JPH0524376A - 平版印刷版用支持体 - Google Patents

平版印刷版用支持体

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JPH0524376A
JPH0524376A JP18471091A JP18471091A JPH0524376A JP H0524376 A JPH0524376 A JP H0524376A JP 18471091 A JP18471091 A JP 18471091A JP 18471091 A JP18471091 A JP 18471091A JP H0524376 A JPH0524376 A JP H0524376A
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JP
Japan
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acid
pit
diameter
group
aluminum
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JP18471091A
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English (en)
Inventor
Haruo Nakanishi
治雄 中西
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】アルミニウムまたはその合金板を電解粗面化処
理することにより得られる、平版印刷版用アルミニウム
支持体において、「ピット径」と、「径に垂直な方向の
最大深さ」の、一次回帰分析による直線の勾配が0.1
00以上であるようなピット形状を持つ粗面形状である
ことを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持体。 【効果】この支持体を用いた平版印刷版は、耐刷力に優
れ、しかも汚れ難く、特に、画像部の中間調部分の汚れ
難さにおいて優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平版印刷版用支持体に
関するものであり、特に、アルミニウムまたはその合金
板を、電解粗面化処理して得られる平版印刷版用アルミ
ニウム支持体に関するもので、印刷版として使用した場
合の耐刷力と汚れ難さを両立し、特に画像部の中間調部
分の汚れ難さの点で優れた性能を有する支持体を与える
粗面形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷業界においても省資源・省力
化・高速化などの要求は、より一層高まっており、それ
らの要求に対応できる「刷り易い印刷版」が要求されて
いる。それには印刷条件、特に湿し水・インキの厳密な
コントロールを行わなくとも、美しい印刷物が得られる
ことが重要なポイントとなる。それを達成するための要
因のひとつに汚れ難さ、特に画像部の中間調部分の汚れ
難さが優れている印刷版であることが挙げられる。
【0003】従来、平版印刷版用支持体としてアルミニ
ウム板が広く使用されているが、支持体と感光層の密着
性を良好にし、かつ非画像部に保水性を与えるため、支
持体の表面を粗面化する、いわゆる、砂目立て処理がな
されている。この砂目立て処理法の具体的手段として
は、サンドブラスト、ボ−ルグレイン、ワイヤ−グレイ
ン、ナイロンブラシと研磨材/水スラリ−によるブラシ
グレイン、研磨材/水スラリ−を表面に高圧で吹き付け
るホーニンググレインなどによる機械的砂目立て方法が
あり、またアルカリまたは酸あるいはそれらの混合物か
らなるエッチング剤で表面を粗面化処理する化学的砂目
立て方法がある。また英国特許第896,563号明細
書、特開昭53−67507号公報、特開昭54−14
6234号公報及び特公昭48−28123号公報に記
載されている電気化学的砂目立て方法、例えば特開昭5
3−123204号公報に記載されている機械的砂目立
て方法と電気化学的砂目立て方法とを組み合わせた方
法、特開昭56−55261号公報に記載されている機
械的砂目立て方法と鉱酸のアルミニウム塩の飽和水溶液
による化学的砂目立て方法とを組み合わせた方法も知ら
れている。
【0004】以上のような種々の粗面化処理方法のう
ち、粗面形状の制御が比較的容易であり、しかも、微細
な粗面が得られる方法としては、電解粗面化処理があげ
られる。このように種々の粗面化処理がなされた表面の
形状を特徴づけるために、従来から先行文献がいくつか
知られており、例えば米国特許第4,301,229号
明細書は、ピット径の累積度数分布と中心線平均粗さを
規定し、米国特許第3,861,917号明細書は粗面
の深さを規定し、カナダ特許第955,449号明細書
は粗面の山の高さと直径とを規定している。また、ドイ
ツ特許第1,813,443号明細書は粗面の高低差を
規定し、特開昭55−132294号公報は平均深さ
(触針式表面粗さ計による粗さ平均値)を規定してい
る。
【0005】しかしながら、これらの先行技術におい
て、種々のパラメータを規定してはいるが、印刷版とし
て使用した場合の耐刷力と汚れ難さを両立し、特に画像
部の中間調部分の汚れ難さの点で優れた性能を達成した
ものは見られなかった。また、ピット径やピット・粗さ
等の方向依存性、平均粗さなどについて規定した公知文
献として特開昭58−167196号公報がある。ピッ
ト径やその方向依存性及び中心線平均粗さや、その方向
依存性などを限定しており、この粗面形状を有する支持
体に感光層を設けた材料は、連続階調を有する原稿を網
撮りしないで印刷版を作成する用途において、忠実な階
調再現を可能にする効果を有することが示されている
が、これにも、印刷版として使用した場合の耐刷力と汚
れ難さ、特に画像部の中間調部分の汚れ難さと各パラメ
ータについて、何ら開示も示唆もなされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、前述のような
公知技術による表面形状を有する支持体は、印刷版とし
て使用した場合の耐刷力と汚れ難さを両立し、特に画像
部の中間調部分の汚れ難さの点で優れた性能を有する支
持体を与える表面形状とは言えず、この性能を満足でき
る粗面形状を見いだすことが本発明の目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、印刷時に
耐刷力と汚れ難さを両立し、特に画像部の中間調部分の
汚れ難さの点で優れた性能を有する支持体を与える表面
形状について、どのようなパラメータをどのように設定
することが必要であるかを見いだすべく鋭意検討を行な
った結果、ピット形状が、「ピット径」と、「径に垂直
な方向の最大深さ」の、一次回帰分析による直線の勾配
が0.100以上であるような粗面形状が必要であるこ
とを見い出し、本発明に至ったものである。
【0008】すなわち、本発明は、アルミニウム板を電
解粗面化処理した、上記のような特性値を有する粗面形
状のアルミニウム支持体に関するものである。以下、本
発明について詳細に説明する。本発明において使用され
るアルミニウム板には純アルミニウム及びアルミニウム
合金板が含まれる。アルミニウム合金としては種々のも
のが使用でき、例えばFe,Si,Cu,Mn,Mg,
Cr,Zn,Ti,Pb,Niなどの金属とアルミニウ
ムとの合金が用いられる。例えば、市販のアルミニウム
では、1050材、1100材、3003材等々、ある
いはこれらのアルミニウム合金に、上記金属成分を添加
あるいは除去したものでもよい。
【0009】本発明の実施にあたって、まずアルミニウ
ム板の表面に付着している油脂、さび、ごみなどを除去
することを目的として清浄化処理することが好ましい。
この清浄化処理としては、例えばトリクレンなどによる
溶剤脱脂、あるいは苛性ソーダなどによるアルカリエッ
チング脱脂などが含まれる。苛性ソーダのようなアルカ
リエッチング脱脂を行なった場合にはスマットが発生す
るので、これを除去するためのデスマット処理(例え
ば、10〜30%の硫酸に浸漬する処理など)が更に施
されるのが通例である。
【0010】以上のような前処理が施された後、公知方
法により均一に電解粗面化処理する。電解粗面化処理に
用いられる電解液としては、通常の交流電解粗面化処理
に用いられるものが、いずれも使用できる。特に好まし
いものは、硝酸を2〜40g/l含有する水溶液または
塩酸を2〜40g/l含有する水溶液、あるいは両者を
併せて2〜40g/l含有する水溶液である。また、こ
れらの酸のアルミニウム塩を含んでもよい。上記電解質
が2g/lより少ない場合には電解粗面化処理自体が困
難となり、有効なピット形成が行われ難くなる。一方4
0g/lより多い場合には、電解液によるアルミニウム
表面の化学溶解の影響や、表面酸化の影響により極めて
不均一なピットが生じ易くなる。
【0011】処理温度は、一般的に常温から70℃の範
囲であり、好ましくは、常温〜50℃の範囲で実施され
る。また、無機酸、カルボン酸、アミン、ケトン、アル
デヒドあるいはこれらの複合構造を有する化合物などの
添加剤を電解液に添加してもよい。電解粗面化処理に用
いられる電流は、商用交流や、正弦波、矩形波、台形波
などのような交番波形電流でもよい。
【0012】電流密度は、10〜200A/dm2 の範
囲が好ましく、10A/dm2 より低い場合にはピット
が著しく生じ難くなり、一方200A/dm2 より大き
いと均一なピット形状を生成することが困難となる。本
発明で用いる支持体表面のピットの大きさは、通常、平
版印刷板として用いられるレベルのものであり、個々の
ピットの最大径から見た場合、多きいものでも約50μ
m以下となるものが好ましく、約30μm以下のピット
であることがより好ましい。
【0013】本発明による形状特性を有する粗面は、電
解粗面化処理における電解液の組成、温度、電流密度、
電解電流の電流波形、電気量、電解液の撹拌条件、など
の諸条件をコントロールすることによって得られる。電
解粗面化処理されたアルミニウム板は次いで化学的に清
浄化処理しておくことが好ましい。これは表面残存物で
ある、いわゆるスマットを表面から除去するためのもの
である。化学的清浄化処理の詳細は、米国特許3,83
4,998号明細書に記載されている。
【0014】このように処理されたアルミニウム板は、
平版印刷版とするに当たり、保水性、感光層との密着
性、非画像部表面の機械的強度を、向上させるために、
陽極酸化処理して、アルミニウム板の表面に酸化皮膜を
形成させることができる。陽極酸化処理は、従来より周
知の方法にしたがって行うことができる。例えば、硫
酸、燐酸、蓚酸、クロム酸、アミドスルホン酸またはこ
れらの二種以上の混合物、あるいはこれらにアルミニウ
ムイオンを含有する水溶液あるいは非水溶液などを電解
液とし、直流が主に使用され陽極酸化処理されるが、直
流パルス、または交流、またはこれらの電流の組合せを
使用することもできる。 電解質濃度は1−80重量%
で温度は5−70℃の範囲で、電流密度0.5−60A
/dm2 の範囲で酸化皮膜重量は0.3−5g/m2
範囲が好ましい。
【0015】断面形状の観察は、以下のように行う。断
面形状を得るには、まず支持体片を樹脂に包埋し、それ
を支持体表面に垂直な方向に研摩あるいはミクロトーム
で断面を切り出す方法を用いる。なお、研磨方法はいか
なる方法でも構わないが、いわゆる鏡面研磨を行うこと
が、高倍率での断面観察に適しているのはいうまでもな
い。その観察は通常の電子顕微鏡で断面の真正面方向か
ら写真を撮影して行う。この際の撮影倍率は約3000
倍〜約20000倍程度で、ピット径と深さの認識が容
易なように、ピットの大きさに合わせて任意に選択す
る。また、ピット撮影は、少なくとも20個以上のピッ
トについて行なう。
【0016】本発明法で測定する「ピット径」と「深
さ」の定義は、電子顕微鏡写真の直接測定で行なえるも
ので、「ピット径」は、あくまでも断面写真のピットの
くぼみの縁から、もう一方の縁までの直線距離であり、
ピットがアルミニウムの生地の面に対して垂直方向に開
いていない場合には、いうまでもなく、この直線はアル
ミニウム生地の面と平行にはならない。また、「径に垂
直な方向の最大深さ」は、あくまでも上記「ピット径」
の直線に垂直な方向の深さが最大となる位置であり、ピ
ットが左右対称形でない場合は「ピット径」直線の垂直
二等分の位置とはならない。
【0017】本発明では、断面は表面上でランダムにそ
の位置が決まっており、また、断面上で見える「ピット
径」に対する「径に垂直な方向の最大深さ」を議論して
いるため、必ずしもピットの最大径・最大深さの部分を
通っている必要はない。この測定法に従い、約20個以
上のピットを測定したのち、X軸データに「ピット径」
の実長を、Y軸データに「径に垂直な方向の最大深さ」
の実長をとって、その一次回帰分析を行う。この際、断
面上で測定する「ピット径」は約0.5μmから約30
μmのものが測定が行い易く、好ましくは約1μmから
15〜20μm程度までのピットを、だいたい偏りなく
ランダムに測定することがよい。
【0018】なお、ピットが重なっているもの(図2参
照)については、個々のピット形状本来の特性を解析す
るために、できるだけ測定の対象としないことが好まし
いが、その数の方が多い場合は、ピット径15〜20μ
m程度までは、重なったピットを1個のピットと見なし
て、「ピット径」に対する「径に垂直な方向の最大深
さ」を測定するものとする。
【0019】本発明でもっとも重要なパラメータが、こ
の一次回帰分析にて計算されるXの係数である一次回帰
直線の勾配である。本研究者らは、耐刷力と汚れ難さを
両立し、特に画像部の中間調部分の汚れ難さの点で優れ
た性能を有する支持体を得ることのできる粗面形状が、
いかなる形状パラメータで規定する必要のあるものなの
かについて、数多くの形状パラメータを鋭意検討した結
果、画像部の中間調部分の汚れ難さの点で優れた性能を
有する支持体の粗面形状は、上記の一次回帰直線の勾配
が0.100以上、すなわち「ピット径」に対する「径
に垂直な方向の最大深さ」がこのような傾向を有するピ
ット形状であることを見いだすに至った。
【0020】なお、Y軸すなわち「径に垂直な方向の最
大深さ」の切片は原点ではなく、計算値とする。この場
合Y軸切片は1.0μm以下であり、好ましくは0.5
μm以下である。なお、上記の勾配の値も、例えば、直
流パルスによる電解粗面化処理や、特開昭63−307
990号公報に記載の、電解粗面化処理の前に表面に有
機または無機の皮膜を設ける方法を用いた場合などに得
られ易い、勾配値約 0.500を越えるような値にな
ると、本発明での画像部の中間調部分の汚れ難さと非画
像部の汚れ難さの良好なバランスが、特に非画像部の汚
れ難さの点で得られ難くなり、好ましくは、0.500
以下かつ0.100以上が良く、より好ましくは0.2
50以下かつ0.100以上であり、さらに好ましくは
0.200以下かつ0.100以上である。 陽極酸化
されたアルミニウム板は、更に米国特許第2,714,
066号及び米国特許第3,181,461号の各明細
書に記されているようにアルカリ金属シリケ−ト、例え
ば珪酸ナトリウムの水溶液に浸漬するなどの方法により
処理したり、米国特許第3,658,662号明細書に
記載されているシリケート電着をも挙げることができ
る。また、陽極酸化処理後、封孔処理を施したものも好
ましい。かかる封孔処理は熱水及び無機塩または有機塩
を含む熱水溶液への浸漬ならびに水蒸気浴などによって
行われる。他に、米国特許第2,946,638号明細
書に記載されている弗化ジルコニウム酸カリウム処理、
米国特許第3,201,247号明細書に記載されてい
るホスホモリブデート処理、英国特許第1,108,5
59号に記載されているアルキルチタネート処理、独国
特許第1,091,433号明細書に記載されているポ
リアクリル酸処理、独国特許第1,134,093号明
細書や英国特許第1,230,447号明細書に記載さ
れているポリビニルホスホン酸処理、特公昭44−64
09号公報に記載されているホスホン酸処理、米国特許
第3,307,951号明細書に記載されているフィチ
ン酸処理、特開昭58−16893号や特開昭58−1
8291号の各公報に記載されている親水性有機高分子
化合物と2価の金属との塩による処理や、米国特許第
3,860,426号明細書に記載されているように、
水溶性金属塩(例えば酢酸亜鉛など)を含む親水性セル
ロ−ス(例えばカルボキシメチルセルロ−スなど)の下
塗り層を設けたり、特開昭59−101651号公報に
記載されているスルホン酸基を有する水溶性重合体の下
塗りによって親水化処理を行ったものや、特開昭62−
019494号公報に記載されているリン酸塩、特開昭
62−033692号公報に記載されている水溶性エポ
キシ化合物、特開昭62−097892号公報に記載の
リン酸変性デンプン、特開昭63−056498号公報
に記載のジアミン化合物、特開昭63−130391号
公報記載のアミノ酸の無機または有機酸、特開昭63−
145092号公報に記載の−COOHまたは−OHを
含む有機ホスホン酸、特開昭63−165183号公報
に記載のアミノ基とホスホン酸基を有する化合物、特開
平2−316290号公報に記載の特定のカルボン酸誘
導体、特願平2−59592号明細書に記載の1個のア
ミノ基とリンの酸素酸基1個を持つ化合物、特願平2−
265845号明細書に記載のリン酸エステル、特願平
3−10604号明細書に記載のフェニルホスホン酸な
どの脂肪族または芳香族ホスホン酸、特開平1−307
745号公報に記載のチオサリチル酸のようなS原子を
含む化合物、特願平3−46932号明細書に記載のリ
ンの酸素酸のグループを持つ化合物などの下塗りや、特
開昭60−64352号公報に記載されている酸性染料
による着色を行なう事もできる。
【0021】本発明の支持体には、以下に例示する感光
層を設けて感光性平版印刷版とすることができる。
〔I〕o−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルお
よびフェノール・クレゾール混合のノボラック樹脂を含
有する感光層 o−キノンジアジド化合物はo−ナフトキノンジアジド
化合物であり、例えば、米国特許第2,766,118
号、同第2,767,092号、同第2,772,97
2号、同第2,859,112号、同第2,907,6
65号、同第3,046,110号、同第3,046,
111号、同第3,046,115号、同第3,04
6,118号、同第3,046,119号、同第3,0
46,120号、同第3,046,121号、同第3,
046,122号、同第3,046,123号、同第
3,061,430号、同第3,102,809号、同
第3,106,465号、同第3,635,709号、
同第3,647,443号の各明細書をはじめ、多数の
刊行物に記されており、これらは、好適に使用すること
ができる。これらの内でも、特に芳香族ヒドロキシ化合
物のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステルまた
はo−ナフトキノンジアジドカルボン酸エステル、及び
芳香族アミノ化合物のo−ナフトキノンジアジドスルホ
ン酸アミドまたはo−ナフトキノンジアジドカルボン酸
アミドが好ましく、特に米国特許第3,635,709
号明細書に記されているピロガロ−ルとアセトンとの縮
合物にo−ナフトキノンジアジドスルホン酸をエステル
反応させたもの、米国特許第4,028,111号明細
書に記されている末端にヒドロキシ基を有するポリエス
テルにo−ナフトキノンジアジドスルホン酸、またはo
−ナフトキノンジアジドカルボン酸をエステル反応させ
たもの、英国特許第1,494,043号明細書に記さ
れているようなp−ヒドロキシスチレンのホモポリマ−
またはこれと他の共重合し得るモノマ−との共重合体に
o−ナフトキノンジアジドスルホン酸、またはo−ナフ
トキノンジアジドカルボン酸をエステル反応させたも
の、米国特許第3,759,711号明細書に記されて
いるようなp−アミノスチレンと他の共重合し得るモノ
マ−との共重合体にo−ナフトキノンジアジドスルホン
酸、またはo−ナフトキノンジアジドカルボン酸をアミ
ド反応させたものは非常に優れている。
【0022】これらのo−キノンジアジド化合物は、単
独で使用することができるが、アルカリ可溶性樹脂と、
混合して用いた方が好ましい。好適なアルカリ可溶性樹
脂には、ノボラック型フェノ−ル樹脂が、含まれ、具体
的には、フェノ−ルホルムアルデヒド樹脂、o−クレゾ
−ルホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾ−ルホルムアル
デヒド樹脂、などが含まれる。さらに米国特許第4,0
28,111号明細書に記されているように上記のよう
なフェノ−ル樹脂と共に、t−ブチルフェノ−ルホルム
アルデヒド樹脂のような炭素数3〜8のアルキル基で置
換されたフェノ−ルまたはクレゾ−ルとホルムアルデヒ
ドとの縮合物を併用すると、より一層好ましい。アルカ
リ可溶性樹脂は、感光層を構成する組成物の全重量を基
準として中に約50〜約85重量、より好ましくは60
〜80重量%、含有させられる。
【0023】また、露光により可視像を形成するために
o−ナフトキノンジアジド−4−スルホニルクロライ
ド、p-ジアゾジフェニルアミンの無機アニオン塩、ト
リハロメチルオキサジアゾール化合物、ベンゾフラン環
を有するトリハロメチルオキサジアゾール化合物等の光
によりルイス酸を発生する化合物などが添加される。一
方画像の着色剤としては、ビクトリアブルーBOH、ク
リスタルバイオレット、オイルブルー、等のトリフェニ
ルメタン染料が用いられる。また、特開昭62−293
247号公報に記載されている染料は特に好ましい。
【0024】また、これらの感光層組成物中には、特開
平2−96756号公報に記載されているような有機
酸、例えばセバシン酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、
エルカ酸、ラウリン酸、アニス酸などを単独でまたは2
種以上組み合わせて、0.05〜10重量%含有させる
ことができる。さらに、感脂化剤として特公昭57−2
3253号公報に記載されているような炭素数3〜15
のアルキル基で置換されたフェノール、例えばt−ブチ
ルフェノール、N−オクチルフェノール、t−ブチルフ
ェノールとホルムアルデヒドとを縮合させたノボラック
樹脂、または、このようなノボラック樹脂のo−ナフト
キノンジアジド−4−または−5−スルホン酸エステル
(例えば、特開昭61−242446号公報に記載され
ている)を0.05〜10重量%含有させることができ
る。
【0025】また、さらに特開昭62−251740号
公報に記載されているように非イオン界面活性剤を0.
1〜20重量%含有させることにより、現像性を良化さ
せることができる。以上の組成物は、上記各成分を溶解
する溶媒に溶かして支持体上に塗布する。ここで使用す
る溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサ
ノン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2
−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテー
ト、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、
ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルホルムアミド、水、N−メチルピロリドン、テトラヒ
ドロフルフリルアルコール、アセトン、ジアセトンアル
コール、メタノール、エタノール、イソプロパノール、
ジエチレングリコールジメチルエーテルなどがあり、こ
れらの溶媒を単独あるいは混合して使用する。
【0026】また、塗布性を良化するために、特開昭6
2−170950号公報に記載されているようなフッ素
系界面活性剤を添加することができる。好ましい添加量
は、全感光性組成物の0.01〜1重量%が好ましい。
これらの成分からなる感光性組成物が、固形分として
0.5〜3.0g/m2 設けられる。 〔II〕ジアゾ樹脂と水不溶性かつ親油性高分子化合物を
含有する感光層 ジアゾ樹脂としては、例えばp−ジアゾジフェニルアミ
ンとホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドの縮合物
と、ヘキサフルオロリン酸塩、テトラフルオロホウ酸塩
との有機溶媒可溶の反応生成物であるジアゾ樹脂無機
塩、また米国特許第3,300,309号明細書に記載
されているような、前記縮合物とスルホン酸類例えばパ
ラトルエンスルホン酸またはその塩、ホスフィン酸類例
えばベンゼンホスフィン酸またはその塩、ヒドロキシル
基含有化合物例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェ
ノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−
5−スルホン酸またはその塩等の反応生成物である有機
溶媒可溶性ジアゾ樹脂有機酸塩等が挙げられる。
【0027】ジアゾ化合物は以下に説明するものも含め
て全体で感光層中に1〜70重量%特に3〜60重量%
含有されるのが望ましい。本発明において、好適に用い
ることができる他のジアゾ樹脂は、カルボキシル基、ス
ルホン酸基、スルフィン酸基、リンの酸素酸基およびヒ
ドロキシル基のうち少なくとも一つの有機基を有する芳
香族化合物と、ジアゾニウム化合物、好ましくは芳香族
ジアゾニウム化合物とを構造単位として含む共縮合体で
ある。
【0028】前記カルボキシル基、スルホン酸基、スル
フィン酸基、リンの酸素酸基、及びヒドロキシル基(以
下、これらの基を「酸基」ともいう)のうち少なくとも
一つを有する芳香族化合物は、少なくとも一つの酸基で
置換した芳香族環を分子中に含むものであって、この場
合、上記酸基のうち二つ以上が同一の芳香族環に置換さ
れていてもよい。そして上記の芳香族環としては、好ま
しくはフェニル基、ナフチル基をあげることができる。
また前記の酸基は芳香族環に直接結合していてもよく、
連結基を介して結合していてもよい。連結基としては例
えばエーテル結合を含む炭素数1以上の基を挙げること
ができる。
【0029】前述のカルボキシル基、スルホン酸基、ス
ルフィン酸基、リンの酸素酸基、及びヒドロキシル基の
うち少なくとも一つを含有する芳香族化合物の具体例と
しては、安息香酸、o−クロロ安息香酸、m−クロロ安
息香酸、p−クロロ安息香酸、フタル酸、テレフタル
酸、ジフェニル酢酸、フェノキシ酢酸、p−メトキシフ
ェニル酢酸、p−メトキシ安息香酸、2,4−ジメトキ
シ安息香酸、2,4−ジメチル安息香酸、p−フェノキ
シ安息香酸、4−アニリノ安息香酸、4−(m−メトキ
シアニリノ)安息香酸、4−(p−メトキシベンゾイ
ル)安息香酸、4−(p−メチルアニリノ)安息香酸、
4−フェニルスルホニル安息香酸、フェノール、(o,
m,p)−クレゾール、キシレノール、レゾルシン、2
−メチルレゾルシン、(o、m,p)−メトキシフェノ
ール、m−エトキシフェノール、カテコール、フロログ
ルシン、p−ヒドロキシエチルフェノール、ナフトー
ル、ピロガロール、ヒドロキノン、p−ヒドロキシベン
ジルアルコール、4−クロロレゾルシン、ビフェニル
4,4’−ジオール、1,2,4−ベンゼントリオー
ル、ビスフェノールA、2,4−ジヒドロキシベンゾフ
ェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、
p−ヒドロキシアセトフェノン、4,4−ジヒドロキシ
ジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジフェニ
ルアミン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィ
ドクミルフェノール、(o,m,p)−クロロフェノー
ル、(o,m,p)−ブロモフェノール、サリチル酸、
4−メチルサリチル酸、6−メチルサリチル酸、4−エ
チルサリチル酸、6−プロピルサリチル酸、6−ラウリ
ルサリチル酸、6−ステアリルサリチル酸、4,6−ジ
メチルサリチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2−メチ
ル−4−ヒドロキシ安息香酸、6−メチル−4−ヒドロ
キシ安息香酸、2,6−ジメチル−4−ヒドロキシ安息
香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒド
ロキシ−6−メチル安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安
息香酸、2,6−ジヒドロキシ−4−メチル安息香酸、
4−クロロ−2,6−ジヒドロキシ安息香酸、4−メト
キシ−2,6−ジオキシ安息香酸、没食子酸、フロログ
ルシンカルボン酸、2,4,5−トリヒドロキシ安息香
酸、m−ガロイル没食子酸、タンニン酸、m−ベンゾイ
ル没食子酸、m−(p−トルイル)没食子酸、プロトカ
テクオイル−没食子酸、4,6−ジヒドロキシフタル
酸、(2,4−ジヒドロキシフェニル)酢酸、(2,6
−ジヒドロキシフェニル)酢酸、(3,4,5−トリヒ
ドロキシフェニル)酢酸、p−ヒドロキシメチル安息香
酸、p−ヒドロキシエチル安息香酸、4−(p−ヒドロ
キシフェニル)メチル安息香酸、4−(o−ヒドロキシ
ベンゾイル)安息香酸、4−(2,4−ジヒドロキシベ
ンゾイル)安息香酸、4−(p−ヒドロキシフェノキ
シ)安息香酸4−(p−ヒドロキシアニリノ)安息香
酸、ビス(3−カルボキシ−4−ヒドロキシフェニル)
アミン、4−(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)安
息香酸、4−(p−ヒドロキシフェニルチオ)安息香
酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベ
ンゼンスルフィン酸、p−トルエンスルフィン酸、アニ
リン−2−スルホン酸、4−アミノ−m−トルエンスル
ホン酸、2,5−ジアミノベンゼンスルホン酸、1−ナ
フタレンスルホン酸、1−アミノ−2−ナフタレンスル
ホン酸、5−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸、7−
アミノ−1,3−ナフタレンジスルホン酸、2−アミノ
−1,5−ナフタレンジスルホン酸、2−スルホ安息香
酸、(これらのスルホン酸またはスルフィン酸は、遊離
のスルホン酸またはスルフィン酸であってもよいし、ナ
トリウム、カリウム、リチウム、セシウム、カルシウ
ム、バリウム マグネシウム、アルミニウム、亜鉛など
の金属塩または、無置換もしくは置換アンモニウム塩で
あってもよい)、フェニルリン酸、フェニル亜リン酸、
フェニルホスホン酸、フェニル亜ホスホン酸、フェニル
ホスフィン酸、フェニル亜ホスフィン酸、ベンジルリン
酸、ベンジル亜リン酸、ベンジルホスホン酸、ベンジル
亜ホスホン酸、ベンジルホスフィン酸、ベンジル亜ホス
フィン酸、2−フェニルエチルリン酸、2−フェニルエ
チル亜リン酸、1−ナフチルリン酸、1−ナフチル亜リ
ン酸、1−ナフチルホスホン酸、1−ナフチル亜ホスホ
ン酸、1−ナフチルホスフィン酸、1−ナフチル亜ホス
フィン酸、2−ナフチルリン酸、等が挙げられる。
【0030】これらのうち特に好ましいのは、4−メト
キシ安息香酸、3−クロロ安息香酸、2,4−ジメトキ
シ安息香酸、p−フェノキシ安息香酸、4−アニリノ安
息香酸、フェノキシ酢酸、フェニル酢酸、p−ヒドロキ
シ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、ベンゼン
スルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、1−ナフタレ
ンスルホン酸、フェニルリン酸、フェニルホスホン酸で
ある。
【0031】前述の共縮合ジアゾ樹脂の構成単位をなす
芳香族ジアゾニウム化合物には、例えば特公昭49−4
8001号に挙げられているようなジアゾニウム塩を用
いることができるが、特に、ジフェニルアミン−4−ジ
アゾニウム塩類が好ましい。ジフェニルアミン−4−ジ
アゾニウム塩類は、4−アミノ−ジフェニルアミン類か
ら誘導されるが、このような4−アミノ−ジフェニルア
ミン類としては、4−アミノ−ジフェニルアミン、4−
アミノ−3−メトキシ−ジフェニルアミン、4−アミノ
−2−メトキシ−ジフェニルアミン、4’−アミノ−2
−メトキシ−ジフェニルアミン、4’−アミノ−4−メ
トキシ−ジフェニルアミン、4−アミノ−3−メチルジ
フェニルアミン、4−アミノ−3−エトキシ−ジフェニ
ルアミン、4−アミノ−3−β−ヒドロキシエトキシジ
フェニルアミン、4−アミノ−ジフェニルアミン−2−
スルホン酸、4−アミノ−ジフェニルアミン−2−カル
ボン酸、4−アミノ−ジフェニルアミン−2’−カルボ
ン酸等が挙げられ、特に好ましくは、3−メトキシ−4
−アミノ−4−ジフェニルアミン、4−アミノ−ジフェ
ニルアミンである。
【0032】上記共縮合ジアゾ樹脂は、公知の方法、例
えば、フォトグラフィック・サイエンス・アンド・エン
ジニアリング(Photo.Sci.,Eng.)第17巻、第33頁
(1973)、米国特許第2,063,631号、同第
2,679,498号各明細書記載の方法に従い硫酸や
リン酸あるいは塩酸中でジアゾニウム塩、酸基を有する
芳香族化合物及びアルデヒド類、例えばパラホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドあるいは
ケトン類、例えばアセトン、アセトフェノンとを重結合
させることによって得られる。
【0033】酸基のうち少なくとも一つを有する芳香族
化合物と芳香族ジアゾ化合物の仕込みモル比は、1:
0.1〜0.1:1、好ましくは1:0.5〜0.2:
1、より好ましくは1:1〜0.2:1である。またこ
の場合酸基のうち少なくとも一つを有する芳香族化合物
及び芳香族ジアゾ化合物の合計とアルデヒド類またはケ
トン類とをモル比で通常1:0.5〜2.0、好ましく
は1:0.7〜1.5で仕込み、低温で短時間、例えば
3時間程度反応させることにより共縮合ジアゾ樹脂が得
られる。
【0034】また、以上の酸基を有する芳香族化合物と
の共縮合ジアゾ樹脂以外のジアゾ樹脂として、特願平1
−130493号、特願平1−303705号、及び特
願平2−53101号に記載された酸基を含有するアル
デヒドまたはそのアセタール化合物で縮合したジアゾ樹
脂も好ましく用いることができる。次にジアゾ樹脂の対
アニオンについて説明する。
【0035】対アニオンは、該ジアゾ樹脂と安定に塩を
形成し、かつ該樹脂を有機溶媒に可溶となすアニオンを
含む。これらは、デカン酸及び安息香酸等の有機カルボ
ン酸、フェニルリン酸等の有機リン酸及びスルホン酸を
含み、典型的な例としては、メタンスルホン酸、トルフ
ルオロメタンスルホン酸などのフルオロアルカンスルホ
ン酸、ラウリルスルホン酸、ジオクチルスルホコハク
酸、ジシクロヘキシルスルホコハク酸、カンファースル
ホン酸、トリルオキシ−3−プロパンスルホン酸、ノニ
ルフェノキシ−3−プロパンスルホン酸、ノニルフェノ
キシ−4−ブタンスルホン酸、ジブチルフェノキシ−3
−プロパンスルホン酸、ジアミルフェノキシ−3−プロ
パンスルホン酸、ジノニルフェノキシ−3−プロパンス
ルホン酸、ジブチルフェノキシ−4−ブタンスルホン
酸、ジノニルフェノキシ−4−ブタンスルホン酸、ベン
ゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メシチレンスル
ホン酸、p−クロロベンゼンスルホン酸、2,5−ジク
ロロベンゼンスルホン酸、スルホサリチル酸、2,5−
ジメチルベンゼンスルホン酸、p−アセチルベンゼンス
ルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン酸、2−
ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホ
ン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−クロロ−5
−ニトロベンゼンスルホン酸、ブチルベンゼンスルホン
酸、オクチルベンゼンスルホン酸、デシルベンゼンスル
ホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、ブトキシベンゼ
ンスルホン酸、ドデシルオキシベンゼンスルホン酸、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スル
ホン酸、イソプロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナ
フタレンスルホン酸、ヘキシルナフタレンスルホン酸、
オクチルナフタレンスルホン酸、ブトキシナフタレンス
ルホン酸、ドデシルオキシナフタレンスルホン酸、ジブ
チルナフタレンスルホン酸、ジオクチルナフタレンスル
ホン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、トリ
ブチルナフタレンスルホン酸、1−ナフト−ル−5−ス
ルホン酸、ナフタリン−1−スルホン酸、ナフタリン−
2−スルホン酸、1,8−ジニトロ−ナフタレン−3,
6−ジスルホン酸、ジメチル−5−スルホイソフタレー
ト等の脂肪族並びに芳香族スルホン酸、2,2’,4,
4’−テトラヒドキシベンゾフェノン、1,2,3−ト
リヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4−トリヒドロ
キシベンゾフェノン等の水酸基含有芳香族化合物、ヘキ
サフルオロリン酸、テトラフルオロホウ酸等のハロゲン
化ルイス酸、CI04,I04等の過ハロゲン酸等が挙
げられるが、これに限られるものではない。これらの中
で、特に好ましいものは、ブチルナフタレンスルホン
酸、ジブチルナフタレンスルホン酸、ヘキサフルオロリ
ン酸、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−
5−スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸である。
【0036】本発明に使用するジアゾ樹脂は、各単量体
のモル比及び縮合条件を種々変えることにより、その分
子量は任意の値として得ることができるが、本発明の目
的とする使途に有効に供するためには分子量が約400
〜100,000のもの、好ましくは、約800〜8,
000のものが適当である。水不溶性かつ親油性高分子
化合物としては、下記(1)〜(15)に示すモノマー
をその構造単位とする通常1〜20万の分子量をもつ共
重合体が挙げられる。 (1)芳香族水酸基を有するアクリルアミド類、メタク
リルアミド類、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エ
ステル類及びヒドロキシスチレン類、例えばN−(4−
ヒドロキシフェニル)アクリルアミドまたはN−(4−
ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−,m−,
p−ヒドロキシスチレン、o−,m−,p−ヒドロキシ
フェニル−アクリレートまたはメタクリレート、 (2)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及
びメタクリル酸エステル類、例えば2−ヒドロキシエチ
ルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、 (3)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イ
タコン酸等の不飽和カルボン酸、 (4)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル
酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、ア
クリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−
クロロエチル、グリシジルアクリレート、N−ジメチル
アミノエチルアクリレート等の(置換)アルキルアクリ
レート、 (5)メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、アミ
ルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベ
ンジルメタクリレ−ト、グリシジルメタクリレート、N
−ジメチルアミノエチルメタクリレート等の(置換)ア
ルキルメタクリレート、 (6)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロ
ールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミ
ド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリ
ルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒ
ドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリル
アミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチ
ル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミドも
しくはメタクリルアミド類、 (7)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニル
エーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピル
ビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニ
ルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル類、 (8)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビ
ニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル
類、 (9)スチレン、α−メチルスチレン、クロロメチルス
チレン等のスチレン類、 (10)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プ
ロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニル
ケトン類、 (11)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジ
エン、イソプレン等のオレフィン類、 (12)N−ビニルピロリドン、N−ビニルカルバゾー
ル、4−ビニルピリジン、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等 (13)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミ
ド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニル
メタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタ
クリルアミド等の不飽和イミド、 (14)N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタク
リルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メ
タクリルアミド、N−(p−アミノ)スルホニルフェニ
ルメタクリルアミド、N−(1−(3−アミノスルホニ
ル)ナフチル)メタクリルアミド、N−(2−アミノス
ルホニルエチル)メタクリルアミド等のメタクリル酸ア
ミド類、及び上記と同様の置換基を有するアクリルアミ
ド類、また、o−アミノスルホニルフェニルメタクリレ
ート、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、
p−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、1−
(3−アミノスルホニルナフチル)メタクリレート等の
メタクリル酸エステル類、及び上記と同様の置換基を有
するアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミ
ド、 (15)N−(2−(メタクリロイルオキシ)−エチ
ル)−2,3−ジメチルマレイミド、ビニルシンナメー
ト、 などの、側鎖に、架橋性基を有する不飽和モノマー。
【0037】更に、上記モノマーと共重合し得るモノマ
ーを共重合させてもよい。上記モノマーの共重合によっ
て得られる共重合体を例えば、グリシジルメタクリレー
ト、グリシジルアクリレート等によって修飾したものも
含まれるがこれらに限られるものではない。 (16)米国特許第3,751,257号明細書に記載
されているフェノール樹脂および例えばポリビニルフォ
ルマール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂のようなポリ
ビニルアセタール樹脂。 (17)ポリウレタンをアルカリ可溶化した特公昭54
−19773号、特開昭57−94747号、同60−
182437号、同62−58242号、同62−12
3452号、同62−123453号、同63−113
450号、特開平2−146042号に記載された高分
子化合物。
【0038】更に(1)−(17)に示されたモノマ−
の中でもとりわけ 以下に示すモノマ−が好ましい。す
なわち 上記(1)、(14)に掲げた 芳香族性水酸
基またはスルホンアミド基を有するモノマー、上記
(2)、(12)に掲げたモノマー特に2−ヒドロキシ
エチルアクリレ−ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
−トまたはアクリロニトリル、更に、上記(4)、
(5)に掲げたモノマー、特にアクリル酸エチル、アク
リル酸ブチル、アクリル酸ベンジル、メチルメタアクリ
レ−ト、エチルメタアクリレ−ト、ブチルメタクリレ−
トまたはベンジルメタクリレ−ト等を含有する共重合体
が好ましい。。
【0039】上記共重合体の好ましい分子量は1〜20
万である。また上記共重合体には必要に応じて、ポリビ
ニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹
脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、天然樹脂等を添加
してもよい。本発明に用いられる親油性高分子化合物は
感光性組成物の固形分中に通常40〜99重量%、好ま
しくは50〜95重量%含有させる。また、本発明に用
いられる感光性ジアゾ樹脂は通常1〜60重量%、好ま
しくは3〜40重量%含有させる。
【0040】本発明の感光性組成物には、さらに色素を
用いることができる。該色素は、露光による可視画像
(露光可視画像)と現像後の可視画像を得ることを目的
として使用される。該色素としては、フリーラジカルま
たは酸と反応して「色調を変化する」ものが好ましく使
用できる。ここに「色調が変化する」とは、無色から有
色の色調への変化、有色から無色あるいは異なる有色の
色調への変化のいずれをも包含する。好ましい色素は酸
と塩を形成して色調を変化するものである。
【0041】例えば、ビクトリアピュアブルーBOH
[保土谷化学社製]、オイルブルー#603[オリエン
ト化学工業社製]、パテントピュアブルー[住友三国化
学社製]、クリスタルバイオレット、ブリリアントグリ
ーン、エチルバイオレット、メチルバイオレット、メチ
ルグリーン、エリスロシンB、ベイシックフクシン、マ
ラカイトグリーン、オイルレッド、m−クレゾールパー
プル、ローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルア
ミノフェニルイミナフトキノン、シアノ−p−ジエチル
アミノフェニルアセトアニリド等に代表されるトリフェ
ニルメタン系、ジフェニルメタン系、オキサジン系、キ
サンテン系、イミノナフトキノン系、アゾメチン系また
はアントラキノン系の色素が有色から無色あるいは異な
る有色の色調へ変化する変色剤の例として挙げられる。
【0042】一方、無色から有色に変化する変色剤とし
ては、ロイコ色素及び、例えばトリフェニルアミン、ジ
フェニルアミン、o−クロロアニリン、1,2,3−ト
リフェニルグアニジン、ナフチルアミン、ジアミノジフ
ェニルメタン、p,p’−ビス−ジメチルアミノジフェ
ニルアミン、1,2−ジアニリノエチレン、p,p’,
p”−トリス−ジメチルアミノトリフェニルメタン、
p,p’−ビス−ジメチルアミノジフェニルメチルイミ
ン、p,p’,p”−トリアミノ−o−メチルトリフェ
ニルメタン、p,p’−ビス−ジメチルアミノジフェニ
ル−4−アニリノナフチルメタン、p,p’,p”−ト
リアミノトリフェニルメタンに代表される第1級または
第2級アリールアミン系色素が挙げられる。特に好まし
くは、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系色素
が有効に用いられ、さらに好ましくはトリフェニルメタ
ン系色素であり、特にビクトリアピュアブルーBOHで
ある。
【0043】上記色素は、感光性組成物中に通常約0.
5〜約10重量%が好ましく、より好ましくは約1〜5
重量%含有させる。本発明の感光性組成物には、更に種
々の添加物を加えることができる。例えば、塗布性を改
良するためのアルキルエーテル類(例えばエチルセルロ
ース、メチルセルロース)、フッ素系界面活性剤類や、
ノニオン系界面活性剤(特にフッ素系界面活性剤が好ま
しい)、塗膜の柔軟性、耐摩耗性を付与するための可塑
剤(例えばブチルフタリル、ポリエチレングリコール、
クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブ
チル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン
酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチ
ル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸ま
たはメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー、この中で
特にリン酸トリクレジルが好ましい)、画像部の感脂性
を向上させるための感脂化剤(例えば 特開昭55-5
27号公報記載のスチレン−無水マレイン酸共重合体の
アルコールによるハーフエステル化物、p−t−ブチル
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂などのノボラック樹
脂、p−ヒドロキシスチレンの50%脂肪酸エステル
等)、安定剤{例えば、リン酸、 亜リン酸、 有機酸
(クエン酸、シュウ酸、ジピコリン酸、りんご酸、ベン
ゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、スルホサリチ
ル酸、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン−
5−スルホン酸、酒石酸等)}、現像促進剤(例えば高
級アルコール、酸無水物等)等が好ましく用いられる。
これらの添加剤の添加量はその使用対象、目的によって
異なるが、一般に全固形分に対して、0.01〜30重
量%である。
【0044】上述の感光性組成物を支持体上に設けるに
は、感光性ジアゾ樹脂、親油性高分子化合物、及び必要
に応じて種々の添加剤の所定量を適当な溶媒(メチルセ
ロソルブ、エチルセロソルブ、ジメトキシエタン、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、シエチレングリ
コールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノ
ール、メチルセロソルブアセテート、アセトン、メチル
エチルケトン、メタノール、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアアミド、シクロヘキサノン、ジオキサ
ン、テトラヒドロフラン、乳酸メチル、乳酸エチル、エ
チレンジクロライド、ジメチルスルホキシド、水または
これらの混合物等)中に溶解させ感光性組成物の塗布液
を調整し、これを支持体上に塗布、乾燥すればよい。
【0045】用いられる溶媒は単独でもよいが、メチル
セロソルブ、1−メトキシ−2−プロパノール、乳酸メ
チルのような高沸点溶媒と、メタノール、メチルエチル
ケトンのような低沸点溶媒との混合物とするとさらに好
ましい。塗布する際の感光性組成物の固形分濃度は1〜
50重量%の範囲とすることが望ましい。この場合、感
光性組成物の塗布量は、おおむね、0.2〜10g/m
2 (乾燥重量)程度とすればよくさらに好ましくは、
0.5〜3g/m2 とするとよい。 〔III〕光二量化型感光性組成物及び光重合性感光性組
成物を含む感光層 光二量化型感光性組成物としてはマレイミド基やシンナ
ミル基、シンナモイル基、シンナミリデン基、シンナミ
リデンアセチル基やカルコン基などを側鎖、または主鎖
に有するポリマーが挙げられ、マレイミド基を側鎖に有
するポリマーとして、特開昭52−988号(対応米国
特許4,079,041号)公報や、独国特許第2,6
26,769号明細書、ヨーロッパ特許第21,019
明細書、ヨーロッパ特許第3,552号明細書や、ディ
ー・アンゲバンドゥテ・マクロモレクラーレ・ケミー
(Die Angewandte Makromolekulare Chemie)115
(1983)の163〜181ページに記載されている
ポリマーや、特開昭49−128991号、同49−1
28992号、同49−128993号、同50−53
76号、同50−5377号、同50−5379号、同
50−5378号、同50−5380号、同53−52
98号、同53−5299号、同53−5300号、同
50−50107号、同51−47940号、同52−
13907号、同50−45076号、同52−121
700号、同50−10884号、同50−45087
号、独国特許第2,349,948号、同第2,61
6,276号各公報に記載されているポリマーなどを挙
げることができる。
【0046】これらのポリマーを、アルカリ水に可溶性
または膨潤性とするためには、カルボン酸・スルホン
酸、リン酸、ホスホン酸、及びこれらのアルカリ金属塩
やアンモニウム塩、及びアルカリ水に対し解離するpK
aが6〜12の酸基などを、ポリマー中に含めたものが
有用である。必要により上記酸基を有するモノマー1〜
3種類と、マレイミド基を有するモノマーを共重合させ
ることもできる。
【0047】酸基を有するマレイミドポリマーの酸価は
30〜300の範囲が好ましく、このような酸価を有す
るポリマーの中でも、ディー・アンゲバンドゥテ・マク
ロモレクラーレ・ケミー(Die Angewandte Makromoleku
lare Chemie)128(1984)の71〜91ページ
に記載されているような、N−〔2−(メタクリロイル
オキシ)エチル〕−2,3−ジメチルマレイミドとメタ
クリル酸あるいはアクリル酸との共重合体が有用であ
る。更にこの共重合体の合成に際して第3成分のビニル
モノマーを共重合することによって目的に応じた多元共
重合体を容易に合成することができる。例えば、第3成
分のビニルモノマーとして、そのホモポリマーのガラス
転移点が室温以下のアルキルメタアクリレートやアルキ
ルアクリレートを用いることによって、共重合体に柔軟
性を与えることができる。
【0048】シンナミル基、シンナモイル基、シンナミ
リデン基、シンナミリデンアセチル基やカルコン基など
を側鎖、または主鎖に有する光架橋性ポリマーとして
は、米国特許第3,030,208号、米国特許出願7
09,496号、同第828,455号の各明細書の記
載されている感光性ポリエステルがある。上記のポリエ
ステルは適当なポリカルボン酸、または適当なポリカル
ボン酸の低級アルキルエステル、またはクロライドと適
当な多価アルコールをエステル化触媒の存在下に縮合せ
しめることにより作られる。
【0049】これらの光架橋性ポリマーをアルカリ水可
溶化したものとしては、次のようなものがあげられる。
即ち、特開昭60−191244号明細書中に記載され
ているような主鎖には、芳香核に隣接した光二量化可能
な不飽和二重結合、側鎖にはカルボキシル基及び末端に
は水酸基を有するポリエステルプレポリマーに、水酸基
と反応し得る官能基を分子中に2個以上有する鎖延長
剤、例えばジイソシアネート化合物、ジフェニルカーボ
ネートやテレフタロイルビス(N−カプロラクタム)等
を反応させて得られる感光性ポリマーや、主鎖には、芳
香核に隣接した光二量化可能な不飽和二重結合と、末端
には水酸基とを有するポリエステルプレポリマーやポリ
ウレタンプレポリマーに、鎖延長剤としてピロメリット
酸二無水物やシクロペンタンカルボン酸二無水物を反応
させ、側鎖にカルボキシル基を導入した感光性ポリマー
等を挙げることができる。
【0050】更に、側鎖に光二量化可能な官能基と、側
鎖にカルボキシル基とを有する酸価20〜200のアル
カリ水可溶または膨潤可能な感光性ポリマーを挙げるこ
とができる。これらの感光性ポリマーは、特開昭62−
175729号、特開昭62−175730号、特開昭
63−25443号、特開昭63−218944号、特
開昭63−218945号の各明細書に記載されてい
る。
【0051】また、これらを含む感光層には増感剤を使
用することが出来るが、これには、波長300nm以上
の範囲で実際に充分な光吸収を可能にするような極大吸
収を有する三重項増感剤が好ましい。そのような増感剤
としてはベンゾフェノン誘導体、ベンズアンスロン誘導
体、キノン類、芳香族ニトロ化合物、ナフトチアゾリン
誘導体、ベンゾチアゾリン誘導体、チオキサントン類、
ナフトチアゾール誘導体、ケトクマリン化合物、ベンゾ
チアゾール誘導体、ナフトフラノン化合物、ピリリウム
塩、チアピリリウム塩などを挙げることが出来る。この
ような感光層には必要に応じて塩素化ポリエチレン、塩
素化ポリプロピレン、ポリアクリル酸アルキルエステ
ル、アクリル酸アルキルエステル、アクリロニトリル、
塩化ビニル、スチレン、ブタジエンなどのモノマーの少
なくとも一種との共重合体、ポリアミド、メチルセルロ
ース、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、
メタクリル酸共重合体、アクリク酸共重合体、アクリル
酸共重合体、イタコン酸共重合体などの結合剤や、ジブ
チルフタレート、ジヘキシルフタレートなどのフタル酸
ジアルキルエステル、オリゴエチレングリコールアルキ
ルエステル、リン酸エステルなどの可塑剤などを使用す
ることが出来る。また、感光層の着色を目的として、染
料もしくは顔料や焼出し剤としてpH指示薬等を添加す
るのも好ましい。
【0052】光重合性感光性組成物としては、その化合
物中に少なくとも1個のエチレン性不飽和結合をを有す
る化合物であって、モノマー、プレポリマー、すなわち
2量体、3量体、および他のオリゴマーそれらの混合物
ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつもの
で、不飽和カルボン酸及びその塩、不飽和カルボン酸と
脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カル
ボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドなどが挙げ
られる。
【0053】光重合開始剤としては、ビシナールポリケ
タルドニル化合物、α−カルボニル化合物、アシロイン
エーテル、α−位が炭化水素で置換された芳香族アシロ
イン化合物、多核キノン化合物、トリアリルイミダゾー
ルダイマー/p−アミノフェニルケトンの組み合わせ、
ベンゾチアゾール系化合物、トリハロメチル−s−トリ
アジン化合物、アクリジン及びフェナジン化合物、オキ
サジアゾール化合物などが含まれ、これらとともに、ア
ルカリ水可溶性または膨潤性で、かつフィルム形成可能
な高分子重合体としては、ベンジル(メタ)アクリレー
ト/(メタ)アクリル酸/必要に応じてその他の付加重
合性ビニルモノマー共重合体、メタクリル酸/メタクリ
ル酸メチル(またはメタクリル酸エステル)共重合体、
無水マレイン酸共重合体にペンタエリスリトールトリア
クリレートを半エステル化で付加させたものや酸性ビニ
ル共重合体などが挙げられる。 〔IV〕 電子写真用感光層 例えば、米国特許3,001,872号明細書に開示さ
れているZnO感光層を用いることもできる。また、特
開昭56−161550号、特開昭60−186847
号、特開昭61−238063号公報などに記載されて
いる電子写真感光体を用いた感光層を用いてもよい。
【0054】支持体上に設けられる感光層の量は、塗布
後の乾燥重量で、約0.1〜約7g/m2 、好ましくは
0.5〜4g/m2 の範囲である。本発明法において、
支持体と感光層との密着性を高めるためや、現像後に感
光層が残らないようにするため、またはハレーションを
防止するなどの目的で、必要に応じて中間層を設けても
よい。密着性向上のためには、一般に中間層は、ジアゾ
樹脂や、例えばアルミに吸着するリン酸化合物、アミノ
化合物、カルボン酸化合物などからなっている。現像後
に感光層が残存しないように溶解性の高い物質からなる
中間層は、一般に溶解性の良好なポリマーや、水溶性ポ
リマーからなっている。更にハレーション防止のために
は、中間層は一般に染料やUV吸収剤を含む。中間層の
厚さは任意であり、露光した時に、上層の感光層と均一
な結合形成反応を行い得る厚みでなければならない。通
常、乾燥個体で約1〜100mg/m2 の塗布割合がよ
く、5〜40mg/m2が特に良好である。
【0055】塗布された感光層上には相互に独立して設
けられた突起物により構成されるマット層を設けること
もできる。マット層の目的は密着露光におけるネガ画像
フィルムと感光性平版印刷版との真空密着性を改良する
ことにより、真空引き時間を短縮し、さらに密着不良に
よる露光時の微小網点のつぶれを防止することである。
【0056】マット層の塗布方法としては、特開昭55
−12974号に記載されているパウダリングされた固
体粉末を熱融着する方法、特開昭58−182636号
に記載されているポリマー含有水をスプレーし乾燥させ
る方法などがあり、どの方法でもよいが、マット層自体
が実質的に有機溶剤を含まない水性アルカリ現像液に溶
解するか、あるいはこれにより除去可能な物が望まし
い。
【0057】以上のようにして作成された感光性平版印
刷版は、画像露光された後、常法により現像を含む処理
によって樹脂画像が形成される。例えば、前記〔I〕の
感光層を有する感光性平版印刷版の場合は、画像露光
後、米国特許第4,259,434号明細書に記載され
ているようなアルカリ水溶液で現像することにより露光
部分が除去されて、平版印刷版が得られ、〔II〕の感光
層を有する感光性平版印刷版の場合には、画像露光後、
米国特許第4,186,006号明細書に記載されてい
るような現像液で、未露光部の感光層が現像により除去
されて平版印刷版が得られる。また、特開昭59−84
241号、特開昭57−192952号、及び特開昭6
2−24263号公報に記載されているようなポジ型平
版印刷版を現像する際に用いられる水性アルカリ現像液
組成物を使用することもできる。
【0058】
【発明の効果】本発明の粗面形状を有する平版印刷版用
アルミニウム支持体を用いた平版印刷版は、耐刷力と汚
れ難さを両立し、特に画像部の中間調部分の汚れ難さの
点で優れた性能を有する。
【0059】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。なお、「%」は特に指示しない限り「重量%」を
示すものとする。 実施例1 厚さ0.30mmのアルミニウム板(JIS A105
0材)を10%水酸化ナトリウム水溶液中に、50゜C
で20秒間浸漬して脱脂、及び、エッチングによる清浄
化処理を行ったのち、水洗し、次いで25%硫酸水溶液
で30秒間デスマット処理し水洗した。
【0060】その後、濃度1%の塩酸水溶液(0.5%
のアルミニウムイオンを含む)を電解液として、周波数
60Hzの矩形波交流を用いて、温度25℃、電流密度
35A/dm2 で陽極時電気量が450ク−ロン/dm
2 となるように電解粗面化処理した。次いで、5%水酸
化ナトリウム水溶液(1.5%のアルミニウムイオンを
含む)により、35℃で5秒間処理した。
【0061】水洗後、25%硫酸水溶液(5%のアルミ
ニウムイオンを含む)で20秒間デスマット処理して水
洗したのち、15%硫酸水溶液中にて2A/dm2 に電
流密度で3分間、陽極酸化処理した。その後、水洗、乾
燥して平版印刷版用支持体(A)を作成した。この支持
体(A)をエポキシ樹脂にて包埋したのち、研磨紙を固
定した回転ディスクによる研磨板を用い、粗い研磨紙か
ら順に、細かい研磨紙へと変更しながら、最終的に粒径
0.3μmのアルミナ研磨剤とバフによる研磨を行なっ
て、粗面の断面をいわゆる鏡面状態になるまで研磨し
た。その後、研磨の終わったサンプルの断面を、常法に
より電子顕微鏡にて観察を行い、25個のピットの断面
写真を撮影した。この際の写真の倍率は7500倍で撮
影した。
【0062】さらに、これらのピット全てについて、
「ピット径」と「径に垂直な方向の最大深さ」を測定し
たのち、X軸データに「ピット径」を、Y軸データに
「径に垂直な方向の最大深さ」をとって、その一次回帰
分析を行った。その時のXの係数である一次回帰直線の
勾配値は、0.121であった。このように得られた支
持体に下記組成の感光液を塗布し乾燥して感光層を設け
た。感光層の乾燥後の塗布重量は2.0g/m2 であっ
た。
【0063】 こうして作成した感光性平版印刷版を、メタルハライド
ランプを光源として、ポジ画像フイルムを通して60秒
間露光後、富士写真フイルム(株)製現像液DP−4
(1:7)、リンス液FR−2(1:7)を仕込んだ自
動現像機を通して処理し、平版印刷版とした。
【0064】比較例1 実施例1と同様の厚さ0.30mmのアルミニウム板
(JIS A1050材)を、10%水酸化ナトリウム
水溶液中に、50゜Cで20秒間浸漬して脱脂、及び、
エッチングによる清浄化処理を行ったのち、水洗し、次
いで25%硫酸水溶液で30秒間デスマット処理し水洗
した。その後、濃度1.5%の塩酸水溶液(0.5%の
アルミニウムイオンを含む)を電解液として、周波数6
0Hzの矩形波交流を用いて、温度25℃、電流密度4
5A/dm2 で陽極時電気量が350ク−ロン/dm2
となるように電解粗面化処理した。
【0065】次いで、5%水酸化ナトリウム水溶液
(1.5%のアルミニウムイオンを含む)により、35
℃で5秒間処理した。水洗後、25%硫酸水溶液(5%
のアルミニウムイオンを含む)で20秒間デスマット処
理して水洗したのち、15%硫酸水溶液中にて2A/d
2 に電流密度で3分間、陽極酸化処理した。その後、
水洗、乾燥して平版印刷版用支持体(B)を作成した。
【0066】この支持体(B)を、実施例1と同様の方
法で断面のピット形状測定を行い、X軸データに「ピッ
ト径」を、Y軸データに「径に垂直な方向の最大深さ」
をとって、その一次回帰分析を行った。その時のXの係
数である一次回帰直線の勾配値は、0.094であっ
た。実施例1と同様に感光層塗布から現像処理までを行
い、平版印刷版とした。 実施例2 実施例1の電解粗面化処理を二段で行い、一段目を、濃
度1%の塩酸水溶液(0.5%のアルミニウムイオンを
含む)を電解液として、周波数60Hzの矩形波交流を
用いて、温度25℃、電流密度35A/dm2 で陽極時
電気量が450ク−ロン/dm2 となるように電解粗面
化処理し、二段目を、濃度1%の硝酸水溶液(0.5%
のアルミニウムイオンを含む)を電解液として、周波数
60Hzの矩形波交流を用いて、温度45℃、電流密度
30A/dm2 で陽極時電気量が200ク−ロン/dm
2 となるように電解粗面化処理し、その後、5%水酸化
ナトリウム水溶液(1.5%のアルミニウムイオンを含
む)により、35℃で10秒間処理した以外はこと以外
はすべて、実施例1と同様に処理し、支持体(C)を得
た。
【0067】この支持体(C)を、実施例1と同様の方
法で断面のピット形状測定を行い、X軸データに「ピッ
ト径」を、Y軸データに「径に垂直な方向の最大深さ」
をとって、その一次回帰分析を行った。その時のXの係
数である一次回帰直線の勾配値は、0.189であっ
た。感光層塗布及び露光・現像までは、実施例1と同様
に行って平版印刷版とした。
【0068】比較例2 電解粗面化処理までは、実施例1と全く同様に処理を行
い、その後、表面の清浄化のために苛性ソーダで、表面
を約10g/m2 溶解させた後、デスマット処理(25
%の硫酸への浸漬)を行い、その後陽極酸化処理して支
持体(D)を得た。
【0069】この支持体(D)を、実施例1と同様の方
法で断面のピット形状測定を行い、X軸データに「ピッ
ト径」を、Y軸データに「径に垂直な方向の最大深さ」
をとって、その一次回帰分析を行った。その時のXの係
数である一次回帰直線の勾配値は、0.087であっ
た。感光層塗布及び露光・現像までは、実施例1と同様
に行って平版印刷版とした。
【0070】以上の4種の平版印刷版を常法に従って、
オフセット印刷機にて印刷を行い、湿し水量を絞って、
耐刷力・非画像部の汚れ難さ、及び、特に画像部の中間
調部分の汚れ難さの評価を行なった。これらの印刷評価
結果を表1)に記載した。 A;湿し水量を多く絞っても、汚れを生じない。
【0071】B;湿し水量が少し減少しても、汚れを生
じない。 C;ごく僅かな湿し水量の減少でも、汚れを生じる。 D;通常の湿し水量で印刷しても汚れを生じてしまう。 また、これら以外にも、ネガ型感光層を用いたネガ型感
光性平版印刷版の場合にも、これらと同様に本発明の形
状を有する支持体は、特に画像部の中間調部分の汚れ難
さの点で良好な性能を有していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】「ピット径」と「径に垂直な方向の最大深さ」
の測定の説明図である。
【図2】重なったピットの場合の「ピット径」と「径に
垂直な方向の最大深さ」の測定の説明図である。
【図3】実施例1の「ピット径」対「径に垂直な方向の
最大深さ」のグラフと一次回帰直線を示すグラフであ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 アルミニウムまたはその合金板を電解粗
    面化処理することにより得られる、平版印刷版用アルミ
    ニウム支持体において、「ピット径」と、「径に垂直な
    方向の最大深さ」の、一次回帰分析による直線の勾配が
    0.100以上であるようなピット形状を持つ粗面形状
    であることを特徴とする平版印刷版用アルミニウム支持
    体。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59182967A (ja) * 1983-02-14 1984-10-17 ヘキスト・アクチエンゲゼルシャフト アルミニウムまたはその合金からなるオフセット印刷版用支持材料および該材料の製法
JPS59227494A (ja) * 1983-06-09 1984-12-20 Fuji Photo Film Co Ltd 平版印刷版用支持体の製造方法

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