JPH05240330A - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JPH05240330A
JPH05240330A JP3800592A JP3800592A JPH05240330A JP H05240330 A JPH05240330 A JP H05240330A JP 3800592 A JP3800592 A JP 3800592A JP 3800592 A JP3800592 A JP 3800592A JP H05240330 A JPH05240330 A JP H05240330A
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JP
Japan
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pressure
control
hydraulic pressure
low
shift
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JP3800592A
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English (en)
Inventor
Yusuke Minagawa
裕介 皆川
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 制御対象摩擦要素の流体圧制御の際に、当該
流体圧の低圧時には高圧時よりも大きく設定した調圧ゲ
インを用いて油圧補正を行うことにより、低圧時におけ
る増圧側の制御応答性を向上させる。 【構成】 入出力軸1,2間に遊星歯車組3、4を有す
る自動変速機において、変速制御用コンピュータ(ATC
U)8に、センサ5〜7、9、10からエンジン回転Ne
、入力軸回転Nt 、出力軸回転No 、エンジンのスロ
ットル開度TVO 、変速機油温Tatを入力する。ATCU8
は、所定の制御プログラムを実行して、低油圧低デュー
ティレンジにおいて増圧側の制御応答性が良好になるよ
うに、制御対象摩擦要素の締結油圧を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の変速制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動変速機は各種摩擦要素の選択的締結
により対応変速段を選択し、摩擦要素の締結・解放切換
えにより他の変速段への変速を行う。このような変速を
司どる変速制御装置の従来例においては、一般に、制御
対象摩擦要素を締結する流体圧として、デューティ制御
により圧力を調整される流体圧(例えばライン圧)を用
いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例において
は、複数の摩擦要素の締結・解放切換えを伴う掛け変え
変速時に実施する上記流体圧制御において、低圧での当
該摩擦要素(クラッチ)制御系の剛性を考慮せずに流体
圧の大きさに拘らず増圧側の調圧ゲインおよび減圧側の
調圧ゲインを同一に設定していたため、流体圧が低圧の
場合、増圧側の圧力応答が減圧側に比べ低下することに
なり、剛性低下に伴い制御応答性が良好にならなくな
る。
【0004】本発明は、制御対象摩擦要素を締結する流
体圧を制御する際に、当該流体圧が低圧のときには高圧
のときよりも調圧ゲインが大きくなるようにすることに
より、上述した問題を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的のため、本発明
の自動変速機の変速制御装置は、デューティ制御により
圧力を調整される流体圧によって締結する摩擦要素を具
える、自動変速機において、前記流体圧が低圧のとき、
前記デューティ制御の調圧ゲインを増圧側の調圧ゲイン
が減圧側の調圧ゲインよりも大とすべく設定する、調圧
ゲイン設定手段を設けて成ることを特徴とするものであ
る。
【0006】
【作用】本発明によれば、自動変速機がデューティ制御
により圧力を調整される流体圧によって制御対象の摩擦
要素を締結することにより変速を行う際に、調圧ゲイン
設定手段は、前記デューティ制御の調圧ゲインを、前記
流体圧が低圧のとき増圧側の調圧ゲインが減圧側の調圧
ゲインよりも大とすべく設定する。この結果、変速時の
流体圧制御において、流体圧の低圧時に増圧側の圧力応
答が減圧側と同等になって、低圧における当該摩擦要素
制御系の剛性が向上し、制御応答性が良好になる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1は本発明装置によって変速制御すべき自
動変速機のギヤトレーンの一実施例の構成を示す図であ
り、図中1は入力軸、2は出力軸を示す。この自動変速
機のギヤトレーンは日産自動車(株)発行の「RE4R01A
型オートマチックトランスミッション整備要領書」(A26
1C07) に記載のものと同様に構成されており、入出力軸
1,2間に同軸に第1遊星歯車組3および第2遊星歯車
組4を介装し、第1遊星歯車組3は第1サンギヤ3S、第
1リングギヤ3R、第1ピニオン3Pおよび第1キャリア3C
よりなる単純遊星歯車組とし、第2遊星歯車組4も第2
サンギヤ4S、第2リングギヤ4R、第2ピニオン4Pおよび
第2キャリア4Cよりなる単純遊星歯車組とする。
【0008】入力軸1はトルクコンバータT/C を経て図
示せざるエンジンからの回転を入力され、この入力軸を
第2サンギヤ4Sに結着する。入力軸1はさらにハイクラ
ッチH/C により第1キャリヤ3Cに結合可能にするととも
に、リバースクラッチR/C により第1サンギヤ3Sに結合
可能とする。第1サンギヤ3SはさらにバンドブレーキB/
B により固定可能とし、第1キャリヤ3Cはさらにローリ
バースブレーキLR/Bにより固定可能にするとともにロー
ワンウェイクラッチLO/Cにより入力軸1と逆の方向の回
転を阻止する他、オーバーランクラッチOR/Cにより第2
リングギヤ4Rに結合可能とする。第2リングギア4Rはさ
らにフォワードワンウェイクラッチFO/Cおよびフォワー
ドクラッチF/C を介して第1キャリヤ3Cに相関させる。
フォワードワンウェイクラッチFO/Cはフォワードクラッ
チF/C の結合状態で第2リングギヤ4Rを逆転方向(エン
ジン回転と逆の方向)において第1キャリヤ3Cに結合さ
せるものとする。さらに、第1リングギヤ3Rおよび第2
キャリヤ4Cを相互に駆動結合し、これらを出力軸2に結
合する。
【0009】かかるギヤトレーンにおいて、摩擦要素B/
B,H/C,F/C,FO/C,OR/C,LO/C,LR/B およびR/C の締結(○
印で示す)、解放(無印)と、選択変速段との関係を示
すと、図1に示す如くになる。なお、図中△印はエンジ
ンブレーキが必要なとき作動させるべき摩擦要素を示
し、△印の如くオーバーランクラッチOR/Cが作動する間
それに並置したフォワードワンウェイクラッチFO/Cは非
作動になり、ローリバースブレーキLR/Bが作動する間そ
れに並置したローワンウェイクラッチLO/Cが非作動にな
るものとする。
【0010】上記自動変速機の変速制御のため、エンジ
ン回転Ne を検出するエンジン回転センサ5、変速機の
入力軸回転(タービン回転)Nt を検出するタービン回
転センサ6、出力軸回転(変速機出力回転)No を検出
する出力軸回転センサ7、エンジンのスロットル開度TV
O を検出するスロットル開度センサ9、および変速機油
温Tatを検出する変速機油温センサ10を設けるととも
に、変速制御用コンピュータ(以下ATCUと称す)8を設
ける。ATCU8は、前記各センサからの入力信号に基づ
き、オートアップ時(Dレンジ選択中のアップシフト
時)、図2〜図8の制御プログラムを実行することによ
り変速制御を行う。
【0011】図2は当該変速制御に当り計測しておくべ
き信号の計測処理を示し、一定時間Δt(例えば10msec
)毎の定時割込みにより実行する。まずステップ21では
図1に夫々示すエンジン回転Ne 、変速機入力軸回転
(タービン回転)Nt 、変速機出力軸回転No を計測す
るとともに、エンジンのスロットル開度TVO および変速
機油温Tatを計測する。なお、変速機油温Tatの代わり
に、エンジン水温を用いてもよい。次のステップ22, 23
では夫々変速機のギヤ比gr =Nt /No 、およびトル
クコンバータ回転比e=Nt /Ne を演算し、ステップ
24では入力軸トルク(タービントルク)Tt を演算す
る。このTt の演算は、トルクコンバータ容量特性から
求めた回転比eに対応したトルク比t(e)およびトル
ク容量係数τ(e)と、Ne 2 とを乗算する式 Tt =
t(e)×τ(e)×Ne 2 ‐(1) により行う。なお、
上記の式を用いる代わりに、エンジン吸入空気量Qa と
エンジン回転Ne との積からエンジントルクを推定し、
これにトルクコンバータ回転比eを乗ずることにより演
算してもよい。
【0012】次のステップ25では入力軸回転速度変化率
Ntdを演算する。このNtdの演算は、入力軸回転の今回
読込値Nt と前回値Nt (OLD) とから、入力軸回転速度
変化率Ntdを次式 Ntd={Nt −Nt (OLD) }×100
×2π/60 ‐(2) により求める。ここで、Ntdを用い
る代わりに、エンジン回転速度変化率Ned等の入力軸回
転速度変化率相当値を用いてもよい。また、今回読込値
Nt を次回処理においてNt (OLD) として用いるため記
憶し、同様に今回読込値Ntdを次回処理においてNtd(O
LD) として用いるため記憶し、さらに、今回読込値Ntd
(OLD) を次回処理においてNtd(OLD2)として用いるため
記憶する。
【0013】図3は後述の如く演算した制御対象の摩擦
要素の締結油圧Pclをステップ31で制御信号に変換して
出力する制御信号出力プログラムを示し、一定時間Δt
毎の定時割込みにより実行する。
【0014】図4は上記締結油圧Pclを決定する変速制
御プログラムで、これも一定時間Δt毎の定時割込みに
より実行する。ステップ41では、スロットル開度TVO お
よび変速機出力回転No (車速)から予めメモリしてお
いた変速パターンを基に好適変速段を求め、この好適変
速段と現在の選択変速段とを比較して変速を行うべきか
否か、または変速を行うべきならいかなる変速かを判断
する。次のステップ42では、変速の種類に応じて、締結
すべき摩擦要素(1→2変速の場合、バンドブレーキB/
B)の油圧を上昇させることにより当該変速(1→2変
速)を進行させるが、この際締結油圧指令値Pclを図5
〜図8の制御プログラムにより逐次図9の如くに制御す
る。
【0015】すなわちまず、図5の制御プログラムのス
テップ51で1回目と判断したとき、つまり図9の変速指
令瞬時t1にステップ52を実行して、プリ棚圧タイマの設
定時間TM1およびプリ棚圧Pprを読み込むとともに、
カウンタC1をリセットする。ここで、プリ棚圧Ppr
は、当該摩擦要素のロスストロークを詰めておくための
ものであることからリターンスプリング力相当の圧力と
する。したがってこのプリ棚圧Pprで当該摩擦要素が締
結されることはない。図5中2回目以後(図9中瞬時t1
以後) の制御においてはステップ51はステップ53を選択
し、ステップ53でカウンタC1をインクリメント(C1
=C1+1)した後に、ステップ54でC1≧TM1か否
かの判定を行い、この判定がNOの間ステップ55で当該
摩擦要素の締結油圧Pclとしてプリ棚圧Pprを供給す
る。このプリ棚圧Pprの供給は、図9に示すように、タ
イマ設定時間TM1が経過するまで継続される。
【0016】図5のステップ54のYESの後に実行され
る、図6の制御プログラムのステップ61で1回目と判断
したとき、つまり図9の瞬時t2に、ステップ62を実行し
て、各必要変数(変速時間タイマの設定時間TM2、補
正ランプタイマの設定時間TM3、入力軸回転変化時間
タイマの設定時間TM4、変速前ギヤ比grbf 、変速終
了ギヤ比grmin)および各係数Kcl、I1〜I6を読み込む
とともに、カウンタC2をリセットし、さらに読み込ん
だ各必要変数を用いて変速前出力軸トルクTobを次式
Tob=grbf ×Tt +Ntd×It+Nod×Io ‐(3) によ
って演算する。なお、上式中、Nodは図2のステップ25
と同様にして求めた出力軸回転速度変化率であり、It、
Ioは入力軸、出力軸に関しイナーシャおよび変速段に応
じて決定される係数であり、Kclは当該摩擦要素のクラ
ッチ係数であり、I1〜I6はイナーシャおよび変速段に応
じて決定される係数である。
【0017】次のステップ63では、目標入力軸回転速度
変化率Ntdt を次式 Ntdt =Tob×I1+Tt ×I2+N
od×I3 ‐(4) により演算し、ステップ64で入力軸回転
速度変化率のステップ量Ntstep を次式 Ntstep =N
tdt /TM2 ‐(5) により演算する。さらに、ステッ
プ65で当該摩擦要素の締結力Tclを次式 Tcl=Tt×I
4+Ntdt ×I5+Ntd×I6 ‐(6) により演算し、ステ
ップ66で当該摩擦要素の締結油圧オープン値Pclopを次
式 Pclop=Tcl/Kcl ‐(7) により演算する。次の
ステップ67では、油圧ランプ量Pstepを次式 Pstep=
Pclop/TM3‐(8) により演算し、ステップ68でこの
Pstepを前記Pclopに加えて1回目の締結油圧演算値P
cla とする。
【0018】図6中2回目以後(図9中瞬時t2以後) の
制御においてはステップ61はステップ69を選択し、ステ
ップ69でカウンタC2をインクリメント(C2=C2+
1)する(なお、カウンタC2は、ランプ制御開始瞬時
t2に計数を開始するカウンタである)。その後ステップ
70でカウンタ計数値C2が変速時間タイマの設定時間T
M2と入力軸回転変化時間タイマの設定時間TM4との
合計値以上になったか否かの判定を行い、この判定がN
Oならば制御をステップ71に進めてそこでギヤ比gr が
変速終了ギヤ比grminを下回ったか否かの判定を行う。
なお、ステップ70、71の判定がYESになる変速終了時
(図9の瞬時t5)には、ステップ74で締結油圧指令値P
clを最大値Pclmax にして当該変速制御を終了する。一
方、ステップ73の判定がNOになる変速中(イナーシャ
フェーズ中)は、ステップ73でステップ65と同一の(6)
式により当該摩擦要素の締結力Tclを演算し、ステップ
74でステップ66、67と同一の(7),(8) 式により締結油圧
オープン値Pclopおよび油圧ランプ量Pstepを演算す
る。
【0019】次のステップ75では、カウンタ計数値C2
が補正ランプタイマの設定時間TM3未満か否かの判定
を行い、この判定がYESになるランプ制御中(図9の
瞬時t2〜t3)は制御をステップ76に進め、NOになる場
合(図9の瞬時t3以降)は制御をステップ77に進める。
ステップ76ではステップ68と同一の演算により締結油圧
演算値Pcla を前記PclopにPstepを加えることにより
求め、その後制御をステップ78(油圧補正制御)に進め
る。ステップ77では、カウンタ計数値C2が入力軸回転
変化時間タイマの設定時間TM4未満か否かの判定を行
い、この判定がYESになる図9の瞬時t3〜t4間はステ
ップ79で締結油圧演算値Pcla をそのまま締結油圧指令
値Pclとして使用し、この判定がNOになる瞬時t4以降
は制御をステップ80(フィードバック制御)に進める。
なお、ステップ80の実行後には、制御をステップ78に進
めるものとする。
【0020】図6のステップ77の後に実行される、前記
ステップ80に対応する図7のフィードバック制御の制御
プログラムにおいて、まずステップ91で、Ntdt からス
テップ量Ntstep を減算したものを目標入力軸回転速度
変化率Ntdt とする。このときNtdt およびNtstep は
図9に示すように実際には負の値となることから、Ntd
t 自体としてはステップ量Ntstep ずつ増加する(0に
近付く)。次のステップ92で1回目か否かをチェック
し、1回目ならばステップ93でフィードバックゲインK
p、Ki、Kdを読み込み、2回目以降はステップ93をスキ
ップして制御を直ちにステップ94以降に進める。ステッ
プ94では、入力軸回転速度変化率の今回読込値Ntdから
前回値Ntd(OLD) を減算してNtderr とし、Ntdから目
標入力軸回転速度変化率Ntdt を減算してNtdint と
し、さらにNtdにNtd(OLD2)を加算するとともに2×N
td(OLD) を減算してNtddif とする。次いでステップ95
でPclに対する比例分Pp をPp =Kp×Ntderr により
求め、積分分Pi をPi =Ki×Ntdint により求め、さ
らに微分分Pd をPd =Kd×Ntddif により求める。そ
の後ステップ96で、Pp 、Pi 、Pd を加算してフィー
ドバック油圧Pfbとし、ステップ97で、締結油圧演算値
Pcla を前記PclopにこのPfbを加えることにより求め
る。
【0021】上記ステップ97および前記ステップ76の後
に実行され前記ステップ78に対応する図8の油圧補正制
御の制御プログラムにおいて、まずステップ101 で1回
目か否かをチェックし、1回目ならば制御をステップ10
2 に進め、2回目以降は制御をステップ104 に進める。
ステップ102 では、増圧側ゲインKupおよび減圧側ゲイ
ンKdnの読み込みを、車両の各種運転条件に関するパラ
メータ(この例では変速機油温Tat、締結摩擦要素cl、
締結油圧演算値Pcla を用いている)によって増圧側ゲ
インKupおよび減圧側ゲインKdnを表わしたゲインマッ
プ;Gup(Tat、cl、Pcla )、Gdn(Tat、cl、Pcl
a )を各パラメータに基づきルックアップすることによ
り行い、さらに、今回値Pcla を次回処理においてPcl
a(old)として用いるために記憶しておく。
【0022】上記ゲインマップは、図10に例示したよう
に、Kup、Kdnを夫々、Tatの低温域、中温域、高温域
毎にPcla の関数として表わした3次元マップであり、
高温域の場合を例に取って説明すると、流体圧(制御対
象である締結油圧)の演算値Pcla が低圧であるPcla
=0のときKup:Kdn=約6:−4となるように設定さ
れており、Pcla が高圧のときにはKup、Kdnはそれら
の絶対値がほぼ等しい小さい値となる。なお、上記ステ
ップ102 において、ATCU8は調圧ゲイン設定手段として
機能する。その後ステップ103 では、締結油圧演算値P
cla をそのまま締結油圧指令値Pclとして使用する。
【0023】図8中2回目以後(図9中瞬時t4以後)の
制御においてステップ101 が選択するステップ104 で
は、締結油圧の増加分Pclerr を今回値Pcla から前回
値Pcla(OLD)を減算することにより求め、ステップ105
でこのPclerr によって増圧、減圧の判断を行う。ここ
でPclerr ≧0のYESならば、今回増圧であることか
ら、ステップ106でPcl=Pcla +Kup×Pclerr ‐(9)
によりPcla にPclerr と増圧側ゲインKupとの積を
加算して締結油圧指令値Pclを求める。また、Pclerr
<0のNOならば、今回減圧であることから、ステップ
107 で Pcl=Pcla +Kdn×Pclerr ‐(10)によりP
cla にPclerr と減圧側ゲインKdnとの積(負の値にな
る)を加算して締結油圧指令値Pclを求める。そして、
次のステップ108 で今回値Pcla を次回処理においてP
cla(old)として用いるために記憶しておく。
【0024】上記制御の作用について図9〜11によって
説明する。まず図5のプリ棚圧制御においては、図5の
ステップ51のYESー52ー51のNOー53ー54ー55ー51のNOの
ループの実行により図9の瞬時t1〜t2の間(プリチャー
ジタイマの設定時間TM1の間)プリ棚圧Pprが指令さ
れる。図6の制御においては、ステップ63の実行により
目標入力軸回転速度変化率Ntdt を求め、ステップ65、
66の実行により当該摩擦要素の締結力から締結油圧オー
プン値Pclopを求め、ステップ67の実行によりPclopを
補正ランプタイマの設定時間TM3で除算して油圧ラン
プ量Pstepを求め、これを締結油圧オープン値Pclopに
加えて締結油圧演算値Pcla を求める。そして、瞬時t2
〜t3の間(補正ランプタイマの設定時間TM3の間)
は、ステップ76の実行によりPcla をPstepずつ増加さ
せるランプ制御を行ってからステップ78の油圧補正制御
に進める。また、瞬時t4以後は、ステップ80のフィード
バック制御を行って、ステップ97で比例分Pp 、積分分
Pi 、微分分Pd の合計値であるフィードバック油圧P
fbをPclopに加えることにより締結油圧演算値Pcla を
求めてからステップ78の油圧補正制御に進める。なお、
瞬時t3〜t4の間はステップ79の実行により締結油圧指令
値PclをPcla に保持する。
【0025】ところで上記ランプ制御、フィードバック
制御中に求めた締結油圧演算値Pcla を用いて締結油圧
指令値Pclを決定する際には、図8の油圧補正制御が実
行され、この油圧補正制御においては図10のゲインマッ
プが使用される。このゲインマップは、デューティ制御
により圧力を調整される流体圧である締結油圧の演算値
指令値Pcla をパラメータとして用いている点に特徴が
あり、制御デューティレンジが、変速機油温Tatが高温
になる通常運転レンジである場合、Pcla の低圧時には
増圧側ゲインKupの方が減圧側ゲインKdnよりも大きく
なるよう設定してある(Kup、Kdnは圧力変化方向を示
す極性を付加されており、Kupは正、Kdnは負であるこ
とから、上記大小関係は絶対値での比較によるものであ
る)。ここで上記のように設定したのは、Tatの高温
時、低油圧レンジでは減圧側の応答性が良好であるのに
反し、増圧側の応答性が良好にならない傾向があるから
であり、高油圧レンジでは剛性が確保される結果、前記
傾向が問題にならないほど小さくなるからである。な
お、Tatの低温時は、剛性の低下よりも粘性の低下の方
が応答性の低下の要因として大きく作用するため、図10
の設定とした。
【0026】このゲインマップを用いて図8のステップ
106 、107 でKup、Kdnと締結油圧の増加分Pclerr と
の積をPcla に加える補正を行うと、以下に詳述するよ
うに低油圧における増圧側の油圧制御の制御応答性が向
上する。一般に、油圧制御系は制御デューティレンジに
応じて系の剛性が大幅に変化し、例えば図11(a) に例示
したようなデューティ制御を行う場合、低油圧低デュー
ティレンジにおける制御例は同図(b) に示すようにな
る。この場合、制御系の剛性が低下して油圧が上げ難く
下がりやすい制御系となる。このような制御系の特徴を
考慮して制御デューティレンジ毎に補正を行うには、原
理的には同図(c) に示すように入出力波形が変化した場
合、同図(d) に示すように制御系の伝達関数の逆関数を
演算により求め、この逆関数を用いて出力補正すればよ
い。しかし逆関数を求めるのは大変に手間が掛かり、容
易でない。
【0027】そこで、本例においては、ステップ106 、
107 を実行してKup、Kdnと締結油圧の増加分Pclerr
との積をPcla に加えることにより逆関数の近似を行っ
ている。これにより、低油圧低デューティレンジにおい
て、増圧側の制御応答性を本来良好な減圧側の制御応答
性と同等になるまで向上させることができる。
【0028】なお本例においてはオートアップ変速の中
の1→2変速を例に取って説明を展開したが、これに限
定されるものではなく、全てのオートアップ変速におい
て当該締結側摩擦要素の油圧制御について本例の制御を
適用し得ることは言うまでもない。
【0029】
【発明の効果】かくして本発明の自動変速機の変速制御
装置は上述の如く、制御対象摩擦要素を締結する流体圧
を制御する際に、当該流体圧が低圧のときには高圧のと
きよりも調圧ゲインが大きくなるように設定するから、
変速時の流体圧制御において、流体圧の低圧時に増圧側
の圧力応答が減圧側と同等になって、低圧における当該
摩擦要素制御系の剛性が向上し、制御応答性が良好にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置によって変速制御すべき自動変速機
のギヤトレーンの一実施例の構成を示す図である。
【図2】同例における信号計測の制御プログラムを示す
フローチャートである。
【図3】同例における制御信号出力の制御プログラムを
示すフローチャートである。
【図4】同例における変速制御の制御プログラムを示す
フローチャートである。
【図5】図4のステップ42に対応する制御プログラムを
示すフローチャートである。
【図6】図4のステップ42に対応する制御プログラムを
示すフローチャートである。
【図7】図4のステップ42に対応する制御プログラムを
示すフローチャートである。
【図8】図4のステップ42に対応する制御プログラムを
示すフローチャートである。
【図9】同例の変速タイムチャートである。
【図10】同例に用いる増圧側ゲイン、減圧側ゲインを
例示する3次元ゲインマップである。
【図11】(a)〜(d)は同例の作用を説明するため
の図である。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 3 第1遊星歯車組 4 第2遊星歯車組 5 エンジン回転センサ 6 入力軸回転センサ 7 出力軸回転センサ 8 変速制御用コンピュータ(ATCU) 9 スロットル開度センサ 10 エンジン水温センサ B/B バンドブレーキ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デューティ制御により圧力を調整される
    流体圧によって締結する摩擦要素を具える、自動変速機
    において、 前記流体圧が低圧のとき、前記デューティ制御の調圧ゲ
    インを増圧側の調圧ゲインが減圧側の調圧ゲインよりも
    大とすべく設定する、調圧ゲイン設定手段を設けて成る
    ことを特徴とする、自動変速機の変速制御装置。
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