JPH0524161Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、シート状物質の厚さをオンラインで
連続的に測定するシート状物質の厚さ測定装置に
関する。

（従来の技術） 上述のようなシート状物質の厚さ測定装置とし
て、次のような接触型厚さ計が従来から広く知ら
れている。この接触型厚さ計は、被測定体たるシ
ート状物質をセンサコイルと導体ターゲツトで挟
み、該コイルに高周波電流を供給して磁束を生じ
させ、該磁束が、上記導体ターゲツトに発生する
渦電流によつて減少するものを、上記センサコイ
ルのインピーダンスが上記導体ターゲツトとセン
サコイルの距離に比例して変化するインピーダン
ス変化として捕え、該変化量をブリツジ回路等で
検出するようになつている。即ち、上記センサコ
イルのインピーダンス変化を検出することによ
り、センサコイルと導体ターゲツトに挟まれてい
るシート状物質の厚さが測定されるようになつて
いる。

然し乍ら、上述のような従来の接触型厚さ計に
おいては、被測定体たるシート状物質が高速で走
行するため、該被測定体に上記導体ターゲツトを
一定の力で押圧しながら厚さ測定を行なうような
構成になつていた。このため、上記被測定体に突
起があつたり異物が含まれていたりすると、これ
らの突起や異物が上記導体ターゲツトとセンサコ
イルの間にはさまり、しばしばシート状物質を破
断する事故を生じさせていた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、かかる従来例の欠点に鑑みてなされ
たものであり、その目的は、被測定体の突起や含
有異物によつて被測定体が破断されないようなシ
ート状物質の厚さ測定装置を提供することにあ
る。

（問題点を解決するための手段） 上述のような問題点を解決する本考案の特徴
は、シート状物質の厚さ測定装置であつて、前記
被測定体の上流側に向うにつれて前記被測定体と
の隙間が増大するような傾斜が施されたテーパ部
を有する装置において、前記被測定体と接触する
ように形成された長尺状の第１および第２接触部
と、これら接触部に挟まれるように凹設された有
感部とで、導体ターゲツトを構成したことにあ
る。

（実施例） 以下、本考案について図を用いて詳細に説明す
る。第１図は本考案実施例の要部たる金属製導体
ターゲツトの構成斜視図であり、図中、１ａ，１
ｂは被測定体たるシート状物質と接触する長尺状
の接触部、２は被測定体たるシート状物質を滑ら
かに接触部１ａ，１ｂへ導くようなテーパ状（傾
斜状）に形成されたテーパ部、３は接触部１ａ，
１ｂに比し窪むような形状になるよう中央部分に
凹設された非磁性金属材料でなる有感部である。
また、第２図は第１図の導体ターゲツトを装着し
た本考案実施例の構成断面図であり、図中、４は
矢印方向に走行するシート状物体でなる被測定
体、５，６は被測定体４に関し対称的な位置に向
い合うように配設された検出ヘツド、７はベー
ス、８はダイアフラム、９はダイアフラム８の中
心開口部分に取付けられたセンサコイル、１０は
第１図を用いて詳述した導体ターゲツト、１１は
導体ターゲツト１０を検出ヘツド５に連結させる
リンク機構である。

第１図および第２図のような構成からなる本考
案の実施例において、被測定体４は第２図の矢印
方向に走向している。また、センサコイル９には
図示しない高周波電源から高周波電流が供給さ
れ、該高周波電流によつて磁束が生じている。こ
の磁束は導体ターゲツト１０（厳密には、第１図
の有感部３、以下同じ意味で用いる）に発生する
渦電流によつて減少し、センサコイル９と導体タ
ーゲツト１０の距離に対応してセンサコイル９の
インピーダンスが変化するようになる。このイン
ピーダンス変化は、図示しないブリツジ回路等で
検出され、該検出信号から上記被測定体の厚さが
測定される。一方、被測定体４は第２図の矢印方
向に走向しながら、センサコイル９と導体ターゲ
ツト１０の間〓に入り込むようになつている。ま
た、導体ターゲツト１０のうち、第１図のテーパ
部２から滑らかに入り、その後、接触部１ａ，１
ｂ若しくは有感部３を経ながら、被測定体４が走
行する。このため、被測定体４に突起があつたり
異物が含まれていても、これら突起等によつて有
感部３が直撃されることはない。即ち、これらの
突起等はテーパ部２や接触部１ａ，１ｂに当接し
て摩滅したりテーパ部２と接触部１ａ，１ｂにの
み当たり有感部３に当接することなく、導体ター
ゲツト１０を通過することが多い。

尚、本考案は上述の実施例に限定されることな
く種々の変形が可能であり、例えば第１図の導体
ターゲツトを次のようにしてもよいものとする。
即ち、第１図の金属製導体ターゲツトのうち、有
感部３の表面と裏側（有感部３の裏面と接触部１
ａ，１ｂの表面に相当部分）の表面にのみ金属製
薄膜を付着し、残りの部分を全て非金属材料（例
えば、セラミツク）で構成してもよいものとす
る。

（考案の効果） 以上詳しく説明したような本考案によれば、被
測定体の突起や含有異物がテーパ部２で摩滅した
り、接触部１ａ，１ｂによつて有感部へ直接接触
するのを回避しながら導体ターゲツト１０を通過
したりするような構成であるため、前記従来例の
如く被測定体が破断する可能性が非常に小さくな
る利点がある。また、第１および第２の接触部１
ａ，１ｂといういわば２点で被測定体４を押圧す
るような構成であるため、導体ターゲツト１０の
安定性が保てる利点がある。更に、有感部３は被
測定体４と接触しないため、該被測定体に対する
導体ターゲツト１０の接触面積が少なく、単位面
積当りの押圧力を向上させて究極的に前記検出信
号の安定化を図れる利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案実施例の要部構成斜視図、第２
図は本考案実施例の構成断面図である。 １ａ，１ｂ……有感部、２……テーパ部、３…
…凹部、４……被測定体、５，６……検出ヘツ
ド、９……センサコイル、１０……導体ターゲツ
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行するシート状物質でなる被測定体を挟んで
   一対の検出ヘツドを対向配置し、下側の検出ヘツ
   ドに装着されたセンサコイルに高周波電流を供給
   して磁束を生じさせ、上側の前記検出ヘツドに装
   着された導体ターゲツトに発生する渦電流によつ
   て前記磁束が減少するのを、前記センサコイルの
   インピーダンス変化として検出し、該検出信号に
   基いて前記被測定体の厚さを測定するシート状物
   質の厚さ測定装置であつて、前記被測定体の上流
   側に向うにつれて前記被測定体との隙間が増大す
   るような傾斜が施されたテーパ部を有する装置に
   おいて、前記被測定体と接触するように形成され
   た長尺状の第１および第２接触部とこれら接触部
   に挟まれる中央部分に凹設された有感部とから、
   前記導体ターゲツトが構成されていることを特徴
   とするシート状物質の厚さ測定装置。