JPH05242840A - X線イメージ管およびその製造方法 - Google Patents

X線イメージ管およびその製造方法

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JPH05242840A
JPH05242840A JP4144992A JP4144992A JPH05242840A JP H05242840 A JPH05242840 A JP H05242840A JP 4144992 A JP4144992 A JP 4144992A JP 4144992 A JP4144992 A JP 4144992A JP H05242840 A JPH05242840 A JP H05242840A
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JP
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substrate
phosphor layer
input
ray image
layer
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JP4144992A
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English (en)
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Atsuya Yoshida
篤也 吉田
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Toshiba Corp
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Image-Pickup Tubes, Image-Amplification Tubes, And Storage Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造装置を大型化することなく容易に製造で
き、また、輝度の低下を伴わず、分解能を向上させるこ
とができるX線イメージ管を提供する。 【構成】 入力面3は、凸型形状の基板7の出力側に入
力蛍光体層8、保護層21および光電面9を順次積層形成
する。基板7の入力側にはアンチモンの輻射率制御層22
を積層形成する。基板7の面と冷却板34との輻射率を大
きくすることにより、熱の移動量Qも大きくなり、基板
7の温度を低下できる。輻射率制御層22の黒化度によ
り、基板7の輻射率を制御して、基板7の温度を制御
し、入力蛍光体層8のピラーサイズを制御する。入力蛍
光体層8のピラーサイズを任意の大きさに設定して、輝
度を低下させることなくX線イメージ管の限界解像度を
向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分解能を向上させると
ともに、輝度の均一性を改善したX線イメージ管および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、X線イメージ管は、図2に示す
ような構成になっている。
【0003】この図2に示すX線イメージ管は、真空外
囲器1の一端側をX線の入力側として入力窓2とし、こ
の入力窓2の内面側には、この入力窓2に対向させて、
凸型形状の入力面3が配設され、一方、真空外囲器1の
他端側を出力側として、陽極4および出力面5が配設さ
れている。そして、真空外囲器1の内部の側面に沿っ
て、像を集束させるための集束用の集束電極6が設けら
れている。また、入力面3は、凸型形状の基板7の出力
側に入力蛍光体層8および光電面9が順次積層形成され
て構成されている。
【0004】また、入力蛍光体層8は、図3に示すよう
に、基板7によう化セシウム(CsI)の柱状結晶の集
合体の不連続面8aおよび連続面8bにて構成され、入射さ
れたX線により変換された光が、基板7方向にのびるこ
とを抑制し、入射されたX線の像を保ちながら、光電面
9に像を伝達させるようになっている。
【0005】そして、動作時には、入力面3に対向して
X線管10を配置し、X線管10と入力面3との間に被写体
11を位置させる。
【0006】X線管10からX線が照射されると、X線が
被写体11を通り抜け、入力窓2および基板7を透過し
て、入力蛍光体層8で光に変換され、光電面9で電子に
変換される。さらに、集束電極6および陽極4で、集
束、加速され、出力面5にて、可視光線に変換される。
【0007】このようにして、X線像が可視光像に変換
され、この可視光像はテレビジョンカメラ、シネカメ
ラ、あるいは、スポットカメラなどにより記録され、医
療診断、または、工業用非破壊検査に用いられている。
【0008】ところで、近年のX線イメージ管の中に
は、被爆線量の低減、および、画質の向上のために入力
蛍光体層8の膜厚を従来に比べて厚くした構成のものが
ある。
【0009】すなわち、厚さTの入力蛍光体層8に吸収
されるX線の量Ψは、X線吸収係数をψとすると、
【0010】
【式1】 で表され、X線エネルギーに対して、入力蛍光体層8の
厚さTが厚くなるにつれて吸収されるX線の量Ψが大き
くなる。したがって、入力蛍光体層8の膜厚が厚くなる
につれて、入力されたX線を有効に利用することがで
き、医療X線診断において、被爆線量の低減、画質の向
上を図ることができるのである。
【0011】ところが、上述のように、入力蛍光体層8
の膜厚化にともない、X線イメージ管の輝度が出力像の
中心から周辺に亘って均一にすることが困難となるとと
もに、像に歪みを生じてMTF特性が低下してしまう。
【0012】そしてまず、輝度の均一性について説明す
る。
【0013】一般に、X線イメージ管は、電子レンズで
ある集束電極6により、周辺部の像が中心部の像に比べ
て引き伸ばされる電子レンズの歪に起因して、出力像は
中心から周辺に向かって輝度が低下する。
【0014】そして、このように周辺に向かって輝度が
低下するような輝度分布では、撮影後のダイナミックレ
ンジを全面に亘って有効に使うことができない。
【0015】そこで、出力輝度分布を均一にする方法と
して、たとえば特開昭53−102663号公報記載の
構成が知られている。この特開昭53−102663号
公報記載の構成は、中心から周辺に向かって入力蛍光層
の膜厚を厚くし、中心部より周辺部の方でX線をより多
く吸収発光させ、出力側において周辺部の輝度を増加し
て出力輝度を均一に近付けさせるものである。
【0016】ところが、近年に開発された厚膜入力面を
採用したX線イメージ管においては、この特開昭53−
102663号公報記載の構成が適用できない。
【0017】この適用できない理由について、あるエネ
ルギー値〔keV〕を持ったX線が入射したとき、どの
位の発光が光電面に到達するかを図5に示すモデルを参
照して説明する。
【0018】まず、膜厚Tの入力蛍光体層8中の、深さ
tの場所での微小部分dtでのX線から光への変換量b
は、深さtまでの場所まで到達するX線量に比例する。
【0019】また、X線から光に変換された光のうち半
分は基板7方向へ、残りの光の半分は光電面9方面へ向
かうから、光電面9への道程は、図5に示すT−t、あ
るいは、T+tとなり、光の入力蛍光体層8中での、X
線吸収計数をψ、減衰計数をβ、基板7の反射率をγと
すると、
【0020】
【式2】 となる。なお、X線吸収計数ψは、減衰計数βより大き
い。
【0021】さらに、入力蛍光体層8全体の光への変換
総量Bで考えると、
【0022】
【式3】 が光電面9に到達する光量の相対値となる。この定積分
は、
【0023】
【式4】 となり、式4の{ }内の第1項および第2項とも、e
−βtの積については、厚さTに関して極大点を有する
ので、図6に示すように、式4全体についても厚さTに
関して極大点を有することになる。
【0024】実際に、各種の厚さTの膜厚の入力蛍光体
層8を製作し、測定を行なうと、ある膜厚について、図
6に示すような輝度の極大点が得られた。
【0025】そして、X線の有効利用のために、入力蛍
光体層8の中心部の膜厚を、輝度が極大値を示す膜厚に
設定すると、特開昭53−102663号公報記載の補
正の方法は用いることができない。すなわち、入力蛍光
体層8の周辺部の膜厚を、中心部に対して増加させても
輝度は小さくなり、出力輝度分布はかえって強い凸型に
なってしまい、入力蛍光体層8の厚膜化を行なった際に
は、出力輝度分布を有効に補正できないのである。
【0026】次に、MTF特性について説明する。
【0027】入力蛍光体層8でX線から変換された光
は、X線入射方向とは無関係の方向に発散してしまう。
そして、図3に示すように、入力蛍光体層8は、結晶構
造を柱状にし、多くの界面を持たせ、横方向に広がる光
を減衰させ、光電面9へ伝達される光の広がりを抑制し
ている。
【0028】ところが、入力蛍光体層8を柱状に形成し
た入力蛍光体層8は、光電面9に達するまでに拡がりを
持ってしまう。そして、この拡がり方は、入力蛍光体層
8の膜厚が厚くなるほど、光電面9に到達する光の進む
距離が長くなってしまい、光の拡がりが大きくなってし
まう。
【0029】すなわち、光の拡がりが大きいほど、入射
されるX線の像を保つことが困難になり、X線の像が歪
んで、X線イメージ管のMTF特性が低下する。
【0030】そして、このMTF特性の低下を防止する
ために、たとえば特開平1−258345号公報に記載
の構成が知られている。この特開平1−258345号
公報記載の構成は、入力蛍光体層8の結晶のピラーサイ
ズを中心部から周辺部に向かって分布をつける構成であ
る。
【0031】すなわち、入力蛍光体層8の結晶のピラー
サイズが細いと、図7に示すように、大きい角度θを持
ったX線が入力されると、光電面9に入力されるまでに
通過する結晶中の界面の数が多くなる。そして、通過す
る界面の数が多くなると減衰率が大きくなり、光の拡が
りは抑制され、MTF特性が向上するものの輝度が低下
する。したがって、入力蛍光体層8の結晶のピラーサイ
ズを制御することにより、光の拡がりを制御できる。
【0032】また、入力蛍光体層8の結晶のピラーサイ
ズを設定する際には、基板7の温度を制御すればよく、
ピラーサイズに分布を持たせるには、基板7の温度に分
布を持たせればよい。
【0033】ところが、基板7の温度に分布をつけると
いうことは、基板7および蒸着される入力蛍光体層8に
低熱源および高熱源が存在することになり、熱の移動が
行なわれることになる。したがって、基板7の温度をコ
ントロールすることには、困難が伴ない、量産性に乏し
い。
【0034】このため、蒸着の工程において、基板7の
温度を均一にし、均一のピラーサイズの入力蛍光体層8
を形成することが考えられるが、均一のピラーサイズの
入力蛍光体層8を形成するのも容易ではない。
【0035】そして、入力蛍光体層8の蒸着法において
は、一般に、よう化セシウムを密閉ボート中で、800
〜1000℃程度の高温に加熱して沸騰させ、50〜3
00mmの距離で基板7を密閉ボートに対向させ、基板7
を回動させ、基板7上に入力蛍光体層8を蒸着して形成
させる。また、入力蛍光体層8の膜厚の分布を均一ある
いは均一に近い状態にするために、密閉ボートの位置を
基板7の自転軸から少し外したところに配置する。
【0036】ところが、上述のように、基板7に入力蛍
光体層8を蒸着して形成させる場合、密着ボートの温度
は800℃〜1000℃で、通常100〜200°程度
である基板7の温度より、極端に高いので、著しく熱的
平衡状態が乱れ、基板7の温度の均一性を乱してしま
う。
【0037】そして、この基板7の熱的不平衡を補正す
る方法としては、たとえば密着ボートを反射板で覆い、
密着ボートからの発熱を抑えたり、基板7からの熱の発
散を促進させることが考えられる。
【0038】そうして、密着ボートを反射板で覆うと、
基板7に到達する熱量を低減させることができ、一旦、
放出された輻射を反射板を介して、再度密着ボートに戻
し、よう化セシウムの加熱源として回収されるため、従
来より少ない電流で蒸発が可能となり、基板7への輻射
が少なくなった。
【0039】しかしながら、従来と同等の蒸発スピード
による場合には、温度の低下はわずか10°程度であっ
た。したがって、入力蛍光体層8の厚膜化は、輝度が低
下するのみならず、膜厚を均一にするために、密着ボー
ト、すなわち装置の大型化を引き起こしてしまう。
【0040】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、特開平
1−258345号公報記載の構成のように、入力蛍光
体層8の結晶のピラーサイズを中心から周辺に向かって
分布をつけたり、ピラーサイズを細くすることは、量産
性に乏しい。
【0041】また、入力蛍光体層8の膜厚を、任意の厚
さにするには、密着ボート、さらに装置の大型化を引き
起こしてしまう問題を有している。
【0042】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、製造装置を大型化することなく容易に製造でき、ま
た、輝度の低下を伴わず、分解能を向上させることがで
きるX線イメージ管およびその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0043】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のX線イメ
ージ管は、基板上に形成された蛍光体層と、この蛍光体
層上に形成された光電面とからなる入力面を備えたX線
イメージ管において、前記蛍光体層の前記光電面と反対
側の前記基板側に輻射率を制御する輻射率制御層を形成
したものである。
【0044】請求項2記載のX線イメージ管の製造方法
は、第1の基板上に蛍光体層とこの蛍光体層上の光電面
からなる入力面を形成し、前記蛍光体層の前記光電面と
反対側の前記第1の基板側に輻射率を制御する輻射率制
御層を形成した第2の基板を被せるものである。
【0045】
【作用】請求項1記載のX線イメージ管は、蛍光体層の
基板側に、輻射率を制御する輻射率制御層を形成するこ
とにより、蛍光体層形成時に基板の温度を容易に制御で
きるため、容易に任意の厚さの膜厚を形成できるので、
簡単な構成で、輝度を低下させることなく、分解能を向
上できる。
【0046】請求項2記載のX線イメージ管の製造方法
は、第1の基板上に蛍光体層および光電面からなる入力
面を形成し、蛍光体層の光電面と反対側の第1の基板側
に輻射率を制御する輻射率制御層を形成した第2の基板
を被せたため、簡単に、輝度を低下させることなく、分
解能を向上できる。
【0047】
【実施例】以下、本発明のX線イメージ管の一実施例を
図面を参照して説明する。なお、従来例に対応する部分
には、同一符号を付して説明する。
【0048】X線イメージ管は、従来と同様に図2に示
すように、真空外囲器1の入力窓2に対向させて、入力
面3が配設し、出力側に陽極4および出力面5を配設し
ている。そして、内部の側面に沿って、集束電極6を設
けている。
【0049】また、入力面3は、図1に示すように、凸
型形状の基板7の出力側に入力蛍光体層8、保護層21お
よび光電面9が順次積層形成されるとともに、基板7の
入力側にはたとえばアンチモン(Sb)の黒化膜にて形
成される輻射率を制御する輻射率制御層22が積層形成さ
れて構成されている。
【0050】さらに、入力蛍光体層8は、基板7によう
化セシウム(CsI)の柱状結晶の集合体にて構成さ
れ、入射されたX線により変換された光が、基板7方向
にのびることを抑制し、入射されたX線の像を保ちなが
ら、光電面9に像を伝達させるようになっている。 そ
して、入力蛍光体層8は、図4に示す装置にて形成され
る。
【0051】この図4に示す装置は、蒸着槽31内に、基
板7が配設され、この基板7の下部でこの基板7に対向
する位置に高熱源である密着ボート32,32が2つ配設さ
れ、これら密着ボート32,32には、図示しない反射板の
覆いが設けられている。一方、基板7の上方には、図示
しない水冷パイプにて構成された低熱源である冷却用の
冷却板34が取り付けられ、この冷却板34の両端には、基
板7の温度をコントロールする加熱ランプ35,35がそれ
ぞれ取り付けられている。
【0052】そして、この蒸着槽31内では、熱の移動が
密着ボート32,32から、順次、基板7、冷却板34へとな
る。
【0053】ここで、密着ボート32から基板7への熱の
移動が一定で、冷却板34に対向する面が基板7に対して
平行であるとすると、熱の移動量Qは、
【0054】
【式5】
【0055】
【式6】 となる。なお、Cbは温度100Kで5.7W/m2
定数、ε1 ,ε2 は基板7の面と冷却板34との輻射率、
Aは基板7と冷却板34との対向する面積〔m2 〕、T1
,T2 は基板7の温度、冷却板34の温度〔K〕を表
す。
【0056】そして、式6の中で、基板7の面と冷却板
34との輻射率ε1 ,ε2 以外は、基板7の温度T1 、冷
却板34の温度T2 が外的要因に左右されやすい不安定な
量で、定数Cb、基板7と冷却板34との対向する面積A
はすでに決定されている値であり、容易に任意の値に設
定できない。
【0057】したがって、意図的に設定できるものは基
板7の面と冷却板34との輻射率ε1,ε2 であり、これ
らの輻射率ε1 ,ε2 を大きくすることにより、熱の移
動量Qも大きくなり、基板7の温度を低下させることが
できる。
【0058】そして、具体的には、基板7の凸曲面側の
表面にアンチモンにより黒化させた輻射率制御層22を蒸
着する。また、必要によっては、この輻射率制御層22の
黒化度に分布を持たせ、すなわち中心部近傍で黒化度を
高くし、周辺に向かうに従い黒化度を低くして、中心よ
り周辺の輻射率を高くしてもよい。そして、輻射率制御
層22の黒化度により、入力蛍光体層8の形成時の基板7
の表面の輻射率を制御し、基板7の温度を制御する。
【0059】次に、蒸着槽31内の圧力を図示しないポン
プにより、10-3Paまで低下させ、加熱ランプ35,35
により基板7の温度を150℃まで上昇させる。
【0060】さらに、蒸着槽31内に窒素ガス(N2 )を
導入し、0.4Paまで圧力を上昇させる。
【0061】この状態で、密着ボート32,32を加熱し、
密着ボート32,32内のよう化セシウムを蒸発させ、図3
に示す基板7上に入力蛍光体層8の不連続層8aを380
μmの厚さまで形成し、再び、蒸着槽31内の圧力を10
-3程度まで低下させ、密着ボート32,32を加熱し、図3
に示す連続層8bを形成する。
【0062】そして、この蒸着時の基板7の中心の温度
は、図8の実線に示すように、黒化した基板7もほぼ1
50℃に一定に保つことができ、何の処理も施していな
い従来例を示す破線に比べ、温度を低下させることがで
きた。
【0063】また、基板7の中心をアンチモンで黒化さ
せ、周辺の黒化度を低くしたものについても、同様にほ
ぼ150℃以下に保つことができる。
【0064】さらに、この場合の基板7の中央部の温度
と周辺部の温度との差を測定すると、図9に示すよう
に、従来は基板の中心部の温度が周辺部に比べて高かっ
たものが、輻射率制御層22により輻射率を制御すること
により、約15℃の温度差をつけることができた。
【0065】なお、実験によれば、輻射率制御層22によ
り黒化されている部分の入力蛍光体層8のピラーサイズ
は平均6μm、輻射率制御層22により黒化されていない
部分の入力蛍光体層8のピラーサイズは平均9μmであ
り、輻射率制御層22によりピラーサイズを変えることが
できた。
【0066】そうして、動作時には、入力面3に対向し
てX線管10を配置し、X線管10と入力面3との間に被写
体11を位置させる。
【0067】X線管10からX線が照射されると、X線が
被写体11を通り抜け、入力窓2および基板7を透過し
て、入力蛍光体層8で光に変換され、光電面9で電子に
変換される。さらに、集束電極6および陽極4で、集
束、加速され、出力面5にて可視光線に変換される。
【0068】また、前面が黒化された基板7のX線イメ
ージ管を、管球に装着したところ、9インチ出力径25
mmの限界解像度が、従来の48lp/cmから、51l
p/cmに向上し、さらに、輻射率制御層22の黒化度に
分布を持たせて形成した入力蛍光体層8ではX線イメー
ジ管の輝度の均一性が向上した。
【0069】次に、他の実施例を図10を参照して説明
する。
【0070】この図10に示す実施例は、X線イメージ
管内に組み込まれる基板7に直接、輻射率制御層22を形
成するものに限らず、入力蛍光体層8の蒸着工程中に、
あらかじめ輻射率制御層22が形成された第2の基板23
を、従来の基板と同様の基板を第1の基板7とし、この
第1の基板7に第2の基板23を被せることにより、簡単
な構成で、同様の目的を達成することができる。
【0071】ただし、第2の基板23は第1の基板7とむ
らなく密着させないと、基板の温度にむらが生じるおそ
れがある。しかしながら、第2の基板23として第1の基
板7と全く同じ基板を用いれば、基板の温度にむらが生
じるようなことはない。
【0072】
【発明の効果】請求項1記載のX線イメージ管によれ
ば、蛍光体層の基板側に、輻射率を制御する輻射率制御
層を形成することにより、蛍光体層形成時に基板の温度
を容易に制御できるため、容易に任意の厚さの膜厚を形
成できるので、簡単な構成で、輝度を低下させることな
く、分解能を向上できる。
【0073】請求項2記載のX線イメージ管の製造方法
によれば、第1の基板上に蛍光体層および光電面からな
る入力面を形成し、蛍光体層の光電面と反対側の第1の
基板側に輻射率を制御する輻射率制御層を形成した第2
の基板を被せたため、簡単に、輝度を低下させることな
く、分解能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線イメージ管の一実施例の入力面を
示す側面図である。
【図2】同上X線イメージ管の構造を示す説明図であ
る。
【図3】同上入力蛍光体層を示す構造図である。
【図4】同上X線イメージ管を製造する製造装置を示す
説明図である。
【図5】同上入力蛍光体層での発光が光電面に達する様
子を模式化した模式図である。
【図6】同上入力蛍光体層の膜厚と発光量との関係を示
すグラフである。
【図7】同上発光が入力蛍光体層の界面を通過する様子
を示す説明図である。
【図8】同上蒸着時の基板の温度を示すグラフである。
【図9】同上基板の中心の温度と周辺の温度との差を示
すグラフである。
【図10】同上X線イメージ管の他の実施例の入力面を
示す側面図である。
【符号の説明】
7 第1の基板 8 入力蛍光体層 9 光電面 22 輻射率制御層 23 第2の基板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された蛍光体層と、この蛍
    光体層上に形成された光電面とからなる入力面を備えた
    X線イメージ管において、 前記蛍光体層の前記光電面と反対側の前記基板側に輻射
    率を制御する輻射率制御層を形成したことを特徴とする
    X線イメージ管。
  2. 【請求項2】 第1の基板上に蛍光体層とこの蛍光体層
    上の光電面からなる入力面を形成し、 前記蛍光体層の前記光電面と反対側の前記第1の基板側
    に輻射率を制御する輻射率制御層を形成した第2の基板
    を被せることを特徴とするX線イメージ管の製造方法。
JP4144992A 1992-02-27 1992-02-27 X線イメージ管およびその製造方法 Pending JPH05242840A (ja)

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