JP3070944B2 - 放射線画像変換パネルの製造方法 - Google Patents

放射線画像変換パネルの製造方法

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JP3070944B2 JP2288502A JP28850290A JP3070944B2 JP 3070944 B2 JP3070944 B2 JP 3070944B2 JP 2288502 A JP2288502 A JP 2288502A JP 28850290 A JP28850290 A JP 28850290A JP 3070944 B2 JP3070944 B2 JP 3070944B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、放射線画像変換パネルの製造方法に関し、
詳しくは、画像の鮮鋭性の高い放射線画像変換パネルの
製造方法に関する。
〔従来の技術〕
例えば医療の分野においては、病気の診断にX線画像
のような放射線画像が多く用いられている。
放射線画像の形成方法としては、従来、被写体を透過
したX線を蛍光体層(蛍光スクリーン)に照射し、これ
により可視光を生じさせてこの可視光を通常の写真を撮
るときと同じように、銀塩を使用したフィルムに照射し
て現像する、いわゆる放射線写真法が一般的であった。
しかるに、近年、銀塩を塗布したフィルムを使用しな
いで蛍光体層から直接画像を取り出す方法として、被写
体を透過した放射線を蛍光体に吸収させ、しかる後この
蛍光体を例えば光または熱エネルギーで励起することに
より、この蛍光体に吸収されて蓄積されていた放射線エ
ネルギーを蛍光として放射させ、この蛍光を検出して画
像化する方法が提案されている。
例えば米国特許第3,859,527号明細書、特開昭55−121
44号公報には、輝尽性蛍光体を用い、可視光線または赤
外線を輝尽励起光として用いた放射線画像変換方法が示
されている。この方法は、基板上に輝尽性蛍光体層を形
成した放射線画像変換パネルを使用するものであり、こ
の放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透
過した放射線を当てて、被写体の各部の放射線透過度に
対応する放射線エネルギーを蓄積させて潜像を形成し、
しかる後にこの輝尽性蛍光体層を輝尽励起光で走査する
ことによって各部に蓄積された放射線エネルギーを輝尽
発光として放射させ、この光の強弱による光信号を例え
ば光電変換し、画像再生装置により画像化するものであ
る。この最終的な画像はハードコピーとして再生される
か、またはCRT上に再生される。
このような放射線画像変換方法に用いられる輝尽性蛍
光体層を有する放射線画像変換パネルには、前述の蛍光
スクリーンを用いる放射線写真法の場合と同様に、放射
線吸収率および光変換率(両者を含めて以下「放射線感
度」と称する)が高いことが必要であり、しかも画像の
粒状性がよく、さらに高鮮鋭性であることが要求され
る。
しかるに、画像の鮮鋭性は、放射線画像変換パネルの
輝尽性蛍光体層の層厚が薄いほど高い傾向にあり、鮮鋭
性の向上のためには、輝尽性蛍光体層の薄層化が必要で
あった。
一方、画像の粒状性は、放射線量子数の場所的ゆらぎ
(量子モトル)あるいは放射線画像変換パネルの輝尽性
蛍光体層の構造的乱れ(構造モトル)等によって決定さ
れるので、輝尽性蛍光体層の層厚が薄くなると、輝尽性
蛍光体層に吸収される放射線量子数が減少して量子モト
ルが増加し、構造的乱れが顕在化して構造モトルが増加
して画質の低下を生ずる。従って、画像の粒状性を向上
させるためには、輝尽性蛍光体層の層厚は厚くする必要
があった。
このように、従来の放射線画像変換パネルは、放射線
感度および画像の粒状性と、画像の鮮鋭性とが輝尽性蛍
光体層の層厚に対してまったく逆の傾向を示すので、放
射線感度および粒状性と、鮮鋭性とがある程度相互に犠
牲にされる状態で製造されてきた。
このような状況の中で、放射線画像の鮮鋭性を改善す
る手段がいくつか提案されている。例えば放射線画像変
換パネルの輝尽性蛍光体層中に白色粉体を混入する手段
(特開昭55−146447号公報参照)、放射線画像変換パネ
ルを輝尽性蛍光体の輝尽性励起光波長領域における平均
反射率が当該輝尽性蛍光体の輝尽発光波長領域における
平均反射率よりも小さくなるように着色する手段(特開
昭55−163500号公報参照)等が提案されている。しか
し、これらの手段では、鮮鋭性は改善されるが、その結
果必然的に放射線感度が低下する問題がある。
一方、本願の出願人によって、輝尽性蛍光体を用いた
放射線画像変換パネルにおける従来の欠点を改良した技
術として、表面に多数の微細な凹凸パターンを有する支
持体に、この表面構造をそのまま引き継ぎ支持体に対し
てほぼ垂直方向に成長した微細な柱状構造(以下「微細
柱状構造」という)からなる輝尽性蛍光体層を形成する
手段が本願の出願人によって提案されている(特開昭61
−142497号公報参照)。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、上記の特開昭61−142497号公報の技術では、
支持体の表面に多数の微細な凹凸パターンを形成するこ
とが必要であるが、この凹凸パターンは、支持体そのも
のをエンボッシュするエンボッシュ法、光、熱、薬品等
で支持体に固着硬化する樹脂を素材とするインクを用い
てグラビア法またはシルク法等により印刷した後、乾
燥、硬化処理を行う印刷法または写真蝕刻法により形成
しなければならないため、凹凸パターンの形成工程が複
雑であり、手間のかかる問題がある。
本発明は輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換パネル
に関連し、これをさらに改良するものであり、本発明の
目的は、放射線感度および粒状性が向上すると共に鮮鋭
性の高い画像を与える放射線画像変換パネルの製造方法
を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
以上の目的を達成するために、本発明者らが鋭意研究
を重ねた結果、支持体の表面にパターン状の抵抗発熱体
を設け、この抵抗発熱体に通電して発熱させながら当該
パターン状の抵抗発熱体上に輝尽性蛍光体を気相堆積法
により堆積することにより、比較的簡易に良好な微細柱
状構造からなる輝尽性蛍光体層を形成することができる
ことを見出して、本発明を完成するに至ったものであ
る。
そこで、本発明の放射線画像変換パネルの製造方法
は、支持体上に輝尽性蛍光体層を備えた放射線画像変換
パネルの製造方法において、支持体の表面に微細なパタ
ーン状の抵抗発熱体を設け、この抵抗発熱体に通電して
発熱させながら当該パターン状の抵抗発熱体側の面上に
輝尽性蛍光体を気相堆積法により堆積させて輝尽性蛍光
体層を形成することを特徴とする。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明においては、第1図(a),(b),(c)お
よび第2図に示すように、放射線画像変換パネル(以下
適宜「変換パネル」と略称する)の支持体1の表面に微
細なパターン状の抵抗発熱体2を設ける。
この抵抗発熱体2のパターンの形態は特に限定されな
いが、この抵抗発熱体2により囲まれた部分の直上に輝
尽性蛍光体の微細な柱状結晶が成長していくので、最終
的に得られる微細柱状構造の状態を考慮して最適な形態
を選択することが望ましい。具体的には、第1図
(a),(c)に示すような格子状、第1図(b)に示
すような六角形状等を挙げることができる。
抵抗発熱体2は、例えばITO膜、Ni−Cr膜、C(炭
素)発熱体膜等により構成することができ、蒸着法、パ
ターン印刷法等の簡単な手段により形成することができ
る。
抵抗発熱体2の線幅は1〜10μmが好ましく、特に2
〜5μmが好ましい。また、抵抗発熱体2により取り囲
まれた部分の平均幅、すなわち第1図では、六角形の内
部の平均幅は5〜200μmが好ましく、特に10〜100μm
が好ましい。
抵抗発熱体2の厚さは、500〜10,000Åが好ましい。
支持体1の構成材料としては、各種高分子材料、セラ
ミクス、ガラス、金属等を用いることができる。具体的
には、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフ
ィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリア
ミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフ
ィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフ
ィルム、セラミクス板、ガラス板、アルミニウム、鉄、
銅、クロム等の金属シート、およびそれら金属の酸化物
の被覆層を有する金属シート等を挙げることができる。
支持体1の厚さは、その材質等によって異なるが、一
般的には100μm〜5mmが好ましく、取扱いの便利性か
ら、特に200μm〜2mmが好ましい。
本発明においては、さらに、パターン状の抵抗発熱体
2の表面に必要に応じて保護層を設けてもよい。この保
護層の構成材料としては、例えば、SiO2,Al2O3,MgF2,Si
C,SiN等を挙げることができる。保護層の層厚は102〜10
4Åが好ましい。
本発明においては、以上のようにして得られた、表面
にパターン状の抵抗発熱体2が設けられた支持体1を用
い、この抵抗発熱体2に通電して発熱させながら当該パ
ターン状の抵抗発熱体2側の面上に直接もしくは保護層
を介して間接的に輝尽性蛍光体を気相堆積法により堆積
させて微細柱状構造からなる輝尽性蛍光体層を形成す
る。
抵抗発熱体2への通電は、気相堆積法の遂行初期に行
うことが好ましく、具体的には、気相堆積法の遂行開始
時から全遂行時間の1/6〜1/2程度の時間が経過するまで
の期間にわたって通電することが好ましい。これは抵抗
発熱体2への通電時間が長すぎると、抵抗発熱体2から
の熱拡散により、抵抗発熱体2により囲まれた部分の温
度が上昇し、良好な微細柱状構造が形成されにくいの
で、このような熱拡散を防止するためである。
また、本発明においては、抵抗発熱体2へ通電したと
きの抵抗発熱体2の温度T1と、抵抗発熱体2により囲ま
れた部分の温度T2との差ΔTが小さくならないように維
持するために、支持体1の裏面側を適宜冷却することが
好ましい。冷却手段としては、水冷パイプを有する金属
板を用いることができる。T1とT2の温度差ΔTは、20℃
以上が好ましく、特に50℃以上が好ましい。
また、支持体1全体の温度調節のため、上記水冷金属
板と併せて支持体1を加熱するためのハロゲンランプ等
のヒータを配置することが好ましい。
輝尽性蛍光体層の形成手段である気相堆積法として
は、真空蒸着法(以下適宜単に「蒸着法」と記す)、ス
パッタリング法、CVD法、イオンプレーティング法等を
挙げることができる。
気相堆積法によれば、一般に、結晶成長が促進される
結晶面と、部分的に雰囲気ガス等が吸着されて結晶成長
が抑制される面が生ずる。しかるに本発明においては、
支持体1の表面のパターン状の抵抗発熱体2に通電して
発熱させながら気相堆積法を遂行するので、高温の抵抗
発熱体2により囲まれた低温の部分に選択的に結晶が成
長するようになり、この結晶成長が促進される面は、蒸
発分子または原子が付着する方向にどんどん成長する。
一方、高温の抵抗発熱体2の部分は、これよりは低温の
支持体部分に比べて蛍光体材料が気相堆積する確率が低
いことにより結晶成長が抑制されて、輝尽性蛍光体の堆
積が少なく、結晶の成長方向すなわち輝尽性蛍光体層の
層厚方向に伸びる細長い形状の亀裂(クラック)が発生
するようになる。このように支持体1の抵抗発熱体2が
設けられた側の面には、輝尽性蛍光体層の層厚方向に多
数の微細なクラックを有する微細柱状構造からなる輝尽
性蛍光体層が形成される。
例えば蒸着法により輝尽性蛍光体層を形成する場合に
は、パターン状の抵抗発熱体2を設けた支持体1を蒸着
装置内に設置した後、蒸着装置内を排気して10-6Torr程
度の真空度とする。次いで、輝尽性蛍光体の少なくとも
1種を抵抗加熱法、電子ビーム法等の方法により加熱蒸
発させて、支持体1の抵抗発熱体2が設けられた側の表
面に輝尽性蛍光体を所定の厚さに堆積させる。
この結果、結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層が形成
されるが、蒸着工程では複数回に分けて輝尽性蛍光体層
を形成することも可能である。また蒸着工程では、複数
の抵抗加熱器または電子ビームを用いて共蒸着を行うこ
とも可能である。
蒸着終了後、必要に応じて輝尽性蛍光体層の支持体側
とは反対側の面に直接または空隙を介して保護層を設け
てもよい。
また、蒸着法においては、輝尽性蛍光体原料を複数の
抵抗加熱器または電子ビームを用いて共蒸着し、支持体
の抵抗発熱体が設けられた側の表面で目的とする輝尽性
蛍光体を合成すると同時に輝尽性蛍光体層を形成するこ
とも可能である。
さらに、蒸着法においては、蒸着時、必要に応じて被
蒸着物(支持体または保護層)を冷却または加熱しても
よい。また、蒸着終了後に輝尽性蛍光体層を加熱処理し
てもよい。また、蒸着法においては、必要に応じてO2,H
2等のガスを導入して反応性蒸着を行ってもよい。
例えばスパッタリング法により輝尽性蛍光体層を形成
する場合には、蒸着法と同様にパターン状の抵抗発熱体
を有する支持体をスパッタリング装置内に配置した後、
装置内を一旦排気して10-6Torr程度の真空度とし、次い
で、スパッタリング用のガスとしてAr,Ne等の不活性ガ
スをスパッタリング装置内に導入して、10-3Torr程度の
ガス圧とする。
次に、輝尽性蛍光体をターゲットとして、スパッタリ
ングすることにより、支持体のパターン状の抵抗発熱体
が設けられた側の表面に輝尽性蛍光体層を所定の厚さに
堆積させる。
このスパッタリング工程では、蒸着法と同様に複数回
に分けて輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。
また、それぞれ異なった輝尽性蛍光体からなる複数のタ
ーゲットを用いて、同時または順次、ターゲットをスパ
ッタリングして輝尽性蛍光体層を形成することも可能で
ある。
スパッタリング終了後、蒸着法と同様に必要に応じて
輝尽性蛍光体層の支持体側とは反対の側に直接または空
隙を介して保護層を設けてもよい。
スパッタリング法においては、複数の輝尽性蛍光体原
料をターゲットとして用い、これを同時または順次スパ
ッタリングして、支持体の抵抗発熱体が設けられた側の
表面で目的とする輝尽性蛍光体を合成すると同時に、輝
尽性蛍光体層を形成することも可能である。また、スパ
ッタリング法においては、必要に応じてO2,H2等のガス
を導入して反応性スパッタリングを行ってもよい。
さらに、スパッタリング法においては、スパッタリン
グ時に必要に応じて被蒸着物(支持体または保護層)を
冷却または加熱してもよい。また、スパッタリング終了
後、輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。
例えばCVD法により輝尽性蛍光体層を形成する場合に
は、輝尽性蛍光体または輝尽性蛍光体原料を含有する有
機金属化合物を熱、高周波電力等のエネルギーで分解す
ることにより、支持体の抵抗発熱体が設けられた側の表
面に結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層を形成する。
輝尽性蛍光体層の層厚は、目的とする放射線画像変換
パネルの放射線感度、輝尽性蛍光体の種類等によって異
なるが、30〜1000μmが好ましく、特に50〜500μmが
好ましい。輝尽性蛍光体層の層厚が小さすぎるときは、
放射線吸収率が低下するため放射線感度が悪くなり、ま
た画像の粒状性も低下する。
輝尽性蛍光体層の形成工程において、輝尽性蛍光体層
の堆積速度は0.1〜50μm/分が好ましい。堆積速度があ
まり小さいと生産性が低くなり、堆積速度があまり大き
いと堆積速度のコントロールが困難となる。
輝尽性蛍光体層の形成工程において、ハロゲンランプ
等のヒータで支持体を加熱する際の支持体の温度(抵抗
発熱体により囲まれた部分の温度)は400℃以下が好ま
しい。この温度があまり高いときは、結晶化の進行によ
り画像の鮮鋭性が低下しやすい。
本発明において「輝尽性蛍光体」とは、最初の光また
は高エネルギー放射線が照射された後に、光的、熱的、
機械的、化学的または電気的等の刺激(輝尽励起)によ
り、最初の光または高エネルギー放射線の照射量に対応
した輝尽発光を示す蛍光体をいうが、実用的な面から
は、波長が500nm以上の輝尽励起光によって輝尽発光を
示す蛍光体が好ましい。
輝尽性蛍光体層を構成する輝尽性蛍光体としては、以
上のものを用いることができる。
(1)特開昭48−80487号公報に記載のBaSO4:Ax(ただ
し、Aは、Dy,Tb,Tmの少なくとも1種を表し、xは0.00
1≦x<1モル%を満たす数を表す。)で表される蛍光
体。
(2)特開昭48−80488号公報に記載のMgSO4:Ax(ただ
し、Aは、HoまたはDyのいずれかを表し、xは0.001≦
x<1モル%を満たす数を表す。)で表される蛍光体。
(3)特開昭48−80489号公報に記載のSrSO4:Ax(ただ
し、Aは、Dy,Tb,Tmの少なくとも1種を表し、xは0.00
1≦x<1モル%を満たす数を表す。)で表されている
蛍光体。
(4)特開昭51−29889号公報に記載のNa2SO4,CaSO4,Ba
SO4等にMn,Dy,Tbの少なくとも1種を添加した蛍光体。
(5)特開昭52−30487号公報に記載のBeO,LiF,MgSO4,C
aF2等の蛍光体。
(6)特開昭53−39277号公報に記載のLi2B4O7:Cu,Ag等
の蛍光体。
(7)特開昭54−47883号公報に記載のLi2O・(B
2O2x:Cu(ただし、xは2<x≦3を満たす数を表
す。)、Li2O・(B2O2x:Cu,Ag(ただし、xは2<x
≦3を満たす数を表す。)等の蛍光体。
(8)米国特許第3,859,527号明細書に記載のSrS:Ce,S
m、SrS:Eu,Sm、La2O2S:Eu,Sm、(Zn,Cd)S:Mn,X(ただ
し、Xはハロゲンを表す。)で表される蛍光体。
(9)特開昭55−12142号公報に記載のZnS:Cu,Pb蛍光
体。
(10)同55−12142号公報に記載の一般式がBaO・xAl
2O3:Eu(ただし、xは0.8≦x≦10を満たす数を表
す。)で表されるアルミン酸バリウム蛍光体。
(11)同55−12142号公報に記載の一般式がMAO・xSiO2:
A(ただし、MAは、Mg,Ca,Sr,Zn,Cd,Baを表し、Aは、C
e,Tb,Eu,Tm,Pb,Tl,Bi,Mnの少なくとも1種を表し、x
は、0.5≦x<2.5を満たす数を表す。)で表されるアル
カリ土類金属ケイ酸塩系蛍光体。
(12)同55−12142号公報に記載の一般式が(Ba1-x-yMg
xCay)FX:eEu2+(ただし、Xは、Br,Clの少なくとも1
種を表し、x,y,eは、それぞれ、0<x+y≦0.6、xy≠
0、10-6≦e≦5×10-2を満たす数を表す。)で表され
る蛍光体。
(13)同55−12142号公報に記載の一般式がLnOX:xA(た
だし、Lnは、La,Y,Gd,Luの少なくとも1種を表し、X
は、Cl,Brの少なくとも1種を表し、Aは、Ce,Tbの少な
くとも1種を表し、xは、0<x<0.1を満たす数を表
す。)で表される蛍光体。
(14)特開昭55−12145号公報に記載の一般式が(Ba1-x
(MA)FX:yA(ただし、MAは、Mg,Ca,Sr,Zn,Cdの少
なくとも1種を表し、Xは、Cl,Br,Iの少なくとも1種
を表し、Aは、Eu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Yb,Erの少な
くとも1種を表し、x,yは、0≦x≦0.6、0≦y≦0.2
を満たす数を表す。)で表される蛍光体。
(15)特開昭55−84389号公報に記載の一般式がBaFX:xC
e,yA(ただし、Xは、Cl,Br,Iの少なくとも1種を表
し、Aは、In,Tl,Gd,Sm,Zrの少なくとも1種を表し、x,
yは、0<x≦2×10-1、0<y≦5×10-2を満たす数
を表す。)で表される蛍光体。
(16)特開昭55−160078号公報に記載の一般式がMAFX・
xA:yLn(ただし、MAは、Mg,Ca,Ba,Sr,Zn,Cdの少なくと
も1種を表し、Aは、BeO,MgO,CaO,SrO,BaO,ZnO,Al2O3,
Y2O3,La2O3,In2O3,SiO2,TiO2,ZrO2,GeO2,SnO2,Nb2O5,Ta
2O5,ThO2の少なくとも1種を表し、Lnは、Eu,Tb,Ce,Tm,
Dy,Pr,Ho,Nd,Yb,Er,Sm,Gdの少なくとも1種を表し、X
は、Cl,Br,Iの少なくとも1種を表し、x,yは、5×10-5
≦x≦0.5、0<y≦0.2を満たす数を表す。)で表され
る希土類元素付活2価金属フルオロハライド蛍光体。
(17)同55−160078号公報に記載の一般式がZnS:A、(Z
n,Cd)S:A、CdS:A、ZnS:A,X、CdS:A,X(ただし、Aは、
Cu,Ag,Au,Mnのいずれかを表し、Xは、ハロゲンを表
す。)で表される蛍光体。
(18)特開昭59−38278号公報に記載の 一般式〔I〕 xM3(PO4・NX2:yA 一般式〔II〕 M3(PO4・yA (式中、M,Nは、それぞれ、Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cdの少なく
とも1種を表し、Xは、F,Cl,Br,Iの少なくとも1種を
表し、Aは、Eu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Yb,Er,Sb,Tl,M
n,Snの少なくとも1種を表し、x,yは、0<x≦6、0
≦y≦1を満たす数を表す。)で表される蛍光体。
(19)特開昭59−155487号公報に記載の 一般式〔III〕nReX3・mAX′2:xEu 一般式〔IV〕nReX3・mAX′2:xEu,ySm (式中、Reは、La,Gd,Y,Luの少なくとも1種を表し、A
は、Ba,Sr,Caの少なくとも1種のアルカリ土類金属を表
し、X,X′は、F,Cl,Brの少なくとも1種を表し、x,y
は、1×10-4<x<3×10-1、1×10-4<y<1×10-1
を満たす数を表し、n/mは、1×10-3<n/m<7×10-1
満たす数を表す。)で表される蛍光体。
(20)特開平2−58593号公報に記載の一般式 aBaX2・(1−a)BaY2:bEu2+ (式中、X,Yは、F,Cl,Br,Iの少なくとも1種を表し、X
≠Yであり、a,bは、0<a<1、10-5<b<10-1を満
たす数を表す。)で表される蛍光体。
(21)特開昭61−72087号公報に記載の一般式 MAX・aMBX′・bMCX″3:cA (ただし、MAは、Li,Na,K,Rb,Csの少なくとも1種のア
ルカリ金属を表し、MBは、Be,Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,Cu,Ni
の少なくとも1種の2価の金属を表し、MCは、Sc,Y,La,
Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Al,Ga,In
の少なくとも1種の3価の金属を表し、X,X′,X″は、
F,Cl,Br,Iの少なくとも1種のハロゲンを表し、Aは、E
u,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Yb,Er,Gd,Lu,Sm,Y,Tl,Na,Ag,C
u,Mgの少なくとも1種の金属を表し、a,b,cは、0≦a
<0.5、0≦b<0.5、0<c≦0.2を満たす数を表
す。)で表されるアルカリハライド蛍光体。
本発明においては、特に、このアルカリハライド蛍光
体を好ましく用いることができる。
ただし、本発明においては、以上の蛍光体に限定され
ず、放射線を照射した後、輝尽励起光を照射した場合に
輝尽蛍光を示す蛍光体であればその他の蛍光体をも用い
ることができる。
第3図は本発明の製造方法により得られた放射線画像
変換パネルを用いて構成された放射線画像変換装置の概
略を示し、3は放射線発生装置、4は被写体、5は放射
線画像変換パネル、6は輝尽励起光源、7は放射線画像
変換パネル5より放射された輝尽発光を検出する光電変
換装置、8は光電変換装置7で検出された信号を画像と
して再生する再生装置、9は再生装置8により再生され
た画像を表示する表示装置、10は輝尽励起光と輝尽発光
とを分離し、輝尽発光のみを透過させるフィルターであ
る。
第3図の放射線画像変換装置においては、放射線発生
装置3からの放射線Rは被写体4を通して放射線画像変
換パネル5に入射する。この入射した放射線RIは放射線
画像変換パネル5の輝尽性蛍光体層に吸収され、そのエ
ネルギーが蓄積され、放射線透過像の蓄積像が形成され
る。次に、この蓄積像を輝尽励起光源6からの輝尽励起
光で励起して輝尽発光として放射させる。
放射される輝尽発光の強弱は、蓄積された放射線エネ
ルギー量に比例するので、この光信号を例えば光電子増
倍管等の光電変換装置7で光電変換し、再生装置8によ
って画像として再生し、表示装置9によって表示するこ
とにより、被写体4の放射線透過像を観察することがで
きる。
以上のように本発明の製造方法では、支持体の表面に
パターン上の抵抗発熱体を設け、この抵抗発熱体に通電
して発熱させながら当該パターン状の抵抗発熱体側の面
上に直接もしくは保護層を介して間接的に輝尽性蛍光体
を気相堆積法により堆積させて輝尽性蛍光体層を形成す
るので、簡単にかつ確実に微細柱状構造の輝尽性蛍光体
層が得られる。従って、得られた変換パネルによれば、
放射線感度および画像の粒状性のみならず、画像の鮮鋭
性をも十分に満足する放射線画像を形成することができ
る。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を比較例と共に説明するが、本
発明はこれらの態様に限定されるものではない。
〔実施例1〕 第4図に示すように、厚さが1.0mmで表面が平滑な結
晶化ガラス板からなる支持体1の表面に、厚さが1000Å
のITO膜からなり、第1図(a)に示すような間隔aが4
5μm、線幅bが5μmの格子パターン状の抵抗発熱体
2を蒸着法により形成した。
この支持体1の抵抗発熱体2が設けられた面側に、厚
さが2000ÅのSiO2の蒸着膜からなる保護層11を形成し
た。
以上のようにして抵抗発熱体2および保護層11が設け
られた支持体1を蒸着装置内に配置し、蒸着源容器内に
RbRr:Tl(輝尽性蛍光体の材料)を充填して、この蒸着
源容器を蒸着装置内に配置した。
蒸着装置内を排気し、支持体1の全体を水冷金属板お
よびハロゲンランプにより温度調節して、支持体1の抵
抗発熱体2により囲まれた部分の温度T2を100℃に設定
し、抵抗発熱体2に通電して発熱させてその温度T1を15
0℃に設定した。蒸着装置内にArガスを導入して、雰囲
気圧力を1×10-6Torrに設定した。
以上の条件下において、抵抗加熱により蒸着源容器内
の輝尽性蛍光体を蒸発させてこれを支持体1に設けられ
た保護層11の表面に堆積させて、微細柱状構造からなる
層厚が100μmの輝尽性蛍光体層を形成し、変換パネル
Aを製造した。
なお、輝尽性蛍光体の蒸着を開始してから蒸着が終了
するまでに要した時間は50分間であり、そのうち抵抗発
熱体2への通電は蒸着を開始した時から20分間だけと
し、その後は通電を停止した。
また、輝尽性蛍光体層の堆積速度は2μm/分となるよ
うに制御した。
以上のようにして得られた変換パネルAの輝尽性蛍光
体層の断面および表面形状をSEM(走査型電子顕微鏡)
により観察したところ、支持体上に設けた抵抗発熱体の
パターンに沿って、輝尽性蛍光体層の層厚方向にクラッ
クが存在していて良好な微細柱状構造の輝尽性蛍光体層
が形成されていた。
また、変換パネルAに管電圧80kVのX線を10mR照射し
た後、半導体レーザ光(波長780nm)で輝尽励起し、輝
尽性蛍光体層から放射される輝尽発光を光検出器(光電
子増倍管)で光電変換し、この信号を再生装置によって
画像として再生し、得られた画像により、画像の変調伝
達関数(MTF)を調べ、画像の鮮鋭性を評価したとこ
ろ、後述する比較例1の場合を100とするとき120(相対
値)と高い値を示し、画像の鮮鋭性が高いことが確認さ
れた。なお、変調伝達関数(MTF)は、空間周波数が2
サイクル/mmの時の値である。
〔実施例2〕 実施例1において、格子パターン状の抵抗発熱体2
を、間隔aが95μm、線幅bが5μmのものに変更した
ほかは、実施例1と同様にして変換パネルBを製造し
た。
この変換パネルBについて、実施例1と同様にしてSE
Mにより観察したところ、実施例1と同様にクラックが
存在していて良好な微細柱状構造の輝尽性蛍光体層が形
成されていた。
また、変換パネルBについて、実施例1と同様にして
鮮鋭性を評価したところ、115(相対値)と高い値を示
し、鮮鋭性が高いことが確認された。
〔実施例3〕 実施例1において、支持体1の抵抗発熱体2により囲
まれた部分の温度T2を100℃に設定し、抵抗発熱体2に
通電して発熱させてその温度T1を200℃に設定したほか
は、実施例1と同様にして変換パネルCを製造した。
この変換パネルCについて、実施例1と同様にしてSE
Mにより観察したところ、実施例1と同様にクラックが
存在していて良好な微細柱状構造の輝尽性蛍光体層が形
成されていた。
また、変換パネルCについて、実施例1と同様にして
鮮鋭性を評価したところ、130(相対値)と高い値を示
し、鮮鋭性が高いことが確認された。
〔実施例4〕 実施例2において、支持体1の抵抗発熱体2により囲
まれた部分の温度T2を100℃に設定し、抵抗発熱体2に
通電して発熱させてその温度T1を200℃に設定したほか
は、実施例1と同様にして変換パネルDを製造した。
この変換パネルDについて、実施例1と同様にしてSE
Mにより観察したところ、実施例1と同様にクラックが
存在していて良好な微細柱状構造の輝尽性蛍光体層が形
成されていた。
また、変換パネルDについて、実施例1と同様にして
鮮鋭性を評価したところ、125(相対値)と高い値を示
し、鮮鋭性が高いことが確認された。
〔実施例5〕 実施例1において、抵抗発熱体2を、第1図(b)に
示すような六角形状で間隔aが45μm、線幅bが5μm
のものに変更し、支持体1の抵抗発熱体2により囲まれ
た部分の温度T2を100℃に設定し、抵抗発熱体2に通電
して発熱させてその温度T1を200℃に設定して変換パネ
ルEを製造した。
この変換パネルEについて、実施例1と同様にしてSE
Mにより観察したところ、実施例1と同様にクラックが
存在していて良好な微細柱状構造の輝尽性蛍光体層が形
成されていた。
また、変換パネルEについて、実施例1と同様にして
鮮鋭性を評価したところ、130(相対値)と高い値を示
し、鮮鋭性が高いことが確認された。
〔実施例6〕 実施例5において、抵抗発熱体2を、第1図(c)に
示すような格子パターン状のものに変更したほかは実施
例5と同様にして変換パネルFを製造した。
この変換パネルFについて、実施例1と同様にしてSE
Mにより観察したところ、実施例1と同様にクラックが
存在していて良好な微細柱状構造の輝尽性蛍光体層が形
成されていた。
また、変換パネルFについて、実施例1と同様にして
鮮鋭性を評価したところ、130(相対値)と高い値を示
し、鮮鋭性が高いことが確認された。
〔比較例1〕 実施例1において、格子パターン状の抵抗発熱体2お
よび保護層11を設けないで、支持体1の温度を100℃に
設定したほかは、実施例1と同様にして比較用の変換パ
ネルaを製造した。
この変換パネルaについて、実施例1と同様にしてSE
Mにより観察したところ、クラックが発生しておらず、
微細柱状構造が不十分であった。
また、変換パネルaについて、実施例1と同様にして
鮮鋭性を評価したところ、100(相対値)と実施例1の
変換パネルAよりも劣っていた。
以上の実施例および比較例の内容を第1表にまとめて
示す。
以上の第1表より明らかなように、実施例で得られた
変換パネルA〜Fは、比較例で得られた変換パネルaに
比例して、鮮鋭性が格段に優れている。
また、実施例で得られた変換パネルA〜Fについて、
放射線感度および粒状性を評価したところ、いずれも十
分なものであった。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、本発明の製造方法によれ
ば、支持体の表面にパターン状の抵抗発熱体を設け、こ
の抵抗発熱体に通電して発熱させながら当該パターン状
の抵抗発熱体側の面上に輝尽性蛍光体を気相堆積法によ
り堆積させて輝尽性蛍光体層を形成するので、抵抗発熱
体により囲まれた温度の相対的に低い部分に選択的に輝
尽性蛍光体が堆積するようになり、その結果、クラック
が輝尽性蛍光体層の層厚方向に生じるようになり、優れ
た微細柱状構造からなる輝尽性蛍光体層が得られる。従
って、放射線感度および画像の粒状性のみならず、画像
の鮮鋭性をも十分に満足する放射線画像を形成できる放
射線画像変換パネルを比較的簡易に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図(a),(b),(c)はそれぞれ支持体の表面
にパターン状の抵抗発熱体が設けられた状態を示す平面
図、 第2図は第1図(a)の縦断端面図、 第3図は放射線画像変換装置の概略を示す説明図、 第4図は実施例に係る支持体および抵抗発熱体の端面図
である。 1……支持体、2……抵抗発熱体 3……放射線発生装置、4……被写体 5……放射線画像変換パネル 6……輝尽励起光源、7……光電変換装置 8……再生装置、9……表示装置 10……フィルター、11……保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21K 4/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に輝尽性蛍光体層を備えた放射線
    画像変換パネルの製造方法において、 支持体の表面に微細なパターン状の抵抗発熱体を設け、
    この抵抗発熱体に通電して発熱させながら当該パターン
    状の抵抗発熱体側の面上に輝尽性蛍光体を気相堆積法に
    より堆積させて輝尽性蛍光体層を形成することを特徴と
    する放射線画像変換パネルの製造方法。
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