法に
よりプラスミドを回収し、FactorXa認識配列と
コルチコスタチン遺伝子を含むベクターpU9XCSI
を得た。ジデオキシ法により挿入断片のシークエンシン
グを行い、挿入断片の塩基配列の確認を行った結果、図
1に示す本発明のDNA配列が挿入されていることが確
認された。
【0019】なお、図1の配列中、縦1本線は各合成オ
リゴヌクレオチド断片の境界を、1本線囲い枠内はFa
ctorXaの認識配列を、下向き太線矢印はFact
orXaによる切断部位を、2本線囲い枠内はウサギコ
ルチコスタチンを、下部が1本線で連結された縦2本線
は記載の制限酵素認識部位を示す。また、大文字は合成
オリゴヌクレオチド配列を表わす。発現ベクターの作成 発現ベクターpGEX−2T(ファルマシア社製)をB
amHIとEcoRIで切断し、アガロース電気泳動後
ベクター部分を切り出して精製しておいたものと、pU
9XCSIをBamHIとEcoRIで切断し、インサ
ート部を同様に精製しておいたものの両者を前述の方法
でライゲーションし、グルタチオン−S−トランスフェ
ラーゼの後ろにFactorXa認識配列とコルチコス
タチンがつながった融合蛋白質を生産する発現ベクター
pGXCSIを得た。これをハナハンの方法により大腸
菌HB101株に形質転換し、形質転換体HB101
(pGXCSI)を得た。この形質転換体から再びプラ
スミドを抽出して塩基配列を調べたところ、図1に示す
ようにBamHIからEcoRIまでの配列が、グルタ
チオン−S−トランスフェラーゼと同じフレームで挿入
されていることが確認された。融合蛋白質の生産と精製 前培養しておいた形質転換株HB101(pGXCS
I)を、37℃に保温しておいた新鮮なLBで10倍量
に希釈し、37℃で5時間培養後、IPTGを1mMにな
るように添加し、37℃でさらに2時間培養した。培養
液を遠心分離して菌体を回収し、回収した菌体を超音波
破砕器を用いて破砕した。
【0020】この菌体破砕液は、グルタチオンカラム
(ファルマシア社製)に通し、融合蛋白質のみを回収し
た。これをセントリプレップ(アミコン社製)で濃縮、
脱塩した後、凍結乾燥して融合蛋白質を回収した。コルチコスタチンの切り出しと精製 凍結乾燥した融合蛋白質を、50mMトリス塩酸緩衝液
(pH7.5)、150mMNaCl,1mMCaCl2 の溶
液に溶かし、FactorXaを0.1mg加えて25℃
で5時間反応させ、融合蛋白質を切断した。つぎに、反
応液を逆相HPLCで分離してコルチコスタチン画分を
回収し、凍結乾燥して精製ウサギコルチコスタチンを得
た。コルチコスタチンの確認 上記のようにして得られたペプチドは、有機合成法によ
って得られたウサギコルチコスタチンに対する抗血清と
反応し、HPLCの保持時間も一致した。これにより、
両者はアミノ酸配列のみならず、その立体構造も同じで
あると判断された。
【0021】以上の実施例から、ベクター(pUC11
9)、コルチコスタチン遺伝子前半(オリゴヌクレオチ
ド断片1+3)、コルチコスタチン遺伝子後半(オリゴ
ヌクレオチド断片2+4)の3成分を一度にライゲーシ
ョン反応させても、正しく目的の構成物が得られること
が解った。従って、70余の塩基からなるオリゴヌクレ
オチドの合成は、長さがかなりあるため合成収率の点で
不利なものの、ライゲーション反応の手間が一回ですむ
ため、結果的には効率的である。また、融合蛋白質の形
で生産させてもFactorXaが切断部位を認識し、
完全な形のウサギコルチコスタチンが回収できることが
明らかになった。
【0022】
【発明の効果】本発明の塩基配列を用いることにより、
大腸菌にとって最適化されたウサギコルチコスタチン遺
伝子を構築することが可能となり、発現ベクターにこれ
を組み込むことにより、醗酵法によるウサギコルチコス
タチンの大量生産を大腸菌等の菌体を用いて行うことが
できる。これにより、多大な労力と時間を消費するcD
NAの単離が必要ない上、cDNAを用いた遺伝子発現
の場合にしばしば見られるように発現が十分には行われ
ないといったことが無い。
【0023】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:104 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:合成DNA 配列 GGTATCTGCG CTTGCCGTCG TCGTTTCTGC CCGAACTCT GAACGTTTCT CTGGTTACTG TCGTGTTAAC GGTGCTCGTT ACGTTCGTTG CTGCTCTCG TCGT
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例により作成された合成遺伝子断片を示
す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】ウサギコルチコスタチンは、ウサギの
肺、脾臓などにおいて見いだされる34個のアミノ酸か
らなるペプチドで、抗菌性ペプチドであるディフェンシ
ン類の一種として発見された(特開昭60−24639
8号公報)が、その後、ラットなどにおいて副腎皮質刺
激ホルモン(ACTH)に対する拮抗作用を有している
ことが明らかになっている(Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA,85,592−596(198
8))。コルチコスタチンの抗ACTH作用は、副腎皮
質におけるACTH刺激によるコルチコステロン生産を
抑制する作用も報告されている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【実施例】以下に実施を挙げ本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらによって制限されるものでな
い。合成DNA断片の作成 本発明のDNA配列の前後に、制限酵素認識部位、配列
特異的エンドペプチダーゼFactorXaの認識配列
(Ile−Glu−Gly−Arg)に相当するDNA
部位、および終止コドンを付加したDNA配列を、以下
の4断片に分けて合成した。合成にはDNA合成機(フ
ァルマシア社製、Gene Assembler Pl
us)を用い、ホスホルアミダイト法による固相合成を
行った。 1)5'-AGCTTGA ATTCCATGGG ATCCATCGAA GGTCGTGGTA TCTGCGCTTG CCGTCGTCGT TTCTGCCCGA ACTCT-3' 2)5'-GAACGTT TCTCTGGTTA CTGCCGTGTT AACGGTGCTC GTTACGTTCG TTGCTGCTCT CGTCGTTGAC TGCAGCCCGG G-3' 3)5'-ACGTTCA GAGTTCGGGC AGAAACGACG ACGGCAAGCG CAGATACCAC GACCTTCGAT GGATCCCATG GAATTCA-3' 4)5'-AATTCCC GGGCTGCAGT CAACGACGAG AGCAGCAACG AACGTAACGA GCACCGTTAA CACGGCAGTA ACCAGAGAA- 3' 各DNA断片は、5’水酸基の保護基(ジメトキシトリ
チル基)をつけたままで合成を終了し、アンモニアで固
相から切り出した後、ゲル瀘過カラム(セファデックス
G−10、商品名)を用いてアンモニアを除去し、エタ
ノール沈澱にて回収した。その後、イオン交換カラム
(MonoQ、商品名)クロマトグラフィーによりトリ
チル基のついたオリゴヌクレオチドのみを分取した。得
られた分画を80%酢酸で室温にて20分間処理して
記トリチル基をはずし、直ちにゲル瀘過カラムにて酢酸
を除去した後、エタノール沈澱によりオリゴヌクレオチ
ドを回収した。合成遺伝子断片の作成 精製した、上記1)〜4)の各オリゴヌクレオチド(1
0nmol)を、50mMトリス塩酸緩衝液(pH9.5)、1
0mM塩化マグネシウム、5mM2−ジチオスレイトール、
5%グリセロール、1mMdATP,T4キナーゼ10単
位からなる混合液に、それぞれ加えて37℃で30分間
反応させて5’末端の水酸基を燐酸化した。次に、各溶
液を混合して65℃で15分間加熱してT4キナーゼを
不活化させ、各溶液を混合してからエタノール沈澱で回
収した。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】回収したオリゴヌクレオチド混合物を、9
0℃で5分間処理してオリゴヌクレオチドを熱変成させ
た後、室温にてゆっくりと冷却してアニールさせた。次
に、あらかじめHindIII とEcoRIで切断してお
いたpUC119を50nmol加え、ライゲーションキッ
ト(宝酒造社製)を用いて16℃、18時間で各オリゴ
ヌクレオチド断片とpUC119ベクターとの間のライ
ゲーションを行った。この反応液10μlを、あらかじ
めハナハン(Hanahan)の方法(J.Mol.B
iol.166,557(1983))で作成しておい
たコンピテントな大腸菌JM109株100μlに加え
て4℃に30分おいた後、42℃で1.5分間処理し、
4℃に5分間おいてから、SOC培地(20g/lトリ
プトン、5g/lイースト−イクストラクト、0.5g
/l塩化ナトリウム、2.5mM塩化カリウム、100mM
塩化マグネシウム、20mMグルコース)800μlを加
え、37℃で40分間振盪培養した。その培養液を、1
00μg/lアンピシリンと100μMのIPTG(イ
ソプロピルチオガラクトシド)が入ったLBプレートに
まき、37℃で一晩培養した。生じた白いコロニーを採
取し、100m g /lアンピシリンが入ったLB(10
gトリプトン、5gイースト−イクストラクト、10g
塩化ナトリウム)2mlで一晩培養し、アルカリSDS法
によりプラスミドを回収し、FactorXa認識配列
とコルチコスタチン遺伝子を含むベクターpU9XCS
Iを得た。ジデオキシ法により挿入断片のシークエンシ
ングを行い、挿入断片の塩基配列の確認を行った結果、
図1に示す本発明のDNA配列が挿入されていることが
確認された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 15/70 // A61K 35/28 7431−4C 35/42 A 7431−4C C07K 7/10 8318−4H C07K 99:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1に示されるウサギコルチコス
    タチンをコードするDNA配列。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のDNA配列を含んでな
    る発現ベクター。
JP4048626A 1992-03-05 1992-03-05 ウサギコルチコスタチンをコードするdna配列 Withdrawn JPH05244954A (ja)

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