JPH05249299A - 放射線画像変換パネルの製造方法 - Google Patents

放射線画像変換パネルの製造方法

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JPH05249299A
JPH05249299A JP8319192A JP8319192A JPH05249299A JP H05249299 A JPH05249299 A JP H05249299A JP 8319192 A JP8319192 A JP 8319192A JP 8319192 A JP8319192 A JP 8319192A JP H05249299 A JPH05249299 A JP H05249299A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 幅の狭い精度の高い柱状結晶からなる輝尽性
蛍光体層を形成することができ、放射線画像の鮮鋭性が
優れ、しかも読み取り方向による鮮鋭性の変化が小さい
放射線画像変換パネルを製造することができる方法を提
供することにある。 【構成】 蒸気流を用いて基板の被蒸着面に輝尽性蛍光
体を気相堆積させて少なくとも一層の輝尽性蛍光体層を
形成する工程を含む放射線画像変換パネルの製造方法に
おいて、前記蒸気流の流線方向を、前記基板の被蒸着面
の法線方向の回りに相対的に回転させながら、基板の被
蒸着面に輝尽性蛍光体層を気相堆積させることを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蒸気流を用いて基板の
被蒸着面に輝尽性蛍光体を気相堆積させて少なくとも一
層の輝尽性蛍光体層を形成する工程を含む放射線画像変
換パネルの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば医療の分野においては、病気の診
断にX線画像のような放射線画像が多く用いられてい
る。放射線画像の形成方法としては、従来、被写体を透
過したX線を蛍光体層(蛍光スクリーン)に照射し、こ
れにより可視光を生じさせてこの可視光を通常の写真を
撮るときと同じように、銀塩を使用したフィルムに照射
して現像する、いわゆる放射線写真法が一般的であっ
た。
【0003】しかるに、近年、銀塩を塗布したフィルム
を使用しないで蛍光体層から直接画像を取り出す方法と
して、被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収させ、し
かる後この蛍光体を例えば光または熱エネルギーで励起
することにより、この蛍光体に吸収されて蓄積されてい
た放射線エネルギーを蛍光として放射させ、この蛍光を
検出して画像化する方法が提案されている。
【0004】例えば米国特許第 3,859,527号明細書、特
開昭55− 12144号公報には、輝尽性蛍光体を用い、可視
光線または赤外線を輝尽励起光として用いた放射線画像
変換方法が示されている。この方法は、基板上に輝尽性
蛍光体層を形成した放射線画像変換パネルを使用するも
のであり、この放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層
に被写体を透過した放射線を当てて、被写体の各部の放
射線透過度に対応する放射線エネルギーを蓄積させて潜
像を形成し、しかる後にこの輝尽性蛍光体層を輝尽励起
光で走査することによって各部に蓄積された放射線エネ
ルギーを輝尽発光として放射させ、この光の強弱による
光信号を例えば光電変換し、画像再生装置により画像化
するものである。この最終的な画像はハードコピーとし
て再生されてもよいし、またはCRT等のディスプレイ
上に再生されてもよい。
【0005】このような放射線画像変換方法に用いられ
る輝尽性蛍光体層を有する放射線画像変換パネルには、
前述の蛍光スクリーンを用いる放射線写真法の場合と同
様に、放射線吸収率および光変換率(両者を含めて以下
「放射線感度」と称する)の高いことが必要であり、し
かも画像の鮮鋭性の高いことが要求される。
【0006】ところで、輝尽性蛍光体を利用した放射線
画像変換パネルにおける画像の鮮鋭性は、輝尽性蛍光体
の輝尽発光の広がりによって決定されるのではなく、輝
尽励起光の当該パネル内での広がりに依存して決定され
る。詳しく説明すると、放射線画像変換パネルに蓄積さ
れた放射線画像情報は時系列化されて取り出されるの
で、ある時間(ti )に照射された輝尽励起光による輝
尽発光は、望ましくはすべて採光されその時間に輝尽励
起光が照射されていた当該パネル上のある画素(xi
i )からの出力として記録されるが、かりに輝尽励起
光が当該パネル内で散乱等により広がり、照射画素(x
i ,yi )の外側に存在する輝尽性蛍光体をも励起して
しまうと、当該照射画素(xi ,yi )からの出力とし
てその画素よりも広い領域からの出力が記録されてしま
う。従って、ある時間(ti )に照射された輝尽励起光
による輝尽発光が、その時間(ti )に輝尽励起光が真
に照射されていた当該パネル上の画素(xi ,yi )か
らの発光のみであれば、その発光がいかなる広がりを持
つものであろうと、得られる画像の鮮鋭性には影響がな
い。このような状況の中で、放射線画像の鮮鋭性を改善
する技術として、例えば輝尽性蛍光体層が微細の柱状結
晶からなる放射線画像変換パネルおよびその製造方法が
提案されている (特開昭61−142497号〜142
500号、同62−105098号公報参照) 。この技
術によれば、輝尽励起光は、微細の柱状結晶の光誘導効
果のため柱状結晶内で反射を繰り返しながら、柱状結晶
外に散逸することなく柱状結晶の底まで到達するため、
輝尽発光による画像の鮮鋭性をより増大することができ
る。特に蒸気流を用いて基板の被蒸着面に気相堆積させ
て層を形成させる場合は、従来において、輝尽性蛍光体
層を斜め蒸着法により形成することにより、蒸気流の方
向に着目して放射線画像の鮮鋭性を改善する手段が提案
されている(特願昭63−129996号明細書参照)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の技術で
は、輝尽性蛍光体の結晶が一方向につながりをもった板
状のものとなるため、放射線画像の読取り方向によって
鮮鋭性が大きく異なるという問題があった。すなわち、
蒸気流を基板面に対して斜めから入射させると、基板面
において蒸気流が到達しにくい「影」の部分ができ、そ
こが亀裂となって区画された結晶が形成されるため画像
の鮮鋭性が向上する。しかし、従来の蒸着法では、蒸気
流の流線方向が基板面に対して固定化されているため
「影」の部分が偏ってしまい、幅の狭い柱状ではなくて
方向によって幅が大きく異なる板状の結晶となってしま
い、読取り方向によって鮮鋭性がばらつく問題があっ
た。
【0008】そこで、本発明の目的は、幅の狭い精度の
高い柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層を形成することが
でき、放射線画像の鮮鋭性が向上し、しかも読取り方向
による鮮鋭性の変化の小さい放射線画像変換パネルを製
造することができる方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の製造方法は、蒸
気流を用いて基板の被蒸着面に輝尽性蛍光体を気相堆積
させて少なくとも一層の輝尽性蛍光体層を形成する工程
を含む放射線画像変換パネルの製造方法において、前記
蒸気流の流線方向を、前記基板の被蒸着面の法線方向の
回りに相対的に回転させながら、基板の被蒸着面に輝尽
性蛍光体を気相堆積させることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明では、輝尽性蛍光体を気相堆積させる際
に、蒸気流の流線方向を基板の被蒸着面の法線方向の回
りに相対的に回転させるので、結晶が板状に広がらずに
相互に明瞭に区画された微細な柱状の結晶となる。すな
わち、基板の被蒸着面に対して蒸気流の流線方向を斜め
に傾けると、結晶は流線方向の影響を受けて斜めに成長
しようとして、基板の被蒸着面において蒸気流が到達し
にくい「影」の部分ができ、この部分が亀裂となって蒸
気流の流線方向にある程度傾きながら伸びる区画された
結晶が形成される。従来はこの「影」の部分が固定化さ
れていたので結晶が板状に広がってしまい、微細な柱状
結晶が得られにくかったが、本発明ではこの「影」の部
分が偏らないように基板の被蒸着面の法線方向の回りに
蒸気流の流線方向を相対的に回転させるので、幅の狭い
微細な柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層が得られる。従
って、放射線画像の鮮鋭性に優れ、しかも読取り方向に
よる鮮鋭性の変化の小さい放射線画像変換パネルが得ら
れる。なお、蒸気流の流線方向とは、便宜上、蒸発源近
傍での蒸発量分布を考慮した上で蒸発源を点とみなし
て、この点と基板の被蒸着面の各点とを結ぶ方向をい
う。また、基板の被蒸着面の法線方向とは、被蒸着面を
平面あるいは曲率一定の曲面に近似した時の法線方向で
あり、被蒸着面の部分的なそりやうねり、あるいは凹凸
等は考慮に入れないものとする。
【0011】
【実施例】図1の実施例では、基板1が水平な姿勢で固
定配置され、この基板1の被蒸着面1Aの下方側位置に
おいて輝尽性蛍光体材料からなる蒸発源2が公転できる
ように配置されている。蒸発源2を被蒸着面1Aの中央
における法線方向Bを軸として公転させながら電子ビー
ム等の励起手段により蒸発源2を蒸発させて蒸気流を形
成すると、当該蒸気流の流線方向Aが基板1の法線方向
Bの回りに相対的に回転することとなる。従って、基板
1の被蒸着面1Aにおいては、蒸気流が到達しにくい
「影」の部分が偏ることがなく、幅の狭い微細な柱状結
晶からなる輝尽性蛍光体層が得られる。なお、前述のよ
うに蒸気流の流線方向Aとは、便宜上、蒸発源2近傍で
の蒸発量分布を考慮した上で蒸発源2を点とみなしてこ
の点と基板1の被蒸着面1Aの各点とを結ぶ方向をい
う。
【0012】図2の実施例では、輝尽性蛍光体材料から
なる蒸発源2が固定配置され、この蒸発源2の上方側位
置において、水平面内において基板1がその中央におけ
る法線方向Bを中心にして自転できるように配置されて
いる。基板1を当該法線方向Bを軸として水平面内で自
転させながら、電子ビーム等の励起手段により蒸発源2
を蒸発させて蒸気流を形成すると、当該蒸気流の流線方
向Aが基板1の中央における法線方向Bの回りに相対的
に回転することとなる。従って、幅の狭い微細な柱状結
晶からなる輝尽性蛍光体層が得られる。
【0013】図3の実施例では、輝尽性蛍光体材料から
なる蒸発源2を固定し、この蒸発源2の上方側位置にお
いて、傾斜面内において基板1がその中央における法線
方向Bを中心にして自転できるように配置されている。
基板1を当該法線方向Bを軸として傾斜面内で自転させ
ながら、電子ビーム等の励起手段により蒸発源2を蒸発
させて蒸気流を形成すると、当該蒸気流の流線方向Aが
基板1の中央における法線方向Bの回りに相対的に回転
することとなる。従って、幅の狭い微細な柱状結晶から
なる輝尽性蛍光体層が得られる。
【0014】図4の実施例では、輝尽性蛍光体材料から
なる円環状の蒸発源2が水平な姿勢で固定配置されると
共に、円環状の蒸発源2の中央部に電子ビーム発生装置
3が配置され、この蒸発源2の上方側位置において、基
板1が水平な姿勢で固定配置されている。電子ビーム発
生装置3よりの電子ビーム3Aの照射位置を、円環状の
蒸発源2の周に沿って順次またはランダムに移動させて
蒸発源2を蒸発させて蒸気流を形成すると、当該蒸気流
の流線方向Aが基板1の法線方向Bの回りに相対的に回
転することとなる。従って、幅の狭い微細な柱状結晶か
らなる輝尽性蛍光体層が得られる。
【0015】本発明において、気相堆積させる際には、
蒸気流の流線方向Aと、基板の被蒸着面の法線方向との
交角(鋭角)θ(図1参照)が0°より大きく80°以
下であることが好ましく、5°以上70°以下であるこ
とが特に好ましい。θが小さすぎると「影」の部分がで
きにくく、それを亀裂とする微細な柱状結晶も形成され
にくい。また、θが大きすぎると、蛍光体層の機械的強
度や基板に対する付着力が低下してしまい、きずや膜は
がれが発生しやすくなる。
【0016】また、図5に示すように、蒸気流の流線方
向Aを、基板1の被蒸着面1Aの法線方向Bの回りに相
対的に回転させる際には、蒸発源2を始点とし当該法線
が被蒸着面1Aと交差する各点を終点とする蒸気流ベク
トルの被蒸着面1A上の各点における総和ベクトルCと
被蒸着面1Aの法線方向との交角φが0°以上30°以
下であることが好ましく、0°以上10°以下であるこ
とが特に好ましい。区画された各微細柱状結晶が、被蒸
着面1A上の各点における蒸気流ベクトルの総和ベクト
ルCの方向にある程度傾きながら成長するが、その成長
方向が被蒸着面1Aの法線方向に近い(交角φが小さ
い)ほど蒸気流が「影」になることにより生ずる亀裂の
偏りが小さい。従って、当該総和ベクトルCの方向が被
蒸着面1Aの法線方向に近い(交角φが小さい)ほど、
放射線画像の読み取り方向による鮮鋭性の違いの小さい
放射線画像変換パネルを製造することが可能になる。
【0017】本発明においては、気相堆積法により輝尽
性蛍光体層を形成するが、気相堆積法としては、蒸着法
が好ましく用いられ、特に、電子ビーム蒸着法、抵抗加
熱蒸着法が好ましく用いられる。蒸着法により輝尽性蛍
光体層を形成する場合には、蒸着を複数回行って多層構
成の輝尽性蛍光体層を形成してもよい。また、蒸着法に
おいては、蒸着時、必要に応じて基板を冷却または加熱
してもよい。また、蒸着終了後に輝尽性蛍光体層を加熱
処理(アニーリング)してもよい。また、蒸着法におい
ては、必要に応じてO2 ,H2 等のガスを導入して反応
性蒸着を行ってもよい。
【0018】気相堆積法による輝尽性蛍光体層の形成工
程において、輝尽性蛍光体層の堆積速度は0.1〜50
μm/分が好ましい。堆積速度があまり小さいと生産性
が低くなり、堆積速度があまり大きいと堆積速度のコン
トロールが困難となる。ところで、蒸気流を基板面に対
して斜めから入射させることにより生ずる、蒸気流が到
達しにくい「影」の部分は、蒸気流の直進性が高い(回
り込みが少ない)ほど起こりやすいことは明らかであ
り、従って、亀裂によって区画された微細結晶を形成す
るには蒸着雰囲気圧力が低い(真空度が高い)ほど好ま
しい。具体的には、蒸着雰囲気圧力が5×10-4Tor
r以下であることが好ましく、5×10-5Torr以下
であることがより好ましい。また、気相堆積法による輝
尽性蛍光体層の形成工程において、結晶の巨大化による
画像の鮮鋭性の低下を防止する観点から、基板の温度は
蒸発物質の融点より100℃以上低いことが好ましい。
輝尽性蛍光体層の層厚は、目的とする放射線画像変換パ
ネルの放射線感度、輝尽性蛍光体の種類等によって異な
るが、放射線吸収率の低下による放射線感度の低下を防
止する観点から、30〜1000μmが好ましく、特に
50〜500μmが好ましい。輝尽性蛍光体層の層厚が
小さすぎるときは、放射線吸収率が低下するため、放射
線感度が悪くなり、また層厚が大きすぎる場合には輝尽
励起光の横方向への広がりが増大するため画像の鮮鋭性
が悪くなる。
【0019】図6および図7は、本発明の製造方法によ
り形成された輝尽性蛍光体層4の柱状結晶5を模式的に
示すものであり、柱状結晶5,5間にはほぼ均等にクラ
ック6が形成され、各柱状結晶5は独立した構造になっ
ている。従って、輝尽励起光や輝尽発光が各柱状結晶5
を鋭い指向性で進行するようになり、画像の鮮鋭性が向
上する。さらに、本発明の製造方法により形成された輝
尽蛍光体層の柱状結晶は、図7に示すaとbの平均の大
きさが大きく異ならないので、放射線画像の読み取り方
向が、横方向(図7のX方向)であっても、縦方向(図
7のY方向)であっても、鮮鋭性がほぼ均しくなる。
【0020】柱状結晶5による輝尽励起光の散乱を防止
し、また輝尽励起光の指向性の低下を防止して、MTF
(画像の変調伝達関数)を良くするためには、柱状結晶
5の大きさは、縦幅aおよび横幅b(図7参照)がそれ
ぞれ1〜50μm程度がよく、特に1〜30μmが好ま
しい。なお、図6、図7に示す柱状結晶形状は模式的に
書かれたものであるので、これらの形に限定されるもの
ではなく、また、蛍光体層全体にわたって一定の形ある
いは一定の大きさである必要もない。
【0021】図8は、本発明の製造方法により製造され
た放射線画像変換パネルの具体的構成例を示し、7は保
護層、8はスペーサ、9は低屈折率層である。基板1の
材料としては、ガラス、セラミックス、各種高分子材
料、金属等が用いられる。具体的には、石英ガラス、化
学強化ガラス等のガラス、結晶化ガラス、アルミナある
いはジルコニアの焼結板等のセラミクス、あるいはセル
ロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポ
リエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィル
ム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポ
リカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、ア
ルミニウム、アルミニウム−マグネシウム合金、鉄、ス
テンレス、銅、クロム等の金属シート等が挙げられる。
基板 の厚さは、その材質等によって異なるが、一般的
には100μm〜5mmが好ましく、取扱いの便利性か
ら、特に200μm〜2mmが好ましい。これらの基板
の表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との付
着性を向上させる目的で粗面としてもよい。また基板の
大部分を滑面とし、周縁部のみを付着性を向上させる目
的で粗面としてもよい。この場合、粗面とした周縁部は
実質的に画像として用いない部分に止める方が、画質の
均一化の点で好ましい。
【0022】保護層7は、輝尽性蛍光体層4を物理的に
または化学的に保護するために設けられるものである。
この保護層7は、図8のように低屈折率層9を介して輝
尽性蛍光体層4に対向するように設けてもよいし、保護
層用の塗布液を輝尽性蛍光体層上に直接塗布して形成し
てもよい。またあらかじめ別途形成した保護層を輝尽性
蛍光体層上に接着してもよい。
【0023】保護層7を低屈折率層9を介して設ける場
合、当該保護層7の構成材料としては、透光性がよく、
シート状に成形できるものが使用される。保護層7は輝
尽励起光および輝尽発光を効率よく透過するために、広
い波長範囲で高い光透過率を示すことが望ましく、光透
過率は80%以上が好ましい。そのような材料として
は、石英、ホウケイ酸ガラス、化学的強化ガラス等の板
ガラスや、PET、延伸ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル等の有機高分子化合物が挙げられる。ホウケイ酸ガラ
スは330nm〜2.6μmの波長範囲で80%以上の
光透過率を示し、石英ガラスではさらに短波長において
も高い光透過率を示す。さらに、保護層7の表面に、M
gF2 等の反射防止層を設けると、輝尽励起光および輝
尽発光を効率よく透過すると共に、鮮鋭性の低下を小さ
くする効果もあり好ましい。保護層の厚さは、50〜5
000μmが好ましく、100〜3000μmがより好
ましい。
【0024】保護層7を輝尽性蛍光体層4上に直接設け
る場合、当該保護層7の構成材料としては、酢酸セルロ
ース、ニトロセルロース、ポリメチルメタクリレート、
ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカ
ーボネート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン、塩化ビニリデン、ナイロン等を用い
ることができる。また、この保護層6は、蒸着法、スパ
ッタリング法等により、SiC、SiO2 、SiN、A
2 3 等の無機物質を積層して形成してもよい。この
場合には、保護層7の層厚は、0.1〜100μmが好
ましく、1〜50μmがより好ましい。
【0025】低屈折率層9は、放射線画像の鮮鋭性をさ
らに向上させる観点から必要に応じて設けられるもので
ある。具体的には、CaF2 (屈折率1.23〜1.2
6)、Na3 AlF6 (屈折率1.35)、MgF
2 (屈折率1.38)、SiO2(屈折率1.46)等
からなる層;エタノール (屈折率1.36)、メタノ
ール (屈折率1.33)、ジエチルエーテル (屈折
率1.35)等の液体からなる層;空気、窒素、アルゴ
ン等の気体からなる層;真空層等のように屈折率が実質
的に1である層;等から選択される。特に、気体層また
は真空層が好ましい。この場合、低屈折率層9の厚さ
は、通常0.05〜3mmである。
【0026】低屈折率層9は、輝尽性蛍光体層4と密着
していることが好ましく、従って、低屈折率層9が液体
層、気体層、真空層の場合には、そのままでよいが、低
屈折率層9をCaF2 、Na3 AlF6 、MgF2 、S
iO2 等を用いて保護層7の内面に設けた場合には、輝
尽性蛍光体層4と低屈折率層9は例えば接着剤等により
密着させればよい。
【0027】保護層7を輝尽性蛍光体層4に対して距離
をおいて配設する場合には、基板1と保護層7との間
に、輝尽性蛍光体層4を取囲むスペーサ8が設けられ
る。スペーサ8としては、輝尽性蛍光体層4を外部雰囲
気から遮断した状態で保持することができるものであれ
ば特に制限されず、ガラス、セラミックス、金属、プラ
スチック等を用いることができ、厚さは輝尽性蛍光体層
の厚さ以上であることが好ましい。
【0028】本発明において「輝尽性蛍光体」とは、最
初の光または高エネルギー放射線が照射された後に、光
的、熱的、機械的、化学的または電気的等の刺激(輝尽
励起)により、最初の光または高エネルギー放射線の照
射量に対応した輝尽発光を示す蛍光体をいうが、実用的
な面からは、光的刺激(輝尽励起)により輝尽発光を示
す蛍光体が好ましく、波長が500nm以上1μm以下
の輝尽励起光によって輝尽発光を示す蛍光体が特に好ま
しい。
【0029】輝尽性蛍光体層 を構成する輝尽性蛍光体
としては、以下のものを用いることができる。 (1)特開昭48−80487号公報に記載のBaSO
4 :Ax (ただし、Aは、Dy,Tb,Tmの少なくと
も1種を表し、xは0.001≦x<1モル%を満たす
数を表す。)で表される蛍光体。 (2)特開昭48−80489号公報に記載のSrSO
4 :Ax (ただし、Aは、Dy,Tb, Tmの少なくと
も1種を表し、xは0.001≦x<1モル%を満たす
数を表す。)で表されている蛍光体。 (3)特開昭51−29889号公報に記載のNa2
4 ,CaSO4 , BaSO4 等にMn,Dy,Tbの
少なくとも1種を添加した蛍光体。 (4)特開昭52−30487号公報に記載のBeO,
LiF,MgSO4 , CaF2 等の蛍光体。 (5)特開昭53−39277号公報に記載のLi2
4 7 :Cu,Ag等の蛍光体。
【0030】(6)特開昭54−47883号公報に記
載のLi2 O・(B2 2 ) x :Cu(ただし、xは2
<x≦3を満たす数を表す。)、Li2 O・(B
2 2 ) x :Cu,Ag(ただし、xは2<x≦3を満
たす数を表す。)等の蛍光体。 (7)米国特許第3,859,527号明細書に記載の
SrS:Ce,Sm、SrS:Eu,Sm、La2 2
S:Eu,Sm、 (Zn,Cd) S:Mn,X(ただ
し、Xはハロゲンを表す。)で表される蛍光体。 (8)特開昭55−12142号公報に記載のZnS:
Cu,Pb蛍光体。 (9)同55−12142号公報に記載の一般式がBa
O・xAl2 3 :Eu(ただし、xは0.8≦x≦10
を満たす数を表す。) で表されるアルミン酸バリウム蛍
光体。 (10)同55−12142号公報に記載の一般式がM
I O・xSiO2 :A(ただし、MI は、Mg,Ca,
Sr,Zn,Cd, Baを表し、Aは、Ce,Tb,E
u,Tm,Pb,Tl,Bi,Mnの少なくとも1種を
表し、xは、0.5≦x<2.5を満たす数を表す。)
で表されるアルカリ土類金属ケイ酸塩系蛍光体。
【0031】(11)同55−12142号公報に記載
の一般式が(Ba1-x-y Mgx Cay)FX:eEu2+
(ただし、Xは、Br,Clの少なくとも1種を表し、
x,y,eは、それぞれ、0<x+y≦0.6、xy≠
0、10-6≦e≦5×10-2を満たす数を表す。) で表
される蛍光体。 (12)同55− 12142号公報に記載の一般式が
LnOX:xA(ただし、Lnは、La,Y,Gd,L
uの少なくとも1種を表し、Xは、Cl,Brの少なく
とも1種を表し、Aは、Ce,Tbの少なくとも1種を
表し、xは、0<x<0.1を満たす数を表す。) で表
される蛍光体。 (13)特開昭55−12145号公報に記載の一般式
が (Ba1-x (MI x ) FX:yA(ただし、MI
は、Mg,Ca,Sr,Zn,Cdの少なくとも1種を
表し、Xは、Cl,Br,Iの少なくとも1種を表し、
Aは、Eu,Tb,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,N
d,Yb,Erの少なくとも1種を表し、x,yは、0
≦x≦0.6、0≦y≦0.2を満たす数を表す。) で
表される蛍光体。 (14)特開昭55−84389号公報に記載の一般式
がBaFX:xCe,yA(ただし、Xは、Cl,B
r,Iの少なくとも1種を表し、Aは、In,Tl,G
d,Sm,Zrの少なくとも1種を表し、x,yは、0
<x≦2×10-1、0<y≦5×10-2を満たす数を表
す。) で表される蛍光体。 (15)特開昭55−160078号公報に記載の一般
式が MI FX・xA:yLn(ただし、MI は、M
g,Ca,Ba,Sr,Zn,Cdの少なくとも1種を
表し、Aは、BeO,MgO,CaO,SrO,Ba
O,ZnO,Al2 3 ,Y2 3 ,La2 3 ,In
2 3 ,SiO2 ,TiO2 ,ZrO2 , GeO2 ,S
nO2 ,Nb2 5 ,Ta2 5 ,ThO2 の少なくと
も1種を表し、Lnは、Eu,Tb,Ce,Tm,D
y,Pr,Ho,Nd,Yb,Er,Sm,Gdの少な
くとも1種を表し、Xは、Cl,Br,Iの少なくとも
1種を表し、x,yは、5×10-5≦x≦0.5、0<
y≦0.2を満たす数を表す。) で表される希土類元素
付活2価金属フルオロハライド蛍光体。
【0032】(16)同55−160078号公報に記
載の一般式がZnS:A、(Zn,Cd)S:A、Cd
S:A、ZnS:A,X、CdS:A,X(ただし、A
は、Cu,Ag,Au,Mnのいずれかを表し、Xは、
ハロゲンを表す。)で表される蛍光体。 (17)特開昭59− 38278号公報に記載の 一般式〔I〕 xM3 (PO4 ) 2 ・NX2 :yA 一般式〔II〕 M3 (PO4 ) 2 ・yA (式中、M,Nは、それぞれ、Mg,Ca,Sr,B
a,Zn,Cdの少なくとも1種を表し、Xは、F,C
l,Br,Iの少なくとも1種を表し、Aは、Eu,T
b,Ce,Tm,Dy,Pr,Ho,Nd,Yb,E
r,Sb,Tl,Mn,Snの少なくとも1種を表し、
x,yは、0<x≦6、0≦y≦1を満たす数を表
す。)で表される蛍光体。 (18)特開昭59−155487号公報に記載の 一般式〔III〕 nReX3 ・mAX' 2 :xEu 一般式〔IV〕 nReX3 ・mAX' 2 :xEu,
ySm (式中、Reは、La,Gd,Y,Luの少なくとも1
種を表し、Aは、Ba,Sr,Caの少なくとも1種の
アルカリ土類金属を表し、X,X’は、F,Cl,Br
の少なくとも1種を表し、x,yは、1×10-4<x<
3×10-1、1×10-4<y<1×10-1を満たす数を
表し、n/mは、1×10-3<n/m<7×10-1を満
たす数を表す。) で表される蛍光体。 (19)特開平2−58593号公報に記載の一般式 aBaX2 ・(1−a)BaY2 :bEu2+ (式中、X,Yは、それぞれ、F,Cl,Br,Iの少
なくとも1種を表し、X≠Yであり、a,bは、0<a
<1、10-5<b<10-1を満たす数を表す。)で表さ
れる蛍光体。 (20)特開昭61−72087号公報に記載の一般式 MI X・aMIIX' 2 ・bMIII X''3 :cA (ただし、MI は、Li,Na,K,Rb,Csの少な
くとも1種のアルカリ金属を表し、MIIは、Be,M
g,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd,Cu,Niの少な
くとも1種の2価の金属を表し、MIII は、Sc,Y,
La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,T
b,Dy,Ho,Er,Tm,Yb,Lu,Al,G
a,Inの少なくとも1種の3価の金属を表し、X,
X' , X''は、F,Cl,Br,Iの少なくとも1種の
ハロゲンを表し、Aは、Eu,Tb,Ce,Tm,D
y,Pr,Ho,Nd,Yb,Er,Gd,Lu,S
m,Y,Tl,Na,Ag,Cu,Mgの少なくとも1
種の金属を表し、a,b,cは、0≦a<0.5、0≦
b<0.5、0<c≦0.2を満たす数を表す。) で表
されるアルカリハライド蛍光体。
【0033】本発明においては、アルカリハライド蛍光
体が蒸着法に好適であることから特に好ましく用いるこ
とができる。ただし、本発明においては、以上の蛍光体
に限定されず、放射線を照射した後、輝尽励起光を照射
した場合に輝尽発光を示す蛍光体であって、気相堆積で
きるものであれば、その他の蛍光体をも用いることがで
きる。
【0034】図9は本発明の方法により製造された放射
線画像変換パネルを用いて構成された放射線画像変換装
置の一例の概略を示し、10は放射線発生装置、11は被写
体、12は放射線画像変換パネル、13は輝尽励起光源、14
は放射線画像変換パネル12より放射された輝尽発光を検
出する光電変換装置、15は光電変換装置14で検出された
信号を画像として再生する再生装置、16は再生装置15に
より再生された画像を表示する表示装置、17は輝尽励起
光と輝尽発光とを分離し、輝尽発光のみを透過させるフ
ィルターである。この放射線画像変換装置においては、
放射線発生装置10からの放射線は被写体11を通して放射
線画像変換パネル12に入射する。この入射した放射線は
放射線画像変換パネル12の輝尽性蛍光体層に吸収され、
そのエネルギーが蓄積され、放射線透過像の蓄積像が形
成される。次に、この蓄積像を輝尽励起光源13からの輝
尽励起光で励起して輝尽発光として放射させる。放射さ
れる輝尽発光の強弱は、蓄積された放射線エネルギー量
に比例するので、この光信号を例えば光電子増倍管等の
光電変換装置14で光電変換し、再生装置15によって画像
として再生し、表示装置16によって表示することによ
り、被写体11の放射線透過像を観察することができる。
【0035】以下、さらに具体的な実施例について説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 〔実施例1〕図1に示すように、厚さが0.5mm、大
きさが100mm×100mmで、表面が平滑なアルミ
ニウム板からなり、1×10-5Torr以下の雰囲気圧
力下で250℃の温度に加熱された基板1を水平な姿勢
で固定配置し、この基板1の被蒸着面1Aの下方側にお
いて輝尽性蛍光体材料(RbBr:1×10-4Tl)か
らなる蒸発源2を、基板1の被蒸着面1Aの法線方向を
軸として公転できるように配置した。蒸発源2を被蒸着
面1Aの法線方向を軸として水平面内で公転させなが
ら、電子ビームにより蒸発源2を蒸発させて蒸気流を形
成し、基板1の被蒸着面1Aに輝尽性蛍光体層を形成し
た。ただし、蒸気流の流線方向Aと、基板の被蒸着面中
央部分での法線方向との交角(鋭角)θは45°に設定
した。得られた輝尽性蛍光体層を電子顕微鏡により観察
したところ、縦幅aの平均が7μm、横幅bの平均が1
1μm、膜厚が250μmの微細な柱状結晶から構成さ
れていることが確認できた。この輝尽性蛍光体層上に、
乾燥した窒素ガスからなる低屈折率層を介してガラス板
からなる保護層を設けて、放射線画像変換パネル1を製
造した。
【0036】〔実施例2〕図2に示すように、実施例1
と同様の輝尽性蛍光体材料からなる蒸発源2を固定配置
し、この蒸発源2の上方側位置において、実施例1と同
様の基板1を水平面内においてその中央における法線方
向Bを中心にして自転できるように配置した。基板1を
当該法線方向Bを軸として水平面内で自転させながら、
電子ビームにより蒸発源2を蒸発させて蒸気流を形成
し、基板1の被蒸着面1Aに輝尽性蛍光体層を形成し
た。ただし、交角θは45°に設定した。得られた輝尽
性蛍光体層を電子顕微鏡により観察したところ、縦幅a
の平均が7μm、横幅bの平均が11μm、膜厚が25
0μmの微細な柱状結晶から構成されていることが確認
できた。以下実施例1と同様にして放射線画像変換パネ
ル2を製造した。
【0037】〔実施例3〕図3に示すように、実施例1
と同様の輝尽性蛍光体材料からなる蒸発源2を固定配置
し、この蒸発源2の上方側位置において、実施例1と同
様の基板1を傾斜面内においてその中央における法線方
向Bを中心にして自転できるように配置した。基板1を
当該法線方向Bを軸として傾斜面内で自転させながら、
電子ビームにより蒸発源2を蒸発させて蒸気流を形成
し、基板1の被蒸着面1Aに輝尽性蛍光体層を形成し
た。ただし、交角θは40°に設定した。得られた輝尽
性蛍光体層を電子顕微鏡により観察したところ、縦幅a
の平均が8μm、横幅bの平均が11μm、膜厚が25
0μmの微細な柱状結晶から構成されていることが確認
できた。以下実施例1と同様にして放射線画像変換パネ
ル3を製造した。
【0038】〔実施例4〕図4に示すように、実施例1
と同様の輝尽性蛍光体材料からなる円環状の蒸発源2を
水平な姿勢で固定配置すると共に、円環状の蒸発源2の
中央部に電子ビーム発生装置3を配置し、この蒸発源2
の上方側位置において、実施例1と同様の基板1を水平
な姿勢で固定配置した。電子ビーム発生装置3よりの電
子ビーム3Aの照射位置を、円環状の蒸発源2の周に沿
って順次に移動させて蒸発源2を蒸発させて蒸気流を形
成し、基板1の被蒸着面1Aに輝尽性蛍光体層を形成し
た。ただし、交角θは40°に設定した。得られた輝尽
性蛍光体層を電子顕微鏡により観察したところ、縦幅a
の平均が8μm、横幅bの平均が11μm、膜厚が25
0μmの微細な柱状結晶から構成されていることが確認
できた。以下実施例1と同様にして放射線画像変換パネ
ル4を製造した。
【0039】〔比較例1〕図10に示すように、実施例
1と同様の輝尽性蛍光体材料からなる蒸発源2を固定配
置し、この蒸発源2の上方側位置において、実施例1と
同様の基板1を交角θが40°となる傾斜面内において
自転できないように固定配置した。電子ビームにより蒸
発源2を蒸発させて蒸気流を形成し、基板1の被蒸着面
1Aに輝尽性蛍光体層を形成した。得られた輝尽性蛍光
体層を電子顕微鏡により観察したところ、縦幅aの平均
が6μm、横幅bの平均が26μm、膜厚が250μm
の幅広い板状結晶から構成されていることが確認でき
た。以下実施例1と同様にして放射線画像変換パネルa
を製造した。
【0040】〔比較例2〕図11に示すように、実施例
1と同様の輝尽性蛍光体材料からなる蒸発源2を固定配
置し、この蒸発源2の上方側位置において、実施例1と
同様の基板1を水平面内においてその中央における法線
方向Bを中心にして自転できるように配置した。ただ
し、蒸発源2は基板1の被蒸着面1Aの中央における法
線方向の直下に配置した。基板1を当該法線方向Bを軸
として水平面内で自転させながら、電子ビームにより蒸
発源2を蒸発させて蒸気流を形成し、基板1の被蒸着面
1Aに輝尽性蛍光体層を形成した。得られた輝尽性蛍光
体層を電子顕微鏡により観察したところ、柱状結晶にな
っていないことが確認できた。以下実施例1と同様にし
て放射線画像変換パネルbを製造した。
【0041】評価 以上のようにして製造した放射線画像変換パネル1〜4
と比較用の放射線画像変換パネルa,bをそれぞれ用い
て、図9に示す構成の放射線画像変換装置を用いて、実
際に放射線画像を形成する試験を行い、下記のようにし
て放射線画像の鮮鋭性を調べた。
【0042】鮮鋭性 放射線画像変換パネルにCTFチャートを貼付けた後、
管電圧80kVP-P のX線を10mR(管球からパネル
までの距離:1.5m)照射した後、半導体レーザ光
(発振波長:780nm、ビーム径:100μm)で走
査して輝尽励起し、CTFチャート像を輝尽性蛍光体層
から放射される輝尽発光として読取り、光検出器 (光電
子増倍管) で光電変換して画像信号を得た。この信号値
により、画像の変調伝達関数 (MTF)を調べ、放射線
画像の鮮鋭性を相対値で評価した。なお、MTFは、空
間周波数が3サイクル/mmの時の値である。以上の結
果を後記表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】表1から明らかなように、本発明の製造方
法によれば、放射線画像の鮮鋭性が優れ、しかも鮮鋭性
が読取り方向によってあまり変化せず、画質の均一性の
点でも良好な放射線画像変換パネルが得られる。
【0045】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、幅の狭い精度の高い柱状結晶からなる輝尽性蛍光
体層を形成することができ、放射線画像の鮮鋭性が優
れ、しかも読取り方向による鮮鋭性の変化が小さいため
画質の均一性の点でも良好な放射線画像変換パネルを製
造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】輝尽性蛍光体層の製造例を示す図である。
【図2】輝尽性蛍光体層の他の製造例を示す図である。
【図3】輝尽性蛍光体層の他の製造例を示す図である。
【図4】輝尽性蛍光体層の他の製造例を示す図である。
【図5】蒸気流ベクトルの総和ベクトルと被蒸着面の法
線方向との交角φの説明図である。
【図6】柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層を模式的に示
した断面図である。
【図7】柱状結晶からなる輝尽性蛍光体層を模式的に示
した斜視図である。
【図8】放射線画像変換パネルの具体的構成例を示した
断面図である。
【図9】放射線画像変換装置の一例の概略を示した説明
図である。
【図10】比較例1の説明図である。
【図11】比較例2の説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 蒸発源 3 電子ビーム発生装置 4 輝尽性蛍
光体層 5 柱状結晶 6 クラック 7 保護層 8 スペーサ 9 低屈折率層 10 放射線発
生装置 11 被写体 12 放射線画
像変換パネル 13 輝尽励起光源 14 光電変換
装置 15 再生装置 16 表示装置 17 フィルター

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸気流を用いて基板の被蒸着面に輝尽性
    蛍光体を気相堆積させて少なくとも一層の輝尽性蛍光体
    層を形成する工程を含む放射線画像変換パネルの製造方
    法において、 前記蒸気流の流線方向を、前記基板の被蒸着面の法線方
    向の回りに相対的に回転させながら、基板の被蒸着面に
    輝尽性蛍光体を気相堆積させることを特徴とする放射線
    画像変換パネルの製造方法。
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