JPH05243823A - 誘電体共振器 - Google Patents

誘電体共振器

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JPH05243823A
JPH05243823A JP4161692A JP4161692A JPH05243823A JP H05243823 A JPH05243823 A JP H05243823A JP 4161692 A JP4161692 A JP 4161692A JP 4161692 A JP4161692 A JP 4161692A JP H05243823 A JPH05243823 A JP H05243823A
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JP
Japan
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conductor
dielectric
inner conductor
substrate
resonator
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JP4161692A
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Yoshifumi Yamagata
佳史 山形
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】低背型で且つ実装占有面積が小さく、また、機
械的強度に優れ、さらに製造が容易な平板型の誘電体共
振器を提供する。 【構成】誘電体基板1の対向する両端面方向に延るよう
に形成された帯状内導体2と、前記誘電体基板1の少な
くとも一方端面の一部を除いて、外表面に形成された外
導体4a、4bと、前記誘電体基板1の帯状内導体2と
外導体4a、4bとの間の内部に、前記誘電体基板1の
一方端面側で帯状内導体2と接続するように形成された
中間導体3a、3bから成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平板型誘電体共振器に
関するものである。
【0002】
【従来技術及びその問題点】誘電体共振器は、通信機器
などの発振回路に多用されており、現在、通信機器の小
型化に伴い、低背型で、且つ小実装面積のものが強く求
められている。
【0003】低背型の共振器として、従来より、図8に
示されるように、2層の誘電体層81a、81bからな
る誘電体基板81の内部に、帯状の内導体82を形成
し、さらに、基板81の外表面に外導体83a、83b
を形成した誘電体共振器80が知られている(特開昭6
2−120101号など)。
【0004】具体的には外導体83a、83bは、内導
体82が延出する誘電体基板81の一方の端面(開放端
面)及びその下部の誘電体層の開放端面近傍部を除く基
板81の全面に形成されており、内導体82が延出する
誘電体基板81の他方の端面(短絡端面)を介して、帯
状の内導体82と外導体83a、83bとが互いに接続
されている。
【0005】共振器として用いる際には、外導体83
a、83bを接地し、開放端面側に延出する内導体82
と外導体83a、83bに信号を与えることによって共
振器として用いていた。
【0006】この構造の共振器を等価回路で示すと、図
9に示すようになる。図において、伝送路A−A′は内
導体82に相当し、伝送路B−B′は外導体83a、8
3bに相当し、A′−B′は、短絡端面部分での外導体
83a、83bと内導体82と接続している導体を示し
ており、信号の入力はA−B端子で行われる。
【0007】この共振器の共振器条件は、A−B端子か
ら共振器を見込んだ入力インピーダンスが無限大、即
ち、入射する電流と反射する電流が逆位相とすることで
ある。
【0008】そして、電流波は、A′−B′の短絡面に
て位相差0で反射されるので、逆位相となるには、電流
波の往復がλ/2の距離が必要となり、これによって、
伝送路A−A′及び伝送路B−B′の長さがλ/4とな
る。
【0009】従って、誘電体基板81の長さ、特に短絡
端面から開放端面側の外導体83a、83bの先端部分
までの長さlが、共振波長λの1/4倍の長さに一律的
に決定されてしまう。
【0010】従って、2層の誘電体層81a、81bに
て、内導体82を挟持して、誘電体層81a、81bの
外周に外導体83a、83bを形成した共振器の長さ
は、λ/4となり、平面視の基板81の小型化に限界が
あった。
【0011】これは、別の構造の誘電体共振器(図10
(a)、(b))、即ち、柱状の誘電体ブロック91の
上下面を貫通するように穴92を形成し、その穴92の
内壁に内導体93を形成し、さらにブロックの上面を除
く外周面に外導体94を形成した共振器90に比べて、
低背型が可能で、製造方法が容易であるという利点があ
るものの、プリント配線基板に実装した時に実装占有面
積が大きくなるという不利を有するために、実際には、
使用用途に応じて平板型誘電体共振器80と柱状誘電体
共振器90とが使い分けられていた。
【0012】本発明は、上述の問題点に鑑みて案出した
ものであり、低背型で且つ実装占有面積が小さく、ま
た、機械的強度に優れ、さらに製造が容易な平板型の誘
電体共振器を提供することにある。
【0013】
【問題を解決するための具体的な手段】上述の本発明の
目的を達成するために、第1の発明は、誘電体基板の内
部に帯状内導体を、両主面に外導体を有する誘電体共振
器であって、前記誘電体基板の帯状内導体と外導体との
間に、前記誘電体基板の一方端面側で帯状内導体と接続
する帯状内導体よりも幅広な中間導体を形成したことを
特徴とする誘電体共振器である。
【0014】また、第2の発明は、誘電体基板の内部に
帯状内導体を、両主面に外導体を有するとともに、前記
誘電体基板の帯状内導体と外導体との間に、前記誘電体
基板の一方端面側で帯状内導体と接続する中間導体を形
成して成る誘電体共振器において、前記帯状内導体と中
間導体との間隔が、中間導体と外導体との間隔よりも大
きいことを特徴とする誘電体共振器である。
【0015】さらに、第3の発明は、誘電体基板の内部
に帯状内導体を、両主面に外導体を有するとともに、前
記誘電体基板の帯状内導体と外導体との間に、前記誘電
体基板の一方端面側で帯状内導体と接続する中間導体を
形成して成る誘電体共振器において、前記外導体と中間
導体との間の誘電体基板の比誘電率が、中間導体と帯状
内導体との間の誘電体基板の比誘電率よりも高く成って
いることを特徴とする誘電体共振器である。
【0016】
【作用】上述のように、本発明によれば、柱状誘電体共
振器に比較して、製造方法が容易であり、誘電体基板の
強度が優れている平板型の誘電体共振器であって、誘電
体基板の帯状内導体と外導体との間の内部に、前記誘電
体基板の一方端面側に延出する帯状内導体と接続するよ
うに形成された中間導体を有するため、図4に示す内導
体に相当するY−Y″、外導体に相当するX−X″、中
間導体に相当するZ−Z′において、信号波が進む距離
で決定される信号の位相変化と、不連続部X′−Y′−
Z′にて生じる反射位相の変化を合わせることにより、
内導体、外導体の軸長(内導体の延出方向の長さ)を短
くすることができる。即ち、Y′−Y″をI領域、Y−
Y′をII領域、Z−Z′をIII 領域とし、各領域の電圧
・電流を仮定し、分布定数的に、次の式、を解けば
よい。
【0017】2β3 (Xーl)+2ψ=π・・・・ 即ち、2β3 (Xーl)は、領域III における伝送位相
回転を示し、2ψはx=lにおける反射位相回転を示
し、πは逆位相となることを示している。
【0018】 ψ= tan-1〔{Z01・ tanβ1 l +Z02・ tanβ2 (X-l) }/Z03〕・・ となる。
【0019】各領域での誘電体の誘電率が等しければ、
β1 =β2 =β3 =βとなり、次の式のようになる。
【0020】
【数1】
【0021】上の式において、Z02が大きく、且つZ
03が小さい程、左辺は小さくなり、x−lの値も小さく
なる。これにより、開放面側Xから、外導体の先端X″
までの距離、即ち軸長が短くなり、内導体の延出方向の
長さが短い共振器が達成される。
【0022】また、上述の第2の発明では、前記内導体
と中間導体との誘電体基板の間隔が、中間導体と外導体
との誘電体基板の間隔よりも厚く成っているため、ま
た、第3の発明では、前記誘電体基板の一方端面側で帯
状内導体と接続した中間導体とから成る誘電体共振器に
おいて、前記外導体と中間導体との誘電体基板の比誘電
率が間隔が、中間導体と内導体との誘電体基板の比誘電
率よりも高く成っているため、上述の作用と同様に、上
の式において、Z02が大きく、且つZ03が小さい程、
左辺は小さくなり、x−lの値も小さくなる。これによ
り、開放面側Xから、外導体の先端X″までの距離、即
ち軸長が短くなり、内導体の延出方向の長さが短い共振
器が達成される。
【0023】これによって、低背型で且つ基板の実装面
積が小さくなる誘電体共振器が達成される。
【0024】
【実施例】以下、本発明の誘電体共振器を図面に基づい
て詳説する。図1は、本発明の誘電体共振器の分解外観
斜視図であり、図2は図1中A−A線の断面構造を示
し、図3は図1中のB−B線の断面構造を示す。
【0025】図において、誘電体共振器10は誘電体層
1a〜1dから成る誘電体基板1と、内導体2と、中間
導体3a、3bと、外導体4a、4bとから構成されて
いる。
【0026】誘電体基板1は、チタン酸バリウムなどの
誘電体材料からなり、矩形状を成している。誘電体基板
1は、誘電体材料からなる誘電体層1a〜1dを一体化
して構成される。また、誘電体基板1の一方端面(短絡
端面となる)には、誘電体基板1の厚み全部を貫くよう
にして、導体膜が形成された半円形状の導通スルーホー
ル11・・・が形成されている。また、第2の誘電体層
1b、第3の誘電体層1cの他方端面(開放端面とな
る)側には、導体が充填されたビアホール12b、12
cが形成されている。
【0027】内導体2は、銀、銅などから成り、誘電体
基板1の内部、特に第2の誘電体層1bと第3の誘電体
層1cとの間に、短絡端面から開放端面にまで延びる方
向に帯状に形成されている。具体的には、内導体2の短
絡端面側の先端は、少なくとも半円形状の導通スルーホ
ール11にまで達するように形成され、また内導体2の
開放端面側の先端は、少なくともビアホール12b、1
2cにまで達するように形成されている。
【0028】中間導体3a、3bは、銀、銅などで内導
体2よりも広い幅を有する矩形状に形成され、誘電体基
板1の内部、特に中間導体3aは、第1の誘電体層1a
と第2の誘電体層1bとの間に、中間導体3bは、第3
の誘電体層1cと第4の誘電体層1dとの間に形成され
ている。具体的には、中間導体3aの開放端面側の先端
は、ビアホール12bを介して、内導体2と接続可能な
位置にまで、その短絡端面側の先端は、所定長さまで延
びている。また中間導体3bの開放端面側の先端は、ビ
アホール12cを介して、内導体2と接続可能な位置に
まで、その短絡端面は、所定長さまで延びている。
【0029】外導体4a、4bは、銀、銅などから成
り、誘電体基板1の両主面の略全面に形成されている。
具体的には、誘電体基板1の一方の主面、即ち第1の誘
電体層1aの上面側の外導体4aは、その主面全面に形
成されている。また誘電体基板1の他方の主面、即ち第
4の誘電体層1dの下面側の外導体4bは、その主面の
開放端面側に島状に形成された端子電極41と短絡しな
いように、その主面の大部分に形成されている。外導体
4a、4bの短絡端面側は、少なくとも導通スルーホー
ル11・・・にまで達するうように形成されている。
【0030】尚、端子電極41は、誘電体基板1の他方
主面側の開放端面側に、矩形状に形成され、中間導体3
bと誘電体層1dを介して対向するように形成されてい
る。
【0031】したがって、上述の誘電体共振器10は、
端子電極41と中間導体3bとの間で容量成分(入出力
容量)を発生し、この中間導体3bはビアホール12c
を介して内導体2の開放端面側と接続し、さらに内導体
2はビアホール12bを介して中間導体3aと接続して
いる。また内導体2の短絡端面側は、導通スルーホール
11を介して外導体4a、4bと接続している。また、
外導体4a、4bは短絡端面側において、複数の導通ス
ルーホール11・・・によっても接続されている。
【0032】以上構成する誘電体共振器を伝送路の等価
回路で示すと、図4のようになる。
【0033】尚、図4では、入出力容量を省略した。
【0034】ここで、伝送路X−X′−X″は、外導体
4a、4bを示し、伝送路Y−Y′−Y″は、内導体2
を示し、伝送路Z−Z′は中間導体3a、3bを示す。
また、点X、Y、Zは、開放端面を示し、点X″、Y″
は、短絡端面を示し、点X′、Y′、Z′は、中間導体
3a、3bの開放端面側の先端部分に相当する点であ
る。線X″−Y″は短絡端面に形成した導通スルーホー
ル11・・・に相当し、線Y−Zは、中間導体3a、3
bと内導体2とを接続するビアホール12b、12cに
相当する。尚、X−X″の線に沿ってX軸を仮定し、点
X″をX=0、点X′をX=l、点XをX=xとする。
また、領域IはY′−Y″、X′−X″とに囲まれた部
分であり、特性インピーダンスZO1、位相定数β1 であ
る。また、領域IIはY−Y′、Z−Z′とに囲まれた
部分であり、特性インピーダンスZO2、位相定数β2
ある。また領域III はX−X′、Z−Z′とに囲まれた
部分であり、特性インピーダンスZO3、位相定数β3
ある。
【0035】高周波信号は、入出力容量を介して、線Y
−Zと点Xとの間の与えられることになり、入射信号
(電流波)が開放端面(X、Y、Z)側から短絡端面
(X″、Y″、Z′)側に向かって進行する。ここで、
点X′、Y′、Z′及び点X″、Y″は、特性的には不
連続な点であるから、進行してきた電流波は、この各点
で夫々反射する。即ち、外導体の伝送路X−X′−X″
において、入力信号の電流波がXからX′方向に進行
し、点X′で第1の反射を起こし、X′からX方向に反
射電流波(第1の反射電流波)を発生する。同時に、点
X′を通過した電流波が、点X" に達することになる
(往路)。この点X" で第2の反射することになり、反
射した電流波が点X′で再度反射するが、この点X′を
通過した電流波(第2の反射電流波)が第1の反射波と
合成されて、点Xに達することになる(復路)。尚、外
導体の伝送路Y−Y′−Y″においても同様である。
【0036】また、中間導体3a、3bの伝送路Z−
Z′は、1回の反射のみで、反射電流波が点Zに達する
ことになる。
【0037】ここで、共振器として動作するには、反射
して開放端面部分X、Y、Zにまで達する反射電流波
が、夫々入力信号の電流波と、位相的には逆相となるよ
うにする必要がある。即ち、電圧の信号は同相とする。
【0038】従って、 2β3 (xーl)+2ψ=π・・・ ψ= tan-1〔{Z01・ tanβ1 l +Z02・ tanβ2 (x-
l) }/Z03〕・・・となるように、誘電体基板の各
領域の誘電率、内導体の形状、中間導体の形状などを決
定すればよい。
【0039】尚、上式において、 β1 、β2 、β3 :各領域における位相定数 Z01、Z02、Z03:各領域における特性インピーダンス ψ :位相差 x :図4におけるX″−Xまでの長さ l :図4におけるX″−X′までの長さ また、2β3 (Xーl)は、領域III における伝送位相
回転を示し、2ψはx=lにおける反射位相回転を示
し、πは逆位相となることを示している。
【0040】各誘電体層1a〜1dを同一の誘電体材料
を用いれば、位相定数β1 =β2 =β3 =βとなり、上
述の式は、ψ= tan-1〔{Z01・ tanβ l+Z02・ t
anβ(X-l)}/Z03〕・・・′となる。
【0041】従って、式及び式′より、上述の式
が導ける。
【0042】ここで、特性インピダンスZは、1/υP
・Cで表される。上述の構造の誘電体共振器において、
υP は、位相速度であり、Cは、各領域I〜III を構成
する1mあたりの容量値であり、領域Iにおいては、外
導体4a、4bと内導体2との対向面積に比例し、領域
IIにおいては、内導体2と中間導体3a、3bとの対向
面積に比例し、領域III においては、中間導体3a、3
bと外導体4a、4bとの対向面積に比例する。また、
中間導体3a、3bと外導体4a、4bとの間の第1及
び第4の誘電体層1a、1dの層厚さに逆比例する。さ
らに、中間導体3a、3bと外導体4a、4bとの間の
第1及び第4の誘電体層1a、1dの比誘電率と比例す
る。
【0043】この共振条件を満足するものにおいて、本
発明の第1の発明では、中間導体3a、3bの幅が内導
体2の幅よりも大きく設定されているため、中間導体3
a、3bと外導体4a、4bとの間(領域III )の容量
が中間導体3a、3bと内導体2との間(領域II)の容
量よりも大きくなる。即ち、特性インピーダンスでは、
領域III のZO3は小さく、領域IIのZO2は大きくなり、
これにより、上式において、左辺が小さくなる。
【0044】また、本発明の第2の発明では、中間導体
3a、3bと外導体4a、4bとの間の第1及び第4の
誘電体層1a、1dの層厚さを、中間導体3a、3bと
内導体2との第2及び第3の誘電体層1b、1cの層厚
さに対して厚くしているので、上述のように、中間導体
3a、3bと外導体4a、4bとの間(領域III )の容
量が中間導体3a、3bと内導体2との間(領域II)の
容量よりも大きくなる。
【0045】また、本発明の第3の発明では、中間導体
3a、3bと外導体4a、4bとの間の第1及び第4の
誘電体層1a、1dの比誘電率を、中間導体3a、3b
と内導体2との第2及び第3の誘電体層1b、1cの比
誘電率も高く設定しているため、上述のように、中間導
体3a、3bと外導体4a、4bとの間(領域III )の
容量が中間導体3a、3bと内導体2との間(領域II)
の容量よりも大きくなる。
【0046】したがって、(x−l)も小さくなり、結
局、xの値(X−X′−X″の伝送路のX−X″間の長
さ)が小さい誘電体共振器が達成されることになる。
【0047】従って、誘電体基板1において、内導体2
が延びる方向の長さが小さい誘電体基板1で、誘電体共
振器が達成できることになり、実装面積が小さくなる。
【0048】次に、本発明の誘電体共振器10の製造方
法について説明する。製造方法は、誘電体層1a〜1d
となる各誘電体シートを形成する工程と、各シートにビ
アホール12b、12cとなる穴及び半円形のスルーホ
ール11となる穴を形成する工程と、各導体となる導体
膜を形成する工程と、各シートを積層圧着する工程と、
焼成する工程と、焼成した積層体を分割する工程とから
成る。
【0049】先ず、誘電体層1a〜1dとなる各誘電体
シートを形成する。即ち、所定誘電率となる誘電体材料
のペーストを、ドクターブレード法などによって、所定
厚みの誘電体テープを成型する。次に、該テープを複数
の誘電体共振器10・・が抽出できる大きさに切断し
て、誘電体層1a〜1dとなる各誘電体シートを形成す
る。
【0050】次に、各シートにビアホール12b、12
cとなる穴及び半円形のスルーホール11となる穴を形
成する。即ち、図5(a)で示す第1及び第4の誘電体
層1a、1dとなる各シート50a、50dは、最終的
に誘電体共振器10・・となる領域(図中ではその境界
線を一点鎖線で示す)を考慮して、その短絡端面になる
部分に円形状の貫通穴51・・を形成する。また、図5
(b)で示す第2、第3の誘電体層1b、1cとなる各
シート50b、50cは、共振器となる領域を考慮し
て、その短絡端面になる部分に円形状の貫通穴51・・
を形成し、さらに開放端面側には、ビアホール12b、
12cとなる貫通穴52・・・を形成する。いずれの貫
通穴51、52はパンチングにより形成されるものであ
り、貫通穴52・・・の直径は、例えば0.3mm、貫
通穴51・・・の直径は、例えば0.5mmである。
【0051】次に、各シート50a〜50dに、内導体
2、中間導体3a、3b、外導体4a、4bとある導体
膜を形成する。
【0052】図6(a)で示す第1の誘電体層1aとな
るシート50aの上面には、誘電体共振器となる領域を
考慮して、その全面に導電性ペーストで、外導体4aと
なる導体膜53を印刷する。この時、同時に貫通穴51
・・の内壁に、導体膜が形成されることになる。
【0053】また、図6(b)で示す第2の誘電体層1
bとなるシート50bの上面には、誘電体共振器10・
・となる領域を考慮して、開放端面側に導電性ペースト
で中間導体3aとなる導体膜54を印刷する。この時、
ビアホール12bとなる貫通穴52に導電性ペーストが
充填される。さらに、貫通穴51・・を覆うように印刷
することにより、貫通穴51・の周囲にランド導体膜5
5が形成され、このシート50bの貫通穴51の内壁に
導体膜が形成されることになる。尚、充填を確実に行う
ために、貫通穴52を下面側から抜気しながら印刷して
もよい。尚、図では、導体膜55は説明のために強調的
に図示している。
【0054】また、図6(c)で示す第3の誘電体層1
cとなるシート50cの上面には、誘電体共振器10・
・となる領域を考慮して、開放端面から短絡端面に延び
る帯状の内導体2とある導体膜56を、導電性ペースト
で印刷することにより形成する。この時、ビアホール1
2bとなる貫通穴52に導電性ペーストが充填される。
また、貫通穴51・・を覆うように印刷することによ
り、貫通穴51・の周囲にランド導体膜55が形成さ
れ、このシート50cの貫通穴51の内壁に導体膜が形
成されることになる。
【0055】また、図6(d)で示す第4の誘電体層1
dとなるシート50dの上面には、誘電体共振器となる
領域を考慮して、開放端面側に中間導体3bとなる導体
膜57を導電性ペーストで印刷する。この時、貫通穴5
1・・を覆うように印刷することにより、貫通穴51・
の周囲にランド導体膜55が形成され、このシート50
dの貫通穴51の内壁に導体膜が形成されることにな
る。
【0056】さらに、図6(e)で示す第4の誘電体層
1dとなるシート50d下面には、誘電体共振器となる
領域を考慮して、開放端面側に島状の端子電極41とな
る導体膜58及びこの島状導体膜58を取り囲むように
略全面に外導体4bとなる導体膜59を導電性ペースト
で印刷する。上述の導体膜53〜59は、銀、又は銅、
それらの合金、例えば銀−パラジウムを導体材料を含む
導電性ペーストで形成され、その膜厚は10〜20μm
程度である。このペーストを印刷した後、乾燥を行う。
【0057】次に、各シート50a〜50dを積層圧着
する。具体的には、上からシート50a、50b、50
c、50dの順に、位置合わせをして、積層し、所定圧
力、温度を印加して、積層体とする。この積層体を得た
後、誘電体共振器となる領域(図5、図6のその境界を
一点鎖線で示した)を考慮して、積層基板の厚みに対し
て約40%の深さにまで、分割ラインを形成する。
【0058】尚、上述の導体膜53〜59の形成工程に
おいて、外導体4a、4bとなる導体膜53、59を形
成せず、各シート50a〜50dを積層した後に、外導
体4a、4bとなる導体膜53、59を印刷、乾燥して
もよい。このようにすれば、短絡端面の導通スールホー
ル51の内壁に導体膜を形成するためのランド導体膜5
5が不要となり、この導体膜53、59を形成する時
に、積層体に一括的に貫通穴51の内壁に導体膜を形成
できる。
【0059】次に、積層体を焼成する。この焼成によっ
て各誘電体シート50a〜50dが一体焼結し、同時に
内部の導体膜53〜59が焼結して内導体2、中間導体
3a、3b、外導体4a、4bとなる。焼成温度は、誘
電体材料によっても異なるが、例えば1300℃で焼成
される。尚、この焼成温度を考慮して、導体ペーストを
選択すればよく、1300℃で焼成される場合には、銀
や銅の融点を越えるため、銀−パラジウムペーストを用
いる。
【0060】最後に、焼結した積層体を分割する。具体
的には、上記積層工程で成型した分割ラインに沿ってブ
レークするものであり、これによって、複数の誘電体共
振器10が得られることになる。この短絡端面の分割ラ
インによって導通スルーホール11が隣接する誘電体共
振器10で共用されているため、半円形状のスルーホー
ル11となる。
【0061】尚、上述の製造方法の導体膜の形成にあた
り、シート50dを除いては、シートの上面側のみに導
体膜を形成したが、1枚のシートの上下面に導体膜を形
成するとことにより、全く導体膜を形成しないシートが
存在してもよい。
【0062】以上の製造方法によれば、誘電体シート上
の導体膜の印刷と焼成と分割とによって行われるため、
従来の図10で示した柱状の誘電体共振器90の製造方
法のように複雑化せず、また、一度に多数の共振器が得
られるという利点がなる。また、柱状の誘電体共振器9
0に本発明の中間導体3a、3bに相当する金属部材を
設けることを想定できるが、この時、柱状の誘電体ブロ
ック91の焼成前に金属部材を形成することが困難であ
り、焼成した後の強固なブロック体91に切削加工など
に金属部材を配置する溝を設けることは、ブロック体9
1の剛性を低下させたり、各共振器間で特性が安定しな
かったり、製造工程が極めて困難となったりするのに対
して、本発明の誘電体共振器10では、製造工程上は極
めて有利となる。
【0063】次に、本発明の別の態様を図7を用いて説
明する。
【0064】図において、開放端面側における帯状の内
導体2と中間導体3a、3bとの接続が、開放端面側に
形成した開放端面導体膜71によって接続されており、
また、短絡端面側における帯状の内導体2と外導体4
a、4bとの接続が、短絡端面側に形成した短絡端面導
体膜72によって接続されている。
【0065】即ち、この構造においては、図1の誘電体
共振器10のように半円形状の導体スルーホール11や
ビアホール12a、12bによる接続ではないため、夫
々の導体、即ち、中間導体3a、3bと内導体2、内導
体2と外導体4a、4b及び外導体4a、4bどうしの
接続が、低抵抗状態で接続できる。また、製造過程にお
いて、パンチングによる穴形成が不要となる。
【0066】尚、短絡端面導体膜72及び開放端面導体
膜71は、各シート50a〜50dの積層体を焼成した
後、短絡面、開放端面が現れる側の一方の分割ラインに
そって分割して、その短冊状の積層体を得た後、短絡面
及び開放端面に導電性ペーストを用いて、両端面に短絡
端面導体膜72及び開放端面導体膜71となる導体膜を
印刷し、その後、この導体膜を焼き付けする。さらに他
方のブレーク溝にそって分割すればよい。この時、開放
端面導体膜71は、外導体4a、4bと接続してはなら
ないため、外導体4a、4bの開放端面側を、誘電体基
板1の開放端面の稜線部分から若干の間隙を有するよう
に形成すればよい。
【0067】また、他方の分割ラインで分割した後に、
誘電体基板1の側面端面に相当する部分を、導体膜を焼
きつけして、短絡端面以外に、基板1の側面で外導体4
a、4bどうしを接続してもよい。
【0068】上述の実施例では、中間導体3a、3bと
内導体2との幅を規定しているが、上述のように、図1
乃至図3において、第1及び第4の誘電体層1a、1d
の層厚さを、例えば0.2〜0.3mm、中間導体3
a、3bと内導体2との第2及び第3の誘電体層1b、
1cの層厚さを、例えば0.5mmに設定し、誘電体層
1a、1dに対して、誘電体層1b、1cの層厚を厚く
すれば、中間導体3a、3bと内導体2との幅に関係な
く、本発明の作用効果を得ることができる。尚、厚さの
設定において、1枚のグリーンシートで所定の層厚が達
成できない時には、複数枚のグリーンシートを積層し
て、1層の誘電体層を設けても構わない。
【0069】さらに、中間導体3a、3bと外導体4
a、4bとの間の第1及び第4の誘電体層1a、1dの
比誘電率を、例えば110、中間導体3a、3bと内導
体2との第2及び第3の誘電体層1b、1cの比誘電率
を89に設定するように、誘電体層1a〜1dの誘電体
材料を適宜選択することにより、中間導体3a、3bと
内導体2との幅に関係なく、本発明の作用効果を得るこ
とができる。
【0070】
【発明の効果】以上、本発明によれば、低背型で且つ実
装占有面積が小さく、また、機械的強度に優れ、さらに
製造が容易な平板型の誘電体共振器となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体共振器の分解斜視図である。
【図2】図1のA−A線の断面図である。
【図3】図1のB−B線の断面図である。
【図4】誘電体共振器を伝送路の等価回路を示す概略図
である。
【図5】本発明の製造工程の一工程を示す概略図であ
り、(a)は第1及び第4の誘電体層となるシート、
(b)は第2、第3の誘電体層となるシートを示す。
【図6】本発明の製造工程の一工程を示す概略図であ
り、(a)は第1の誘電体層となるシートの上面を、
(b)は第2の誘電体層となるシートの上面を、(c)
は第3の誘電体層となるシートの上面を、(d)は第4
の誘電体層となるシートの上面を、(e)は第4の誘電
体層となるシートの下面を夫々示す。
【図7】本発明の他の誘電体共振器の図3に相当する断
面図である。
【図8】従来の誘電体共振器の外観斜視図である。
【図9】図8の誘電体共振器を伝送路の等価回路を示す
概略図である。
【図10】従来の柱状の誘電体共振器を示し、(a)は
その外観斜視図であり、(b)は縦断面を示す概略図で
ある。
【符号の説明】
10・・・・・・誘電体共振器 1・・・・・・・誘電体基板 1a〜1d・・・誘電層 2・・・・・・・内導体 3a、3b・・・中間導体 4a、4b・・・外導体 11・・・・・・導通スルーホール 12b、12c・・ビアホール 71・・・・・・・開放端面導体膜 72・・・・・・・短絡端面導体膜

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体基板の内部に帯状内導体を、両主
    面に外導体を有する誘電体共振器であって、 前記誘電体基板の帯状内導体と外導体との間に、前記誘
    電体基板の一方端面側で帯状内導体と接続する帯状内導
    体よりも幅広な中間導体を形成したことを特徴とする誘
    電体共振器。
  2. 【請求項2】 誘電体基板の内部に帯状内導体を、両主
    面に外導体を有するとともに、前記誘電体基板の帯状内
    導体と外導体との間に、前記誘電体基板の一方端面側で
    帯状内導体と接続する中間導体を形成して成る誘電体共
    振器において、 前記帯状内導体と中間導体との間隔が、中間導体と外導
    体との間隔よりも大きいことを特徴とする誘電体共振
    器。
  3. 【請求項3】 誘電体基板の内部に帯状内導体を、両主
    面に外導体を有するとともに、前記誘電体基板の帯状内
    導体と外導体との間に、前記誘電体基板の一方端面側で
    帯状内導体と接続する中間導体を形成して成る誘電体共
    振器において、 前記外導体と中間導体との間の誘電体基板の比誘電率
    が、中間導体と帯状内導体との間の誘電体基板の比誘電
    率よりも高く成っていることを特徴とする誘電体共振
    器。
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